JP4902321B2 - 圧電振動子の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 - Google Patents

圧電振動子の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 Download PDF

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Description

本発明は、1本のリード端子に圧電振動片を接合したシリンダパッケージタイプの圧電振動子の製造方法、該製造方法により製造された圧電振動子、これを有する発振器、電子機器及び電波時計に関するものである。
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが提供されているが、その1つとして、円筒状に形成されたシリンダパッケージタイプの圧電振動子が知られている。
この圧電振動子70は、図28に示すように、音叉型の圧電振動片71と、該圧電振動片71を内部に収納する有底円筒状のケース72と、圧電振動片71をケース72内に密閉させる気密端子73とを備えている。
気密端子73は、金属材料で形成された環状のステム74と、該ステム74を貫くように配され、圧電振動片71の両マウント電極71aに接合された2本のリード端子75と、該リード端子75とステム74とを絶縁状態で一体的に固定すると共にケース72内を密封させる充填材76とで構成されている。
2本のリード端子75は、ケース72内に突出している部分がインナーリード75aとなり、ケース72外に突出している部分がアウターリード75bとなっている。そして、このアウターリード75bが、外部接続端子として機能するようになっている。
また、ケース72は、ステム74の外周に対して圧入されて嵌合固定されている。このケース72の圧入は、真空雰囲気下で行われているため、ケース72内の圧電振動片71を囲む空間は、真空に保たれた状態で密閉されている。
このように構成された圧電振動子70は、2本のリード端子75のアウターリード75bにそれぞれ所定の電圧を駆動電圧として印加すると、電流がインナーリード75aからマウント電極71aを介して圧電振動片71に流れる。これにより、圧電振動片71が所定の周波数で発振するようになっている。
このように構成された圧電振動子70は、各種の電子機器等に搭載される際に、回路基板等にアウターリード75bを直接半田付けして実装される場合もあるが、通常はケース72の周囲を樹脂でモールドした上で実装されている。
この場合の圧電振動子70は、図29に示すように、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂によりケース72の周囲をモールドした樹脂モールド部80を備えている。また、この圧電振動子70は、クランク状に形成された接続端子81と、ダミー端子82とを備えている。接続端子81は、一端側が2本のアウターリード75bに電気的且つ機械的に接続されると共に、他端側が樹脂モールド部80の底面側に露出している。また、ダミー端子82は、ケース72に対して単に接した状態で配置され、接続端子81同様に樹脂モールド部80の底面に露出している。
このように樹脂モールド部80でパッケージングされた圧電振動子70は、回路基板等に実装する際に表面実装することができる。しかも、ケース72をモールドしているので、ケース72に対する絶縁状態を確保できる上、塵埃等から守ることができ、高品質化を図ることができる。
ところで、上述した樹脂モールド部80を有する圧電振動子70を製造するには、大きく分けて3つの工程を経る必要がある。即ち、気密端子73を製造する気密端子製造工程と、該気密端子73に圧電振動片71及びケース72を取り付ける振動子製造工程と、樹脂モールド部80を成形する樹脂成形工程とからなる3つの工程である。
ここで、導電性材料からなる板状のリードフレームから複数の気密端子73を製造した後、これら気密端子73をセラミックスのパレットに並べた状態で振動子製造工程を行う方法が知られている(特許文献1参照)。
この方法は、まず、気密端子製造工程を行う際に、リードフレームに対して一度に複数の気密端子73を形成する。そして、リードフレームからこれら複数の気密端子73を切り離した後、セラミックのパレットに並べて載置する。そして、この状態で圧電振動片71及びケース72を取り付ける振動子製造工程を行う。また、樹脂成形工程を行う場合には、ダミー端子82や接続端子81が形成された別のリードフレームにケース72が固定された気密端子73を並べた後、樹脂モールド部80の成形を行う。これにより、樹脂モールド部80を有する圧電振動子70を製造することができる。
また、気密端子73を製造する際に用いるリードフレームを使用し続けながら、上記3つの工程を行う製造方法も知られている(特許文献2参照)。
この方法は、リードフレームに複数の気密端子73形成すると共に、ダミー端子82及び接続端子81を予め同時に形成しておく。次いで、気密端子73に圧電振動片71を取り付けた後、ケース72を固定する。なお、ケース72を固定する際には、リードフレームを一旦90度折り曲げた後、ケース72を挿入して固定する。これは、ケース72を固定する際に、該ケース72がリードフレーム等に干渉することを防止するためである。そして、ケース72を固定した後にリードフレームを逆方向に再度90度折り曲げて、元の位置に戻す。そして最後に、樹脂モールド部80を成形することで、圧電振動子70を製造することができる。
この方法によれば、リードフレームを交換することなく、気密端子製造工程から樹脂成形工程までを一連の流れで製造できるので、製造効率に優れていると共に組立精度を向上することができる。
特開2006−211492号公報 特開2006−217547号公報
しかしながら、上記従来の方法では、以下の課題が残されている。
即ち、特許文献1記載の方法では、気密端子製造工程が終了した後、複数の気密端子73をパレットに並べる必要があった。よって、時間と手間がかかってしまい、効率の良い製造を行うことができなかった。しかも、振動子製造工程を行うためだけにパレットを準備する必要があり、製造コストの増加を招いていた。また、気密端子73をパレットに並べた後に、圧電振動片71やケース72を固定するので組立誤差が生じ易いものであった。そのため、品質低下が懸念されるものであった。
更には、樹脂成形工程を行う際に、さらに別のリードフレームを準備する必要があるうえ、該リードフレームにケース72が固定された気密端子73を並べる必要があるので、上述した問題がさらに繰り返される恐れがあった。
一方、特許文献2の方法は、リードフレームを交換することなく、気密端子製造工程から樹脂成形工程までを一連の流れで製造できる方法であるので、上述した問題が生じ難いが、ケース72を固定する際にリードフレームを一度折り曲げた後、再度同じポイントで逆方向に折り曲げる必要がある。そのため、塑性変形が繰り返され、リードフレームに集中的に応力が作用して強度が低下する恐れがあった。よって、品質の低下を招いてしまうものであった。特に、圧電振動子70の小型化に伴って、リード端子75の厚みや幅も微小なサイズとなっている。そのため、リード端子75に割れや変形等が生じてしまう可能性もあった。
ところで、近年、携帯電話機等に代表されるように、圧電振動子70を内蔵する各種の電子機器の小型化が進んでいる。そのため、圧電振動子70に関しても、さらなる小型化が求められている。現状、図28に示すケース72の直径Dが1.2mmのものが存在するが、上述した小型化のニーズを受けて、1.0mmのもの、さらには1.0mmよりも小さい超小型化のものが検討され始めている。そこで、この小型化に対応するためリード端子75の数が2本ではなく、1本のものが考えられている。これは、2本のリード端子75の径を小さくしたとしても、互いの電気的な独立性を確保しながら充填材76を介してステム74に固定することが困難だからである。また、リード端子75の剛性が低下してしまい、容易に変形する恐れがあるためである。
しかしながら、上述した従来の方法では、リード端子75が1本で超小型化された圧電振動子70を製造することができるものではなかった。よって、近年のニーズに対応することができなかった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、樹脂モールド部を有し、高品質で超小型化されたシリンダパッケージタイプの圧電振動子を低コストで効率良く製造することができる圧電振動子の製造方法、該製造方法により製造された圧電振動子、該圧電振動子を有する発振器、電子機器及び電波時計を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る圧電振動子の製造方法は、圧電振動片と、該圧電振動片を内部に収納する導電性のケースと、環状に形成された導電性のステムと、該ステムを貫通した状態で配置され、ステムを間に挟んで一端側が前記圧電振動片に電気的に接続されるインナーリードとされ、他端側が外部に電気的に接続されるアウターリードとされたリード端子と、該リード端子と前記ステムとを固定させる充填材とを有し、前記ケース内を密閉させる気密端子と、前記ケース及び前記ステムを介して前記圧電振動片に電気的に接続される外部接続端子と、該外部接続端子及び前記アウターリードを露出させた状態で、前記ケースをパッケージングする絶縁性の樹脂モールド部とを備えた圧電振動子を製造する方法であって、導電性材料からなるベース基板を加工して帯状の基部を形成すると共に、該基部の一方側に、前記アウターリードを繋げた状態で前記リード端子を基部に沿って複数形成し、基部の他方側に、外方に向けて突出した前記外部接続端子をリード端子に対向するように複数形成するベース基板加工工程と、前記リード端子の所定位置に前記充填材を介して前記ステムを装着して前記気密端子を組み立てるステム装着工程と、前記ステムに導通させた状態で前記インナーリードに前記圧電振動片を接続する圧電振動片接続工程と、前記圧電振動片を収納した状態で前記ケースと前記気密端子とを固定して、ケース内を密閉させると共に、ケースと前記ステムとを電気的に接続するケース固定工程と、前記アウターリードの一部を折曲して、前記ケースが前記基部の表面を通る仮想平面に対して略平行で、且つ、ケースの外周面が仮想平面に対して非接触状態となるようにケースの位置を調整すると共に、前記外部接続端子の一部をアウターリードの折曲方向と同方向に折曲する折曲工程と、前記各工程を繰り返し行って、前記ケースの位置が調整されると共に前記外部接続端子が折曲された前記基部を複数用意する繰り返し工程と、前記複数の基部をそれぞれモールド用フレームに固定して、各基部の前記ケースを直線状に並ぶように配列させると共に、ケースと隣接する基部に設けられた前記外部接続端子とを電気的に接続させる基部固定工程と、前記ケースと、折曲した前記アウターリード及び前記外部接続端子とを埋入させるように絶縁性の樹脂をモールド成形して、前記樹脂モールド部を形成する樹脂成形工程と、前記基部と前記アウターリード及び前記外部接続端子との間をそれぞれ切断して切り離す切断工程と行うことを特徴とするものである。
この発明に係る圧電振動子の製造方法においては、ベース基板加工工程、ステム装着工程、圧電振動片接続工程、ケース固定工程、折曲工程、繰り返し工程、基部固定工程、樹脂成形工程及び切断工程を行うことで、ベース基板を最初から最後まで利用し続けながら樹脂モールド部を有する超小型化のシリンダパッケージタイプの圧電振動子を一度に複数製造することができる。
まず、導電性材料からなるベース基板をパターニングしながら加工して、一方向に延びた帯状の基部を形成すると共に、該基部にリード端子及び外部接続端子をそれぞれ複数形成するベース基板加工工程を行う。この際、基部の一方側に、アウターリードが繋がった状態でリード端子を形成する。また、基部の他方側に、このリード端子に対向するように外方に向けて突出した外部接続端子を形成する。特にリード端子は、アウターリード側が基部に繋がっているので、インナーリード側が自由端となっており、外部から自由にアクセス可能な状態となっている。
次いで、リード端子の所定位置に充填材を介して環状に形成された導電性のステムを装着するステム装着工程を行う。これにより、ステムを貫通した状態で該ステムとリード端子とが固定され、気密端子を組み立てることができる。
次いで、インナーリードと圧電振動片とを電気的且つ機械的に接続する圧電振動片接続工程を行う。この際、上述したようにインナーリード側は自由端となっているので、何ら制約を受けることなく容易に圧電振動片を近づけて接続することができる。また、圧電振動片を接続する際に、圧電振動片とステムとを導通させる。
続いて、圧電振動片に導電性のケースを被せて内部に収納させると共に該ケースと気密端子とを固定するケース固定工程を行う。これにより、ケース内に圧電振動片を密閉して封止することができる。この工程の際も、上述した圧電振動片接続工程と同様に、何ら制約を受けることなく容易にケースを近づけて固定することができる。よって、従来のように、ケースを固定するためだけにリード端子を同じポイントで2回も折り曲げる必要がない。また、導電性のケースであるので、ケースとステムとが電気的に接続された状態となる。これにより、ケースと圧電振動片とが導通した状態となる。
この工程が終了すると、ケースが固定されたリード端子が基部に沿って複数並んだ状態となる。なお、基部を間に挟んでケースと外部接続端子とがそれぞれ対向した位置関係となっている。また、基部、リード端子及び外部接続端子は、共に同じベース基板から形成されているので、この時点では平板状となっている。
次いで、基部に繋がったアウターリードの一部を折り曲げて、ケースの位置を調整すると共に、外部接続端子の一部を折り曲げる折曲工程を行う。アウターリードの一部を折り曲げることで、ケースが基部の表面を通る仮想平面に対して略平行で、外周面がこの仮想平面に対して非接触な状態となる。つまり、基部を底面に載置したときに、ケースを底面に対して略平行にした状態で、底面から浮上させた状態にすることができる。また、外部接続端子の一部を、アウターリードの折曲方向と同じ方向に折り曲げる。
次に、上述した各工程を再度繰り返し行って、ケースの位置が調整されたリード端子を複数有すると共に、一部が折り曲げられた複数の外部接続端子を有する基部を、複数用意する繰り返し工程を行う。
基部を複数用意した後、各基部をそれぞれモールド用フレームに固定する基部固定工程を行う。この際、各基部に設けられたケースが直線状に並ぶように基部を配列しながら固定する。これにより、各基部に設けられたリード端子及びケースが、縦方向及び横方向に整列した状態となる。
また、基部を挟んでケースに対向するように外部接続端子が形成されているので、各部部をモールド用フレームに固定すると、ケースと隣接する基部に設けられた外部接続端子とが接触して電気的に接続された状態となる。
次いで、ケースと、折曲した外部接続端子及びアウターリードとをそれぞれ埋入させるように絶縁性の樹脂をモールド成形して、樹脂モールド部を形成する樹脂成形工程を行う。特に、上記折曲工程によってケースの位置が調整されているので、ケースを樹脂モールド内に容易に埋入させることができる。また、基部側のアウターリード及び外部接続端子は、樹脂モールド部から外部に露出した状態となっている。そして最後に、基部とアウターリードとの間、基部と外部接続端子との間をそれぞれ切断して切り離す切断工程を行う。その結果、樹脂モールド部でパッケージングされた1本のリード端子からなる圧電振動子を製造することができる。
このように製造された圧電振動子は、外部接続端子及びアウターリードを介して圧電振動片に所定の電圧を印加することで、該圧電振動片を所定の周波数で振動させることができ、時刻源や制御信号等のタイミング源等として利用することができる。しかも、樹脂モールド部内にケースが埋入されているので、塵埃等の影響を受け難い。また、回路基板等に直接載置することができ、表面実装することも可能である。また、ケースを間に挟んでアウターリードと外部接続端子とが位置しているので、表面実装したときに圧電振動子の座りが良くなり姿勢が安定する。よって、実装し易くなり、品質をさらに向上することができる。
更に、リード端子が2本ではなく1本であるので、互いの電気的な独立性を確保しながら充填材を小さく形成する等といった設計を行う必要がない。よって、気密端子やケースのサイズをより小さくすることができ、ケースの径が1.0mm以下といった超小型化を図ることも可能である。
特に、最初の工程から最後の工程まで、ベース基板を加工した基部を利用し続けることができるので、一連の流れで圧電振動子を製造することができる。従って、手間と時間がかからず、低コストで効率の良い製造を行うことができる。また、製造中に組立誤差が生じ難いので、高品質化を図ることができる。しかも、従来のようにリード端子を同じポイントで2回も折り曲げる必要がないので、応力集中を防ぐことができ、リード端子の強度低下を極力防止することができる。この点においても、高品質化を図ることができる。
また、本発明に係る圧電振動子の製造方法は、上記本発明の圧電振動子の製造方法において、前記圧電振動片接続工程後、前記アウターリードと前記ステムとの間に電圧を印加させて、前記圧電振動片の周波数調整を行う周波数調整工程を行うことを特徴とするものである。
この発明に係る圧電振動子の製造方法においては、インナーリードと圧電振動片とを接続すると、アウターリードとステムとは圧電振動片を経由して導通された状態となっている。従って、アウターリードとステムとの間に電圧を印加することで、圧電振動片を振動させることができる。そして、この際の振動状況に応じて周波数調整を行う。これにより、予め決められた周波数の範囲内に圧電振動子の周波数を調整することができ、高品質な圧電振動子を製造することができる。
また、本発明に係る圧電振動子の製造方法は、上記本発明の圧電振動子の製造方法において、前記ケースが、端面から外方に突出した突起部を有しており、前記ベース基板加工工程時に、前記突起部が押し込み可能とされ、押し込まれたときに弾性力により突起部を保持する嵌合溝を前記外部接続端子に形成し、前記基部固定工程時に、前記突起部を前記嵌合溝に沿って所定の力で押し込んで、弾性力により保持させることを特徴とするものである。
この発明に係る圧電振動子の製造方法においては、ベース基板加工工程で外部接続端子を形成する際に、ケースの端面から突出する突起部が押し込まれる嵌合溝を形成しておく。そして、基部固定工程時で各基部をモールド用フレームに固定する際に、ケースの突起部を隣接する基部に設けられた外部接続端子の嵌合溝に所定の力で押し込む。これにより、突起部は弾性力により保持された状態となる。これにより、ケースと外部接続端子とを互いに強固に連結させた状態で電気的に接続することができる。従って、落下等により衝撃が加わったとしても、ケースと外部接続端子とが非接触状態に成り難く、導通経路をより安定して確保し続けることができる。よって、製品の信頼性を向上することができる。
また、本発明に係る圧電振動子の製造方法は、上記本発明のいずれかの圧電振動子の製造方法において、前記ベース基板加工工程の際に、前記充填材の位置を前記所定位置に位置決めさせる位置決め部を前記リード端子に形成することを特徴とするものである。
この発明に係る圧電振動子の製造方法においては、ベース基板加工工程の際に、位置決め部をリード端子に形成しておく。これにより、ステム装着工程の際に、予め決められた所定位置に対して高精度にステムを装着することができる。従って、ステムの装着誤差を最小限にすることができ、さらなる高品質化を図ることができる。
また、本発明に係る圧電振動子は、上記本発明のいずれかの圧電振動子の製造方法により製造されたことを特徴とするものである。
この発明に係る圧電振動子においては、上述した製造方法により製造されているので、高品質化及び低コスト化を図ることができると共に、小型化を図ることができる。
また、本発明に係る発振器は、上記本発明の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
また、本発明に係る電子機器は、上記本発明の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
また、本発明に係る電波時計は、上記本発明の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
この発明に係る発振器、電子機器及び電波時計によれば、上述した圧電振動子を備えているので、同様に低コスト化及び小型化を図ることができると共に、高品質で信頼性を向上することができる。
本発明に係る圧電振動子の製造方法によれば、樹脂モールド部でパッケージングされ、高品質で超小型化されたシリンダパッケージタイプの圧電振動子を低コストで効率良く製造することができる。
また、本発明に係る圧電振動子によれば、上述した製造方法により製造されているので、高品質化及び低コスト化を図ることができると共に、小型化を図ることができる。
更に、本発明に係る発振器、電子機器及び電波時計によれば、上述した圧電振動子を備えているので、同様に低コスト化及び小型化を図ることができると共に、高品質で信頼性を向上することができる。
以下、本発明に係る圧電振動子、圧電振動子の製造方法の一実施形態を、図1から図
を参照して説明する。
本実施形態の圧電振動子1は、シリンダパッケージタイプの圧電振動子であって、図1から図4に示すように、圧電振動片2と、該圧電振動片2を内部に収納するケース3と、圧電振動子1をケース3内に密閉させる気密端子4と、ケース3及び後述するステム10を介して圧電振動片2に電気的に接続される外部接続端子5と、ケース3を埋入してパッケージングする樹脂モールド部6とを備えている。
圧電振動片2は、図5及び図6に示すように、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、平行に配置され、基端側が基部2aに一体的に固定された一対の振動腕部2bと、該一対の振動腕部2bの外表面上に形成されて一対の振動腕部2bを振動させる図示しない励振電極と、該励振電極に電気的に接続されたマウント電極2cとを有している。
励振電極は、一対の振動腕部2bを互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極であり、図示しない引き出し電極を介してマウント電極2cに電気的に接続されている。そして圧電振動片2は、マウント電極2cを介して電圧が印加されるようになっている。なおこのマウント電極2cは、図6に示すように、圧電振動片2の両面にそれぞれ形成されている。
なお、一対の振動腕部2bの先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための図示しない重り金属膜が被膜されている。この重り金属膜を利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部2bの周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができるようになっている。
ケース3は、導電性材料により有底円筒状に形成されており、気密端子4の後述するステム10の外周に対して圧入されて、嵌合固定されている。また、ケース3とステム10とが電気的に接続された状態になっている。なお、このケース3の圧入は、真空中で行われており、ケース3内の圧電振動片2を囲む空間が真空に保たれた状態となっている。また、本実施形態のケース3は、絞り成形されており、端面から外方に向けて突出した突起部3aを有している。この突起部3aは、例えば、断面円形状に形成されている。
気密端子4は、ステム10と、該ステム10を貫通した状態で配置され、ステム10を間に挟んで一端側が圧電振動片2のマウント電極2cに電気的に接続されるインナーリード11aとされ、他端側が外部に電気的に接続されるアウターリード11bとされたリード端子11と、該リード端子11とステム10とを固定させる充填材12とを有している。
上記ステム10は、金属材料(例えば、低炭素鋼(Fe)、鉄ニッケル合金(Fe−Ni)、鉄ニッケルコバルト合金(Fe−Ni−Co))で環状に形成されたものである。また、充填材12の材料としては、例えば、ホウ珪酸ガラスである。なお、このステム10の外周には、リード端子11と同じ材料のメッキ(金属膜)が被膜されている。
リード端子11は、ステム10と同じ材料である導電性材料からなる、後述するベース基板(例えば、厚さが0.1mm程度)20から形成されたものであって、ケース3内に突出している部分がインナーリード11aとなり、ケース3外に突出している部分がアウターリード11bとなっている。また、インナーリード11aは、図5及び図6に示すように、先端が段状に形成されており、この部分で圧電振動片2の一方の側に設けられた一方のマウント電極2cに対して、ケース3内で電気的及び機械的に接続されている。
また、アウターリード11bは、図1から図3に示すように、略直角に2回折り曲げられており、一部が樹脂モールド部6の底面に露出すると共に、外方に突出した状態となっている。また、このアウターリード11bには、充填材12に接する位置に突起部(位置決め部)11cが形成されている。この突起部11cは、充填材12及びステム10の取り付け位置を所定位置に位置決めしているものである。これについては、後に詳細に説明する。
また、本実施形態の圧電振動子1は、図5及び図6に示すように、圧電振動片2の他方面側に設けられた他方のマウント電極2cとステム10とが2本のワイヤ13を介して電気的に接続されている。これにより、圧電振動片2、ステム10及びケース3が、それぞれ電気的に接続された状態となっている。
外部接続端子5は、上記リード端子11と同じベース基板20から形成されたものであって、図1、図3及び図5に示すように、略直角に折り曲げられて断面L字状に形成されており、ケース3を間に挟んでアウターリード11bの反対側に位置している。また、外部接続端子5は、アウターリード11bと同様に一部が樹脂モールド部6の底面に露出すると共に、外方に突出した状態となっている。また、外部接続端子5の残りの一部は、ケース3の端面に対して対向するように配置されている。そして、この対向した部分には、ケース3の突起部3aが押し込み可能とされ、押し込まれたときに弾性力により突起部3aを保持する嵌合溝5aが形成されている。これにより、突起部3aと外部接続端子5とは、強固に接続されたうえ、電気的にも接続された状態となっている。
上記樹脂モールド部6は、絶縁性の樹脂(例えば、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂や液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂)でモールド成形されたものであり、図1から図4に示すように、アウターリード11b及び外部接続端子5の一部を上述したように露出させた状態で、ケース3を内部に埋入させている。この樹脂モールド部6は、略直方体状に形成されている。なお本実施形態の樹脂モールド部6は、アウターリード11b側の一部が斜めにカットされており、向きを目視で確認できるようになっている。
ここで、本実施形態の圧電振動子1を構成する主要部品の寸法及び材質の一例について述べる。
まず、樹脂モールド部6の寸法例としては、全長Lが約3.0mm〜5.0mm、幅W及び厚みTが約1.0mm〜1.5mmである。また、圧電振動片2の寸法例としては、幅が約0.5mm〜0.6mm、全長は約1.0mm〜3.2mm、厚みはベース基板と同じ約0.10mmである。ステム10の直径としては、メッキ後の段階で約0.9mmである。
また、ステム10及びリード端子11のメッキの材質としては、耐熱ハンダメッキや、錫銅合金や金錫合金等が用いられる。なお、ステム10の外周のメッキを介在させて、ケース3を真空中で冷間圧接させることにより、ケース3の内部を真空状態で気密封止できるようになっている。
また、マウント電極2cは、クロム(Cr)と金(Au)との積層膜であり、水晶と密着性の良いクロム膜を下地として成膜した後に、表面に金の薄膜を施したものである。なお、この場合に限られず、例えば、クロムとニクロム(NiCr)の積層膜の表面にさらに金の薄膜を積層しても構わない。
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、アウターリード11bと外部接続端子5との間に、所定の駆動電圧を印加する。これにより、マウント電極2c及び引き出し電極を介して、励振電極に電流を流すことができ、一対の振動腕部2bを所定の周波数で振動させることができる。そして、一対の振動腕部2bの振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
しかも、樹脂モールド部6内にケース3がパッケージングされているので、塵埃等の影響を受け難い。また、樹脂モールド部6を有しているので、回路基板等に直接載置することができ、容易に表面実装することが可能である。特に、ケース3を間に挟んでアウターリード11b及び外部接続端子5の一部が樹脂モールド部6の底面に露出しているので、表面実装したときに座りが良くなり、姿勢が安定する。よって、実装作業を行い易い。しかも樹脂モールド部6は、アウターリード11b側が斜めにカットされているので、向きを間違えることなく確実に実装作業を行うことができる。
次に、上述した圧電振動子1の製造方法について以下に説明する。
本実施形態の圧電振動子1の製造方法は、ベース基板加工工程、ステム装着工程、圧電振動片接続工程、ケース固定工程、折曲工程、繰り返し工程、基部固定工程、樹脂成形工程及び切断工程を順に行うことで、ベース基板20を最初から最後まで利用し続けながら一度に複数の圧電振動子1を製造する方法である。これら各工程について、図7から図9に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
まず、導電性材料からなるベース基板20をパターニングしながら加工して、図10及び図11に示すように、一方向に延びた帯状のプラグリードフレーム(基部)21を形成すると共に、該プラグリードフレーム21にリード端子11と、後に外部接続端子5となる突出部22とをそれぞれ複数形成するベース基板加工工程を行う。
この工程を具体的に説明すると、平板状のベース基板20を準備(S1)した後、プレス加工、レーザ加工或いはエッチング等の化学的な加工を施して、プラグリードフレーム21を形成すると共に、リード端子11及び突出部22をそれぞれ複数形成する(S2)。この際、プラグリードフレーム21の一方側にアウターリード11bが繋がった状態で、プラグリードフレーム21に沿って所定間隔L毎に並ぶようにリード端子11を形成する。特に、リード端子11は、アウターリード11b側が繋がっているので、インナーリード11a側が自由端となっており、外部から自由にアクセス可能な状態となっている。また、リード端子11を形成する際に、図11に示すように、後に取り付ける充填材12の位置を位置決めさせる突起部11cを同時に形成しておく。
また、突出部22は、リード端子11と同じ間隔L毎に、プラグリードフレーム21の他方側から外方に向けて所定の幅Wで突出するように形成する。この際、突出部22の先端に嵌合溝5aを形成しておく。この時点で、ベース基板加工工程が終了する。
次いで、リード端子11の所定位置に充填材12を介してステム10を装着するステム装着工程を行う。この工程を具体的に説明すると、まず、充填材12との密着性を高めるため、ベース基板20を酸化処理する(S3)。また、この酸化処理の間に、充填材12の原料を準備しておく(S4)。この原料としては、例えばホウ珪酸ガラス粉末である。続いて、この充填材12の原料を、図示しない型を利用して酸化処理が終了した一対のリード端子11の所定位置に充填すると共に、加圧成形する(S5)。この際、リード端子11には、突起部11cが形成されているので、充填材12の原料を決められた所定位置に対して高精度に充填することができる。続いて、750℃前後の温度雰囲気で仮焼成を行い、図12に示すように、充填材12を焼結させる(S6)。なおこの時点では、充填材12はまだリード端子11との間に隙間をもったままである。
また、上記工程と同時に以下の工程を行って、ステム10を用意しておく。即ち、低炭素鋼、鉄ニッケル合金、鉄ニッケルコバルト合金等からなるステム用の板材を準備(S7)した後、この板材をプレスで打ち抜いて環状に形成する(S8)。続いて、酸洗浄や還元処理等の前処理を実施(S9)した後、充填材12との密着性を高めるために酸化処理を行う(S10)。これらの工程を行って、予めステム10を用意しておく。
そして、図13に示すように、ステム10を充填材12の外側に装着する(S11)。ステム10を装着した後、1000℃前後の温度雰囲気で充填材12の焼成を実施する(S12)。これにより、充填材12とリード端子11との間、充填材12とステム10との間が完全に封着され、気密に耐えられる構造となる。つまり、ステム10を貫通した状態で、該ステム10とリード端子11とを固定することができ、気密端子4を組み立てることができる。なおこの時点で、ステム装着工程が終了する。
次に、インナーリード11aと圧電振動片2とを電気的且つ機械的に接続する圧電振動片接続工程を行う。但しこの工程を行う前に、次に述べる工程を先に行う。まず、後に工程のためにリード端子11の表面及びステム10の外周面に同一材料の金属膜を湿式メッキ法で被膜する。そのための前処理として、リード端子11の表面及びステム10の外周面を洗浄すると共に、アルカリ溶液で脱脂した後、塩酸及び硫酸の溶液にて酸洗浄を行う(S13)。この前処理が終了した後、リード端子11の表面及びステム10の外周面に下地金属膜を形成する(S14)。例えば、Cuメッキ或いはNiメッキを略2μmから5μmの膜厚で被膜させる。
続いて、下地金属膜上に仕上金属膜を形成する(S15)。例えば、錫や銀等の単一材料の他、錫鉛合金、錫ビスマス合金、錫アンチモン合金や錫銅合金等を、略8μmから15μmの膜厚で被膜させた後に、ワイヤボンディングされるステムの領域には、金等の部分メッキを施しておくのが好適である。尤も、この部分金メッキは。全体に施しても良いし、下地金属を形成した後に、金を含む金錫メッキを全体に施すことも可能である。
このように下地金属膜及び仕上金属膜からなる金属膜を被膜させることで、インナーリード11aと圧電振動片2との接続を可能にすることができる。また、圧電振動片2の接続だけでなく、ステム10の外周面に被膜された金属膜が軟らかく弾性変形する特性を有しているので、ステム10とケース3との冷間圧接を可能にすることができ、気密接合を行うことができる。
続いて、金属膜の安定化を図るために、真空雰囲気の炉中でアニーリングを行う(S16)。例えば、170℃の温度で1時間の加熱を行う。これにより、金属膜中に残っている残留応力を除去することができる。
このアニーリングが終了した時点で、圧電振動片接続工程を開始することができる。なお、金属膜を被膜する際に、湿式メッキ法で行った場合を例にしたが、この場合に限られず、例えば、蒸着法や化学気相法等も構わない。
次に、圧電振動片接続工程を開始する。図14に示すように、マウント電極2c側をインナーリード11a側に向けた状態で圧電振動片2を供給させて(S18)、マウント電極2cとインナーリード11aとを機械的に位置合わせさせる。この際、インナーリード11aの先端に形成された段段の部分と圧電振動片2の一方の面側に設けられた一方のマウント電極2cとを重ねあわせる。続いて、インナーリード11aに先ほど施された金属膜を熱源により溶融させて、インナーリード11aとマウント電極2cとを片面接合する(S19)。これにより、図15に示すように、圧電振動片2をマウントすることができる。なお、熱源としては、加熱した不活性ガス、レーザや光源等が利用される。或いは、インナーリード11aの母材自体を溶融させても良く、例えば、アーク放電熱等の技術が利用できる。
続いて、図16に示すように、圧電振動片2の他方の面側に設けられた他方のマウント電極2cとステム10との間にワイヤ13をボンディングする(S20)。これにより、ステム10と圧電振動片2とが電気的に接続された状態となる。この時点で圧電振動片接続工程が終了する。
特にこの工程を行う際に、インナーリード11a側が自由端となっているので、何ら制約を受けることなく容易に圧電振動片2を近づけて接続することができる。
圧電振動片2をマウントさせた後、マウントによる歪みを除去するために、所定の温度でベーキングを行う(S21)。続いて、ケース3を固定する前に、圧電振動片2の周波数調整(微調)を行う(S22)。この周波数調整について具体的に説明すると、全体を真空チャンバーに入れた状態で、アウターリード11bとステム10との間に電圧を印加して圧電振動片2を振動させる。そして、周波数を計測しながら、レーザにより一対の振動腕部2bの先端に設けられた重り金属膜を蒸発させることで、周波数の調整を行う。なお、周波数計測を行うには、図17に示すように、アウターリード11b及びステム10にそれぞれプローブPの先端を押し付けることで、計測を正確に行うことができる。この周波数調整工程を行うことで、予め決められた周波数の範囲内に圧電振動片2の周波数を調整することができる。
特に、ステム10と圧電振動片2とが導通しているので、簡単に圧電振動片2を振動させることができ、周波数調整に時間や手間がかかることがない。なお、重り金属膜を蒸発させる際に、レーザ以外にも、アルゴンイオンを照射して蒸発させても構わない。
次に、圧電振動片2にケース3を被せて内部に収納させる共に、該ケース3と気密端子4とを固定するケース固定工程を行う。この工程について具体的に説明すると、真空中で図18に示すようにケース3を接近させると共に、所定の荷重を加えながらケース3を気密端子4のステム10の外周に圧入する(S23)。すると、ステム10の外周面に形成された金属膜が弾性変形するので、気密封止することができる。これにより、図19に示すように、ケース3内に圧電振動片2を密閉して真空封止することができる。また、導電性のケース3であるので、ケース3とステム10とが電気的に接続された状態となる。これにより、ケース3と圧電振動片2とが導通した状態となる。
また、この工程を行う前に、気密端子4、圧電振動片2及びケース3を十分に加熱して、表面吸着水分等を脱離させておく。
このケース固定工程を行う場合にも、上述した圧電振動片接続工程と同様に、何ら制約を受けることなく容易にケース3を近づけて固定することができる。よって、従来のように、ケース3を固定するためだけにリード端子11を同じポイントで2回も折り曲げる必要がない。この工程が終了すると、図20(a)に示すように、ケース3が固定されたリード端子11がプラグリードフレーム21に沿って複数並んだ状態となる。また、プラグリードフレーム21、突出部22及びリード端子11は、共に同じベース基板20から形成されているので、図20(b)に示すように、この時点ではまだ平板状となっている。
また、ケース3を固定した後、スクリーニングを行う。このスクリーニングは、周波数や共振抵抗値の安定化を図ると共に、ケース3を圧入した箇所に圧縮応力に起因する金属ウイスカが発生してしまうことを抑制するために行うものである。
次に、プラグリードフレーム21に繋がれたアウターリード11bの一部を折り曲げて、ケース3の位置を調整すると共に、突出部22の一部を折り曲げる折曲工程を行う。この工程について具体的に説明すると、図21(a)、(b)に示すように、まずアウターリード11bを略直角に2回折り曲げる(S24)。これにより、ケース3がプラグリードフレーム21の表面を通る仮想平面Hに対して略平行で、外周面がこの仮想平面Hに対して非接触な状態となる。つまり、プラグリードフレーム21を底面に載置したときに、ケース3を底面に対して略平行にした状態で、底面から浮上させた状態にすることができる。また、アウターリード11bの折り曲げと同時に、突出部22の一部をアウターリード11bの折曲方向と同じ方向に略直角に折り曲げておく(S25)。
次に、上述した各工程を再度繰り返し行って、突出部22が折り曲げられていると共に、アウターリード11bが折り曲げられてケース3の位置が調整されたリード端子11を複数有するプラグリードフレーム21を、複数用意する繰り返し工程を行う。つまり、図21(a)に示すプラグリードフレーム21と同じものを複数用意する。
次に、図22(a)に示すモールド用フレーム23を準備する(S26)。このモールド用フレーム23は、導電性材料(例えば、ベース基板20と同じ材料)から帯状に形成されたものであって、一定の間隔を空けて平行に配置された状態で使用される。
そして、上述したようにプラグリードフレーム21を複数用意した後、各プラグリードフレーム21をそれぞれモールド用フレーム23に固定する基部固定工程を行う。具体的には、図22(a)に示すように、モールド用フレーム23間に架渡すようにプラグリードフレーム21を溶接等により接合する(S27)。また、各プラグリードフレーム21に設けられたケース3がプラグリードフレーム21に直交する方向(矢印A方向)に沿って直線状に並ぶように配列させる。これにより、各プラグリードフレーム21に設けられたリード端子11及びケース3が、縦方向(矢印A方向)及び横方向(矢印B方向)に整列した状態となる。
また、先ほど折り曲げた突出部22の一部が、図22(b)に示すように、隣接するプラグリードフレーム21に設けられたケース3の端面に対向した状態となる。よって、プラグリードフレーム21を固定する際に、図23に示すように、ケース3の突起部3aを隣接するプラグリードフレーム21に設けられた突出部22の嵌合溝5aに所定の力で押し込む。これにより突起部3aは、弾性力により保持された状態となる。これにより、ケース3と隣接するプラグリードフレーム21に設けられた突出部22とを互いに強固に連結することができると共に、電気的に接続することができる。
なお、この工程を行うにあたり、モールド用フレーム23の最端部に、折り曲げられた突出部22のみが形成されたプラグリードフレーム21を接合させておく。
次に、図24(a)、(b)に示すように、ケース3、折曲したアウターリード11b及び折曲した突出部22を埋入させるように絶縁性の樹脂をモールド成形して、樹脂モールド部6を形成する樹脂成形工程を行う(S28)。特に、上述した折曲工程によって、ケース3の位置が調整されているので、ケース3を樹脂モールド内に容易に埋入させた状態でパッケージングすることができる。また、プラグリードフレーム21側のアウターリード11b及び突出部22は、樹脂モールド部6から外部に露出した状態となっている。
ここで、樹脂モールド部6でパッケージングした内部の電気特性検査を行う(S29)。即ち、圧電振動片2の共振周波数、共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等の併せてチェックする。
この電気特性検査が終了した後、プラグリードフレーム21とアウターリード11bとの間、プラグリードフレーム21と突出部22との間をそれぞれ切断して切り離す切断工程を行う(S30)。その結果、図1から図4に示す圧電振動子1を製造することができる。なお、切り離された突出部22は、外部接続端子5として機能する。そして、最後に製造した圧電振動子1の外観検査を行って(S31)、寸法や品質等を最終的にチェックする。これにより、一度に複数の圧電振動子1を製造する製造方法が終了する。
上述したように本実施形態の製造方法は、最初の工程から最後の工程まで、ベース基板20を加工したプラグリードフレーム21を利用し続けることができるので、一連の流れで圧電振動子1を製造することができる。従って、手間と時間がかからず、低コストで効率の良い製造を行うことができる。また、製造中に組立誤差が生じ難いので、高品質化を図ることができる。特に本実施形態の場合には、予め決められた所定位置に対して高精度にステム10を装着しているので、気密端子4の組立誤差を最小限に抑えることができる。このことからも、高品質化を図ることができる。
しかも、従来のようにリード端子11を同じポイントで2回も折り曲げる必要がないので、応力集中を防ぐことができ、リード端子11の強度低下を極力防止することができる。この点においても、高品質化を図ることができる。
また、ケース3及び外部接続端子5が、突起部3a及び嵌合溝5aによって強固に連結しているので、落下等の衝撃が加わったとしても、ケース3と外部接続端子5とが非接触状態に成り難く、導通経路をより安定して確保し続けることができる。よって、製品の信頼性を向上することができる。
リード端子11が2本ではなく1本であるので、従来のように互いの電気的な独立性を確保しながら充填材12を小さく形成する等といった設計を行う必要がない。よって、気密端子4やケース3のサイズをより小さくすることができ、ケース3の径が1.0mm以下といった超小型化を図ることも可能である。
なお、以上の説明では、音叉型の振動片を例に挙げたが、振動片は屈曲振動する音叉型に限られず、例えば厚み滑りモードで振動する振動片であってもよい。厚み滑り振動片の場合は、圧入はN2等の不活性ガスの中で実施しても良い。
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図25を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器30は、図25に示すように、圧電振動子1を、集積回路31に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器30は、コンデンサ等の電子部品32が実装された基板33を備えている。基板33には、発振器用の上記集積回路31が実装されており、この集積回路31の近傍に、圧電振動子1の圧電振動片2が実装されている。これら電子部品32、集積回路31及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器30において、圧電振動子1に電圧を印加すると、該圧電振動子1内の圧電振動片2が振動する。この振動は、圧電振動片2が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路31に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路31によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路31の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
上述したように、本実施形態の発振器30によれば、強度的に優れ、高品質で超小型化可能な圧電振動子1を備えているので、発振器30自体の高品質化及び小型化を図ることができ、製品の信頼性を向上することができる。また、これに加え、長期にわたって安定した高精度な周波数信号を得ることができる。
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図26を参照して説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器40を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器40は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
次に、本実施形態の携帯情報機器40の構成について説明する。この携帯情報機器40は、図25に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部41とを備えている。電源部41は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部41には、各種制御を行う制御部42と、時刻等のカウントを行う計時部43と、外部との通信を行う通信部44と、各種情報を表示する表示部45と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部46とが並列に接続されている。そして、電源部41によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部42は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部42は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部43は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片2が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部42と信号の送受信が行われ、表示部45に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部44は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部47、音声処理部48、切替部49、増幅部50、音声入出力部51、電話番号入力部52、着信音発生部53及び呼制御メモリ部54を備えている。
無線部47は、音声データ等の各種データを、アンテナ55を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部48は、無線部47又は増幅部50から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部50は、音声処理部48又は音声入出力部51から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部51は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部53は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部49は、着信時に限って、音声処理部48に接続されている増幅部50を着信音発生部53に切り替えることによって、着信音発生部53において生成された着信音が増幅部50を介して音声入出力部51に出力される。
なお、呼制御メモリ部54は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部52は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部46は、電源部41によって制御部42等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部42に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部44を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部46から電圧降下の通知を受けた制御部42は、無線部47、音声処理部48、切替部49及び着信音発生部53の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部47の動作停止は、必須となる。更に、表示部45に、通信部44が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
即ち、電圧検出部46と制御部42とによって、通信部44の動作を禁止し、その旨を表示部45に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部45の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部44の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部56を備えることで、通信部44の機能をより確実に停止することができる。
上述したように、本実施形態の携帯情報機器40によれば、強度的に優れ、高品質で超小型化可能な圧電振動子1を備えているので、携帯情報機器40自体も同様に強度的に優れ、高品質化で小型化を図ることができ、製品の信頼性を向上することができる。また、これに加え、長期にわたって安定した高精度な時計情報を表示することができる。
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図27を参照して説明する。
本実施形態の電波時計60は、図27に示すように、フィルタ部61に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計60の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ62は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ63によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部61によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、上記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部68、69をそれぞれ備えている。
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路64により検波復調される。続いて、波形整形回路65を介してタイムコードが取り出され、CPU66でカウントされる。CPU66では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC67に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部68、69は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計60を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
上述したように、本実施形態の電波時計60によれば、強度的に優れ、高品質で超小型化が可能な圧電振動子1を備えているので、電波時計60自体も同様に強度的に優れ、高品質化で小型化を図ることができ、製品の信頼性を向上することができる。またこれに加え、長期にわたって安定して高精度に時刻をカウントすることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本発明に係る圧電振動子の一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す圧電振動子を矢印C方向から見た図である。 図1に示す圧電振動子を矢印D方向から見た図である。 図1に示す圧電振動子を矢印E方向から見た図である。 図1に示すケースの中身を見た図であって、圧電振動子を上方から状態の図である。 図1に示す圧電振動子の圧電振動片とケースと気密端子との位置関係を示した断面図ある。 図1に示す圧電振動子を製造する際の一工程を示すフローチャートである。 図7に示すフローチャートの続きである。 図8に示すフローチャートの続きである。 図1に示す圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、ベース基板を加工して、帯状のプラグリードフレームを形成すると共に、該プラグリードフレームに一対のリード端子及び突出部をそれぞれ複数形成した状態を示す図である。 図10に示すプラグリードフレームを一部拡大した状態を示す図である。 図11に示す状態から、一対のリード端子の所定位置に充填材を取り付けた状態を示す図である。 図12に示す状態から、ステムを装着した状態を示す図である。 図13に示す状態から、マウント電極をインナーリード側に向けた状態で、圧電振動片を近づけた状態を示す図である。 図14に示す状態から、インナーリードと一方のマウント電極とを電気的及び機械的に接続して、圧電振動片をマウントした状態を示す図である。 図15に示す状態から、ワイヤを介してステムと他方のマウント電極とを電気的に接続した状態を示す図である。 図16に示す状態から、アウターリード及びステムにプローブを接触させながら、圧電振動片の周波数調整を行っている状態を示す図である。 図17に示す状態から、圧電振動片を内部に収納させるようにケースを被せている状態を示す図である。 図18に示す状態から、ステムの外周にケースを圧入固定した状態を示す図である。 (a)は図19に示す状態を上方から見た図であり、(b)は(a)を側方から見た状態を示す図である。 (a)は図20に示す状態から、アウターリード及び突出部を折曲した状態を示す図であり、(b)は(a)を側方から見た状態を示す図である。 (a)は図21に示すプラグリードフレームをモールド用フレームに複数隣接させて並べた状態を示す図であり、(b)は(a)を側方から見た状態を示す図である。 ケースの突起部を突出部に形成された嵌合溝に押し込んで、突起部を保持させる流れを示した図である。 (a)は図22に示す状態から樹脂をモールドして樹脂モールド部を成形した状態を示す図であり、(b)は(a)を側方から見た状態を示す図である。 本発明に係る発振器の一実施形態を示す構成図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を示す構成図である。 本発明に係る電波時計の一実施形態を示す構成図である。 従来の圧電振動子の一例を示す斜視図である。 図28に示す圧電振動子を樹脂モールド部でパッケージングした圧電振動子の側面図である。
符号の説明
H プラグリードフレームの仮想平面
1 圧電振動子
2 圧電振動片
3 ケース
3a ケースの突起部
4 気密端子
5 外部接続端子
5a 外部接続端子の嵌合溝5a
6 樹脂モールド部
10 ステム
11 リード端子
11a リード端子のインナーリード
11b リード端子のアウターリード
11c 突起部(位置決め部)
12 充填材
20 ベース基板
21 プラグリードフレーム(基部)
22 突出部(後の外部接続端子)
23 モールド用フレーム
30 発振器
31 集積回路
40 携帯情報機器(電子機器)
43 計時部
60 電波時計
61 フィルタ部

Claims (11)

  1. 圧電振動片と、
    該圧電振動片を内部に収納する導電性のケースと、
    環状に形成された導電性のステムと、該ステムを貫通した状態で配置され、前記ステムを間に挟んで一端側が前記圧電振動片に電気的に接続されるインナーリードとされ、他端側が外部に電気的に接続されるアウターリードとされたリード端子と、該リード端子と前記ステムとを固定させる充填材とを有し、前記ケース内を密閉させる気密端子と、
    前記ケース及び前記ステムを介して前記圧電振動片に電気的に接続される外部接続端子と、
    該外部接続端子及び前記アウターリードを露出させた状態で、前記ケースをパッケージングする絶縁性の樹脂モールド部とを備えた圧電振動子を製造する方法であって、
    導電性材料からなるベース基板を加工して帯状の基部を形成すると共に、該基部の一方側に、前記アウターリードを繋げた状態で前記リード端子を基部に沿って複数形成し、基部の他方側に、外方に向けて突出した前記外部接続端子を前記リード端子に対向するように複数形成するベース基板加工工程と、
    前記リード端子の所定位置に前記充填材を介して前記ステムを装着して前記気密端子を組み立てるステム装着工程と、
    前記ステムに前記圧電振動片を電気的に接続させるとともに、前記インナーリードに前記圧電振動片を接続する圧電振動片接続工程と、
    前記圧電振動片を収納した状態で前記ケースと前記気密端子とを固定して、前記ケース内を密閉させると共に、前記ケースと前記ステムとを電気的に接続するケース固定工程と、
    前記アウターリードの一部を折曲して、前記ケースが前記基部の表面を通る仮想平面に対して略平行で、且つ、ケースの外周面が仮想平面に対して非接触状態となるように前記ケースの位置を調整すると共に、前記外部接続端子の一部をアウターリードの折曲方向と同方向に折曲する折曲工程と、
    前記各工程を繰り返し行って、前記ケースの位置が調整されると共に前記外部接続端子が折曲された前記基部を複数用意する繰り返し工程と、
    前記複数の基部をそれぞれモールド用フレームに固定して、各基部の前記ケースを直線状に並ぶように配列させると共に、前記ケースと隣接する基部に設けられた前記外部接続端子とを電気的に接続させる基部固定工程と、
    前記ケースと、折曲した前記アウターリード及び前記外部接続端子とを埋入させるように絶縁性の樹脂をモールド成形して、前記樹脂モールド部を形成する樹脂成形工程と、
    前記基部と前記アウターリード及び前記外部接続端子との間をそれぞれ切断して切り離す切断工程と行うことを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法において、
    前記圧電振動片接続工程後、前記アウターリードと前記ステムとの間に電圧を印加させて、前記圧電振動片の周波数調整を行う周波数調整工程を行うことを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の圧電振動子の製造方法において、
    前記ケースは、端面から外方に突出した突起部を有しており、
    前記ベース基板加工工程時に、前記突起部が押し込み可能とされ、押し込まれたときに弾性力により突起部を保持する嵌合溝を前記外部接続端子に形成し、
    前記基部固定工程時に、前記突起部を前記嵌合溝に沿って所定の力で押し込んで、弾性力により保持させることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の圧電振動子の製造方法において、
    前記ベース基板加工工程の際に、前記充填材の位置を前記所定位置に位置決めさせる位
    置決め部を前記リード端子に形成することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  5. 圧電振動片と、該圧電振動片を内部に収納する導電性のケースと、環状に形成された導電性のステムと、該ステムを貫通した状態で配置され、前記ステムを間に挟んで一端側が前記圧電振動片に電気的に接続されるインナーリードとされ、他端側が外部に電気的に接続されるアウターリードとされたリード端子と、該リード端子と前記ステムとを固定させる充填材とを有し、前記ケース内を密閉させる気密端子と、前記ケース及び前記ステムを介して前記圧電振動片に電気的に接続される外部接続端子と、該外部接続端子及び前記アウターリードを露出させた状態で、前記ケースをパッケージングする絶縁性の樹脂モールド部とを備えた圧電振動子であって、
    前記ケースは、端面から外方に突出した突起部を有しており、
    前記外部接続端子は、前記突起部を押し込み可能とし、弾性力により前記突起部を保持する嵌合溝を有し、
    前記突起部が前記嵌合溝に嵌合されることを特徴とする圧電振動子。
  6. 前記ステムは、前記圧電振動片とワイヤを介して電気的に接続することを特徴とする請求項5に記載の圧電振動子。
  7. 前記インナーリードは、先端に段状を有し、前記段状により形成された先端の厚みが薄い部分で前記圧電振動片と電気的及び機械的に接続することを特徴とする請求項5又は6に記載の圧電振動子。
  8. 前記アウターリードには、前記充填材の位置を位置決めする位置決め部が形成されることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の圧電振動子。
  9. 請求項5から8のいずれか1項に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  10. 請求項5から8のいずれか1項に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  11. 請求項5から8のいずれか1項に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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