JP4900062B2 - 音声信号処理装置、音声再生装置および音声信号処理方法 - Google Patents

音声信号処理装置、音声再生装置および音声信号処理方法 Download PDF

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この発明は、高圧縮率で圧縮された音声信号等を再生したときに発生するミュージカルノイズによる聴きづらさを改善した音声信号処理装置に関する。
高圧縮率で圧縮された音声信号は、4kHz〜6kHz付近の周波数帯に「キロキロ」または「ピロピロ」という聴感のノイズ信号を含んでいる。このノイズ信号は、音楽のように聴こえるためミュージカルノイズと呼ばれている。
このミュージカルノイズは、音声信号の圧縮技術に起因するものである。すなわち、一般的に音声信号の圧縮には、聴覚心理学に基づき聴取者に聴こえにくいとされる周波数成分の量子化ビット数の割り当てを減らしてビットレートを少なくする手法が用いられるが、高い圧縮率で音声信号を圧縮する場合、多くの信号成分を除去するため、除去されなかった信号成分のなかに、図4の成分101に示すように、時間的・周波数的に孤立した信号成分が発生する。音声信号を再生したとき、この孤立した信号成分が、上記「キロキロ」、「ピロピロ」という音となって再生されミュージカルノイズとなる。
図4は、人間の発話音声を高圧縮率で圧縮したのち、伸長・再生した信号のスペクトログラムを示す図であるが、発話音声信号は、主として3kHz以下の周波数帯域に分布している。一方、4kHz〜6kHzの周波数帯域には時間軸上、周波数軸上の両方で孤立した信号成分が点在している。この孤立した信号成分がミュージカルノイズとなる。ミュージカルノイズがどの周波数帯域に発生するかは、目的とする信号成分の分布や圧縮方式等によって異なるが、人間の発話音声を目的の信号とし、この成分を良く保存するように圧縮した場合、ミュージカルノイズは、一般的に4kHz〜6kHz付近の周波数帯域に現れる。
また、高圧縮率で圧縮した音声信号のみならず、たとえばスペクトルサブストラクション法で高レベル雑音を抑制した場合にも発生する。このスペクトルサブストラクション法によるノイズ抑制時に、ミュージカルノイズが発生しないような処理を行う技術は種々提案されている(たとえば、特許文献1、2等)
特開2005−195955号公報 特開2004−341339号公報
しかしながら、上記特許文献1、2の技術は、ノイズ除去プロセス時にミュージカルノイズの発生を抑制する技術であって、ミュージカルノイズを含む音声信号からミュージカルノイズを除去する技術、または、ミュージカルノイズを含む音声信号のミュージカルノイズを目立たなくする技術ではない。
また、高ノイズ環境で収音した音声信号からノイズを除去する処理におけるものであり、音声信号を高圧縮率で圧縮する際に生じるミュージカルノイズの成分(孤立した信号成分)の発生を抑制する技術ではない。
このように、従来は、ミュージカルノイズを含んでしまった音声信号を処理して、それを除去または目立たなくするポストプロセシングの技術は未だ提案されていない。
この発明は、ポストプロセシングにより、ミュージカルノイズを含む音声信号を再生したときに、ミュージカルノイズを目立たなくする音声信号処理装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明の音声信号処理装置は、目的とする信号成分、および、圧縮によって生じた前記目的とする信号成分から孤立した信号成分であるミュージカルノイズを含む音声信号であるソース信号を入力する入力部と、前記ソース信号を用いて、前記ミュージカルノイズの周波数帯域を含む周波数帯域の高調波を生成する高調波生成部と、前記高調波生成部が生成した高調波を前記ソース信号に加算合成する加算合成部と、を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記高調波生成部は、前記ソース信号中の前記目的とする信号成分の主要部が含まれる周波数帯域の信号成分に基づいて高調波を生成することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1、2の発明において、前記ソース信号は、前記目的とする信号成分として人間の発話音声を含み、前記高調波生成部は、略4kHz乃至6kHzの周波数帯域の高調波を生成することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3の発明において、前記高調波生成部は、前記ソース信号の偶数次高調波、奇数次高調波をそれぞれ別々に生成する手段であり、前記偶数次高調波および奇数次高調波の比率を調整する手段を含むことを特徴とする。
請求項5の発明の音声再生装置は、目的とする信号成分から孤立した信号成分であるミュージカルノイズを生じる程度までに圧縮された圧縮音声信号を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている圧縮音声信号を伸長してソース信号として出力するデコード部と、デコード部が出力したソース信号を入力し、このソース信号に高調波を付加して出力する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の音声信号処理装置と、を備えたことを特徴とする。
請求項6の発明の音声信号処理方法は、目的とする信号成分、および、圧縮によって生じた前記目的とする信号成分から孤立した信号成分であるミュージカルノイズを含む音声信号であるソース信号を入力する信号入力手順、入力したソース信号を用いて、前記ミュージカルノイズの周波数帯域を含む周波数帯域の高調波を生成する高調波生成手順、この高調波を前記ソース信号に加算合成する加算合成手順、を含むことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記高調波生成手順は、前記ソース信号中の前記目的とする信号成分の主要部が含まれる周波数帯域の信号成分に基づいて高調波を生成することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項6、7の発明において、前記ソース信号は、前記目的とする信号成分として人間の発話音声を含み、前記高調波生成手順は、略4kHz乃至6kHzの周波数帯域の高調波を生成することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項6〜8の発明において、前記高調波生成手順は、前記ソース信号の偶数次高調波、奇数次高調波をそれぞれ別々に生成し、且つ、前記偶数次高調波および奇数次高調波の比率を調整する手順を含むことを特徴とする。
この発明では、音声信号を入力し、特にミュージカルノイズを含んだ音声信号を入力し、この音声信号に対して、その音声信号を基にして生成した高調波を加算合成する。ミュージカルノイズは、時間的・周波数的に孤立した信号成分である。音声信号の圧縮の手法にもよるが、人声を圧縮する場合、ミュージカルノイズの信号成分は、一般的に、4kHz〜6kHzの周波数帯に分布する。
そこで、この発明では、この周波数帯域を含む周波数帯域の高調波を生成して音声信号に合成する。これにより、孤立した信号成分を時間的・周波数的に連続させる。この信号を再生した場合、ミュージカルノイズの信号成分も再生されるが、付加された高調波によりこの信号成分が他の信号成分と時間的・周波数的に連続し、耳障りなミュージカルノイズとして聴こえなくなる。
なお、生成する高調波の周波数帯域をミュージカルノイズの周波数帯域に限定することにより、目的とする信号成分に影響を及ぼさなくすることができるが、ミュージカルノイズの原因となる孤立した信号成分は、時間的にのみ連続される。一方、生成する高調波の周波数帯域をミュージカルノイズの周波数帯域に限定しない場合には、目的とする信号成分に若干の影響を及ぼすが、ミュージカルノイズの原因となる孤立した信号成分は、時間的且つ周波数的に連続される。
さらに、この発明では、孤立した信号成分を連続させるためにソース信号に付加される信号が、そのソース信号を基に生成された高調波(整数倍音)であるため、聴感上違和感がないうえ、基本周波数の整数倍音である高調波であるため、ソース信号成分と唸り(ビート)を生じることなく合成される。合成された音声信号は、ソース信号の高音域成分を豊かにしたようなスペクトルとなり、聴取者に対して、基のソース信号に比べて高音域が豊富(リッチ)になったような聴感を与えるのみで、新たなノイズが付加されたような違和感を感じさせることはない。
この発明によれば、高圧縮やノイズ除去により、ミュージカルノイズを含んだ音声信号であっても、このミュージカルノイズを目立たなくして、自然な聴感で再生することができる。
図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。
図1はこの発明の実施形態である音声信号処理装置のブロック図である。図2は、同音声信号処理装置に用いられる高調波生成部の構成および動作を説明する図である。また、図3は図1の音声信号処理装置を内蔵した電子辞書のブロック図である。図3の電子辞書は、高圧縮率で圧縮されたオーディオデータを読み出して、デコード・再生するものである。
上述したように、高圧縮率で圧縮された音声信号や、高ノイズ環境で収音されスペクトルサブストラクション法でノイズが除去された音声信号には、ミュージカルノイズと呼ばれるノイズ成分が含まれている。ミュージカルノイズは、時間的および周波数的に孤立した信号成分によるノイズであり、「キロキロ」または「ピロピロ」という聴感で聴こえることからミュージカルノイズと呼ばれている。すなわち、音声信号を高圧縮率で圧縮すると多くの周波数成分が省かれてしまうため、圧縮された音声信号を伸長した場合、4kHz〜6kHz付近の周波数帯に、時間的および周波数的に孤立した信号成分が生じることに起因するノイズである。
図1の音声信号処理装置は、このようなミュージカルノイズを含む音声信号(ソース信号)を入力し、このソース信号を歪ませて生成した4kHz〜6kHzの高調波を、ソース信号に加算合成して出力する処理装置である。このようにソース信号に高調波を加算合成(付加)することにより、時間的且つ周波数的に孤立しているミュージカルノイズ成分を、時間的または周波数的に連続させてミュージカルノイズとして聴こえないようにする。また、ミュージカルノイズを時間的または周波数的に連続させる付加信号として、基の音声信号から生成した高調波を用いることにより、耳障りでない自然な聴感の音声信号となるようにする。
図1において、入力端子9(INPUT)から入力された音声信号は、ローパスフィルタ(LPF)10およびハイパスフィルタ(HPF)11に入力される。ローパスフィルタ10は、入力された音声信号のうち3kHz以下の周波数帯域の成分である低周波成分信号を通過させるフィルタである。また、ハイパスフィルタ11は、入力された音声信号のうち3kHz以上の周波数帯域の成分である高周波成分信号を通過させるフィルタである。
なおローパスフィルタ10、ハイパスフィルタ11のカットオフ周波数fc_LPF、fc_HPFは制御部(図3参照)から供給される。上記の例の場合、カットオフ周波数fc_LPF、fc_HPFは、ともに3kHzである。
一般的に、人間の発話音声は、3kHz以下の周波数帯域に主要なフォルマントが分布し、3kHz〜4kHz程度の周波数帯域に摩擦音や破裂音などの子音の主要な信号成分が分布している。また、ミュージカルノイズは、圧縮の方式に依存するが、人間の発話音声を保存する圧縮方式で圧縮された場合、主として4kHz〜6kHzの周波数帯域にミュージカルノイズが分布する。
したがって、ローパスフィルタ10は、ソース信号から、発話音声の主要なフォルマントが分布する3kHz以下の低周波成分信号を取り出している。またハイパスフィルタ11は、発話音声の主要な子音が分布する3kHz以上の高周波成分信号を取り出している。
ローパスフィルタ10から出力された低周波成分信号は、増幅器14およびセレクタ12に入力される。ハイパスフィルタ11から出力された高周波成分信号は、増幅器15およびセレクタ12に入力される。
セレクタ12は、制御部から入力される選択信号band_selにより、高周波成分信号または低周波成分信号のいずれか一方を選択して高調波生成部13に出力する。
高調波生成部13は、セレクタ12から入力された信号すなわち低周波成分信号または高周波成分信号から高調波を発生して増幅器16に出力する。ここで、高調波とは、音響分野では倍音とよばれる信号成分であり、基本周波数の整数倍の周波数の信号成分である。基本周波数の整数倍の周波数の信号成分は、基本周波数の信号とうなりを生じることなく合成される。
また、高調波生成部13は、ミュージカルノイズ成分が分布する周波数帯域の高調波を出力する。ミュージカルノイズ成分が分布する周波数帯域は、4kHz〜6kHzの帯域である。これにより、時間的且つ周波数的に孤立しているミュージカルノイズ成分を時間的に連続した周波数成分に補間して連続させ、ミュージカルノイズでなくする効果を生じる。なお、高調波は、4kHz〜6kHzを含むより広い帯域にわたって形成されてもよい。この場合、ミュージカルノイズ成分は時間的のみならず周波数的にも他の成分と連続される。また一方、高調波は、4kHz〜6kHzの帯域の一部であってもミュージカルノイズ成分が時間的に連続するように形成されればよい。
増幅器14、15、16は、それぞれ低周波成分信号、高周波成分信号、高調波信号を所定のゲインで増幅する。各増幅器14,15,16のゲインは、制御部から入力されるゲインパラメータgain_L,gain_H,gain_Dによって制御される。各増幅器のゲイン設定は任意であるが、低周波成分信号が明瞭に聴こえるように増幅器14のゲインは大きいめに、ミュージカルノイズ成分と高調波信号のレベルが同程度になるように増幅器15,16のゲインを設定することが好ましい。
各増幅器14,15,16で増幅された低周波成分信号,高周波成分信号,高調波信号は、それぞれ加算器17に入力される。加算器17は、増幅された低周波成分信号,高周波成分信号,高調波信号を加算合成したのちパラメトリックイコライザ18に入力する。パラメトリックイコライザ18は、入力された音声をイコライジングしたのち、後段に出力する。このパラメトリックイコライザのセンタ周波数,ゲイン,Qの各特性は、fc_PEQ,gain_PEQ,q_PEQの各パラメータによって制御される。
この音声信号処理装置の後段には、たとえば図3に示すように、D/Aコンバータ、オーディオアンプ、スピーカ等が接続される。
図2を参照して高調波生成部13の構成および動作について説明する。
同図(A)は、高調波生成部13のブロック図である。高調波生成部13は、セレクタ12から入力された音声信号を絶対値化すなわち全波整流する絶対値回路20、セレクタ12から入力された音声信号を振幅の途中で飽和させるクリップ回路(Clipper)21を有している。
入力された音声信号を絶対値化することにより、同図(B)に示すように、入力された信号を基にした全波整流波を生成することができる。全波整流波は、不連続な偶関数であり、基本波の偶数次の高調波を多く含んでいる。また、入力された音声信号を振幅の途中で飽和させることにより、同図(C)に示すように、入力された信号を基にした台形波を生成することができる。台形波は、不連続な奇関数であり、基本波の奇数次の高調波を多く含んでいる。
絶対値回路20から出力された全波整流波は、係数乗算器23を介して加算器26に入力される。また、クリップ回路21から出力された台形波は、増幅器22、係数乗算器24を介して加算器26に入力される。台形波は、入力された音声信号の振幅の一部を削って生成したものであるため、全波整流波よりも振幅が小さくなっている。このため、クリップ回路21の後段に増幅器22が接続されている。増幅器22h、台形波の振幅が全波整流波と同じになるように、gain_Cのゲインで台形波を増幅する。ゲインパラメータgain_Cは、クリップ回路21のクリップレベルパラメータclip_lvlと同様に制御部から入力される。
係数乗算器23には乗算係数としてハーモニーバランスパラメータham_balが入力される。また、係数乗算器24には乗算係数として「1−ham_bal」が入力される。この「1−ham_bal」は、補数算出部25によって算出される。絶対値回路20から出力された全波整流波にはham_balが乗算され、クリップ回路21から出力され増幅器22で(全波整流波と同じレベルまで)増幅された台形波には、1−ham_balが乗算される。係数が乗算された全波整流波と台形波は加算器26で合成される。
以上の構成により、ham_balの値を変更することにより、全体のレベルを変えることなく、全波整流波と台形波との合成バランス、すなわち、高調波全体における偶数次高調波と奇数次高調波の構成比率(バランス)を変更することができる。偶数次高調波と奇数次高調波の比率は、高調波の音質を決定する重要な要素であるため、自動または手動によってこのパラメータham_balを調整することにより、高調波を含む再生音の音質を聴取者が最も聴きやすい音質に調整することができる。
偶数次高調波を含む全波整流波と奇数次高調波を含む台形波が加算器26によって加算合成されたことにより、加算器26から出力された信号は、偶数次高調波、奇数次高調波の両方を含む信号である。この信号をハイパスフィルタ(HPF)27およびローパスフィルタ(LPF)28でろ波することにより、目的の高調波成分(4kHz〜6kHz)のみが取り出される。この取り出された高調波成分が図1の増幅器16に出力される。
なお、このハイパスフィルタ(HPF)27およびローパスフィルタ(LPF)28は、1つのバンドパスフィルタで構成してもよい。
以上説明したように、上記実施形態の音声信号処理装置を用いれば、ミュージカルノイズを含む音声信号を再生する場合でも、聴きやすい音質で再生することができる。したがって、この音声信号処理装置は、ミュージカルノイズを含む音声信号を再生する用途全般に適用可能である。たとえば、高圧縮率で圧縮された音声信号をデコード・再生する装置、高ノイズ環境で収音された音声信号をスペクトルサブストラクション法でノイズ除去する装置等に適用することができる。
図3に、その一例として発音機能付の電子辞書を示す。発音機能付の電子辞書には、多数の見出し語や例文の手本となる発音を録音したオーディオデータが記憶されている。一般的に電子辞書は、携帯サイズであるためメモリの容量が限られており、各オーディオデータは高圧縮率で圧縮されている。
電子辞書は、制御部30、メモリ32、操作部33、表示部34、音声信号処理部35、D/Aコンバータ36、アナログアンプ37、スピーカ38を備えている。メモリ32は、辞書データや手本発音のオーディオデータを記憶しており、ROMやフラッシュメモリ等で構成されている。制御部30は、マイクロコンピュータで構成され、装置全体の動作を制御するとともに、メモリ32に記憶されているオーディオデータを読み出して圧縮を解除(デコード)するデコーダ部31を有している。操作部33は、キーボードやタッチパネルを有し、ユーザの操作を受け付ける。表示部34は、液晶ディスプレイを含み、ユーザが検索した見出し語等を表示する。
音声信号処理部35は、上記図1、図2で説明した音声信号処理装置であり、デコーダ部31がデコードしたオーディオ信号を処理してミュージカルノイズを抑制する。D/Aコンバータ36は、音声信号処理部35から出力されたオーディオ信号をアナログのオーディオ信号に変換する。アナログアンプ37は、D/Aコンバータ36でアナログ信号に変換されたオーディオ信号を増幅してスピーカ38に出力する。スピーカ38は、入力されたオーディオ信号を音響として放音する。
上記構成の電子辞書では、メモリ32に記憶されている手本発音のオーディオデータが高圧縮のオーディオデータであって、ミュージカルノイズを含むものであっても、音声信号処理部35でこれをミュージカルノイズでない成分とすることができるため、手本発音を聴きやすい音声で再生することができる。
上記実施形態では、人間の発話音声を圧縮したオーディオデータを再生する場合について説明したが、目的とする音声信号は人間の発話音声に限定されない。たとえば、楽器の楽音等に適用してもよい。また、目的とする音声信号が異なれば、その周波数分布や音質的特性が異なり、それに応じてミュージカルノイズが発生する周波数帯域も変化するが、上の実施形態で述べた各フィルタのカットオフ周波数は一例であり、目的とする音声信号に合わせて適宜設定されるものである。
この発明の実施形態である音声信号処理装置のブロック図 同音声信号処理装置に用いられる高調波生成部の構成および動作を説明する図 同音声信号処理装置が適用される電子辞書のブロック図 高圧縮率で圧縮されたオーディオ信号の再生時のスペクトログラムを示す図
符号の説明
13…高調波生成部
20…絶対値回路
21…クリップ回路

Claims (9)

  1. 目的とする信号成分、および、圧縮によって生じた前記目的とする信号成分から孤立した信号成分であるミュージカルノイズを含む音声信号であるソース信号を入力する入力部と、
    前記ソース信号を用いて、前記ミュージカルノイズの周波数帯域を含む周波数帯域の高調波を生成する高調波生成部と、
    前記高調波生成部が生成した高調波を前記ソース信号に加算合成する加算合成部と、
    を備えた音声信号処理装置。
  2. 前記高調波生成部は、前記ソース信号中の前記目的とする信号成分の主要部が含まれる周波数帯域の信号成分に基づいて高調波を生成する請求項1に記載の音声信号処理装置。
  3. 前記ソース信号は、前記目的とする信号成分として人間の発話音声を含み、前記高調波生成部は、略4kHz乃至6kHzの周波数帯域の高調波を生成する請求項1または請求項2に記載の音声信号処理装置。
  4. 前記高調波生成部は、前記ソース信号の偶数次高調波、奇数次高調波をそれぞれ別々に生成する手段であり、
    前記偶数次高調波および奇数次高調波の比率を調整する手段を含む請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の音声信号処理装置。
  5. 目的とする信号成分から孤立した信号成分であるミュージカルノイズを生じる程度までに圧縮された圧縮音声信号を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶されている圧縮音声信号を伸長してソース信号として出力するデコード部と、
    デコード部が出力したソース信号を入力し、このソース信号に高調波を付加して出力する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の音声信号処理装置と、
    を備えた音声再生装置。
  6. 目的とする信号成分、および、圧縮によって生じた前記目的とする信号成分から孤立した信号成分であるミュージカルノイズを含む音声信号であるソース信号を入力する信号入力手順、
    入力したソース信号を用いて、前記ミュージカルノイズの周波数帯域を含む周波数帯域の高調波を生成する高調波生成手順、
    この高調波を前記ソース信号に加算合成する加算合成手順、
    を含むことを特徴とする音声信号処理方法。
  7. 前記高調波生成手順は、前記ソース信号中の前記目的とする信号成分の主要部が含まれる周波数帯域の信号成分に基づいて高調波を生成する請求項6に記載の音声信号処理方法。
  8. 前記ソース信号は、前記目的とする信号成分として人間の発話音声を含み、前記高調波生成手順は、略4kHz乃至6kHzの周波数帯域の高調波を生成する請求項6または請求項7に記載の音声信号処理方法。
  9. 前記高調波生成手順は、前記ソース信号の偶数次高調波、奇数次高調波をそれぞれ別々に生成し、且つ、前記偶数次高調波および奇数次高調波の比率を調整する手順を含む請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の音声信号処理方法。
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