JP4900012B2 - 音響特性補正システム - Google Patents

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この発明は、所定空間の音響特性を所望音響特性に補正する音響特性補正システムおよび当該音響特性補正システムに関するものである。
現在、一般の人々が気軽に音楽を楽しむ環境が様々ある。その一例として、カラオケボックスがある。カラオケボックスでは、さほど広くない閉空間内に歌唱者が使用するマイクと、マイクで収音した音声や、カラオケ演奏の楽曲音等をミキシングした音を放音するスピーカとが設置されている。このような環境では、環境に応じた固有の音響特性が存在し、利用者に好まれない音響特性を有することがある。これらの問題に対しては、カラオケ装置内等にイコライザを設置し、当該イコライザにより音響特性を補正している。例えば、特許文献1は、ハウリングとなる周波数帯域の信号レベルを減衰させるようにイコライザを設定するものであり、特許文献2は、音声特性の補正は行うが、補正後の特性が極端なものにならないように、操作者によって補正レベルおよび補正周波数帯域を適宜設定するものである。
特開平8−84394号公報 特開平7−38988号公報
前述の音響特性補正システムでは、測定を行う際に当然ながらマイクを用いるため、マイクの収音特性を含んだ音響特性が測定される。このため、マイクを持っている歌唱者までの音響伝搬特性と実測した音響特性とは異なる。このため、実測音響特性を基に所望音響特性を補正する補正パラメータを設定した場合、この補正パラメータで歌唱者までの音響伝搬特性を補正すると、補正後の音響特性は、所望音響特性からマイクの収音特性分だけずれた特性となる。
したがって、本発明の目的は、実使用マイクの収音特性に影響されることなく、所望音響特性を実現することができる音響特性補正システムを提供することにある。
この発明は、実使用マイクとスピーカとが設置された放収音空間内の音響特性を所望音響特性に補正する音響特性補正システムに関するものであり、当該音響特性補正システムは、以下に示す特徴を有する。
記憶手段には、フラット特性マイクの収音による所望音響特性と実使用マイク補正特性とが記憶されている。フラット特性マイクの収音による所望音響特性は、無響環境における所望音響特性用マイクの収音周波数特性から、無響環境におけるフラット特性マイクの収音周波数特性を差分してなる所望音響特性設定用マイク補正特性パラメータを、所望音響特性を有する放収音空間において所望音響特性用マイクの収音周波数特性から差分することで得られる。実使用マイク補正特性は、無響環境における実使用マイクの収音周波数特性から、無響環境におけるフラット特性マイクの収音周波数特性を差分してなる。
補正特性演算手段は、放収音空間における実使用マイクの収音周波数特性から実使用マイク補正特性を差分することで、フラット特性マイクによる放収音空間の音響特性を取得する。さらに、補正特性演算手段は、実使用の放収音空間におけるフラット特性マイクによる音響特性とフラット特性マイクの収音による所望音響特性との差分値を算出し、該差分値に基づく補正特性を演算する。
放音用イコライジング手段は、補正特性に基づいて初期特性が設定され、放音信号を補正して出力する。
このような構成では、実使用するマイクの収音特性が補正され、実使用するマイクの影響が抑圧された状態で所望音響特性の補正を行うための補正特性が設定される。
また、この発明の音響特性補正システムは、さらに、楽曲データを再生して楽曲音信号を生成する楽曲音源と、実使用マイクの収音信号と楽曲音信号とをミキシングして放音用信号を生成するミキシング手段と、を備える。そして、この発明の音響特性補正システムは、前記実使用マイクと前記ミキシング手段との間に接続され、前記実使用マイクと前記所望音響特性用マイクとの差分の補正を実行する実使用マイク補正イコライジング手段をさらに備える。
この構成では、実使用マイクと所望音響特性用マイクとの差分の補正が、マイク系でさらに実行される。これにより、さらに忠実に所望音響特性への補正が行われる。
この発明によれば、実際に放収音空間で使用するマイクの収音周波数特性による影響を抑圧して、所望音響特性を精度良く実現する音響特性補正システムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る音響特性補正システムについて、図を参照して説明する。
図1は、本実施形態の音響特性補正システムの構成を示すブロック図であり、(A)は音響特性補正設定モードでの構成を示し、(B)は通常使用モードでの構成を示す。
図2(A)は特性測定部22の構成を示すブロック図であり、図2(B)は周波数帯域の分割概念を示す図である。
図3はイコライジング処理部12の構成を示すブロック図である。
図1(A)に示すように、本実施形態の音響特性補正システムは、音響特性補正設定モードでは、CPU11、メモリ111、イコライジング処理部12、D/Aコンバータ13、パワーアンプ14、スピーカ15、実使用マイク16、エコー処理部17、A/Dコンバータ18、テスト音源21、特性測定部22を備える。
CPU11は図示しない操作部等を介して音声特性補正設定開始の入力を受け付けると、テスト音源21へテスト音発生開始制御を与える。テスト音源21は、テスト音源発生開始制御を受け付けると、予め設定された信号もしくはCPU11により指定された音響特性測定用信号(テスト信号)、例えば、ホワイトノイズ信号やピンクノイズ信号を生成する。D/Aコンバータ13は、ディジタル形式の音響特性測定用信号をアナログ信号に変換して、パワーアンプ14へ与える。パワーアンプ14は、予め設定したもしくはCPU11により指定された所定増幅率で音響特性測定用信号を増幅してスピーカ15へ与え、スピーカ15はこの音響特性測定用信号を、音響特性を測定する実使用放収音空間内へ放音する。例えば、カラオケボックスの音響特性を測定する場合には、カラオケボックスに設置されているスピーカ15から音響特性測定用信号による音を放音する。
実使用マイク16は、スピーカ15と同じ部屋の予め設定された位置に設置されている。例えば、カラオケボックスでは、歌唱者が通常立つ、立ち位置に設置されている。実使用マイク16は、スピーカ15から放音された音響特性測定用信号による音を収音して、A/Dコンバータ18へ出力する。A/Dコンバータ18は、実使用マイク16の収音した音をアナログ形式からディジタル形式へ変換し、エコー処理部17に与える。エコー処理部17は、後述する通常使用モードでは歌唱者の好みのエコーを付加するが、音響特性補正設定モードではエコー処理を行わずに特性測定部22へ与える。
特性測定部22は、予め設定された測定周波数範囲FZを所定数mで分割した各部分周波数帯域FB1〜FBmの信号レベルを検出してCPU11へ出力する。具体的に、部分周波数帯域FB1〜FBmは、予めスピーカ特性やマイク特性等から設定した測定すべき周波数帯域に相当する測定周波数範囲FZを例えば対数軸において等間隔の周波数帯でm個に分割した帯域からなり、低域側から順に、FB1,FB2,・・・FBmに設定されている。特性測定部22は、部分周波数帯域の個数m個分のバンドパスフィルタ(BPF)221,222〜22mと、各部分周波数帯域の信号レベルを検出する信号レベル検出部231,232〜23mとを備える。それぞれの部分周波数帯域に対応するBPFと信号レベル検出部とは直列接続され、各部分周波数帯域に対するBPFと信号レベル検出部との直列回路が並列接続される構成からなる。そして、このようなFBm信号検出用直列回路群がA/Dコンバータ18とCPU11との間で並列接続される構成となる。このような構成により、A/Dコンバータ18から入力された収音信号は、各BPF221〜22mでそれぞれの帯域成分に分解される。各BPF221〜22mで生成された部分周波数帯域成分信号は、各信号レベル検出部231〜23mでレベル検出され、このレベル値が部分周波数帯域情報とともにCPU11へ出力される。また、特性測定部22は、測定周波数範囲FZでの信号レベルを検出する全帯域信号レベル検出部230を備える。全帯域信号レベル検出部230は、各直列回路と並列に接続され、A/Dコンバータ18から入力される収音信号の信号レベルを検出して、元信号レベル値としてCPU11へ出力する。
CPU11は、メモリ111に予め記憶されている所望音響特性パラメータ(本発明の「フラット特性マイクの収音による所望音響特性」に相当)と実使用マイク補正特性パラメータ(本発明の「実使用マイク補正特性」に相当)とを用いて、実使用放収音空間(例えばカラオケボックス)の音響特性を所望音響特性に補正する補正パラメータを設定する。
ここで、所望音響特性パラメータは、所望音響特性設定用マイク補正特性を用いて設定される。所望音響特性設定用マイク補正特性は、無響室等の無響環境において、所望音響特性を有する放収音空間で使用するマイク(以下、「所望音響特性環境下使用マイク」と称する)で収音した収音周波数特性と、同じ無響環境においてフラットな周波数特性を有するマイク(以下、「フラット特性マイク」と称する)を用いて収音した収音周波数特性とを差分して、この差分を補正するパラメータにより構成される。そして、所望音響特性パラメータは、所望音響特性を有する放収音空間内で、所望音響特性環境下使用マイクで収音した収音周波数特性から、所望音響特性設定用マイク補正特性を差分することで得られる。
また、実使用マイク補正特性パラメータは、無響環境において実使用マイク16を用いて収音した収音周波数特性と、同じ無響環境においてフラット特性マイクを用いて収音した収音周波数特性とを差分して、この差分を補正するパラメータにより構成される。
これら、所望音響特性パラメータおよび実使用マイク補正特性パラメータは、各部分周波数帯域に関連付けして正規化された状態で記憶されている。
CPU11は、各部分周波数帯域成分信号のレベル値を元信号レベル値で正規化する。
CPU11は、正規化された収音信号の各部分周波数帯域成分信号のレベル値に対して、実使用マイク補正特性パラメータを差分して、フラット特性マイクによる実使用放収音空間での収音周波数特性を取得する。
CPU11は、フラット特性マイクによる実使用放収音空間の収音周波数特性と、所望音響特性パラメータとの差分を算出することで、差分周波数特性を取得する。CPU11は、差分周波数特性のピークおよびディップを検出する。ここで、ピークとは、差分周波数特性が正方向に極大値となる周波数の部分であり、ディップとは、差分周波数特性が負方向に極大値(極小値)となる周波数の部分である。
CPU11は、検出したピークを抑圧し、ディップを増強する補正を行う補正特性を算出し、イコライジング処理部12の各パラメトリックイコライザ(PEQ)121〜12nに与える補正パラメータを設定する。補正パラメータとは、差分周波数特性のピークおよびディップの生じる部分周波数帯域の中心周波数からなる設定周波数、差分周波数特性のピークおよびディップの設定レベル値、差分周波数特性のピークおよびディップの周辺周波数特性に準じたQ値を備える。設定周波数および設定レベル値は、差分周波数特性に対するピーク検出等により得られ、Q値は、予め設定した複数のQ値候補を仮に設定した状態で補正シミュレーションを行い、補正後の差分周波数特性が最も0レベルに近いQ値候補により得られる。なお、本実施形態では仮補正結果をシミュレーションにより取得するが、実環境において自動再測定を行うようにしても良い。
イコライジング処理部12は、PEQの多段カスケード接続からなり、図3の例では、n個のPEQ121〜12nのカスケード接続からなる。各PEQ121〜12nは、CPU11から補正パラメータが与えられており、当該補正パラメータによりイコライジング処理を行う。これにより、スピーカ15と実使用マイク16とが設置された部屋の音響特性を所望音響特性に補正して放音させるイコライジング処理部12を形成する。
このような設定を行った後、実使用時(通常モード)には、図1(B)に示すような回路構成からなる装置を用いる。以下の説明では、カラオケボックスでのカラオケシステムの場合を示す。なお、カラオケシステムのシステム構成は既知であるので、詳細な説明は省略する。
図1(B)に示すように、通常使用モードでは、本実施形態の音響特性補正システムは、CPU11、イコライジング処理部12、D/Aコンバータ13、パワーアンプ14、スピーカ15、実使用マイク16、エコー処理部17、A/Dコンバータ18、ミキサ19、音源20を備える。
音源20は、例えば既知のカラオケ用の音源であり、カラオケ曲の楽曲データに基づいてディジタル形式の楽曲音信号を生成してミキサ19へ出力する。実使用マイク16は、歌唱者の歌唱音を収音して収音信号をA/Dコンバータ18へ出力する。A/Dコンバータ18は、収音信号をディジタル形式に変換してエコー処理部17へ出力する。エコー処理部17は、歌唱者等から別途設定されたエコー指示内容に従ってエコー処理を加え、ミキサ19へ出力する。ミキサ19は、楽曲音信号とエコー処理後の収音信号とをミキシングして放音用信号を生成し、イコライジング処理部12へ出力する。
イコライジング処理部12は、上述の音響特性補正モードで設定された各PEQ121〜12nにより、放音用信号を補正し、D/Aコンバータ13へ出力する。D/Aコンバータ13は、音響特性が補正された放音用信号(音響特性補正放音信号)をディジタル形式からアナログ形式に変換し、パワーアンプ14へ出力する。パワーアンプ14は、音響特性補正放音信号を増幅してスピーカ15に与え、スピーカ15は、この増幅された音響特性補正放音信号に基づいて駆動し、部屋内へ放音する。このような構成を用いることで、スピーカ15から放音された楽曲音および歌唱音が、所望音響特性に補正されて、歌唱者へ到達する。これにより、歌唱者は、気持ち良くカラオケボックスでの歌唱を行うことができる。この際、実使用マイク16の収音周波数特性による所望音響特性への補正に対する影響が抑圧され、精度良く所望音響特性を実現することができる。
次に、具体的な音響特性補正の方法を図4、図5を参照して説明する。
図4は音響特性補正方法のシステムフローを示す図である。
図5は音響特性補正方法を説明するため説明図である。
本実施形態の音響特性補正システムは、音響特性補正設定モードが実行されると特性測定部22で、測定対象周波数帯域FAの各部分周波数帯域の帯域成分信号のレベル値を検出する(S101)。すなわち、音響特性補正システムは、カラオケボックス等の実使用空間において、図5(A)に示すような実測周波数特性250(実使用マイク16による収音信号の周波数特性)の各部分周波数帯域の帯域成分信号のレベル値を取得する。ここで、測定対象周波数帯域FAは、収音および放音が完全に行われるような周波数帯域であり、図2(B)に示すような一方的に信号レベルが減少する高域や低域を含まない。
CPU11は、各帯域成分信号のレベル値を、予め記憶した実使用マイク補正特性パラメータで補正して、フラット特性マイクによる実使用放収音空間での収音周波数特性を算出する(S102)。すなわち、CPU11は、実測の各帯域成分信号のレベル値を、実使用マイク補正特性パラメータの対応する帯域成分信号レベル値で補正し、フラット特性マイクを用いて実使用放収音空間(カラオケボックス内等)で収音した場合の収音周波数特性の各帯域成分信号レベル値を演算により取得する。
例えば、図5の例であれば、(A)に示す実測の実測周波数特性250から(B)に示す実使用マイク収音特性270を差分し、フラット特性マイクによる実使用放収音空間での収音周波数特性251を取得する。
CPU11は、フラット特性マイクによる実使用放収音空間での収音周波数特性から、予め記憶した所望音響特性パラメータ(フラット特性マイクによる所望音響特性)を差分して差分周波数特性を取得する(S103)。すなわち、CPU11は、フラット特性マイクによる実使用放収音空間での収音周波数特性の各帯域成分信号のレベル値を、所望音響特性パラメータの対応する帯域成分信号レベル値でそれぞれ減算し、差分周波数特性の各帯域成分信号レベル値を取得する。例えば、図5の例であれば、(C)に示すフラット特性マイクによる実使用放収音空間での収音周波数特性251から所望音響特性パラメータに基づく所望音響特性260を減算し、差分周波数特性350を取得する。
CPU11は、差分周波数特性から、ピークおよびディップを検出する(S104)。すなわち、CPU11は、差分値列の周波数特性における所望音響特性から高いレベル側の極大値と、所望音響特性から低いレベル側の極小値とを抽出し、各極大値、極小値に対する部分周波数帯域を関連付けして取得する。図5の例であれば、(C)に示すような差分周波数特性350のピークPeakとディップDipとを検出する。
CPU11は、各ピークおよびディップを差分値(絶対値)レベルの高い側から降順にソートし、レベルの高い順に補正対象ピークおよび補正対象ディップを設定する(S105)。この際、補正対象とするピークおよびディップ数は、イコライジング処理部12のPEQ121〜12nの個数に基づいて設定される。
CPU11は、補正対象ピークおよび補正対象ディップのレベルを取得し、当該レベルの逆符号からなる補正レベルを算出する。CPU11は、補正対象ピークおよび補正対象ディップに対応する部分周波数帯域情報に基づいて、当該部分周波数帯域の中心周波数を補正周波数として取得する(S107)。図5の例であれば、(D)の各ピークPeak/ディップDipのレベルの逆符号を補正レベルとし、それぞれの対応する部分周波数帯域の中心周波数を補正周波数として取得する。
CPU11は、各ピークPeak/ディップDipに対する補正用のQ値を設定する。この際、CPU11は、複数種類のQ値パターンPQ(A)〜PQ(E)を予め記憶しており、各Q値パターンPQ(A)〜PQ(E)を読み出して、各ピークおよびディップに割り当てる。そして、CPU11は、各Q値パターンを設定すると、シミュレーションを行って、仮補正周波数特性を算出する。すなわち、Q値とゲインとの組み合わせ毎に補正特性が予め記憶されており、CPU11は、設定されたQ値とゲインとの組み合わせに基づいて補正特性を読み出し、取得した収音信号の周波数特性を擬似的に補正する演算を行う。
CPU11は、設定したQ値毎の補正後差分値周波数特性を比較する。具体的に、例えば、CPU11は、各補正後差分値周波数特性の各部分周波数帯域の差分レベルの絶対値を取得し、差分レベルの絶対値の総和を比較する。また、例えば、CPU11は、各補正後差分値周波数特性の各部分周波数帯域の差分レベルの絶対値を取得し、最大の差分値レベルの絶対値を比較する。
CPU11は、このような比較結果に基づいて差分判定量が最小となる特性を検出し、対応するQ値パターンを取得する(S109)。ここで、差分判定量とは、差分レベルの絶対値の総和や、最大の差分値レベルの絶対値である。すなわち、差分値レベルの絶対値の総和を用いる場合には、CPU11は、各補正後差分値周波数特性の差分値レベルの絶対値の総和が最小の補正後差分値周波数特性を選択し、対応する最適なQ値パターンを検出する。また、最大の差分値レベルの絶対値を用いる場合には、CPU11は、各補正後差分値周波数特性の各最大の差分値レベルの絶対値を取得する。CPU11は、最小になる最大の差分値レベルの絶対値を選択し、対応する最適なQ値パターンを検出する。例えば、図5の例であれば、(E)に示すような対象周波数帯域FAで差分周波数特性のレベル値が略0になる補正後差分値周波数特性351に対応するQ値パターンを検出する。
CPU11は、最適なQ値パターンを検出すると、各PEQに与えるQ値と、対応する設定周波数および補正レベルとからなるパラメータリストを生成する(S110)。
CPU11は、生成したパラメータリストに基づいて、イコライジング処理部12のカスケード接続された各PEQ121〜12nへ対応するパラメータを送信する(S111)。
イコライジング処理部12の各PEQ121〜12nは、与えられたパラメータに基づいて、イコライジング処理を実行する。これにより、予め設定された所望音響特性の音響環境を部屋内(スピーカから歌唱者位置への系)に実現することができる。この際、実使用マイクの収音周波数特性の影響を抑圧する補正を行っているので、より正確にスピーカから歌唱者位置への系の音響特性を所望音響特性に一致させることができる。
また、前述の説明では、一つのピークおよびディップに対してPEQを一つ割り当てる例を示したが、これに限らず、差分値周波数特性270の形状に応じて、二つの連続するピークに対して三つのPEQを割り当てる等、ピークおよびディップ数とPEQ数とを同じにしなくてもよい。この場合、前述の設定周波数や補正レベルは、差分値周波数特性350の形状に応じて設定すればよい。
なお、前述の説明では、実使用マイクが所望音響特性環境下使用マイクと一致する場合には、イコライジング処理部12で、マイク系およびミュージック系がともに所望音響特性に補正される。しかしながら、実使用マイクと所望音響特性環境下使用マイクとは、必ずしも一致しない。したがって、これらのマイクの差分を補正するため、マイク系、すなわち実使用マイク16からミキサ19までの系に、マイク用イコライジング処理部120を接続する。
図6は、マイク用イコライジング処理部120を有する音響特性補正システムを備えたカラオケ装置の構成を示すブロック図である。
図6に示す音響特性補正システムを備えたカラオケ装置は、A/Dコンバータ18とエコー処理部17との間にマイク用イコライジング処理部120が接続されたものであり、CPU11を除く他の構成は図1に示したカラオケ装置と同じであり、当該同じ部分は説明を省略する。
マイク用イコライジング処理部120は、イコライジング処理部12と同様にPEQを複数備えた構成からなる。マイク用イコライジング処理部120には、CPU11から実使用マイクと所望音響特性環境下使用マイクとの差分を補正する補正パラメータが予め設定されており、当該補正パラメータに基づいて、A/D変換された収音信号をイコライジング処理してエコー処理部17へ与える。
このような構成とすることで、前述のイコライジング処理部12で行われる補正により、放収音空間の音響特性が実使用マイクと所望音響特性環境下使用マイクとの差分量だけ所望音響特性に一致しない特性となっても、予めこの一致しない特性分がマイク用イコライジング処理部120で補正される。これにより、さらに高精度に所望音響特性に一致する補正を行うことができる。
なお、前述の説明では、各モード時で異なる構成要素からなる場合を示したが、図1(A)、(B)の構成を同時に有する音響特性補正システムであってもよい。すなわち、スイッチ等の回路切替部を備え、回路切替部の切替処理により、音響特性補正設定モードと通常使用モードとを使い分けるようにしてもよい。
本実施形態の音響特性補正システムの構成を示すブロック図である。 特性測定部22の構成を示すブロック図、および、周波数帯域の分割概念を示す図である。 イコライジング処理部12の構成を示すブロック図である。 音響特性補正方法のシステムフローを示す図である。 音響特性補正方法を説明するため説明図である。 実使用マイクの影響を抑圧する音響特性補正システムを備えたカラオケ装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
11−CPU、12−イコライジング処理部、13−D/Aコンバータ、14−パワーアンプ、15−スピーカ、16−実使用マイク、17−エコー処理部、18−A/Dコンバータ、19−ミキサ、20−音源、21−テスト音源、22−特性測定部、120−マイク用イコライジング処理部、121〜12n−パラメトリックイコライザ(PEQ)

Claims (2)

  1. 実使用マイクとスピーカとが設置された放収音空間内の音響特性を所望音響特性に補正する音響特性補正システムであって、
    無響環境における所望音響特性用マイクの収音周波数特性から、前記無響環境におけるフラット特性マイクの収音周波数特性を差分してなる所望音響特性設定用マイク補正特性パラメータを、前記所望音響特性を有する放収音空間において前記所望音響特性用マイクの収音周波数特性から差分することで得られる前記フラット特性マイクの収音による所望音響特性と、前記無響環境における前記実使用マイクの収音周波数特性から、前記無響環境におけるフラット特性マイクの収音周波数特性を差分してなる実使用マイク補正特性とを記憶する記憶手段と、
    前記放収音空間における前記実使用マイクの収音周波数特性から前記実使用マイク補正特性を差分することで、前記フラット特性マイクによる前記放収音空間の音響特性を取得し、該放収音空間の音響特性と前記フラット特性マイクの収音による所望音響特性との差分値を算出し、該差分値に基づく補正特性を演算する補正特性演算手段と、
    該補正特性に基づいて初期特性が設定される放音用イコライジング手段と、
    を備えた音響特性補正システム。
  2. 請求項1に記載の音響特性補正システムは、さらに、楽曲データを再生して楽曲音信号を生成する楽曲音源と、
    前記実使用マイクの収音信号と前記楽曲音信号とをミキシングして放音用信号を生成するミキシング手段と、を備えるとともに、
    前記実使用マイクと前記ミキシング手段との間に接続され、前記実使用マイクと前記所望音響特性用マイクとの差分の補正を実行する実使用マイク補正イコライジング手段をさらに備える、
    音響特性補正システム。
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