JP4899951B2 - 音響特性補正システム - Google Patents

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Description

この発明は、スピーカから聴者位置までの伝送特性を測定して所望とする特性に補正する周波数特性補正システムに関するものである。
現在、一般の人々が気軽に音楽を楽しむ環境が様々ある。その一例として、カラオケボックスがある。カラオケボックスでは、さほど広くない閉空間内に歌唱者が使用するマイクと、マイクで収音した音声や、カラオケ演奏の楽曲音等をミキシングした音を放音するスピーカとが設置されている。このような環境では、環境に応じた固有の音響特性が存在し、利用者に好まれない音響特性を有することがある。また、このような環境では、音の伝送の閉ループが形成され、特定の周波数帯域の信号レベルが極端に高くなりハウリングが発生することもある。これらの問題に対しては、カラオケ装置内等にイコライザを設置し、当該イコライザにより音響特性を補正している。例えば、特許文献1は、ハウリングとなる周波数帯域の信号レベルを減衰させるようにイコライザを設定するものであり、特許文献2は、音声特性の補正は行うが、補正後の特性が極端なものにならないように、操作者によって補正レベルおよび補正周波数帯域を適宜設定するものである。
特開平8−84394号公報 特開平7−38988号公報
ところが、前述の音響特性補正システムでは、信号レベルを低下させるだけであるとか、補正の周波数範囲や限度値を一意的に設定する等、利用者の満足がいく音響特性を細かく且つ簡単に実現することは、容易ではなかった。
したがって、本発明の目的は、利用者に不快感を与えない音響特性を効果的に実現することができる音響特性補正システムを提供することにある。
この発明は、マイクとスピーカとが設置された所定空間内で、スピーカから放音された音がマイク位置まで伝搬される系の音響特性を所望音響特性に補正する音響特性補正システムに関するものである。この発明の音響特性補正システムは、マイクの収音信号を複数の周波数帯域成分に分け、各周波数帯域成分に対して所定の周波数特性の調整を与えることで補正を実行するイコライジング手段と、該イコライジング手段に補正を実行させる補正特性を演算する補正特性演算手段と、を備える。そして、この発明の音響特性補正システムの補正特性演算手段は、信号レベルを高くする補正を行う増強方向補正周波数範囲と信号レベルを低くする補正を行う抑圧方向補正周波数範囲とを個別に設定することを特徴としている。
この構成では、イコライジング手段でマイクの収音信号を複数の周波数帯域に分割して、各周波数帯域成分の信号レベルを調整することで、音響特性を補正する。この際、信号レベルの調整は、信号レベルを高くする補正(増強補正)と信号レベルを低くする補正(抑圧補正)とがあり、本発明の音響特性補正システムでは、増強補正を行う周波数範囲と、抑圧補正を行う周波数範囲とを異ならせて設定する。この設定により、例えば、抑圧補正は必要であるが増強補正を行うべきでない周波数帯域では増強補正を禁止することができる等の詳細な設定が可能となる。
また、この発明の音響特性補正システムでは、補正特性演算手段は、増強方向補正周波数範囲の高域側閾値周波数を抑圧方向補正周波数範囲の高域側閾値周波数よりも低く設定することを特徴としている。
この構成では、増強補正が行われる周波数範囲の高域側閾値周波数を、抑圧補正が行われる周波数範囲の高域側閾値周波数よりも低くすることで、高域の周波数成分が不要に増強されることを防止することができる。
また、この発明の音響特性補正システムでは、補正特性演算手段は、増強方向補正周波数範囲の高域側閾値周波数をスピーカの放音特性の高域側減衰特性に基づいて設定することを特徴としている。
この構成では、スピーカの放音特性、すなわち、スピーカの仕様で決定する所定周波数以上の周波数成分の出力レベルが低下することに準じて、増強補正に対する高域側閾値周波数を設定する。これにより、スピーカでは元々出力され難い高域側閾値周波数よりも高域側の周波数帯域での無理なレベルの持ち上げを防止することができる。
また、この発明の音響特性補正システムでは、補正特性演算手段は、増強方向補正周波数範囲の低域側閾値周波数を抑圧方向補正周波数範囲の低域側閾値周波数よりも高く設定することを特徴としている。
この構成では、増強補正が行われる周波数範囲の低域側閾値周波数を、抑圧補正が行われる周波数範囲の低域側閾値周波数よりも低くすることで、低域の周波数成分が不要に増強されることを防止することができる。
また、この発明の音響特性補正システムでは、補正特性演算手段は、増強方向補正周波数範囲の低域側閾値周波数をスピーカの放音特性及びマイクの収音特性の低域側減衰特性に基づいて設定することを特徴としている。
この構成では、スピーカの放音特性、すなわち、スピーカの仕様で決定する所定周波数以下の周波数成分の出力レベルが低下することや、マイクの収音特性、すなわち、マイクの仕様で決定する周波数以下の周波数成分の入力レベルが低下することに準じて、増強補正に対する低域側閾値周波数を設定する。これにより、スピーカでは元々出力され難い低域側閾値周波数よりも低域側の周波数帯域での無理なレベルの持ち上げを防止することができる。
この発明によれば、増強/抑圧等の信号レベルの補正の方向性に応じて、補正を行う周波数帯域を個別に設定することができるので、より適切な補正が可能となり、利用者にとって快適な音響特性の補正を詳細且つ容易に行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る音響特性補正システムについて、図を参照して説明する。
図1は、本実施形態の音響特性補正システムの構成を示すブロック図であり、(A)は音響特性補正設定モードでの構成を示し、(B)は通常使用モードでの構成を示す。
図2(A)は特性測定部22の構成を示すブロック図であり、図2(B)は周波数帯域の分割概念を示す図である。
図3はイコライジング処理部12の構成を示すブロック図である。
図1(A)に示すように、本実施形態の音響特性補正システムは、音響特性補正設定モードでは、CPU11、イコライジング処理部12、D/Aコンバータ13、パワーアンプ14、スピーカ15、マイク16、エコー処理部17、A/Dコンバータ18、テスト音源21、特性測定部22を備える。
CPU11は図示しない操作部等を介して音声特性補正設定開始の入力を受け付けると、テスト音源21へテスト音発生開始制御を与える。テスト音源21は、テスト音源発生開始制御を受け付けると、予め設定された信号もしくはCPU11により指定された音響特性測定用信号、例えば、ホワイトノイズ信号やピンクノイズ信号を生成する。D/Aコンバータ13は、ディジタル形式の音響特性測定用信号をアナログ信号に変換して、パワーアンプ14へ与える。パワーアンプ14は、予め設定したもしくはCPU11により指定された所定増幅率で音響特性測定用信号を増幅してスピーカ15へ与え、スピーカ15はこの音響特性測定用信号を、音響特性を測定する部屋内へ放音する。例えば、カラオケボックスの音響特性を測定する場合には、カラオケボックスに設置されているスピーカから音響特性測定用信号による音を放音する。
マイク16は、スピーカ15と同じ部屋の予め設定された位置に設置されている。例えば、カラオケボックスでは、歌唱者が通常立つ、立ち位置に設置されている。マイク16は、スピーカ15から放音された音響特性測定用信号による音を収音して、エコー処理部17に与える。エコー処理部17は、後述する通常使用モードでは歌唱者の好みのエコーを付加するが、音響特性補正設定モードではエコー処理を行わずにA/Dコンバータ18へ出力する。A/Dコンバータ18は、マイク16の収音した音をアナログ形式からディジタル形式へ変換し、特性測定部22へ与える。
特性測定部22は、予め設定された測定周波数範囲FZを所定数mで分割した各部分周波数帯域FB1〜FBmの信号レベルを検出してCPU11へ出力する。具体的に、部分周波数帯域FB1〜FBmは、予めスピーカ特性やマイク特性等から設定した測定すべき周波数帯域に相当する測定周波数範囲FZを例えば対数軸において等間隔の周波数帯でm個に分割した帯域からなり、低域側から順に、FB1,FB2,・・・FBmに設定されている。特性測定部22は、部分周波数帯域の個数m個分のバンドパスフィルタ(BPF)221,222〜22mと、各部分周波数帯域の信号レベルを検出する信号レベル検出部231,232〜23mとを備える。それぞれの部分周波数帯域に対応するBPFと信号レベル検出部とは直列接続され、各部分周波数帯域に対するBPFと信号レベル検出部との直列回路が並列接続される構成からなる。例えば、具体的に、第1部分周波数帯域FB1に対するFB1帯域用BPF221と、FB1信号レベル検出部231とが直列接続され、FB1信号検出用直列回路が形成される。同様に、第2部分周波数帯域FB2に対するFB2帯域用BPF222と、FB2信号レベル検出部232とが直列接続され、FB2信号検出用直列回路が形成され、第m部分周波数帯域FBmに対するFBm帯域用BPF22mと、FBm信号レベル検出部23mとが直列接続され、FBm信号検出用直列回路が形成される。そして、このようなFBm信号検出用直列回路群がA/Dコンバータ18とCPU11との間で並列接続される構成となる。このような構成により、A/Dコンバータ18から入力された収音信号は、各BPF221〜22mでそれぞれの帯域成分に分解される。各BPF221〜22mで生成された部分周波数帯域成分信号は、各信号レベル検出部231〜23mでレベル検出され、このレベル値が部分周波数帯域情報とともにCPU11へ出力される。また、特性測定部22は、測定周波数範囲FZでの信号レベルを検出する全帯域信号レベル検出部230を備える。全帯域信号レベル検出部230は、各直列回路と並列に接続され、A/Dコンバータ18から入力される収音信号の信号レベルを検出して、元信号レベル値としてCPU11へ出力する。
CPU11は、各部分周波数帯域成分信号のレベル値を元信号レベル値で正規化する。CPU11は、正規化された部分周波数帯域信号のレベル値(正規化部分帯域信号レベル)と、図示しないメモリに予め設定記憶されていた正規化された所望音響特性とをそれぞれの部分周波数帯域で比較して、所望音響特性に対するピークおよびディップを検出する。ここで、ピークとは所望音響特性に比較して正規化部分帯域信号レベルが高い部分を示し、ディップとは所望音響特性に比較して正規化部分帯域信号レベルが低い部分を示す。CPU11は、具体的には後述する方法を用いて、これらのピークおよびディップを補正する処理を行う。CPU11は、ディップの信号レベルを強化する増強方向補正周波数範囲と、ピークの信号レベルを抑圧する抑圧方向補正周波数範囲とを異ならせて設定し、それぞれの周波数範囲に応じて補正値を算出する。CPU11は、算出した補正値に基づいてイコライジング処理部12の各PEQ121〜12nの補正パラメータを設定する。
イコライジング処理部12は、PEQの多段カスケード接続からなり、図3の例では、n個のPEQ121〜12nのカスケード接続からなる。各PEQ121〜12nは、CPU11から補正パラメータが与えられており、当該補正パラメータによりイコライジング処理を行う。これにより、スピーカ15とマイク16とが設置された部屋の音響特性を所望音響特性に補正して放音させるイコライジング処理部12を形成することができる。
このような設定を行った後、実使用時(通常モード)には、図1(B)に示すような回路構成からなる装置を用いる。以下の説明では、カラオケボックスでのカラオケシステムの場合を示す。なお、カラオケシステムのシステム構成は既知であるので、詳細な説明は省略する。
図1(B)に示すように、通常使用モードでは、本実施形態の音響特性補正システムは、CPU11、イコライジング処理部12、D/Aコンバータ13、パワーアンプ14、スピーカ15、マイク16、エコー処理部17、A/Dコンバータ18、ミキサ19、音源20を備える。
音源20は、例えば既知のカラオケ用の音源であり、カラオケ曲の楽曲データに基づいてディジタル形式の楽曲音信号を生成してミキサ19へ出力する。マイク16は、歌唱者の歌唱音を収音して収音信号をエコー処理部17へ出力する。エコー処理部17は、歌唱者等から別途設定されたエコー指示内容に従って収音信号にエコー処理を加え、A/Dコンバータ18へ出力する。A/Dコンバータ18は、エコー処理後の収音信号をディジタル形式に変換してミキサ19へ出力する。ミキサ19は、楽曲音信号とエコー処理後の収音信号とをミキシングして放音用信号を生成し、イコライジング処理部12へ出力する。
イコライジング処理部12は、上述の音響特性補正モードで設定された各PEQ121〜12nにより、放音用信号を補正し、D/Aコンバータ13へ出力する。D/Aコンバータ13は、音響特性が補正された放音用信号(音響特性補正放音信号)をディジタル形式からアナログ形式に変換し、パワーアンプ14へ出力する。パワーアンプ14は、音響特性補正放音信号を増幅してスピーカ15に与え、スピーカ15は、この増幅された音響特性補正放音信号に基づいて駆動し、部屋内へ放音する。このような構成を用いることで、スピーカ15から放音された楽曲音および歌唱音が、所望の音響特性に補正されて、マイク16を保持している歌唱者へ到達する。これにより、歌唱者は、気持ち良くカラオケボックスでの歌唱を行うことができる。
次に、具体的な音響特性補正の方法を図4〜図7を参照して説明する。
図4は、音響特性補正システムによる音響特性補正方法のシステムフローを示す図である。
この音響特性補正システムは、音響特性補正設定モードが実行されると、特性測定部22で各部分周波数帯域FB1〜FBmの帯域成分信号のレベル値を検出する(S101)。CPU11は、各帯域成分信号のレベル値と、所望音響特性の各帯域成分信号レベル(所望信号レベル)とを差分して、絶対値である差分値と差分方向(「+」or「−」)を算出する(S102)。CPU11は、各部分周波数帯域FB1〜FBmの差分値と差分方向とから、差分値列の周波数特性のピークおよびディップを検出する(S103)。すなわち、CPU11は、差分値列の周波数特性における所望音響特性から高いレベル側の極大値と、所望音響特性から低いレベル側の極小値とを抽出し、各極大値、極小値に対する部分周波数帯域を関連付けして取得する。また、CPU11は、各ピークおよびディップを差分値(絶対値)レベルの高い側から降順にソートして順序付けして記憶する(S104)。
CPU11は、カウンタをi=1に設定し(S105)、第1番目のピークまたはディップを取得し、ピークであるかディップであるかを検出する(S106)。CPU11は、ピークであれば(S106:Peak)、当該ピークの差分値レベルに応じたゲイン(−方向)およびQ値からなる補正値を算出し(S107)、カウンタを+1更新する(S110)。
CPU11は、ディップであれば(S106:Dip)、当該ディップの存在する部分周波数帯域が増強方向補正周波数範囲FBud内であるかどうかを検出する(S108)。ここで、ディップが増強方向補正周波数範囲FBud内であれば(S108:Y)、当該ディップの差分値レベルに応じたゲイン(+方向)およびQ値からなる補正値を算出し(S107)、カウンタを+1更新する(S110)。一方、CPU11は、ディップが増強方向補正周波数範囲FBud外であれば(S108:N)、補正値の算出を行わず(S109)、当該ディップを前述のソートされたリストから削除し、次のピークまたはディップの補正値算出処理を実行する(S114→S106)。
この際、CPU11で設定されている増強方向補正周波数範囲FBudおよび抑圧方向補正周波数範囲FBdは、使用するスピーカ15の出力特性に基づいて設定されている。具体的には、抑圧方向の補正のみが可能な抑圧方向補正周波数範囲FBdは、スピーカ15の出力周波数範囲で設定され、抑圧方向と増強方向との双方向の補正が可能な増強方向補正周波数範囲FBudは、スピーカ15の出力が安定して略平坦な周波数特性となる周波数範囲で設定される。このような設定を行うことで、不適切な増強方向への補正を防止することができる。すなわち、元々出力の低いスピーカ出力周波数領域の高域側端部付近と低域側端部付近と(抑圧方向補正周波数範囲で且つ増強方向補正周波数範囲でない周波数領域)で、大幅な増強方向の補正を行われることを防止することができる。これにより、イコライジング処理部以降の回路での放音用信号のクリップを防止することができ、ユーザ(歌唱者)に不快な感情を与えることを防止できる。また、抑圧方向補正周波数範囲で且つ増強方向補正周波数範囲でない周波数領域では、実際には少なくともスピーカ15から放音されている。このため、当該周波数領域にピークが存在する場合に、ピークを抑圧する補正処理を行うことはできるので、クリップを防止しながらも、より最適な音響特性を実現することができる。
CPU11は、補正値を算出した場合上述のようにカウンタを+1更新し、カウンタが予め設定した所定値nsであるかどうかを確認し、カウンタ値がnsに到達していなければ、次のピークまたはディップの補正値算出処理を実行する(S111:N→S106)。このように補正を行わないディップをカウントしないことで、イコライジング処理部のリソースをより有効に利用することができる。
CPU11は、このような補正値算出処理が所定値nsとなると終了し(S111:Y)、算出した補正値群からイコライジング処理部12に与えるパラメータリストを生成する(S112)。ここで、パラメータリストとは、イコライジング処理部12を構成する各PEQ121〜12nの初期パラメータ群を示す。すなわち、各補正値と対応する部分周波数帯域FBとに基づいて、順次各PEQの設定周波数(f)、ゲイン(G)、Q値を設定していき、これら設定されたパラメータ群からパラメータリストが形成される。CPU11は、生成したパラメータリストに基づいて、イコライジング処理部12のカスケード接続された各PEQ121〜12nへ対応する初期パラメータを送信する(S113)。イコライジング処理部12の各PEQ121〜12nは、与えられた初期パラメータに基づいて、イコライジング処理を実行する。これにより、予め設定された所望音響特性の音響環境を部屋内(スピーカからマイクへの系)に実現することができる。
なお、上記説明では特に明記していないが、抑圧方向補正周波数範囲FBd、増強方向補正周波数範囲FBudそれぞれの範囲において、ピーク、ディップの検出を行うようにすることで、初期パラメータの設定処理を容易にすることができる。
次に、上述の補正の過程を図5〜図7の例で示す。
図5〜図7は音響特性補正の方法および概念を説明するための周波数特性図である。各図において、(A)はホワイトノイズをスピーカ15から放音し、マイク16で収音した場合の収音信号の正規化周波数特性250,252,254を示し、(B)は収音信号の周波数特性250,252,254と予め設定される所望音響特性260とに基づくピークおよびディップの概念を示し、(C)はイコライジング処理部12での補正処理後の収音信号(音響特性補正後収音信号)の周波数特性251,253,255と所望音響特性260とを示す。そして、図5は、ディップの信号レベルを強化する増強方向補正周波数範囲FBudと、ピークの信号レベルを抑圧する抑圧方向補正周波数範囲FBd(前述の全帯域FZと等しい)とで重なり合う周波数の領域でのみ補正すべきピーク272およびディップ271が存在する場合を示す。図6は、図5の特性からさらに増強方向補正周波数範囲FBudより低域側で抑圧方向補正周波数範囲FBd内の周波数領域に補正すべきピーク273が存在する場合を示す。図7は、図6の特性からさらに増強方向補正周波数範囲FBudより高域側で抑圧方向補正周波数範囲FBd内の周波数領域に補正すべきでないディップ274が存在する場合を示す。
(1)増強方向補正周波数範囲FBudと抑圧方向補正周波数範囲FBdとで重なり合う周波数の領域でのみ補正すべきピーク272およびディップ271が存在する場合(図5の場合)
このような周波数範囲にピーク272およびディップ271を有する周波数特性250(図5(A)参照)が検出されると、CPU11は、ピーク272およびディップ271を検出し、上述のようにレベル値の大きい順にピーク272およびディップ271を設定する。そして、CPU11は、ディップ271が補正を許可した抑圧方向補正周波数範囲FBd内であることを検出すると、ピーク272とともにディップ271の対応する部分周波数帯域の所望音響特性のレベルとの差分値と同じレベルで且つ逆符号からなる補正値(図5(B)の矢印に示す方向の補正値)を設定する。例えば、ピーク272に対しては、抑圧する方向の補正として「−」の補正値を設定し、ディップ271に対しては、増強する方向の補正として「+」の補正値を設定する。そして、これらの補正値群から各PEQへ与えるパラメータを設定し、各PEQへ与える。これにより、図5(C)に示すように、少なくともスピーカ15の出力特性が平坦な領域で所望音響特性と同じで、且つ全周波数範囲FBd(FZ)で所望音響特性に類似する音響特性251を実現することができる。
(2) (1)の状況に加え、さらに増強方向補正周波数範囲FBudより低域側で抑圧方向補正周波数範囲FBd内の周波数領域にピーク273が存在する場合(図6の場合)
図6(A)に示すようなピーク272、273およびディップ271を有する周波数特性252が検出されると、CPU11は、ピーク272、273およびディップ271を検出し、上述のようにレベル値の大きい順にピーク273、ピーク272およびディップ271を設定する。そして、CPU11は、それぞれのピーク273、ピーク272、ディップ271と対応する部分周波数帯域の所望音響特性のレベルとの差分値と同じレベルで且つ逆符号からなる補正値(図6(B)の矢印に示す方向の補正値)を設定する。例えば、ピーク273、ピーク272に対しては、抑圧する方向の補正として「−」の補正値を設定し、ディップ271に対しては増強する方向の補正として「+」の補正値を設定する。そして、これらの補正値群から各PEQへ与えるパラメータを設定し、各PEQへ与える。これにより、少なくともスピーカ15の出力特性が平坦な領域で所望音響特性260と同じで、且つ全周波数範囲FBd(FZ)で所望音響特性260に、さらに類似する音響特性253を実現することができる。
(3) (2)の状況に加え、増強方向補正周波数範囲FBudより高域側で抑圧方向補正周波数範囲FBd内の周波数領域にディップ274が存在する場合(図7の場合)
図7(A)に示すようなピーク272、273およびディップ271、274を有する周波数特性254が検出されると、CPU11は、ピーク272、273およびディップ271を検出し、上述のようにレベル値の大きい順にディップ274、ピーク273、ピーク272およびディップ271を設定する。CPU11は、ディップ274,271に対しては、増強方向補正周波数範囲FBud内に存在するかどうかを判定し、増強方向補正周波数範囲FBud内に存在しないディップ274を補正対象から除外する。そして、CPU11は、それぞれのピーク273、ピーク272、ディップ271と対応する部分周波数帯域の所望音響特性のレベルとの差分値と同じレベルで且つ逆符号からなる補正値(図7(B)の矢印に示す方向の補正値)を設定する。例えば、ピーク273、ピーク272に対しては、抑圧する方向の補正として「−」の補正値を設定し、ディップ271に対しては増強する方向の補正として「+」の補正値を設定する。そして、これらの補正値群から各PEQへ与えるパラメータを設定し、各PEQへ与える。これにより、少なくともスピーカ15の出力特性が平坦な領域で所望音響特性260と同じで、且つ全周波数範囲FBd(FZ)で所望音響特性260に、さらに類似する音響特性255を実現することができる。
以上のように本実施形態の構成のシステムを用いることで、不適切な増強方向への補正を防止することができ、ユーザ(歌唱者)に不快な感情を与えることを防止できる。また、不適切な増強方向への補正を防止しながらも、抑圧方向の補正を行うことができるので、より最適な音響特性を実現することができる。また、不適切な増強方向への補正によりイコライジング処理部12のPEQ等のリソースの無駄な使用も防止し、少ないリソースであっても有効に活用し、所望の音響特性を実現することができる。
なお、前述の説明では、各モード時で異なる構成要素からなる場合を示したが、図1(A)、(B)の構成を同時に有する音響特性補正システムであってもよい。すなわち、スイッチ等の回路切替部を備え、回路切替部の切替処理により、音響特性補正設定モードと通常使用モードとを使い分けるようにしてもよい。
また、前述の説明では、イコライジング処理部12をカスケード接続されたPEQで構成したが、図8(A)に示すようなアナログのイコライザや、図8(B)に示すようなグラフィックイコライザを用いても良い。
図8は、本実施形態のイコライジング処理部の他の構成例を示す図であり、(A)がアナログのイコライザからなる構成を示し、(B)はグラフィックイコライザからなる構成を示す。
図8(A)に示すイコライジング処理部は、収音信号を各部分周波数帯域の成分に分離する部分周波数帯域分のBPFと、Qが固定でゲイン調整可能なゲイン調整部X(スイッチと抵抗との直列回路を並列接続した回路)との直列回路を、前記部分周波数帯域分だけ並列に備える構成を有する。一方、図8(B)に示すイコライジング処理部は、いわゆるグラフィックイコライザの基本回路を有する。なお、これらの回路を用いる場合、場合によりA/DコンバータやD/Aコンバータは必要でないので、省略することができる。
これらの回路によりイコライジング処理部を構成すると、イコライジング処理を行う場合にのみ、信号の部分周波数帯域毎のゲイン調整が行われるので、無処理の設定が行われた場合に、各回路要素による特性や音質が劣化する段数が減るので、前述の本発明の効果に加え、より良い音質を得ることができる。
また、前述の説明では、マイク16の収音特性に関しては特に明記していなかったが、予めマイク16の収音特性を取得しておき、CPU11に与えておくことで、CPU11は、マイク16の収音特性をも加味した補正のパラメータをイコライジング処理部12へ設定することができる。これにより、スピーカ15からマイク16を持って歌う歌唱者までの系による音響特性を所望の特性に設定することができ、より歌唱者に最適な音響環境を実現することができる。
本実施形態の音響特性補正システムの構成を示すブロック図である。 特性測定部22の構成を示すブロック図、および、周波数帯域の分割概念を示す図である。 イコライジング処理部12の構成を示すブロック図である。 音響特性補正システムによる音響特性補正方法のシステムフローを示す図である。 音響特性補正の方法および概念を説明するための周波数特性図である。 音響特性補正の方法および概念を説明するための周波数特性図である。 音響特性補正の方法および概念を説明するための周波数特性図である。 本実施形態のイコライジング処理部の他の構成例を示す図である。
符号の説明
11−CPU、12−イコライジング処理部、13−D/Aコンバータ、14−パワーアンプ、15−スピーカ、16−マイク、17−エコー処理部、18−A/Dコンバータ、19−ミキサ、20−音源、21−テスト音源、22−特性測定部

Claims (5)

  1. マイクとスピーカとが設置された所定空間内で、前記スピーカから放音された音が前記マイク位置まで伝搬される系の音響特性を所望音響特性に補正する音響特性補正システムであって、
    前記マイクの収音信号を複数の周波数帯域成分に分け、各周波数帯域成分に対して所定の周波数特性の調整を与えることで前記補正を実行するイコライジング手段と、
    該イコライジング手段に前記補正を実行させる補正特性を演算する補正特性演算手段と、を備え、
    該補正特性演算手段は、信号レベルを高くする補正を行う増強方向補正周波数範囲と信号レベルを低くする補正を行う抑圧方向補正周波数範囲とを個別に設定する、
    音響特性補正システム。
  2. 前記補正特性演算手段は、前記増強方向補正周波数範囲の高域側閾値周波数を前記抑圧方向補正周波数範囲の高域側閾値周波数よりも低く設定する請求項1に記載の音響特性補正システム。
  3. 前記補正特性演算手段は、前記増強方向補正周波数範囲の高域側閾値周波数を前記スピーカの放音特性の高域側減衰特性に基づいて設定する請求項2に記載の音響特性補正システム。
  4. 前記補正特性演算手段は、前記増強方向補正周波数範囲の低域側閾値周波数を前記抑圧方向補正周波数範囲の低域側閾値周波数よりも高く設定する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の音響特性補正システム。
  5. 前記補正特性演算手段は、前記増強方向補正周波数範囲の低域側閾値周波数を前記スピーカの放音特性及びマイクの収音特性の低域側減衰特性に基づいて設定する請求項4に記載の音響特性補正システム。
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