JP4899537B2 - 光学素子、その製造方法、および該光学素子を利用する光変調器 - Google Patents
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Description
一方、結晶性の酸化物マトリクス中に、均一に分散したナノ金属微粒子を形成する方法としては、イオン・インプランテーション法を利用する手法が報告されている(非特許文献5)。ペロブストカイト型結晶構造を有する電気光学材料であるLiNbO3に、Cuをイオン注入し、注入イオン・フラックスを制御することで、生成されるCuナノ粒子の粒子径、サイズを制御することが可能であることが報告されている。このCuナノ粒子の生成に伴い、吸収スペクトル上に、プラズモン共鳴に起因するピークが現れることを示している。しかし、このイオン注入により形成されるCuナノ粒子のLiNbO3結晶が示す電気光学効果への影響は、測定されていない。
K. D. Preston and G. H. Haertling : Appl. Phys. Lett. 60 (1992) 2831 K. Nashimoto, K. Haga, M. Watanabe, S. Nakamura and E. Osakabe: Appl. Phys. Lett. 75 (1999) 1054 Masafumi Nakada, Keishi Ohashi and Jun Akedo: J. Crystal Growth, 275 (2005) e1275 J. Muller, C. Sonnichesen, H. von Poschinger, G. von Plessen, T. A. Klar and J. Feldmann: Appl. Phys. Lett. 81 (2002) 4357 O. A. Plaksin, Y. Takeda, H. Amekura, N. Umeda, K. Kono, N. Okubo, N. Kishimoto: Appl. Surf. Sci. 241 (2005) 213
(1) PVD法(真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等)やCVD法(プラズマCVD法等)を応用する成膜法では、酸化物電気光学材料に、所望の平均粒子径を有するナノ金属微粒子を均一に分散した成形体薄膜を形成することは、困難であること。特に、一次電気光学効果を示す酸化物電気光学材料は、ペロブスカイト構造等の複雑な結晶構造を有し、その結晶構造の異方性によって、電気光学効果が発揮されるが、通常の成膜法では、その本来の結晶構造を示す薄膜を形成することが困難である。また、酸化物材料と固溶しない金属材料と、酸化物材料とを共スパッタ等により供給し、薄膜を形成することで、酸化物マトリクス中に、金属微粒子を形成することは可能であるが、その際、酸化物マトリクスは、非晶質化する、もしくは結晶性が悪くなるため、得られた薄膜全体として、大きな電気光学効果を発揮することはできない。
電気光学効果を示す光学材料薄膜を光の伝播媒質として用いる光学素子であって、
結晶構造を有する酸化物マトリクス材料と、該酸化物マトリクス材料中に分散された金属微粒子を具えてなる成形体型光学材料薄膜を、光の伝播媒質として用いており、
前記結晶構造を有する酸化物マトリクス材料は、その屈折率n0が、電界の印加によって、印加された電界に比例する屈折率変化Δn0を起こす、電気光学効果を示す材料であり、
前記結晶構造を有する酸化物マトリクス材料は、常温衝撃固化現象によって、平均半径d0(nm)が、d0≦100nmの範囲の粒径を有する、前記電気光学効果を示す材料の微結晶が一体に成形されたものであり、
前記酸化物マトリクス材料中に分散されている該金属微粒子は、プラズモン共鳴ピークを示し、
該金属微粒子の表面を構成する金属材料が、真空中において示すプラズモン共鳴ピークのピーク波長λp0(nm)を基準として、
前記光学素子において、光の伝播媒質中を伝播させる光の真空中における波長λ0(nm)を、λ0>λp0の範囲に選択している
ことを特徴とする光学素子である。
前記光の伝播媒質中を伝播させる光の真空中における波長λ0(nm)に対して、
該金属微粒子の平均半径dm(nm)が、dm≦(1/10)×λ0となる範囲に選択されていることが好ましい。また、該金属微粒子の表面を構成する金属材料は、
金、銀、銅、タングステンからなる単体金属の群から選択される単体金属、あるいは、それら金属二種以上で構成される合金材料であることが望ましい。
結晶構造を有する酸化物マトリクス材料と、該酸化物マトリクス材料中に分散された金属微粒子を具えてなる成形体型光学材料は、
さらに、該酸化物マトリクス材料中に分散して存在する微粒子状の微細領域を具えており、
該酸化物マトリクス材料中に分散して存在する微粒子状の微細領域における屈折率n1は、前記結晶構造を有する酸化物マトリクス材料の屈折率n0と異なっており、
前記光学素子において、光の伝播媒質中を伝播させる光の真空中における波長λ0(nm)に対して、
前記酸化物マトリクス材料中に分散して存在する微粒子状の微細領域の平均半径d2(nm)は、d2 6/λ0 4<4×10-5 nm2の関係を満すように選択されている構成とすることが可能である。
前記光学素子において、光の伝播媒質中を伝播させる光の真空中における波長λ0(nm)に対して、
該電気光学効果を示す材料の微結晶の平均半径d0(nm)が、d0 6/λ0 4<4×10-5 nm2の関係を満すように作製されていることが好ましい。
ジルコン酸チタン酸鉛(Pb(ZrxTi1-x)O3)、ランタンが添加されたジルコン酸チタン酸鉛((Pb,La)(ZrxTi1-x)O3)、ストロンチウム添加チタン酸バリウム((Ba,Sr)TiO3)、ストロンチウム添加チタン酸鉛((Pb,Sr)TiO3)、KTN(K(TixNb1-x)O3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)からなる電気光学効果を示す材料の群から選択される電気光学効果を示す材料で構成されている形態とすることができる。
外部変調方式の光変調器であって、
前記光変調器は、結晶構造を有する酸化物マトリクス材料と、該酸化物マトリクス材料中に分散された金属微粒子を具えてなる成形体型光学材料を、光の伝播媒質として用いる光学素子を利用し、
該光学素子の光の伝播媒質に対して、電場を印加し、電気光学効果により、該光の伝播媒質の実効的な屈折率を変化させ、該光学素子中を伝播する光の位相の変化させる変調方式を用いており、
前記光学素子として、上記構成を有する本発明にかかる光学素子を用いている
ことを特徴とする光変調器である。その際、前記外部変調方式の光変調器は、
平面導波路を利用するマッハツエンダー型の光変調器とすることが好ましい。
電気光学効果を利用するスイッチング方式の光スイッチであって、
前記光スイッチは、結晶構造を有する酸化物マトリクス材料と、該酸化物マトリクス材料中に分散された金属微粒子を具えてなる成形体型光学材料を、光の伝播媒質として用いる光学素子を利用し、
該光学素子の光の伝播媒質に対して、電場を印加し、電気光学効果により、該光の伝播媒質の実効的な屈折率を変化させ、該光学素子中を伝播する光の位相の変化させるスイッチング方式を用いており、
前記光学素子として、上記構成を有する本発明にかかる光学素子を用いている
ことを特徴とする光スイッチである。その際、前記電気光学効果を利用するスイッチング方式の光スイッチは、
平面導波路を利用する方向性結合器型の光スイッチとすることが好ましい。
本発明にかかる光学素子の製造方法は、
上記構成を有する本発明の光学素子を製造する方法であって、
前記電気光学効果を示す光学材料薄膜の作製工程において、
前記結晶構造を有する酸化物マトリクス材料の微粉末状結晶と、前記金属微粒子とを所定の含有比率で均一に混合してなる原料粉末を、キャリアガス中に所定の密度で浮遊させ、所定の供給速度で下地層の表面に吹き付けて、
前記下地層の表面に吹き付けた際、原料粉末に含まれる前記酸化物マトリクス材料の微粉末状結晶を、平均半径d0(nm)が、d0≦100nmの範囲の微細結晶に粉砕し、該微細結晶相互を、常温衝撃固化現象を利用して接合させ、前記金属微粒子を、該微細結晶の接合体の隙間に均一に分散させた成形体の薄膜を形成する
ことを特徴とする光学素子の製造方法である。その際、
前記常温衝撃固化現象を利用する成形体の薄膜を形成する手法として、
エアロゾルデポジション法を用いることが好ましい。
上記構成を有する本発明の光学素子を製造する方法であって、
目的とする光の伝播媒質の形状に従って、該平面形状に相当する開口部を有するレジスト膜を下地層の表面に設ける工程と、
前記結晶構造を有する酸化物マトリクス材料の微粉末状結晶と、前記金属微粒子とを所定の含有比率で均一に混合してなる原料粉末を、キャリアガス中に所定の密度で浮遊させ、所定の供給速度で下地層の表面に吹き付けて、
前記下地層の表面に吹き付けた際、原料粉末に含まれる前記酸化物マトリクス材料の微粉末状結晶を、平均半径d0(nm)が、d0≦100nmの範囲の微細結晶に粉砕し、該微細結晶相互を、常温衝撃固化現象を利用して接合させ、前記金属微粒子を、該微細結晶の接合体の隙間に均一に分散させた成形体の薄膜を、前記レジスト膜の開口部内に、所望の膜厚で一体形成する工程と、
前記レジスト膜を除去し、リフトオフによって、前記一体形成された成形体の薄膜を目的とする光の伝播媒質の平面形状に相当する形状にパターニング加工を行う工程と、
前記パターニング加工を施した、前記成形体の薄膜の表面に研磨加工を施し、目的の膜厚を有する光の伝播媒質の形状とする工程とを具えている
ことを特徴とする光学素子の製造方法である。その際、特に、前記常温衝撃固化現象を利用する成形体の薄膜を形成する手法として、
エアロゾルデポジション法を用いることが好ましい。
結晶構造を有する酸化物材料の微細結晶を、常温衝撃固化現象を利用して、相互に接合することで、全体として、透明度の高い成形体型光学材料薄膜を、任意の膜厚で、下地層の表面上に形成できること、
この成形体型光学材料薄膜は、結晶構造を有する酸化物材料の微細結晶相互が接合した形状を有しており、用いる酸化物材料が電気光学効果を有する場合、得られる成形体型光学材料薄膜も、該酸化物材料の結晶が示す電気光学効果と匹敵する電気光学効果を発揮すること、
加えて、該成形体型光学材料薄膜の微細加工性は、それを構成する酸化物材料の微細結晶の粒径により制約を受けるが、微細結晶の粒径をナノサイズにすると、ナノサイズの精度の微細加工性が達成できること、
を利用している。さらに、本発明では、
常温衝撃固化現象を利用する成膜法を応用する際、原料粉末として、結晶構造を有する酸化物マトリクス材料の微粉末状結晶と、金属微粒子とを所定の比率で均一に混合した混合粉末を用いることによって、
結晶構造を有する酸化物材料の微細結晶を、常温衝撃固化現象を利用して、相互に接合する過程で、金属微粒子が混在していると、この金属微粒子を取り囲むように、酸化物材料の微細結晶が配置された状態で接合が進行するため、金属微粒子の周囲において、非晶質化する、もしくは結晶性が悪くなるという不具合は生じないこと、
混在させる金属微粒子は、予め、その平均粒子径を選択でき、金属微粒子の混合比率によって、得られる薄膜中に含まれる金属微粒子の分散密度を、金属微粒子の平均粒子径と独立して選択できること、
という特徴を具えるものとなっている。
λp=λp0・(1+(εr−1))1/2
≒λp0・n
ここで、光の振動数の範囲では、εr≒n2である。
程度であるが、エアロゾルデポジション法により作製されるPZT薄膜においては、測定される一次電気光学定数rcは、作製条件により、40〜80pm/V程度の範囲に分散している。ここでは、酸化物マトリクス材料であるPZTの一次電気光学定数rcを60pm/Vとし、5μmの電極間隔に1Vを印加した場合、電界強度Eは、0.2V/μmとなり、一次電気光学効果による屈折率変化Δnは、Δn=rc・E=0.0002となる。この屈折率変化Δnによるプラズモン共鳴のピーク波長λp(nm)のシフト量Δλpは、Δλp≒λp0・Δn≒0.1nmと見積もられる。
前記光変調器は、結晶構造を有する酸化物マトリクス材料と、該酸化物マトリクス材料中に分散された金属微粒子を具えてなる成形体型光学材料を、光の伝播媒質として用いる光学素子を利用し、
該光学素子の光の伝播媒質に対して、電場を印加し、電気光学効果により、該光の伝播媒質の実効的な屈折率を変化させ、該光学素子中を伝播する光の位相の変化させる変調方式を用いたものとし、
前記光学素子として、本発明にかかる光学素子を利用する形態とする。特に、本発明にかかる光学素子は、結晶構造を有する酸化物マトリクス材料と、該酸化物マトリクス材料中に分散された金属微粒子を具えてなる成形体型光学材料薄膜を、光の伝播媒質として用いる光学素子であるので、この薄膜状の光の伝播媒質を用いて作製される、平面導波路を利用するマッハツエンダー型の光変調器とすることがより好ましい。すなわち、目的とする平面導波路の平面形状、膜厚にしたがって、成形体型光学材料薄膜をかかる平面形状、膜厚で作製した上で、マッハツエンダー型の光変調器を構成する。
該光学素子の光の伝播媒質に対して、電場を印加し、電気光学効果により、該光の伝播媒質の実効的な屈折率を変化させ、該光学素子中を伝播する光の位相の変化させるスイッチング方式を用いたものとし、
前記光学素子として、本発明にかかる光学素子を利用する形態とする。特に、本発明にかかる光学素子は、結晶構造を有する酸化物マトリクス材料と、該酸化物マトリクス材料中に分散された金属微粒子を具えてなる成形体型光学材料薄膜を、光の伝播媒質として用いる光学素子であるので、この薄膜状の光の伝播媒質を用いて作製される、平面導波路を利用する方向性結合器型の光スイッチとすることがより好ましい。
目的とする光の伝播媒質の形状に従って、該平面形状に相当する開口部を有するレジスト膜を下地層の表面基板表面に設ける工程と、
前記結晶構造を有する酸化物マトリクス材料の微粉末状結晶と、前記金属微粒子とを所定の含有比率で均一に混合してなる原料粉末を、キャリアガス中に所定の密度で浮遊させ、所定の供給速度で下地層の表面基板表面に吹き付けて、
前記下地層の表面基板表面に吹き付けた際、原料粉末に含まれる前記酸化物マトリクス材料の微粉末状結晶を、平均半径d0(nm)が、d0≦100nmの範囲の微細結晶に粉砕し、該微細結晶相互を、常温衝撃固化現象を利用して接合させ、前記金属微粒子を、該微細結晶の接合体の隙間に均一に分散させた成形体の薄膜を、前記レジスト膜の開口部内に、所望の膜厚で一体形成する工程と、
前記レジスト膜を除去し、リフトオフによって、前記一体形成された成形体の薄膜を目的とする光の伝播媒質の平面形状に相当する形状にパターニング加工を行う工程と、
前記パターニング加工を施した、前記成形体の薄膜の表面に研磨加工を施し、目的の膜厚を有する光の伝播媒質の形状とする工程とを具えている作製プロセスとすることが好ましい。なお、本発明で利用する常温衝撃固化現象を利用する成形体の薄膜を形成する手法として、エアロゾルデポジション法を用いることがより好ましい。
図4は、本実施態様で成形体型光学材料薄膜の作製に用いた、AD法による成膜装置の構成を示す概略図である。キャリアガスとして酸素ガスを用いており、この酸素ガスを内蔵するガスボンベ40は搬送管を介してガラスボトル41に接続されている。ガラスボトル41内に、原料粉末42を入れ、排気管43を介して、20Pa程度の真空に排気した後、キャリアガスとして、酸素ガスの所定の流量に制御しながら導入する。ガラスボトル41を加振器44により振動させることで、酸素ガス中に原料粉末の微粒子を分散させたエアロゾルを発生させる。発生したエアロゾルは、キャリアガスにより、搬送管45を介して、成膜チャンバー46に搬送する。成膜チャンバー46は、真空ポンプ47により所定の真空度に排気される。ノズル48から、基板49表面に原料粉末を吹き付けることで、常温衝突固化現象を利用する薄膜の形成がなされる。
次に、本発明にかかる光学素子を用いて、光変調器を構成する実施態様について説明する。まず、ガラス基板上に、下部電極として、膜厚180nmのITO膜を成膜する。ITO膜の成膜には、アルゴンガスを利用する、マグネトロン・スパッタ法を用いて、ガラス基板上に、室温で堆積させた。
41 ガラスボトル
42 原料粉末
43 排気管
44 加振器
45 搬送管
46 成膜チャンバー
47 真空ポンプ
48 ノズル
49 基板
Claims (14)
- 電気光学効果を示す光学材料薄膜を光の伝播媒質として用いる光学素子であって、
結晶構造を有する酸化物マトリクス材料と、該酸化物マトリクス材料中に分散された金属微粒子を具えてなる成形体型光学材料薄膜を、光の伝播媒質として用いており、
前記結晶構造を有する酸化物マトリクス材料は、その屈折率n0が、電界の印加によって、印加された電界に比例する屈折率変化Δn0を起こす、電気光学効果を示す材料であり、
前記結晶構造を有する酸化物マトリクス材料は、常温衝撃固化現象によって、平均半径d0(nm)が、d0≦100nmの範囲の粒径を有する、前記電気光学効果を示す材料の微結晶が一体に成形されたものであり、
前記酸化物マトリクス材料中に分散されている該金属微粒子は、プラズモン共鳴ピークを示し、
該金属微粒子の表面を構成する金属材料が、真空中において示すプラズモン共鳴ピークのピーク波長λp0(nm)を基準として、
前記光学素子において、光の伝播媒質中を伝播させる光の真空中における波長λ0(nm)を、λ0>λp0の範囲に選択している
ことを特徴とする光学素子。 - 該酸化物マトリクス材料中に分散されている金属微粒子の平均粒子径は、
前記光の伝播媒質中を伝播させる光の真空中における波長λ0(nm)に対して、
該金属微粒子の平均半径dm(nm)が、dm≦(1/10)×λ0となる範囲に選択されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。 - 該金属微粒子の表面を構成する金属材料は、
金、銀、銅、タングステンからなる単体金属の群から選択される単体金属、あるいは、それら金属二種以上で構成される合金材料である
ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。 - 結晶構造を有する酸化物マトリクス材料と、該酸化物マトリクス材料中に分散された金属微粒子を具えてなる成形体型光学材料は、
さらに、該酸化物マトリクス材料中に分散して存在する微粒子状の微細領域を具えており、
該酸化物マトリクス材料中に分散して存在する微粒子状の微細領域における屈折率n1は、前記結晶構造を有する酸化物マトリクス材料の屈折率n0と異なっており、
前記光学素子において、光の伝播媒質中を伝播させる光の真空中における波長λ0(nm)に対して、
前記酸化物マトリクス材料中に分散して存在する微粒子状の微細領域の平均半径d2(nm)は、d2 6/λ0 4<4×10-5 nm2の関係を満すように選択されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。 - 一体に成形された該酸化物マトリクス材料を構成している前記電気光学効果を示す材料の微結晶の粒径は、
前記光学素子において、光の伝播媒質中を伝播させる光の真空中における波長λ0(nm)に対して、
該電気光学効果を示す材料の微結晶の平均半径d0(nm)が、d0 6/λ0 4<4×10-5 nm2の関係を満すように作製されている
ことを特徴とする請求項4に記載の光学素子。 - 前記結晶構造を有する酸化物マトリクス材料は、
ジルコン酸チタン酸鉛(Pb(ZrxTi1-x)O3)、ランタンが添加されたジルコン酸チタン酸鉛((Pb,La)(ZrxTi1-x)O3)、ストロンチウム添加チタン酸バリウム((Ba,Sr)TiO3)、ストロンチウム添加チタン酸鉛((Pb,Sr)TiO3)、KTN(K(TixNb1-x)O3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)からなる電気光学効果を示す材料の群から選択される電気光学効果を示す材料で構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。 - 外部変調方式の光変調器であって、
前記光変調器は、結晶構造を有する酸化物マトリクス材料と、該酸化物マトリクス材料中に分散された金属微粒子を具えてなる成形体型光学材料を、光の伝播媒質として用いる光学素子を利用し、
該光学素子の光の伝播媒質に対して、電場を印加し、電気光学効果により、該光の伝播媒質の実効的な屈折率を変化させ、該光学素子中を伝播する光の位相の変化させる変調方式を用いており、
前記光学素子として、請求項1に記載の光学素子を用いている
ことを特徴とする光変調器。 - 前記外部変調方式の光変調器は、
平面導波路を利用するマッハツエンダー型の光変調器である
ことを特徴とする請求項7に記載の光変調器。 - 電気光学効果を利用するスイッチング方式の光スイッチであって、
前記光スイッチは、結晶構造を有する酸化物マトリクス材料と、該酸化物マトリクス材料中に分散された金属微粒子を具えてなる成形体型光学材料を、光の伝播媒質として用いる光学素子を利用し、
該光学素子の光の伝播媒質に対して、電場を印加し、電気光学効果により、該光の伝播媒質の実効的な屈折率を変化させ、該光学素子中を伝播する光の位相の変化させるスイッチング方式を用いており、
前記光学素子として、請求項1に記載の光学素子を用いている
ことを特徴とする光スイッチ。 - 前記電気光学効果を利用するスイッチング方式の光スイッチは、
平面導波路を利用する方向性結合器型の光スイッチである
ことを特徴とする請求項9に記載の光スイッチ。 - 請求項1に記載の光学素子を製造する方法であって、
前記電気光学効果を示す光学材料薄膜の作製工程において、
前記結晶構造を有する酸化物マトリクス材料の微粉末状結晶と、前記金属微粒子とを所定の含有比率で均一に混合してなる原料粉末を、キャリアガス中に所定の密度で浮遊させ、所定の供給速度で下地層の表面に吹き付けて、
前記下地層の表面に吹き付けた際、原料粉末に含まれる前記酸化物マトリクス材料の微粉末状結晶を、平均半径d0(nm)が、d0≦100nmの範囲の微細結晶に粉砕し、該微細結晶相互を、常温衝撃固化現象を利用して接合させ、前記金属微粒子を、該微細結晶の接合体の隙間に均一に分散させた成形体の薄膜を形成する
ことを特徴とする光学素子の製造方法。 - 前記常温衝撃固化現象を利用する成形体の薄膜を形成する手法として、
エアロゾルデポジション法を用いる
ことを特徴とする請求項11に記載の光学素子の製造方法。 - 請求項1に記載の光学素子を製造する方法であって、
目的とする光の伝播媒質の形状に従って、該平面形状に相当する開口部を有するレジスト膜を下地層の表面に設ける工程と、
前記結晶構造を有する酸化物マトリクス材料の微粉末状結晶と、前記金属微粒子とを所定の含有比率で均一に混合してなる原料粉末を、キャリアガス中に所定の密度で浮遊させ、所定の供給速度で下地層の表面に吹き付けて、
前記下地層の表面に吹き付けた際、原料粉末に含まれる前記酸化物マトリクス材料の微粉末状結晶を、平均半径d0(nm)が、d0≦100nmの範囲の微細結晶に粉砕し、該微細結晶相互を、常温衝撃固化現象を利用して接合させ、前記金属微粒子を、該微細結晶の接合体の隙間に均一に分散させた成形体の薄膜を、前記レジスト膜の開口部内に、所望の膜厚で一体形成する工程と、
前記レジスト膜を除去し、リフトオフによって、前記一体形成された成形体の薄膜を目的とする光の伝播媒質の平面形状に相当する形状にパターニング加工を行う工程と、
前記パターニング加工を施した、前記成形体の薄膜の表面に研磨加工を施し、目的の膜厚を有する光の伝播媒質の形状とする工程とを具えている
ことを特徴とする光学素子の製造方法。 - 前記常温衝撃固化現象を利用する成形体の薄膜を形成する手法として、
エアロゾルデポジション法を用いる
ことを特徴とする請求項13に記載の光学素子の製造方法。
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