JP2009139734A - 光デバイス、光集積デバイス、及びその製造方法 - Google Patents

光デバイス、光集積デバイス、及びその製造方法 Download PDF

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正文 中田
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】導波損失が小さく、低電圧駆動の光デバイスを提供する。
【解決手段】リング状光導波路と入出力光導波路を有し、このリング状光導波路の共振波長を変化させる光デバイスであって、導波する波長における屈折率を制御する屈折率制御部が、前記リング状光導波路の一部分に具備され、前記屈折率制御部が、この屈折率制御部以外の前記リング状光導波路の部分を構成する光学材料の複素屈折率と異なる複素屈折率をもつ光学材料で形成されている光デバイス。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信、光配線、光ストレージ等に用いられる光デバイス、これを備えた光集積デバイス、及びその製造方法に関する。
電界と物質の相互作用により屈折率が変化する電気光学効果は、その高速性、電圧駆動であることによる低消費電力性、構造の単純性から、光変調器に応用されている。
LiNbO3を用いた光変調器では、単結晶LiNbO3基板上にTi拡散法によりマッハツエンダー型導波路を形成し、電極を組み合わせることで光変調器を形成している。電圧を印加することで、導波路の屈折率を変化させ、光信号のON/OFFをおこなうことができる。しかし、単結晶基板を用いる必要があることから高価であり、また、LiNbO3の電気光学効果が小さく、プレナー電極構造であることから導波路の長さが必要になり、素子サイズがcm台と非常に大きいという問題がある。
透明セラミックスであるPb1-xLax(ZryTi1-y1-x/43(PLZT)は、現行の光変調器に用いられているLiNbO3単結晶より二桁近く電気光学係数が大きいことから、光素子の小型化による低コスト化、低消費電力化、および高速化が期待でき、これまでゾルゲル法による薄膜化の検討がなされてきている(非特許文献1、非特許文献2)。
今後に期待される革新的な技術として、光とエレクトロニクスの1チップ上の集積を可能とするシリコンフォトニックデバイスが研究されている。これを実現することでCPU、メモリー等のLSIと光スイッチ等の能動光学素子とを同一基板上に形成することができ、LSIの高速化が可能となる。また、LSI形成技術を光通信デバイスの製造プロセスに適用できることから、光デバイスの低価格化が可能となる。
しかし、シリコンが間接遷移型の半導体のため、レーザー等の発光素子をシリコン基板上に直接形成することは困難である。このため、電気信号を光信号に変換する光変調器をシリコン基板上に形成することが重要になる。このLSI光配線用の光変調器は、LSIの動作条件で駆動できる低電圧、低消費電力で、小型であることが求められている。
この要求を満足する光変調器として、シリコンで構成されたリング共振器型が研究されている(非特許文献3)。シリコン・リング型共振器は、光の導波層にキャリアを注入することで屈折率を変化させ、共鳴波長を変化させることで変調動作を行う。
K. D. Preston and G. H. Haertling : Appl. Phys. Lett. 60 (1992) 2831. K. Nashimoto, K. Haga, M. Watanabe, S. Nakamura and E. Osakabe : Appl. Phys. Lett. 75 (1999) 1054. A. Liu, L. Liao, D. Rubin, H. Nguyen, B. Ciftcioglu, Y. Chetrit, N. Izhaky, M. Paniccia: Opt. Exp., 15 (2007) 660.
光配線システムを低コストで形成するためには、低コストの外部光源を用いることが重要になる。波長が800nm程度の面発光レーザーは、一般的に光通信に用いられている波長1.5μmの端面発光レーザーよりも低価格であり、高集積が可能である。したがって、この面発光レーザーをシリコンフォトニクスに適用することができれば、大幅にコストを低減することができる。しかし、シリコンは、波長が800nmでは不透明であることから光変調器への適用は困難である。光変調器材料として電気光学係数の大きなPLZT等を用いたリング共振器型変調器の実現が期待されるが、電気光学係数の大きなPLZT等の材料も波長が800nmでは光学吸収が大きくなり、通常のリング共振器型変調器では光の損失が大きくなるという課題がある。
本発明は上記の如き事情に鑑みてなされたものであって、導波損失が小さく、低電圧駆動の光デバイスを提供することを目的とする。また、この光デバイスを備えた光集積デバイスを提供することを目的とする。
本発明によれば、リング状光導波路と入出力光導波路を有し、前記リング状光導波路の共振波長を変化させる光デバイスであって、
導波する波長における屈折率を制御する屈折率制御部が、前記リング状光導波路の一部分に具備され、
前記屈折率制御部が、該屈折率制御部以外の前記リング状光導波路の部分を構成する光学材料の複素屈折率と異なる複素屈折率をもつ光学材料で形成されている光デバイスが提供される。
また本発明によれば、上記の光デバイスの製造方法であって、前記屈折率制御部を構成する光学材料が、エアロゾルデポジション法で形成されることを特徴とする光デバイスの製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、上記の光デバイスの製造方法であって、
シリコン基板上に絶縁層を形成する工程と、
リング状光導波路の屈折率制御部を形成する領域に下部電極層を形成する工程と、
下部クラッド層を形成する工程と、
前記屈折率制御部を形成する領域には、前記下部クラッド層上にエアロゾルデポジション法により第1の光学材料からなる第1のコア層を形成し、前記リング状光導波路の該屈折率制御部以外の部分を形成する領域には、前記下部クラッド層上に、第1の光学材料の複素屈折率と異なる複素屈折率をもつ第2の光学材料からなり、第1のコア層と接続する第2のコア層を形成する工程と、
前記リング状光導波路を構成する第1のコア層および第2のコア層上に上部クラッド層を形成する工程と、
前記上部クラッド層上に、前記下部電極層と対向するように上部電極層を形成する工程と、を有する光デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明によれば、導波損失が小さく、低電圧駆動の光デバイスを提供でき、また、この光デバイスを備えた光集積デバイスを提供することができる。
本発明による一実施形態の光デバイスは、リング状光導波路と入出力光導波路を有し、このリング状光導波路の共振波長を変化させる光デバイスにおいて、導波する波長における屈折率を制御する屈折率制御部が、前記リング状光導波路の一部分に具備される。そして、このリング状光導波路において、その屈折率制御部を構成する光学材料の複素屈折率が、その屈折率制御部以外の部分を構成する光学材料の複素屈折率と異なっている。このように、リング状光導波路において屈折率制御部と他の光導波路部分とを異なる材料で形成することにより、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器が実現可能である。
以下に、シミュレーションを行った本実施形態を説明する。
図1は、本発明による一実施形態のリング共鳴型変調器の模式図である。11は入出力光導波路であり、導波光はaから入力し、bに出力する。12はリング状光導波路である。13(点線で囲まれた部分)は入出力光導波路11とリング状光導波路12との光学的結合部である。14は、リング状光導波路12の屈折率制御が可能な部分(屈折率制御部)である。この屈折率制御部14の複素屈折率の虚数項、つまり光学吸収は、リング状光導波路12の屈折率制御部以外の部分よりも大きい。リング状光導波路12において屈折率制御部以外の部分は、入出力光導波路11を構成する材料の複素屈折率と同じ複素屈折率をもつ材料から形成されている。リング状光導波路12における点線部は、屈折率制御部14と他の部分との接合部を示す。
この構造について伝達関数を用い、透過率b/aのシミュレーションを行った。シミュレーションでは、リング状光導波路12において、屈折率制御部14と他の部分との接合部での反射を考慮している。
図2は、本シミュレーションに用いた変調器の模式図である。2は電極部であり、この部分に電圧を印加した場合の透過率変化のシミュレーションを行った。リング周回長を0.8mm、電極周囲長を0.4mmとした。
次に伝達関数を用いた透過率b/aのシミュレーション方法について説明する。
次式は、図1の入出力光導波路11と、屈折率制御部14を含むリング状光導波路12がすべて同じ材料で構成された場合の伝達関数である。
ここで、αは吸収係数、βは伝搬定数、Lはリング周回長、Kは結合定数、jは虚数単位である。このb/aの絶対値の二乗が透過率となる。光変調器の動作のシミュレーションでは、電圧印加時の伝搬定数の変化を電気光学係数から計算し、透過率の変化としている。
リング状光導波路12において、屈折率制御部14と他の部分との間で伝搬定数と吸収係数が異なる本実施形態(図1)の場合、リング状光導波路12における屈折率制御部14と他の部分との接合部で反射が生じるため伝達関数は格段に複雑になるが、同様の方法でシミュレーション可能である。
表1に、PLZT((Pb0.95La0.05)(Zr0.3Ti0.7)O3)とシリコンの吸収係数(損失係数)の波長依存性を示す。この吸収係数の単位は1/mmである。PLZTの吸収係数はエアロゾルデポジション法で形成した薄膜の値であり、シリコンの吸収係数はバルク結晶の値である。いずれの薄膜においても、波長1550nmに対して波長850nmでの吸収係数が大きくなることが分かる。これは、いずれもバンド構造に起因する光学吸収による。
図3に、光学材料が一様なPLZTのリング状導波路の波長と透過率の関係を、上記の方法でシミュレーションした結果を示す。縦軸は透過率を表し、横軸は共鳴波長からの波長の変化を表している。共鳴波長は1550nm、850nmである。波長1550nmでは、透過率の共鳴による変化は大きいが、波長850nmでは変化は小さく、その共鳴の鋭さを表すQ値も小さくなっている。これは波長850nmで吸収係数が7倍になることによる。
図4に、光学材料が一様なシリコンのリング状導波路の波長と透過率の関係を波長850nmで計算した結果を示す。シリコンのリング状導波路では共鳴による透過率の変化は起こらないことがわかる。これはシリコンの吸収係数が波長850nmでは非常に大きいことによる。したがって、シリコンでは波長850nmにおけるリング状共振器型光変調器は形成できないことになる。
図5は、光学材料が一様なPLZTのリング状導波路型光変調器の印加電圧と透過率の関係を示す。波長1550nmと850nmについてシミュレーションした。波長1550nmでは、挿入損失5dBで、消光比8dBが、3Vppという小さな電圧で得られているが、波長850nmでは、挿入損失11dBで、消光比3dBと大幅に性能が低下してしまう。これに入出力導波路の長さを1mmとして、その損失を加えると、挿入損失は26dBとなり、特性を改善しなければ変調器としての使用は不可能になる。
図6は、特性を改善した本発明による一実施例のリング状導波路型光変調器の印加電圧と透過率の関係を示す。波長は850nmで、そのときの光学定数はそれぞれ、リング状光導波路の屈折率制御部ではn=2.5、α=3.5(1/mm)とし、リング状光導波路の他の部分と入出力導波路ではn=2.5、α=0とした。リング状光導波路の屈折率制御部は、光学材料としてPLZTとし、リング状光導波路の他の部分と入出力導波路はスパッタ法によるTiO2を想定した。リング状光導波路の屈折率制御部とリング状光導波路の他の部分との光路長の比は1:1である。挿入損失7dBで、印加電圧3Vppにおける消光比は7dBと、大幅に性能の改善が可能になった。この特性の改善は、吸収係数が小さな材料で、リング状光導波路の屈折率制御部以外の部分と入出力導波路を構成したことによる。
リング状光導波路の屈折率制御部とリング状光導波路の他の部分との光路長の比を、1:3とした場合、1:7とした場合の挿入損失と消光比の計算結果を、上記結果ととともに表2にまとめる。
表2に示すように屈折率制御部の割合を小さくすることで消光比は若干低下するが、電極長を短くすることができ、電気容量の低減による高速化、低消費電力化が可能となる。
次に、表3に、リング状光導波路の屈折率制御部と、リング状光導波路の他の部分及び入出力導波路との間での屈折率が異なる場合のシミュレーション結果を示す。リング状光導波路の屈折率制御部ではn=2.5、α=3.5(1/mm)とした。リング状光導波路の他の部分と入出力導波路では、屈折率を2.5から1.5まで変化させ、吸収係数はα=0とした。リング状光導波路の屈折率制御部とリング状光導波路の他の部分との光路長の比は1:1で固定している。波長は850nm付近である。
表3に示すように、屈折率差が増大することで消光比は低下するが、その低下量はそれほど大きくない。これは、リング状光導波路の屈折率制御部とリング状光導波路の他の部分との屈折率差が1.0の場合でも、接合部の反射率は6%程度であり、共鳴状態に大きな影響を与えないためと考えられる。
以上、説明したように、リング状光導波路と入出力光導波路を有し、このリング状光導波路の共振波長を変化させる光デバイスにおいて、前記リング状光導波路の一部分に、導波する波長における屈折率を制御する屈折率制御部を設け、この屈折率制御部を構成する光学材料の複素屈折率が当該リング状光導波路の他の部分を構成する光学材料の複素屈折率と異なる構成とすることで、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器が実現可能であることが明らかである。この結果を適用することで、高い性能の光デバイス、光集積デバイスを安価に形成することができる。
上記構成を有する本実施形態の光デバイスにおいて、リング状光導波路の屈折率制御部は、当該リング状光導波路の屈折率制御部以外の部分と異なる光学材料で形成されている。この屈折率制御部に用いる光学材料は、電圧等による屈折率可変性と透明性の両方が大きいことが望ましい。消光比等の動作特性を重視した場合、屈折率可変性が大きいことが重要となるが、その場合、屈折率化変性が大きく且つ透明度が十分な材料を選択することが困難になる。屈折率制御部に、屈折率変化性は大きいが透明度はそれほど高くない光学材料を用いる場合であっても、屈折率制御部以外のリング状光導波路の部分に、屈折率制御部を構成する光学材料の複素屈折率とは異なる複素屈折率をもつ光学材料を用いることで、透過損失が小さく、消光比の大きな光デバイスを形成することが可能になる。
また、前記リング状光導波路における前記屈折率制御部以外の部分を、前記屈折率制御部を構成する光学材料の吸収係数より低い吸収係数をもつ光学材料で形成することができる。これにより、透過損失が小さく、消光比の大きな光デバイスを形成することが可能になる。
前記リング状導波路において、屈折率制御部と他の部分との光路長の比(屈折率制御部/他の部分)は、十分な消光比等の動作特性を得る点から、1/10以上が好ましく、1/8以上がより好ましく、1/7以上がさらに好ましい。一方、十分に透過損失を抑える点、電極を設ける場合は電極長を短くする点から、1/0.5以下であることが好ましく、1/0.8以下であることがより好ましく、1/1以下であることがさらに好ましい。
前記屈折率制御部は、電気光学材料で形成することができる。これにより、高速で低消費電力の光変調器等の光デバイスを形成することができる。この電気光学材料としては、ジルコン酸チタン酸鉛、またはランタンが添加されたジルコン酸チタン酸鉛が挙げられる。この電気化学材料として、Pb1-xLax(ZryTi1-y)O3(0≦x<1、0<y<1)で表されるジルコン酸チタン酸鉛を好適に用いることができる(x=0のとき「PZT」、0<xのとき「PLZT」)。このような材料を用いることにより、小型で低電圧駆動の光変調器等の能動素子、デバイスの形成が可能となる。
前記リング状光導波路における屈折率制御部以外の部分は、TiO2,Ta25、SrTiO3、BaTiO3から選ばれる材料で形成することができる。表3に示したように、前記リング状光導波路の屈折率制御部と当該リング状光導波路の他の部分および入出力導波路との屈折率の差は小さいほうが、変調器等の光デバイスの特性上望ましい。屈折率制御部を、例えば屈折率2.2〜2.5の電気光学材料で形成した場合、当該屈折率制御部以外のリング状導波路の部分の屈折率も同様の屈折率を有することが望ましい。上記の光学材料を用いることで、高い性能の光デバイスが形成可能となる。
本発明による一実施形態では、図2に示すように、前記リング状光導波路に電界を形成する電極を設け、この電極に電気信号を印加することで光を制御する光変調器または光スイッチとして動作させることができる。これにより、高速応答可能で、小型化もしくは低消費電力化が可能な光変調器、光スイッチを提供することができる。
本発明による一実施形態では、上記の第1の光デバイスと、他の第2の光デバイスとを同一基板上に有する光集積デバイスを提供できる。第2のデバイスとしては、レーザー、電気光変換器、光電気変換器、光増幅器、光スイッチ、光フィルターのいずれかを適用することができる。この基板としては、シリコン基板を適用することができる。
本発明による一実施形態では、上記の光学デバイスと電子回路とを同一基板上に有する光集積デバイスを提供できる。この基板としては、シリコン基板を適用することができる。
本発明の一実施形態による光学デバイスの製造においては、前記屈折率制御部を構成する光学材料を、エアロゾルデポジション法で形成することができる。このような製造方法を用いることで、Si等の任意の基板上に、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器等の光デバイス、及びこの光デバイスを備えた光集積デバイスを実現することができる。
以下、本発明による一実施例を挙げてさらに説明する。
図7は、本実施例の光デバイスの屈折率制御部を示す断面模式図である。この構造の平面模式図は図1と同様であり、上部電極構造の平面模式図は図2と同様である。
屈折率制御部とリング状光導波路の他の部分との光路長の比は1:1とした。
シリコン基板71上に、SiO2層72(膜厚1μm)を熱酸化により形成した。金属下部電極として、Ti層(膜厚10nm)73、Au層(膜厚1μm)74、Ti層(膜厚10nm)75を、TiはDCマグネトロンスパッタ法で、Auはメッキ法で形成した。その上に、下部透明電極層76としてITO層(膜厚0.3μm)をDCマグネトロンスパッタ法(スパッタガス:Arガス)により形成した。
次に、クラッド層77としてSrTiO3層(膜厚0.5μm)をRFマグネトロンスパッタ法(基板温度:300℃、スパッタガス:Ar+O2)により成膜した。次いで、このSrTiO3層(クラッド層77)を、逆リッジ構造を形成するために3μm幅のレジストを形成した後、イオンミリング法でエッチングした。
次に、SiO2層78を熱CVD法で膜厚1.5μmに形成した。
次に、3μm幅のレジストの抜きを形成した後、反応性イオンエッチングを行って、幅3μm、深さ1μmの凹構造を形成した。次に、この凹構造を埋め込むようにエアロゾルデポジション法によりコア層79を形成した。具体的な成膜方法は後に説明する。次いで、600℃で30分、大気中でアニール後、表面研磨を行い、コア層の平坦化を行った。
その上に、上部クラッド層710としてSrTiO3を膜厚0.5μmに形成し、次いで上部透明電極層711としてITO層(膜厚0.3μm)を形成した。その後に、金属上部電極として、Ti層(膜厚10nm)712、Au層(膜厚1μm)713を形成した。上部クラッド層710、上部透明電極層711、金属上部電極712、713の形成方法は、前記の下部側の構造の形成方法と同じである。
次に、上記のエアロゾルデポジション法によるコア層の形成方法ついて説明する。
図8は、本実施例で用いた成膜装置の概略図である。
酸素ガスを内蔵するガスボンベ81は搬送管を介してガラスボトル82に接続されている。ガラスボトル82内に粉末原料83を入れ、排気管84を介してガラスボトル82内を20Torr(2.67kPa)程度の真空に排気した後、キャリアガスとして酸素をその流量を制御しながら導入する。ガラスボトル82を加振器85により振動させることで、気体中に原料粉末の微粒子を分散させたエアロゾルを発生させ、キャリアガスにより搬送管86を介して、成膜チャンバー87に搬送する。成膜チャンバー87は、真空ポンプ88により所定の真空度に排気される。ノズル89から基板810に粉末を吹き付けることで、薄膜を形成する。
成膜条件は、次の通りである。キャリアガスは酸素とし、ノズルからの吐出物(粉末)の基板表面への入射角を30度、ガス流量は12l/分、成膜速度は0.5μm/分、加振器の振動数は200rpmである。基板にはコア形成前のシリコン基板を用いた。電気光学効果の大きな酸化物であるランタン添加ジルコン酸チタン酸鉛(PLZT)系粉末を成膜材料とした。PLZTの組成は、(Pb0.95La0.05)(Zr0.3Ti0.7)O3である。原料粉末の平均粒径は、0.7μmとした。PLZTの膜厚は3μmである。成膜材料のPLZT系粉末はペロブスカイト型結晶構造を持つ強誘電体の組成であり、一次の大きな電気光学係数を持つ光デバイスに好適な組成である。
図9は、本実施例の光デバイスの屈折率制御部以外のリング状導波路の部分を示す断面模式図である。この部分には、前述の図7に示した屈折率制御部に対して、コアの材料が異なり、また、電極が設けられていない。
シリコン基板91(71)上にSiO2層92(72)(膜厚1μm)を熱酸化により形成した後、SiO2層93を熱CVD法で膜厚1.32μmに形成した。
次に、クラッド層94(77)としてSrTiO3層(膜厚0.5μm)をRFマグネトロンスパッタ法(基板温度:300℃、スパッタガス:Ar+O2)により成膜した。
その上に、第1のコア層95として、TiO2層(膜厚0.5μm)をRFマグネトロンスパッタ法(基板温度:室温、スパッタガス:Ar+O2)により成膜した。
次に、SrTiO3層(クラッド層)94とTiO2層(第1のコア層)95を、逆リッジ構造を形成するために3μm幅のレジストを形成した後、イオンミリング法でエッチングした。
次に、SiO2層96をリフトオフ法により熱CVD法で膜厚1.0μmに形成した。
第2のコア層として、TiO2層97(膜厚1.0μm)をRFマグネトロンスパッタ法(基板温度:室温、スパッタガス:Ar+O2)により成膜した。その上に上部クラッド層98(710)としてSrTiO3を膜厚0.5μmに形成した。
なお、図7に示す構造(屈折率制御部)と図9に示す構造(屈折率制御部以外のリング状光導波路の部分)の上記製造過程において、SiO2層72とSiO2層92、クラッド層77とクラッド層94、上部クラッド層710と上部クラッド層98は、シリコン基板(71、91)上に同時に形成し、電極層等のその他の層の形成は、一方の構造の領域をマスクした状態で他方の構造の領域に形成した。
以上のようにして作製したリング型変調器に、波長1.55μmのCW光を入力し、バイアス電圧として3.5V印加した状態で3Vppで変調したところ、10GHzの高周波までの変調が可能であった。そのときの消光比は4dBであった。
以上の通り、リング状光導波路と入出力光導波路を有する光デバイスにおいて、屈折率制御部に光学吸収の大きな電気光学材料を用いながら、高速、小型で低電圧駆動の光変調器が製造できた。
本実施例は、屈折率制御部のコア材料としてPLZTを用いたが、これに限定されるものではなく、ジルコン酸チタン酸鉛、チタン酸バリウム、ストロンチウム添加チタン酸バリウム、KTN等の電気光学材料が適用できる。また、リング状導波路の他の部分のコア材料としては、TiO2の他、Ta25、SrTiO3、BaTiO3、SiO2、窒化珪素等の光導波路形成用の材料を適用できる。
また、屈折率制御部の電気光学材料の成膜にエアロゾルデポジション法を用いることで、レーザー、電気光変換器、光電気変換器、光増幅器、光導波路、光フィルター等の別種の光学素子を予め形成した基板に対して、あるいは、CPU、メモリー等の電子素子で構成される集積回路が予め形成されている基板に対して、本発明による光学素子を作製することが容易になる。このような製造方法は、本発明による光デバイスと、他のデバイス又は集積回路を備えた種々の光集積デバイスの作製に応用することができる。
本発明による一実施例のリング共鳴型変調器の模式図。 シミュレーションに用いたリング共鳴型変調器の模式図。 光学材料が一様なPLZTのリング状導波路の波長と透過率の関係を示す図。 光学材料が一様なシリコンのリング状導波路の波長と透過率の関係を示す図。 光学材料が一様なPLZTのリング状導波路型光変調器の印加電圧と透過率の関係を示す図。 本発明による実施例のリング状導波路型光変調器の印加電圧と透過率の関係を示す図。 本発明による実施例の光デバイスの屈折率制御部を示す断面模式図。 本発明による実施例で用いた成膜装置の概略図。 本発明による実施例の光デバイスの屈折率制御部以外のリング状導波路部を示す断面模式図。
符号の説明
11 入出力光導波路
12 リング状光導波路
13 入出力光導波路とリング状光導波路の光学的結合部
14 リング状光導波路の屈折率制御部
2 電極部
71 シリコン基板
72 SiO2
73 Ti層
74 Au層
75 Ti層
76 下部透明電極層
77 クラッド層
78 SiO2
79 コア層
710 上部クラッド層
711 上部透明電極層
712 Ti層
713 Au層
81 ガスボンベ
82 ガラスボトル
83 粉末原料
84 排気管
85 加振器
86 搬送管
87 成膜チャンバー
88 真空ポンプ
89 ノズル
810 基板
91 シリコン基板
92 SiO2
93 SiO2
94 クラッド層
95 コア層
96 SiO2
97 第二のコア層
98 上部クラッド層

Claims (11)

  1. リング状光導波路と入出力光導波路を有し、前記リング状光導波路の共振波長を変化させる光デバイスであって、
    導波する波長における屈折率を制御する屈折率制御部が、前記リング状光導波路の一部分に具備され、
    前記屈折率制御部が、該屈折率制御部以外の前記リング状光導波路の部分を構成する光学材料の複素屈折率と異なる複素屈折率をもつ光学材料で形成されている光デバイス。
  2. 前記リング状光導波路において、前記屈折率制御部以外の部分が、前記屈折率制御部を構成する光学材料の吸収係数より低い吸収係数をもつ光学材料で形成されている、請求項1に記載の光デバイス。
  3. 前記屈折率制御部が電気光学材料で形成されている、請求項1又は2に記載の光デバイス。
  4. 前記屈折率制御部が、ジルコン酸チタン酸鉛を含む材料、またはランタンが添加されたジルコン酸チタン酸鉛を含む材料で形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の光学デバイス。
  5. 前記リング状光導波路において、前記屈折率制御部以外の部分が、TiO2、Ta25、SrTiO3、BaTiO3から選ばれる材料で形成されている、請求項1から4のいずれかに記載の光デバイス。
  6. 前記屈折率制御部に電界を形成する電極を有し、この電極に電気信号を印加することで光を制御する光変調器または光スイッチとして動作する、請求項1から5のいずれかに記載の光学デバイス。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の第1の光デバイスと、他の第2の光デバイスとを基板上に有する光集積デバイス。
  8. 第2のデバイスが、レーザー、電気光変換器、光電気変換器、光増幅器、光スイッチ、光フィルターのいずれかである、請求項7に記載の光集積デバイス。
  9. 請求項1から6のいずれかに記載の光デバイスと電子回路とを基板上に有する光集積デバイス。
  10. 請求項1から6のいずれかに記載の光デバイスの製造方法であって、前記屈折率制御部を構成する光学材料が、エアロゾルデポジション法で形成されることを特徴とする光デバイスの製造方法。
  11. 請求項1から6のいずれかに記載の光デバイスの製造方法であって、
    シリコン基板上に絶縁層を形成する工程と、
    リング状光導波路の屈折率制御部を形成する領域に下部電極層を形成する工程と、
    下部クラッド層を形成する工程と、
    前記屈折率制御部を形成する領域には、前記下部クラッド層上にエアロゾルデポジション法により第1の光学材料からなる第1のコア層を形成し、前記リング状光導波路の該屈折率制御部以外の部分を形成する領域には、前記下部クラッド層上に、第1の光学材料の複素屈折率と異なる複素屈折率をもつ第2の光学材料からなり、第1のコア層と接続する第2のコア層を形成する工程と、
    前記リング状光導波路を構成する第1のコア層および第2のコア層上に上部クラッド層を形成する工程と、
    前記上部クラッド層上に、前記下部電極層と対向するように上部電極層を形成する工程と、を有する光デバイスの製造方法。
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