JP2011085735A - 光デバイス及び光デバイスの制御方法 - Google Patents

光デバイス及び光デバイスの制御方法 Download PDF

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正文 中田
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Abstract

【課題】光導波路を保持している際の消費電力を低減することができる光デバイス及び当該光デバイスの制御方法を提供する。
【解決手段】光導波路の少なくとも一部が強誘電体からなる光デバイス100に、当該強誘電体の光学特性を制御する光学特性制御部4を備え、光学特性制御部4は、当該強誘電体を加熱した後に、当該強誘電体に電圧を印加して当該強誘電体を冷却し、又は、当該強誘電体をキュリー温度以上に加熱した後に、当該強誘電体に電圧を印加しないで当該強誘電体を冷却することによって、強誘電体の屈折率を制御することにより、光デバイス100の光導波路の伝搬状態を制御するように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、光通信、光配線、光ストレージに用いられる光デバイス及び当該光デバイスの制御方法に関する。
近年、光配線や光ストレージの普及に伴い、それらを構成する光デバイスの需要が増大している。特に、波長多重伝送の実用化に伴い、光通信は、光ファイバーを中心としたいわゆる基幹系通信において利用されるだけでなく、メトロ系通信やアクセス系通信においても利用されるようになってきている。このため、光信号のアド・ドロップ等で用いられる光学素子として、バルク材を組み合わせたものだけでなく、薄膜の光材料を用いた小型で集積化しやすい平面導波路が利用されるようになってきている。
例えば、特許文献1には、下部電極と、下部電極より上層に形成された強誘電体からなる光導波路と、光導波路より上層に形成された上部電極と、を備える光デバイスが記載されている。そして、下部電極と上部電極との間に電圧を印加することにより、光導波路の屈折率を変化させる技術が記載されている。
また、特許文献2には、電気光学効果を有する基板上に、強誘電体薄膜及び電極層を形成した光スイッチが記載されている。そして、電極層に電圧を印加することにより、強誘電体薄膜の自発分極方向を変化させ、当該自発分極により、基板の強誘電体薄膜との接触部分付近に光導波路を動的に形成する技術が記載されている。
また、光デバイスの1つである光スイッチは、光導波路で障害が発生した場合に、その光導波路を短時間で障害のない光導波路に切り替える。そして、電気や熱などの外部入力信号と光学素子を形成する材料との相互作用による物理効果を用いて、光スイッチングのように光を能動的に制御するものが知られている。例えば、方向性結合器にヒータを付加して構成される熱光学効果を利用した光スイッチが知られている。当該光スイッチは、簡単な構造からなるため、シリコン系の平面導波路において広く利用されている。
また、電界と物質との相互作用によって屈折率が変化する電気光学効果は、その変化が高速である。そのため、当該電気光学効果は、光スイッチに応用されている。透明セラミックスであるPLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛;Pb1−xLa(ZrTi1−y1−x/4O)は、現行の光電気光学材料であるリチウムナイオベート結晶(LiNbO単結晶)よりも二桁近く電気光学係数が大きい。そのため、例えば、非特許文献1及び非特許文献2には、PLZTを光スイッチとして用いることが記載されている。これにより、光デバイスの小型化による低コスト化、低消費電力化及び高速化を図ることができる。そして、PLZTのゾルゲル法による薄膜化の検討がなされている。
また、非特許文献3には、酸化物の新たな膜形成技術として、常温衝撃固化現象を利用したエアロゾルデポジション法(AD法)が記載されている。AD法は超微粒子材料の衝突付着現象を利用している。AD法は、従来の薄膜形成法に比べて、高い成膜速度と低いプロセス温度を実現できると期待されている。
また、非特許文献4には、透明度の高い電気光材料の薄膜成形をAD法によって行う技術が記載されている。AD膜の透過性能は光学素子の基本特性に関わる。そして、非特許文献4には、AD膜の透過損失は、成形体を形成する微粒子及び屈折率が異なる非成形体微粒子のレイリー散乱によることが記載されている。
特開2000−305117号公報 特開2001−083555号公報
K. D. Preston、他1名、「Comparison of electro−optic lead−lanthanum zirconate titanate films on crystalline and glass substrates」、APPLIED PHYSICS LETTERS、アメリカ、American Institute of Physics、1992年6月、60巻、2831〜2833ページ K. Nashimoto、他4名、「Patterning of (Pb,La)(Zr,Ti)O3 waveguides for fabricating micro−optics using wet etching and solid−phase epitaxy」、APPLIED PHYSICS LETTERS、アメリカ、American Institute of Physics、1999年8月、75巻、1054〜1056ページ Jun Akedo、他1名、「Microstrucure and Electrical Properties of Lead Zirconate Titanate(Pb(Zr52/Ti48)O3) Thick Films Deposited by Aerosol Deposition Method」、Japanese.Journal.Applied.Physics、日本、1999年9月、38巻、5397〜5401ページ Masafumi Nakada、他2名、「Optical and electro−optical properties of Pb(Zr,Ti)O3 and (Pb,La)(Zr,Ti)O3 films prepared by aerosol deposition method」、Journal of CRYSTAL GROWTH、オランダ、ELSEVIER、2005年、275巻、e1275〜e1280ページ
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、何れも電圧印加によって強誘電体のドメイン状態を変化させることにより、光導波路を形成する。そのため、光導波路を形成する間には常に電圧を印加することになり、光導波路を保持している際の消費電力を低減することができない。
また、非特許文献1乃至4には、熱光学効果や電気光学効果により強誘電体のドメイン状態を変化させる光スイッチが記載されている。そのため、光導波路を形成する間、熱又は電圧を印加し続ける必要があり、特許文献1及び特許文献2と同様に、光導波路を保持している際の消費電力を低減することができない。
本発明は、光導波路を保持している際の消費電力を低減することができる光デバイス及び光デバイスの制御方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる光デバイスは、光導波路の少なくとも一部が強誘電体からなる光デバイスである。また、前記光デバイスは、前記強誘電体の光学特性を制御する光学特性制御部を備える。そして、前記光学特性制御部は、前記強誘電体を加熱した後に、前記強誘電体に電圧を印加して前記強誘電体を冷却し、又は、前記強誘電体をキュリー温度以上に加熱した後に、前記強誘電体に電圧を印加しないで前記強誘電体を冷却することによって、前記強誘電体の屈折率を制御することにより、前記光導波路の伝搬状態を制御する。
本発明の第2の態様にかかる光デバイスの制御方法は、光導波路の少なくとも一部が強誘電体からなる光デバイスの制御方法である。そして、前記光デバイスの制御方法においては、前記強誘電体を加熱した後に、前記強誘電体に電圧を印加して前記強誘電体を冷却し、又は、前記強誘電体をキュリー温度以上に加熱した後に、前記強誘電体に電圧を印加しないで前記強誘電体を冷却することによって、前記強誘電体の屈折率を制御することにより、前記光導波路の伝搬状態を制御する。
本発明により、光導波路を保持している際の消費電力を低減することができる。
本発明にかかる光デバイスの光学特性制御の原理を説明する図である。 本発明の実施の形態1にかかる光スイッチの一例を模式的に示す平面図である。 本発明の実施の形態1にかかる光スイッチの光学特性制御部の一例を模式的に示す断面図である。
まず、本発明にかかる光デバイスの光学特性制御の原理について、図1を参照しながら説明する。本発明にかかる光デバイスは、強誘電体を備える光導波路を用いた光スイッチ等である。そして、本発明にかかる光デバイスは、強誘電体の光学特性を制御する光学特性制御部を備えている。具体的には、光学特性制御部は、電圧及び温度が印加されることにより、当該強誘電体の光学特性を制御する。より具体的には、光学特性制御部は、強誘電体の分極ドメイン構造を制御することにより、当該強誘電体の光学特性を制御する。これにより、光学特性制御部は、当該強誘電体を備える光導波路の導波特性を制御し、光スイッチング等の光制御を行う。
本発明では、光学特性制御部は、強誘電体のドメイン状態を制御することにより、当該強誘電体の屈折率を制御する。電気光学効果を有する典型的な強誘電体の結晶構造であるペロブスカイト構造では、結晶軸であるa軸とc軸の長さが異なる。すなわち、電気光学効果を有する典型的な強誘電体は、結晶異方性を有する。そして、この結晶異方性により、当該強誘電体の屈折率は、結晶方位により異なる。例えば、Pb(Zr,Nb,Ti)Oでは、a軸方向の屈折率Naは2.466であり、c軸方向の屈折率であるNcは2.448である。強誘電体では、a軸方向に配向した分極ドメインをaドメイン、c軸方向に配向した分極ドメインをcドメインと呼ぶ。すなわち、強誘電体では、結晶配向とドメイン構造とが対応している。したがって、強誘電体のドメイン構造を制御することにより、強誘電体の屈折率を制御することができる。
ゾルゲル法、スパッタ法、AD法等の成膜技術により強誘電体の薄膜を成膜した場合、当該薄膜の電気エネルギーが低くなっている。そのため、当該強誘電体は、aドメインとcドメインとが混在した無配向状態となっている。無配向状態では、各ドメインの電気分極方向がランダムになる。そのため、薄膜内の電気分極は打ち消しあって、外部に電荷が発生せず、薄膜の電気エネルギーが小さくなる。図1では、各ドメインの電気分極方向を矢印で示す。図1(a)の左側に示す無配向状態では、aドメイン及びcドメインの分極方向が平均化されるため、屈折率は等方的である。例えば、Pb(Zr,Nb,Ti)Oでは、a軸方向の屈折率Naは2.466であり、c軸方向の屈折率であるNcは2.448であり、結晶方位でa軸は2方位、c軸は1方位であるため、無配向状態の屈折率は、2/3×Na+1/3×Nc=2.461である。
次いで、図1(a)の中央に示すように、無配向状態の強誘電体薄膜をキュリー温度近くに加熱し、電圧を印加することによりY軸方向に電界を形成すると、各ドメインの配向方向を揃えることができる。なお、このとき、強誘電体を加熱する温度は、当該強誘電体に印加する電圧の大きさとの関係で決定されるものであり、キュリー温度以上でなければならないわけではない。そして、電界を形成したまま当該強誘電体薄膜を冷却すると、図1(a)の右側に示すように、当該強誘電体薄膜を配向状態とすることができる。このとき、例えば、Pb(Zr,Nb,Ti)Oでは、電界方向であるY軸方向の屈折率Nyは2.448であり、電界方向と直交するX軸方向の屈折率Nxは2.466である。
一方、図1(b)の左側に示す配向状態の強誘電体薄膜を、図1(b)の中央に示すように、キュリー温度以上に加熱すると、当該薄膜を定誘電状態とすることができる。そして、電界を形成せずに定誘電状態の薄膜を冷却することにより、図1(b)の右側に示すように、無配向状態の強誘電体薄膜を得ることができる。このようにして、配向状態の強誘電体薄膜を無配向状態に変換することができる。
以上のようにして、強誘電体薄膜のドメインの配向方向を制御することにより、強誘電体薄膜の屈折率を制御することができる。換言すれば、強誘電体薄膜の配向状態を制御することにより、強誘電体薄膜の屈折率を比較的大きく変化させることができる。そして、この強誘電体薄膜を備える光導波路に方向性結合器を形成し、強誘電体薄膜の配向状態を制御することにより、光スイッチ等の光デバイスを形成することができる。
無配向状態及び配向状態の使用環境下における安定性は、キュリー温度が使用環境温度よりどの程度高いかにより決まる。一般に、キュリー温度が300℃以上の強誘電体材料を用いれば、通常の使用環境下において十分に高い安定性を得ることができる。
また、本発明にかかる光デバイスでは、一旦、光学特性制御部が強誘電体薄膜のドメインの配向方向を制御した後においては、キュリー温度より低い温度の使用環境温度において、加熱や電圧印加を行わなくても、当該強誘電体薄膜の配向状態を保持することができる。すなわち、加熱や電圧印加を行わなくても、当該光デバイスの光導波路を保持することができる。
また、強誘電体薄膜の配向状態を制御することにより、光導波路の屈折率を変化させることができるため、マッハツェンダー干渉計(MZI:Mach−Zehnder interferometer)やリング共振構造において光スイッチを構成することが可能となる。
また、光導波路のコア若しくはクラッドが強誘電体材料から形成されればよく、光導波路のコア若しくはクラッドがPZT以外の強誘電体材料から形成されてもよい。表1に3種類の強誘電体材料の無配向状態の屈折率Nrと、配向状態のX軸方向の屈折率Nxと、配向状態のY軸方向の屈折率Nyを示す。
Figure 2011085735
何れの強誘電体材料であっても、比較的大きな屈折率変化量を期待することができる。
実施の形態1.
実施の形態1では、本発明にかかる光デバイスとして光スイッチを例に挙げて説明する。図2は、本発明の実施の形態1にかかる光スイッチ100の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、光スイッチ100は、平面導波路構造を有し、第1入出力導波路1、第1入出力結合器2、リング共振型導波路3、光学特性制御部4、第2入出力結合器5、第2入出力導波路6等を備えている。
第1入出力導波路1の左端は、第1ポート7となっている。また、第1入出力導波路1の右端は、第3ポート9となっている。そして、第1ポート7から導波光が第1の入出力導波路1に入力され、第3ポートから導波光が第1入出力導波路1の外部へ出力される。
第1入出力結合器2は、例えば、方向性結合器等である。そして、第1入出力結合器2は、第1入出力導波路1の中程と、リング共振型導波路3の一部とを結合している。
リング共振型導波路3は、平面視リング形状に形成された導波路である。また、リング共振型導波路3は、一部に、光学特性制御部4を備えている。実施の形態1においては、光学特性制御部4と、光学特性制御部4以外のリング共振型導波路3の導波路との長さの比を1:2とした。すなわち、光学特性制御部4の長さは、リング共振型導波路3の略3分の1となっている。
また、光学特性制御部4は、強誘電体からなる導波路コアを備えている。そして、光学特性制御部4は、当該導波路コアの配向状態を制御することにより、当該導波路コアの屈折率を変化させる。これにより、リング共振型導波路3の共鳴波長が変化される。
当該強誘電体は、ジルコン酸チタン酸鉛、ランタンが添加されたジルコン酸チタン酸鉛、又はチタン酸バリウムの何れかを主な成分とすることが好ましい。
第2入出力結合器5は、第1入出力結合器2と同様に、例えば、方向性結合器等である。そして、第2入出力結合器5は、リング共振型導波路3の一部と、第2入出力導波路6の右端付近とを結合している。
第2入出力導波路6の左端は、第2ポート8となっている。そして、第2入出力結合器5を介して入力された導波光は、第2ポート8から、第2入出力導波路6の外部へ出力される。
そして、リング共振型導波路3の共鳴波長が、第1入出力導波路1の第1ポート7から入力される導波光の波長と同一である場合、当該導波光は、リング共振型導波路3を周回した後、第2入出力結合器5を介して、第2入出力導波路6に入力される。そして、当該導波光は、第2ポート8から、第2入出力導波路6の外部へ出力される。
一方、リング共振型導波路3の共鳴波長が、第1入出力導波路1の第1ポート7から入力される導波光の波長と同一ではない場合、当該導波光は、第1入出力導波路1の第3ポート9から、第1入出力導波路1の外部へ出力される。
例えば、光学特性制御部4が導波路コアを配向状態とした場合に、導波路コアが配向状態である場合におけるリング共振型導波路3の共鳴波長と同じ波長の導波光を、第1入出力導波路1の第1ポート7から入力すると、当該導波光は、リング共振型導波路3と共振する。そのため、当該導波光は、リング共振型導波路3を周回した後、第2入出力結合器5を介して、第2入出力導波路6に入力される。そして、当該導波光は、第2ポート8から、第2入出力導波路6の外部へ出力される。
一方、光学特性制御部4が導波路コアを無配向状態とした場合に、導波路コアが配向状態である場合におけるリング共振型導波路3の共鳴波長と同じ波長の導波光を、第1入出力導波路1の第1ポート7から入力すると、当該導波光は、リング共振型導波路3と共振しない。そのため、当該導波光は、リング共振型導波路3には入力されず、第3ポート9から、第1入出力導波路1の外部へ出力される。
このようにして、光学特性制御部4が導波路コアの配向状態を制御することにより、導波光の導波経路を変更することができる。すなわち、光学特性制御部4が導波路コアの無配向状態を制御することにより、光スイッチ100の光スイッチ機能を制御することができる。
図3は、本発明の実施の形態1にかかる光スイッチ100の光学特性制御部4の一例を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、シリコン基板411の上層側に、SiO層412を1μmの膜厚で、熱酸化により成膜した。
また、SiO層412の上層側に、金属下部電極として、Ti層(膜厚10nm)413、Au層(膜厚0.3μm)414、Ti層(膜厚10nm)415を、DCマグネトロンスパッタ法により成膜した。
また、Ti層415の上層側に、透明電極として、ITO層416を0.3μmの膜厚で、Arガスをスパッタガスとして、DCマグネトロンスパッタ法により成膜した。
また、ITO層416の上層側に、下部クラッド層として、SrTiO層417を0.5μmの膜厚で、基板温度300℃、Arガス及びOガスをスパッタガスとして、RFマグネトロンスパッタ法により成膜した。
また、SrTiO層417の上層側に、幅3μmのレジストを形成し、イオンミリング法によりエッチングを行い、逆リッジ構造を形成した。次に、ITO層416及びSrTiO層417の上層側に、SiO層418を1.5μmの膜厚で、熱CVD法により成膜した。
また、SiO層418の上層側に、幅1.5μmのレジストの抜きを形成し、反応イオンエッチング法によりエッチングを行い、コア層419を埋め込むための深さ1μmの凹部を形成した。
次に、SrTiO層417及びSiO層418の上層側に、ランタン添加ジルコン酸チタン酸鉛(ランタンが添加されたジルコン酸チタン酸鉛;PLZT)粉末を成膜材料として、コア層419を1.5μmの膜厚で、エアロゾルデポジション法により成膜した。換言すれば、当該凹部に埋め込むようにコア層419を形成した。
また、ランタン添加ジルコン酸チタン酸鉛(PLZT)粉末は、電気光学効果の大きい酸化物である。本実施の形態において、PLZTの組成は、(Pb0.95La0.05)(Zr0.3Ti0.7)Oである。また、PLZT粉末の平均粒径は、0.7μmである。
また、PLZT粉末は、ペロブスカイト型結晶構造を有する強誘電体である。また、PLZT粉末の組成は、一次の大きな電気光学係数を有する光デバイスに適用が可能な組成となっている。
すなわち、コア層419によって、光学特性制御部4の導波路コアが形成されている。
次に、600℃、大気中においてアニールを5分間行った後、表面研磨を行って、コア層419の平坦化を行った。
また、コア層419の上層側に、上部クラッド層として、SrTiO層420を0.5μmの膜厚で、基板温度300℃、Arガス及びOガスをスパッタガスとして、RFマグネトロンスパッタ法により成膜した。
また、SrTiO層420の上層側に、透明電極として、ITO層421を0.3μmの膜厚で、Arガスをスパッタガスとして、DCマグネトロンスパッタ法により成膜した。
また、ITO層421の上層側に、金属上部電極として、Ti層(膜厚10nm)422、Au層(膜厚1μm)423を、DCマグネトロンスパッタ法により成膜した。
また、SrTiO層420の上層側に、温度制御用ヒータ(加熱電極)として、Ti層424を200nmの膜厚で、DCスパッタ法により成膜した。次いで、Ti層424の上層側に幅2μmのレジストを形成し、イオンミリング法によりエッチングを行って、温度制御用ヒータを形成した。
そして、温度制御用ヒータであるTi層424に電圧を印加することにより、コア層419を加熱することができる。また、金属上部電極であるTi層422、Au層423と、金属下部電極であるTi層413、Au層414、Ti層415とに電圧を印加することにより、電界を形成することができ、コア層419の各ドメインの配向方向を制御することができる。以下、金属上部電極と金属下部電極とをまとめて、電界制御電極と呼ぶ。
本実施の形態においては、第1入出力導波路1の第1ポート7に先球ファイバーを結合して、導波光として、波長1.551μmのCW(Continuous Wave)光を第1入出力導波路1に入力した。そして、第2入出力導波路6の第2ポート8及び第1入出力導波路1の第3ポート9から出力される導波光の光量をフォトディテクタによって測定した。
上記のようにして形成された光学特性制御部4の導波路コア(コア層419)は、無配向状態となっている。そして、導波路コアが無配向状態である際の第2入出力導波路6の第2ポート8の出力光量は2μWであり、第1入出力導波路1の第3ポート9の出力光量は150μWであった。
次に、温度制御用ヒータであるTi層424に5Vの電圧を、電界制御電極(金属上部電極であるTi層422、Au層423と、金属下部電極であるTi層413、Au層414、Ti層415)に、20Vの電圧を、約1秒間印加した後、温度制御用ヒータであるTi層424への電圧印加を停止し、電界制御電極への電圧印加を継続して、導波路コア(コア層419)を冷却した。そして、導波路コアを冷却後、電界制御電極への電圧印加を停止した。この状態において、光学特性制御部4の導波路コアは配向状態となっている。そして、導波路コアが配向状態である際の第2入出力導波路6の第2ポート8の出力光量は100μWであり、第1入出力導波路1の第3ポート9の出力光量は5μWであった。
次に、温度制御用ヒータであるTi層424に10Vの電圧を、電界制御電極に、0Vの電圧を、約1秒間印加した後、温度制御用ヒータであるTi層424への電圧印加を停止するとともに、電界制御電極への電圧印加も停止して、導波路コア(コア層419)を冷却した。導波路コアが冷却された状態において、光学特性制御部4の導波路コアは無配向状態となっている。そして、導波路コアが無配向状態である際の第2入出力導波路6の第2ポート8の出力光量は2μWであり、第1入出力導波路1の第3ポート9の出力光量は150μWであった。
以上に説明した本発明の実施の形態1にかかる光スイッチ100によれば、一旦、光学特性制御部4が強誘電体の屈折率を制御した後においては、キュリー温度より低い温度の使用環境温度において、加熱や電圧印加を行わなくても、当該強誘電体の屈折率を保持することができる。すなわち、加熱や電圧印加を行わなくても、当該光デバイスの光導波路を保持することができる。換言すれば、光導波路を保持している際の消費電力を低減することができる。
また、光学特性制御部4は、強誘電体を、配向状態から無配向状態へ、又は、無配向状態から配向状態へ変化させることにより、当該強誘電体の屈折率を変化させる。そのため、強誘電体の配向状態を制御することにより、強誘電体の屈折率を比較的大きく変化させることができる。
また、光学特性制御部4は、強誘電体を加熱する温度制御用ヒータとしてのTi層424と、強誘電体に電圧を印加して電界を形成する電界制御電極(金属上部電極であるTi層422、Au層423と、金属下部電極であるTi層413、Au層414、Ti層415)と、を備える。
さらに、当該強誘電体は、ジルコン酸チタン酸鉛、ランタンが添加されたジルコン酸チタン酸鉛、又はチタン酸バリウムの何れかを主な成分とすることが好ましい。
これにより、強誘電体のキュリー温度を300℃以上とすることができ、通常の使用環境下において、強誘電体の無配向状態及び配向状態の安定性を十分に高くすることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本発明は、MZI型光スイッチや方向性結合型光スイッチ等の光デバイスにも適用可能である。
また、本実施の形態においては、導波路コア(コア層419)だけでなく、クラッド(クラッド層417及びクラッド層420)も強誘電体から形成されていたが、導波路コア又はクラッドの何れか一方のみが強誘電体から形成されていてもよい。
1 第1入出力導波路
2 第1入出力結合器
3 リング共振型導波路
4 光学特性制御部
413、414、415 金属下部電極(電界制御電極)
419 コア層(導波路コア)
417 SrTiO層(クラッド)
420 SrTiO層(クラッド)
422、423 金属上部電極(電界制御電極)
424 Ti層(加熱電極)
5 第2入出力結合器
6 第2入出力導波路
7 第1ポート
8 第2ポート
9 第3ポート
100 光スイッチ(光デバイス)

Claims (9)

  1. 光導波路の少なくとも一部が強誘電体からなる光デバイスであって、
    前記強誘電体の光学特性を制御する光学特性制御部を備え、
    前記光学特性制御部は、前記強誘電体を加熱した後に、前記強誘電体に電圧を印加して前記強誘電体を冷却し、又は、前記強誘電体をキュリー温度以上に加熱した後に、前記強誘電体に電圧を印加しないで前記強誘電体を冷却することによって、前記強誘電体の屈折率を制御することにより、前記光導波路の伝搬状態を制御する光デバイス。
  2. 前記光学特性制御部は、前記強誘電体を、配向状態から無配向状態へ、又は、無配向状態から配向状態へ変化させることにより、前記強誘電体の屈折率を変化させる請求項1に記載の光デバイス。
  3. 前記光学特性制御部は、
    前記強誘電体を加熱する加熱電極と、
    前記強誘電体に電圧を印加して電界を形成する電界制御電極と、
    を備える請求項1又は2に記載の光デバイス。
  4. 前記光デバイスは、光スイッチである請求項1乃至3の何れか一項に記載の光デバイス。
  5. 前記強誘電体は、電気光学効果を有する請求項1乃至4の何れか一項に記載の光デバイス。
  6. 前記強誘電体は、ジルコン酸チタン酸鉛、ランタンが添加されたジルコン酸チタン酸鉛、又はチタン酸バリウムの何れかを主な成分とする請求項5に記載の光デバイス。
  7. 前記光デバイスは、平面導波路構造を有し、前記光導波路の導波路コア又はクラッドの少なくとも一方が前記強誘電体から形成される請求項1乃至6の何れか一項に記載の光デバイス。
  8. 光導波路の少なくとも一部が強誘電体からなる光デバイスの制御方法であって、
    前記強誘電体を加熱した後に、前記強誘電体に電圧を印加して前記強誘電体を冷却し、又は、前記強誘電体をキュリー温度以上に加熱した後に、前記強誘電体に電圧を印加しないで前記強誘電体を冷却することによって、前記強誘電体の屈折率を制御することにより、前記光導波路の伝搬状態を制御する光デバイスの制御方法。
  9. 前記強誘電体を、配向状態から無配向状態へ、又は、無配向状態から配向状態へ変化させることにより、前記強誘電体の屈折率を変化させる請求項8に記載の光デバイスの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103176327A (zh) * 2011-12-21 2013-06-26 富士通株式会社 解复用器和光解复用方法

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