JP4897743B2 - 2重量子ドット帯電型整流素子 - Google Patents

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Description

本発明は、ある電圧範囲内で電流を一方向に流し反対方向への電流の流れを妨げる極性をもつ整流素子に係り、特に、2つの量子ドットのうちの一方の量子ドットが帯電することで他方の量子ドットにクーロン斥力を働かせ電流を阻止する2重量子ドット帯電型整流素子に関する。
量子ドットを用いた整流素子として、例えば下記の非特許文献1記載のものや、特許文献1記載のものがある。特許文献1記載の整流素子は、3つの量子ドットを用い、各量子ドット間をトンネル接合,容量接合させることで、整流機能を持たせる様にしている。
M. Stopa, Physical Review Letters, 88 (2002), 146802. 特開2003−303957号公報
量子ドットを用いた整流素子は、クーロン斥力を用いて電流の整流を行うが、1つの整流素子を構成する量子ドット数が多くなると、それだけ製造が困難になり、更に、量子ドット間の各接合が満たさなければならない条件をクリアして製造することが困難となる。
上記の特許文献1記載の整流素子は、3つの量子ドットを最小単位としているため、製造が容易でない。製造を容易にするため、2つの量子ドットを最小単位として構成される整流素子の製造が望まれる。
本発明の目的は、2つの量子ドットの組合せを最小単位とする2重量子ドット帯電型整流素子を提供することにある。
本発明の2重量子ドット帯電型整流素子は、2つの量子ドットで構成され該量子ドット間の単一電子トンネリングにおけるクーロンブロッケイド現象により整流を行う2重量子ドット帯電型整流素子において、第1の量子ドット及び第2の量子ドットと、前記第1の量子ドットをソース電極に接続する第1のトンネル接合と、前記第1の量子ドットを前記第2の量子ドットに接続する第1の容量接合と、前記第1の量子ドットをドレイン電極に接続する第2のトンネル接合と、前記第2の量子ドットを前記ソース電極に接続する第3のトンネル接合と、前記第2の量子ドットを前記ドレイン電極に接続する第2の容量接合とを備えることを特徴とする。
本発明の2重量子ドット帯電型整流素子は、前記第1及び第2の容量接合の替わりに、前記トンネル接合より弱いトンネル接合を用いること特徴とする。
本発明の2重量子ドット帯電型整流素子は、前記量子ドットの静電ポテンシャルを調節するゲート電極を備えることを特徴とする。
本発明の2重量子ドット帯電型整流素子は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に、前記第1及び第2の量子ドットと、前記第1及び第2の容量接合と、前記第1及び第2並びに第3のトンネル接合の構成が複数並列に設けられることを特徴とする。
本発明の2重量子ドット帯電型整流素子は、前記容量接合と前記トンネル接合とを半導体基板上に形成した電極線で形成したことを特徴とする。
本発明の論理回路は、上記のいずれかに記載の2重量子ドット帯電型整流素子を用いて構成したことを特徴とする。
本発明によれば、2重量子ドットを最小単位とするため、製造が容易な整流素子を実現することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る2重量子ドット帯電型整流素子の模式図である。この2重量子ドット帯電型整流素子は、第1の量子ドット1と、第2の量子ドット2とを備え、ソース電極3とドレイン電極4との間に設けられる。
ソース電極3と第1の量子ドット1とは第1のトンネル接合5で接続され、第1の量子ドット1とドレイン電極4とは第2のトンネル接合6で接続され、第1の量子ドット1と第2の量子ドット2とはキャパシタンスによる容量接合7で接続される。
ソース電極3と第2の量子ドット2とは第3のトンネル接合8で接続され、第2の量子ドット2とドレイン電極4とはキャパシタンスによる容量接合9で接続される。
ここで、トンネル接合5,6,8と容量接合7,9との物理的な差異は、次の通りである。トンネル接合は、電子が物理的に或る領域から他の領域へ遷移することが可能であるのに対し、容量接合は、完全な絶縁体であり、電圧の変調のみをもたらす接合である。
更に、図示する例の2重量子ドット帯電型整流素子の第1,第2の量子ドット1,2には、各量子ドット1,2の静電ポテンシャルを調節できるゲート電極10,11が接続されている。
次に、2重量子ドット帯電型整流素子(DQD―CR)の動作原理について説明する。2重量子ドット帯電型整流素子(DQD―CR)は、量子ドット間に働くクーロン斥力、および、電子が一つずつ出入りするクーロンブロッケイド現象を利用している。
2重量子ドット帯電型整流素子(DQD―CR)においては、図1に示す第2の量子ドット2のポテンシャルが第1の量子ドット1のポテンシャルよりも低い状態、すなわち、第1の量子ドット1に入った電子が第2の量子ドット2へ移ることのできる状態が、ゲート電圧、および、自然発生的に生じた量子ドット間のエネルギー差によって実現できているものとする。
2重量子ドット帯電型整流素子(DQD―CR)のドレイン電極4からソース電極3側に電子が流れるようにバイアスを印加したときを考える(図2の(a))。
この順方向の場合、ドレイン電極4から第1の量子ドット1にのみ電子が入ることが許される。なぜなら、第2の量子ドット2とドレイン電極4との間にはトンネル接合がなく、容量接合9だけ存在するためである(図2(a)の(a)―1)。
次に、ドレイン電極4から第1の量子ドット1に流れ込んだ電子は、第1の量子ドット1からソース電極3へ、もしくは、第1の量子ドット1から第2の量子ドット2へトンネルし、それから、ソース電極3へと流れるため、電流が観測される(図2(a)の(a)―2,(a)―3)。図2(a)―3は、第1,第2の量子ドット1,2間がトンネル接合の場合を図示しており、量子ドット1,2間は、図1では容量接合7としたが、トンネル接合でも構わない。
逆に、ソース電極3側からドレイン電極4側に電子が流れるようにバイアスを印加したときを考える(逆方向:図2(b))。
逆方向の場合、第1の量子ドット1と第2の量子ドット2のどちらにも、電子が入ることが期待される(図2(b)の(b)―1)。しかし、遅かれ早かれ、第2の量子ドット2に電子が入ってしまうと、第1の量子ドット1に電子が移るためにはエネルギーが必要となり、第2の量子ドット2から第1の量子ドット1へ電子は移ることができない。また、第2の量子ドット2はドレイン電極4にトンネル接合されていないため、電子は第2の量子ドット2に留め置かれる(図2(b)の(b)―2)。
さらに、第2の量子ドット2の電子は、ソース電極3から第1の量子ドット1に入ろうとする電子に対して、クーロン斥力(第2の量子ドット2の帯電による相互作用)を及ぼし、第1の量子ドット1に電子が入るのを妨げようとする(帯電エネルギー分、高いエネルギーをもつ電子を用意する必要がある)。すなわち、逆方向で、電流遮断効果を生じる。
次に、図1に示した2重量子ドット帯電整流素子に上述したバイアスを印加した状態を実現し、非対称なソース・ドレイン電気伝導特性(ダイオード特性)を得るための具体的な調節方法とそのメカニズムを、CI(constant interaction)モデルを用いて説明する。
2重量子ドットにおけるCIモデルについては、文献(以下、文献[3]という。):W.G. van der Wiel, S. De Franceschi, J.M. Elzerman, T. Fujisawa, S. Tarucha, and L.P.Kouwenhoven: Reviews of Modern Physics 75 (2003), 1-22.に記載されている。
また、量子ドットにおけるソース・ドレイン間の電圧とゲート電圧を振ることによって得られるIV特性に関しては、文献(以下、文献[4]という。):D.V. Averin and Yu.V. Nazarov, in Single Charge Tunneling:Coulomb Blockade Phenomena in Nanostructures,edited by H. Grabert and M. H. Devoret (Plenum Press and NATO Scientific Affairs Division, New York, 1992に記載されている。
文献〔3〕に従えば、第1の量子ドット、および、第2の量子ドットの電子数が、各々「N」「N」であるときの化学ポテンシャルμ(N,N)、および、μ(N,N)は、次の数1に示される様に与えられる。
Figure 0004897743
ただし、ここで、EC1,EC2は、第1及び第2の量子ドットの帯電エネルギーであり、ECmは、第1と第2の量子ドット間の帯電エネルギー、Cg1,Cg2は、各々の量子ドットとゲート電極間のキャパシタンス、Vg1,Vg2は、第1及び第2の量子ドットに付いているゲート電極10,11に印加された電圧、eは電気素量である。
図3は、ソース・ドレイン電極の化学ポテンシャルμSおよびμRが零に十分近く、ソース・ドレイン間の電位差が零のときの、電荷の安定状態をゲート電圧Vg1,Vg2の関数として図示したものである。それぞれの領域には、第1の量子ドット、第2の量子ドットの電子数(N,N)が示してある。
例えば、図中の(0,1)と記された領域では、第1の量子ドットに含まれる電子の数は0個であり、第2の量子ドットに含まれる電子の数は1個であることを示している。各々の量子ドット内の電子数は固定されている。また、この図と同等の図は、上記の文献〔3〕にも記載されている。
黒の実線、破線のところでは、電子数が二つの値を取ることができ(例えば、(0,0)と(1,0)の境界では、第1の量子ドット1に含まれる電子の数が0個と1個の2つをとることができる。)、その電子数を入れ替えることで、電子が1つずつ流れ、電気伝導が観測される(単一電子トンネル)。
黒の実線では、第1の量子ドットの電子数が入れ替わる境界にあたり、上と下に抜けやすいため、電気伝導度が高く観測されるのに対して、破線のところは、第2の量子ドットを介して、電流が流れると期待されるところで、ドレイン電極4へ抜けにくいため、電流が流れないようになっている。
上記の数1および文献〔4〕に従えば、ソース・ドレインの電圧をスイープしたとき、第1の量子ドットに電流が流れる条件は、次の数2の様に与えられる。
Figure 0004897743
この数2の式において、第2の量子ドットの電子数が0個の場合に限定すると、次の数3で表される領域でのみ、電流が流れる。
Figure 0004897743
文献〔4〕に記載されているものと同様の電気伝導が見られない領域が、ひし形に連なったクーロンダイヤモンドの領域と考えられる。具体的には、図4の一点鎖線で囲まれる領域xにおいて、電流が観測されないクーロンブロッケイドが生じる。
更に、第2の量子ドットの電子数が1個の場合に限定すると、次の数4の式で表される領域でのみ、電流が流れる。
Figure 0004897743
すなわち、図4の破線で囲まれる領域yにおいて、電流が観測されないクーロンブロッケイドが生じる。領域xに較べて、領域yは、第1と第2の量子ドット間のクーロンエネルギーEmの分だけシフトした形になっている。
クーロンブロッケイド領域が、領域x内となるか、領域y内となるかは、第2の量子ドットの電子数が0個か1個かのどちらであるかで決まる。その境界は、第2の量子ドットに、電子が入り込むための条件であり、例えば、次の数5で示される条件を満たす最大の(N,N)で与えられ、(V,Vsd)平面で一本の直線が境界となる。
Figure 0004897743
ここで、図3中に示す直線ABCDに沿って、ゲート電圧Vg2を振り、ソース・ドレイン間の電圧(Vsd)を振って、電流Iを測定する状況を考える。点B(Vg2=Vg2 )では、第2の量子ドットの電子数が0個であり、点Bを境に、電子数が1個に変化する。
図4において、Vsd=0かつVg2=Vg2 が点Bに相当し、そこを通る一本の直線zを境に、電子数が0個から1個に変わる。そのため、クーロンブロッケイド領域が、数3で示される領域と数4で示される領域に入れ替わることになる。
すなわち、図4の直線zより上では、破線yで囲まれる領域で電流が流れず、線zより下では一点鎖線xで囲まれる領域で電流が流れなくなると考えられる。これらを総合すると、図4の斜線領域で電流が流れないことになる。
図4の直線mに沿って、ソース・ドレイン間の電圧をスイープすると、電流が流れないクーロンブロッケイド領域がソース・ドレイン電圧に対して非対称になり、零バイアス以下の領域で広く電流が抑制される整流効果が生じることが分かる。
図5は、2重量子ドット帯電型整流素子(DQD―CR)を構成した実施例を示す図である。図5(a)は、自己形成InAsドット“SADs”(Self Assembled Dots)を含む縦型トンネルダイオードの外観斜視図である。
図示する縦型トンネルダイオード20は、最上層に設けられたトップ電極が図1に示すドレイン電極4となっており、基板がソース電極3になっている。ドレイン電極4とソース電極3との間で、N型ガリウム砒素の半導体層がメサ構造にエッチングされ、途中に、自己形成InAsドットが形成された層が設けられる。更に、ピラー間には、4つのゲート電極G1,G2,G3,G4が付けられている。
図5(b)は、図5(a)における自己形成InAsドットが形成された層の該ドットの面内分布を示す図である。丸く浮き上がって見える点が自己形成InAsドットが形成されている部分である。例えば、破線の丸で囲まれた部分が、ピラー内に形成されたときには、本実施形態に係る2重量子ドットが実現される。
このようなデバイスにおいて、InAsドットがゲート電圧を調節することにより二つトンネルダイオードに含まれ、かつ、片方のドットが端に存在し、縦型トンネルダイオードが台形状になっている場合、もしくは、InAsドットのピラミッド状が強い場合には、その量子ドットは、ドレイン電極となる上部コンタクト層とはほとんど結合(容量接合となる)せず、ソース電極となる下部コンタクト層と弱く結合(トンネル接合)する状態が実現される。
InAsドットが形成される層には多数のInAsドットが存在し、これらのうち、電子が通ることのできる伝導領域に、ペアとなる2量子ドットが、単数組或いは複数組存在すれば、ソース電極3とドレイン電極4との間に、図1に示す第1の量子ドット1,第2の量子ドット2の組合せが複数並列に接続されることになり、全体として整流素子として機能することになる。
図6は、図5に示すデバイスの測定結果を示す図である。図6(a)が図3に対応する測定結果で、測定で得られた2重量子ドットのスタビリティダイアグラム(stability diagram)であり、直線ABCに沿ってゲート電圧をスイープしながら、ソース・ドレイン間の電極の電位差をスイープし、電気伝導度を測定した結果が、図6(b)であり、図4に対応する。
図6(a)では、黒で示された領域が、電流が零のクーロンブロッケイド領域となっており、白で示された線状部分が、電流の流れるところであり、電荷状態の移り変わる境界に相当する。
図6(a)によれば、図3と同様の特徴が示されており、ゲート電圧を変化させることで、2重量子ドット内において、電子数が0個となる状態から1個となる状態へ遷移させることが可能となっていることが確認できる。
図6(b)は、ソース・ドレイン電圧を横軸に、ゲート電圧を縦軸にしたグラフであり、このデバイスを通る電流値を濃淡画像で図示したものである。図6(b)では、クーロンブロッケイド領域が白で示されている。すなわち、電気伝導が見られない領域が零バイアスを中心に非対称になっていることが確認できる。つまり、このデバイスが、2重量子ドット帯電型整流素子として動作していることを示している。
図7は、図1で示した量子ドットの配置を、2次元電子ガスを含むGaAs基板において、ゲート電極を配置することによって実現した実施形態を示す図である。図1の各回路素子に対応する図7上の部材を、図1と同一符号で示しているが、図7の2重量子ドット帯電型整流素子では、図1の容量接合7,9、トンネル接合5,6,8を電極膜の先端部形状で形成している。
図7において、基板上に3本の電極線5,10,6が、ソース3からドレイン4にかけて並列に形成されており、真ん中の電極線10が両脇の電極線5,6に比較して短手に形成されている。電極線5,6の各先端部は、内縁(電極線10が存在する側)が外縁より長くなるように斜めにカットされている。この電極線5,10,6の各先端部で囲まれる領域が、第1の量子ドット1として機能する
基板上の電極線5,10,6に対向する位置に、電極線8,11,9が、電極線5,10,6の先端部から若干離間して形成される。真ん中の電極線11が両脇の電極線8,9に比較して短手に形成され、電極線8の先端部は、内縁(電極線11が存在する側)が外縁より長くなるように斜めにカットされている。電極線9の先端部は、電極線8方向に直角に曲げられ、曲げられた先端部の内縁が外縁より長くなるように斜めにカットされている。電極線8,11,9の各先端部で囲まれる領域が、第2の量子ドット2として機能する。
図8は、図7に示す2重量子ドット帯電型整流素子の製造方法の説明図である。先ず、図8(a)に示す様に、2次元電子ガスを含むヘテロ構造を有するGaAsからなる半導体基板21を用意し、へき開の後、有機溶媒で紫外線に感光するフォトレジストを用いて紫外線にてパターンを感光させる作業(フォトリソグラフィー)を行う。その後、希釈した硫酸に所要時間浸すことによってエッチングし、図8(a)の横断面図に示す段差部分を持つように不要な部分を落とし、メサ領域22を作成する。
次に、図8(b)に示す様に、上記同様のフォトリソグラフィーを別パターンにて行い、その後、AuGe(金とゲルマニウムの合金)を蒸着し、さらに、Ni(ニッケル)を蒸着し、水素雰囲気中で昇温し、2次元電子ガスと導通の取れる端子(オーミック端子)23を作成する。
次に、電子線描画装置を用い、メサ領域22の上に、図7に図示する様なパターンを作成し(図8(c)参照)、Ti(チタン)とAu(金)を所要の厚さに蒸着する。これらは、ショットキー電極24として機能し、電子を追いだすことによって、電子の流れを制御することが可能である。
ショットキー電極24へ繋がるよう、フォトリソグラフィーにて、電極をつなげるようパターンニングを行い、Ti(チタン)とAu(金)を所要の厚さに蒸着する。これによって、図7に示すデバイスが、図8(c)に示す様に完成する。
狭いショットキー電極24の間を流れる電流は、「量子ポイントコンタクト」として作用し、両側のゲート電圧を負に印加していくと、図9に示す様に、電流の階段状変化すなわち量子化が見られる。
図7に示す電極8と電極5のゲート電圧を、図9のうちの点Pのように、階段の1段目以下に設定する。電極9と電極6についても、同様に行う。電極11,電極10は、他の電極で量子化が見られるような典型的な値、点Q程度に設定する。図7に示す形状の各電極5,6,7,8,10,11によって、量子ドット1と量子ドット2とが所要位置に形成され、図1の状況が実現される。
電極10、電極11に印加する電圧を点Qから少しずらしながら、ソース3とドレイン4との間の電流を測定すると、図6(a)と同様のダイオード特性が得られる。
次に、上述した実施形態に係る非対称なIV特性を用い、例えばXORの様な論理回路を構成する例を説明する。
量子ドット整流素子で得られるIV特性と同様の特性をもつ素子で、論理回路を実現したものとして、次の文献に示される素子を挙げることができる。
M. Saitoh, T. Hiramoto,ELECTRONICS LETTERS, vol.40 836, 2004.
上述した本発明の実施形態に係る2重量子ドット帯電型整流素子で期待される図4に示す特性を、説明の都合上、図10(a)に再掲する。この図10(a)で示すA−A’,B−B’で期待されるIV特性を、図10(b)実線、および、破線にて示す。B−B’は、A−A’よりも、ゲート電圧が大きく、ゲート電圧に入力される信号(ここでは、信号1とする)の“HIGH”の状態にあるとし、A−A’は、逆に“LOW”の状態にあるとする。
一方、ソース・ドレインに印加する電圧(ここでは、信号2とする)を、図10(a)のC,Dにしたときを、それぞれ、“HIGH”、“LOW”の状態にあるとする。
もし、信号1(ゲート電圧)が、“HIGH”であり、信号2(ソース・ドレイン電圧)が“HIGH”であるならば、出力として得られる電流は、図10(b)のPの位置に相当し、電流はほとんど流れない。これを出力信号が“LOW”であると考える。
もし、信号1(ゲート電圧)が、“HIGH”であり、信号2(ソース・ドレイン電圧)が“LOW”であるならば、出力として得られる電流は、図10(b)のQの位置に相当し、電流が大きく流れる。これを出力信号が“HIGH”であるとする。
もし、信号1(ゲート電圧)が、“LOW”であり、信号2(ソース・ドレイン電圧)が“HIGH”であるならば、出力として得られる電流は、図10(b)のRの位置に相当し、電流が大きく流れ、出力信号に“HIGH”が出力される。
もし、信号1(ゲート電圧)が、“LOW”であり、信号2(ソース・ドレイン電圧)が“LOW”であるならば、出力として得られる電流は、図10(b)のSの位置に相当し、電流が大きく流れ、出力信号に“LOW”が出力される。
以上の動作は、XOR回路の動作に相当する。
本発明によれば、2重量子ドットを最小単位とするため製造が容易となり、新規な構造の整流素子を実現することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る2重量子ドット帯電型整流素子の模式図である。 図1に示す2重量子ドット帯電型整流素子の動作説明図である。 図1に示す2重量子ドット帯電型整流素子の電荷の安定状態をゲート電圧の関数として示した図である。 図1に示す2重量子ドット帯電型整流素子のクーロンブロッケイド領域を示す図である。 (a)図1に示す2重量子ドット帯電型整流素子を実現する縦型トンネルダイオードの外観斜視図である。 (b)自己形成量子ドットが形成された層の量子ドット面内分布の一例を示す図である。 (a)図5に示す縦型トンネルダイオードの測定で得られた2重量子ドットのスタビリティダイアグラムであり、図3に対応する図である。 (b)図5に示す縦型トンネルダイオードの測定で得られたクーロンブロッケイド領域であり、図4に対応する図である。 図1に示す2重量子ドット帯電型整流素子を実現する別例に係るデバイスの模式図である。 図7に示すデバイスの製造方法の説明図である。 図7に示すデバイスで流れる電流の階段状変化を示す図である。 2重量子ドット帯電型整流素子で構成した論理回路の動作説明図である。
符号の説明
1 第1の量子ドット
2 第2の量子ドット
3 ソース電極
4 ドレイン電極
5,6,8 トンネル接合
7,9 容量接合
21 基板
22 メサ領域

Claims (6)

  1. 2つの量子ドットで構成され該量子ドット間の単一電子トンネリングにおけるクーロンブロッケイド現象により整流を行う2重量子ドット帯電型整流素子において、第1の量子ドット及び第2の量子ドットと、前記第1の量子ドットをソース電極に接続する第1のトンネル接合と、前記第1の量子ドットを前記第2の量子ドットに接続する第1の容量接合と、前記第1の量子ドットをドレイン電極に接続する第2のトンネル接合と、前記第2の量子ドットを前記ソース電極に接続する第3のトンネル接合と、前記第2の量子ドットを前記ドレイン電極に接続する第2の容量接合とを備えることを特徴とする2重量子ドット帯電型整流素子。
  2. 前記第1及び第2の容量接合の替わりに、前記トンネル接合より弱いトンネル接合を用いること特徴とする請求項1に記載の2重量子ドット帯電型整流素子。
  3. 前記量子ドットの静電ポテンシャルを調節するゲート電極を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の2重量子ドット帯電型整流素子。
  4. 前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に、前記第1及び第2の量子ドットと、前記第1及び第2の容量接合と、前記第1及び第2並びに第3のトンネル接合の構成が複数並列に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の2重量子ドット帯電型整流素子。
  5. 前記容量接合と前記トンネル接合とを半導体基板上に形成した電極線で形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の2重量子ドット帯電型整流素子。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の2重量子ドット帯電型整流素子を用いて構成したことを特徴とする論理回路。
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