JP4897679B2 - インドロン誘導体、その製造方法及びその使用 - Google Patents

インドロン誘導体、その製造方法及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、インドロン誘導体、これらの製造方法、これらを含む薬剤組成物及び薬剤としてのこれらの使用に関する。
大脳基底核及び関連する脳構造の機能障害による運動及びその他の障害は、大きな社会経済上の重要性を持つ。このような障害は、遺伝性又は後天性疾患、特発性神経変性の結果として起こり得て、或いは医原性であることもある。障害のスペクトルは、非常に多様であり、運動減少(例えばパーキンソン総体症状における、無動、運動低下、運動緩徐)、筋緊張亢進(例えば、パーキンソン病、痙縮)から、不随意運動障害(運動過剰又はジスキネジー、例えばハンチントン病、L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(L−DOPA又はレボドパ)により誘発されたジスキネジー、遅発性ジスキネジー、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症、ウィルソン病、進行性淡蒼球萎縮症、ジストニー、代謝神経伝達物質疾患、チック、振戦、トゥーレット症候群、シドナム舞踏病、下肢静止不能症候群(RLS)、舞踏病及び舞踏アテトーシス、発作性ジスキネジー、筋クローヌス障害、レット症候群までに関連するものに及んでいる。
パーキンソン病及び関連する状態には、運動減少を伴う最も一般的な疾患が含まれる。パーキンソン症候群は、運動の遅さ(運動緩徐)、硬直及び/又は振戦を特徴とする。パーキンソン症候群は、種々の状態で、最も一般的には特発性パーキンソニズム(即ち、パーキンソン病)で、並びに統合失調症(即ち、神経遮断薬誘発性パーキンソニズム)の治療、毒素/薬物への暴露及び頭部外傷の後で見られる。
パーキンソン病の根本的な主たる病理は、脳内における黒質から線条体へのドーパミン作動性投射の変性であると広く理解されている。これにより、パーキンソン病の対症的治療としてドーパミン補充薬(例えば、L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(L−DOPA)及びドーパミンアゴニスト)が使用されるようになっている。
L−DOPA療法は、一般にパーキンソン病及び種々のその他の運動障害の最良の対症的治療を提供し、大部分の患者はその疾患の過程で必要である。しかし、L−DOPAに伴う運動合併症を発現する。問題としては、運動症状変動(例えば、遅延「オン」応答及び投与失敗、投与間終盤の薬効切れ、予測不可能な「オンオフ」応答及びすくみ症状)、並びに異常な不随意運動、例えばジスキネジー(例えば、最大量ジスキネジー、「オフ」ジストニー、2相性ジスキネジー)として発現する一連の副作用の出現があり得る。通常、ジスキネジーは、実質的にジストニー性又は舞踏病様である。
「投与間終盤の薬効切れ」の現象は、一般的にこの疾患の過程の初期に起こる。これは最も一般的であり、通常発生する運動症状変動の最初のタイプである。その名称が意味するように、この患者は、次回の投与を受ける前に、薬物の投与への応答の欠如を発生する。これは、レボドパを用いると、ドーパミンアゴニストを用いるより起こることが多い。なぜなら、アゴニストは有意に長い半減期を有するからである。時間がたつにつれて、易動性から不動性への変動がより多く起こり、より無愛想で無能力になっていく。治療への応答が予測不可能になり得て、レボドパの投与の多くは効果が遅延し又はさらにはまったく効果を示さない。
ジスキネジーの発生及び/又は発現を防止する薬剤を開発する多数の試みが行われてきたが、運動症状変動を管理することが可能な治療手段を発見したのはごくわずかであった。これまで、2種類の薬物化合物、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)及びモノアミンオキシダーゼタイプB(MAO)阻害剤が、L−DOPAの有益な治療効果を延ばすために開発されたが、これらの化合物の一部は副作用を示す。
したがって、L−DOPAの効能を高め、及び/又はその副作用を軽減することができる、新規なL−DOPAとの併用療法が求められている。
欧州特許出願第0610553号には、合成中間体として、6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−1H−インドール−1−アセトアミド及び6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−2−オキソ−1H−インドール−1−アセトアミドが開示されている。
ロシア特許出願SU 841264には、2−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド及びその抗痙攣活性が開示されている。
ここで驚くべきことには、ある種のインドロン誘導体は、種々の薬剤適応症の中で、特にパーキンソン病における、特に、運動障害及び/又は運動症状変動の対症的治療及び/又は予防的治療に対してこれらを有用にする治療特性を実証することを見出した。
一態様では、したがって、本発明は、式Iを有する化合物、薬剤として許容されるこれらの塩又はこれらの立体異性体形態
Figure 0004897679

[式中、
Xは、CH又はCFであり、
は、水素又は少なくとも1つのヒドロキシによって任意選択で置換されたC1〜4アルキルから選択され、
は、水素又は少なくとも1つのヒドロキシによって任意選択で置換されたC1〜4アルキルから選択され、
は、水素又は非置換C1〜4アルキルから選択され、
3aは、水素又は非置換C1〜4アルキルから選択され、
は、水素;ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシから選択され、
は、水素;ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシから選択され、
は、水素;ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシから選択され、
は、水素;ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシから選択され、
但し、XがCHの場合は、Rは水素とは異なる]
を提供する。
他の態様では、したがって、本発明は、式Iを有する化合物、薬剤として許容されるこれらの塩又はこれらの立体異性体形態
Figure 0004897679

[式中、
Xは、CH又はCFであり、
は、水素又は非置換C1〜4アルキルから選択され、
は、水素又は非置換C1〜4アルキルから選択され、
は、水素又は非置換C1〜4アルキルから選択され、
3aは、水素又は非置換C1〜4アルキルから選択され、
は、水素;ハロゲン;非置換C1〜4アルキル;又は非置換C1〜4アルコキシから選択され、
は、水素;ハロゲン;非置換C1〜4アルキル;又は非置換C1〜4アルコキシから選択され、
は、水素;ハロゲン;非置換C1〜4アルキル;又は非置換C1〜4アルコキシから選択され、
は、水素;ハロゲン;非置換C1〜4アルキル;トリフルオロメチル;又は非置換C1〜4アルコキシから選択され、
但し、XがCHの場合は、Rは水素とは異なる]
を提供する。
本明細書では、「ハロゲン」という用語は、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素原子を表す。好ましいハロゲンは、塩素、臭素及びフッ素である。
本明細書では、「ヒドロキシ」という用語は、式−OHの基を表す。
本明細書では、「C1〜4アルキル」という用語は、直鎖又は分枝の部分を有し、かつ1〜4個の炭素原子を含む、飽和で一価の炭化水素基を表す。好ましいアルキル基はメチル及びトリフルオロメチルである。
本明細書では、「C1〜4アルコキシ」という用語は、式−ORの基(但し、Rは、上記のC1〜4アルキル基である)を表す。
本明細書では、「フェニル基」という用語は、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ又はシアノから選択される1〜3つの置換基によって任意選択で置換されたフェニルを表す。
本明細書では、「シアノ」という用語は、式−CNの基を表す。
特定の実施形態では、本発明は、式Iの化合物
[式中、
XはCHであり、
及びRは、水素又は少なくとも1つのヒドロキシによって任意選択で置換されたC1〜4アルキルから独立して選択され、
及びR3aは、水素又は非置換C1〜4アルキルから独立して選択され、
、R及びRは、水素;ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシから独立して選択され、
かつ、Rは、ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシである]
を提供する。
他の特定の実施形態では、本発明は、式Iの化合物
[式中、
XはCFであり、
及びRは、水素又は少なくとも1つのヒドロキシによって任意選択で置換されたC1〜4アルキルから独立して選択され、
及びR3aは、水素又は非置換C1〜4アルキルから独立して選択され、
、R、R及びRは、水素;ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシから独立して選択される]
を提供する。
好ましくは、Rは水素である。好ましくは、Rは水素である。好ましくは、Rは水素である。好ましくは、R3aは水素である。より好ましくは、R、R、R及びR3aは水素である。
一般的に、Rは、水素又はハロゲンである。通常、Rは、水素、塩素又はフッ素である。好ましくは、Rは水素である。
一般的に、Rは、水素又はハロゲンである。通常、Rは、水素、又はフッ素である。好ましくは、Rは水素である。
一般的に、Rは、水素;ハロゲン;非置換か又はハロゲンによって置換されたC1〜4アルキル;或いは非置換か又はC1〜4アルコキシによって置換されたC1〜4アルコキシである。好ましくは、Rは、水素、メチル、臭素、塩素又はフッ素である。より好ましくは、Rは、水素、塩素又は臭素である。
一般的に、Rは、水素;ハロゲン;非置換か又はハロゲンによって置換されたC1〜4アルキル;或いは非置換か又はフェニル基若しくはC1〜4アルコキシによって置換されたC1〜4アルコキシである。好ましくは、Rは、水素、塩素、フッ素又はトリフルオロメチルである。より好ましくは、Rは、水素、塩素又はフッ素である。最も好ましくは、Rは、水素又はフッ素である。
これらの好ましい化合物群の1種又は複数の組合せが特に好ましい。
本発明による好ましい化合物は式Iの化合物(但し、Xは、CH又はCFであり、R、R、R、R3a、R及びRは水素であり、Rは、水素、メチル、臭素、塩素又はフッ素であり、かつRは、水素、塩素、フッ素又はトリフルオロメチルであり、但し、XがCHの場合は、Rは塩素又はフッ素である)である。
本発明によるより好ましい化合物は、式Iの化合物(但し、Xは、CH又はCFであり、R、R、R、R3a、R及びRは水素であり、Rは水素、塩素又は臭素であり、かつRは水素、塩素又はフッ素であり、但し、XがCHの場合は、Rは塩素又はフッ素である)である。
本発明による最も好ましい化合物は、式Iの化合物(但し、XはCHであり、R、R、R、R3a、R及びRは水素であり、Rは水素であり、かつRはフッ素である)である。
他の最も好ましい実施形態では、XはCFであり、R、R、R、R3a、R及びRは水素であり、Rは塩素又は臭素であり、かつRは水素である。
本発明の好ましい個々の化合物は、
2−(4−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
2−(5−ブロモ−4−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
2−(4−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
2−(4,5−ジクロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
2−(3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
2−(5−クロロ−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
2−(5−ブロモ−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
2−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
2−(3,3,5−トリフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;及び
2−[2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]アセトアミド
である。
本発明のより好ましい化合物は、
2−(4−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
2−(4−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
2−(5−クロロ−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;及び
2−(5−ブロモ−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド
である。
本発明の最も好ましい化合物は、
2−(4−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
2−(5−クロロ−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;及び
2−(5−ブロモ−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド
である。
最良の結果が、2−(4−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミドで得られている。
本発明による「薬剤として許容される塩」には、式Iの化合物が形成し得る治療上活性な非毒性塩基塩の形態が含まれる。
例えば、酸性プロトンを含む式Iの化合物は、適当な有機及び無機の塩基で処理することによって、治療上活性な非毒性のその塩基付加塩の形態、例えば、金属塩又はアミン塩に変換することができる。適当な塩基塩の形態には、例えば、これに限定されることなく、アンモニウム塩、アルカリ及びアルカリ土類金属塩、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩等、有機塩基との塩、例えば、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン塩、及びアミノ酸、例えば、アルギニン、リシン等との塩が含まれる。
逆に、前記塩の形態は、適当な酸で処理することによって遊離の形態に変換することができる。
式Iの化合物及びその塩は、溶媒和物の形態であってよく、本発明の範囲内に含まれる。このような溶媒和物としては、例えば、水和物、アルコラート等がある。
式Iの化合物のあるもの及びその中間体のあるものは、その構造中に少なくとも1つの不斉中心を有する。この不斉中心は、R又はS立体配置で存在し得る。前記R及びS表記法は、Pure Appl.Chem.、45(1975)11〜30に記載の規則に対応して用いられる。
本発明はまた、式Iの化合物のエナンチオマー形及びジアステレオマー形などのすべての立体異性体形態、又はこれらの混合物(立体異性体のすべての可能な混合物を含む)に関する。
式Iの化合物のあるものはまた、互変異性体の形態で存在することもある。このような形態は、上記の式では明記されていないが本発明の範囲内に含まれるものとする。
本発明に関しては、化合物又は複数の化合物への言及は、特に異性体の形態が具体的に言及されなければ、その化合物をその可能な異性体の形態及びこれらの混合物のそれぞれに包含するものとする。
本発明による化合物は、異なる多形の形態で存在することもできる。このような形態は、上記の式では明記されていないが本発明の範囲内に含まれるものとする。
本発明による式Iの化合物は、合成有機化学の当業者には理解されている従来の方法と同様に調製することができる。
一実施形態によれば、一般式I(但し、XはCFである)を有する一部の化合物は、次反応式に従って
Figure 0004897679

[但し、Halは、ハロゲン原子、好ましくは臭素又は塩素であり、X、R、R、R、R3a、R、R、R及びRは、上記と同じ定義を有する]、
式IIの化合物を式IIIの化合物によりアルキル化することによって調製し得る。
この反応は、不活性雰囲気下、不活性溶媒、例えばDMF中で、0と40℃の間からなる温度において、強塩基、例えば水素化ナトリウムと共に実施するか、或いは特許GB 1309692(UCB社)に記載されたように実施することができる。
式IIの化合物は、次反応式に従って
Figure 0004897679

[但し、R、R、R及びRは、上記と同じ定義を有する]、
式IVの化合物と三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)との反応によって調製し得る。
この反応は、不活性溶媒中で0と100℃の間からなる温度で実施することができる。
式IVの化合物は、市販されているか、或いはSmith K.、El−Hiti G.A.、Hawes A.C.、Synlett(1999)、945〜947;Lackey K.、Sternbach D.D.、Synthesis(1993)、10、993;又はOrganic Synthesis、論文集I、第2版、Gilman H. & Blatt A.H.、J.Wiley & Sons Inc.、327〜330に記載の方法に従って調製し得る。
他の実施形態によれば、一般式I(但し、XはCHである)を有する一部の化合物は、次反応式に従って
Figure 0004897679

[但し、X、R、R、R、R3a、R、R、R及びRは、上記と同じ定義を有する]、
式(V)の対応するインドールの酸化的ブロム化、続いて化合物(VI)の還元によって調製し得る。
この反応は、Marfat A.、Carta M.P.、Tetrahedron Lett.(1987)、28、4027〜4031に記載されたように実施し得る。
式Vの化合物は、次反応式に従って
Figure 0004897679

[但し、Halはハロゲン原子、好ましくは臭素又は塩素である]、
式VIIの化合物を式IIIの化合物でアルキル化することによって調製し得る。
この反応は、不活性雰囲気下、不活性溶媒、例えばDMF中で、0及び40℃の間からなる温度において、強塩基、好ましくは水素化ナトリウムの存在下で実施するか、或いは特許GB 1309692(UCB社)に記載されたように実施し得る。
他の実施形態によれば、一般式Iを有する一部の化合物は、Castanet A.S.、Colobert F.、Broutin P.E.、Tetrahedron Lett.(2002)、43、5047〜5048に記載の手順に従って、式I(但し、Rは水素である)の対応する化合物をN−ハロスクシンイミドでハロゲン化することにより調製し得る。
一実施形態では、本発明は、式Vの化合物又はその立体異性体形態
Figure 0004897679

[但し、
及びRは、水素又は少なくとも1つのヒドロキシによって任意選択で置換されたC1〜4アルキルから独立して選択され、
及びR3aは、水素又は非置換C1〜4アルキルから独立して選択され、
、R及びRは、水素;ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシから独立して選択され、かつ
は、ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシである]
に関する。
好ましくは、式Vの化合物は、2−(4−フルオロ−1H−インドール−l−イル)アセトアミド;2−(4−クロロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド及び2−[4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]アセトアミドからなる群から選択される。
本発明はまた、合成中間体、3,3,5−トリフルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンに関する。
上記化合物は合成中間体として特に有用である。
式Iの化合物、これらの薬剤として許容される塩、又はこれらの立体異性体形態は、種々の薬剤適応症において有用であることをここに見出した。
例えば、本発明による式Iの化合物は、特にパーキンソン病における運動障害及び/又は運動症状変動の対症的治療及び/又は予防的治療に対して有用である。
他の態様では、したがって、本発明は式Iの化合物、薬剤として許容されるこれらの塩又はこれらの立体異性体形態の治療用の使用を提供する。
他の態様では、本発明は、ドーパミン補充療法を受ける前又は受けている間のパーキンソン病患者における、運動症状変動及び/又はジスキネジーの対症的治療及び/又は予防的治療のための、式Iの化合物、又は薬剤として許容されるこれらの塩の使用を提供する。
本発明による式Iの化合物は、特発性パーキンソン病及び他のパーキンソン症候群の治療及び予防のためにも使用し得る。
さらに、本発明による式Iの化合物は、運動障害の治療及び予防のために使用することができる。
本発明による式Iの化合物は、抗パーキンソン治療又は任意の他の既存の治療と併用して投与してもよい。例えば、式Iの化合物は、L−DOPAに限定されないがこれを含むこれらの治療の長期の使用で経験する副作用を軽減するために、パーキンソン病の補助療法として有用であり得る(運動症状変動及びジスキネジー)。この化合物は、抗パーキンソン治療が、細胞の内移植/移植、遺伝子治療、視床下核病変/脳深部刺激法及びGPi病変/脳深部刺激法である場合にも使用し得る。
式Iの化合物は、神経変性から保護するために使用することができ、神経保護薬と併用して使用してよい。
式Iの化合物は、神経遮断薬により誘発されたパーキンソニズム及び晩発性ジスキネジーを治療するために使用することができ、抗精神病薬と併用して投与することができる。
本発明による式Iの化合物は、統合失調症、又は他の精神病性障害の治療のためにも使用し得る。
本発明の化合物は、気分障害の治療にも使用し得る。
本発明による式Iの化合物は、不安障害の治療にも使用し得る。
本発明による式Iの化合物は、物質関連障害の治療にも有用であり得る。
本発明による式Iの化合物は、譫妄、痴呆、健忘及びその他の認知障害(記憶、前頭部及び注意力の問題)の治療にも使用し得る。
本発明による式Iの化合物は、性的障害、睡眠障害、摂食障害(食欲不振症/神経性過食症)、人格障害、虚偽性精神障害、解離性障害、嘔吐、攻撃性、自閉症、眩暈、概日リズム障害、痙攣、発作、癲癇、胃の運動障害、注意欠陥障害、報酬不全症候群、注意欠陥多動障害(ADHD)、片頭痛、三叉神経痛及びその他の神経痛、慢性痛、神経因性疼痛、脳虚血、心不整脈、筋緊張症、脳卒中、新生児脳出血、筋萎縮性側索硬化症、痙縮及び変性疾患、気管支喘息、喘息重積状態及びアレルギー性気管支炎、喘息症候群、気管支過敏症及び気管支痙攣症候群、加えてアレルギー性鼻炎及び欠陥運動性鼻炎並びに鼻結膜炎の治療にも使用することができる。
したがって、本発明はまた、薬剤として使用するための、上記に定義した式Iを有する化合物又は薬剤として許容されるこれらの塩或いはこれらの立体異性体形態に関する。
他の態様では、本発明は、神経学的、精神医学的及び例えば上記のその他の障害の治療用薬剤の製造のための、式Iの化合物又は薬剤として許容されるこれらの塩の使用にも関する。
具体的には、本発明は、ドーパミン補充療法を受ける前又は受けている間のパーキンソン病患者の運動症状変動及び/又はジスキネジー、特発性パーキンソン病及びその他のパーキンソン症候群、運動障害、精神病性障害、気分障害、不安障害、物質関連障害、譫妄及び痴呆の治療用薬剤の製造のための、式Iの化合物又は薬剤として許容されるこれらの塩の使用に関する。
本発明の方法は、上記の状態又は障害に罹患した哺乳動物(好ましくはヒト)に、本発明による式Iの化合物を障害又は状態を軽減するか又は予防するのに十分な量で投与することを含む。
この化合物は、これらに限定されないが単位剤形当たり3〜7000mg、好ましくは5〜500mgの活性成分を含むものを含む、任意の適当な単位剤形で好都合に投与される。
本明細書では、「治療」という用語には、対症的治療、治癒的治療及び予防的治療が含まれる。
「対症的」とは、現在の症状を治療する際の活性化合物の効能を意味する。
「治癒的」とは、障害又は状態の徴候的な症状の出現を治療する際の効能を意味する。
「予防的」とは、障害又は状態の発生又は再発の予防を意味する。具体的には、本発明者らは、再発する症状の任意の誘発の防止、及び運動症状変動及びジスキネジーの発現を抑制する可能性を意味する。
「運動症状変動」とは、L−DOPAで治療した患者における、4つの異なる現象(遅延「オン」応答及び投与失敗、投与間終盤の薬効切れ、予測不可能な「オンオフ」応答及びすくみ症状)の発生を意味する。
「投与間終盤の薬効切れ」とは、次回の投与を服用する前の薬物の投与に対する応答の喪失を意味する。
「ジスキネジー」という用語は、患者における異常な不随意運動の発生と定義される。これは、ハンチントン病の患者、慢性的なドーパミン補充療法を受けたパーキンソン病患者、及び神経遮断薬による慢性的な治療を受けた統合失調症患者に出現する。ジスキネジーは、全体として、患者における異常な不随意運動の発生を特徴とする。ジスキネジーが起こり得る1つは、パーキンソニズム又は他の大脳基底核関連運動障害に対するドーパミン補充療法の副作用としてである。
特発性パーキンソン病及びその他のパーキンソン症候群」という用語には、これらに限定されることなく、遺伝性パーキンソニズム、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ファール病、脳炎後パーキンソニズム、頭部外傷から起こったパーキンソニズム、薬物誘発パーキンソニズム(例えば、統合失調症及びその他の精神医学的疾患の治療後)、薬物中毒(例えば、MPTP汚染ヘロインによる)、毒素誘発パーキンソニズム(例えば、一酸化炭素又はマンガン被毒後)、ウィルソン病の治療、血管性パーキンソニズム、及びその他のパーキンソン症候群が含まれる。
「パーキンソン症候群」という用語は、運動の遅さ(運動緩徐)、硬直及び/又は振戦を特徴とする症候群に関する。パーキンソン症候群は、種々の状態で、最も一般的には、特発性パーキンソニズム(即ち、パーキンソン病)並びに統合失調症の治療、毒素/薬物への暴露及び頭部外傷の後で見られる。パーキンソン病の根本的な主たる病理は、脳内における黒質から線条体へのドーパミン作動性投射の変性であると広く理解されている。これにより、パーキンソン病の対症的治療としてドーパミン補充薬(例えば、L−DOPA及びドーパミンアゴニスト)が使用されるようになり、このような治療は、パーキンソン病に罹患した患者の生活の質を向上させるのに功を奏している。しかし、ドーパミン補充療法には、特に長期治療後に限界がある。問題としては、抗パーキンソン治療の効能が切れること及び異常な不随意運動、例えばジスキネジーとして発現する一連の副作用の出現があり得る。
「運動障害」とは、スペクトルの一方では運動の遅さ又は減少(例えば、パーキンソン疾患に見られる運動緩徐又は運動低下)、及び他法では、異常な不随意運動(運動亢進)、例えば、振戦、ジストニー、アテトーシス、舞踏病、バリスム、チック、筋クローヌス症、下肢静止不能症候群、常同症、静座不能症、及びその他のジスキネジーが現れる神経学的運動障害を意味する。運動障害としては、これらに限定されることなく、振戦(例えば生理的、本態性、ジストニー性、一次性書字、起立性、神経因性、小脳性の振戦、等)、舞踏病(例えば、ハンチントン病、サンザシ川症候群(Haw River syndrome)、神経有棘赤血球症、マクラウド症候群、良性遺伝性舞踏病、シドナム舞踏病、バリスムス、老年性舞踏病、等)、晩発性ジスキネジー、ジストニー(例えば、幼児期発症全身性一次性ジストニー、成人発症一次性限局性ジストニー及び部分的ジストニー、X連鎖ジストニー−パーキンソニズム、ドーパ反応性ジストニー、急変型ジストニー、外傷後ジストニー、晩発性ジストニー、発作性運動誘発性ジスキネジー、発作性非運動誘発性ジスキネジー、二次性発作性ジスキネジー、及びその他の発作性ジスキネジー、等)、トゥーレット症候群及び成人発症チック疾患を含むチック、連鎖球菌暴露関連の感染後自己免疫性神経精神医学的障害(PANDAS)、筋クローヌス障害(例えば本態性、低酸素後、驚愕性、脊髄性、脊髄固有の、毒素及び薬物誘発性筋クローヌス症等)、及びその他の運動障害、例えば半側顔面痙攣、スティッフパーソン症候群、下肢痛とつま先運動症候群(painful legs−moving toes syndrome)及び下肢静止不能症候群がある。
「精神病性障害」という用語には、これに限定されることなく、統合失調症、統合失調症様障害、分裂感情障害、妄想障害、短時間精神病性障害、二人組精神病性障害、全身の症状による精神病性障害、物質誘発性精神病性障害、分娩後精神医学的症候群、及びその他の精神病性障害が含まれる。
「気分障害」という用語には、これに限定されることなく、鬱病、大鬱病性障害、気分変調性障害、その他の鬱病障害、躁病、双極I型障害、双極II障害、循環気質障害、その他の双極性障害、全身の症状による気分障害、物質誘発性気分障害、その他の気分障害が含まれる。
「不安障害」という用語には、これに限定されることなく、不安発作、広場恐怖症、広場恐怖症を伴う/伴わない恐怖性障害、恐怖性障害の病歴のない広場恐怖症、特定の恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全身性不安障害、全身の症状による不安障害、物質誘発性不安障害、その他の不安障害が含まれる。本明細書では、「不安」という用語は、一般的には憂慮又は恐れの感情を指す。不安は、単短縮又は震え、筋緊張、頭痛、発汗、口渇、嚥下困難及び/又は腹部痛を含む身体的な症状を伴うことが多い。
「物質関連障害」という用語には、より具体的には、物質使用障害(薬物依存症、物質乱用)、物質誘発性障害(物質中毒、物質退薬、物質誘発性精神障害)、アルコール関連障害、アンフェタミン関連障害、カフェイン関連障害、大麻関連障害、コカイン関連障害、幻覚薬関連障害、吸入薬関連障害、ニコチン関連障害、オピオイド関連障害、フェンシクリジン関連障害、鎮静薬/催眠薬又は抗不安薬関連障害、その他の(未知の)物質関連障害が含まれる。
「譫妄」という用語は、短時間にわたり発現する意識障害及び認知の変化(全身の症状による譫妄、物質誘発性譫妄、複数の病因による譫妄、その他の譫妄)を指す。
本明細書では、「健忘障害」という用語は、全身の症状の直接的生理的作用によるか、或いは物質の持続する作用による記憶障害を指す。
本明細書では、「双極性障害」という用語は、「精神障害の診断及び統計マニュアル第4版(Diagonestic and Statistical Manual of Mental Disorders,4th edition)」(Diagonestic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM−IVTM)、American Psychiatry Association、Washington、DC、1994)により、気分障害として分類される障害を指す。双極性障害は、一般的に患者の過剰興奮性、活動性及び気分が有意に撹乱される、自発的に誘発される反復性(即ち、少なくとも2回の)発症を特徴とし、この撹乱は、ある場合は気分の上昇並びに活力及び活動性の増大(躁病又は軽躁病)からなり、他の場合は気分の下降並びに活力及び活動性の低下(鬱病)からなる。双極性障害は、DSM−IVにおける4つの主要なカテゴリーに分類される(双極I型障害、双極性II障害、循環気質、及びその他の双極性障害)。
本明細書では、「躁病の症状」という用語は、談話心拍及び精神運動性激越の徴候を伴う、異常にかつ持続的に高揚した、誇大的な、又は過敏な気分になる特徴的な期間を指す。
本明細書では、「軽躁病」という用語は、重症度がより低く、過激度がより少ない躁病の症状を指す。
本明細書では、「大鬱病性の症状」という用語は、集中障害及び精神運動性遅滞の徴候を伴う、ほぼすべての活動において鬱状態の気分又は関心若しくは喜びの喪失がある少なくとも2週間の期間を指す。
本明細書では、「混合性の症状」という用語は、ほぼ毎日、躁病の症状及び大鬱病性の症状の両方の基準に合っている期間(少なくとも1週持続する)を指す。
本明細書では、「慢性痛」という用語は、急性痛とは異なって、疾病過程として徐々に認識される状態を指す。従来、通常の治癒期間を超えて持続するものが疼痛と定義されるが、各人が、疼痛が予測し得る将来の自分の生活の持続する部分になりつつあると認識した時点で、疼痛は慢性的であるとみなすこともできる。大部分の慢性痛症候群は、通常急性胃痛より治療することが難しい神経因性の要素をおそらく含む。
本明細書では、「神経因性疼痛」という用語は、機能障害性神経系に起因する疼痛を指し、時には中枢神経系への損傷に続いて起こるが(中心性疼痛)、末梢神経への損傷に起因することがより多い(有痛性末梢神経障害)。神経因性疼痛は、大概は部分的に損傷を受けた神経における神経過剰興奮によって引き起こされる。いくつかの種類の有痛性末梢神経障害に分類される(これらは、ある根本的な病原性メカニズムを共有することもある)。例えば、(1)外傷後有痛性末梢神経障害、(2)幻肢痛、(3)顔面(三叉神経)痛、(4)ヘルペス後神経痛、(5)有痛性の糖尿病性神経障害、(6)癌腫瘍に起因する神経障害、(7)抗腫瘍薬による治療によって誘発された神経障害、及び(8)多発性硬化症などの脱髄疾患関連の神経損傷である。神経因性疼痛では、有痛性反応は、通常の中性刺激に応答するか(異痛症)、或いは有痛性刺激への誇張された反応(痛覚過敏)として現れる。神経因性疼痛では、外部の刺激によって誘発されたものではない自発的痛も起こり、判定し治療することが最も困難な形態の疼痛である。
「チック」という用語は、一般的なかつ生活に支障を来たすことも多い神経学的障害を指す。これらは、強迫性障害、注意欠陥多動障害及び衝動調節を含む行動困難に関連することが多い。チックは、不随意で、突然の、急速な、反復する、非律動的な常同性の運動又は発声である。チックは、様々な期間及び複雑さをとる種々の形態で現れる。単純運動チックは、1つの筋肉群だけが関与することが多い短くて速い運動である。複雑運動チックは、単純運動の集まりか又はより強調的な一連の運動を含む急激な運動である。単純音声チックには、例えば、ブツブツ言う、吼える.甲高く叫ぶ、及び咳払いの声が含まれる。複雑音声チックには他人の言葉の繰返し及び自分自身の言葉の繰返しの音節、語句が含まれる。
「振戦」という用語は、身体部分の不随意で律動的な振動性の運動を指す。振戦は、現象学的には静止時の又は動作に伴う震えと定義することができる。このような動作は、体位性(肢位置の維持)、運動性(運動関連)、又は企図的(目的のある運動の最後の)であってよい。病原学的には、振戦は、ほとんどの場合パーキンソン病(パーキンソン静止時振戦)並びに遺伝性及び加齢による形態からなる本態性振戦(体位振戦及び運動振戦)において起こる。振戦は、ジストニー及び多発性硬化症においても起こり得る。種々の病因から起こる可能性のあるその他の振戦は、小脳振戦(企図振戦)及びホームズ型中脳振戦(体位振戦)である。振戦は通常の生理的振戦の誇張された形態でもあり得る。振戦が起こる行動状況は別として、振戦の頻度は、振戦の種々の形態の間を識別する重要な基準である。本態性振戦は、すべての振戦のうち最も高い発生率を有する。これは加齢に関連しているので、老齢者に増加することが予想される。動物モデル及び臨床的なデータにより、本態性振戦は、主として脳幹(下オリーブ核)−小脳機能障害に基づいて起こることがあり、他方、パーキンソン振戦は、おそらく大脳基底核内の異常な活動から起こることが示されている。神経回路における過剰な同期化及び/又は過剰興奮が振戦活動の根底にあり得る。
本発明はまた、特にパーキンソン病の運動障害及び/又は運動症状変動の対症的治療及び/又は予防的治療用の薬剤の製造のための、式Iの化合物の使用に関する。
本明細書では、「認知障害」という表現は、知覚、学習及び理論、又は言い換えれば、情報を選択的に取得、貯蔵、及び想起する生理学的(精神的/ニューロンの)プロセスを包含する認知の障害を指す。
本明細書では、「注意欠陥活動亢進障害」(ADHD)という表現は、注意散漫、活動亢進、衝動、又はこれらの組合せによる問題を指す。これらの問題をADHDと診断するには、これらが子供の年齢及び成長に対して正常な範囲外になければならない。「注意欠陥障害」(ADD)も、この同じ障害に対して使用される。
本明細書では、「アルツハイマー病」(AD)という表現は、脳内において、置き換わったタンパク質からなる、異常な凝集塊(アミロイドプラーク)及びもつれた線維束(神経原線維のもつれ)を特徴とする進行性の神経変性疾患を指す。加齢がADに対する最も重要な危険因子である。この疾患に罹る人数は、65歳を超える5年毎に2倍になる。3種の遺伝子が初期発症(家族性)ADを引き起こすことが見出されている。アミロイドタンパク質の過剰な蓄積を引き起こすその他の遺伝的変異は、加齢性(散発性)ADと関連する。ADの症状としては、記憶喪失、言語障害、視覚情報を精神的に処理する能力の障害、判断力の欠如、錯乱、不穏状態、及び気分変動がある。結局、ADは、認知、人格、及び機能を果たす能力を破壊する。物忘れ及び集中力の欠如を含むADの初期症状は、これらが自然の老化の徴候に似ているので、見逃されることが多い。
本明細書では、「パーキンソン病」(PD)という表現は、運動系統障害と呼ばれる一連の状態を指し、ドーパミン産生脳細胞の損失から生じたものである。PDの4つの一次性症状は、振戦、又は手、腕、脚、顎、及び顔の震え;硬直、又は肢及び体幹の硬直;運動緩徐、又は運動の遅さ;及び体位性不安定、又は平衡及び強調の障害である。これらの症状がより顕著になるに従い、患者は歩行、会話、又はその他の単純な課題を完成することが困難になり得る。PDは通常50歳を超える人々に影響を与える。PDの初期症状は、わずかなものであり、徐々に起こる。ある人では、この疾患は他の人より急速に進行する。この疾患が進行するに従い、PD患者の大部分に発症する震え又は振戦が、日常活動の妨害を開始し得る。その他の症状としては、鬱病及び他の情緒的変化;嚥下、咀嚼、及び話すことの困難性;尿の問題又は便秘;皮膚の問題;及び睡眠障害があり得る。
本明細書では、「軽度認知障害」という用語は、正常な老化と初期アルツハイマー病の間の、認知障害の過渡的段階を指す。これは、記憶は損なわれたが、他の点ではよく機能を果たしており、痴呆の臨床的基準は満たしていない個人の臨床的な状態を特に指す。
本明細書では、「痴呆」という用語は、脳機能の進行性障害を含む一群の症状を指す。米国老人学学会(American Geriatrics Society)は、痴呆を精神的能力、特に記憶が減衰する状態と呼んでいる。この人々は、小切手帳の保管、車の安全運転、又は料理の計画のような、行うことができた事物を実施するのに問題を有する。彼らは、適切な言葉を見つけるのが問題になることが多く、一度に行うべき与えられた事物が多すぎる場合に混乱するようになり得る。痴呆の人々はまた、攻撃的、偏執傾向、又は鬱病になり、人格が変わることがある。
本明細書では、「統合失調症」という用語は、6カ月以上続く、思考、知覚、注意、情動、行動、及び意思疎通の撹乱を特徴とする一群の精神病性障害を指す。これは、人が現実と非現実の経験の間の違いを伝えること、論理的に考えること、他人に正常な情緒的な応答をすること、及び社会的状況で正常に行動することが困難になる疾患である。
本明細書では、「不安」という用語は、憂慮又は恐れの感情を指す。不安は、単短縮又は震え、筋緊張、頭痛、発汗、口渇、嚥下困難及び/又は腹痛を含む身体症状を伴うことが多い。
本明細書では、「鬱病」という用語は、気分の障害を指し、通常の日常の活動中の興味又は喜びの喪失を特徴とする。鬱病の人々は、一度に数週、数カ月、又は数年間でさえ「憂鬱になる」と感じることがある。下記の症状のいくつかが鬱病の症状である:持続的な、悲しい、不安な、又は「空虚な」気分;絶望の感情、悲観;罪悪の感情、無価値、無力感;性を含む、かつて楽しんだ趣味及び活動への興味又は喜びの喪失;活力の減少、疲労、「動きが鈍化」する;集中する、思い出す、意思決定することが困難である;不眠、早朝覚醒、又は寝すぎ;食欲及び/又は体重の減少或いは過食及び体重増加;死又は自殺の考え;自殺の試み;不穏状態、短気;治療に応答しない持続的な身体症状、例えば、頭痛、消化障害、及び慢性疼痛。
本明細書では、「癲癇」という用語は、脳内における、神経細胞のクラスター、又はニューロンが時には異常信号を送る脳障害を指す。癲癇では、神経活動の正常なパターンが乱されて、変わった感情、情動、及び行動又は時には痙攣、筋痙攣及び意識消失を起こす。癲癇は多数の可能性のある原因を有する障害である。正常なニューロンの活動パターンを乱すものは、脳障害への疾病から脳の発達異常までなんでも発作を引き起こす可能性がある。癲癇は、脳の神経経路の異常、神経伝達物質と呼ばれる神経情報伝達化学物質のアンバランス、又はこれらの因子のある組合せのために発現する可能性がある。発作を起こすことは、必ずしも癲癇に罹ったことを意味しない。人々が2つ以上の発作を起こした場合のみ、癲癇に罹ったとみなされる。
本明細書では、「発作」という用語は、脳ニューロンの個体数の無秩序な、同調的な、及びリズム性の発火に起因する行動の一過性の交互変化を指す。
本明細書では、「片頭痛」という用語は、強度、頻度、及び持続時間が広範に変化する頭痛の再発性発作を特徴とする障害を意味する。片頭痛の疼痛は、頭部の1つの領域における強いパルス状又は拍動状の疼痛と言われることが多い。これは、光及び音への極度の感受性、悪心、及び嘔吐を伴うことが多い。一部の個人は、「前兆」、点滅する光、ジグザグの線又は視覚の一時的な消失として出現する視覚の障害が片頭痛に先行するので、その発症を予測することができる。片頭痛を持つ人は、食物又は睡眠の欠如、光への暴露、又はホルモンの不規則さ(女性のみ)がきっかけとなる再発性の発作を起こす傾向にある。不安、ストレス、又はストレス後の緩和もトリガーとなり得る。長年、科学者は、片頭痛は、頭部血管の拡張及び狭搾と関連付けられていると信じていた。現在は、研究者は、片頭痛は、脳内におけるある特定の細胞の個体数の活動を制御する遺伝子の遺伝性異常に起因すると考えている。The International Headache Society(IHS、1988)は、片頭痛の主な種類として、前兆を伴う片頭痛(古典的片頭痛)及び前兆を伴わない片頭痛(普通型片頭痛)に分類している。
もちろん、上記適応症のいずれかにおける活性は、特定の適応症に対する当業者、及び/又は一般的な臨床試験の設計の当業者には既知の方法で、適当な臨床試験を実施することによって決定することができる。
本発明による式Iの化合物は、1種又は複数の他の治療薬と併用して使用できることが有利である。特に、本発明による化合物は、コリン作動性の伝達に関連付けられた1種又は複数の他の治療薬、例えば、M1、M2、M3、M4、M5受容体及びニコチン受容体に対するアゴニスト/アンタゴニスト、並びにアセチルコリンエステラーゼモジュレータと併用して使用することができる。
本発明による式Iの化合物は、アドレナリン作動性/ノルアドレナリン作動性の伝達に関連付けられた1種又は複数の他の治療薬、例えば、α1、α2、β1、β2、β3受容体に対するアゴニスト/アンタゴニスト、MAO(タイプA及びB)並びにCOMTモジュレータと併用して使用することができる。
本発明による式Iの化合物は、ドーパミン作動性の伝達に関連付けられた1種又は複数の他の治療薬、例えば、ドーパミンD1、D2、D3、D4、及びD5受容体に対するアゴニスト/アンタゴニスト、チロシンヒドロキシラーゼ及びDOPA−デカルボキシラーゼモジュレータ、並びに小胞モノアミントランスポーターモジュレータと併用して使用することができる。
本発明による式Iの化合物は、セロトニン作動性の伝達に関連付けられた1種又は複数の他の治療薬、例えば、5−HT、5−HT、5−HT、5−HT、5−HT、5−HT及び5−HT受容体に対するアゴニスト/アンタゴニストと併用して使用することができる。
本発明による式Iの化合物は、ヒスタミン作動性の伝達に関連付けられた1種又は複数の他の治療薬、例えば、H、H、H及びH受容体に対するアゴニスト/アンタゴニストと併用して使用することができる。
本発明による式Iの化合物は、グルタミン酸作動性の伝達に関連付けられた1種又は複数の他の治療薬、AMPA受容体(GluR1、GluR2、GluR3、GluR4);カイニン酸受容体(GluR5、GluR6、GluR7及びKA1、KA2);NMDA受容体(サブユニットNR1、NR2A、NR2B、NR2C、NR2D及びNR3A)に対するアゴニスト/アンタゴニストと併用して使用することができる。
本発明による式Iの化合物は、GABA作動性の伝達に関連付けられた1種又は複数の他の治療薬、例えば、GABAA1〜GABAA6、GABAAO、GABA及びGABAに対するアゴニスト/アンタゴニスト、或いはGABAの産生を促進するか、その分解又は再取込みを減少させる薬剤、例えば、バプロエート(vaproate)、ビガバトリン又はチアガビンと併用して使用することができる。
本発明による式Iの化合物は、1種又は複数の他の治療薬、例えば、CBアゴニスト、VR1アゴニスト、レベチラセタムなどのSV2リガンド、(2S)−2−[(4R)−2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル]ブタンアミド又は(2S)−2−[(4S)−4−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソピロリジン−1−イル]ブタンアミド、アマンタジン、或いはNMDA/AMPAアンタゴニストと併用して使用することができる。
もちろん、上記適応症のいずれかにおける活性は、特定の適応症に対する当業者、及び/又は一般的な臨床試験の設計の当業者には既知の方法で、適当な臨床試験を実施することによって決定することができる。
疾患を治療するために、式Iの化合物又は薬剤として許容されるこれらの塩を有効な1日当たりの容量で使用することができ、薬剤組成物の形態で投与することができる。
したがって、本発明の他の実施形態は、式Iの化合物又は薬剤として許容されるこれらの塩の有効量を、薬剤として許容される希釈剤又は担体と組み合わせて含む薬剤組成物に関する。
本発明による薬剤組成物を調製するために、当業者に知られている通常の薬剤配合技術によって、式Iの化合物又は薬剤として許容されるこれらの塩の1種又は複数を、薬剤希釈剤又は担体と完全に混合する。
適当な希釈剤及び担体は、所望の投与経路、例えば、経口、経直腸、非経口又は経鼻に応じて各種の形態をとることができる。
本発明による化合物を含む薬剤組成物は、例えば、経口で又は非経口的に、即ち、静脈内に、筋肉内に又は皮下に、くも膜下腔内に、吸入により、或いは経鼻的に投与することができる。
経口投与に適した薬剤組成物は、固体又は液体、例えば、錠剤、丸薬、糖衣錠、ゼラチン剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、チューインガム等の形態であってよい。
このために、この活性成分を不活性希釈剤又は非毒性の薬剤として許容される担体、例えば、デンプン又はラクトースと混合することができる。任意選択で、これらの薬剤組成物は、結合剤、例えば、微結晶性セルロース、トラガカントゴム又はゼラチン、アルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤、スクロース又はサッカリンなどの甘味料、或いは着色剤又はペッパーミント若しくはサリチル酸メチルなどの香料も含むことができる。
本発明は、活性物質を制御された方法で放出することができる組成物も企図する。非経口投与で使用することができる薬剤組成物は、従来の形態、例えば、一般的に、アンプル、使い捨て注入器、ガラス若しくはプラスチックのバイアル又は輸液用容器に収納されている水性若しくは油性液剤又は懸濁剤である。
これらの液剤又は懸濁剤はまた、この活性成分に加えて、無菌の希釈剤、例えば、注射用の水、生理食塩水溶液、オイル、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又はその他の合成溶媒、ベンジルアルコールなどの抗菌剤、アスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウムなどの酸化防止剤、エチレンジアミンテトラ酢酸などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩などの緩衝剤、及び塩化ナトリウム又はデキストロースなどの浸透圧調整用の薬剤を任意選択で含むことができる。
これらの薬剤の形態は、製薬者が日常的に使用する方法により調製される。
薬剤組成物中の活性成分の量は、広い濃度の範囲に入ってよく、種々の要因、例えば、患者の性、年齢、体重及び病状、並びに投与方法により決まる。即ち、経口投与用の組成物中の式Iの化合物の量は、組成物の総重量に対して少なくとも0.5重量%であり、80重量%までとすることができる。
好ましい経口用組成物では、1日当たりの用量は、式Iの化合物5〜5000ミリグラム(mg)の範囲にある。
非経口投与用組成物において、存在する式Iの化合物の量は、組成物の総重量に対して少なくとも0.5重量%であり、33重量%までとすることができる。好ましい非経口用組成物では、用量単位は式Iの化合物5mg〜500mgの範囲にある。
この1日量は、式Iの化合物の広い範囲の用量単位に入ってよく、一般的には3〜7000mg、好ましくは5〜500mgの範囲にある。しかし、医師の裁量による各人の必要量に応じて、個々の場合に特定の用量を適応させてよいことを理解されたい。
下記の実施例は、例示的な目的で提供される。
実施例において、別段の指示がなければ、この化合物のキャラクタリゼーションは、下記の方法によって実施される。
NMRスペクトルは、Aspect 3000コンピュータ及び5mmH/13C二重プローブヘッド付きBRUKER AC 250フーリエ変換NMR分光計、又はSG Indigoコンピュータ及び5mm逆幾何学(inverse geometry)H/13C/15N三重プローブヘッド付きBRUKER DRX 400 FT NMRで記録する。この化合物をDMSO−d(又はCDCl)溶液中で、313K又は300Kのプローブ温度及び20mg/mlの濃度で試験する。この装置をDMSO−d(又はCDCl)の重水素信号にロックする。化学シフトは、内部標準とするTMSから低磁場でのppmで与えられる。
HPLC分析は、下記のシステムの1つを用いて実施する。
INERTSIL ODS 3 C18、DP 5μm、250×4.6mmカラムを備えたAgilent 1100系列HPLCシステム。この勾配は、100%溶媒A(アセトニトリル、水、HPO(5/95/0.001、体積/体積/体積))から100%溶媒B(アセトニトリル、水、HPO(95/5/0.001、体積/体積/体積))に6分で変え、100%Bに4分間保持する。流量は2.5ml/分に設定する。クロマトグラフィーは35℃で実施する。
HPLC Water Symetry C18、250×4.6mmカラムを備えたHP 1090系列HPLCシステム。この勾配は、100%溶媒A(MeOH、水、HPO(15/85/0.001モル、体積/体積/モル))から100%溶媒B(MeOH、水、HPO(85/15/0.001モル、体積/体積/モル))に10分で変え、100%Bに10分間保持する。流量は1ml/分に設定する。クロマトグラフィーは40℃で実施する。
LC/MS方式での質量分析測定を以下の通り実施する。
HPLC条件
分析は、INERTSIL ODS 3、DP 5μm、250×4.6mmカラムを備えたWATERS Alliance HPLCシステムを用いて実施する。
この勾配は、100%溶媒A(アセトニトリル、水、TFA(10/90/0.1、体積/体積/体積))から100%溶媒B(アセトニトリル、水、TFA(90/10/0.1、体積/体積/体積))に7分で変え、100%Bに4分間保持する。流量は2.5ml/分に設定し、APIソースの直前で1/25のスプリットを用いる。
MS条件
試料を、約250μgr/mlの濃度でアセトニトリル/水、70/30、体積/体積に溶解する。FINNIGAN(San Jose、カリフォルニア州、米国)LCQイオントラップ型質量分析計を用いて、APIスペクトル分析を(+又は−)を実施する。APCIソースを450℃で、キャピラリーヒータを160℃で動作する。ESIソースを3.5kVで、キャピラリーヒータを210℃で動作する。
DIP/EI方式での質量分析測定を以下の通り実施する。プローブを50℃から250℃に5分間で加熱することによって、試料を蒸発させる。FINNIGAN(San Jose、カリフォルニア州、米国)TSQ 700タンデム四重極型質量分析計を用いて、EI(電子衝撃)スペクトルを記録する。このソース温度は150℃に設定する。
TSQ 700タンデム四重極型質量分析計(Finnigan MAT社、San Jose、カリフォルニア州、米国)によるGC/MS方式での質量分析測定を、スプリット/スプリットレスインジェクター及びJ&W Scientific社(Folsom、カリフォルニア州、米国)製DB−5MS溶融シリカカラム(15m×0.25mm内径、1μm)を備えたガスクロマトグラフモデル3400(Varian社、Walnut Creek、カリフォルニア州、米国)を用いて実施する。キャリアガスとしてヘリウム(純度99.999%)を使用する。インジェクター(CTC A200S オートサンプラー)及びトランスファーラインは、それぞれ290℃及び250℃で動作する。試料(1μl)をスプリットレス方式で注入し、オーブン温度を以下の通りプログラムする:50℃で5分間、280℃(23℃/分)に上昇させて10分間保持する。TSQ 700分光計を電子衝撃(EI)方式又は化学イオン化(CI/CH)方式(質量範囲33〜800、走査時間1.00秒)で動作する。ソース温度を150℃に設定する。
分取クロマトグラフ分離は、シリカゲル60 Merck、粒径15〜40μm、注文番号1.15111.9025で、Novasep軸方向圧縮カラム(80mm内径)を用いて、70と150ml/分の間の流量で実施する。シリカゲル及び溶媒混合物の量は、個々の手順に記載の通りである。
実施例では下記の略語を使用する。
AcOEt 酢酸エチル
AcOH 酢酸
DMF N、N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
NCS N−クロロスクシンイミド
(実施例1)
2−(4−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 9の合成
Figure 0004897679
1.1 2−(4−フルオロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 1の合成
60%NaHの油分散体(0.387、9.7ミリモル)を氷で冷却した4−フルオロインドール(1.007g、7.5ミリモル)の無水DMF(10ml)溶液に添加する。撹拌を室温で20分間続け、混合物を氷浴で再度冷却する。固体の2−ブロモアセトアミド(1.22g、9ミリモル)を分けて添加後、反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、次いで冷水中に注ぎ、AcOEtで3回抽出する。組み合わせた有機相をNaSOにより乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮する。この2−(4−フルオロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 1をそのものとして、次のステップで使用する。
MS(LC−MS、MH):193。
2−(4−クロロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 2(MS(LC−MS、MH):209/211)及び2−[4−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]アセトアミド 2aは、同様の方法により合成することができる。
1.2 2−(4−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 9の合成
過臭化臭化ピリジニウム(4.36g、13.74ミリモル)を、tert−ブタノール/HO(14ml/1ml)中の2−(5−フルオロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 1(1.32g、6.87ミリモル)の撹拌した溶液に、室温で0.5時間にわたり分割して添加する。この反応混合物を0.5時間撹拌し、次いで水中に注ぎ、AcOEtで希釈する。有機層を除いた後、水性相をAcOEtで2回抽出する。組み合わせた有機相をNaSOにより乾燥し、濃縮する。2−(3,3−ジブロモ−4−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 3が黄色固体として得られ、さらに精製することなく次のステップで直接使用する。
亜鉛粉末(4.46g、0.068モル)を、AcOH(20ml)中の粗製2−(3,3−ジブロモ−4−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 3(理論量:6.32ミリモル)の撹拌した溶液に0℃で添加する。1時間後、反応混合物をセライトパッドを通してろ過する。このろ液をAcOEt及び冷水で希釈する。pHを7に調整し、この層(複数)を分離する。水性相をAcOEtで再度抽出する。有機層をNaSOにより乾燥し、濃縮する。AcOEt中で結晶化することをいくつか試みたが失敗した。この粗製反応混合物を逆相HPLC(LC−MS、アセトニトリル/HO)によって精製する。2−(4−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 9が白色固体として得られる。
収率:0.072g(5.3%)。
MS(LC−MS、MH):209。
2−(4−クロロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 2(3.27g;15.67ミリモル)から2−(4−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 7(収率:21%;MS(LC−MS、MH):223/225)の合成に対して同様の実験手法を使用する;この反応で、2−(5−ブロモ−4−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 8が、副生成物として単離される(収率:15%:MS(LC−MS、MH):303/305)。
(実施例2)
2−(4,5−ジクロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 10の合成
2−(4−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 7(0.205g、0.9ミリモル)を90%HSO(1ml)に室温で溶解し、NCS(0.12g、0.9ミリモル)を撹拌しながら徐々に添加する。2時間後、混合物を冷水に注ぐ。この沈殿を回収し、水で数回、次いでEtOで洗浄する。この粗製反応混合物をシリカゲル(CHCl/EtOH/NHOH:94.5/5/0.5(体積/体積))によるカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−(4,5−ジクロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 10が白色固体として得られる。
収率:27mg(11%)。
MS(LC−MS、MH+):259/261。
(実施例3)
2−(5−クロロ−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 12の合成
Figure 0004897679
3.1 5−クロロ−3,3−ジフルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン 4の合成
5−クロロ−1H−インドール−2,3−ジオン(3.69g、0.020モル)を不活性雰囲気下でCHCl(200ml)に溶解する。(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオライド(8.3ml、0.063モル)を急速に添加する。この反応を室温で2時間撹拌する。MeOH(80ml)を0℃で添加し、撹拌を0.25時間続ける。次いで水を添加し、混合物をCHClで抽出する。組み合わせた有機相をNaSOにより乾燥し、真空中で濃縮する。得られた橙色固体をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc 75/25)によるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、5−クロロ−3,3−ジフルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン 4が黄色固体として得られる。
収率:2.56g(62%)。
H NMR(δ(400MHz)、DMSO−d):3.29(s、1H);6.97(ddd、1H)7.535(m、1H);7.79(dd、1H)。
3,3,5−トリフルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン 6は、同様の方法により合成することができる(H NMR(δ(400MHz)、DMSO−d):7.04(m、1H);7.39(m、1H);7.66(m、1H))。
3.2 2−(5−クロロ−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 12の合成
5−クロロ−3,3−ジフルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン 4(2.55g、12.5ミリモル)を窒素雰囲気下で無水DMF(20ml)に溶解する。この溶液を0℃に冷却し、NaH(0.547g、13.8ミリモル、60%分散体)を注意深く分けて添加する。窒素の放出が停止したとき、ブロモアセトアミド(2.05g、15.0ミリモル)を添加する。30分後、混合物を冷水中に注ぎ、固体をろ過して分け水で洗浄する。この粗製物質をアセトン/水中で直接再結晶させて、2−(5−クロロ−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド 12が桃色の固体として得られる。
収率:0.69g(21%)。
MS(GC−MS、M):260/262。
表1に記載の化合物は、前出の方法の1つに従って調製することができる。
Figure 0004897679
(実施例4)
薬理学的試験−ヘミパーキンソンラットモデル
本発明は、パーキンソン病のラットモデルにおいて、L−DOPAの作用が低下した場合に、その活性を延長させる活性化合物の使用に関連する本発明者らの調査に基づいている。
この調査は、ヘミパーキンソンラットモデルを用いて、本発明の化合物がL−DOPAの活性を延長するかどうかを調査するよう設計されている。
ラットに定位脳手術を用いて、6−ヒドロキシドーパミン(6−OHDA)、ドーパミン神経細胞への特異的毒素を黒質線条体経路(内側前脳束)に沿って直接与える。6−OHDAの取込みは、ドーパミン神経細胞の死を引き起こし、PD(略語「PD」はパーキンソン病を意味する)における障害と同様の障害をもたらす。ラットにおいては、脳の片側の神経細胞の破損は、大脳基底核における不均衡を生じさせて、ラットを破壊された側の方に円を画くように自然発生的に方向転換させる(同側性回転)。ドーパミンによって正常に標的にされた受容体部位を刺激する薬物(例えば、ドーパミンアゴニスト又はL−DOPA)は、ラットを破壊された側の反対方向に方向転換させる(対側性回転)。この対側性回転応答は、ドーパミン除神経性受容体過敏の行動の指標を提供する。
この調査は、16匹の雄のSprague−Dawleyラットについて実施する。この動物は、手術時では270g、行動の実験中は350gの平均体重を有している。上行性ドーパミン作動性黒質−線条体経路に障害を起こさせるために、ラットをケタミン(75mg/kg、腹腔内)及びキシラジン(10mg/kg、腹腔内)で麻酔し、定位固定フレーム中に入れる。6−OHDA(10μg/ラット)を右内側前脳束中に片側のみに注射する。
ノルアドレナリン作動性ニューロンを保護するために、ラットは予めイミプラミン(15mg/kg、腹腔内)で処理される。手術の2週間後、ラットをこの試験に対して選択するために、8台の同一の自動化されたロトメータを用いてL−DOPA100mg/kg(腹腔内)を投与する。60分内に少なくとも150回の対側性回転を示すラットのみをこの試験に受け入れる。この選択の1週間後に、試験を開始する。
試験日に、障害を受けたすべての動物を、順化のために試験室に15分間入れる。8匹のラットに、L−DOPAの注射の15分前にビヒクル(DMSO、腹腔内)か又は本発明の化合物(試験化合物:100μモル/kg、腹腔内)を注射し、ホームケージ内に収納する。L−DOPAの注射(50mg/kg、腹腔内)後、ラットを直接ロトメータに入れる。アリーナ中での10分間の順化期間後、対側性回転の記録を開始する。
120分間に記録されたデータについて分析を実施する。データを、群間要因として処理(処理:2レベル:ビヒクル及び試験化合物)を、及び被験物内要因として、次に続く対側性回転の12の測定値(時間、12レベル)を取り込んだ混合モデル分散分析法(ANOVA)で分析した。時間標本内の平均差間の信頼度を、F統計を用いて計画対比で評価した。
本発明の化合物の主要な利益は、副作用が高まることなしに(異常な不随意運動は増大しなかった)、薬物投与後の第2の時間中のL−DOPA誘発性対側性回転の延長である。
したがって、本発明の化合物に関する臨床的な利益は、補助的療法として、運動症状変動(即ち、「投与間終盤の薬効切れ」)を減少させ、これによってドーパミン補充療法を受けているパーキンソン患者における「オン時間」を延長させることである。さらに、「オン時間」の延長及びL−DOPAを控えることの可能性は、ジスキネジーの発症を遅延させるための有用な新規の療法である。

Claims (12)

  1. 式Iの化合物
    Figure 0004897679
    [式中、
    Xは、CH又はCFであり、
    は、水素又は少なくとも1つのヒドロキシによって任意選択で置換されたC1〜4アルキルから選択され、
    は、水素又は少なくとも1つのヒドロキシによって任意選択で置換されたC1〜4アルキルから選択され、
    は、水素又は非置換C1〜4アルキルから選択され、
    3aは、水素又は非置換C1〜4アルキルから選択され、
    は、水素;ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシから選択され、
    は、水素;ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシから選択され、
    は、水素;ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシから選択され、
    は、水素;ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシから選択され、
    但し、XがCHの場合は、Rは水素とは異なる]、
    或いは、薬剤として許容されるこれらの塩又はこれらの立体異性体。
  2. XがCHであり、かつ、Rが、ハロゲン;ハロゲン及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルキル;又はハロゲン、C1〜4アルコキシ及びフェニル基から独立して選択される少なくとも1つの基によって任意選択で置換されたC1〜4アルコキシである、請求項1に記載の化合物。
  3. XがCFである、請求項1に記載の化合物。
  4. Xが、CH又はCFであり、
    が、水素又は非置換C1〜4アルキルから選択され、
    が、水素又は非置換C1〜4アルキルから選択され、
    が、水素又は非置換C1〜4アルキルから選択され、
    3aが、水素又は非置換C1〜4アルキルから選択され、
    が、水素;ハロゲン;非置換C1〜4アルキル;又は非置換C1〜4アルコキシから選択され、
    が、水素;ハロゲン;非置換C1〜4アルキル;又は非置換C1〜4アルコキシから選択され、
    が、水素;ハロゲン;非置換C1〜4アルキル;又は非置換C1〜4アルコキシから選択され、
    が、水素;ハロゲン;非置換C1〜4アルキル;トリフルオロメチル;又は非置換C1〜4アルコキシから選択される、請求項1に記載の化合物。
  5. Xが、CH又はCFであり、R、R、R、R3a、R及びRが水素であり、Rが、水素、メチル、臭素、塩素又はフッ素であり、かつRが、水素、塩素、フッ素又はトリフルオロメチルである、請求項1又は4に記載の化合物。
  6. Xが、CHであり、R、R、R、R3a、R及びRが水素であり、Rが水素、塩素又は臭素であり、かつRが塩素又はフッ素である、請求項1、2又は4に記載の化合物。
  7. XがCHであり、R、R、R、R3a、R及びRが水素であり、Rが水素であり、かつRがフッ素である、請求項1、2又は4に記載の化合物。
  8. XがCFであり、R、R、R、R3a、R及びRが水素であり、Rが塩素又はフッ素であり、かつRが水素である、請求項1、3又は4に記載の化合物。
  9. 2−(4−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
    2−(5−ブロモ−4−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
    2−(4−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
    2−(4,5−ジクロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
    2−(3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
    2−(5−クロロ−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
    2−(5−ブロモ−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
    2−(3,3−ジフルオロ−5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
    2−(3,3,5−トリフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;及び
    2−[2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]アセトアミド;
    から選択される化合物、或いは、薬剤として許容されるこれらの塩又はこれらの立体異性体。
  10. 2−(4−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
    2−(4−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
    2−(5−クロロ−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;及び
    2−(5−ブロモ−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;
    から選択される化合物、或いは、薬剤として許容されるこれらの塩又はこれらの立体異性体。
  11. 化合物2−(4−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド、或いは、薬剤として許容されるこれらの塩又はこれらの立体異性体。
  12. 薬剤として使用するための、請求項1から11までのいずれかに記載の式Iの化合物、或いは、薬剤として許容されるこれらの塩又はこれらの立体異性体。
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