プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:以下、「PDP」という)は、デジタルビデオデータによって各画素のそれぞれのガス放電期間を調節することにより、画像を表示する。かかるPDPの代表的なものとしては、図1に示したような3電極を備えて交流電圧によって駆動される交流型PDPが知られている。
図1を参照すると、3電極交流面放電型PDPの放電セルは、上部基板10上に形成された走査電極28Yおよび維持電極29Zと、下部基板18上に形成されたアドレス電極20Xと、を備える。
走査電極28Yおよび維持電極29Zのそれぞれは、透明電極12Y、12Zと、透明電極12Y、12Zの線幅より小さな線幅を有し、透明電極の一側縁に形成される金属バス電極13Y、13Zと、を含む。透明電極12Y、12Zは、通常インジウムスズ酸化物(Indium-Tin-Oxide:以下、「ITO」という)で上部基板10上に形成される。金属バス電極13Y、13Zは、通常クロム(Cr)などの金属によって透明電極12Y、12Z上に形成され、高抵抗の透明電極12Y、12Zによる電圧降下を抑制する。走査電極28Yと維持電極29Zとが形成された上部基板10には、上部誘電体層14および保護膜16が積層される。上部誘電体層14にはプラズマ放電時に発生した壁電荷が蓄積される。保護膜16は、プラズマ放電時に発生したスパッタリングによる上部誘電体層14の損傷を防止すると共に2次電子の放出效率を高める。保護膜16としては、通常、酸化マグネシウム(MgO)が用いられる。
アドレス電極20Xは、走査電極28Yおよび維持電極29Zと交差する方向に形成される。アドレス電極20Xの形成された下部基板18上には、下部誘電体層22と隔壁24とが形成され、該下部誘電体層22および隔壁24の表面には、蛍光体層26が形成される。隔壁24はアドレス電極Xに並んで形成され、放電セルを物理的に区分し、放電によって生成された紫外線および可視光が隣接した放電セルに漏洩することを防止する。蛍光体層26はプラズマ放電時に発生した紫外線によって励起・発光され、赤色、緑色または青色のいずれか一つの可視光線を発生するようになる。上/下部基板10、18と隔壁24との間に設けられた放電セルの放電空間には、放電のためのHe+Xe、Ne+XeおよびHe+Ne+Xeなどの不活性混合ガスが注入される。
このように駆動される交流面放電型PDPのアドレス放電およびサステイン放電には、数百V以上の高圧が必要となる。したがって、アドレス放電およびサステイン放電に必要な駆動電力を最小化するためにエネルギー回収装置が用いられる。エネルギー回収装置は放電セルに印加された電圧を回収し、該回収された電圧を次回の放電時の駆動電圧として用いる。
図2は、従来PDPのエネルギー回収装置を示す図である。
図2を参照すると、従来のエネルギー回収装置30,32は、パネルキャパシタCpを挟んで互いに対称的に設けられている。ここで、パネルキャパシタCpは、走査電極Yと維持電極Zとの間に形成される静電容量を等価的に表したものである。第1エネルギー回収装置30は走査電極Yにサステインパルスを供給する。第2エネルギー回収装置32は、第1エネルギー回収装置30と交互に動作しながら維持電極Zにサステインパルスを供給する。
従来のPDPのエネルギー回収装置30、32の構成を、第1エネルギー回収装置30を参照して説明する。第1エネルギー回収装置30は、パネルキャパシタCpとソースキャパシタCsとの間に接続されたインダクタLと、ソースキャパシタCsとインダクタLとの間に並列に接続された第1および第3スイッチS1、S3と、パネルキャパシタCpとインダクタLとの間に並列に接続された第2および第4スイッチS2、S4と、を備える。
第2スイッチS2はサステイン電圧源Vsに接続され、第4スイッチS4は基底電圧源GNDに接続される。ソースキャパシタCsは、サステイン放電時にパネルキャパシタCpに充電される電圧を回収して充電すると共に、充電された電圧をパネルキャパシタCpに再供給する。このようなソースキャパシタCsにはサステイン電圧源Vsの半分値にあたるVs/2の電圧が充電される。インダクタLはパネルキャパシタCpとともに共振回路を形成する。第1〜第4スイッチS1〜S4は電流の流れを制御する。
第1および第2スイッチS1、S2とインダクタLとの間にそれぞれ設けられた第5および第6ダイオードD5、D6は、電流が逆方向に流れることを防止する。
図3は、第1エネルギー回収装置の各スイッチのオン/オフタイミングとパネルキャパシタの出力波形とを示すタイミング図および波形図である。
T1期間の以前にパネルキャパシタCpには0Vの電圧が充電されると共に、ソースキャパシタCsにはVs/2の電圧が充電されていると仮定し、その動作過程を詳しく説明する。
T1期間では、第1スイッチS1がターンオン(Turn-on)されてソースキャパシタCsから第1スイッチS1、インダクタLおよびパネルキャパシタCpに繋がる電流パスが形成される。電流パスが形成されると、ソースキャパシタCsに充電された電圧がパネルキャパシタCpに供給される。このとき、インダクタLとパネルキャパシタCpとが直列共振回路を形成するので、パネルキャパシタCpにはVs電圧が充電される。
T2期間では、第1スイッチS1がターンオンされると共に第2スィッチS2がターンオンされる。第2スイッチS2がターンオンされると、サステイン電圧源Vsの電圧が走査電極Yに供給される。走査電極Yに供給されるサステイン電圧源Vsの電圧は、パネルキャパシタCpの電圧がサステイン電圧源Vs以下に落ちることを防止し、サステイン放電が正常に起こるようにする。一方、パネルキャパシタCpの電圧はT1期間中にVsまで上昇したので、サステイン放電を起こすために外部から供給される駆動電力は最小化される。
T3期間では、第2スイッチS2のターンオン状態を所定時間維持する。したがって、T3の期間中に走査電極Yにはサステイン電圧源Vsの電圧が供給される。
T4期間では、第2スイッチS2がターンオフされると共に第3スイッチS3がターンオンされる。第3スイッチS3がターンオンされると、パネルキャパシタCpからインダクタLおよび第3スイッチS3を介してソースキャパシタCsに繋がる電流パスが形成され、パネルキャパシタCpに充電された電圧がソースキャパシタCsに回収される。このとき、ソースキャパシタCsにはVs/2の電圧が充電される。
T5期間では、第3スイッチS3がターンオフされると共に第4スイッチS4がターンオンされる。第4スイッチS4がターンオンされると、パネルキャパシタCpと基底電圧源GNDとの間に電流パスが形成され、パネルキャパシタCpの電圧が0Vに降下する。T6期間では、T5状態を一定の時間維持する。実際に、走査電極Yおよび維持電極Zに供給される交流駆動パルスは、T1〜T6期間が周期的に繰り返されながら得られる。
一方、第2エネルギー回収装置32は、第1エネルギー回収装置30と交互に動作しながらパネルキャパシタCpに駆動電圧を供給するようになる。したがって、パネルキャパシタCpには交互にサステインパルス電圧Vsが供給されるようになる。このように、パネルキャパシタCpに交互にサステインパルス電圧Vsが供給されることにより、各放電セルにおいてサステイン放電が起こるようになる。
一方、このような従来のエネルギー回収装置は、LC共振を用いてパネルキャパシタCpに電圧を供給するので、パネルキャパシタCpに供給される波形は上昇及び降下時に正弦波形を示す。したがって、パネルキャパシタCpに供給される波形は、図4のようにサステイン電圧Vsに達する直前にその勾配が減少する。言い換えれば、エネルギー回収装置30、32から供給されるパルスは高い勾配で上昇するが、サステイン電圧Vsに達する直前にその勾配が減少する。このようにパネルキャパシタCpに供給されるパルスの勾配がサステイン電圧Vsに達する直前に減少すると、弱いサステイン放電が行われ十分な輝度を表現できなくなる。
また、サステイン電圧Vsに達する直前にその勾配が減少するパルスがパネルキャパシタCpに印加される場合、パネルキャパシタCpで誤放電(miswriting)が起きてしまう恐れがある(パネルキャパシタCp内に少量の荷電粒子が含まれた場合)。また、パネルキャパシタCpに多量のプライミング荷電粒子が含まれている場合、パルスの勾配が徐々に上昇する期間にサステイン放電が発生する可能性がある。ここで、パルスがサステイン電圧Vsに上昇する期間(低い勾配で上昇する期間)中にサステイン放電が発生すると、すなわちパネルキャパシタCpにサステイン電圧Vsが供給される前に放電が発生すると、壁電荷が充分に形成されなくてサステイン放電が消滅してしまう場合が発生する。
一方、このような問題点を乗り越えるために図5のような駆動波形をパネルキャパシタCpに印加する方法がよく使用されている。すなわち、図5のようにLC共振によってパネルキャパシタCpに所定電圧が供給された後、第2スィッチS2を強制ターンオンさせることにより、パネルキャパシタCpにVsの電圧を強制印加する。このようにパネルキャパシタCpの電圧がVsに達する前に第2スィッチS2をターンオンさせると、パネルキャパシタCpの電圧が急激にVsに上昇するので、正弦波を供給することで発生する問題点を解決することができる。しかし、このように第2スィッチS2を強制ターンオンすれば追加的に電圧損失が発生して效率が低下する。
本発明は、かかる従来の問題点を解決するためのもので、その目的は、效率の低下なしに安定したサステイン放電を可能にしたエネルギー回収装置及び方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、電圧の変化量から生じるノイズによる效率の減少及び誤動作を防止し得るようにしたプラズマディスプレイのエネルギー回収装置及び方法を提供することにある。
本発明の第1実施形態に係るプラズマディスプレイパネルのエネルギー回収装置は、サステイン電圧を共振させて前記サステイン電圧の2倍の電圧まで上昇する電圧を発生させる共振回路と、前記共振回路で生成される電圧が前記サステイン電圧を超えないように制限するダイオードと、前記ダイオードの制御下に前記共振回路から前記サステイン電圧を供給されるパネルと、を備えることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記共振回路に接続されると共に前記サステイン電圧が保存されるソースキャパシタと、前記ソースキャパシタに並列に接続されるサステイン電圧源と、をさらに含むことを特徴とする。
前記共振回路は、前記パネルにマトリックス状に配置される放電セルに等価的に形成されるパネルキャパシタと、前記パネルキャパシタと前記ソースキャパシタとの間に接続されるインダクタと、を備えることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記ソースキャパシタと前記インダクタの一側との間に設置され、前記ソースキャパシタの充電された前記サステイン電圧が前記インダクタに供給されるときにターンオンされる第1スィッチと、前記ソースキャパシタと前記インダクタの他側との間に設置され、前記パネルに前記サステイン電圧が供給されるときにターンオンされる第2スィッチと、基底電圧源と前記インダクタの一側との間に設置され、前記パネルに充電された電圧が放電するときにターンオンされる第3スィッチと、前記基底電圧源と前記インダクタの他側との間に設置され、前記パネルに前記基底電圧源の電圧が供給されるときにターンオンされる第4スィッチと、をさらに備えることを特徴とする。
前記ダイオードは前記第2スィッチの内部ダイオードであることを特徴とする。
前記第1スィッチがターンオンされると、前記インダクタにエネルギーが充電され、前記第1スィッチがターンオフされたとき、前記インダクタの充電されたエネルギーは、前記ダイオード及び第2スィッチのうち少なくとも一つ以上を経由して前記ソースキャパシタに供給されることを特徴とする。
前記第3スィッチがターンオンされると、パネルに充電された電圧は、前記インダクタを経由して正弦波的に降下しながら前記基底電圧源に供給されることを特徴とする。
前記第3スィッチがターンオンされたとき、前記インダクタに充電されたエネルギーは、前記第3スィッチがターンオフされた後に前記第1スィッチの内部ダイオードを経由して前記ソースキャパシタに供給されることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記共振回路に接続されると共に前記サステイン電圧の半分にあたる電圧値を持つ基準電圧源と、前記基準電圧源と基底電圧源との間に設置され、前記サステイン電圧の半分にあたる電圧が充電されるソースキャパシタと、を備えることを特徴とする。
前記共振回路は、前記パネルにマトリックス状に配置される放電セルに等価的に形成されるパネルキャパシタと、前記ソースキャパシタ及び基準電圧源の間の共通端子と前記パネルキャパシタとの間に接続されるインダクタと、を備えることを特徴とする。
前記基準電圧源の電圧値と前記ソースキャパシタの電圧値とが加算されて生成される前記サステイン電圧が、前記共振回路に供給されることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記基準電圧源と前記インダクタの一側との間に設置され、前記サステイン電圧が前記インダクタに供給されるときにターンオンされる第1スィッチと、前記基準電圧源と前記インダクタの他側との間に設置され、前記サステイン電圧が前記パネルに供給されるときにターンオンされる第2スィッチと、前記ソースキャパシタと前記インダクタの一側との間に設置され、前記パネルに充電された電圧が前記ソースキャパシタに回収されるときにターンオンされる第3スィッチと、前記基底電圧源と前記インダクタの他側との間に設置され、前記パネルに前記基底電圧源の電圧が供給されるときにターンオンされる第4スィッチと、をさらに備えることを特徴とする。
前記ダイオードは前記第2スィッチの内部ダイオードであることを特徴とする。
前記第3スィッチがターンオンされると、パネルに充電された電圧は、前記インダクタを経由して正弦波的に降下しながら前記ソースキャパシタに供給されることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記第1スィッチと前記インダクタとの間に逆電流を防止するために設置される第1ダイオードと、前記第2スィッチと前記インダクタとの間に逆電流を防止するために設置される第2ダイオードと、前記第1ダイオード、第2ダイオード及びインダクタの共通端子と前記基底電圧源との間に設置され、前記第1ダイオード、第2ダイオード及びインダクタの共通端子の電圧を前記基底電圧以上に維持するための第3ダイオードと、前記第1ダイオード、第2ダイオード及びインダクタの共通端子と前記基準電圧源との間に設置され、前記第1ダイオード、第2ダイオード及びインダクタの共通端子の電圧を前記サステイン電圧以下に維持するための第4ダイオードと、をさらに備えることを特徴とする。
本発明の第1実施形態に係るプラズマディスプレイパネルのエネルギー回収方法は、サステイン電圧を共振させて前記サステイン電圧の2倍の電圧まで上昇する電圧を発生する第1段階と、前記第1段階で生成される電圧が、前記サステイン電圧を超えないように制御されながら、放電セルに等価的に形成されたパネルキャパシタに供給される第2段階と、を含むことを特徴とする。
前記エネルギー回収方法は、前記パネルキャパシタの電圧を前記サステイン電圧で維持させる第3段階と、前記パネルキャパシタに充電された電圧が正弦波的に降下できるようにインダクタを経由して放電させる第4段階と、をさらに含むことを特徴とする。
前記第2段階では、前記サステイン電圧の2倍の電圧まで上昇する電圧を発生させる共振回路とサステイン電圧源との間に形成されたダイオードを利用して、前記第1段階で生成される電圧が前記サステイン電圧を超えないように制御することを特徴とする。
本発明の第2実施形態に係るプラズマディスプレイパネルのエネルギー回収装置は、正極性の第1電圧と負極性の第2電圧とを供給してサステイン放電を起こすためのプラズマディスプレイパネルのエネルギー回収装置において、前記第1電圧を共振させて前記第1電圧の2倍の電圧まで上昇する電圧を発生させる共振回路と、前記共振回路で生成される電圧が前記第1電圧を超えないように制限するダイオードと、前記ダイオードの制御下に前記共振回路から前記第1電圧を供給されて前記第2電圧から前記第1電圧に上昇するパネルと、を備えることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記共振回路に前記第1電圧を供給すると共に、負極性端子が基底電圧源に接続される基準電圧源と、前記基準電圧源の負極性端子に正極性端子が接続されると共に、前記パネルに充電された第1電圧を回収して充電することで前記第2電圧を生成するソースキャパシタと、をさらに備えることを特徴とする。
前記第1電圧及び第2電圧は同一の絶対値の電圧値に設定されることを特徴とする。
前記共振回路は、前記パネルにマトリックス状に配置される放電セルに等価的に形成されるパネルキャパシタと、前記パネルキャパシタと前記基準電圧源との間に接続されるインダクタと、を備えることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記基準電圧源と前記インダクタの一側との間に設置され、前記第1電圧が前記インダクタに供給されるときにターンオンされる第1スィッチと、前記基準電圧源と前記インダクタの他側との間に設置され、前記パネルに前記第1電圧が供給されるときにターンオンされる第2スィッチと、前記ソースキャパシタの正極性端子と前記インダクタの一側との間に設置され、前記パネルに充電された電圧が前記ソースキャパシタに供給されるときにターンオンされる第3スィッチと、前記ソースキャパシタの負極性端子と前記インダクタの他側との間に設置され、前記パネルに前記第2電圧が供給されるときにターンオンされる第4スィッチと、をさらに備えることを特徴とする。
前記ダイオードは前記第2スィッチの内部ダイオードであることを特徴とする。
前記第3スィッチがターンオンされると、パネルに充電された電圧は、前記インダクタを経由して正弦波的に降下しながら前記ソースキャパシタに供給されることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記第1スィッチと前記インダクタとの間に逆電流を防止するために設置される第1ダイオードと、前記第2スィッチと前記インダクタとの間に逆電流を防止するために設置される第2ダイオードと、前記第1スィッチ及び前記第1ダイオードの共通端子と前記ソースキャパシタの負極性端子との間に設置され、前記第1スィッチ及び前記第1ダイオードの共通端子の電圧が前記第2電圧以下に降下することを防止するための第3ダイオードと、前記インダクタ及び前記第1ダイオードの共通端子と前記基準電圧源との間に設置され、前記インダクタ及び前記第1ダイオードの共通端子の電圧が前記第1電圧以上に上昇することを防止するための第4ダイオードと、をさらに備えることを特徴とする。
本発明の第2実施形態に係るエネルギー回収方法は、正極性の第1電圧と負極性の第2電圧とを供給してサステイン放電を起こすためのプラズマディスプレイパネルのエネルギー回収方法において、前記第1電圧を共振させて前記第1電圧の2倍の電圧まで上昇する電圧を発生させる段階と、前記共振した電圧が前記第1電圧を超えないように制御する段階と、前記共振した電圧が前記パネルに供給されて前記パネルの電圧を前記第2電圧から前記第1電圧まで上昇させる段階と、を含むことを特徴とする。
前記エネルギー回収方法は、前記パネルの電圧が前記第1電圧まで上昇した後に前記第1電圧を維持させる段階と、前記パネルの電圧が前記正弦波的に降下し得るように、インダクタを経由して前記パネルの電圧を第2電圧まで降下させる段階と、を含むことを特徴とする。
前記第1電圧及び第2電圧は同一の絶対値の電圧値に設定されることを特徴とする。
本発明の第3実施形態に係るプラズマディスプレイパネルのエネルギー回収装置は、パネルに接続され、サステイン電圧より高い電圧が供給される第1パスと、前記第1パスに接続され、前記第1パス上の電圧が前記サステイン電圧に達するときに前記第1パス上の電圧を前記サステイン電圧にクリップする第2パスと、前記パネルに供給された前記サステイン電圧を基底電圧源に放電させる第3パスと、前記第1パスを介して前記パネルに供給される電圧が前記第3パスに供給されることを遮断する第1遮断素子と、前記第3パスを介して前記パネルから放電する電圧が前記第1パスに供給されることを遮断する第2遮断素子と、を備えることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記パネルにマトリックス状に配置される放電セルに等価的に形成されるパネルキャパシタと、前記サステイン電圧を発生するサステイン電圧源と、前記サステイン電圧源からの前記サステイン電圧が供給されると共に、前記第2パスを介して供給される前記電圧が保存されるソースキャパシタと、をさらに備えることを特徴とする。
前記第1パスは、前記ソースキャパシタに接続された第1ノードと、前記第1ノードと前記パネルキャパシタとの間に接続されるインダクタと、前記第1ノードと前記インダクタとの間に接続され、前記ソースキャパシタと前記インダクタとの間のパスを形成する第1スィッチと、を備えることを特徴とする。
前記第2パスは、前記インダクタと前記パネルキャパシタとの間のノードと前記第1ノードとの間に接続される第2スィッチと、前記インダクタと前記第1スィッチとの間の第2ノードと前記基底電圧源との間に接続される第1ダイオードと、を備えることを特徴とする。
前記第1ダイオードは前記第2ノード上の電圧が基底電圧以下に降下することを防止することを特徴とする。
前記第2スィッチは前記第1パス上の電圧を前記サステイン電圧にクリップする第2ダイオードを備えることを特徴とする。
前記第3パスは、前記第2ノードと前記基底電圧源との間に接続された第3スィッチを備えることを特徴とする。
第1遮断素子は、前記第1スィッチと前記第1ノードとの間に接続される第1補助スィッチであることを特徴とする。
第2遮断素子は、前記第3スィッチと前記基底電圧源との間に接続される第2補助スィッチであることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記パネルに前記基底電圧源からの基底電圧を供給する第4パスをさらに備えることを特徴とする。
前記第4パスは、前記パネルキャパシタと前記インダクタとの間のノードと前記基底電圧源との間に接続される第4スィッチを備えることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記第1スィッチと前記第2ノードとの間の逆電流を防止する第3ダイオードと、前記第2ノードと前記第3スィッチとの間の逆電流を防止する第4ダイオードと、前記第2ノードと前記第1ノードとの間に接続され、前記第2ノード上の電圧が前記サステイン電圧以上に上昇することを防止する第5ダイオードと、をさらに備えることを特徴とする。
本発明の第3実施形態に係るプラズマディスプレイパネルのエネルギー回収方法は、パネルに接続され、サステイン電圧より高い電圧が供給される第1パスを形成する段階と、前記第1パスに接続される第2パスを形成して前記第1パス上の電圧が前記サステイン電圧に逹するときに前記第1パス上の電圧を前記サステイン電圧にクリップする段階と、前記パネルに供給された前記サステイン電圧を基底電圧源に放電させる第3パスを形成する段階と、前記第1パスを介して前記パネルに供給される電圧が前記第3パスに供給されることを遮断する段階と、前記第3パスを介して前記パネルから放電する電圧が前記第1パスに供給されることを遮断する段階と、を含むことを特徴とする。
前記エネルギー回収方法は、前記パネルにマトリックス状に配置される放電セルに等価的に形成されるパネルキャパシタの電圧を前記サステイン電圧で維持させる段階をさらに含むことを特徴とする。
前記クリップする段階は、前記第1パス上のインダクタと前記パネルキャパシタとの間のノードに接続されたダイオードを利用して、前記第1パス上の電圧が前記サステイン電圧に逹するときに前記第1パス上の電圧をソースキャパシタに保存して前記第1パス上の電圧を前記サステイン電圧で維持させることを特徴とする。
前記第3パスを形成する段階は、前記パネルキャパシタに充電された電圧が正弦波的に降下するように、前記インダクタを経由して前記パネルキャパシタに充電された電圧を前記基底電圧源に放電させることを特徴とする。
本発明の第4実施形態に係るプラズマディスプレイパネルのエネルギー回収装置は、パネルに接続され、サステイン電圧より高い電圧が供給される第1パスと、前記第1パスに接続され、前記第1パス上の電圧が前記サステイン電圧に逹するときに前記第1パス上の電圧を前記サステイン電圧にクリップする第2パスと、前記パネルに供給された前記サステイン電圧を第1ソースキャパシタに保存する第3パスと、前記第1パスを介して前記パネルに供給される電圧が前記第3パスに供給されることを遮断する第1遮断素子と、前記第3パスを介して前記パネルから放電する電圧が前記第1パスに供給されることを遮断する第2遮断素子と、を備えることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記パネルにマトリックス状に配置される放電セルに等価的に形成されるパネルキャパシタと、前記サステイン電圧より低い電圧を発生するサステイン電圧源と、前記サステイン電圧源に並列に接続されると共に前記第1ソースキャパシタに接続される第2ソースキャパシタと、をさらに備えることを特徴とする。
前記第1パスは、前記第2ソースキャパシタに接続された第2ノードと前記パネルキャパシタとの間に接続されるインダクタと、前記第2ノードと前記インダクタとの間に接続され、前記第2ノードと前記インダクタとの間のパスを形成する第1スィッチと、を備えることを特徴とする。
前記第2パスは、前記インダクタと前記パネルキャパシタとの間のノードと前記第2ノードとの間に接続される第2スィッチと、前記インダクタと前記第1スィッチとの間の第3ノードと前記基底電圧源との間に接続される第1ダイオードと、を備えることを特徴とする。
前記第1ダイオードは前記第3ノード上の電圧が基底電圧以下に降下することを防止することを特徴とする。
前記第2スィッチは、前記第1パス上の電圧を前記サステイン電圧にクリップする第2ダイオードを備えることを特徴とする。
前記第3パスは、前記第3ノードと前記第1ソースキャパシタとの間に接続された第3スィッチを備えることを特徴とする。
前記第1遮断素子は、前記第1スィッチと前記第2ノードとの間に接続される第1補助スィッチであることを特徴とする。
前記第2遮断素子は、前記第3スィッチと前記第1ソースキャパシタとの間に接続される第2補助スィッチであることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記パネルに、前記基底電圧源からの基底電圧を供給する第4パスをさらに備えることを特徴とする。
前記第4パスは、前記パネルキャパシタと前記インダクタとの間のノードと前記基底電圧源との間に接続される第4スィッチを備えることを特徴とする。
前記エネルギー回収装置は、前記第1スィッチと前記第3ノードとの間の逆電流を防止する第3ダイオードと、前記第3ノードと前記第3スィッチとの間の逆電流を防止する第4ダイオードと、前記第3ノードと前記第2ノードとの間に接続され、前記第3ノード上の電圧が前記サステイン電圧以上に上昇することを防止する第5ダイオードと、をさらに備えることを特徴とする。
本発明の第4実施形態に係るプラズマディスプレイパネルのエネルギー回収方法は、パネルに接続され、サステイン電圧より高い電圧が供給される第1パスを形成する段階と、前記第1パスに接続される第2パスを形成し、前記第1パス上の電圧が前記サステイン電圧に逹するときに前記第1パス上の電圧を前記サステイン電圧にクリップする段階と、前記パネルに供給された前記サステイン電圧を第1ソースキャパシタに保存する第3パスを形成する段階と、前記第1パスを介して前記パネルに供給される電圧が前記第3パスに供給されることを遮断する段階と、前記第3パスを介して前記パネルから放電する電圧が前記第1パスに供給されることを遮断する段階と、を含むことを特徴とする。
前記エネルギー回収方法は、前記パネルにマトリックス状に配置される放電セルに等価的に形成されるパネルキャパシタの電圧を前記サステイン電圧で維持させる段階をさらに含むことを特徴とする。
前記クリップする段階は、前記第1パス上のインダクタと前記パネルキャパシタとの間のノードに接続されたダイオードを利用して、前記第1パス上の電圧が前記サステイン電圧に逹するときに前記第1パス上の電圧を第1ソースキャパシタに接続された第2ソースキャパシタに保存して前記第1パス上の電圧を前記サステイン電圧で維持させることを特徴とする。
前記第3パスを形成する段階は、前記パネルキャパシタに充電された電圧が正弦波的に降下するように、前記インダクタを経由して前記パネルキャパシタに充電された電圧を前記第1ソースキャパシタに保存する段階を含むことを特徴とする。
本発明のエネルギー回収装置及び方法によれば、效率の低下なしに安定したサステイン放電が可能になり、電圧の変化量によるノイズによる效率の減少及び誤動作を防止することができる。
<第1実施形態>
以下、添付図を参照して本発明の第1実施形態を具体的に説明する。
図6は、本発明の第1実施形態に係るエネルギー回収装置を示す図である。図6ではパネルキャパシタCpの一側(例えば、走査電極Y側)に形成されたエネルギー回収装置のみを示した。実際には、パネルキャパシタCpの他側にも同一の形態のエネルギー回収装置が設置されている。
図6を参照すると、本発明の第1実施形態に係るエネルギー回収装置は、サステイン電圧源Vsと、サステイン電圧源Vsに並列に接続されるソースキャパシタCsと、放電セルに等価的に形成されるパネルキャパシタCpと、ソースキャパシタCsとパネルキャパシタCpとの間に設置されるインダクタLと、インダクタLとパネルキャパシタCpとの間に並列に接続される第2及び第4スィッチS2、S4と、インダクタLとソースキャパシタCsとの間に並列に接続される第1及び第3スィッチS1、S3と、を備える。
第1及び第2スィッチS1、S2はサステイン電圧源Vs(すなわち、ソースキャパシタCs)に接続され、第3及び第4スィッチS3、S4は基底電圧源GNDに接続される。ソースキャパシタCsにはサステイン電圧Vsが充電される。インダクタLはパネルキャパシタCpとともに共振回路を形成する。第1〜第4スィッチS1〜S4がターンオンまたはターンオフされると共に、パネルキャパシタCpにサステイン電圧Vsが供給される。このような第1〜第4スィッチS1〜S4のそれぞれには電流の流れを制御するための内部ダイオードD1〜D4が設置される。
図7は、図6に示したエネルギー回収装置の各スィッチのオン/オフタイミングを示す図である。
T1期間の以前にパネルキャパシタCpには0Vの電圧が充電されると共に、ソースキャパシタCsにはVsの電圧が充電されていると仮定し、その動作過程を詳しく説明する。
T1期間では、第1スィッチS1がターンオンされる。第1スィッチS1がターンオンされると、ソースキャパシタCsに充電されたサステイン電圧Vsが第1スィッチS1及びインダクタLを経由してパネルキャパシタCpに供給される(インダクタLに所定のエネルギーが充電)。このとき、インダクタLはパネルキャパシタCpとともに直列共振回路を形成する。したがって、パネルキャパシタCpに印加される電圧は図8の点線のように2Vsの電圧まで上昇することができる。しかし、実際にパネルキャパシタCpに印加される電圧は第2スィッチS2の内部ダイオードD2によってサステイン電圧Vsに制限される(ここで、第1スィッチのターンオフ時点は、パネルキャパシタCpに所望の電圧が充電されたときとすることができる)。
言い換えれば、第2スィッチS2の内部ダイオードD2によってパネルキャパシタCpに供給される電圧は、サステイン電圧Vsを超えないように制御される。
一方、T1期間中にパネルキャパシタCpに供給される電圧は、共振によって急激に上昇する。すなわち、パネルキャパシタCpに印加される電圧は共振によってサステイン電圧Vsまで急激な勾配(すなわち、サステイン電圧Vsに達する直前にその勾配は減少しない)で上昇し、これにより本発明では安定したサステイン放電を行うことができる。
T2期間では、第1スィッチS1がターンオフされると共に第2スィッチS2がターンオンされる。第2スィッチS2がターンオンされると、パネルキャパシタCpの電圧がサステイン電圧Vsを維持する。
一方、第1スィッチS1がターンオフされると、T1期間中にインダクタLに充電されたエネルギーの極性が反転する。言い換えれば、第1スィッチS1がターンオフされると、インダクタLには図9のような逆電圧が誘起される。そして、インダクタLに誘起された逆電圧(逆エネルギー)は、第2スィッチS2の内部ダイオードD2を経由してソースキャパシタCsに回収される。
T3期間では、第2スィッチS2がターンオフされると共に第3スィッチS3がターンオンされる。第3スィッチS3がターンオンされると、パネルキャパシタCpに充電された電圧がインダクタLを経由して基底電圧源GNDに供給される(このとき、インダクタLに所定のエネルギーが充電される)。ここで、パネルキャパシタCpの電圧がインダクタLを経由して基底電圧源GNDに供給されるので、パネルキャパシタCpの電位は図8のように正弦波的に降下する。言い換えれば、T3期間中にパネルキャパシタCpの電位は急激に降下せず正弦波的に(すなわち、降下開始点と降下終了点で勾配が減少)徐々に降下する。このように、パネルキャパシタCpの電位が正弦波的に降下するとEMIの低減が可能になる。
T4期間では、第3スィッチS3がターンオフされる。すなわち、T4期間では、第1〜第4スィッチS1〜S4のすべてがターンオフ状態を維持する。第3スィッチS3がターンオフされると、T3期間中にインダクタLに充電されたエネルギーの極性が反転する。言い換えれば、第3スィッチS3がターンオフされると、インダクタLには図10のような逆電圧が誘起される。ここで、インダクタLに誘起された逆エネルギーは第1スィッチS1の内部ダイオードを経由してソースキャパシタCsに回収される。
T5期間では、第4スィッチS4がターンオンされる。第4スィッチS4がターンオンされると、パネルキャパシタCpに基底電圧GNDが供給される。すなわち、T5期間中にパネルキャパシタCpは基底電位GNDを維持する。実際に、本発明の第1実施形態に係るエネルギー回収装置は、T1〜T5の期間を周期的に繰り返しながらサステインパルスをパネルキャパシタCpに供給する。
図11は、本発明の第1実施形態の変形例に係るエネルギー回収装置を示す図である。図11ではパネルキャパシタCpの一側(例えば、走査電極Y側)に形成されたエネルギー回収装置のみを示した。実際に、パネルキャパシタCpの他側にも同一の形態のエネルギー回収装置が設置される。
図11を参照すると、本発明の第1実施形態の変形例に係るエネルギー回収装置は、放電セルに等価的に形成されるパネルキャパシタCpと、サステイン電圧Vsの半分にあたる電圧を持つ基準電圧源Vs/2と、基準電圧源Vs/2と基底電圧源GNDとの間に設置されるソースキャパシタCsと、ソースキャパシタCsと基準電圧源Vs/2との共通端子とパネルキャパシタCpとの間に接続されたインダクタLと、インダクタLと基準電圧源Vs/2との間に並列に接続された第1及び第3スィッチS1、S3と、パネルキャパシタCpとインダクタLとの間に並列に接続された第2及び第4スィッチS2、S4と、を備える。
第1スィッチS1及び第2スィッチS2は基準電圧源Vs/2に接続され、第4スィッチS4は基底電圧源GNDに接続される。そして、第3スィッチS3はソースキャパシタCs及び基準電圧源Vs/2の共通端子に接続される。ソースキャパシタCsは、サステイン放電時にパネルキャパシタCpに充電される電圧を回収して充電すると共に、充電された電圧をパネルキャパシタCpに再供給する。このようなソースキャパシタCsにはサステイン電圧源Vsの半分値にあたるVs/2の電圧が充電される。インダクタLはパネルキャパシタCpとともに共振回路を形成する。第1〜第4スィッチS1〜S4がターンオンまたはターンオフされると共に、パネルキャパシタCpにサステイン電圧Vsが供給される。このような第1〜第4スィッチS1〜S4のそれぞれには、電流の流れを制御するための内部ダイオードD1〜D4が設置される。
一方、基準電圧源Vs/2に接続された第1及び第2スィッチS2には、実質的にサステイン電圧Vsが印加される。言い換えれば、第1ノードn1には、ソースキャパシタCsに充電されたVs/2の電圧と基準電圧源Vs/2との電圧の和Vsが印加される。すなわち、本発明の第2実施形態では、サステイン電圧Vsの半分にあたる基準電圧源Vs/2の電圧を用いてサステイン電圧Vsを生成することにより、電力消費を低減することができる。
一方、本発明の第1実施形態の変形例に係るエネルギー回収装置は、インダクタLと第1スィッチS1との間に設置される第5ダイオードD5と、インダクタLと第3スィッチS3との間に設置される第6ダイオードD6と、インダクタL及び第5ダイオードD5の共通端子と第1ノードn1との間に設置される第7ダイオードD7と、インダクタL及び第6ダイオードD6の共通端子と基底電圧源GNDとの間に設置される第8ダイオードD8と、をさらに備える。
第5ダイオードD5及び第6ダイオードD6は逆電流が流れることを防止する。第7ダイオードD7は、インダクタL及び第5ダイオードD5の間の電圧がサステイン電圧Vs以上に上昇することを防止する。第8ダイオードD8は、インダクタL及び第6ダイオードD6の間の電圧が基底電位GND以下に降下することを防止する。
図12は、図11に示したエネルギー回収装置の各スィッチのオン/オフタイミングを示す図である。T1期間の以前にパネルキャパシタCpには0Vの電圧が充電されると共に、ソースキャパシタCsにはVs/2の電圧が充電されていると仮定し、その動作過程を詳しく説明する。
T1期間では、第1スィッチS1がターンオンされる。第1スィッチS1がターンオンされると、第1ノードn1に印加されたサステイン電圧Vs(Vs/2+Cs電圧)が、第1スィッチS1、第5ダイオードD5及びインダクタLを経由してパネルキャパシタCpに供給される(インダクタLに所定のエネルギー充電)。このとき、インダクタLはパネルキャパシタCpとともに直列共振回路を形成する。そして、パネルキャパシタCpに印加される電圧は図8の点線のように2Vsの電圧まで上昇する。しかし、実際にパネルキャパシタCpに印加される電圧は、第2スィッチS2の内部ダイオードD2によってサステイン電圧Vsに制限される。言い換えれば、第2スィッチS2の内部ダイオードD2によってパネルキャパシタCpに供給される電圧は、サステイン電圧Vsを超えないように制御される。
一方、T1期間中にパネルキャパシタCpに供給される電圧は共振によって急激に上昇する。すなわち、パネルキャパシタCpに印加される電圧は共振によってサステイン電圧Vsまで急激な勾配(すなわち、サステイン電圧Vsに達する直前にその勾配が減少しない)で上昇し、これにより本発明では安定したサステイン放電を行うことができる。
T2期間では、第1スィッチS1がターンオフされると共に第2スィッチS2がターンオンされる。第2スィッチS2がターンオンされると、パネルキャパシタCpの電圧がサステイン電圧Vsを維持する。一方、第1スィッチS1がターンオフされると、T1期間中にインダクタLに充電されたエネルギーの極性が反転する。言い換えれば、第1スィッチS1がターンオフされると、インダクタLには図13のような逆電圧が誘起される。そして、インダクタLに誘起された逆電圧(逆エネルギー)は、第2スィッチS2の内部ダイオードD2を経由して基準電圧源Vs/2に供給される。
T3期間では、第2スィッチS2がターンオフされると共に第3スィッチS3がターンオンされる。第3スィッチS3がターンオンされると、パネルキャパシタCpに充電された電圧がインダクタLを経由してソースキャパシタCsに供給される。このとき、ソースキャパシタCsにはVs/2の電圧が充電される。一方、パネルキャパシタCpの電圧はインダクタLを経由してソースキャパシタCsに供給されるので、パネルキャパシタCpの電位は図8のように正弦波的に降下する。言い換えれば、T3期間中にパネルキャパシタCpの電位は急激に降下せず、正弦波的に(すなわち、降下開始点と降下終了点で勾配が減少)徐々に降下する。このように、パネルキャパシタCpの電位が正弦波的に降下するとEMIの低減が可能になる。
T4期間では、第3スィッチS3がターンオフされると共に第4スィッチS4がターンオンされる。第4スィッチS4がターンオンされると、パネルキャパシタCpに基底電圧GNDが供給される。すなわち、T4期間中にパネルキャパシタCpは基底電位GNDを維持する。実際に、本発明の第1実施形態の変形例に係るエネルギー回収装置は、T1〜T4の期間を周期的に繰り返しながらサステインパルスをパネルキャパシタCpに供給する。
<第2実施形態>
以下、添付図を参照して本発明の第2実施形態を具体的に説明する。
図14は、本発明の第2実施形態に係るエネルギー回収装置を示す図である。本発明の第2実施形態に係るエネルギー回収装置の動作過程は、図11に示した本発明の第1実施形態の変形例に係るエネルギー回収装置の動作過程と同一である。ただし、本発明の第1実施形態の変形例ではパネルキャパシタCpにサステイン電圧Vs〜基底電位GNDを供給するが、第2実施形態ではパネルキャパシタCpに1/2サステイン電圧Vs/2〜−1/2サステイン電圧−Vs/2を供給する(すなわち、第2及び第3実施形態で供給される絶対値の電圧値は同一である)。
図14を参照すると、本発明の第2実施形態に係るエネルギー回収装置は、放電セルに等価的に形成されるパネルキャパシタCpと、サステイン電圧Vsの半分にあたる電圧を持つ基準電圧源Vs/2と、基準電圧源Vs/2とパネルキャパシタCpとの間に接続されたインダクタLと、インダクタLと基準電圧源Vs/2との間に並列に接続された第1及び第3スィッチS1、S3と、インダクタLとパネルキャパシタCpとの間に並列に接続された第2及び第4スィッチS2、S4と、第4スィッチS4と基準電圧源Vs/2の負極性端子との間に接続されたソースキャパシタCsと、を備える。
第1スィッチS1及び第2スィッチS2は基準電圧源Vs/2に接続される。第3スィッチS3は基底電圧源GNDに接続される。そして、基準電圧源Vs/2の負極性端子及びソースキャパシタCsの正極性端子も基底電圧源GNDに接続される。このように基準電圧源Vs/2の負極性端子及びソースキャパシタCsの正極性端子が基底電圧源GNDに接続されると、第1ノードn1は1/2Vsの電位を有し、第2ノードn2は−1/2Vsの電位を有する。第4スィッチS4は第2ノードn2(すなわち、ソースキャパシタCsの負極性端子)に接続される。
ソースキャパシタCsにはサステイン電圧Vsの半分値にあたるVs/2の電圧が充電される。インダクタLはパネルキャパシタCpとともに共振回路を形成する。第1〜第4スィッチS1〜S4がターンオンまたはターンオフされると共に、パネルキャパシタCpの電位が−1/2Vs〜1/2Vsに変動される。このような第1〜第4スィッチS1〜S4のそれぞれには電流の流れを制御するための内部ダイオードD1〜D4が設置される。
一方、本発明の第2実施形態に係るエネルギー回収装置は、インダクタLと第1スィッチS1との間に設置される第5ダイオードD5と、インダクタLと第3スィッチS3との間に設置される第6ダイオードD6と、インダクタL及び第5ダイオードD5の共通端子と第1ノードn1との間に設置される第7ダイオードD7と、インダクタL及び第6ダイオードD6の共通端子とノードn2との間に設置される第8ダイオードD8と、をさらに備える。
第5ダイオードD5及び第6ダイオードD6は逆電流が流れることを防止する。第7ダイオードD7は、インダクタL及び第5ダイオードD5の間の電圧がサステイン電圧Vs以上に上昇することを防止する。第8ダイオードD8は、インダクタL及び第6ダイオードD6の間の電圧が基底電位GND以下に降下することを防止する。
このような第2実施形態に係るエネルギー回収装置の動作過程について、図12を参照して説明する。
T1期間の以前にパネルキャパシタCpには−1/2Vsの電圧が充電されていると仮定し、その動作過程を詳しく説明する(実際パネルキャパシタCpの他側は−1/2Vs電位に接地される)。
T1期間では、第1スィッチS1がターンオンされる。第1スィッチS1がターンオンされると、第1ノードn1に印加された1/2Vsの電圧が、第1スィッチS1、第5ダイオードD5及びインダクタLを経由してパネルキャパシタCpに供給される(インダクタLに所定のエネルギー充電)。このとき、インダクタLはパネルキャパシタCpとともに直列共振回路を形成する。したがって、パネルキャパシタCpに印加される電圧は図15の点線のようにVsの電圧まで上昇することができる。しかし、実際にパネルキャパシタCpに印加される電圧は、第2スィッチS2の内部ダイオードD2によって1/2Vs電圧に制限される。言い換えれば、第2スィッチS2の内部ダイオードD2によってパネルキャパシタCpに供給される電圧は、1/2Vsを超えないように制御される。
一方、T1期間中にパネルキャパシタCpに供給される電圧は、共振によって急激に上昇する。すなわち、パネルキャパシタCpに印加される電圧は、共振によって1/2Vs電圧まで急激な勾配(すなわち、1/2Vs電圧に達する直前にその勾配が減少しない)で上昇するので、安定したサステイン放電を行うことができる。
T2期間では、第1スィッチS1がターンオフされると共に第2スィッチS2がターンオンされる。第2スィッチS2がターンオンされると、パネルキャパシタCpの電圧が1/2Vs電圧を維持する。一方、第1スィッチS1がターンオフされると、T1期間中にインダクタLに充電されたエネルギーの極性が反転する。このとき、インダクタLに誘起された逆エネルギーは、第2スィッチS2及び/または内部ダイオードD2を経由して基準電圧源Vs/2に供給される。
T3期間では、第2スィッチS2がターンオフされると共に第3スィッチS3がターンオンされる。第3スィッチS3がターンオンされると、パネルキャパシタCpに充電された電圧がインダクタLを経由してソースキャパシタCsに供給される。一方、パネルキャパシタCpの電圧はインダクタLを経由してソースキャパシタCsに供給されるので、パネルキャパシタCpの電位は図15のように正弦波的に降下する。言い換えれば、T3期間中にパネルキャパシタCpの電位は急激に降下せず、正弦波的に(すなわち、降下開始点と降下終了点で勾配が減少)徐々に降下する。このように、パネルキャパシタCpの電位が正弦波的に降下するとEMIの低減が可能になる。
T4期間では、第3スィッチS3がターンオフされると共に第4スィッチS4がターンオンされる。第4スィッチS4がターンオンされると、パネルキャパシタCpに第2ノードn2の電圧(すなわち、−Vs/2が供給される。すなわち、T4期間中にパネルキャパシタCpは−Vs/2の電位を維持する。実際に、本発明の第3実施形態に係るエネルギー回収装置はT1〜T4の期間を周期的に繰り返しながらパネルキャパシタCpに電圧を供給する。
上述した如く、本発明の第1及び第2実施形態に係るエネルギー回収装置及び方法によれば、パネルキャパシタに供給されなければならない電圧より高い電圧が生成できるように共振回路を構成し、このうち所望の電圧のみがパネルキャパシタに供給されるように制御することにより、安定したサステイン放電を行うことができる。言い換えれば、パネルキャパシタに供給される電圧は急激な勾配で上昇するので、パネルキャパシタ内部に含まれた荷電粒子の量と関係なく安定したサステイン放電を行うことができる。そして、パネルキャパシタに充電された電圧はインダクタを経由して放電するので、パネルキャパシタの電圧は正弦波的に降下し、これによってEMIを最小化することができる。
<第3実施形態>
以下、添付図を参照して本発明の第3実施形態を具体的に説明する。
図16は、本発明の第3実施形態に係るプラズマディスプレイのエネルギー回収装置を示す図である。図16ではパネルキャパシタCpの一側(例えば、走査電極Y側)に形成されたエネルギー回収装置のみを示した。実際には、パネルキャパシタCpの他側にも同一の形態のエネルギー回収装置が設置されている。
図16を参照すると、本発明の第3実施形態に係るプラズマディスプレイのエネルギー回収装置は、サステイン電圧源Vsと、サステイン電圧源Vsに並列に接続されるソースキャパシタCsと、放電セルに等価的に形成されるパネルキャパシタCpと、ソースキャパシタCsとパネルキャパシタCpとの間に設置されるインダクタLと、インダクタLとソースキャパシタCsとの間に並列に接続される第1及び第3スィッチS1、S3と、インダクタLとパネルキャパシタCpとの間に並列に接続される第2及び第4スィッチS2、S4と、を備える。
第1及び第2スィッチS1、S2はサステイン電圧源Vs(すなわち、ソースキャパシタCs)に接続され、第3及び第4スィッチS3、S4は基底電圧源GNDに接続される。ソースキャパシタCsにはサステイン電圧Vsが充電される。インダクタLはパネルキャパシタCpとともに共振回路を形成する。第1〜第4スィッチS1〜S4はターンオンまたはターンオフされながら、パネルキャパシタCpにサステイン電圧Vsが供給されるように電流のパスを形成する。このような第1〜第4スィッチS1〜S4のそれぞれには、電流の流れを制御するための内部ダイオードD1〜D4が設置される。
一方、本発明の第3実施形態に係るプラズマディスプレイのエネルギー回収装置は、第1スィッチS1とソースキャパシタCsとの間に設置される第1補助スィッチSB1と;第3スィッチS3と基底電圧源GNDとの間に設置される第2補助スィッチSB2と;インダクタLと第1スィッチS1との間に設置される第5ダイオードD5と;インダクタLと第3スィッチS3との間に設置される第6ダイオードD6と;サステイン電圧源Vsに接続された第1ノードN1と、インダクタLの第1端子、第5及び第6ダイオードD5、D6に接続された第2ノードN2との間に設置される第7ダイオードD7と;第2ノードN2と基底電圧源GNDとの間に設置される第8ダイオードD8と;をさらに備える。
パネルキャパシタCpに供給されるサステイン電圧Vsの上昇勾配区間P1及び降下勾配区間P2では、図17に示すように、インダクタLに流れる電流の急激な流れにより、インダクタLの第1端子に接続された第2ノードN2上の電圧VLの変化量dv/dtが大きいため、ルーノイズ(Noise)が誘発される。このようなノイズ(Noise)のために第1及び第3スィッチS1、S3が望まぬ時間(期間)に瞬間的にショート(Short)される。これにより、第1及び第2補助スィッチSB1、SB2のそれぞれは、第1及び第3スィッチS1、S3が望まぬ時間に瞬間的にショートされて電圧が損失されることを防止する。
具体的に、第1スィッチS1は、インダクタLの電流の流れにより、第2ノードN2上に供給される電圧の変化量dv/dtが負極性(−)であるとき、ゲート端子とソース端子との間の寄生キャパシタCgsを介してゲート端子とソース端子間の電圧Vgsが増加するノイズが誘発されて瞬間的にショートされる。これにより、第1補助スィッチSB1は、望まぬ時間にショートされる第1スィッチS1を経由して供給される電圧が第1ノードN1上に供給されることを遮断する。
同様に、第3スィッチS3は、インダクタLの電流の流れにより、第2ノードN2上に供給される電圧の変化量dv/dtが正極性(+)であるとき、ゲート端子とドレイン端子との間の寄生キャパシタCgdを介してゲート端子とソース間の電圧Vgsの増加するノイズが誘発されて瞬間的にショートされる。これにより、第2補助スィッチSB2は、望まぬ時間にショートされる第3スィッチS3を経由して供給される電圧が基底電圧源GNDに供給されることを遮断する。
このように第1及び第2補助スィッチSB1、SB2のそれぞれは、インダクタLに流れる電流の方向によって第2ノードN2上に供給される電圧の変化量dv/dtによって誘発されるノイズのために望まぬ時間に第1及び第2スィッチS1、S3がショートされて電圧が損失されることを防止する。
第5ダイオードD5及び第6ダイオードD6は逆電流が流れることを防止する。第7ダイオードD7は、インダクタL及び第5ダイオードD5の間の電圧、すなわち第2ノードN2上の電圧がサステイン電圧Vs以上に上昇することを防止する。第8ダイオードD8は、インダクタL及び第6ダイオードD6の間の電圧、すなわち第2ノードN2上の電圧が基底電位GND以下に降下することを防止する。
図18は、図16に示したエネルギー回収装置の各スィッチのオン/オフタイミングを示す図である。
図18を図16と結びつけて本発明の第3実施形態に係るプラズマディスプレイのエネルギー回収装置及び方法を説明すれば、次のようである。まず、T1期間の以前にパネルキャパシタCpには0V(ボルト)の電圧が充電されると共に、ソースキャパシタCsにはVsの電圧が充電されていると仮定し、その動作過程を詳しく説明する。
T1期間では、第1スィッチS1及び第1補助スィッチSB1がターンオンされる。第1スィッチS1及び第1補助スィッチSB1がターンオンされると、図19に示すように、ソースキャパシタCsに充電されたサステイン電圧Vsが第1補助スィッチSB1、第1スィッチS1及びインダクタLを経由してパネルキャパシタCpに供給される(インダクタLに所定のエネルギーが充電)。このとき、インダクタLはパネルキャパシタCpとともに直列共振回路を形成する。したがって、パネルキャパシタCpに印加される電圧は図20の点線のように2Vsの電圧まで上昇することができる。しかし、実際にパネルキャパシタCpに印加される電圧は第2スィッチS2の内部ダイオードD2によってサステイン電圧Vsに制限される(ここで、第1スィッチS1及び第1補助スィッチSB1のターンオフ時点は、パネルキャパシタCpに所望の電圧が充電されたときとすることができる)。言い換えれば、パネルキャパシタCpに供給される電圧は、第2スィッチS2の内部ダイオードD2によってサステイン電圧Vsを超えないようにクリップ(Clipping)される。
このようにT1期間でインダクタLに流れる電流の流れにより、第2ノードN2上に供給される電圧の変化量dv/dtが正極性(+)であるとき、ゲート端子とドレイン端子との間の寄生キャパシタCgdを介してゲート端子とソース間の電圧Vgsの増加するノイズが誘発されて第3スィッチS3が瞬間的にショートされる。これにより、第2補助スィッチSB2は、望まぬ時間にショートされる第3スィッチS3を経由して供給される電圧が基底電圧源GNDに供給されることを遮断することにより、ソースキャパシタCsからパネルキャパシタCpに供給される電圧の損失を防止する。
よって、T1期間中にパネルキャパシタCpに印加される電圧は、共振によってサステイン電圧Vsまで急激な勾配(すなわち、サステイン電圧Vsに達する直前にその勾配が減少しない)で上昇し、これにより本発明では安定したサステイン放電を行うことができる。
T2期間では、第1スィッチS1及び第1補助スィッチSB1がターンオフされると共に第2スィッチS2がターンオンされる。第2スィッチS2がターンオンされると、パネルキャパシタCpの電圧はサステイン電圧Vsを維持する。このとき、第1スィッチS1及び第1補助スィッチSB1がターンオフされると、T1期間中にインダクタLに充電されたエネルギーの極性が反転する。言い換えれば、第1スィッチS1及び第1補助スィッチSB1がターンオフされると、インダクタLには図21のような逆電圧が誘起されることにより、第2ノードN2上の電圧は図8に示したT2'期間のように負極性(−)電圧、基底電位GNDに急激に低くなり、第8ダイオードD8が導通状態になる。これにより、インダクタLに誘起された逆電圧(逆エネルギー)は、第8ダイオードD8、インダクタL、第2スィッチS2の内部ダイオードD2を経由して電流パスを介してソースキャパシタCsに回収される。
T3期間では、第2スィッチS2がターンオフされると共に第3スィッチS3及び第2補助スィッチSB2をターンオンさせて(a区間)パネルキャパシタCpの電圧を基底電圧GNDに放電させ、その上第3スィッチS3及び第2補助スィッチSB2をターンオフ(b区間)させる。先ず、T3のa区間のように第3スィッチS3及び第2補助スィッチSB2がターンオンされると、図22に示すように、パネルキャパシタCpに充電された電圧がインダクタLを経由して基底電圧源GNDに供給される。これにより、インダクタLに所定のエネルギーが充電される。
このようにT3のa区間でインダクタLに十分なエネルギーが保存されると、T3のb区間のように第3スィッチS3及び第2補助スィッチSB2がターンオフされる。これにより、インダクタLに保存されたエネルギーは、図23に示すように第7ダイオードD7を経由してソースキャパシタCsに回収される。
このようにT3期間ではパネルキャパシタCpの電圧がインダクタLを経由して基底電圧源GNDに供給されるので、パネルキャパシタCpの電圧は図10のように正弦波的に降下する。言い換えれば、T3期間中にパネルキャパシタCpの電圧は急激に降下せず、正弦波的に(すなわち、降下開始点と降下終了点で勾配が減少)徐々に降下する。このように、パネルキャパシタCpの電位が正弦波的に降下すると電磁気的干渉EMIの低減が可能になる。
このようにT3期間のa区間でインダクタLに流れる電流の流れにより、第2ノードN2上に供給される電圧の変化量dv/dtが負極性(−)であるとき、ゲート端子とソース端子との間の寄生キャパシタCgsを介してゲート端子とソース端子間の電圧Vgsの増加するノイズが誘発されて、第1スィッチS1が瞬間的にショートされる。これにより、第1補助スィッチSB1は、第2ノードN2上の電圧変化量dv/dtによるノイズのために望まぬ時間に瞬間的にショートされる第1スィッチS1を経由して供給される電圧が第1ノードN1に供給されることを遮断する。これによりパネルキャパシタCsから基底電圧源GNDに供給される電圧の損失を防止する。
T4期間では、第3スィッチS3及び第2補助スィッチSB2がターンオフされると共に第4スィッチS4がターンオンされる。第4スィッチS4がターンオンされると、図24に示すように、パネルキャパシタCpは基底電圧源GNDに接続され、基底電圧GNDが供給される。すなわち、T4期間中にパネルキャパシタCpは基底電位GNDを維持する。実際に、本発明の第3実施形態に係るエネルギー回収装置は、T1〜T4の期間を周期的に繰り返しながらサステインパルスをパネルキャパシタCpに供給する。
<第4実施形態>
以下、添付図を参照して本発明の第4実施形態を具体的に説明する。
図25は、本発明の第4実施形態に係るプラズマディスプレイのエネルギー回収装置を示す図である。図25ではパネルキャパシタCpの一側(例えば、走査電極Y側)に形成されたエネルギー回収装置のみを示した。実際には、パネルキャパシタCpの他側にも同一の形態のエネルギー回収装置が設置されている。
図25を参照すると、本発明の第4実施形態に係るプラズマディスプレイのエネルギー回収装置は、放電セルに等価的に形成されるパネルキャパシタCpと、サステイン電圧Vsの半分にあたる電圧を持つ基準電圧源Vs/2と、基準電圧源Vs/2に並列に接続された第1及び第2ソースキャパシタ2Cs1、2Cs2と、第1及び第2ソースキャパシタ2Cs1、2Cs2の間の第1ノード2N1と基準電圧源Vs/2に接続された第2ノード2N2との間に並列に接続された第1及び第3スィッチ2S1、2S3と、第1及び第3スィッチ2S1、2S3の間の第3ノード2N3とパネルキャパシタCpとの間に接続されたインダクタ2Lと、パネルキャパシタCpとインダクタ2Lとの間に並列に接続された第2及び第4スィッチ2S2、2S4と、を備える。
第1スィッチ2S1及び第2スィッチ2S2は基準電圧源Vs/2に接続され、第4スィッチ2S4は基底電圧源GNDに接続される。そして、第3スィッチ2S3は、基準電圧源Vs/2、第1及び第2ソースキャパシタ2Cs1、2Cs2が接続された第1ノード2N1に接続される。第1及び第2ソースキャパシタ2Cs1、2Cs2は、サステイン放電時にパネルキャパシタCpに充電される電圧を回収して充電すると共に、充電された電圧をパネルキャパシタCpに再供給する。このような第1及び第2ソースキャパシタ2Cs1、2Cs2にはサステイン電圧源Vsの半分値にあたるVs/2の電圧が充電される。インダクタ2LはパネルキャパシタCpとともに共振回路を形成する。第1〜第4スィッチ2S1〜2S4はターンオンまたはターンオフされながら、パネルキャパシタCpにサステイン電圧Vsが供給されるように電流のパスを形成する。このような第1〜第4スィッチ2S1〜2S4のそれぞれには、電流の流れを制御するための内部ダイオード2D1〜2D4が設置される。
一方、本発明の第4実施形態に係るプラズマディスプレイのエネルギー回収装置は、第1スィッチ2S1と第1ソースキャパシタ2Cs1との間に設置される第1補助スィッチ2SB1と、第3スィッチ2S3と第1ノード2N1との間に設置される第2補助スィッチ2SB2と、インダクタ2Lと第1スィッチ2S1との間に設置される第5ダイオード2D5と、インダクタ2Lと第3スィッチ2S3との間に設置される第6ダイオード2D5と、第2ノード2N2と第3ノード2N2との間に設置される第7ダイオード2D7と、第3ノード2N3と基底電圧源GNDとの間に設置される第8ダイオード2D8と、をさらに備える。
パネルキャパシタCpに供給されるサステイン電圧Vsの上昇勾配区間P1及び降下勾配区間P2では、図17に示すように、インダクタ2Lに流れる電流の急激な流れにより、インダクタ2Lの第1端子に接続された第3ノード2N3上の電圧VLの変化量dv/dtが大きいため、ノイズ(Noise)が誘発される。このようなノイズ(Noise)のために第1及び第3スィッチ2S1、2S3が望まぬ時間に瞬間的にショート(Short)される。これにより、第1及び第2補助スィッチ2SB1、2SB2のそれぞれは、第1及び第3スィッチ2S1、2S3が望まぬ時間に瞬間的にショートされて電圧が損失されることを防止する。このような第1及び第2補助スィッチ2SB1、2SB2のそれぞれには、電流の流れを制御するための内部ダイオード2DB1、2DB2が設置される。
具体的に、第1スィッチ2S1は、インダクタ2Lの電流の流れにより、第3ノード2N3上に供給される電圧の変化量dv/dtによるノイズが負極性(−)であるとき、ゲート端子とソース端子との間の寄生キャパシタCgsのためにショートされる。これにより、第1補助スィッチ2SB1は、望まぬ時間にショートされる第1スィッチ2S1を経由して供給される電圧が第2ノード2N2上に供給されることを遮断する。
同様に、第3スィッチ2S3は、インダクタ2Lの電流の流れにより、第3ノード2N3上に供給される電圧の変化量dv/dtによるノイズが正極性(+)であるとき、ゲート端子とドレイン端子との間の寄生キャパシタCgdのためにショートされる。これにより、第2補助スィッチ2SB2は、望まぬ時間にショートされる第3スィッチ2S3を経由して供給される電圧が第1ノード2N1に供給されることを遮断する。
このように第1及び第2補助スィッチ2SB1、2SB2のそれぞれは、インダクタ2Lに流れる電流の方向により、第3ノード2N3上に供給される電圧の変化量dv/dtによって誘発されるノイズのために望まぬ時間に第1及び第2スィッチ2S1、2S3がショートされて電圧が損失されることを防止する。
第5ダイオード2D5及び第6ダイオード2D6は逆電流が流れることを防止する。第7ダイオード2D7は、インダクタ2L及び第5ダイオード2D5の間の電圧、すなわち第3ノード2N3上の電圧がサステイン電圧Vs以上に上昇することを防止する。第8ダイオード2D8は、インダクタ2L及び第6ダイオード2D6の間の電圧、すなわち第3ノード2N3上の電圧が基底電位GND以下に降下することを防止する。
図26は、図25に示した本発明の第4実施形態に係るプラズマディスプレイのエネルギー回収装置の各スィッチのオン/オフタイミングを示す図である。
図26を図25と結びつけて本発明の第4実施形態に係るプラズマディスプレイのエネルギー回収装置及び方法を説明すれば、次のようである。まず、T1期間の以前にパネルキャパシタCpには0Vの電圧が充電されると共に、第1及び第2ソースキャパシタ2Cs1、2Cs2にはVs/2の電圧が充電されていると仮定し、その動作過程を詳しく説明する。すなわち、第1及び第2ソースキャパシタ2Cs1、2Cs2のそれぞれの電圧は、T1〜T4期間で充放電を繰り返しながらVs/2になる。
T1期間では、第1スィッチ2S1及び第1補助スィッチ2SB1がターンオンされる。第1スィッチ2S1及び第1補助スィッチ2SB1がターンオンされると、図27に示すように、第1及び第2ソースキャパシタ2Cs1、2Cs2から第2ノード2N2に印加されたサステイン電圧Vsが、第1補助スィッチ2SB1、第1スィッチ2S1及びインダクタ2Lを経由してパネルキャパシタCpに供給される(インダクタ2Lに所定のエネルギーが充電)。このとき、インダクタ2LはパネルキャパシタCpとともに直列共振回路を形成する。したがって、パネルキャパシタCpに印加される電圧は図10の点線のように2Vsの電圧まで上昇することができる。しかし、実際にパネルキャパシタCpに印加される電圧は、第2スィッチ2S2の内部ダイオード2D2によってサステイン電圧Vsに制限される(ここで、第1スィッチ2S1及び第1補助スィッチ2SB1のターンオフ時点は、パネルキャパシタCpに所望の電圧が充電されたときとすることができる)。言い換えれば、パネルキャパシタCpに供給される電圧は、第2スィッチ2S2の内部ダイオード2D2によってサステイン電圧Vsを超えないようにクリップ(Clipping)される。
このようにT1期間でインダクタ2Lに流れる電流の流れにより、第3ノード2N3上に供給される電圧の変化量dv/dtが正極性(+)であるとき、ゲート端子とドレイン端子との間の寄生キャパシタCgdを介してゲート端子とソース間の電圧Vgsの増加するノイズが誘発されて、第3スィッチ2S3が瞬間的にショートされる。これにより、第2補助スィッチ2SB2は、望まぬ時間にショートされる第3スィッチ2S3を経由して供給される電圧が基底電圧源GNDに供給されることを遮断することにより、第1及び第2ソースキャパシタ2Cs1、2Cs2からパネルキャパシタCpに供給される電圧の損失を防止する。
よって、T1期間中にパネルキャパシタCpに印加される電圧は、共振によってサステイン電圧Vsまで急激な勾配(すなわち、サステイン電圧Vsに達する直前にその勾配が減少しない)で上昇し、これにより本発明では安定したサステイン放電を行うことができる。
T2期間では、第1スィッチ2S1及び第1補助スィッチ2SB1がターンオフされると共に第2スィッチ2S2がターンオンされる。第2スィッチ2S2がターンオンされると、パネルキャパシタCpの電圧はサステイン電圧Vsを維持する。このとき、第1スィッチ2S1及び第1補助スィッチ2SB1がターンオフされると、T1期間中にインダクタ2Lに充電されたエネルギーの極性が反転する。言い換えれば、第1スィッチ2S1及び第1補助スィッチ2SB1がターンオフされると、インダクタ2Lには図28のような逆電圧が誘起されることにより、第3ノード2N3上の電圧は図26に示したT2'期間のように負極性(−)電圧、すなわち基底電位GNDに急激に低くなり、第8ダイオード2D8が導通状態になる。これにより、インダクタ2Lに誘起された逆電圧(逆エネルギー)は、第8ダイオード2D8、インダクタ2L、第2スィッチ2S2の内部ダイオード2D2を経由する電流パスを介して第1ソースキャパシタ2Cs1に回収される。
T3期間では、第2スィッチ2S2がターンオフされると共に第3スィッチ2S3及び第2補助スィッチ2SB2がターンオンされる。第3スィッチ2S3及び第2補助スィッチ2SB2がターンオンされると、図29に示すように、パネルキャパシタCpに充電されて残っていた電圧はインダクタ2L、第6ダイオード2D6、第3スィッチ2S3及び第2補助スィッチ2SB2を経由して第2ソースキャパシタ2Cs2に回収される(このとき、インダクタ2Lに所定のエネルギーが充電される)。ここで、パネルキャパシタCpの電圧がインダクタ2Lを経由して第2ソースキャパシタ2Cs2に供給されるので、パネルキャパシタCpの電圧は図10のように正弦波的に降下する。言い換えれば、T3期間中にパネルキャパシタCpの電圧は急激に降下せず、正弦波的に(すなわち、降下開始点と降下終了点で勾配が減少)徐々に降下する。このように、パネルキャパシタCpの電位が正弦波的に降下すると電磁気的干渉EMIの低減が可能になる。
このようにT3期間でインダクタ2Lに流れる電流の流れにより、第3ノード2N3上に供給される電圧の変化量dv/dtが負極性(−)であるとき、ゲート端子とソース端子との間の寄生キャパシタCgsを介してゲート端子とソース端子間の電圧Vgsの増加するノイズが誘発されて、第1スィッチ2S1が瞬間的にショートされる。これにより、第1補助スィッチ2SB1は、第3ノード2N3上の電圧変化量dv/dtによるノイズのために望まぬ時間に瞬間的にショートされる第1スィッチ2S1を経由して供給される電圧が第2ノード2N2に供給されることを遮断することにより、パネルキャパシタCpから第2ソースキャパシタ2Cs2に回収される電圧の損失を防止する。
T4期間では、第3スィッチ2S3及び第2補助スィッチ2SB2がターンオフされると共に第4スィッチ2S4がターンオンされる。第4スィッチ2S4がターンオンされると、図30に示すように、パネルキャパシタCpは基底電圧源GNDに接続され、基底電圧GNDが供給される。すなわち、T4期間中にパネルキャパシタCpは基底電位GNDを維持する。実際に、本発明の第4実施形態に係る一エネルギー回収装置は、T1〜T4の期間を周期的に繰り返しながらサステインパルスをパネルキャパシタCpに供給する。
上述した如く、本発明の第3及び第4実施形態に係るプラズマディスプレイのエネルギー回収装置及び方法によれば、パネルキャパシタに供給されなければならない電圧より高い電圧が生成できるように共振回路を構成し、このうち所望の電圧のみがパネルキャパシタに供給されるように制御することにより、安定したサステイン放電を行うことができる。言い換えれば、パネルキャパシタに供給される電圧は急激な勾配で上昇するので、パネルキャパシタ内部に含まれた荷電粒子の量と関係なく安定したサステイン放電を行うことができる。また、パネルキャパシタに充電された電圧はインダクタを経由して放電するので、パネルキャパシタの電圧は正弦波的に降下し、これによりEMIを最小化することができる。
また、本発明の共振回路によるノイズによって前記サステイン電圧が基底電圧源とサステイン電圧源のいずれかに供給されることを遮断する遮断回路を構成し、ノイズによるサステイン電圧の損失を防止する。