JP4896905B2 - 液晶表示パネル - Google Patents

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Description

この発明は、液晶層の特性変化を低減するための構造に特徴を有する液晶表示パネルに関する。
従来から、第1の基板と第2の基板とを所定の間隙を設けて対向させ、その間隙にシール材によって液晶層を封入し、液晶層を介して対向するように各基板上に設けた電極によって画素部を形成し、少なくとも第1の基板上に画素部を形成する電極に電気信号を印加するための引出電極を設けた液晶表示パネルが用いられている。そして、このような液晶表示パネルにおいては、画素部を形成する電極に印加する電気信号によって液晶層の光学特性を変化させ、画素のオン/オフを制御して表示を行っている。
このような従来の液晶表示パネルの構成について、携帯電話、小型情報機器、時計等に使用する反射型の液晶表示パネルを例として、図41乃至図43を用いて説明する。図41はその従来の液晶表示パネルの平面図、図42は図41に示す42−42線における断面図、図43は図41の一部(円C内)を拡大する部分拡大平面図である。
この液晶表示パネルは、図41に示すように、第1の基板1上に設けたm本のストライプ状の第1の電極2と第2の基板6上に設けたn本のストライプ状の第2の電極7を有し、第1の電極2と第2の電極7の交差部であるm×n個の画素部24からなる表示領域23を有するマトリクス型の液晶表示パネルである。第1の基板1と第2の基板6とは、図示しないスペーサにより所定の間隙を設けて対向させ、図42に示すようにシール材26により接着し、その間隙に液晶層25を封入して封孔材27により密閉し、気密性を確保する。
また、図42に示すように、第2の基板6上にアルミニウム膜あるいは銀合金膜からなる反射板16を設け、反射板16上には、赤(R)カラーフィルタ17,緑(G)カラーフィルタ18,青(B)カラーフィルタ19からなるカラーフィルタを設けている。そしてその上には、カラーフィルタの凹凸の平坦化と反射板16と第2の電極7の電気的短絡の防止のために平坦化保護膜21を設け、第2の電極7はその平坦化保護膜21上に設けている。さらに、第1の電極2上および第2の電極7上には、液晶層25の液晶分子を所定の方向に配向するために配向膜(図示せず)を設けている。
ところで、この液晶表示パネルにおいては、図41に示すように、第1の基板1を第2の基板よりも大きいサイズとし、第1の電極2に駆動信号を印加するための駆動集積回路(IC)36と、第2の電極7に駆動信号を印加するための駆動IC35とを、第1の基板1上に搭載している。なお、第2の基板6は、表示領域23よりは大きく、第1の基板1上の駆動IC35,36を設ける領域までは届かない大きさとしている。
そして、第1の電極2と駆動IC36とを接続するための第1の電極2と連続する引出電極を、表示領域23からシール材26の外側に引き出しており、この上にポリイミド樹脂に導電粒を含有する異方性導電フィルムを介して駆動IC36を搭載し、加熱圧縮してフィルムを硬化させることにより、引出電極を介して第1の電極2と駆動IC36とを接続している。
また、第2の電極7と駆動IC35とを接続するための引出電極41も第1の基板上に設けており、シール材26の一部をアクリル樹脂に導電粒を混入した異方性導電シール材によって構成し、第2の基板6と第1の基板1とをその異方性導電シール材を介して加圧することにより、第2の基板6上に設けた第2の電極7と、第1の基板1上に設けた引出電極41とを導電粒を介して電気的に導通させている。そして、この引出電極41上に上述の駆動IC36の場合と同様に駆動IC35を搭載することにより、引出電極41を介して第2の電極7と駆動IC35とを接続している。
さらに、駆動IC35,36に外部回路から信号を印加するため、図42及び図43に示す接続電極42を介して駆動IC35,36と接続するフレキシブルプリント基板(FPC)31を設けている。なお、FPC31及び駆動IC35,36と接続電極42との接続は、異方性導電フィルムによって行っている。
このような従来の液晶表示パネルにおいて、図43に示すように、第1の基板1上の引出電極41を設けた部分には、近接する引出電極41間に電位差が発生したり、汚れや水分が付着したりすることを防止するために、絶縁性樹脂32を塗布している。この絶縁性樹脂32としては、水分の浸透性の少ないエポキシ樹脂あるいは水分吸着の少ないシリコン樹脂を使用している。
しかし、液晶表示パネル本体の製造工程,駆動集積回路35の実装工程あるいはFPC31の実装工程で汚れが付着したり、絶縁性樹脂32にピンホールが生じたり、絶縁性樹脂32の水分遮断性が不十分であったりすると、液晶表示パネルを長時間駆動したり高温高湿度雰囲気で駆動したりした場合に、図43に示すように、引出電極41の一部で電極材料が溶解(腐蝕)し、電蝕部47が発生し、最終的には引出電極41が断線してしまう現象が発生する。従って、電蝕部47が発生した場合、駆動IC35,36からの駆動信号は画素部24を構成する電極に伝達不能となり、目的の表示ができなくなってしまうため、液晶表示パネルの表示品質が著しく低下することになる。
FPC31と接続を行うための接続電極42では引出電極41に比較して電極幅と電極間ギャップを広くすることができるので、比較的電蝕の影響を受けにくい構造にすることができるが、引出電極41については、表示領域23の画素密度を大きくするために電極の幅や電極間ギャップを小さくせざるを得ないので、電蝕の影響を受けやすくなってしまう。
そのため、高温高湿度雰囲気で液晶表示パネルを使用した場合でも引出電極41に電蝕部47が発生しないようにすることは、液晶表示パネルの利用範囲を拡大し、表示品質を長期間良好に保つために非常に重要である。また、液晶表示パネルの小型化や低コスト化の要求が強いことから、従来の液晶表示パネルの厚さ、大きさから大きく逸脱することなく、さらに、コストアップ、重量アップを最低限に抑えて電蝕部47の発生を防止することも重要である。そして、引出電極と外部回路や駆動ICとの多様な接続方法に対応できる電蝕防止構造が必要である。
なお、FPCを直接引出電極に接続する平面表示パネルにおいては、その接続部への水分の侵入を防止するための接続構造として、図44に示すものも知られている。
この平面表示パネルは薄膜EL(エレクトロルミネッセント)表示パネルであるが、ガラス基板91上に設けた引出電極94とFPC95とを半田96で接着して接続すると共に、ガラス基板91上のその接続部を含む領域に樹脂97を充填し、さらに樹脂97上に保護ガラス板98を配置している。
このように樹脂97上に保護ガラス板98を設けることにより、樹脂97が空気と接する面積を低減し、引出電極94への水分の侵入を防止し、引出電極94の腐蝕を防止することができる。
しかしながら、この構造であっても、液晶層の特性変化の低減という点では、能力が十分とは言えなかった。
この発明は、このような問題を解決し、従来の液晶表示パネルの大きさ、重さをほぼ確保した状態で、液晶層の特性変化を簡便な手法で大きく低減することを目的とする。
この発明の液晶表示パネルは、上記の目的を達成するために、2枚の基板を所定の間隙を設けて対向させてシール材によって貼り合わせ、上記間隙に液晶層を封入した液晶表示パネルにおいて、上記シール材の外側面と、その外側面から、上記2枚の基板のうち少なくとも一方の基板の液晶層側と反対側の面の少なくとも一部に亘る領域とを覆うように、真空スパッタ又は化学蒸着法によって形成された絶縁被覆材を配置し、上記2枚の基板のうち上記液晶層に面する領域に、画素部を形成する画素電極を設け、上記2枚の基板のうち一方の基板上に、上記画素電極に電気信号を印加するための引出電極を設け、上記引出電極上にも上記絶縁被覆材を配置したものである。
このような液晶表示パネルにおいて、上記絶縁被覆材の上、あるいは、上記絶縁被覆材と、上記2枚の基板のうち少なくとも一方の基板との間に、絶縁性樹脂を配置するとよい。
さらに、上記絶縁性樹脂上に、上記絶縁被覆材と同材料か、または異なる材料の第2の絶縁被覆材を配置するとよい。
さらに、上記絶縁被覆材を、シリコンを含む膜または金属酸化物を含む膜とするとよい。
また、上記絶縁被覆材を、上記少なくとも一方の基板の液晶層と反対側の面の全面を覆うように配置するとよい。
また、上記シール材のその側面から上記2枚の基板双方の側面に亘る領域を覆うように上記絶縁被覆材を配置するとよい。
また、上記シール材の外側面と、その外側面から、上記2枚の基板のうち少なくとも一方の基板の液晶層側と反対側の面の少なくとも一部に亘る領域とを覆うように、上記絶縁被覆材を含む2種類以上の絶縁膜が積層されて配置するとよい。
さらに、上記絶縁被覆材を100nmから500nmの膜厚とするとよい。
また、上記絶縁被覆材の上、あるいは、上記絶縁被覆材と、上記2枚の基板のうち少なくとも一方の基板との間に、さらに被覆材を設けるとよい。
ここで、上記被覆材を、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス、又は積層接着材を含むものとするとよい。
また、上記絶縁被覆材を、予めプラズマ処理が施された箇所に配置するとよい。
また、上記引出電極上に集積回路素子またはフレキシブル接続基板を搭載し、上記集積回路素子上または上記フレキシブル接続基板上にも上記絶縁被覆材を配置するとよい。
さらに、上記絶縁被覆材と上記少なくとも一方の基板との間に偏光板を配置するとよい。
あるいは、上記絶縁被覆材の上に偏光板を配置するとよい。
以上のようなこの発明の液晶表示パネルによれば、シール材の外側面と、その外側面から、2枚の基板のうち少なくとも一方の基板の液晶層側と反対側の面の少なくとも一部に亘る領域とを覆うように、真空スパッタ又は化学蒸着法によって形成された絶縁被覆材を配置したことにより、液晶層への水分の浸透を強固に防止し、高温高湿の環境で長時間駆動した場合でも液晶層に大きな特性変化が起こらないようにして、液晶表示パネルの表示品質と信頼性を向上させることができる。
この発明をより詳細に説明するために、添付図面にしたがって、この発明の実施例を説明する。
〔第1の実施形態:図1乃至図3〕
まず、この発明の液晶表示パネルの第1の実施形態について説明する。図1はその液晶表示パネルの平面図、図2は図1に示す2−2線における断面図、図3は図1の円A内を拡大する部分拡大平面図である。
この第1の実施形態の液晶表示パネルは、携帯電話、小型情報機器、時計等に使用する反射型の液晶表示パネルであり、第1の実施形態の特徴は、第1の基板上に設けた引出電極上およびその周囲と、液晶表示パネルの駆動集積回路(IC)上とフレキシブルプリント基板(FPC)上と第2の基板上に、絶縁被覆材として薄膜絶縁層を設けている点である。
この液晶表示パネルは、図1に示すように、厚さ0.5mmの第1の基板1上に設けたm本のストライプ状の第1の電極2と、厚さ0.5mmの第2の基板6上に設けたn本のストライプ状の第2の電極7とを有し、第1の電極2と第2の電極7の交差部であるm×n個の画素部24からなる表示領域23を有するマトリクス型の液晶表示パネルである。第1の基板1と第2の基板6とは、図示しないスペーサにより所定の間隙を設けて対向させ、図2に示すようにシール材26により接着し、その間隙に液晶層25を封入して封孔材27により密閉し、気密性を確保する。
また、図2に示すように、第2の基板6上の全面にアルミニウム膜あるいは銀合金膜からなる反射板16を設け、反射板16上には、赤(R)カラーフィルタ17,緑(G)カラーフィルタ18,青(B)カラーフィルタ19からなるカラーフィルタを設けている。そしてその上には、カラーフィルタの凹凸の平坦化と反射板16と第2の電極7との電気的短絡の防止のために平坦化保護膜21を設け、第2の電極7はその平坦化保護膜21上に設けている。さらに、第1の電極2上および第2の電極7上には、液晶層25の液晶分子を所定の方向に配向するために配向膜(図示せず)を設けている。
一方、第1の基板1上には、位相差板12と偏光板11とを設けている。偏光板11は、一方の偏向軸が吸収軸であり、それと直交する偏向軸が透過軸である通常の吸収型偏光板である。位相差板12としては、1層のものの他に、2枚又は3枚の位相差板を積層したものを用い、表示のコントラストや明るさを改善することもできる。
なお、図1において、偏光板11や位相差板12,反射板16,各カラーフィルタ,平坦化保護膜21,接続電極42は図示を省略している。また、引出電極41については、第1の電極2や第2の電極7との境界を示すのが困難であるため符号を付していないが、図示した電極のうち、少なくともシール材26より外側の部分は引出電極41である。以下の実施形態の説明に用いるこれと対応した平面図においても同様である。
ところで、この液晶表示装置においては、図1に示すように、第1の基板1を第2の基板6よりも大きいサイズとし、第1の電極2に電気信号による駆動信号を印加する駆動IC36と、第2の電極7に電気信号による駆動信号を印加する駆動IC35とを、第1の基板1上に搭載している。なお、第2の基板6は、表示領域23よりは大きく、集積回路素子である第1の基板1上の駆動IC35,36を設ける領域までは届かない大きさとしている。
そして、第1の電極2と駆動IC36とを接続するための第1の電極2と連続する引出電極を、表示領域23からシール材26の外側に引き出しており、この上にポリイミド樹脂に導電粒を含有する異方性導電フィルムを介して駆動IC36を搭載し、加熱圧縮してフィルムを硬化させることにより、引出電極を介して第1の電極2と駆動IC36とを接続している。このような実装法を、チップ・オン・ガラス(COG)法という。
また、第2の電極7と駆動IC35とを接続するための引出電極41も第1の基板上に設けており、シール材26の一部をアクリル樹脂に導電粒を混入した異方性導電シール材によって構成し、第2の基板6と第1の基板1とをその異方性導電シール材を介して加圧することにより、第2の基板6上に設けた第2の電極7と、第1の基板1上に設けた引出電極41とを導電粒を介して電気的に導通させている。そして、この引出電極41上に上述の駆動IC36の場合と同様に駆動IC35を搭載することにより、引出電極41を介して第2の電極7と駆動IC35とを接続している。
なお、ここでは駆動IC35,36を液晶表示パネルの2辺側に分けて搭載したが、引出電極を引き回して全ての駆動ICを1辺側に搭載するようにしてもよい。
さらに、駆動IC35,36に外部回路から信号を印加するため、図2及び図3に示す接続電極42を介して、駆動IC35,36と接続するフレキシブル接続基板であるFPC31を設けている。なお、FPC31及び駆動IC35,36と接続電極42との接続は、異方性導電フィルムによって行っている。
また、図1乃至図3に示すように、引出電極41上およびその周囲に、少なくとも引出電極41のシール材26よりも外側の部分を全て覆うように、絶縁被覆材として窒化シリコン(SiNx)からなる水分を通さない薄膜絶縁層22を250nm(ナノメートル)の厚さで形成し、さらに、駆動IC35,36上と、FPC31上の一部と、駆動IC35とFPC31との間の部分と、第2の基板6の液晶層25と反対側(図2で下面)の全面にも同じように薄膜絶縁層22を形成している。
すなわち、第1の基板1の液晶層25と反対側の面(図2で上面)と側面、および第1の偏光板11あるいは第1の位相差板12上と、FPC31の一部とを除いては、薄膜絶縁層22が全面を被覆している。そのため、引出電極41への水分の浸透を防止でき、高温かつ高湿の状態で長時間動作させた場合でも、引出電極41の電蝕を防止し、安定して表示を行うことができる。特に、薄膜絶縁層22を第2の基板6と重なるように設けているので、薄膜絶縁層22の端部から引出電極41までの距離が長く、端部から引出電極41への水分の浸透も排除することができる。なお、ここでは第2の基板6上の全面に薄膜絶縁層22を設けたが、第2の基板6と一部重なるように設けるだけでも、この効果は発揮される。
また、薄膜絶縁層22には常圧化学蒸着(CVD)あるいは常圧光CVDで形成する膜質でも使用は可能ではある。しかし、引出電極41の電蝕を防止するためには緻密な膜が必要であり、真空状態でスパッタリングやCVD法によって形成すると緻密かつ透水性を小さくできるため、この方法で形成した膜を用いることは特に有効である。また、成膜,クリーニング,成膜の過程を複数回繰り返すと膜におけるピンホールの発生を防止することができるため、このようにすることも特に有効である。
また、薄膜絶縁層22の成膜は、150℃以下で行うとよい。これは、あまり高温にすると液晶層25が劣化するので、これを防止するためである。偏光板11やFPC31の劣化を防止するためにはさらに低温で成膜を行うことが好ましいが、150℃以下であれば許容範囲である。
以上の構造を採用することにより、第1の基板1上の引出電極41を設けた部分では、駆動IC35,36及び薄膜絶縁層22により気密性を保つことができる。
なお、特に断面図は示していないが、駆動IC36を設けた側においても、駆動IC35を設けた側の場合と同様に、引出電極41や駆動IC36等の被覆を行っているものとする。これは以下の各実施形態でも同様である。
また、ここでは反射板16を第2の基板6の外周まで、平坦化保護膜21と同一外周を有するように設けているが、薄膜絶縁層22をシール材26や第2の基板6の側面にも設けているので、反射板16の外周部も薄膜絶縁層22が設けられた状態となり、反射板16は外気に触れない。従って、反射板16にアルミニウム(合金も含む)膜、あるいは銀(合金も含む)膜を使用する場合にも、反射板16の変質、腐蝕を防止することが可能となり、反射板16をパターン形成する必要がなく工程の簡略化が可能である上記の構造を採用することができる。
さらに、薄膜絶縁層22は、第1の基板1と第2の基板6との5マイクロメートル(μm)程度の薄い間隙にも成膜することが可能である。従って、その間隙のシール材26の外側の部分であるギャップ部53においても引出電極41を薄膜絶縁層22によって被覆することが可能であり、引出電極41が外気と接するのを防ぐことができる。なお、この効果を十分に得るためには、薄膜絶縁層22は第1の基板1と第2の基板6との間隔、つまり液晶層の厚さより薄い方が好ましい。
薄膜絶縁層22はスパッタやCVDによる成膜で形成するので、その膜厚は100nmから500nm程度とするのがよく、特に厚くする場合には1000nm程度まで厚くすることができるが、200nmから500nm程度の範囲の場合に良好な結果が得られた。
薄膜絶縁層22の材質については、上述した窒化シリコン膜の他に、同じくシリコンを含む酸化シリコン膜や、窒化酸化シリコン膜の単膜あるいは積層膜を真空状態で形成して使用しても、同様な効果が得られた。また、酸化タンタル膜、酸化チタン膜等の金属酸化物からなる薄膜絶縁層を採用すると、低温で緻密な膜を形成することができるため、耐熱温度の低い基板あるいは実装部材を用いる場合には好適であった。また、2種以上の異なる絶縁膜を積層したものにしてもよい。
また、ここでは、ギャップ部53に残った液晶層25の洗浄を充分に行い、さらに駆動IC35,36やFPC31を実装した後に、薄膜絶縁層を設ける部分に酸素プラズマ処理を行い、残渣除去と汚れ除去を行ってから薄膜絶縁層22の形成を行っている。駆動IC35,36の実装前に酸素プラズマ処理を行うと引出電極41を形成する透明導電膜の表面が変質(酸化度変化)し、駆動IC35,36上の図示しないバンプとの導通特性を悪くする。しかし、駆動IC35,36を実装した後であれば酸素プラズマ処理が可能であり、有機物除去を効率良く行うことができる。なお、酸素プラズマ処理に代えて、アルゴンガスのような不活性ガス,酸素ガス,窒素ガス,あるいはこれらの2種類以上の混合ガスを用いたプラズマ処理を行ってもよい。
さらに、シール材26の外気と接する側にも薄膜絶縁層22を設けているため、シール材26を透過する水分量を低減できるので、液晶層25の特性変化を低減し、表示品質を向上させることができる。
また、この実施形態ではFPC31上の一部にのみ薄膜絶縁層22を形成しているが、これは、FPC31の第2の基板6側に、外部回路(図示せず)と接続を行う端子を設けているためである。FPC31上の一部に薄膜絶縁層22を形成するためには、薄膜絶縁層22を形成しない部分を予めポリイミドテープで被覆し、薄膜絶縁層22の成膜後に、ポリイミドテープを剥離すればよい。この方法は、薄膜絶縁層22の成膜工程において、FPC31を外部回路と接続するための電極部を保護できるという点でも有効である。
〔第2の実施形態:図4乃至図6〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第2の実施形態及びその変形例について説明する。図4はその液晶表示パネルの断面を示す図2と対応する断面図、図5は同じく引出電極付近を拡大して示す図3と対応する部分拡大平面図、図6はその変形例の構成を示す図4と対応する断面図である。これらの図において、第1の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第2の実施形態の特徴は、FPCの第2の基板側(図4で下側)には全面に絶縁被覆材として薄膜絶縁層を設けること及び、薄膜絶縁層上の一部には絶縁性樹脂を設けている点である。そして、第2の実施形態の液晶表示パネルは、これらの点及び反射板16が第2の基板6よりも小さい外形にパターン形成されている点以外は上述した第1の実施形態と同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルにおいて、薄膜絶縁層22は、第1の実施形態同様に、引出電極41上及びその周囲、駆動集積回路35上と第2の基板6の図4で下側の面等に設けている。そしてこれに加え、FPC31上には、第2の基板6側の全面に薄膜絶縁層22を設けている。
このようにすることにより、FPC31側においても薄膜絶縁層22の端部から引出電極41までの距離を長くし、端部から引出電極41への水分の浸透をより効果的に排除することができる。
また、引出電極41のシール材26よりも外側の部分とその周囲及び駆動IC35,36とフレキシブルプリント基板31の一部とに対応する部分には、薄膜絶縁層22上にシリコン樹脂からなる絶縁性樹脂32を設けている。透水性が低い点ではエポキシ樹脂が好ましいが、エポキシ樹脂は熱収縮が大きく、この熱収縮のために基板が変形してシール材26近傍の液晶層25の厚みが変化してしまう恐れがあることから、ここでは熱収縮が小さく弾力性のあるシリコン樹脂を用いている。この絶縁性樹脂32は、電蝕を防止するために引出電極41等の電極への水分の浸透を防止する機能を有することはもちろんであるが、薄膜絶縁層22への傷の防止やFPC31と第1の基板1との接着の補強にも兼用している。
そして、この絶縁性樹脂32を設けることにより、薄膜絶縁層22と協働して水分の浸入を防止でき、薄膜絶縁膜22の損傷を防いでその機能を安定して発揮させることができるので、引出電極41の電蝕を防止することができる。
ここで、このような透明あるいは白色の絶縁性樹脂32を用いても、透水性の低減には効果を有し、電蝕防止効果は十分に得られる。しかし、黒色あるいは灰色の絶縁性樹脂をこの液晶表示パネルに採用すれば、駆動IC35,36を照射される光から遮蔽することができるため、駆動IC35,36の光誤動作を防止することができる。また、FPC31と第1の基板1のおもて面(図4で上側の面)側まで絶縁性樹脂を塗布し、第1の基板1のおもて面の駆動IC35,36と対応する部分に黒色あるいは灰色の絶縁性樹脂を塗布するようにすれば、駆動IC35,36の光誤動作をさらに確実に防止できると共に、第1の基板1とFPC31との界面からの水分の浸透を低減でき、電蝕をより効果的に防止することができる。
なお、この液晶表示パネルでは、FPC31と外部回路(図示せず)との接続は、FPC31の第1の基板1側(図4で上側)で行うので、この部分に設けた端子部には薄膜絶縁層22が形成されないよう、マスキングを行ってから薄膜絶縁層22の形成を行うことが好ましい。しかし、ここでは薄膜絶縁層22は主に第2の基板6側に形成するため、第1の基板1側に形成される層は周り込みによるごく薄いものである。このような層は、銅と金によって端子部を形成し、外部回路との接続にコネクタを利用する場合には機械的に破壊でき、半田による接続を利用する場合には、熱的に破壊できるため、マスキングを行わなくても接続は問題なく可能であった。そこで、薄膜絶縁層22を形成する際のマスキングを省略することにより、工程を簡略化することが可能となる。
なお、図4に示す例では、第1の基板1よりも図で下側(第2の基板6側)のみに薄膜絶縁層22を形成しているが、図6に示すように、第1の基板1の側面や図で上側にも同時に薄膜絶縁層22を成膜し、FPC31上を含む液晶表示パネルの全ての面に薄膜絶縁層22を形成することにより、外気に触れる全ての面からの水分の浸入を防止することができ、さらに信頼性を向上させることができる。
そして、第1の基板1よりも図で上側に薄膜絶縁層22を形成する場合には、第1の基板1上に直接形成することも可能であるし、偏光板11を接着後にその上に形成することも可能である。図6では後者の例を示している。液晶表示パネルの信頼性の面では、その後者の方がより良好であった。その理由は、紫外線カット機能を有する偏光板11により、薄膜絶縁層22の成膜時に発生する紫外線から液晶層25を護ることができるためである。
〔第3の実施形態:図7〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第3の実施形態について説明する。図7はその液晶表示パネルの断面を示す図2と対応する断面図である。この図において、第1及び第2の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第3の実施形態の特徴は、第2の基板上に第2の偏光板を設け、薄膜絶縁層をその偏光板上に設ける点である。そして、第3の実施形態の液晶表示パネルは、これらの点及び反射板16を設けない点以外は上述した第2の実施形態と同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
図7に示すように、この液晶表示パネルには、反射板は設けず、第2の基板6の裏側(図で下側)に第2の偏光板14を設けている。この第2の偏光板14としては、一方の偏光軸が透過軸であり、直交する偏光軸が吸収軸である吸収型偏光板、あるいは一方の偏光軸が透過軸であり、直交する偏光軸が反射軸である反射偏光板のいずれかを用いる。半透過反射型液晶表示装置として使用する場合には、反射偏光板を利用することで明るい表示が可能となる。
また、薄膜絶縁層22は、第2の実施形態同様に、引出電極41上及びその周囲、駆動集積回路35上とFPC31の裏側の面等に設けている。しかし、第2の基板6上には、直接ではなく、第2の偏光板14を介して薄膜絶縁層22を形成している。
このような構成とすることにより、第2の偏光板14によって、薄膜絶縁層22を形成する課程で発生する紫外線から液晶層25を護ることができる。このためには、当然、第2の偏光板14の配置後に薄膜絶縁層22を形成する必要がある。第1の偏光板11も配置した後であればなおよい。また、シール材26に紫外線反射材あるいは紫外線吸収剤を混入すれば、液晶層25への紫外線照射量をさらに低減することが可能となる。
このような液晶表示パネルによれば、薄膜絶縁層22により、上述した各実施形態の場合と同様に引出電極41の電蝕の防止を図ることができると共に、第2の偏光板14の劣化も防止することができる。さらに、第2の偏光板14により、薄膜絶縁層22の形成時における液晶層25の劣化の防止も可能である。
また、この実施形態の変形として、第2の基板6上に半透過反射板を形成することも可能である。半透過反射板を設ける位置としては、第2の基板6と液晶層25との間、第2の基板6と第2の偏光板14との間、あるいは第2の偏光板14の裏側に設けることができるが、この実施形態の効果を最大限に利用できるのは、第2の偏光板14の裏側に半透過反射板を設けた場合である。すなわち、半透過反射板は、薄膜アルミニウム膜や、光を透過させるための穴(開口部)を有する膜であるため、水分により腐蝕が発生するが、薄膜絶縁層22で半透過反射板も被覆することにより、その腐蝕を防止することができるのである。
さらに、半透過反射板を第2の基板6と第2の偏光板14との間に設ける場合でも、工程の短縮のために第2の基板6上の全面に設けると、半透過反射板の断面が外気に接するので、この場合に、薄膜絶縁層22により断面部の腐蝕と粘着層への水分浸透を防止することは有効である。
〔第4の実施形態:図8〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第4の実施形態について説明する。図8はその液晶表示パネルの断面を示す図2と対応する断面図である。この図において、第1乃至第3の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
この第4の実施形態は、薄膜絶縁層を設ける場所以外については上述した第3の実施形態と同様であるから、この点以外については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルにおいては、薄膜絶縁層22は、図8に示すように、引出電極41上及びその周囲と駆動集積回路35上には第3の実施形態と同様に設けている。しかし、第2の基板6上に設けた第2の偏光板14上には、薄膜絶縁層22は外周部の一部にのみ設けている。そして、FPC31の裏側(図で下側)でも、第1の基板1の外周部近傍にのみ設けている。薄膜絶縁層22を設ける工程で、マスキングを行い、薄膜絶縁層22を形成する領域を限定することにより、薄膜絶縁層22をこのような配置にすることができる。
そして、薄膜絶縁層22を第2の偏光板14上では周辺部のみに設ける理由は、第2の偏光板14上での薄膜絶縁層22の膜厚ばらつき、あるいは剥がれ等による表示品質のばらつきを防止するためであり、FPC31の裏側では一部のみに設ける理由は、FPC31を図8に示すように曲げて外部回路(図示せず)と接続を行う場合でも薄膜絶縁層22がFPC31から剥離しないよう、薄膜絶縁層22をFPC31上の曲げる部分には設けないようにするためである。
従って、このような構成を採用すれば、第2の偏光板14あるいはFPC31の有機材料との密着力や成膜時の均一性を重視することなく、引出電極41への透水性の低下に重点を置いて薄膜絶縁層22の材料を選定することが使用することが可能であるので、より透水性の低い薄膜絶縁層22を形成し、引出電極41への水分浸透を防止することができる。
〔第5の実施形態:図9乃至図11〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第5の実施形態について説明する。図9はその液晶表示パネルの平面図、図10は図9に示す10−10線における断面図、図11は図9に示す11−11線における断面図である。これらの図において、第1及び第2の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第5の実施形態の特徴は、パネルの第2の基板側(図10,11で下側)の薄膜絶縁層に加えて、第1の基板側(同図で上側)に第2の絶縁被覆材として第2の薄膜絶縁層を設ける点である。
この液晶表示パネルは、図4及び図5を用いて説明した第2の実施形態の液晶表示パネルとほぼ同様な構成を有するが、まず、第2の実施形態では駆動IC35,36の両方を第1の基板1上に搭載していたのに対し、第2の電極7に駆動信号を印加するための駆動IC36を第2の基板6上に搭載している点が第2の実施形態の液晶表示パネルと異なる。従って、第2の電極7と駆動IC36とを接続するための引出電極も、第2の基板6上に設けている。また、駆動IC36は、図9では図示を省略した第2の基板6上の接続電極42によって駆動IC36用のFPC131と接続している。
また、この液晶表示パネルでは、第2の実施形態の場合と同様に設けた薄膜絶縁層22に加えて、パネルの第1の基板側に第2の薄膜絶縁層122を設けている。この第2の薄膜絶縁層122は、図9乃至図11に示すように、第2の基板6上に設けた引出電極41上およびその周囲に、少なくとも引出電極41のシール材26よりも外側の部分を全て覆うように、窒化シリコン(SiNx)からなる水分を通さない膜を250nm(ナノメートル)の厚さで形成し、さらに、駆動IC36上と、FPC131の第1の基板1側の面全面と、駆動IC36とFPC131との間の部分と、第1の基板1の液晶層25と反対側(図10,11で上側)の全面にも同じように形成している。
そして、この第2の薄膜絶縁層122上にも、引出電極41のシール材26よりも外側の部分とその周囲及び駆動集積回路36とFPC131の一部とに対応する部分には、シリコン樹脂からなる絶縁性樹脂32を設けている。
この液晶表示パネルのように、第2の基板6にも駆動ICを実装する場合、パネルの第2の基板6側に設けた薄膜絶縁層22のみでは第2の基板上の引出電極41を被覆することができないため、第1の基板1側にも第2の薄膜絶縁層122を設ける構成が重要である。このようにすることにより、第2の基板6に設けた接続電極についても、水分の浸透を防ぎ、電蝕を防止することができる。
なお、薄膜絶縁層22と第2の薄膜絶縁層122とは同時に設けることも可能である。例えば、薄膜絶縁層の成膜中に液晶表示パネルを図10の左右方向を支点として回転すればよい。薄膜絶縁層22と第2の薄膜絶縁層122は、別々の工程で形成することも当然可能であるが、同時に形成する方が工程は簡単である。
また、ここでは、偏光板11上に第2の薄膜絶縁層122を設けてしまうと、偏光板11をリペアーする必要が生じた場合に第2の薄膜絶縁層122を除去しなければならなくなってしまうため、第2の薄膜絶縁層122は第1の基板1上に直接形成しているが、偏光板11上に第2の薄膜絶縁層122を設けることも当然可能である。
〔第6の実施形態:図12〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第6の実施形態について説明する。図12はその液晶表示パネルの断面を示す図2と対応する断面図である。この図において、第1及び第2の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第6の実施形態の特徴は、薄膜絶縁層上及び絶縁性樹脂上に、第2の絶縁被覆材として第2の薄膜絶縁層を設けた点である。そして、第6の実施形態の液晶表示パネルは、この点以外は図4及び図5を用いて説明した第2の実施形態とほぼ同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルにおいては、第2の実施形態の場合と同様に薄膜絶縁層22と絶縁性樹脂32を設けているが、絶縁性樹脂32はアクリル樹脂によって設けている。そして、図12に示すように、これらの上全面にさらに第2の薄膜絶縁層122を設け、さらに強固な水分浸透防止を図っている。この第2の薄膜絶縁層122の材質,厚さ,形成方法は薄膜絶縁層22と同じでよい。
このようにすれば、引出電極41に対しては、薄膜絶縁層22,絶縁性樹脂32,第2の薄膜絶縁層122の3層によって水分の浸透を強力に防止できると共に、シール材26と外気が接する面にも第1の薄膜絶縁層22および第2の薄膜絶縁層122の2層の薄膜絶縁層を形成できるため、シール材26を覆う部分についても、ピンホールの発生確率や透水性の低減が可能である。また、第1の薄膜絶縁層22と第2の薄膜絶縁層122は共に、パネルの第2の基板6側の全面に形成するため、特にマスキングの必要がない。
なお、偏光板11上への薄膜絶縁層の周り込みを防止するためには、保護膜として保護シートを貼りつけた偏光板11を液晶表示パネルに接着し、その状態で薄膜絶縁層の形成を行い、その後、検査時あるいは液晶表示パネル使用時等に保護シートを剥がして偏光板11上の薄膜絶縁層を除去するようにするとよい。
また、FPC31と外部回路(図示せず)との接続について、外部回路側のコネクタ等の外力により簡単に破壊し、電気的導通を確保することが可能であることは、第2の実施形態の場合と同様である。
〔第7の実施形態:図13〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第7の実施形態について説明する。図13はその液晶表示パネルの断面を示す図2と対応する断面図である。この図において、第1及び第2の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第7の実施形態の特徴は、絶縁性樹脂上に第2の絶縁被覆材として被覆材を設ける点である。そして、第7の実施形態の液晶表示パネルは、この点以外は図4及び図5を用いて説明した第2の実施形態とほぼ同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルにおいては、第2の実施形態の場合と同様に薄膜絶縁層22と絶縁性樹脂32を設けているが、絶縁性樹脂32はアクリル樹脂によって設けている。そして、図13に示すように、絶縁性樹脂32上にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる被覆材51を、第2の基板6の一部と重なる位置からFPC31と一部重なる位置まで設ける。被覆材51の厚さは、50μmから100μm程度がよい。この程度の厚さであれば、第1の基板1上の駆動IC35,36等の凹凸形状になじみ、絶縁性樹脂32の厚さ分布を緩和できる一方、薄膜絶縁層22に比較して100倍以上の厚さを有するため、透水性は極めて少なくできる。さらに、傷に対しても堅牢である。
ここで、薄膜絶縁層22と絶縁性樹脂32と被覆材51を形成する工程は以下のようにするとよい。すなわち、まず液晶表示パネルに駆動IC35,36及びFPC31を実装後、薄膜絶縁層22を形成する。その後、絶縁性樹脂32を塗布し、被覆材51を載せ、加圧して絶縁性樹脂32と被覆材51をなじませてから、絶縁性樹脂32を硬化させる。このとき、被覆材51上に予め防水のための薄膜絶縁層を設けたり絶縁性樹脂32との密着性を高めるための表面処理を施したりしておくとより好ましい。
このような構成により、引出電極41への水分浸透をさらに低減することができる。そして、薄膜絶縁層22と被覆材51とを併せて用いることにより、絶縁性樹脂32に気泡が発生したり、シール材26近傍の第1の基板1と第2の基板6のギャップ部53で薄膜絶縁層22や絶縁性樹脂32の接着が悪い部分が発生したり、薄膜絶縁層22にピンホールが発生したりしても、被覆材51がこのことによる防水性の低下を補償するため、非常に安定した特性を確保することができる。
〔第8の実施形態:図14乃至図16〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第8の実施形態について説明する。図14はその液晶表示パネルの平面図、図15は図14に示す15−15線における断面図、図16は図14の円B内を拡大する部分拡大平面図である。これらの図において、第1及び第2の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第8の実施形態の特徴は、第1の基板上に設けた引出電極上およびその周囲に絶縁性樹脂を設け、その上に絶縁被覆材として被覆材を設けている点である。この液晶表示パネルの基本的な構成は図4及び図5を用いて説明した第2の実施形態と同様であるので、相違点を中心に説明し、その他の点の説明は簡単にするか省略する。
まず、この液晶表示パネルにおいては、第2の実施形態の場合と異なり、薄膜絶縁層は設けていない。そして、図14乃至図16に示すように、引出電極41上およびその周囲に、少なくとも引出電極41のシール材26よりも外側の部分を覆うように、エポキシ樹脂に黒色染料を有する黒色エポキシ樹脂による絶縁性樹脂33を設けている。さらに、駆動IC35,36上と、FPC31上の一部と、駆動IC35とFPC31との間の部分にも、同様に絶縁性樹脂33を設けている。もちろん、駆動IC35,36とシール材26との間の部分にも絶縁性樹脂33が設けられることになる。
そして、その絶縁性樹脂33上(図15では下側)に、少なくとも引出電極41のシール材26よりも外側の部分を覆い、駆動IC35,36とFPC31と、駆動IC35,36とFPC31との間の部分と重なり合い、第2の基板6とも外周部分で一部重なり合うように、ポリカーボネート(PC)を基材とし、基材上の少なくとも絶縁性樹脂33側に酸化シリコン膜と酸化チタンからなるガスバリア層と水分遮断膜と透明導電膜とを形成した、被覆材51を設けている。すなわち被覆材51は、第2の基板6の外周と一部で重なり合い、第1の基板1がFPC31側に張り出す部分と重なり合う領域まで設けている。なお、図14に示すように、被覆材51は駆動IC35を設けた側に配置する第1の部分と駆動IC36を設けた側に配置する第2の部分とに分割して設けているが、一体としてもよい。
ここで、図14及び図16に示すように、被覆材51はその端部がシール材26と重なる位置まで設けている。この液晶表示パネルのように板状の被覆材51を設ける場合には、被覆材51をパネルに押しつけて第2の基板6と被覆材51を近づけ、絶縁性樹脂33の厚さを薄くして、図15で横方向からの水分透過断面積を低減することが好ましい。このとき、被覆材51を押しつけると、パネル、特に第2の基板6がストレスを受けることになるが、上記のように被覆材51の端部をシール材26と重ねることにより、第2の基板6へのストレスを緩和して基板の破損を防止することができる。また、基板の変形による液晶層25の厚さ変化とそれによる表示品質の低下も防止することができる。しかし、電蝕防止のためだけであれば、被覆材51の端部をこの位置とすることは必須ではない。
被覆材51の材質としては、上述のPCの他、プラスチックの板,ガラス板,金属板,金属板に第2の絶縁被覆材として陽極酸化層を設けた基板,セラミックスの板,あるいは積層接着材を使用することができる。特に、セラミックスは強度が高くて熱膨張係数が小さいため、好適である。そして、コーニング社のマコールガラス(商品名)のような加工性セラミックスを用いれば、機械加工が可能であり、複雑な形状のものを形成できる。また、アルミナを箔状に延伸した薄膜セラミックスや磁器は、強度が高く、熱膨張率が小さい点で好ましい。ガラスの場合には、コーニング社製の感光性ガラス基板を用いることにより、金属加工とほぼ同様な加工が可能である。金属板を用いた場合には、電磁波遮蔽能力が強いため、ノイズにより発生する駆動ICの誤動作を防止することができる。
また、被覆材51は、被覆材51の接する基板(ここでは第2の基板6)と同等な熱膨張係数を有する材質で構成するとよい。このようにすれば、絶縁性樹脂の硬化工程等で加熱された場合に基板から剥離してしまうことを防止できる。例えば、被覆材51を基板と同じガラスで構成すると、熱膨張率を基板と等しくできる点で好ましい。
被覆材51の厚さは、50μmから700μm程度とするとよいが、プラスチックフィルムの場合には、80μmから150μm程度が好適であった。
この液晶表示パネルにおいては、第1の基板1と第2の基板6の間隙のうちシール材26の外側の部分にも絶縁性樹脂33を設けているので、この部分では、第1の基板1側から見て、第1の基板1と、絶縁性樹脂33と、第2の基板6と、被覆材51とが重なることになる。また、絶縁性樹脂33や被覆材51は、駆動IC35,36やFPC31の上にも設けていることから、第1の基板1側から見て、駆動IC35,36やFPC31とも重なる部分を有することになる。また、図15の紙面右側の部分では、絶縁性樹脂33は被覆材51の外周部からはみ出す状態になっている。
ところで、このような液晶表示パネルを製造する場合、パネル本体にまず駆動IC35,36とFPC31を搭載し、次に絶縁性樹脂33を塗布してから被覆材51を配置し、その後で絶縁性樹脂を硬化させるとよい。
このようにすると、絶縁性樹脂33によって第1の基板1と被覆材51を接着することができる。また、図15には示していないが、被覆材51を硬化前の絶縁性樹脂33上に配置すると、絶縁性樹脂33の一部が第2の基板6と被覆材51との間に染み出すので、この染み出した絶縁性樹脂33によって、第2の基板6と被覆材51との接着も行うことができる。
以上の構造を採用すれば、被覆材51と絶縁性樹脂33とにより、引出電極41を設けた部分の気密性を保ち、引出電極41への水分の浸透を防止できる。特に、被覆材51を第2の基板6と一部重なるように設け、絶縁性樹脂33で接着しているので、被覆材51と第2の基板6との間に水分の通る間隙はなく、ここから引出電極41に向けての水分の浸透も排除することができる。そのため、高温かつ高湿の状態で長時間動作させた場合でも、引出電極41の電蝕を防止し、安定して表示を行うことができる。
なお、ここでは図14に示したように被覆材51を2つの部分に分けて設けているので、それらの間には間隙があることになる。しかし、図15等の断面図では図示の都合上垂直方向に大幅に拡大して示しているが、実際には液晶表示パネルは極めて薄いものであるので、間隙が引出電極41と水平方向に離れた位置、ずなわち第1の基板1側から見て引き出し電極と重ならない位置にあれば、そこから水分が浸入したとしても、引出電極41の直上から浸入した場合に比べ、極めて長い距離に亘って絶縁性樹脂33内を浸透しなければ引出電極41に達しない。従って、このような位置であれば、被覆材51に多少の間隙や開口があっても、水分の浸透防止の観点からは許容できる。
さらに、被覆材51に多少の間隙を設けることは、余分な絶縁性樹脂33を2個の被覆材の間から排出でき、基板と被覆材51との距離を小さくできる点でも好ましく、この間隙から絶縁性樹脂33に生じる気泡を除去できるでも好都合である。しかし、間隙の位置は、引出電極41を形成する領域からできるだけ遠ざけることが望ましい。
また、被覆材51を設けることにより、絶縁性樹脂33を厚く盛ることが容易になり、それだけ透水性を低下させることができる。また、被覆材51は塗布によって形成する膜ではなく、厚さも厚いため、ピンホールの発生は極めて少なく、水分浸透防止の信頼性は高い。
〔第9の実施形態:図17〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第9の実施形態について説明する。図17はその液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。この図において、第8の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第9の実施形態の特徴は、第2の基板上に第2の偏光板を設ける点である。そして、第9の実施形態の液晶表示パネルは、これらの点及び反射板16を設けない点以外は上述した第8の実施形態と同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
図17に示すように、この液晶表示パネルには、反射板は設けず、第2の基板6の裏側(図で下側)に第2の偏光板14を設けている。そして、被覆材51と第2の偏光板14とは、第2の基板6上で所定の隙間を設けて配置している。
なお、第2の偏光板14としては、吸収型偏光板も反射型偏光板も用いることができる。また、第2の偏光板14と共に散乱層や反射板も設け、第2の基板6の裏側にこれらの複合層を形成するようにしてもよい。
そして、この実施形態のように被覆材51と第2の偏光板14との間に間隙を設けることにより、被覆材51を接着する絶縁性樹脂33が被覆材51と第2の基板6の隙間から漏れ、第2の偏光板14を汚すことを防止できる。また、第2の偏光板14に反射型偏光板であるスリーエム社製のRDF−C(製品名)を使用する場合、この偏光板は屈折率の異なる層を多層に積層したものであるため、第2の偏光板14の切断面に外力が働くと各層が剥離し、偏光性が乱れてしまうことがある。しかし、第2の偏光板14と被覆材51とにわずかな隙間を設けると、第2の偏光板14に対して被服材51からの外力が働くことを防止でき、第2の偏光板14の信頼性の向上と表示品質の低下防止に有効である。
〔第10の実施形態:図18〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第10の実施形態について説明する。図18はその液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。この図において、第8及び第9の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第10の実施形態の特徴は、第2の基板上に設けた第2の偏光板を絶縁被覆材としても用いている点である。そして、第10の実施形態の液晶表示パネルは、この点以外は上述した第9の実施形態と同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
図18に示すように、この液晶表示パネルにおいては、独立の被覆材51は設けず、これに代えて、第2の基板6の裏側に設ける第2の偏光板14に、被覆材を設ける位置まで達する大きさのものを用い、これを絶縁被覆材としても用いている。なお、第2の基板6と第2の偏光板14との接着は、粘着層によって行っている。また、第2の偏光板14は駆動IC35を設けた側と駆動IC36を設けた側で別体とせず、一体の被覆材として用いるものとする。
このようにすることにより、第2の偏光板14と被覆材51とが重なり合ってしまったり、被覆材51が表示領域まではみ出してしまったりといった相互位置干渉の問題が起こらないので、引出電極41の被覆を行う場合でも表示領域を第2の基板6の端部近くまで大きく取ることができる。また、第2の偏光板14と被覆材とを別々に接着する必要がないため、製造工程を短縮できる。
また、高温高湿での信頼性をより強くするためには、第2の偏光板14と第2の基板6との接着に使用する粘着層は、引出電極41と対応する部分には設けず、その部分では、第2の基板6と第2の偏光板14との間に染み出す絶縁性樹脂33により接着を行う方法も採り得る。
さらに、引出電極41と対応する部分では、第2の偏光板14にガスバリア層や水分遮断膜を形成することにより、引出電極41の電蝕の防止のためにより好ましい構造にできる。
また、第2の基板6の駆動IC35,36側の基板端面から表示領域が近い場合には、絶縁性樹脂33として、透明で光学的等方性を有する材料を使用することにより、万が一絶縁性樹脂33が表示領域側にはみ出した場合にも表示品質への影響を防止できる。
このように、第2の基板6の下側に設ける第2の偏光板14を被覆材としても使用することにより、引出電極41の電蝕を防止できるとともに、表示領域の拡大、軽量化や薄型化が可能となり、信頼性と表示品質の良好な液晶表示パネルとすることができる。また、第2の偏光板14と共に散乱層や反射板も設け、第2の基板6の裏側にこれらの複合層を形成するようにしたり、RDF−C(製品名)のような多層構造を有する偏光板を用いた場合には、第2の偏光板14の透水性をさらに低減できるため、引出電極41の電蝕防止効果はより大きくなる。
〔第11の実施形態:図19〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第11の実施形態について説明する。図19はその液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。この図において、第8及び第9の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第11の実施形態は、上述した第10の実施形態の発展形であり、その特徴は、第2の基板上に設けた第2の偏光板を絶縁被覆材としても用いると共にさらに第2の偏光板上に第2の絶縁被覆材として被覆材を設けている点、および引出電極上に第2の絶縁性樹脂を設けた点である。そして、第11の実施形態の液晶表示パネルは、これらの点以外は上述した第10の実施形態と同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルにおいては、図19に示すように、第2の基板6の裏側に設ける第2の偏光板14に、被覆材を設ける位置まで達する大きさのものを用い、これを絶縁被覆材としても用いると共に、さらに第2の偏光板14上に、第8及び第9の実施形態の場合と対応する位置に被覆材51を設けている。被覆材51については、駆動IC35を設けた側と駆動IC36を設けた側で別体としても、一体としてもよい。
このように第2の偏光板14上に被覆材51を設ける場合、ほぼ平坦な面上に被覆材51を設けることになるため、粘着層を利用し、平坦かつ位置精度よく被覆材51を接着することができる。そしてもちろん、被覆材51を接着する際に絶縁性樹脂33が表示領域へ染み出すことはない。
また、この液晶表示パネルにおいては、駆動IC35,36とシール材26の間の部分の引出電極41上及びその周囲には絶縁性樹脂33よりも粘度の低い第2の絶縁性樹脂34を設け、絶縁性樹脂33と第2の絶縁性樹脂34との2種の絶縁性樹脂を設けている。
駆動IC35,36とシール材26の間の部分、特に第1の基板1と第2の基板6との間隙のうちシール材26よりも外側の部分は狭く、絶縁性樹脂33をうまく塗布できないことも考えられるため、より粘度の低い第2の絶縁性樹脂34を用いることにより、狭い空間にも容易に確実に塗布を行うことができるようにしている。第2の絶縁性樹脂34の硬化は、絶縁性樹脂33を塗布する前に行っても、絶縁性樹脂33の硬化工程で同時に行ってもよい。
また、引出電極41上に駆動IC35,36をCOG法により実装した後、FPC31や被覆材51を装着するまでに長い期間を置く場合に、第2の絶縁性樹脂34として短時間で硬化が可能なものを用い、引出電極41上に塗布してある程度の水分遮断を行っておくようなことも、有効である。
いずれの場合も、2層の被覆材と2層の絶縁性樹脂により、確実に引出電極41への水分浸透を防ぎ、電蝕を防止することができる。
〔第12の実施形態:図20,図21〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第12の実施形態について説明する。図20はその液晶表示パネルの一部を示す図16と対応する部分拡大平面図、図21は図20に示す21−21線における断面の一部を上下を逆転させて示す部分断面図である。これらの図において、第8の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第12の実施形態の特徴は、平板状の第1の被覆材とコの字型の断面の第2の被覆材とを絶縁被覆材として設けた点である。そして、第12の実施形態の液晶表示パネルは、この点以外は図14乃至図16を用いて説明した第8の実施形態と同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルには、図20及び図21に示すように、絶縁性樹脂33上に設ける絶縁被覆材として第1の被覆材29と第2の被覆材30を設けている。そして、このうち第1の被覆材29は、第8の実施形態における被覆材51と同様なものであり、平板状である。設ける位置も概ね同様であるが、第2の被覆材30と重ならないように、第2の被覆材30を設ける側では第1の基板1の端部からいくぶん離れた位置までしか設けていない。
一方、図20で右側の第1の基板1の端部には、図21に示すように断面がコの字型の第2の被覆材30を設けている。その材質や厚さは、第1の被覆材29と同様である。この第2の被覆材30は、図21の断面には第1の基板1しか現れていないが、第1の基板1と第2の基板6とをコの字の内側に挟むように設けており、第1の絶縁被覆材29との間には、絶縁性樹脂33の気泡抜きと余分の絶縁性樹脂33を外部に出すための絶縁性樹脂隙間部67を設けている。
そして、第2の被覆材30は絶縁性樹脂33によって第1の基板1と接着されている。また、絶縁性樹脂33は駆動IC35を設けた側と反対側にも少し回りこんでおり、第2の基板6についても同様な周り込みが起こっているので、第2の被覆材30は第2の基板6とも接着されている。
なお、図21に符号63で示すのは、引出電極41と駆動IC35との接続に用いる異方性導電フィルムを構成するポリイミド樹脂であり、64で示すのはそこに含有される導電粒である。
この液晶表示パネルでは、上述のような第2の被覆材30を設けることにより、第1の基板1の端部からの絶縁性樹脂33の垂れを防止できる。また、第1の被覆材29と第2の被覆材30とにより絶縁性樹脂33に対して加圧することができるため、シール材26近傍の第1の基板1と第2の基板6との狭いギャップ部53にも、効率よく絶縁性樹脂33を塗布することができる。このとき、この加圧によって押し出される余分な絶縁性樹脂33は、絶縁性樹脂隙間部67や、シール材26に沿う周り込み部52及びはみだし部55へ逃がすことができる。
従って、第1の被覆材29と第2の被覆材30をこのように設けることにより、シール材26近傍の第1の基板1と第2の基板6と間隙への絶縁性樹脂33の塗布性は大きく向上し、絶縁性樹脂の硬化時に発生する気泡や余分な絶縁性樹脂を逃がすこともできるので、引出電極41に対する気密性を容易に向上させて引出電極41への透水性を大きく低減させることができる。
〔第13の実施形態:図22〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第13の実施形態について説明する。図22はその液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。この図において、第8の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第13の実施形態の特徴は、FPCの両面に絶縁性樹脂を設ける点である。そして、第13の実施形態の液晶表示パネルは、この点以外は図14乃至図16を用いて説明した第8の実施形態とほぼ同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
図22に示すように、この液晶表示パネルにおいても第8の実施形態の場合と同様な位置に絶縁性樹脂を設けているが、FPC31上には若干広い部分に設けている。また、樹脂としては透明な紫外線硬化型エポキシ樹脂あるいは紫外線硬化型アクリル樹脂を用いて絶縁性樹脂32を形成している。紫外線硬化樹脂は短時間で硬化させることが可能なので、これを用いることにより、硬化中に被覆材51が移動してしまうことを防止できる。
また、FPC31の第1の基板1側(図22で上側)にも、FPC絶縁性樹脂49を設けている。この樹脂としては、機械的強度を重視する場合には、絶縁性樹脂32と同じ樹脂を用いるのが好ましい。すなわち、シリコン樹脂に代表される弾力性を有する樹脂の場合には、FPCとの密着力が弱い場合があるため、機械的強度を達成するためには、エポキシ樹脂あるいはアクリル樹脂が好ましい。
このようにFPC絶縁性樹脂49を設けることにより、引出電極41だけでなく、FPC31と接続する接続電極42についても、パネルの外周側からの水分の浸入を防止し、電蝕を防止することができる。
〔第14の実施形態:図23,図24〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第14の実施形態について説明する。図23はその液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図、図24はこの液晶表示パネルに設ける被覆材の形状を示す斜視図である。この図において、第8の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第14の実施形態は、上述した第12の実施形態の発展形であり、その特徴は、図24に示す形状の被覆材を用いる点である。そして、第14の実施形態の液晶表示パネルは、これらの点以外は上述した第12の実施形態と同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。なお、図24においては、被覆材は図23の状態とは上下を反転して示している。
この液晶表示パネルに用いる被覆材151は、図23及び図24に示すように、第1の基板1と第2の基板6の引出電極41を引き出した側の端部を覆う形状である。そして、その断面はコの字型である。また、FPC31を設ける側には、FPC31を被覆材151の外部に取り出すために、FPC孔57を設け、さらに、FPC孔57から絶縁性樹脂33が外部へ大きくはみ出さないようにするため、FPC孔鍔59を設けている。さらにまた、被覆材151には、絶縁性樹脂を導入するための開口部として導入孔58を設けている。この導入孔58は、第1の基板1側から見て引出電極41や接続電極42と重ならない部分に設けるとよい。このようにすれば、導入孔58の部分に被覆材がないことによる影響を最小限にすることができる。
また、図24では、被覆材151の内側を図示していないが、この被覆材151は透明であってもよい。透明であると、絶縁性樹脂33の塗布状態や気泡の発生状態の確認が容易であるので好ましいが、駆動IC35,36を光から遮蔽するためには、遮光性のある黒色が好ましい。従って、引出電極を設けた側の面は透明で、駆動IC35,36と第1の基板1を挟んで反対側の面は黒色にするとよい。
このような被覆材151は、絶縁性樹脂33を塗布する前に、図23に示すように、断面のコの字の内側に第1の基板1と第2の基板6を挟むように装着する。このとき、第1の基板1の側面が被覆材151に接するまで被覆材151を嵌めこむものとする。その後、導入孔58から絶縁性樹脂33を充填する。このとき、余分な絶縁性樹脂33は、FPC孔57から一部排出され、さらに、絶縁性樹脂33の導入に用いない導入孔58からも排出される。その後絶縁性樹脂33を硬化する際に発生する気泡も同様に排出できる。そして、絶縁性樹脂33は導入孔58から若干盛り上がった状態になる。
なお、図24に示した例では、被覆材151の側面に基板用溝60を設け、ここに第1の基板1を嵌めて、被覆材151の側面は第1の基板1の端部よりも内側に位置するようにしている。このようにすれば、基板用溝60からも余分な絶縁性樹脂33や気泡を排出することができる。もちろん、被覆材151の側面の位置を第1の基板1の端部より外側にする場合には基板用溝60を設ける必要はないし、第2の基板6の端部より内側にする場合には、第2の基板6を嵌める基板用溝を設ける必要がある。
このような被覆材151を用いると、第1の基板1の上側と下側に連続した被覆材151を設けることになるので、絶縁性樹脂33の硬化時に収縮応力、あるいは膨張応力が発生する場合でも、その応力が片面へ集中せず、基板の反りを防止できる。さらに、被覆材151が第1の基板1と第2の基板6の両方と接触しているため、被覆材151により、基板の補強が可能となる。
また、被覆材151が第1の基板1と垂直な面でも絶縁性樹脂33に接して外気を遮断するので、引出電極41における気密性は極めて堅牢なものとなる。そのため、電蝕防止に非常に有効な構造である。
〔第15の実施形態:図25,図26〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第15の実施形態について説明する。図25はその液晶表示パネルの一部を示す図16と対応する部分拡大平面図、図26はその液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。これらの図において、第8の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第15の実施形態の特徴は、基板の間隙が狭く、そこに絶縁性樹脂33を十分に塗布できない場合に、粘度の低い第2の絶縁性樹脂をその間隙に充填する点である。そして、第15の実施形態の液晶表示パネルは、この点以外は図14乃至図16を用いて説明した第8の実施形態とほぼ同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルにおいては、液晶層25に強誘電性液晶を採用しているので、その厚さは1μm程度であり、従って第1の基板1と第2の基板6との間隙もその程度しかない。発明者らの実験の結果、このような場合には、非常に粘度の低い樹脂を使用しないと、第1の基板と第2の基板との間に絶縁性樹脂が入り込まないことがあることが確認された。しかし、粘度の低い絶縁性樹脂を使用すると塗布中に流れてしまい、大きな面積に塗布する場合には被覆材51に届くほどの高さに盛ることができない。一方、第8の実施形態等で絶縁性樹脂33として用いた樹脂では、1μmの薄い間隙へは充填することが非常に難しい。
そこで、第1の基板1と第2の基板6との間隙へは十分に充填できないことを承知の上でまず第8の実施形態等で用いた絶縁性樹脂33を塗布し、被覆材51を配置する。すると、図25に示すように絶縁性樹脂33を充填できない空間部39が生じるので、その後、空間部39を密封するように、被覆材51の端部付近から絶縁性樹脂33より粘度の低い第2の絶縁性樹脂34を充填する。粘度の低い第2の絶縁性樹脂34は、毛細管現象により簡単に空間部39に充填することが可能であり、引出電極41上を被覆して水分の浸透を防止することができる。
なお、図25に示すように第2の絶縁性樹脂34を空間部39に完全に充填できなかった場合でも、第2の絶縁性樹脂34によって空間部39を密封して外気から遮断すれば、水分浸透防止の効果は得られる。
また、この液晶表示パネルにおいては、図26に示すように、駆動IC35に高さの高いものを用いているので、駆動IC35が第2の基板6よりも図で下側にはみ出す状態になっている。そして、絶縁性樹脂33を設け、その上に被覆材51を配置した後で絶縁性樹脂33を熱硬化させると、絶縁性樹脂33は熱収縮する。この熱収縮によって被覆材51が第1の基板1側に引っ張られると駆動IC35につっかえてしまうが、被覆材51には、このような場合でも駆動IC35の形状に応じて変形し、絶縁性樹脂33との密着を維持できるような柔軟性のある材質のものを用いるとよい。
〔第16の実施形態:図27及び図28〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第16の実施形態について説明する。図27はその液晶表示パネルの平面図、図28は図27に示す28−28線における断面図である。これらの図において、第8の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第16の実施形態の特徴は、被覆材を黒色の部材とし、その被覆材を液晶表示パネルの見切りとして用いた点である。この液晶表示パネルは、第1の基板と第2の基板の上下関係を逆転させているため、第8の実施形態のものと大きく異なるように見えるが、基本的な構成には共通点が多いので、共通点については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルにおいては、被覆材101を見切りとするため、図28で上側を視認側として、視認側に第2の基板6を、その反対側に第1の基板1を配置している。そして、反射板16,各カラーフィルタ17,18,19,平坦化保護膜21は第1の基板1の液晶層25側の面に、偏光板11と位相差板12は第2の基板6の視認側に配置している。しかし、引出電極41,駆動IC35,36,FPC31を設けるのは、第8の実施形態と同じく第1の基板1の液晶層25側の面である。
そして、この液晶表示パネルにおいても、第8の実施形態の場合と同様に、引出電極41上およびその周囲や、駆動IC35,36上、FPC31上の一部を含む領域に、エポキシ樹脂に黒色染料を有する黒色エポキシ樹脂による絶縁性樹脂33を設けている。
絶縁性樹脂33の上には、絶縁被覆材として被覆材101を設けているが、この被覆材101は、黒色顔料を樹脂に練り込んだものをシート状に加工し、外輪郭と内輪郭をプレスで型抜きして形成したものである。この被覆材101は、図28に示すように、第2の基板6上に設けた偏光板11上に配置し、図27に示すように、絶縁性樹脂33を設けた側だけでなく、第2の基板6の全周に亘って設け、表示領域23の外側を遮蔽して表示領域23を明示する見切りとして用いている。
この被覆材101は、第8の実施形態の場合と同様に絶縁性樹脂33によって第1の基板1及び第2の基板6(実際にはその上の偏光板11)と接着されているが、駆動IC35,36を設けていない側にも第2の基板6上に少量の絶縁性樹脂33を設け、この部分でも被覆材101と第2の基板6とを接着するようにしている。
このような構成によれば、第8の実施形態と同様な電蝕防止の効果が得られるだけでなく、見切りを別途設ける必要がないため、部品点数や工程数を削減することができる。また、偏光板11の外周部全周に絶縁性樹脂33を設けているので、偏光板11への水分の浸透を防止し、偏光板11の信頼性も向上させることができる。なお、被覆材としては透明なものを用い、絶縁性樹脂33を表示領域の外部にインクジェット法や印刷法で塗布して見切りを形成する方法も考えられるが、黒色の被覆材101を用いる方が容易に高い位置精度を得ることができる。
〔第17の実施形態:図29〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第17の実施形態について説明する。図29はその液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。この図において、第8の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第17の実施形態の特徴は、FPCの一部を絶縁被覆材として用いる点である。そして、第17の実施形態の液晶表示パネルは、この点以外は図14乃至図16を用いて説明した第8の実施形態と同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルにおいては、図29に示すように、絶縁性樹脂33上に被覆材は設けていない。そして、接続電極42に接続するFPCとして、接続電極42との接続端子よりも先に自由端部103を有するFPC102を用いている。そして、その自由端部103を絶縁性樹脂33上に配置し、絶縁性樹脂33に密着させるとともに、その一部を第2の基板6と重ねて固定し、絶縁被覆材として用いている。FPC102の自由端部103の第2の基板6との接着は、粘着材を用いて行ってもよいし、自由端部103と第2の基板6との間隙に絶縁性樹脂33を染み出させ、その絶縁性樹脂33によって行ってもよい。
このような構成であっても、引出電極41への透水性を低減し、電蝕の防止を図ることができる。
〔第18の実施形態:図30〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第18の実施形態について説明する。図30はその液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。この図において、第8の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第18の実施形態の特徴は、被覆材の上にさらに第2の絶縁被覆材として薄膜絶縁層を設けた点である。そして、第18の実施形態の液晶表示パネルも、この点以外は上述した第8の実施形態と同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルにおいては、図30に示すように、FPC31,絶縁性樹脂33,被覆材51,第2の基板6の上に、これらの部材を覆うように薄膜絶縁層22を設けている。そして、その材質,厚さ,形成方法は、第1の実施形態の場合と同様である。
このようにすることにより、薄膜絶縁層22,被覆材51,絶縁性樹脂33の3つの部材で引出電極41への水分の浸透を防止でき、電蝕の発生を非常に強力に防ぐことができる。特に、被覆材51に間隙や開口部を設けた場合に、このような構成の効果が大きい。
〔第19の実施形態:図31〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第19の実施形態について説明する。図31はその液晶表示パネルの平面図である。この図において、第8の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第19の実施形態の特徴は、被覆材の駆動ICと重なる部分を黒く着色した点である。そして、第19の実施形態の液晶表示パネルも、この点以外は上述した第8の実施形態とほぼ同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルにおいては、図31に示すように、透明な絶縁性樹脂32を設け、被覆材51の、第1の基板1側から見て駆動IC35,36と重なる部分を着色部71とし、紫外波長領域と可視光波長領域の光を吸収するように黒色に着色している。具体的には、被覆材51をプラスチックフィルムで構成し、着色部71の部分には黒色顔料を含浸させている。
このように被覆材51に着色部71を設けることにより、駆動IC35,36を光から遮蔽でき、ICの光による誤動作を防止することができる。また、着色部71を目印として被覆材51のパネルに対する位置合わせも容易に行うことができる。
なお、この液晶表示パネルでは、着色部71に覆われる部分では、絶縁性樹脂32に紫外線を照射することができないので、絶縁性樹脂32としては熱硬化性樹脂を用いるとよい。
また、第1の基板1の駆動IC35,36を設けた側とは反対側の面の、駆動IC35,36と対応する部分にも、絶縁性樹脂33を塗布する等して遮光部を形成するとよい。このようにすれば、駆動IC35,36への光を両面から遮蔽でき、ICの誤動作防止により効果的である。
〔第20の実施形態:図32,図33〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第20の実施形態について説明する。図32はその液晶表示パネルの平面図、図33は図32に示す33−33線における断面図である。これらの図において、第8の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第20の実施形態の特徴は、絶縁性樹脂の流出を防止する外周壁を設けた点である。そして、第20の実施形態の液晶表示パネルも、この点以外は上述した第8の実施形態とほぼ同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルにおいては、図32及び図33に示すように、第1の基板1上に外周壁73を設けている。この外周壁73は、樹脂によって構成され、エポキシ樹脂や両面テープによる外周壁接着層74によって第1の基板1に接着されている。また、外周壁73を設ける位置は、絶縁性樹脂33を設ける領域の外周部であり、ここでは、絶縁性樹脂33は、駆動IC35と接続する引出電極41を被覆する部分と、駆動IC36と接続する引出電極を被覆する部分とに分けて設けている。
この液晶表示パネルを製造する際には、液晶表示パネル本体に駆動IC35,36とFPC31とを搭載した後で、外周壁73を外周壁接着層74によって第1の基板1に固定し、その後で必要な部分に絶縁性樹脂33を塗布するようにするとよい。このとき、第1の基板1と第2の基板6の間隙や駆動IC35,36の付近から気泡を除くため、外周壁73から樹脂を多少あふれさせるようにするとよい。その後、被覆材51を絶縁性樹脂33の上に配置して加圧し、樹脂を硬化させる熱処理を行うことにより、この液晶表示パネルが完成する。
このように外周壁73を設けることにより、絶縁性樹脂33を塗布する工程で樹脂が不要な部分に流出し、第1の基板1の外周から垂れたりはみ出したりすることを防止することができる。また、外周壁73を設けることにより、第2の基板6の外周部での樹脂の流れをよくすることもできる。
なお、外周壁73は、図33に示すように被覆材51と接する高さまで設けるとよい。また、図32には外周壁73として3つの直方体の部材と1つのL字型の部材を設けた例を示しているが、外周壁の数や形状はこれに限られるものではない。また、外周壁73は第1の基板1上に直接ディスペンサーで形成するようにしてもよい。
〔第21の実施形態:図34乃至図36〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第21の実施形態及びその変形例について説明する。図34はその液晶表示パネルの平面図、図35は図34に示す35−35線における断面図、図36はその変形例の構成を示す図35と対応する断面図である。これらの図において、第8の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第21の実施形態の特徴は、被覆材に開口部を設けた点である。そして、第21の実施形態の液晶表示パネルも、この点以外は上述した第8の実施形態とほぼ同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルにおいては、図34に示すように、被覆材51に複数の開口部79を設けている。この開口部79は、図35に示すように、絶縁性樹脂33を塗布する際の余分な樹脂や気泡80を排出するためのものである。開口部79は、第2の基板6の端部付近では小さいものを設け、端部から離れた部分では大きいものを設けるようにすると、気泡を排出し易くすることができた。
このように開口部79を設けることにより、気泡や余分な樹脂を排出し、絶縁性樹脂33と被覆材51との密着性を向上させたり、絶縁性樹脂33におけるピンホールの発生を防止したりして、引出電極41への水分の浸透を効果的に防止することができる。
なお、開口部79を設けた場合、絶縁性樹脂33が開口部79の外側に大きくはみ出さないようにすることができる。これは、開口部79から気泡80と共に一部の絶縁性樹脂33が流れ出し、絶縁性樹脂33の進行が開口部79付近で止まるためである。このとき流れ出した樹脂は、硬化前にふき取るか硬化後に削り取ればよい。従って、開口部79は絶縁性樹脂33の大まかな塗布位置を決めるためにも用いることができる。
また、開口部79は第1の基板1側から見て引出電極41や接続電極42とは重ならないような位置に設けるものとし、このようにすれば、開口部79の部分に被覆材がないことによる影響を最小限にすることができる。
また、このような液晶表示パネルにおいて、図36に示すように、開口部79の上に開口部79を覆うキャップ用被覆材77を設けるとよい。キャップ用被覆材77を設ける場合には、余分な樹脂や気泡を排出した後で、開口部79の位置でもキャップ用被覆材77によって水分浸透を防止できるので、開口部79を設ける位置に制限がなくなり、任意の位置に開口部79を設けて絶縁性樹脂33の注入や気泡の排出を効果的に行うことができる。
そして、例えば絶縁性樹脂として透明な樹脂を用いる場合には、開口部79を駆動IC35,36の近傍に設け、その上に黒色のキャップ用被覆材77を設けて第19の実施形態の場合と同様に駆動IC35,36を光から遮蔽し、誤動作の防止を図ることができる。
〔第22の実施形態:図37〕
次に、この発明の液晶表示パネルの第22の実施形態について説明する。図37はその液晶表示パネルの平面図である。この図において、第8の実施形態と対応する部分には同様な符号を付している。
第22の実施形態の特徴は、被覆材を駆動IC毎に分割して設けた点である。そして、第22の実施形態の液晶表示パネルも、この点以外は上述した第8の実施形態とほぼ同様であるから、相違点以外については説明を省略するか簡単にする。
この液晶表示パネルにおいては、図37に示すように、絶縁性樹脂33を駆動IC毎に分割して設けると共に、絶縁被覆材も駆動IC毎に分割した各被覆材51′として設けている。そして、これに伴って引出電極の引きまわし位置も変更し、シール材26の外側では、2つの駆動IC35間の、絶縁性樹脂33や被覆材51′を設けていない部分には引き回さないようにしている。
この液晶表示パネルのように、基板の一方の辺側の被覆材を複数に分割して設けるようにすれば、被覆材51′と基板とで熱膨張率に差がある場合や、絶縁性樹脂33が熱収縮や熱膨張を起こす場合でも、絶縁性樹脂33に働く応力を低減し、破損したり第2の基板6から剥離したりすることを防止し、安定して透水性を低く保つことができる。また、絶縁性樹脂33に発生する気泡の排出や絶縁性樹脂33の塗布も容易になる。
この効果は、被覆材を細かく分割して設けるほど大きいが、あまり細かくし過ぎると水分透過防止の機能自体が低下してしまうので、引出電極41の引き回し方も考慮して、駆動IC毎に分割して設ける程度が好ましい。
〔実施形態の第1の変形例:図38〕
次に、上述した各実施形態の第1の変形例について説明する。図38はその変形例の液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。
この第1の変形例は、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリクス型であって駆動ICをFPC上に設けた液晶表示パネルにこの発明を適用した例であり、第11の実施形態にその変形を適用した例について説明する。
この液晶表示パネルでは、図38に示すように、スイッチング素子としてTFTを第1の基板1上に設けるため、第1の基板1を下側に配置し、第2の基板6を上側に配置している。そして、第1の基板1上には、ゲート電極81,ゲート絶縁膜82,半導体層83をこの順に形成し、さらに、ソース電極84と、表示電極を兼用するドレイン電極85を形成する。また、ソース電極84,ドレイン電極85と半導体層83との間には、不純物イオンを含む半導体層(図示せず)を設けている。これらによりTFTを構成し、さらにTFTの特性劣化を防止するために絶縁膜(図示せず)を形成する。
第1の基板1と対向する第2の基板6上には、カラーフィルタの外周部からの光漏れ防止と表示領域の周囲の見切りを行うためのブラックマトリクス8と、赤(R)カラーフィルタ17,緑(G)カラーフィルタ18,青(B)カラーフィルタ(図示せず)からなるカラーフィルタを設ける。そして、そのカラーフィルタ上には、平坦化保護膜21を設け、さらに、平坦化保護膜21上に透明導電膜からなる第2の電極7を設けている。
この液晶表示パネルにおいては、TFTに接続する表示電極を兼用するドレイン電極85と第2の電極7との交差部が画素部となる。また、第1の基板1と第2の基板6上の液晶層25側の面には、液晶層25の液晶分子を所定の方向に配向するために配向膜(図示せず)を設ける。
また、この液晶表示パネルは第1の基板1の下側に補助光源(図示せず)を配置する透過型液晶表示パネルであり、第1の基板1上には第1の偏光板11を設け、第2の基板上には第2の偏光板14を設けている。
そして、第1の基板1上に設けるゲート電極81あるいはソース電極84に接続する引出電極41を、第2の基板6より外形の大きい第1の基板1上に設け、シール材26の外側に引き出してFPC31と接続している。そして、FPC31上に駆動IC35を実装し、その実装部の周囲をテープ・オートキャリア・ボンディング(TAB)樹脂69で被覆している。
そして、この液晶表示パネルにおいても、第11の実施形態の場合と同様に、引出電極41上およびその周囲に、少なくとも引出電極41のシール材26よりも外側の部分を覆うように、絶縁性樹脂33を設けている。さらに、FPC31上の一部にも同様に絶縁性樹脂33を設けている。そして、第2の基板6上に設ける第2の偏光板14に、絶縁性樹脂33上まで達する大きさのものを用い、これを絶縁被覆材としても用いると共に、さらに第2の偏光板14上に、被覆材51を設けている。
各画素部にスイッチング素子を設けていないパッシブマトリクス型の液晶表示パネルに比較し、この変形例のようなアクティブマトリクス型の液晶表示パネルは、引出電極41の材質に金属を使用することも可能であり、スイッチング素子を構成する絶縁膜で引出電極41上の一部を被覆することも可能であるため、電蝕に強い構成にすることができる。しかし、このようにアクティブマトリクス型の液晶表示パネルに上述した各実施形態のような透水防止構造を適用すれば、絶縁膜にピンホールやスクラッチが発生した部分やFPC31からの水分の浸透を防止し、電蝕をさらに強力に防止することができる。
なお、ここでは3端子型のアクティブ素子を用いる例について説明したが、2端子型のものを用いる場合でも同様な効果が得られることはいうまでもない。
また、ここではこの変形例を第11の実施形態に適用した例について説明したが、他の実施形態にも同様に適用できることはもちろんである。これは、以下に説明する各変形例についても同様である。
〔第2の変形例:図39〕
次に、上述した各実施形態の第2の変形例について説明する。図39はその変形例の液晶表示パネルの断面を示す図2と対応する断面図である。
この第2の変形例は、FPCを直接引出電極と接続する構成の液晶表示パネルにこの発明を適用した例であり、図39は第2の実施形態にその変形を適用した例を示すものである。
この発明は、図39に示すように、駆動ICを第1の基板上に実装せず、FPC31を直接引出電極41に接続し、駆動ICはFPC31を介して別に設けた液晶表示パネルに適用することもできる。
図39に示す場合には、少なくとも引出電極41のシール材26よりも外側の部分を覆うように、引出電極41上と、FPC31上とに薄膜絶縁層22を設け、さらにその上に絶縁性樹脂32を設けるようにするとよい。このように引出電極41に直接FPC31を接続する構成であっても、薄膜絶縁層22は透水性が極めて少ないため、引出電極41における電蝕の発生はみられない。もちろん、被覆材を用いる実施形態も、このような液晶表示パネルに適用することができる。
〔第3の変形例:図40〕
次に、上述した各実施形態の第3の変形例について説明する。図40はその変形例の液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。
この第3の変形例の特徴は、引出電極を引き出した側において第2の基板の外形をシール材の外形と一致させている点であり、図40は第8の実施形態にその変形を適用した例を示すものである。
上述した各実施形態の液晶表示パネルにおいて、図40に示すように、少なくとも引出電極41を引き出した側において、第2の基板6の外形をシール材26の外形と一致させるようにするとよい。引出電極41を引き出した側には各実施形態の特徴に応じて絶縁性樹脂や薄膜絶縁層を設けるのであるが、このようにすれば、シール材26の外側には第1の基板1と第2の基板6との間の狭い間隙をなくすことができるので、これらをその狭い間隙に形成する必要がなく、形成が容易になる。また、第1の基板1と第2の基板6との間の間隙に設けた絶縁性樹脂に熱膨張や熱圧縮が生じて基板を変形させ、間隙の幅、すなわち液晶層25の厚さを変化させて表示に悪影響を及ぼすことがなくなるので、表示品質を向上させることができる。
〔その他の変形例〕
以上説明した実施形態に適用できるその他の変形例について説明する。
まず、この発明は、偏光板を利用することなしに表示が可能であるゲストホスト液晶、散乱型液晶、蛍光液晶を用いた液晶表示パネルにも適用が可能である。薄膜絶縁層の形成時に発生する紫外線の影響を防止する必要がある場合には、紫外線吸収材あるいは紫外線反射材を有する透明フィルムを利用するとよい。
また、ここでは駆動ICを基板上に実装するCOG法を使用した場合の例に関して説明したが、この発明は、TAB実装法、COB実装法、COF実装法を利用する場合の電蝕対策にも当然有効である。例えば、駆動ICをFPC上に実装するTAB法あるいはCOF実装法の場合には、薄膜絶縁層が駆動ICへの水分浸透を防止するため、駆動IC周辺の回路保護にも有効である。
また、ここでは第1の基板あるいは第2の基板上に直接抵抗等のチップ部品を実装する例は示していないが、チップ部品を直接実装する場合でも、チップ部品と接続部を薄膜絶縁層により引出電極と同時に被覆するようにすれば、引出電極の電蝕防止と同時に、チップ部品や接続部の腐蝕,電蝕の防止が可能である。
また、偏光板上に薄膜絶縁層を設ける場合には、薄膜絶縁層の屈折率を制御することにより、表面反射率を低下することができ、液晶表示パネルの表示品質を向上させることができる。
また、上述した各実施形態の構成を適宜組み合わせ、それらの特徴を併せ持つような液晶表示パネルを構成してもよいことはもちろんである。
以上の液晶表示パネルは、上述したように、少なくとも第1の基板上に設ける引出電極を、液晶層を封入するシール材の内側から外側に引き出す構造の場合に、引出電極上に水分が付着し、近接する引出電極間に電圧がかかることにより発生する電流により、引出電極材料が電気分解(電気腐蝕:電蝕)することを防止するために、少なくとも引出電極のシール材よりも外側の部分を覆い、かつ第2の基板と一部重なるように薄膜絶縁層による絶縁被覆材を設ける構造を採用したものである。薄膜絶縁層としては、透水性がなく緻密であり、100から200℃で形成可能な膜を採用するとよい。
この薄膜絶縁層を、引出電極上だけでなく、集積回路素子上および側面にも形成し、さらに、引出電極と集積回路素子の境界にも形成すると、水分の浸透を一層よく防止することができる。
また、テープオートキャリアボンディング(TAB)を行ったり、フレキシブル接続基板(フレキシブルプリント基板:FPC)あるいはプラスチック基板上に回路を構成する回路基板と、第1の基板あるいは第2の基板との接続を行う場合には、第1の基板あるいは第2の基板上の電極上と、テープキャリアパッケージ、FPCあるいはプラスチック基板上にも薄膜絶縁層を設けると、透水性を極めて低くすることが可能となる。
さらに、薄膜絶縁層上にエポキシ樹脂あるいはシリコン樹脂からなる絶縁性樹脂を設けることにより、薄膜絶縁層への物理的破損を防止することが可能となり、電蝕の防止を強化できる。また薄膜絶縁層として、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、あるいは窒化酸化シリコン膜の単膜あるいは積層膜を採用することにより、緻密で透水性を低くすることが可能となる。
また酸化タンタル膜、酸化チタン膜等の金属酸化物からなる薄膜絶縁層を採用することにより、低温で緻密な膜を形成することができるため、耐熱温度の低い基板あるいは実装部材を使用することが可能となる。
このような膜を形成する場合には紫外線が発生してしまう場合があるが、紫外線カット層を有する偏光板を接着してから薄膜絶縁層を設けるようにすることにより、発生する紫外線が液晶層を守ることができるので、特に液晶層の保護を行わなくても、薄膜絶縁層を形成することが可能となる。また、このような手順で薄膜絶縁層を形成し、偏光板上にも薄膜絶縁層を設けることにより、偏光板への水分の浸透を防止することが可能となるため、偏光板の信頼性を向上させることができる。
さらに、薄膜絶縁層を真空スパッタやCVD法で形成すれば、液晶層を封止するシール材あるは封孔材の表面も薄膜絶縁層により被覆できるため、液晶層への水分の浸透を防止することが可能となり、液晶表示パネルの信頼性を向上させ、表示品質を一定に保つことが可能となる。
また、反射型液晶表示装置のように、基板の液晶層に面する側に紫外線を遮断する反射板や、カラーフィルタのように紫外線を吸収する部材を有する場合には、これらの部材によって液晶層への紫外線の照射を防止でき、特に薄膜絶縁層を形成する部分を限定する必要がないため、表示面にも薄膜絶縁層を設ける構成とすることにより、薄膜絶縁層の形成が簡単となる。
さらに、基板としてプラスチック基板(フィルム基板)を使用する場合には、薄膜絶縁層により基板の透水性を減少させて液晶層への水分の浸透を防止でき、より効果的である。さらに、第1の基板と第2の基板の両方に薄膜絶縁層を形成すれば、薄膜絶縁層によりプラスチック基板表面がほとんど被覆できるため、信頼性を向上することが可能となる。
さらに、薄膜絶縁層と絶縁性樹脂の2層、あるいは多層の薄膜絶縁層、または薄膜絶縁層と絶縁性樹脂と第2の薄膜絶縁層の3層構造とすれば、これら全てを貫通するピンホールの発生はほとんと起こらず、信頼性のバラツキを低減することが可能となる。さらに、薄膜絶縁層におけるピンホールを防止する場合には、薄膜絶縁層の成膜,表面クリーニング,成膜の工程を複数回繰り返すことによりピンホールを効果的に防止することが可能となる。
また、液晶表示パネルを過酷な状態で使用する場合には、薄膜絶縁層の傷つきを防止し、さらに引出電極における疎水性を向上させるために、ガラス基板、プラスチック基板あるいは、表面を絶縁処理した被覆材による第2の絶縁被覆材を、薄膜絶縁層を形成した引出電極と重なる部分に設ける。被覆材として薄膜絶縁層に比較して厚いものを用いれば、透水性を非常に低減でき、外力による傷等が発生しても簡単に貫通することはなく、透水性の低い状態を維持することが可能となる。
ここで、電蝕部の発生を抑えるための構造として、第1の基板1上に予め絶縁膜を形成しておく方法も考えられる。しかし、第2の基板と所定の間隙を設けシール材により接着して液晶層を封入するいわゆるセル化工程以前に絶縁膜を形成する場合には、駆動集積回路のバンプ電極と第1の基板1上の電極との電気的接続を行うために、絶縁膜を除去して所定の位置にコンタクト穴を形成する必要があるが、この工程は、位置精度を要求するため印刷法で行うことは難しい。そのため、フォトリソグラフィー工程とエッチング工程が必要となり、コストアップとなる。さらに、フォトリソグラフィー工程やエッチング工程の精度は絶縁膜の材料に依存するため、電蝕の防止に適する材料では精度の高いエッチングは難しいという問題がある。これに対し、この発明で用いる薄膜絶縁層による絶縁被覆材は、このようなフォトリソグラフィー工程やエッチング工程が必要なく、容易に形成して電蝕を防止することができる。
また、以上の液晶表示パネルにおいては、上述した絶縁被覆材として、被覆材を設ける構成も採用している。この場合には、少なくとも引出電極のシール材よりも外側の部分を覆うように絶縁性樹脂を設け、その上に被覆材を設ける。
ここで使用する被覆材としては、所定の厚さを有するプラスチックの板,ガラス板,金属板,金属板に第2の絶縁被覆材として陽極酸化層を設けた基板,セラミックスの板,あるいは積層接着材を使用することができる。これらは透水性が極めて少なく、また、絶縁性樹脂のように塗布する膜ではないため、気泡の発生やピンホールの発生を極めて少なくすることができる。
また、プラスチック板の場合には、酸化シリコン膜,窒化シリコン膜,酸化アルミニウム膜等のガスバリア層や、水分バリア層による水分遮断膜を設けることにより、引出電極への水分の浸入を極めて少なくすることができる。
また、第1の基板上に設ける引出電極上に液晶表示パネルを駆動するための集積回路素子(IC)をチップ・オン・ガラス(COG)実装法により実装する場合には、第2の基板とICとを衝立として被覆材を設けるようにすれば、第1の基板と被覆材との間隙を一定にすることができる。また、ICの引出電極と接触する面とは反対の面や第2の基板に絶縁性樹脂を塗布し、被覆材を接着することにより、被覆材を堅牢に保持することが可能となる。
さらに、被覆材のICと接触する面と反対の面に、例えば透明導電膜等の導電性膜を設けることにより、引出電極への水分浸透の防止だけでなく、ICへの静電気衝撃の低減を同時に達成することができる。
また、第1の基板上にFPCを異方性導電フィルムにより加圧接着する場合には、引出電極上と異方性導電フィルム上とに被覆材を設けることにより、FPCと接触するFPC接続部の電気腐蝕も同時に防止できる。
また、第1の基板上に設ける引出電極上には第1の絶縁性樹脂を塗布し、被覆材と接着する面、すなわち第1の絶縁性樹脂と被覆材との間には、第1の絶縁性樹脂とは異なる特性の第2の絶縁性樹脂を塗布するようにすれば、第1の基板側の第1の絶縁性樹脂としては、応力が大きく厚塗りができない樹脂や、被覆材があるために硬化時間が非常に長くなってしまう絶縁性樹脂でも使用可能となる。さらに、第2の絶縁性樹脂としては、紫外線硬化型のように非常に短時間で硬化する絶縁性樹脂でも使用できる。
また第1の基板上に設ける引出電極の一部に液晶表示パネルの駆動集積回路を直接COG法にて実装する場合に、絶縁性樹脂に光吸収材を混入することにより、光によるICの消費電力の増加や誤動作を防止することができる。さらに、被覆材として光遮光性を有する材料を用いることにより、液晶表示パネルにおけるICへの光進入経路を非常に限定することができる。
また、絶縁性樹脂と被覆材とによる気密性をさらに強固にするため、シール材近傍で第1の基板と第2の基板とシール材とが形成する間隙に、第1の絶縁性樹脂よりも粘度の低い第2の絶縁性樹脂を設けるとよい。こうすれば、粘度の高い第1の絶縁性樹脂で周囲に土手を形成する一方、粘度の低い第2の絶縁性樹脂を間隙に確実に浸透させると共に被覆材との接着も行うことができる。
さらに、第1の基板の外周部に、被覆材と近接し、第1の基板と一部で重なり合い、第1の基板の断面側壁方向にも面を有する被覆保護材を設け、絶縁性樹脂の垂れを防止したり、第1の基板と第2の基板との間隙における絶縁性樹脂の未塗布を低減したりすることができる。
以上のように、この発明の液晶表示パネルによれば、シール材の外側面と、その外側面から、2枚の基板のうち少なくとも一方の基板の液晶層側と反対側の面の少なくとも一部に亘る領域とを覆うように、真空スパッタ又は化学蒸着法によって形成された絶縁被覆材を配置したことにより、液晶層への水分の浸透を強固に防止し、高温高湿の環境で長時間駆動した場合でも液晶層に大きな特性変化が起こらないようにして、液晶表示パネルの表示品質と信頼性を向上させることができる。
この発明の第1の実施形態の液晶表示パネルの平面図である。 図1の2−2線における断面図である。 図1の円A内を拡大して示す部分拡大平面図である。 この発明の第2の実施形態の液晶表示パネルの断面を示す図2と対応する断面図である。 同じく引出電極付近を拡大して示す図3と対応する部分拡大平面図である。
この発明の第2の実施形態の液晶表示パネル変形例の構成を示す図4と対応する断面図である。 この発明の第3の実施形態の液晶表示パネルの断面を示す図2と対応する断面図である。 この発明の第4の実施形態の液晶表示パネルの断面を示す図2と対応する断面図である。 この発明の第5の実施形態の液晶表示パネルの平面図である。 図9の10−10線における断面図である。
図9の11−11線における断面図である。 この発明の第6の実施形態の液晶表示パネルの断面を示す図2と対応する断面図である。 この発明の第7の実施形態の液晶表示パネルの断面を示す図2と対応する断面図である。 この発明の第8の実施形態の液晶表示パネルの平面図である。 図14の15−15線における断面図である。
図14の円B内を拡大して示す部分拡大平面図である。 この発明の第9の実施形態の液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。 この発明の第10の実施形態の液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。 この発明の第11の実施形態の液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。 この発明の第12の実施形態の液晶表示パネルの一部を示す図16と対応する部分拡大平面図である。
図20の21−21線における断面の一部を上下を逆転させて示す部分断面図である。 この発明の第13の実施形態の液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。 この発明の第14の実施形態の液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。 その液晶表示パネルに設ける被覆材の形状を示す斜視図である。 この発明の第15の実施形態の液晶表示パネルの一部を示す図16と対応する部分拡大平面図である。
この発明の第15の実施形態の液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。 この発明の第16の実施形態の液晶表示パネルの平面図である。 図27の28−28線における断面図である。 この発明の第17の実施形態の液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。 この発明の第18の実施形態の液晶表示パネルの断面を示す図15と対応する断面図である。
この発明の第19の実施形態の液晶表示パネルの平面図である。 この発明の第20の実施形態の液晶表示パネルの平面図である。 図32の33−33線における断面図である。 この発明の第21の実施形態の液晶表示パネルの平面図である。 図34の35−35線における断面図である。
この発明の第21の実施形態の液晶表示パネルの変形例の構成を示す図35と対応する断面図である。 この発明の第22の実施形態の液晶表示パネルの平面図である。 この発明の液晶表示パネルの第1の変形例の断面を示す図15と対応する断面図である。 この発明の液晶表示パネルの第2の変形例の断面を示す図2と対応する断面図である。 この発明の液晶表示パネルの第3の変形例の断面を示す図15と対応する断面図である。
従来の液晶表示パネルの平面図である。 図41の42−42線における断面図である。 図41の円C内を拡大して示す部分拡大平面図である。 従来の別の液晶表示パネルの断面図である。
符号の説明
1…第1の基板、2…第1の電極、6…第2の基板、7…第2の電極、11…偏光板、12…位相差板、16…反射板、17…Rカラーフィルタ、18…Gカラーフィルタ、19…Bカラーフィルタ、21…平坦化保護膜、22…薄膜絶縁層、25…液晶層、26…シール材、31…FPC、32,33…絶縁性樹脂、35…駆動IC、41…引出電極、42…接続電極

Claims (14)

  1. 2枚の基板を所定の間隙を設けて対向させてシール材によって貼り合わせ、前記間隙に液晶層を封入した液晶表示パネルであって、
    前記シール材の外側面と、該外側面から、前記2枚の基板のうち少なくとも一方の基板の液晶層側と反対側の面の少なくとも一部に亘る領域とを覆うように、真空スパッタ又は化学蒸着法によって形成された絶縁被覆材を配置し、前記2枚の基板のうち前記液晶層に面する領域に、画素部を形成する画素電極を設け、前記2枚の基板のうち一方の基板上に、前記画素電極に電気信号を印加するための引出電極を設け、前記引出電極上にも前記絶縁被覆材を配置したことを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 前記絶縁被覆材の上、あるいは、前記絶縁被覆材と、前記2枚の基板のうち少なくとも一方の基板との間に、絶縁性樹脂を配置したことを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示パネル。
  3. 前記絶縁性樹脂上に、前記絶縁被覆材と同材料か、または異なる材料の第2の絶縁被覆材を配置したことを特徴とする、請求項2に記載の液晶表示パネル。
  4. 前記絶縁被覆材は、シリコンを含む膜または金属酸化物を含む膜であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶表示パネル。
  5. 前記絶縁被覆材を、前記少なくとも一方の基板の液晶層と反対側の面の全面を覆うように配置したことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶表示パネル。
  6. 前記シール材の該側面から前記2枚の基板双方の側面に亘る領域を覆うように前記絶縁被覆材を配置したことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶表示パネル。
  7. 前記シール材の外側面と、該外側面から、前記2枚の基板のうち少なくとも一方の基板の液晶層側と反対側の面の少なくとも一部に亘る領域とを覆うように、前記絶縁被覆材を含む2種類以上の絶縁膜が積層されて配置されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶表示パネル。
  8. 前記絶縁被覆材が100nmから500nmの膜厚であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液晶表示パネル。
  9. 前記絶縁被覆材の上、あるいは、前記絶縁被覆材と、前記2枚の基板のうち少なくとも一方の基板との間に、さらに被覆材を設けたことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液晶表示パネル。
  10. 前記被覆材が、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス、又は積層接着材を含むことを特徴とする請求項9に記載の液晶表示パネル。
  11. 前記絶縁被覆材が、予めプラズマ処理が施された箇所に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液晶表示パネル。
  12. 前記引出電極上に集積回路素子またはフレキシブル接続基板を搭載し、前記集積回路素子上または前記フレキシブル接続基板上にも前記絶縁被覆材を配置したことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の液晶表示パネル。
  13. 前記絶縁被覆材と前記少なくとも一方の基板との間に偏光板を配置したことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の液晶表示パネル。
  14. 前記絶縁被覆材の上に偏光板を配置したことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の液晶表示パネル。
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