JP4895504B2 - 集中マイクロ流体デバイス(ea) - Google Patents

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Description

<技術分野>
本発明は、触媒システムの成分の特性化のための高度集中アッセイに使用される小型化方法およびマイクロ流体デバイスに関する。
マイクロ流体デバイスにおいては、試料および/もしくは他の反応物を含有する液体アリコートは、加工が特別に専用の位置/下部構造で起きている間に、マイクロチャネル構造もしくは流路に沿って下流に輸送される。流路は典型的に、下で考察されるように、二つ、三つもしくはそれ以上の機能性ユニットを通過する。
引用される特許および特許出願は、全体的な出典明示により本明細書の一部とする。
<背景出版物>
Anal. Chem. 73 (2001) 2648-2655 (Gao等)は、微小透析サブユニットを有する電気スプレーユニットにシリカ毛管を介して連結される、プロテアーゼ反応器を記載している。反応器は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)内に閉じ込められ、そしてそれにプロテアーゼが固定化されるフッ化ポリビニリデン膜を含有する。
Anal. Chem. 73 (2000) 286-293 (Ekstroem等)は、その上にプロテアーゼを化学的に結合する多孔性内部表面を有する32個の消化チャネルを持つシリコンディスクを記載している。消化物は、PEEK管を介してチャネルから、MALDI基板プレートに分注するための微量分注器へ導かれる。
Int. J. Mass. Spectrom. Ion Processes 169/170 (1997) 153-163 (Gobom等)は、潅流クロマトグラフィー媒体に固定化されているプロテアーゼを含有する微小カラムの中におけるタンパク質試料の消化を記載している。消化物は、逆相クロマトグラフィー媒体(RPC−媒体)を含有する微小カラムを通る通過により引き続いて吸着されて脱塩される。RPC−溶出液中のペプチドはMALDI MSにより特性化される。
Rapid Comun. Mass. Spectrom. 14 (2000) 1377-1383 (Wang等)は、毛管電気泳動チャネルおよび電気スプレーイオン化チップで集積された比較的大きいプロテアーゼ消化カラムを含む、ガラスチップを記載している。
Anal. Chem. 74 (2001) 379-385 (Mao等)は、ホウケイ酸ガラス管の内部にもしくはPDMS基板の平行微小チャネルの内部に固定化されている、酵素システムを記載している。平行微小チャネルについては、共通の注入口および排出口がある。生成物の検出は管/チャネルの壁を介する。
J. Am. Soc. Mass. Spectrom. 8(5) (1997) 483-494 (Blackburn等)は、タンパク質の消化およびナノ電気スプレーイオン化質量分光測定による分析用に形成されたペプチドフラグメントの引き続いた輸送のためにマクロ多孔性ビーズに固定化されたトリプシンを含有する毛管の使用を記載している。
Anal. Chem. 71 (1999) 4669-4678 (Duffy等、「微細組立て遠心マイクロ流体システム:特性化および多重酵素アッセイ」)ならびにWO 01/87487(Tecan、Boston)は、主としてμl−容積を意図した遠心基礎のマイクロ流体プラットフォームの中で複数の均一な酵素反応を実施することを記載している。このプラットフォームは数多くの特許出願および特許にさらに詳細に記載されている。例えば、WO 97/21090(Gamera Bioscience)、WO 98/07019(Gamera Bioscience)、WO 98/53311(Gamera Bioscience)等を参照されたい。
最近、強力な遠心基礎のプラットフォームがGyros ABにより市販されるようになった。例えば、WO 99/55827(Gyros AB)、WO 99/58245(Gyros AB)、WO 00/25931(Gyros AB)、WO 00/40750(Gyros AB)、WO 00/56808(Gyros AB)、WO 00/62042(Gyros AB)、WO 01/02737(Gyros AB)、WO 01/46465(Gyros AB)、WO 01/47637(Gyros AB)、WO 01/54810(Gyros AB)、WO 01/47638(Gyros AB)を参照されたい。
<本発明の目的>
本発明の一般的な目的は、高い処理能力および工程数に関して高度の集中化をもって多数の同様な小型化触媒アッセイを並行して実施するために使用されることができる、方法およびマイクロ流体デバイスを提供することである。
・第一の副目的は、主目的を可能にして、デバイスを使い捨てとして使用し得るような低コストで大量生産され得る、マイクロ流体デバイスを提供することである。
・第二の副目的は、生産物の高収率を保持しながら、高精度、高感度等ならびに触媒反応をスピードアップすることに関して高多様性を持つ触媒アッセイを可能にする、方法ならびにデバイスである。
・第三の副目的は、そこで複数の触媒アッセイを低基質濃度で、特に1mMまたはさらに500nMもしくは100nMのようにより低い濃度で、短時間スケールで、即ち、60分もしくは30分もしくは10分で、並行して行うことができる、方法ならびにデバイスである。
・第四の副目的は、対応する触媒システムの効率に悪影響を与えること無しに、即ち、効率が均一型の対応するシステムに本質的に同じかもしくはより良い、触媒システムの成分の固定化のための方法である。
・第五の副目的は、室温(=25℃±5℃)で行うことができる触媒アッセイ方法である。
・第六の副目的は、流動、インキュベーション時間等における相違を減少させるために、化学的および幾何学的/物理的相違における相違に関してチャネル内の変動を最小に保つことである。もしこれらの変動が適切に処理されなければ、デバイスの間および内の両方で得られる結果において許容されないチャネル内の変動があるであろう。
・第七の副目的は、高精度でサブ‐μlの容積の取り扱いを可能にするデバイスである。
これらの副目的は、以下で考察される生体触媒に特に適用される。
容積を下げるときに触媒反応をスピードアップする挑戦をトリプシンで例示することができる。古典的には、タンパク質試料の溶液内トリプシン消化は、10μMの基質濃度において100μlの容積で1:20〜1:100のトリプシン:基質比をもって24時間までの間37℃で実施される。生成物のペプチドの改善された収率および増加した反応速度をトリプシンの濃度を増加させることにより達成することができる。しかしながら、これは、トリプシンが競争的基質として作用することにより、意図する基質の消化速度を低下させるであろうことを意味する、トリプシンの自己触媒消化に至り得る。消化速度は、異なる基質間で、およびまた与えられた基質の天然および変性状熊の間で、大きく変わる。消化効率を改善するために、タンパク質基質はしばしば変性化され、そのジスルフィド架橋は切断され、そして生成した遊離システインがアルキル化される。
複雑なタンパク質混合物はしばしば二次元のゲル電気泳動により分画されて、その後、およそ200fmolおよび10pmolのタンパク質を、それぞれ、古典的な銀染色方法およびクーマシー染色方法により二次元ゲル中で視覚化することができる。もしこれらのタンパク質の量が10μl容積で採取されるならば、試料濃度は、0.02〜1μMの範囲にあるであろう。迅速かつ効率的な消化を成功させることは挑戦的である。プロテアーゼ(トリプシン)は、5μMの範囲のK値を有する。Kに等しい基質濃度において、消化速度はVmax/2にすぎない。さらに、タンパク質試料(0.02μM)が溶液中で消化されるときには、プロテアーゼの最高代謝回転速度のごく一部分(0.5%)のみが到達され得る。消化速度を増加させるためには、基質濃度を上げるかもしくはプロテイナーゼ:基質比を増加させなければならない。
高プロテイナーゼ負荷を達成しかつプロテイナーゼの自己触媒消化を避ける一つのアプローチは、マイクロチャネル構造内で固体の支持体/層に固定化されたプロテイナーゼを持つマイクロ流体デバイス内で反応を実施することであるかもしれない。これに代えて、タンパク質基質を固相に固定化して、引き続いてプロテイナーゼ含有留出液で平衡化し得る。この後者の方法論においては、濃縮して、タンパク質基質の変性を少なくとも或る程度促進させることによりそれがタンパク質分解消化をさらに受けやすくすることが可能であろう。還元およびアルキル化のような試料処理は、標的タンパク質が固相にトラップされている間に実施され得る。
化学的および/もしくは幾何学的/物理的表面特性における極度に低いチャネル内の変動に対する必要性は、容積を下げるときに緊急である。例えば、マイクロチャネルの内壁表面における小さい不規則性は、より大きいチャネルの中では通過は容易に起こる一方で、液体の通過を妨げ得る。マイクロチャネル内部で低いチャネル内の変動を持つ高親水性を確保することが全く重要になり、それは非処理のプラスチック材を典型的に不適当にする。同時に、親水性の増加はまた、マイクロチャネル内部で毛管クリ−プを促進し、それは良く規定された容積で用いられるべきである液体アリコートから蒸発および他の損失を促進するであろう。容積を下げることにより、容積/表面比は、触媒システムの可溶性成分の活性を殺す危険性を増加させる、高度の相対的非選択性吸着を有利にするであろう。例えば、WO 01/47637(Gyros AB)、WO 02/30571(Sudor)および PCT/SE03/00560(Gyros AB)を参照されたい。
<図面>
図1a〜bは、CD版のディスクの形式での適当なマイクロ流体デバイスを図示する。図2は、実験の部で用いられてきたマイクロチャネル構造を概略する。構造を、図1a〜bに示されるのと同様な様式でディスク上に置くことができる。
<本発明>
本発明は、複数(n)の等しいもしくは異なる触媒システムCS,CS....CSの、それぞれで、成分An,An....An(アナライト)の非特性化側面の特性化のための方法である。それぞれの触媒システムは、成分C ,C ....C を含み、その一つはAnである。
nは、並行性、即ち、並行して実施される触媒アッセイの数を表し、そして10もしくは50もしくは100もしくは200もしくは400のように、典型的には2である。
kは、特定の触媒システムもしくはアッセイ(CS)を指す指標であり、それ故に革新的な方法においては1からnに至る。それぞれの触媒システムは、別々のマイクロチャネル構造で使用され、これは、kはまたその中で触媒システムCSが使用されるマイクロチャネル構造を指す指標であることを意味する。
mは2であり、そして方法で利用されるそれぞれの触媒システムの成分数である。
革新的な方法は:
i) nは2の整数であり、そしてそれぞれのマイクロチャネル構造が下流方向に
(a)少なくとも一つの注入口を持つ入口配列IA
(b)触媒システムCSの固定化成分Cimを含む触媒マイクロキャビティーMC1
および
(c)検出ゾーン(DZ);
を含む、少なくともn個、好ましくはn個以上、の本質的に同一なマイクロチャネル構造を含む、マイクロ流体デバイスを提供すること;
ii) それぞれのCS,CS....CSの残存する成分を、それぞれ、MC1,MC1....MC1へ、
a)C imを除いてC ,C1 ....C1 をIA1へ;
imを除いてC ,C ....C をIAへ;
imを除いてC ,C ....C をIAへ分注すること;および
b)CSの分注された成分をMC1へ;
CSをMC1へ;
....CSをMC1へ輸送すること;
により分配すること;
iii) それぞれの触媒システムの成分をそれぞれのMC1、MC1....MC1の中でインキュベートすること;
iv) 工程(iii)で生成した生産物を、DZは対応するMC1と合致しないという条件で、MC1、MC1....MC1から下流に、それぞれ、DZ、DZ....DZへ輸送すること;
v) それぞれ、DZ、DZ....DZにおけるそれぞれの触媒システムCS,CS....CSの反応の結果を測定して、そして特性化すること;および
vi) 工程(v)の結果からAn,An....Anの非特性化側面をそれぞれのマイクロチャネル構造について特性化すること;
の工程より成ることを特徴とする。
一つもしくはそれ以上の工程(ii.b)〜(iv)のそれぞれは、n個のマイクロチャネル構造に関して並行して行われる。好ましい変形体において、このことは全ての工程(ii.b)〜(iv)に適用される。工程(ii.b)が並行して行われることは、触媒システムの成分が工程(iii)におけるインキュベーションがMC1、MC1....MC1の中で同時に開始できるような方式で輸送されることを主として意味する。かくして、工程(ii.b)についての並行性は、一つもしくはそれ以上の成分がマイクロチャネル構造の適切な注入口へ分注され、そして次いで、構造の中に輸送されて、その後に、一つもしくはそれ以上の残存する成分が分注されそして構造等の中に輸送されることを含む。また、混合されたアリコートが並行して最終的にMC1、MC1....MC1に入っていくように、混合がデバイス内で起こり得ることが含まれる。
固定化された成分Cim は一つ、二つもしくはそれ以上の異なる分子要素を含み得る。
触媒システム、特性化されるべき側面および試料
触媒システム(CS)は、生体触媒システム、例えば、活性タンパク質およびその合成変異体に基づく酵素システム、を主として意図する。特異的にデザインされたものは、例えば、合成変異体として使用され得る。触媒システムの成分を、触媒、基質、補基質、補因子、補触媒、阻害剤、促進剤、活性化剤等で例示することができる。酵素システムについては、これは、酵素、基質、補基質、補酵素、補因子等に対応する。触媒システムにおける成分の数(m)は、異なるシステムの間で変わり、そしてまた革命的方法で何が特性化されるかに依存して変わり得る。整数のmは少なくとも2であるが、また3、4、5、6等であり得る。大抵の場合には、それは、6以下のように、10以下である。
酵素システムは、1)酸化還元酵素(脱水素酵素、酸化酵素等)、2)転移酵素、3)加水分解酵素(エステラーゼ、炭水化物分解酵素、プロテアーゼ等)、4)脱離酵素、5)異性化酵素、および7)リガーゼの中から選択され得る。
触媒システムの成分は、天然でもよく、または合成的にもしくは組替え的に製造されていてもよい。成分は、アミノ酸構造、オリゴもしくはポリペプチド構造のようなペプチド構造、オリゴもしくはポリヌクレオチド構造のようなヌクレオチド構造、オリゴもしくはポリペプチド構造のような炭水化物構造、脂質構造、ステロイド構造、ホルモン構造等を示し得る。例えば、触媒システムの成分の天然変異体を潜在的に模倣して、コンビナトリアルライブラリーから誘導する、合成化合物が含まれる。
特性化されるべき側面は、少なくとも一つのa)触媒システムの成分の量、b)触媒条件、c)一つもしくはそれ以上の特定の触媒システムの新成分、d)成分いついての構造的情報、等を含む。用語“量”は、絶対量、相対量、濃度、活性等を含む。構造的情報は、基質についての情報、成分中の相互作用部位等を特に含む。
個別のマイクロチャネル構造で使用される試料は、典型的に液体型かつ水性であり、そして特徴が特性化されるべき成分Anを含有する。Anは、工程(i)の間もしくはに先だって上に定義したように固定化成分Cim として、または工程(ii)で可溶成分Cとして提供され得る。
生体触媒については、試料は、全血、血漿、血清、軟層、血液細胞、精子、髄液、リンパ、涙液、腹水、組織、細胞溶菌液からの上澄み液、細胞インキュベーション液等のような生化学的材料から典型的に誘導される。特に生体触媒システムに関する、成分を含有する他の液体がまた含まれる。
液体輸送(工程iiiおよびv)
個別のマイクロチャネル構造内での反応物の輸送は、デバイスの中もしくは外のどちらかに存在する特異な手段により駆動され得る液流による。かくして、液流は、電気浸透、マイクロポンプ、拡張ガス等により創造され得る。もう一つの代法は、毛管力および/もしくは液体を駆動するための遠心力を含む慣性力のような力、即ち、マイクロ流体デバイスの上でいかなる手段を必要としない力、を使用することである。
遠心力は典型的に、50〜15000rpmのような、50〜25000rpmの幅内でスピニング速度を必要とする。与えられたプロトコル内のスピニング速度は変わり、例えば、加速、減速および一定のスピニングの個別の傾斜を持つ配列を含み得る。特定の位置で増加したスピニングのパルスを含むことは有益であり得る。実験の部を参照されたい。
遠心基礎のシステムにおいては、“より高い”もしくは“より上の”レベル/位置は、“より低い”レベル/位置(外部位置)に比較して、スピニング軸からより短いラジアル距離(中部位置)にあるであろう。同様に、用語“上”、“上方”、“内側”、および“下”、“下側”、“外側”等は、それぞれ、スピニング軸に向かっておよびからを意味するであろう。他の配置/基板および従来の駆動力については、これらの用語はこれらの従来の意味を有する。
マイクロ流体デバイス中で起こる反応、例えば、触媒マイクロキャビティーMC1中の触媒反応、は非流動条件もしくは流動条件下で起こり得る。非流動条件は、優先日において触媒マイクロキャビティーに好ましい。他のマイクロキャビティー(下記参照)で利用され得る吸着および脱着反応については、WO 02/075312(Gyros AB)に記載されるように、流動条件がしばしば好ましい。流動条件が利用される場合には、デバイス中で並行して用いられるマイクロチャネル構造中で本質的に同じに成るように流動を適切に制御することがしばしば重要であろう。本質的に同じ流動条件を達成するための重要概念の一つは、WO 02/075312(Gyros AB)およびWO 03/024598(Gyros AB)に記載されるように、駆動力として好まれる遠心力でもって、共通の流動制御下に個別のマイクロチャネル構造中に流動を置くことである。
分注(部分的に、工程ii)
μl−容積およびより小容積のための外部分注手段は典型的に、注射筒ポンプ、インク・ジェット型分注器、ピンもしくは注射針を利用する。流通形の適当なインク・ジェット型分注器は、US 6,192,768(Gyros AB)に記載されている。PCT/SE02/01888(Gyros AB)をまた参照されたい。ピンおよび注射針を利用するシステムは、US 5,957,167(Pharmacopea)およびWO 01/19518(Aclara)に記載されている。
インキュベーション(工程iii)
この工程はMC1中で起こる。インキュベーションは、1秒から10時間までの間隔内に典型的に実施されるが、また数日および数週間、例えば10週間まで、であり得る。典型的にインキュベーションは室温においてであるが、また他の温度が、温度サイクルをまた含んで、使用され得る。魅力的な加熱方式は、WO 02/41997(Gyros AB)およびWO 02/41998(Gyros AB)に記載されるように、パターン化加熱区域を利用する。加熱は、例えば、光のような照射の吸収により、電気等により、パターン化区域中で創造される。
その中でインキュベーションが起こっている液体は、酵素システムには特に、典型的に水性である。タンパク質分解システムについては、基質を変性するが酵素を自然状態に本質的に残す水混合性有機溶媒を含むことは多数回有利であろう。潜在的に有用な有機溶媒は、有機溶媒の適切な濃度が0〜80%(v/v)の幅内で見出される、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、N,N−ジメチルホルムアミドである。上限は、それぞれの個別の場合について、問題の酵素、マイクロ流体デバイスの内壁にある材質等により決定される。同様な有利点が、他の構造開裂/変性化剤、例えば、使用される酵素に比較して基質を優先的に変性する、水素結合解離剤についても多分また手近にある。候補試剤を教科書に見出すことができる。
スピニングを利用するデバイスについては、その中でインキュベーションが起きているマイクロキャビティーに繋がれた導管は、例えば、反応マイクロキャビティー、例えばMC1、の下部に繋がれているマイクロ導管の中で、適切な弁機能が与えられるという条件で、ディスクを回転する間にインキュベーションを実施し得る。さらに小容積、即ち、特にnl範囲内、およびさらに長いインキュベーション期間については、特にインキュベーションが>1分の期間であるならば、これらのマイクロ導管中でも同様に抗吸上げ手段を有することが適切であり得る。例えば、WO 03/018198(Gyros AB)を参照されたい。
マイクロ流体デバイス(工程i)
マイクロ流体デバイスは異なる幾何学的形を持ち得る。我々の好ましいデバイスは、pが、2および∞の間の整数、好ましくは6、7、8およびそれより大、例えば∞、である、p−数個の対称軸(Cp)を有し、そして/もしくはディスクの形状にある。ディスクの形状のデバイスは典型的に、従来のCD版に似たサイズおよび/もしくは形状、即ち、従来のCD−半径の10%から300%までの幅での半径を持つ円形ディスクと同じ範囲にあるサイズ、を含む。円形以外のディスク形状、例えば、四角のような角形、ならびに卵形、ヌードル形状形等がまた可能である。ディスクについては、言及した対称軸は、ディスクの面に典型的に直角である。円形、円筒形、球状、円錐形等の対称を持つデバイスは、C−数の対称軸を持つデバイスの例である。
デバイス内で液流を駆動するために遠心力を利用する前提条件は、それぞれのマイクロチャネル構造の少なくとも一部が、下流部分より回転軸により近い上流部分を有しなければならないことである。優先日において好ましい形式に適用すると、これは、回転軸に合致して、ディスクの面に直角である上記の対称軸を持つディスクの形状にあるデバイスを意味する。上記の対称軸および回転軸は合致してもしなくてもよい。
マイクロ流体デバイスは、デバイス中で並行して実施される酵素アッセイプロトコルの数(n)と少なくとも同数(n)の本質的に同一なマイクロチャネル構造を含む。任意の追加的なマイクロチャネル構造は、これらの構造に本質的に同一であるかもしくは非同一であり得る。
デバイス上のマイクロチャネル構造の全数は、10もしくは50もしくは100もしくは200もしくは400のように、典型的に2である。上限は、10000もしくは5000もしくは975のように、15000であり得る。
過剰のマイクロチャネル構造を、アナライト(An)の非特色化側面がデバイスの中に導入されるのに先立って既知である、参照/標準試料のために使用し得る。典型的な例は、既知量のアナライトを含有し、そして本質的に工程(i)〜(v)に従って過剰のマイクロチャネル構造内に導入されて加工される参照試料である。過剰のマイクロチャネル構造はまた、種々の理由で製造者により使用から除去されている、余分なマイクロチャネル構造であり得る。例えば、PCT/SE03/00448(Gyros AB)を参照されたい。過剰のマイクロチャネル構造のもう一つの使用は、並行して実施されるものに並行でないモードで酵素アッセイの何らかを行うことである。
本発明の文脈におけるマイクロチャネル構造は、少なくとも
a)少なくとも一つの注入口を持つ入口配列IA,
b)その一つがCimであるn成分(C,C....C)を有する触媒システムCSの固定化成分Cimを含む、触媒マイクロキャビティー、および
c)検出ゾーン(DZ)
を含む、流路である。
上で考察したように、マイクロチャネル構造のMC1中のCimは、触媒システムの一つもしくはそれ以上の異なる分子要素もしくは成分を含み得る。
用語“マイクロ”は、サイズを指して、マイクロチャネル構造が、10μm、好ましくは10μm、である深さおよび/もしくは幅を有する、一つもしくはそれ以上のキャビティーならびに/またはチャネルを含むことを意図する。マイクロキャビティー/マイクロチャンバーの容積は、1000nlもしくは1000nlもしくは500nlもしくは100nlもしくは50nlのように、典型的に5000nl(=nl−範囲)であるが、さらに大きく、即ち、1〜100μlもしくは1〜10μlのように、1〜1000μlの幅にあり得る。用語“キャビティー”は、横断面寸法に変化のないチャネルの区分、チャンバーの入口および/もしくは出口において横断面寸法に増加があるチャンバー様構造、チャネル区分の収斂された区分等を含む。
異なる適用は、デバイス中でマイクロチャネルの異なる表面特色を必要とする。これは、水性液体が輸送されるべきマイクロチャネルについて親水性化が必要であり得ることを意味する。例えば、WO 00/56808(Gyros AB)および WO 01/47637(Gyros AB)を参照されたい。水性液体については、内部表面の本質部分が、使用温度において40°もしくは30°もしくは20°のように、90°の水接触角を有するべき、即ち、親水性/湿潤性であるべきである。これは特に、入口配置ならびに毛管力が水性液体を輸送するために使用される、輸送マイクロチャネルおよびマイクロチャネルに適用される。チャネルを囲む内壁の少なくとも二つもしくは三つはこの範囲に適合すべきである。受動弁、抗吸上げ手段、例えば成分を含む機能化表面、等における表面はこれらの一般則から除外され得る。下記を参照されたい。
非湿潤性(疎水性)の表面切れ目を、例えば蓋によりそれらを閉じこめる前に、マイクロチャネル構造の開放型の親水性内壁の予め決められた位置に導入し得る(WO 99/58245、Gyros ABおよびWO 01/85602、Amic AB & Gyros AB)。表面切れ目は、構造、例えば、抗吸上げ手段、受動弁、液体を導くための他の手段等、の内での液流を制御するために使用され得る。下記を参照されたい。
マイクロ流体デバイスは無機および有機の材料から作製され得る。典型的な無機材料はシリコン、石英、ガラス等である。典型的な有機材料は、高分子材料、例えば、ゴムシリコン高分子(例えば、ポリジメチルシロキサン)等のような、エラストマーを含むプラスチックである。高分子材料ならびにプラスチックは、縮合重合、不飽和有機化合物の重合もしくは他の重合反応により得られる高分子を含む。開放型のマイクロ構造は、エッチング、レーザー融除、平板印刷、型押しによる複製、成形、鋳造等の種々の技法、等により創造され得る。それぞれの基板材料は典型的に、その好ましい技法を有する。
製造の観点から、プラスチックでの表面およびマイクロ構造を露出する基板は、プラスチックのコストは通常低くて、大量生産を、例えば複製により、容易にすることができるので、何度も好まれる。複製を含む典型的な製造方法は型押し、成形、鋳造等である。例えば、WO 9116966(Pharmacia Biotech AB、Oehman & Ekstroem)を参照されたい。好ましいプラスチックは、ポリカーボネートならびに直鎖の、枝分かれのおよび/もしくは環状の非芳香族構造を含む重合可能なモノマーオレフィンに基づくポリオレフィンである。典型的な例は、日本ゼオン、日本からのZeonex[登録商標]およびZeonor[登録商標]である。これは、例えば、スチレン、メタクリレート等々に基づく他のプラスチックの使用を除外するものではない。
プラスチック材料は、特にもし工程(v)での測定に利用される検出原理が蛍光、ルミネセンス等を利用するならば、例えば、黒鉛粉末もしくはカーボンブラックを含んで、黒色であり得る。
注入口を持つ入口配列
適当な入口配列は、WO 02/074438(Gyros AB)、WO 02/075775(Gyros AB)、WO 98/58245(Gyros AB)、WO 01/87486(Gamera)等に記載されている。また図1aおよびbを参照されたい。
マイクロチャネル構造の入口配列は、マイクロチャネル構造のサブグループに共通する一つの部分(部分I)、およびそれぞれが個別にマイクロチャネル構造に結合する一つもしくはそれ以上の追加的な部分(部分II,III..)を含み得る。部分Iは、入口配列の他の部分から典型的に物理的に分離している。部分Iは、同じサブグループでのマイクロチャネル構造へ同じ組成の液体アリコートを同時に分配するために用いられる。部分Iは、図1aおよびbに示されるように、典型的に、
a)数個のマイクロチャネル構造(1002)もしくは触媒マイクロキャビティー(MC1)(1016)に関連する注入口(1004)、および
b)マイクロチャネル構造/触媒マイクロキャビティー(MC1)当り一つの容積規定ユニット(1018)を含む、共通の分布マニホールド(1017)
を含む。
極端には、共通の注入口は、分布マニホールドを介してデバイスの全てのマイクロチャネル構造と通信している。入口配列の他の部分(複数を含む)のそれぞれは、典型的に容積規定ユニット(図1には示されていない)を介して、唯一つのマイクロチャネル構造/触媒マイクロキャビティー(MC1)に連結される注入口(1005)を含む。これらの他の部分の注入口を、同じサブグループでの異なるマイクロチャネル構造に対して異なり得る液体アリコートを導入するために使用し得る。同様に、サブグループのマイクロチャネル構造は、共通の排出口配列を介して共通の排出口と相互に接続され得るかもしくはそれぞれのマイクロチャネル構造は別の排出口を有し得る。共通の排出口配列は共通の廃液チャネルを含み得る。
数個のマイクロチャネル構造に共通する構造ユニットは、それが共通であるそれぞれの個別のマイクロチャネル構造の部分と考えられる。これは特に、入口および出口配列に適用される。
適当な単一の容積規定ユニットは、
a)容積計量マイクロキャビティー;
b)オーバーフローマイクロチャネル;
c)液体用入口マイクロ導管;および
d)計量マイクロキャビティーの下部に弁機能を持つ出口マイクロ導管;
を含む。
オーバーフローマイクロチャネルは好ましくは、容積計量マイクロキャビティーの出口より低いレベルにおいて弁を有する。例えば、μl−範囲でおよび特にnl−範囲での、さらに小さい容積については、好ましくは、注入口および容積計量マイクロキャビティーへの入口の間に、例えば、オーバーフローマイクロチャネルとのその交差点のすぐ上流に、入口マイクロ導管中に抗吸上げ手段がある。抗吸上げ手段は、化学的表面特性(水性液体については疎水性表面切れ目)および/もしくは幾何学的表面特性(主としてぎざぎざ)の局所変化の形式であり得る。容積計量キャビティーは典型的に、入口マイクロ導管およびオーバーフローマイクロチャネルより大きい横断面区域(寸法)を有する。この種および抗吸上げ手段の適当なユニットはWO 02/074438(Gyros AB)のユニット7、11および12に記載される他のものの中にある。
数個のマイクロチャネル構造/マイクロキャビティーに並行してアリコートを分布するためのマニホールドの部分である容積規定ユニットは、チャネルのそれぞれの末端に連続的容積規定区分(1018)および開口部(1009)を持つ共通分布チャネル(1017)を典型的に含む。それぞれの区分は、分布されるべき容積を規定し、そしてマイクロチャネル構造の中にさらに下まで液体の輸送のために下部に出口開口部を有する。それぞれの区分は、例えば下向きの橋脚として、マイクロキャビティーとしてデザインされ得る。液体の入口は、共通チャネルの末端の一つにもしくは中間部分(1004、1007)に典型的にある。局所的内部表面切れ目(化学的なおよび/もしくは幾何学的な)(1024、1025)は、好ましくはそれぞれの区分を描写している。外気の入口のための通気口は区分を囲むかもしくは液体の入口(1007)に共通であり得る。WO 02/074438(Gyros AB)(図4)ならびにWO 02/075775(Gyros AB)(図7b)、WO 98/58245(Gyros AB)、WO 01/87486(Gamera)等をまた参照されたい。
遠心基礎のシステムについては、注入口は、触媒マイクロキャビティー(MC1)よりも短いスピニング軸からのラジアル距離に典型的に位置する。触媒マイクロキャビティーの下流に、典型的に反応マイクロキャビティーより大きいラジアル距離に位置する、排出口があり得る。マイクロチャネル構造の中に液体を導入するために毛管力および/もしくは他の非遠心力を利用することにより、注入口は原理的に任意のラジアル距離に、例えば、排出口および/もしくは触媒マイクロキャビティーよりもさらにスピニング軸から離れてさえ、位置し得る。
触媒マイクロキャビティー(MC1)
触媒マイクロキャビティー(MC1)の幾何学的形およびサイズは、見出し“マイクロ流体デバイス”の下に上で概略された如くである。
固定化成分Cimは、典型的に、触媒、例えば酵素、もしくは基質であるが、これに代えて、補基質、補因子、補触媒等のように、触媒システムの或る他の成分であり得る。固定化は、典型的に、MC1内に保持される固相にされる。
固相は、
a)MC1の内壁の表面;
b)MC1の内部を全体的にもしくは部分的に占める多孔性モノリスの内表面;
c)MC1内で床に充填される多孔性のもしくは非多孔性の粒子の集団;
であり得る。
多孔性モノリスとしては、多孔性プラグおよび膜が挙げられる。固相が粒子より成る場合には、MC1の下流末端に関与する保持手段があるべきである。そのような手段は、好ましくは、狭窄の形で、例えば、粒子がMC1から離れるのを防止する、物理的バリアーの形で、ある。次いで、粒子の直径/サイズは、狭窄における最大の開口部と本質的に同じサイズもしくはより大きくなければならない。もう一つの種類の保持手段は、磁気粒子を組合せた外部に適用された磁場である。
多孔性モノリスは、一片の材料の中に組み立て得るかもしくはお互いに付着した粒子より成り得る。
用語“多孔性粒子”は、粒子が触媒システムの可溶性成分により浸透され得ることを意味する。これは典型的に、成分について0.4〜0.95の幅内でのKav値を意味する。非多孔性粒子は典型的に、同じ成分に関して0.4以下のKav−値を有する。多孔性モノリスは、適用した液流によりマトリックスを通して触媒システムの可溶性成分の質量輸送を許容するのに十分な大きさである、細孔を有する。
粒子は球状もしくは非球状であり得る。非球状の粒子については、直径およびサイズとは“流体力学的”直径を指す。
粒子は、MC1中に置かれた粒子の集団が平均粒子サイズ±5%の範囲に95%以上の粒子を持つサイズ分布を有することを意味する、単分散(モノサイズ)であり得る。この分布範囲の外にある粒子の集団は多分散(ポリサイズ)である。
固相、例えば粒子、における材料は、典型的に高分子性、例えば、合成高分子もしくは生体高分子である。用語生体高分子は、天然の生体高分子から誘導される高分子鎖を含む半合成高分子を含む。粒子および固相の他の形は、液流が水性の場合には、典型的に親水性である。この文脈において、親水性は、多孔性固相、例えば充填されたビーズ、が床と接触するようになっている水により浸透されるであろうことを包含する。この用語はまた、床の内壁が、その中に酸素、硫黄および窒素から選択されたヘテロ原子がある、複数の極性官能基を露出することを示す。適切な官能基を、水酸基、酸化エチレン基([−CHCHO−]n'、n'は>1の整数)、アミノ基、カルボキシ基、スルホン基等の中から、pH(主としてpH2〜11)に無関係に本質的に中性である基を優先して、選択することができる。疎水性の固相は親水性化され得る。
種々の成分の固定化の原理はこの分野で周知である。固相への成分の結合は、例えば、共有結合、親和結合(例えば、生体特異的親和結合)、物理的吸着(主として疎水性相互作用)等を介し得る。生体特異的親和結合の例は、ストレパビジンおよびビオチン化化合物の間、高親和性抗体およびハプテン化化合物の間等の結合である。MC1の内壁への固定化は、表面を増加させるために、例えば、nm−範囲もしくはさらに小さい直径を持つ、微細粒子を介し得て、そしてかくして固定化成分のさらに高い負荷およびまた潜在的にさらに高い反応速度を許容する。この種類の粒子は、例えば、静電気力、磁力等により壁に付着し得る。
検出ゾーン(DZ)
インキュベーション工程に続いて、反応混合液を工程(v)での測定を可能にする外部手段へのインターフェースを提供する、検出ゾーン(DZ)へ液流により輸送し得る。もしDZがMC1と重複するかもしくは合致するならば、DZの輸送は全く必要でない。
検出ゾーンは典型的に、保持マイクロキャビティー(MC2)およびMC2の下流に検出マイクロキャビティー(MC3)を含む。MC2はMC1と重複するかもしくは合致し得、そしてMC3はMC2と重複するかもしくは合致し得る。これらのマイクロキャビティーは共に、マイクロキャビティーについて一般的に上で考察されたような寸法を有し得る。
保持マイクロキャビティーMC2は、過剰の基質、もしくはMC1中に生成した生産物、または工程(v)における測定を妨げるであろう汚染物を選択的に保持する能力がある。もし汚染物が保持されるならば、基質および/もしくは生成物は検出マイクロキャビティー(MC3)の中にさらに下流へ輸送される。もし測定されるべき要素がMC2中に保持されるならば、このマイクロキャビティーは、MC2およびMC3が合致して、測定がMC2中で起きていることを意味する検出マイクロキャビティーとしてデザインされ得る。それに代えて、検出マイクロキャビティーMC3はMC2の下流に位置して、これは保持された要素が、MC3中の測定を達成するために、さらに加工される必要があることを要求する。
保持マイクロキャビティーMC2は典型的に、望ましい化合物を保持する能力がある、基(リガンド)を露出する固相を含む。結合は二つの主な種類:親和結合もしくは共有結合、であり得る。共有結合は、例えばチオール−ジスルフィド交換により、典型的に可逆的である。親和結合(=親和性吸着)は、
(a)リガンドおよび結合されるべき要素が反対の電荷を有することを典型的に必要とする、静電気相互作用;
(b)リガンドおよび結合されるべき要素が疎水性基を含むことを典型的に必要とする、疎水性相互作用;
(c)リガンドおよび結合されるべき要素が電子受容および電子供与の基を、それぞれ、もしくは逆に、有することを典型的に必要とする、電子−供与受容相互作用;
(d)その中で相互作用が異なる種類の相互作用および/もしくは基の混合物に典型的に関与する、複雑な性格を持つ生体親和結合;
で例示されることができる。
生体親和結合は、アナライトもしくはアナライトから誘導された要素は、所謂生体親和性対のメンバーであり、そしてリガンドは対の他のメンバーであることを含む。典型的な生体親和性対は、抗原/ハプテンおよび抗体/抗体の抗原結合フラグメント;ビオチンおよびストレパビジン;相補的核酸;イムノグロブリン結合タンパク質およびイムノグロブリン(例えば、IgGもしくはそのFc−部分およびタンパク質AもしくはG)、レクチンおよび対応する炭水化物、等である。用語“生体親和性対”は、その中で一つもしくは両方のメンバーが、例えば、生体親和性対の天然メンバーを模倣して、合成的である親和性対を含む。
もしMC2およびMC3が合致しないで、MC2がMC3中で測定されるべき分子要素を保持するならば、この要素はMC2から放出されて、工程(v)が実施され得る前に、MC3へと下流に輸送されるべきである。この輸送は、結合された要素に対して適切な脱着特色を有する液体をMC2を通じて通過させることにより典型的に達成される。この輸送は、MC3へ直接であり得るが、特定の状況下では、その中で追加的な加工が起きている中間工程/マイクロキャビティーを必要とし得る。洗浄工程を、保持/吸着工程および脱着工程の間に挿入し得る。洗浄液体、脱着液体等は、数個のマイクロチャネル構造に典型的に共通であって、それ故に好ましくは、数個のマイクロチャネル構造に共通である入口配列の一部を介して導入される。
MC2中の過剰の基質、生成物もしくは汚染物の捕獲は非流動もしくは流動条件下で起こり得る。
保持マイクロキャビティー(MC2)は典型的に、nl範囲、例えば、100nlもしくは50nlもしくは25nlのように500nl、での容積を有する。これらの数値はまた、保持マイクロキャビティー(MC2)が検出マイクロキャビティー(MC3)と合致するならば、適用される。
過剰の基質および/もしくは生成物の捕獲および放出は典型的に濃縮を意味する。濃度の増加は、例えば、10〜10のように、10〜10の幅で、>10の因子を持ってである。
検出マイクロキャビティーMC3は、工程(v)での測定、即ち、基質の消失および/もしくは触媒マイクロキャビティーMC1内で起こる反応の結果として生成物の出現の検出ならびに/または測定を可能にする、外部機器へのインターフェースを提供する。MC1の中で利用され/生成される基質/生成物の種類に依存して、伝導率、温度、粘度等の変化に基づく技法を使用し得る。分光測定をまた使用し得る。二つの最も強力な分光測定原理は、光子に基づかない分光測定法、例えば、質量分光測定法、および分光光度法である。
分光光度法は、IR、UV等に関係する性質の測定を含む。選択は、それぞれの特定の場合で何が適切であるかに依存する。原理は、例えば、もし基質および/もしくは生成物が蛍光性または蛍光原性であれば蛍光に、もし基質および/もしくは生成物が発光性または発光原性であればルミネセンス、等に、基づき得る。ルミネセンスは生体ルミネセンスならびに化学ルミネセンスを含む。特にマイクロ流体デバイスがプラスチックから作製されるならば、共焦点技法を利用し得る。分光光度方法については、インターフェーシングは、検出マイクロキャビティーMC3の壁の中の窓を典型的に介する。窓は利用される分光光度原理に対して半透明である。
質量分光測定原理は、表面からのエネルギー脱着イオン化(EDI)、マイクロチャネルの先端を介する電気スプレーイオン化(ESI)等を含み、そしてインターフェースは検出マイクロキャビティーの上に開口部を含むことを典型的に意味する。
典型的なEDI原理は、熱的脱着/イオン化(TDI)、プラズマ脱着/イオン化(PDI)ならびに高速原子衝撃(FAB)、電子衝撃等のような種々の種類の照射脱着/イオン化(IDI)である。レーザーが使用される場合には、原理はレーザー脱着/イオン化(LDI)と呼ばれる。脱着は、表面上に種々のヘルパー物質もしくは機能基と一緒にMSアナライトを存在させることにより支援され得る。一般名は、表面−強化レーザー脱着/イオン化(SELDI)を含むマトリックス支援レーザー脱着/イオン化(MALDI)である。
例えば、ナノスプレー形式に適応される、電気スプレーイオン化質量分光測定法(ESI MS)に適当な電気スプレーは、ガラスもしくは溶融シリカまたはシリコンのような高分子材料から作製される毛管中で大抵は形成される。適当な管は、5〜20μm範囲の先端内部直径を持つ円筒形の形状を典型的に持つ。語句ナノスプレーは、管から移入される液体が1分当りナノリットルの範囲にあることを意味する。質量分光計への液体の適当な移入速度は、1〜1000nl/分の幅に、例えば、10〜500nl/分の幅に、見出される。注入(外部力無しで)により、1分当りただの少ナノリットル(5〜25nl/分)が、50〜500nl/分の適用外圧がさらに一般的である一方で、管から輸送される。
ESI MSに適当な液体溶液は、低濃度の酸もしくは塩基を含有する有機溶媒:水の混合液を含む。溶媒の組成は、表面張力および伝導度に特に関して重要である。低い表面張力および伝導度は、効率的な溶解およびイオン化過程ならびに安定したスプレーを得るために望ましい。もし試料を水のみの中で溶解するならば、所謂メイクアップ溶媒を加える(外部配送)。メイクアップ溶媒は、ナノスプレー先端の周りに同軸に(鞘‐流動)に典型的に配置される。メイクアップガス(典型的に、N)を時として加えて(例えば、同軸に)、溶解過程を支援する。
マイクロ流体デバイスおよび質量分光計の間のインターフェースは、WO 02/075775(Gyros AB)およびWO 02/075776(Gyros AB)ならびにその中で引用された出版物に記載されている。
混合機能、分離機能等
マイクロチャネル構造はまた、
(1)注入口を介して導入された液体アリコートからの異物および汚染物の分離;
(2)保持マイクロキャビティーMC2について記載されたように親和性のもしくは可逆的な共有付着を介して可溶性の固相に結合するより他の原理に従う可溶性成分の分離;
(3)例えば、反応マイクロキャビティーの上流に親和性複合体の形成のための、混合;
ならびに
(4)例えば、MC1の上流で元の試料を加工するための、またはMC1の下流で基質および/もしくは生成物をさらに加工するための、さらに別の触媒反応;
を可能にする別のもしくは組合せた機能ユニットを含み得る。
これらのさらに別の機能は、別のマイクロキャビティーを含み得、触媒マイクロキャビティーMC1の上流でもしくは下流で存在し得る。
異物の分離のためのユニットは、容積規定ユニットの上流に典型的に位置するか、もしくは二つのユニットが共通ユニットに組合される。
可溶性成分の分離のためのユニットは、上の2項で規定されるように、サイズ排除分離媒体を含有する保持マイクロキャビティーであり得る。
混合ユニットは典型的に、混合されるべきそれぞれの液体について一つの注入口を有して、上で考察された入口配列の部分であり得る。混合ユニットは、
a)機械的ミキサー(例えば、WO 97/21090、Gamera);
b)二つの流入する液流によりマイクロキャビティー中に乱流の創造(例えば、WO 98/53311、Gamera);
c)マイクロチャネルの中心および壁との間の流速の差(WO 02/074438、Gyros AB)等による、マイクロ導管中での輸送の間の拡散による、マイクロ導管の入口末端中にラミナーフローならびに攪拌の創造(例えば、US 5,637,469、Wilding & Kricka);
に基づき得る。
遠心基礎システムで有利である分離ユニットおよび混合ユニットはWO 02/074438(Gyros AB)に記されている。他の変異体は、WO 02/074438(Gyros AB)に引用された出版物に記載されている。
さらに別のユニットがまた存在し得る。
ユニット1〜4の存在は、発明方法のプロトコルが、
・液体から異材の分離のための工程;
・共有結合もしくは親和性吸着以外の原理に基づく、可溶性材料の分離のための工程;
・異なる成分を含有する液体アリコートの予混合、希釈等を含む、混合工程、ならびに
・さらに別の触媒反応を実施するためのインキュベーション工程;
から選択される少なくとも一つのさらに別の工程を含み得ることを意味する。
分離工程は、もしあれば、もしマイクロチャネル構造が組合せた分離/容積計量ユニットを利用し得るならば、容積計量工程と同時に行い得る。そうでなければ、分離工程は、特にもし分離工程を使用して、マイクロチャネル構造内でさらに加工されるべきである試料を洗浄するならば、容積計量工程の上流に典型的にある。
混合工程は、もしあれば、容積計量工程の典型的に下流にあって、例えば触媒マイクロキャビティーMC1の中で、触媒反応工程に先行する。
弁機能
弁の二つの範疇は:
1.弁機能の位置においてマイクロチャネル中の移動可能な機械的部分に基づく、機械的弁、
2.下記で規定するような内部弁
である。
機械的弁は典型的に、機械的部分(能動的弁)によりマイクロ導管を物理的に開閉することを含む。
内部弁については、液体の非通過もしくは通過は:
(a)材質へのエネルギー入力(能動的弁)を変更することにより弁位置でのマイクロ導管中で横断面区域の変化。刺激反応高分子を利用する、WO 01/02737(Gyros AB)、ならびに非平衡高分子構造および融解可能なワックスプラグの緩和を示唆する、WO 97/21090(Gamera)を参照されたい。
(b)通過‐流動液体アリコートおよび弁位置でのマイクロ導管(毛管のもしくは受動弁)の内部表面の間の相互作用エネルギーの局所的増加。弁でのマイクロチャネルは、たとえ液体が通過し得ない(停止された)としても、開かれる。通過流動は、液体の駆動力を増加することにより簡単に達成される。チャネル中で表面湿潤性の局部的増加は弁として作用するであろうことを記載する、WO 99/58245(Gyros AB)およびWO 01/85602(Gyros AB)ならびにマイクロチャネルの側方寸法の急な増加に基づく受動弁を記載する、WO 96/15576(David Sanoff Res Inst)、EP 305210(Biotrack)、WO 98/07019(Gamera)を参照されたい。
に基づき得る。
本発明においては、特に遠心基礎システムについて、横断面寸法の側方の変化および/もしくは表面湿潤性の局部的変化に基づく毛管弁に特別な強調を持って、内部弁が好ましい。水性液体については、この種類の毛管弁は、横断面寸法もしくは疎水性表面切れ目の増加を組合せた親水性表面を意味する。
望ましくない液体輸送を制御する手段
吸収することは、液体輸送がマイクロチャネルの二つの内壁の間の交差点として規定される端で開始されることを意味する。吸収することは、もしマイクロキャビティーに直接連結された長さが伸びる端を有するマイクロチャネルがあるならば、長期間の間に望ましいマイクロキャビティー中に規定された微容積の液体を保持することを困難にする。もしマイクロチャネルが、例えば注入口を介して、外気に連結されるならば、吸収することは、予め分注された液体容積の蒸発および不可逆的損失を助長するであろう。一つのマイクロキャビティーから端における液体の潜動は吸上げと呼ばれる。吸上げを相殺する表面修飾(幾何学的なならびに化学的な)は抗吸上げ手段と呼ばれる。二つの長さが伸びる端の間の疎水性表面切れ目の形式の抗吸上げ手段は、WO 99/58245(Gyros AB)に以前に記載されている。WO 02/074438(Gyros AB)は、マイクロチャネルの長さが伸びる端の中で幾何学的なならびに化学的な表面特色の変化の組み合わせを利用する改良された抗吸上げ手段を発表する。変化は典型的に局所的である。水性液体については、マイクロチャネルの表面は本質的に親水性であり、そして圧入の形式での幾何学的な表面特色の変化は、疎水性もしくは非湿潤性への化学的な表面特色の変化である。両方の種類の変化は、主として端に位置すべきである。化学的な表面特色の変化の形式での受動性弁は、抗吸上げ手段としてまた作用するであろう。
図1aおよびb
これらの図は、液体輸送に遠心力、即ち、スピニング、を利用する円形デバイスの好ましい実施態様を図示する。液体は主として水性である。マイクロチャネル構造のそれぞれは、単に検出マイクロキャビティー(MC3)として、または組合せた保持/検出マイクロキャビティー(MC2/MC3)もしくは組合せた触媒/保持/検出マイクロキャビティー(MC1/MC2/MC3)として使用され得る、排出口を有する。排出口(MS‐口)をMALDI質量分光計とインターフェースすることができる。WO 02/075775(Gyros AB)およびまた下の実験の部を参照されたい。
図1aは、円形ディスク(1000)のスピン軸(対称軸)(1003)の周りに環状に配位された同一のマイクロチャネル構造(1002)の10個のセット/サブグループ(1001)を含むマイクロ流体デバイス(CD)(1000)を図示する。それぞれのセットは、10個のマイクロチャネル構造を、即ち、デバイス当り合計100個のマイクロチャネル構造で、含む。それぞれのマイクロチャネル構造は、検出マイクロキャビティーに等しい排出口(MC3=MS‐口)(1006)より短いラジアル距離に位置した注入口(1004、1005)と放射状に配置される。これらの排出口は、ディスクの端(1036)から約0.9cmにある。ディスクは従来のCDと同じサイズを持ち、そして液体を分注するときにディスクを位置することおよび検出マイクロキャビティーと検出器のヘッドを位置合わせすることのために端(1036)においてホームマーク(1035)を有する。WO 03/025548(Gyros AB)を参照されたい。
デバイスは、図1aで示すマイクロチャネル構造の蓋のない形を含むプラスチック材質中で底部を含み、そして或る種類の複製方法により典型的に製造される。マイクロチャネル構造は、その中で、典型的に円形であり、そして入口(1007、1008)、出口(1009、1010)としてまたは別の校正器区域(1011、1012)として機能するであろう穴(図7bで1007、1008、1009、1010、1011、1012)がある、蓋で覆われる。マイクロチャネル構造の蓋のない形を持つ表面は、例えば、WO 00/56808(Gyros AB)に従う酸素プラズマにより典型的に親水性化されてきている。この蓋は、WO 01/54810(Gyros AB)に従って底部分に典型的に熱で積層されている。
図1bは、10個のマイクロチャネル構造(1002)のセット(1001)を拡大形で示す。それぞれのマイクロチャネル構造は、ひとつのマイクロチャネル構造に単に連結された、第一の注入口(1005)、および数個のマイクロチャネル構造に共通である、第二の注入口(1004)を有する。これら二つの注入口(1004、1005)のそれぞれの底部に、マイクロチャネル構造の内部に向けられたひだ/溝がある。第一の注入口(1005)は、容積規定ユニットを多分介して、触媒マイクロキャビティーMC1(1016)へ直接に連結され得る。他の注入口(1004)は、セット中で全てのマイクロチャネル構造に共通であり得て、そしてマイクロチャネル構造当り一つの容積規定ユニット(1018)を有する共通の分布マニホールド(1017)を介して、触媒マイクロキャビティーMC1(1016)へ典型的に連結される。分布マニホールド(1017)は、その側面の少なくとも一つにおいて、好ましくは両方において、一つの廃液排出口(1009)を有し得る。反応マイクロキャビティーの下部は、この場合には検出マイクロキャビティー出口MC3に対応する排出口(1006)に通ずる、出口マイクロ導管(1020)を有する。マイクロ導管(1020)の外部(1019)は、例えば、二重の深部(1021)(流動方向に100μm〜10μm〜20μm)に対して保有されたクロマトグラフィー粒子(RPC、逆相クロマトグラフィー)の充填床の、固相(1019)を含み得る。固相もしくはミニカラム(1019)は、触媒マイクロキャビティーの活性部分もしくは保持マイクロキャビティーとして働き得る。実験の部を参照されたい。マイクロ導管(1020)は、結晶化区域としてかつ保持マイクロキャビティーとして機能するであろう、拡大溝(上から見ると液滴様)(1023)として排出口(=MS口)(1006)の底部(1022)で終わるであろう。触媒マイクロキャビティー(MC1)(1016)は、二つの注入口(それぞれ、1005および1004) ならびに出口マイクロ導管(1020)と等しい一つの外向けに/下向きに指向した胴と通信する二つの内向けに/上向きに指向した胴(1014、1015)を持ってY−形であり得る。
分布マニホールドのそれぞれの容積規定ユニット(1018)は、容積規定ユニット(1018)の間で液体の吸い上げを防止して、触媒マイクロキャビティーMC1(1016)の中へ下流に空にするとき適当な液切れを支援するであろう、抗吸上げ手段(1024、1025)により囲まれる。抗吸上げ手段は典型的に、(a)容積規定ユニット(1018)の間にまたは容積規定ユニット(1018)から廃液排出口(1009)へ行く端の幾何学的変化(1024)、(b)および/もしくは疎水性表面切れ目(1025、直角)を典型的に含む。
局所的疎水性表面切れ目(直角、1026、1027)の形の弁機能は、側面での出口開口部(1009)の前の分布マニホールド(1017)の廃液チャネル(1028)の中に、ならびに容積規定ユニット(1018)および反応マイクロキャビティー(MC1)(1016)の中への入口の間のそれぞれのマイクロ導管(1029)の中に存在する。弁機能(疎水性表面切れ目)(1027)は、マイクロ導管(1029)および触媒マイクロキャビティーMC1(1016)の間の継手の前に、それを超えて、もしくはそのすぐ後に位置し得る。
構造の中に液体を指向するための局所的疎水性表面切れ目(1030、1031、直角)は、入口開口部(1007、1008)に存在する。
さらに、U−(馬てい)形状の局所的疎水性表面切れ目(1032)は、口から出る液体がディスクの最上部の上に広がることを防止するためにそれぞれの排出口(1006、MS‐口)の出口開口部(1010)に位置する。
疎水性表面切れ目(1026、1027、1030、1031)は、上部基板(蓋)が開放型でマイクロチャネル構造を含む底部基板の表面へ積層された前に取り付けられた。疎水性表面切れ目(1032)は、積層および金スパッタリングの後で取り付けられた。
蓋の中の開口部(10011、1012)は、校正物質のための校正区域である。円形内の表面は底部の最上部である。それらの一つ(1012)は、MS‐口(1006)の広げ溝(1022)を模倣する凹み(1033)を含む。
開口部(1010)の周りに局所的疎水性表面区域(1032)の取り付け前に、蓋の最上部は、少なくとも校正器区域(1010)を含む開口部の中、回りおよび間の連続した層として金でスパッタリングされた。連続した金膜はかくして、排出口(=MS‐口)(1006)および校正器区域の底部ならびに壁を連結している。MS‐口および校正器の中ならびに周りの区域を除いて、蓋の他の部分(しかし全体の蓋でない)はまた金で覆われた。狙いは、金層がマイクロ流体のおよび機器の機能に干渉しない限り、蓋区域を可能なかぎり多く覆うこと、例えば、それが増加された疎水性により毛管力に影響する(それで液体がチャネルを満たすのにさらに困難であるであろう)という理由で、それがマイクロ流体構造のCDもしくは入口(1007、1008)のホーム位置化を台無しにするので、金は蓋(CD)の縁を覆うことを許されない、であった。
マイクロチャネル構造の深度は入口開口部(1007、1008)から二重の深部(1021)まで同じ(100μm)でかつ一定である。
共通の注入口(1004)を通じる容積規定ユニット(1018)を含む分布マニホールド(1017)の充填はもっぱら毛管力による。
別の態様は、生体触媒システムのタンパク質成分のプラスチック基板表面への固定化のための方法である。この態様は、(i)成分上に存在する電荷に反対である電荷を表面上に導入するために非高分子化可能なガスのガスプラズマで表面を処理すること;および(ii)成分および表面が反対の電荷を有するpHにおいて工程(i)で創造された表面をタンパク質性分と接触させること、の工程を含むことに特徴を有する。表面は、覆われていないマイクロチャネル構造を含む上記の表面であり得る。工程(i)および(ii)の間で表面は、穴を含む蓋により覆われる。引き続いて、適切な生体成分および適切なpH緩衝液を含有する液体がマイクロチャネルの中でインキュベートされる。最後に、液体は除去され、そしてチャネルは水性液体で引き続いてすすぎ洗いされる。
<実験の部>
方法および機器
マイクロ流体デバイスを取り扱うための機器
実験を実施するための機器は、CDマイクロラボラトリ−(Gyrolab Workstation, Gyros AB, Uppsala、スウェーデン)であった。この機器は、応用‐特異的ソフトウエアーにより制御された完全に自動化されたロボットシステムである。試料もしくは試薬を含有するマイクロプレートは、システム内でカローセルの中に保存される。高精度ロボットが試料をマイクロプレートもしくは容器からCDの微小世界の中に移入する。CDは、試料および試薬の添加のためにスピニングステーションへ移動される。ソフトウエアー内の応用‐特異的方法は、精密に制御された速度でスピニングを制御し、応用が進むにつれて、マイクロ構造を通る液体の移動を制御する。CDは、分析および同定のためにMALDI質量分光計へ移入される。
機器の中で、試料および試薬は、マイクロプレート(5〜100μlの典型的な容積を含有する)からCD版のマイクロ流体ディスクへロボットの腕により移入される。ロボットの腕は、試料および試薬が移入の間は内部に含有される、10個の毛管を保有する。毛管の中に吸引されて、後でCD上に分注される試料/試薬の容積は、注射筒ポンプにより駆動されて、ソフトウエアーにより(ロボットの腕がされるように)制御される。吸引および分注の速度は、0.5〜10μl/秒速で典型的である。一旦液体が、それぞれの注入口において、ディスクの上に分注されると、それは、毛管力により、それぞれの共通な/マイクロの構造の中に吸い込まれる。
マイクロ流体デバイス
一般的な配置は、個別のマイクロチャネル構造が図2で概略されたことを除けば、図1のディスクと本質的に同じである。ディスクは、そこでは覆われていない構造がプラスチック材料(Zenor[登録商標])を成形することにより複製されてきた、底部基板から構築された。構造を覆うためにWO 01/54810(Gyros AB)に従う蓋を熱積層化することに先立って、マイクロ構造を含有する表面がO−プラズマ化されていた(WO 00/56808、Gyros AB)。
触媒マイクロキャビティー(MC1)(2016)におけるトリプシン固定化
トリプシン(Sigma, St. Louis, MO、TRCK処理されていない)を、マイクロチャネル構造の内壁の上に固定化した。トリプシンの重炭酸アンモニウム緩衝液(50mM、pH7.8)中の溶液(7mg/ml)をマイクロチャネル構造の非共通入口(2005)の中に注入して、触媒マイクロキャビティー(500nl)(MC1)(2016)の中へ通過させた。トリプシンを、室温で30分間溶液で満たした容積(2016)の表面に吸着させた。引き続いて、トリプシン溶液を注入口(2005)に真空を充てることにより除去し、そして構造を3容量の重炭酸アンモニウム緩衝液ですすぎ洗いした。対照として、裸のO−プラズマ処理したマイクロ構造を研究した。
トリプシンで被膜したCD‐マイクロ構造の中でカゼインBodipy TR−Xの消化
カゼインBodipy[登録商標] TR−Xの原液(1mg/ml)(Molecular Probes, Portland, OR)を重炭酸ナトリウム緩衝液pH8.3)中に溶解した。基質を重炭酸アンモニウム緩衝液(50mM、pH7.8)中で10および100μg/mlに希釈して、トリプシンで被膜したおよび裸のO−プラズマで処理したマイクロチャネル構造(2016)へ注入した。
固定化トリプシン活性の蛍光顕微鏡検査法による検出
マイクロキャビティー(2016)の中のカゼインBodipy TR−Xのトリプシン消化を、Texas Redフィルター(励起:530〜585nm;発光:605〜680nm)を装備した蛍光顕微鏡(Nikon Eclipse TE300)を使用して検出した。顕微鏡を、水銀ランプ、励起および発光フィルター、拡大レンズならびに検出用CCDカメラで装備した。発光した光を入射励起光(エピ蛍光)と同じ側のディスクから測定した。かくして、発光した光をディスクの底部から測定した。シャッタースピードを全ての露出で2秒にセットした。画像分析のために、ソフトウエアーMeta Morphを使用した。
ウシ血清アルブミンの還元およびアルキル化
ウシ血清アルブミン(BSA)(Sigma, St. Louis, MO;99%;A−0281)(10nmol)を重炭酸アンモニウム緩衝液(980μl、50mM)中に溶解した。ジチオトレイトール(10μl、45mM)を加えて、溶液を50℃で15分間インキュベートした。ヨードアセタミド(10μl、100mM)を加えて、混合液を室温で15分間インキュベートした。還元化およびアルキル化されたBSAを含有する得られた溶液を、図2のマイクロチャネル構造で実施された消化実験のために適切な濃度に引き続いて希釈した。
ナノカラムの充填およびMALDI−MS分析
Source 15−RPC粒子のナノカラム(2019)を二重の深部(2021)に対してマイクロチャネル構造の中に充填した。粒子を30〜40%EtOHの中に懸濁し、そして共通投入口を介して負荷して、出口マイクロ導管(2020)の下部の二重の深部(2021)に対して下部(2019)へマニホールド(2017)を介して分布した。カラムをベンチトップ遠心分離機を使用して充填した。負荷用チャネルおよび充填されたカラムを30〜40%EtOH溶液ですすぎ洗いした。カラムを共通チャネルを通して洗浄して、50%(v/v)アセトニトリルおよび0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸(TFA)で平衡化した。詳細な試料負荷手順および使用されたスピン配列は付録1に記されている。ペプチド質量をBruker MALDI−TOF二曲がり機器を使用して測定した。試料を、MALDIイオン源の中に導入されたマイクロ流体デバイスの上で直接に分析した。
<結果および考察>
マイクロ流体構造のデザインおよびトリプシンの固定化
トリプシン消化を実施するために用いたマイクロ流体構造を図2に示す。蓋をかぶせる前に表面の酸素プラズマ処理は、毛管力をマイクロ構造の中への迅速かつ効果的な試料の導入に使用するように強要させる。しかしながら、この処置は、中性および塩基性条件において正味の負電荷を保持する表面を創造する。この性質は、大抵の応用で抑制されるべきである、非特異的タンパク質吸着に表面を受けやすくする。我々は、プラズマ処理した表面の荷電した性質を代りに、中性および塩基性条件において正味の正電荷を保有するトリプシン分子のような荷電した成分を付着させるために活用し得ると仮定した。プラズマ処理したマイクロ構造のトリプシン被膜はかくして,CDの中に触媒的に活性な表面の導入のために便利な一工程手順を可能にして、同時に表面のタンパク質結合能を飽和させて、表面への非特異的吸着に因る試料の減少した損失の危険性に至る。
表面へのタンパク質の受動的吸着は、1〜5mg/mのタンパク質密度を典型的に生成する。2.5mg/mのタンパク質密度はトリプシン(M=23800g/mol)について凡そ100fmol/mmに相当する。蓋を含む個別の試料入口構造の全表面積は9mm(ベース面積=4.1mm;マントル面積=0.9mm)である。かくして、CDM1:J(500nl)の入口構造の完全な表面付着量は凡そ1pmol(2μM)に相当する。このレベルの表面付着量に達するために、7mg/mlのトリプシン溶液(M=23800g/mol)を被膜に使用した。トリプシンを固定化するために使用したマイクロ構造を図2に示す。
トリプシン活性の蛍光顕微鏡検査法による検出
マイクロチャネル構造の中で保持された触媒機能と共に成功裏に我々がトリプシンを固定化してきたかを決定するために、我々は蛍光体で標識化したカゼイン基質を用いた。カゼインBodipy TR−Xを赤色蛍光性BODIPY TR−X染料で標識化して、結合体の蛍光のほとんど全体の消失をもたらす。トリプシン媒触の加水分解はこの消失を解除して、明るい赤色蛍光性ペプチドを生成する。マイクロチャネル構造中でのトリプシン消化を蛍光顕微鏡を使用して検出した。トリプシンで被膜した構造は、酸素プラズマ処理の参照構造に比較して、顕著な酵素活性を示した。消化実験を異なる基質濃度で実施した(表1)。より低い基質濃度(10μg/ml)では、弱いが顕著なシグナルがバックグラウンドの上に検出された。トリプシンで被膜したマイクロ構造中で記録されたシグナルは、消化を溶液中で過剰(3.5mg/ml)のトリプシンを持つ溶液の中で実施した、構造に比較してごくわずかに低いだけであった。
その中で内壁がO−プラズマ処理されているだけの参照マイクロチャネル構造においては、本質的に何も蛍光が検出され得なかった。
マイクロ流体デバイス上の集中消化、ペプチド濃度、精製および結晶化
マイクロ流体デバイス中で集中タンパク質消化を実施するための二つの代替技術溶液を検討した。
先ず、タンパク質消化コンパートメントを,500nlの触媒マイクロキャビティー(MC1)(2016)の内壁の全ての部分へトリプシンを固定化することにより創造した。タンパク質消化コンパートメントの性能をテストするために、我々は、モデル基質としてウシ血清アルブミン(BSA)を還元して、ヨードアセタミドでアルキル化した。5〜50pmolのBSAを含有する500nl容積の試料を、マイクロ流体デバイスの消化コンパートメント(触媒マイクロキャビティー、MC1)(2016)の中に導入して、室温で30分間インキュベートした。消化後、生成物のペプチドを、RPC粒子の充填床(2019)を含有する保持マイクロキャビティー(MC2)の中で濃縮して精製し、そして溶出後、組合せた出口およびMALDI−MS口としてデザインされた検出マイクロキャビティー(MC3)(2006)の中で結晶化した。全ての工程をデバイスの上で集中した。引き続くMALDI−MS分析は、BSA由来の5個のペプチド生成物(表2)の検出を可能にした。分析中の質量誤差は100ppm以下であった。
消化に用いた反応媒体中にアセトニトリルを含むことにより、同時に基質濃度を減少して反応を室温で実施する一方で、異なるペプチドの数を顕著に増加させることが可能であった。
我々はまた、二重の深部(2021)に対して充填されたRPC粒子の30nlの充填床(2019)を含む反応マイクロキャビティー(MC1)の中にトラップされていたBSA試料を消化する可能性を探索した。入口構造における顕在的な試料損失を避けるために、内壁を試料導入に先立ってトリプシンで被膜した。BSA試料をBSAが吸着された充填床を通して振り落とした。トリプシンの溶液(0.07mg/ml)でカラムを飽和させて、消化を非流動条件下に室温で30分間進行させた。引き続いて、生成物のペプチドを溶出して、MS口(2006)のMALDI標的上で結晶化した。このアプローチで、500nl中の5pmolのBSA試料は、BSA由来の15個のペプチドの検出を可能にした。記録された質量誤差は100ppm以下であった。50pmolのBSAの消化は、MALDI MS分析により8個のペプチド生成物の検出を可能にした(表2)。5pmolの試料に比較して50pmolの試料で確認されたペプチドの減少した数は、より高い試料負荷において試料比率に最適でないマトリックスの使用に因り得る。我々はかくして、図1および2で図示された種類のマイクロ流体デバイスの中に容易に組み込まれ得る、成功的なタンパク質消化のための二つの技術溶液を立証した。
粒子形の市販の固定化トリプシン(Poroszyme, Perseptive、米国)が、図1および2のマイクロチャネル構造の二重の深部に対して保有されたRPC粒子の床の最上部の上に床として充填されている、第三のアプローチをまた成功裏に検討した。このアプローチは流通条件の間に迅速な消化速度を提供し得る。
RPC床からのペプチドの溶出についてのさらなる詳細はWO 02/075775(Gyros AB)に記されている。
表1.トリプシンで被膜した触媒マイクロキャビティー(2016)の中で実施したタンパク質消化。異なる反応条件およびマイクロ構造表面処理におけるカゼインBodipy TR−X消化の程度。トリプシン活性を、Texas Redフィルター(励起:530〜585nm;発光:605〜680nm)を装備した蛍光顕微鏡で測定した。
Figure 0004895504
表2.CDマイクロラボラトリ−の中での集中タンパク質消化、試料調製および結晶化。ウシ血清アルブミン(BSA)のトリプシン開裂から得られる、理論的にかつ実験的に決定されたペプチド質量。二つの戦略をCDの中のタンパク質消化のために探索した。トリプシンを図2に示したタイプのマイクロチャネル構造の壁に固定化した。これに代えて、BSA試料を、トリプシンを溶液中に保って、RPCカラムの中に固定化した。消化を室温で30分間実施した。BSA試料(5〜50pmol)をマイクロ流体デバイスの中で処理した。ペプチド質量をBruker MALDI−TOF二曲がり機器を使用して測定した。試料を、MALDIイオン源の中に導入されたマイクロ流体デバイスの上で直接に分析した。
Figure 0004895504
図2のマイクロチャネル構造を含む、遠心基礎のマイクロ流体デバイスの中での試料作製のためのスピン配列
1.カラムの再調整
Figure 0004895504

2.二回実施したカラム洗浄
Figure 0004895504
3.試料移入
Figure 0004895504
4.二回実施した、脱塩
Figure 0004895504
5.ペプチド溶出
Figure 0004895504
Figure 0004895504
図1aは、CD版のディスクの形式での適当なマイクロ流体デバイスを図示する。 図1bは、CD版のディスクの形式での適当なマイクロ流体デバイスを図示する。 図2は、実験の部で用いられてきたマイクロチャネル構造を概略する。

Claims (17)

  1. 複数の等しいもしくは異なる触媒システムCS,CS....CSの、それぞれで、成分An,An....An(アナライト)の非特性化側面を特性化するための方法であって、
    i) それぞれのマイクロチャネル構造が、下流方向に、
    (a)少なくとも一つの注入口を持つ入口配列IA;
    (b)マイクロチャネル構造の中で用いられる触媒システムCSの固定化成分Cim であって、非多孔性のもしくは多孔性の粒子の充填床であるマトリックスを含む固定化成分C im を含む、触媒マイクロキャビティーMC1;および
    (c)I)吸着媒体を含む、保持マイクロキャビティーMC2、および、
    II)MC2の下流にあって底部および壁が金膜を含む検出マイクロキャビティーMC3、
    を含む、触媒マイクロキャビティーMC1と合致しない検出ゾーン(DZ);
    を含む、複数(n)の本質的に同一なマイクロチャネル構造を含む、マイクロ流体デバイスを提供すること;
    ii) マイクロチャネル構造の中で用いられるCSの im 以外の成分をそれぞれのマイクロチャネル構造のMC1へ、
    a)それぞれのマイクロチャネル構造の入口配列IAへ当該成分を分注すること;および
    b)それぞれのマイクロチャネル構造の中のMC1に負荷するためにマイクロチャネル構造に対して対応する成分を並行して輸送すること
    により分配すること;
    iii) それぞれのマイクロチャネル構造のMC1の中で触媒反応を実施すること;
    iv) 工程(iii)で生成した生産物をMC2中の吸着媒体に吸着させるために、該生産物をそれぞれのマイクロチャネル構造のMC1からMC2へ並行して輸送すること;
    v)吸着させた生産物をMC2から並行して溶出し、それぞれのマイクロチャネル構造中のMC3に該生産物を輸送すること;
    vi) それぞれのマイクロチャネル構造について、MC3において、MC1の中で実施された触媒反応の結果を検出して、そして特性化すること;および
    vii) 工程(vi)の結果からAn,An....Anの非特性化側面をそれぞれのマイクロチャネル構造について特性化すること;
    の工程より成ることを特徴とする、方法。
  2. マイクロ流体デバイスがプラスチック材料で作製されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法であって、触媒システムが生体触媒システムの中から例えばa)少なくとも一つの成分がタンパク質および/もしくはタンパク質酵素を模倣する合成変異体である酵素システム、ならびに/またはb)ポリヌクレオチド基礎の触媒システムの中から選択されることを特徴とする、方法。
  4. 触媒システムが酵素システムであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、触媒システムが加水分解酵素(エステラーゼ、炭水化物分解酵素、プロテアーゼ等)、ホスホリラーゼ、酸化還元酵素(脱水素酵素、酸化酵素等)、転移酵素、脱炭酸酵素、加水酵素、異性化酵素等の中から選択される酵素システムであることを特徴とする、方法。
  6. 固定化成分C im が触媒、基質、補基質、補触媒、補因子、補触媒等から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法であって、MC3がMC1の中で起こる触媒反応の結果の分光分析を許容するインターフェースを含むことおよび工程(vi)が触媒反応の結果を反映するスペクトルをMC3の中で記録することを含むことを特徴とする、方法。
  8. 請求項に記載の方法であって、インターフェースがMC1の中での触媒反応の結果の質量分光分析を許容することおよび工程(vi)がMC3の中で生成物の質量スペクトルを記録することを含むことを特徴とする、方法。
  9. 請求項に記載の方法であって、インターフェースが触媒反応の結果の分光光度分析を許容することおよび工程(vi)が触媒反応の結果を反映する分光光度スペクトルの関連部分を、特に蛍光もしくは化学ルミネセンスとして、記録することを含むことを特徴とする、方法。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法であって、
    a)CSの成分の一つが蛍光性または蛍光原性である、または発光性または発光原性である、基質であり、そして
    b)MC3は触媒生成物もしくは基質の中で蛍光またはルミネセンスの増減を検出するためのインターフェースを含み、ならびに
    c)工程(vi)が反応生成物および/もしくは基質からの蛍光またはルミネセンスを記録することを含む
    ことを特徴とする、方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法であって、マイクロキャビティー、特にMC1、MC2およびMC3の少なくとも一つへ、もしくはそれから通ずるマイクロ導管が抗吸上げ手段を含むことを特徴とする、方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法であって、水性液体がマイクロチャネル構造内で成分を輸送するために使用されることおよび内壁がこの液体に湿潤性であることを特徴とする、方法。
  13. マイクロチャネル構造の内部表面の水接触角が、使用温度において、50°もしくは30°であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項12〜13のいずれか1項に記載の方法であって、デバイスが対称軸を有することおよびそれぞれのマイクロチャネル構造の少なくとも一部における液体輸送がその対称軸の周りでデバイスを回転することにより創造される遠心力により駆動されることを特徴とする、方法。
  15. デバイスがディスクの形状であって、そして、もし存在すれば、当該対称軸がディスクの面に垂直であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法であって、触媒マイクロキャビティーの出口にならびに/またはもし保持マイクロキャビティーおよび/もしくは検出マイクロキャビティーが存在すればこれらのマイクロキャビティーのそれぞれの出口にまた関連して受動弁があることを特徴とする、方法。
  17. MC1、MC2およびMC3の少なくとも一つがnl範囲の容積を有することを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
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