JP4894953B2 - バリ除去用パンチピン、バリ除去装置、及び、バリ除去方法 - Google Patents
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Description
前記従来技術については、例えば特許文献1には、自動運転によって粗バリ除去を行った後、手動操作によって仕上げバリ除去を行う技術が開示されている。
また、特許文献2には、ガイド回転手段とは独立した回転手段によりツール部を回転させることにより、周縁部に発生したバリを除去する技術が開示されている。
前記バリ除去用パンチピンを、前記ワークから離間させる、離間工程と、を備えるものである。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
まず始めに、本発明に係るバリ除去装置について、図1を用いて説明をする。なお、本明細書においては説明の便宜上、図1における上側を上方、下側を下方とし、同様に右側を右側方、左側を左側方とする。
図1に示す如く、本発明に係るバリ除去装置は、固定部10a、及び、該固定部10aに対して上下に近接離間可能に構成された可動部10b、を備えるプレス機10と、軸心を前記近接離間方向(上下方向)に向けて前記可動部10bに配設されたバリ除去用パンチピン11と、で構成される。そして、前記可動部10bがバリ除去用パンチピン11とともに下降し、固定部10aに設置されたワークWに近接することにより、前記バリ除去用パンチピン11が、前記ワークWにおけるフランジ部Fの内周面に形成された膜バリBFを打ち抜く構成としているのである。
次に、バリ除去用パンチピン11について、図2から図4を用いて説明をする。
図2から図4に示す如く、バリ除去用パンチピン11は、前記可動部10bに配設される配設基部であるインナー21と、前記インナー21に連結されるバリ除去加工部30とを備える。
前記バリ除去加工部30は、パンチピン31、第一アウター32、及び第二アウター33で構成され、それぞれが相互に一体的に連結されている。なお、前記パンチピン31、第一アウター32、及び第二アウター33は、一部材としてバリ除去加工部30を構成することも可能である。
また、前記パンチピン31の外周面側部の、前記当接部31bよりワークW側には、軸心方向に複数の溝31a・31a・・・が形成されている。さらに、前記パンチピン31の上面中心部分には、後述するように付勢部材であるスプリングシリンダー12を挿入可能に孔部31cが形成されている。
また、前記第一アウター32の内周面上部の三箇所には、孔部32a・32a・32aが軸心からの角度を120度ずつ開けて開口されている。さらに、前記第二アウター33の上部の三箇所には、前記孔部32a・32a・32aと対応する位置に、内側が縮径した連通孔33a・33a・33aが開口されている。そして、三個のスライドボール18・18・18が前記孔部32a・32a・32a及び連通孔33a・33a・33aに、任意の方向に回転自在に配設されているのである。換言すれば、前記連通孔33a・33a・33aに前記スライドボール18・18・18をそれぞれ収納した状態で、前記連通孔33a・33a・33a及びスライドボール18・18・18が前記孔部32a・32a・32aと一致するように、第二アウター33を第一アウター32に挿入するのである。
なお、本実施形態においては、前記スライドボール18・18・18、孔部32a・32a・32a及び連通孔33a・33a・33aは、軸心からの角度を120度ずつ開けて三箇所に配設する構成としたが、その数は三箇所に限定するものではなく、二箇所以下又は四箇所以上にすることも可能である。
そして、前記スライドボール18・18・18が、摺動部として前記スプライン溝21a・21a・21aに沿って摺動可能に連結されることにより、前記インナー21と前記バリ除去加工部30は相互に軸心方向に摺動するのに伴って、軸心を中心として相対的に回転するように構成されるのである。
そして、前記インナー21が前記第二アウター33内へ摺動して挿入されることに伴って、前記スライドボール18・18・18からなる摺動部が、前記スプライン溝21a・21a・21aに沿って摺動することにより、前記バリ除去加工部30はインナー21に対して軸心を中心に図4中矢印αの方向に回転するように構成されるのである。換言すれば、スライドボール18・18・18からなる摺動部と、前記スプライン溝21a・21a・21aは、前記バリ除去加工部30をインナー21に対して軸心を中心に回転させる回転機構としてはたらくのである。
なお、本実施形態によれば、前記バリ除去加工部30はインナー21に対して軸心を中心に図4中矢印αの方向に回転するように構成されているが、前記スプライン溝21a・21a・21aの形状を逆方向に形成することにより、前記バリ除去加工部30を図4中矢印αと逆の方向に回転させる構成にすることも可能である。また、摺動部はスライドボール18・18・18に限らず、車輪状やキー状のもの、即ちスプライン溝21a・21a・21aを円滑に摺動する構成であればよく、本実施形態に限定されるものではない。
次に、バリ除去用パンチピン11を備えたバリ除去装置において行われるバリ除去方法について、図5から図10を用いて説明する。
本実施形態に係るバリ除去方法においては、前記バリ除去用パンチピン11を、膜バリBFを有するワークWに対して近接させて、前記バリ除去加工部30が備えるパンチピン31で前記膜バリBFを打ち抜く、膜バリ除去工程と、前記パンチピン31を、前記インナー21に対して軸心を中心として回転させて、前記パンチピン31の表面に形成された溝31a・31a・・・で、前記膜バリ除去工程で発生した倒れバリBTを除去する、倒れバリ除去工程と、前記バリ除去用パンチピン11を、前記ワークWから離間させる、離間工程と、を備える。
このように、倒れバリ除去工程は膜バリ除去工程と同様に可動部10bの上下動を動力として行われるため、倒れバリBTは膜バリBFを打ち抜く動力と同一の動力で、簡易な構成によって除去することができるのである。
また、倒れバリBTを除去するためにパンチピン31の外径寸法を大きくする必要がなくなるため、パンチピン31とフランジ部Fとの干渉を防止でき、ワークに傷をつけたり、過負荷によって作業が停止したりすることを防ぐことができる。
Claims (4)
- 配設基部と、
前記配設基部に連結される、バリ除去加工部と、を備え、
フランジ部内周面に膜バリを有するワークに対して、軸心方向に近接離間可能に構成された、バリ除去用パンチピンであって、
前記バリ除去加工部の外周面側部の中途部には、前記ワークのフランジ部に当接する当接部が形成され、
前記バリ除去加工部の外周面側部の前記当接部よりワーク側には、軸心方向に複数の溝が形成され、
前記配設基部と前記バリ除去加工部との、何れか一方には円柱状の挿入部が形成され、他方には前記挿入部を挿入可能な円筒状の被挿入部が形成され、
前記配設基部と前記バリ除去加工部は、前記挿入部が前記被挿入部に対して摺動自在に挿入されるとともに、付勢部材によって互いに離間する方向に付勢されており、
前記バリ除去用パンチピンが前記ワークに近接して前記膜バリを打ち抜き、前記当接部が前記フランジ部に当接し、前記配設基部と前記バリ除去加工部が前記付勢部材の付勢力に抗して押圧され、前記挿入部が前記被挿入部内へ摺動して挿入されるのに伴って、前記膜バリを打ち抜く動力と同一の動力で前記バリ除去加工部が前記配設基部に対して軸心を中心に回転し、前記膜バリの周辺部分が除去しきれずに前記フランジ部の内周面に付着して前記当接部よりも前記ワーク側で発生した倒れバリを前記溝が除去するように構成された、回転機構を備える、
ことを特徴とする、バリ除去用パンチピン。 - 前記回転機構は、
前記挿入部の外周面と前記被挿入部の内周面との何れか一方に、軸心方向に対して傾斜したスプライン溝が複数個形成され、
他方には前記スプライン溝に対応する箇所に摺動部が形成され、
前記配設基部と前記バリ除去加工部は、前記摺動部が前記スプライン溝に沿って摺動可能に連結されることにより、相互に軸心方向に摺動するのに伴って、軸心を中心として相対的に回転するように構成される、
ことを特徴とする、請求項1に記載のバリ除去用パンチピン。 - 請求項1又は請求項2に記載のバリ除去用パンチピンを備える、
ことを特徴とする、バリ除去装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のバリ除去用パンチピンを用いたバリ除去方法であって、
前記バリ除去用パンチピンを、膜バリを有するワークに対して近接させて、前記バリ除去加工部で前記膜バリを打ち抜く、膜バリ除去工程と、
前記バリ除去加工部を、前記配設基部に対して軸心を中心として前記膜バリを打ち抜く動力と同一の動力で回転させて、前記バリ除去加工部の表面に形成された溝で、前記膜バリ除去工程で前記膜バリの周辺部分が除去しきれずに発生した倒れバリを除去する、倒れバリ除去工程と、
前記バリ除去用パンチピンを、前記ワークから離間させる、離間工程と、を備える、
ことを特徴とする、バリ除去方法。
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