JP4894199B2 - 物質注入装置 - Google Patents

物質注入装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4894199B2
JP4894199B2 JP2005243371A JP2005243371A JP4894199B2 JP 4894199 B2 JP4894199 B2 JP 4894199B2 JP 2005243371 A JP2005243371 A JP 2005243371A JP 2005243371 A JP2005243371 A JP 2005243371A JP 4894199 B2 JP4894199 B2 JP 4894199B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
needle
wavelength
particle
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005243371A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006254895A (ja
Inventor
幸宏 陽奥
護俊 安藤
昭夫 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2005243371A priority Critical patent/JP4894199B2/ja
Priority to EP06250278A priority patent/EP1693444A1/en
Priority to US11/335,612 priority patent/US20060183215A1/en
Publication of JP2006254895A publication Critical patent/JP2006254895A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4894199B2 publication Critical patent/JP4894199B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • A61K48/0075Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy characterised by an aspect of the delivery route, e.g. oral, subcutaneous
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M35/00Means for application of stress for stimulating the growth of microorganisms or the generation of fermentation or metabolic products; Means for electroporation or cell fusion

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Description

この発明は、粒子に物質を注入する物質注入装置に関し、特に、細胞や針を観察しながら細胞に針を挿入する場合に、針と観察用のレンズとの間の干渉を防止するとともに細胞に対する針の挿入の成功率を高め、また、製造コストを上昇させることなく、細胞や細胞に物質を注入する針の透過観察を容易におこなうことができる物質注入装置に関する。
近年、ライフサイエンス分野、特に、再生医療やゲノム創薬等の分野において、細胞に、遺伝子や薬剤を注入し、細胞の性質を改変することが行われている。このような技術を用いることにより、遺伝子の役目を解明することができるとともに、個人の遺伝的特定に応じた治療などをおこなうテーラーメード医療が可能になる。
細胞に遺伝子や薬剤を注入する際には、細胞が動かないよう固定する必要がある。そのため、細胞径より小さな孔を開けた細胞固定板を用いて、吸引ポンプにより細胞を吸引し、孔に固定する技術などが開発されている(たとえば、特許文献1および特許文献2を参照。)。
また、細胞に遺伝子や薬剤を注入する方法として、電気泳動法を用いたマイクロインジェクション法が開発されている。このマイクロインジェクション法では、針を用いて針内の極微量の試料を正確に細胞内に注入するため、電気泳動法を用いて針内の試料の移動量を制御する(たとえば、特許文献3を参照。)。
特許第2624719号明細書 特願2003−419091号明細書 特開平5−192171号公報
しかしながら、上述した従来技術では、細胞を観察しながら、遺伝子や薬剤を注入する針を細胞に挿入する場合に、細胞が動いてしまう可能性があるという問題があった。具体的には、細胞に孔を開けるためには、針を細胞に押し付ける必要があるが、細胞を固定している細胞固定板の細胞を固定する側の面と針の中心軸との間のなす角度が小さい場合には、細胞が動いてしまい、針が挿入しにくくなるという問題があった。
また、上述した従来技術では、細胞や、細胞に遺伝子や薬剤を注入する針を、光学系が倒立型である観察装置で透過観察する場合に、容易に透過観察をおこなうことができる装置を低コストで製造することが難しいという問題があった。
具体的には、光学系が倒立型である観察装置で細胞や針を透過観察しようとすると、細胞を固定する部分を透明な材料で形成する必要があるため、それを製作・加工する方法が限定されてしまう。
たとえば、透明な材料としては、ポリスチレンが一般に用いられているが、ポリスチレンに細胞を固定する孔を開けるにはレーザ加工をおこなう必要があり、手間がかかるため大量生産が難しくなり、装置の製造コストが上昇してしまう。
光学系が正立型である観察装置で細胞を観察すれば、細胞や針を容易に観察することができるが、この場合は、針と観察用のレンズが干渉してしまうため、針の設置角度が制限され、観察を容易におこなうことができなくなる。
そのため、針と観察用のレンズとの間の干渉を防止するとともに細胞に対する針の挿入の成功率を高め、また、装置の製造コストを上昇させることなく、細胞や針の観察を容易におこなうことができる技術の開発が望まれていた。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、細胞や針を観察しながら細胞に針を挿入する場合に、針と観察用のレンズとの間の干渉を防止するとともに細胞に対する針の挿入の成功率を高め、また、製造コストを上昇させることなく、細胞や細胞に物質を注入する針の観察を容易におこなうことができる物質注入装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、粒子に物質を注入する物質注入装置であって、前記粒子を固定する粒子固定部と、前記粒子に孔を形成することにより物質を注入する針と、前記粒子および/または針の像を粒子固定部越しに観察する場合に、当該粒子固定部を通過してきた光に基づいて前記粒子および/または針の像を形成する像形成手段と、を備え、前記孔を形成する際の粒子固定部の粒子を固定する側の面と前記針の中心軸との間のなす角が45度以上135度以下となるように前記針を設置し、前記粒子固定部は、光の波長に応じて光透過率が異なる物質で作られており、前記粒子固定部に微細孔を有し、前記微細孔で細胞を吸引することにより前記細胞を固定し、前記像形成手段は、波長が550ナノメートル以下の光の場合は前記微細孔を透過した光で像を形成し、波長が650ナノメートル以上の光の場合は前記粒子固定部全体を透過した光で像を形成することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記粒子固定部は、光の波長に応じて光透過率が異なる物質からなり、前記像形成手段は、前記粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、当該粒子固定部を通過してきた特定の波長の光に基づいて前記粒子および/または針の像を形成することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記粒子固定部は、当該粒子固定部に形成された開口部に粒子を固定し、前記像形成手段は、前記粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、当該粒子固定部および/または開口部を通過してきた特定の波長の光に基づいて前記粒子、針および/または開口部の像を形成することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記光の波長に応じて光透過率が異なる物質は、SiまたはSiO2であることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、波長が650ナノメートル以上の光を発光する発光手段をさらに備え、前記像形成手段は、前記粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、前記発光手段により発光され、前記粒子固定部を通過してきた光に基づいて、前記粒子および/または針の像を形成することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記粒子固定部は、当該粒子固定部に形成された開口部に粒子を固定し、前記発光手段は、波長が550ナノメートル以下の光をさらに発光し、前記像形成手段は、前記粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、前記発光手段により発光され、前記開口部を通過してきた光に基づいて、当該開口部の像を形成することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、特定の波長の光の伝播を制御する光フィルタをさらに備え、前記像形成手段は、前記粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、前記光フィルタにより伝播が制御され、かつ、前記粒子固定部を通過した特定の波長の光に基づいて、前記粒子および/または針の像を形成することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記粒子固定部は、当該粒子固定部に形成された開口部に粒子を固定し、前記光の波長に応じて光透過率が異なる物質はSiまたはSiO2であり、前記光フィルタは、波長が650ナノメートル以上の光および/または波長が550ナノメートル以下の光を伝播するよう制御することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記像形成手段は、前記粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、当該粒子固定部を通過してきた特定の波長の光を前記粒子固定部の下方にて受光し、受光した光に基づいて前記粒子および/または針の像を形成することを特徴とする。
また、本発明は、粒子に物質を注入する物質注入方法であって、粒子固定部に固定された粒子に孔を形成する際の粒子固定部の粒子を固定する側の面と中心軸との間のなす角が45度以上135度以下となるよう針を設置する針設置工程と、前記針設置工程により針が設置され、前記粒子および/または針の像を粒子固定部越しに観察する場合に、当該粒子固定部を通過してきた光に基づいて前記粒子および/または針の像を形成する像形成工程と、を含んだことを特徴とする。
本発明によれば、粒子に孔を形成する際の粒子を固定する粒子固定部の粒子を固定する側の面と中心軸との間のなす角が45度以上135度以下となるよう設置された針を用いて粒子に孔を形成することにより粒子に物質を注入し、粒子および/または針の像を粒子固定部越しに観察する場合に、粒子固定部を通過してきた光に基づいて粒子および/または針の像を形成することとしたので、細胞や針を観察しながら細胞に針を挿入する場合に、針と観察用のレンズとの間の干渉を防止するとともに細胞に対する針の挿入の成功率を高めることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、粒子固定部は、光の波長に応じて光透過率が異なる物質からなり、前記像形成手段は、前記粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、当該粒子固定部を通過してきた特定の波長の光に基づいて前記粒子および/または針の像を形成することとしたので、光の波長に応じて光透過率が異なる物質を用い、特定波長の光で粒子や針の像を形成することにより、粒子固定部の製造コストを上昇させることなく、粒子や針の透過観察を容易におこなうことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、特定の波長の光を用いて、粒子を固定する開口部が形成された粒子固定部越しに粒子および/または針が観察される場合に、当該粒子固定部および/または開口部を通過してきた特定の波長の光に基づいて、粒子、針および/または開口部の像を形成することとしたので、光の波長に応じて光透過率が異なる物質を用い、特定波長の光で粒子や針、開口部の像を形成することにより、粒子固定部の製造コストを上昇させることなく、粒子や針、開口部の透過観察を容易におこなうことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、光の波長に応じて光透過率が異なる物質は、SiまたはSiO2であることとしたので、粒子固定部をSiまたはSiO2で製造することにより、製造コストを上昇させることなく、粒子や針の透過観察を容易におこなうことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、波長が650ナノメートル以上の光が発光され、粒子固定部を通過してきた発光された光に基づいて、粒子および/または針の像を形成することとしたので、波長が650ナノメートル以上の光に対する透過率が高いというSiまたはSiO2の性質を利用して、粒子や針の透過観察を容易におこなうことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、波長が650ナノメートル以上の光に加えて、波長が550ナノメートル以下の光をさらに発光し、粒子固定部に形成された粒子を固定する開口部を通過してきた発光された光に基づいて、開口部の像を形成することとしたので、波長が550ナノメートル以下の光に対する透過率が低いというSiまたはSiO2の性質を利用して、粒子や針と開口部との間の識別を容易におこなえるようにすることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、特定の波長の光の伝播を制御する光伝播制御部により伝播が制御され、かつ、粒子固定部を通過した特定の波長の光に基づいて、粒子および/または針の像を形成することとしたので、光伝播制御部を用いて特定の波長の光を取り出して利用することにより、粒子や針の透過観察を容易におこなうことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、粒子固定部には、粒子を固定する開口部が形成され、光の波長に応じて光透過率が異なる物質はSiまたはSiO2であり、波長が650ナノメートル以上の光および/または波長が550ナノメートル以下の光を伝播するよう制御することとしたので、波長が650ナノメートル以上の光に対する透過率が高く、波長が550ナノメートル以下の光に対する透過率が低いというSiまたはSiO2の性質を利用して、粒子や針と開口部との間の識別を容易におこなえるようにすることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、粒子固定部を通過してきた特定の波長の光を粒子固定部の下方にて受光し、受光した光に基づいて粒子および/または針の像を形成することとしたので、光学系が倒立型である装置を構成することにより、正立型の装置のように針と観察用のレンズが干渉してしまうのを防ぐことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、光の波長に応じて光透過率が異なる物質からなり、粒子を固定する粒子固定部越しに、粒子および/または針が特定の波長の光を用いて観察される場合に、粒子、針および/または粒子固定部に特定の波長の光を照射し、粒子固定部を通過してきた特定の波長の照射された光に基づいて、粒子および/または針の像を形成することとしたので、光の波長に応じて光透過率が異なる物質を用いることにより、粒子固定部の製造コストを上昇させることなく、粒子や針の透過観察を容易におこなうことができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る物質注入装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、本実施例では、細胞粒子内に遺伝子や薬剤などの物質を注入する物質注入装置に本発明を適用した場合について説明する。
まず、本発明に係る物質注入装置の特徴について説明する。図1は、本発明に係る物質注入装置の特徴について説明する説明図である。図1に示すように、この物質注入装置は、細胞19に物質を注入する際に、細胞19が動かないよう捕捉して置くため、細胞19を載せる捕捉チップ11に微細孔21(開口部)を形成し、その微細孔21から細胞19を吸引する。
さらに、この物質注入装置では、細胞19に物質を注入する針12を細胞19に挿入して細胞19に孔を開ける際の捕捉チップ11の粒子を固定する側の面と針12の中心軸との間のなす角度が、45度以上135度以下となるように針12の角度が調節される。
このように、針12の角度を調節すると、針12を細胞19に挿入する場合に細胞19にかかる力の垂直成分が力の水平成分よりも大きくなるため、細胞19が横に動きにくくなり、細胞19に対する針12の挿入の成功率を高めることができる。
また、細胞19や針12がある捕捉チップ11の上方に照明15を設置し、対物レンズ16を用いて捕捉チップ11越しに細胞19や針12を観察することとしたので、針12と対物レンズ16との間の干渉を防止することができる。
ここで、針12を細胞19に挿入する場合には、図1に示したように、針12の中心軸の方向を細胞19の中心方向に合わせ、細胞19の中心部分に向かって針12を押し出して挿入することとする。ただし、細胞19の上方から針12を細胞19に押し付けるようにして針12を挿入するなどしてもよい。この場合、孔の大きさが大きくならないようにするため、針12をできるだけ高角度で挿入するのが望ましい。
また、ここでは、捕捉チップ11の粒子を固定する側の面と針12の中心軸との間のなす角度が、45度以上135度以下となるように針12の角度を調節することとしたが、60度以上120度以下とすれば、細胞19に針12をより確実に挿入することができる。また、上記角度が90度である場合には、針12が観察しにくくなるため、90度以外の角度に調節することとしてもよい。
以下の各実施例では、細胞19に孔を開ける際の捕捉チップ11の粒子を固定する側の面と針12の中心軸との間のなす角度が、45度以上135度以下となるように針12の角度が調節されるものとする。
つぎに、本発明に係る物質注入装置の機能構成について説明する。図2は、本発明に係る物質注入装置の機能構成を示す図である。
図2に示す捕捉チップ11は、SiやSiO2などの、光の波長に応じて光透過率が変化する物質を用いて製造される。そして、光透過率が高い波長の光を用いることにより、たとえ、物質注入装置の光学系が倒立型のものであっても、細胞19や細胞19に物質を注入する針12を捕捉チップ11越しに容易に観察することができるようになる。
また、光学系を倒立型とすることにより、細胞19に物質を注入する針12を捕捉チップ11に対して高い角度になるよう設置することができ、針12の設置角度の自由度を高めることができるため、針12を細胞19に挿入する成功率を上昇させることができるようになる。
さらに、SiやSiO2を捕捉チップ11の材料とする場合には、プロセス加工により低コストで大量に捕捉チップ11を製造することが可能となり、また、微細な加工を施すことが容易となる。そのため、製造コストを上昇させることなく、細胞19や針12の透過観察を可能とする物質注入装置を製造することができる。
図2に示すように、この物質注入装置は、容器10、捕捉チップ11、針12、針制御装置13、吐出装置14、照明15、対物レンズ16、CCDカメラ17、パーソナルコンピュータ18から構成される。
容器10は、細胞19が液体中に含まれる細胞懸濁液20を収容する容器である。捕捉チップ11は、細胞19の直径以下の直径を有する微細孔21が形成され、その微細孔21にポンプ(図示せず)などを用いて負圧をかけることにより細胞19を吸引し、細胞19を捕捉するチップである。ここで、微細孔21の直径は、5マイクロメートル以下であることが望ましいが、これに限定されるものではない。
捕捉チップ11への細胞19の供給方法は、ピペットのような細管を用いて、細胞19を含んだ細胞懸濁液20を捕捉チップ11上へ滴下して供給することとしてもよいし、捕捉チップ11に細胞懸濁液20を流す流路を形成して供給することとしてもよい。あるいは、捕捉チップ11を容器10に設置し、容器10に細胞懸濁液20を供給する供給装置を用いて捕捉チップ11に細胞19を供給することとしてもよい。
また、この捕捉チップ11は、SiやSiO2などの、光の波長に応じて光透過率が変化する材料を用いて製造されたものである。SiやSiO2は、赤色よりも長い波長の光、具体的には、波長が650ナノメートル以上の光に対しては透過率が高いという性質をもつ。
そのため、SiやSiO2などの物質からなる捕捉チップ11に赤色よりも長い波長の光を照射した場合には、捕捉チップ11越しに細胞19や針12などを透過観察することができる。
ここで、容器10は、捕捉チップ11に照射された光が透過するよう構成されている。具体的には、容器10の捕捉チップ11の下にある部分は、開口部であるか、照明15により照射された光を透過する物質により覆われている。
針12は、細胞19に微小な孔を形成し、そこから遺伝子や薬剤などの物質を注入する針である。針制御装置13は、針12の位置などを制御する制御装置である。吐出装置14は、細胞19へ注入する遺伝子や薬剤などの物質を針12に供給するとともに、物質の供給量を制御する装置である。
照明15は、赤色より長い波長の光、好ましくは波長が650ナノメートル以上の光を発する照明である。対物レンズ16は、照明15により発せられた光を、捕捉チップ11の下方から集光する対物レンズである。
CCDカメラ17は、対物レンズ16により集光された光を受光して、画像を形成するカメラである。パーソナルコンピュータ18は、針制御装置13、吐出装置14、CCDカメラ15の動作を制御するとともに、形成された画像をメモリなどに記憶し、画像の解析などをおこなうコンピュータである。
また、SiやSiO2が、緑よりも短い波長の光、具体的には、波長が550ナノメートル以下の光に対して透過率が低いという性質を利用して、緑色よりも短い波長の光を発光する照明を用いることにより、捕捉チップ11に形成された微細孔21の観察をおこなうこととしてもよい。
図3は、SiやSiO2などの材料からなる捕捉チップ11に赤色よりも長い波長の光および緑色よりも短い波長の光を照射する場合の照明の構成例である。
図3に示すように、この構成例においては、照明は、赤色よりも長い波長の光、好ましくは、波長が650ナノメートル以上である光を発光する長波長光照明30と、緑色よりも短い波長の光、好ましくは、波長が550ナノメートル以下である光を発光する短波長光照明31とから構成される。ここで、短波長光照明31は、長波長光照明30を取り囲むようにして設置されたリング照明である。
また、図3に示した容器10、捕捉チップ11、針12、対物レンズ16は図2に示した容器10、捕捉チップ11、針12、対物レンズ16と同様のものであり、図3には示していないが、針制御装置13、吐出装置14、CCDカメラ17、パーソナルコンピュータ18などの構成は図2に示したものと同様となる。
長波長光照明30は、SiやSiO2などの材料からなる捕捉チップ11に赤色よりも長い波長の光を照射した場合には、前述のように、捕捉チップ11越しに細胞19や針12などを透過観察することができる。
一方、短波長光照明31が、捕捉チップ11に緑色よりも短い波長の光を照射した場合には、捕捉チップ11本体の光の透過率が低いため、捕捉チップ11に形成された微細孔21が観察される。
この場合、パーソナルコンピュータ18は、赤色より長い波長の光を用いて形成された画像、および、緑色より短い波長の光を用いて形成された画像に対して画像処理をおこない、細胞19や針12の部分と、捕捉チップ11に形成された微細孔21とを識別する処理をおこなう。
また、短波長光照明31においては、発光する光の波長が短いため、分解能を高めるとともに、オートフォーカスのような深さ方向の画像処理の精度を向上させることができる。
具体的には、光の波長と分解能との間の関係は次式で表される。
(分解能)≒0.61λ/NA
ここで、λは、光の波長であり、NAは、レンズの開口数である。
また、光の波長と焦点深度との間の関係は次式で表される。
(焦点深度)≒±λ/(2NA・NA)
したがって、波長が550ナノメートル以下である光を用いることにより、分解能を高めるとともに、深さ方向の画像処理の精度を向上させることができる。さらに、短波長光照明31は、リング照明であるため、光の微細孔21への入射角度を大きくすることができ、微細孔21の高さの判別を容易にすることができる。
また、図3では、短波長光照明31のみをリング照明とすることとしたが、長波長光照明30もまたリング照明とすることとしてもよい。図4は、赤色よりも長い波長の光および緑色よりも短い波長の光を発光するリング照明の例を示す図である。
図4に示す構成例においては、照明は、赤色よりも長い波長の光、好ましくは、波長が650ナノメートル以上である光を発光するリング照明からなる長波長光照明40と、緑色よりも短い波長の光、好ましくは、波長が550ナノメートル以下である光を発光するリング照明からなる短波長光照明41とから構成される。
また、図4に示した容器10、捕捉チップ11、針12、対物レンズ16は図2に示した容器10、捕捉チップ11、針12、対物レンズ16と同様のものであり、図4には示していないが、針制御装置13、吐出装置14、CCDカメラ17、パーソナルコンピュータ18などの構成は図2に示したものと同様となる。
図4に示すように、長波長光照明40と短波長光照明41とをリング照明とすることにより、針21を捕捉チップ11に対して垂直に設置することが可能となり、細胞19に対して針12を挿入する成功率を高めることができる。
なお、図4においては、長波長光照明40と短波長光照明41とを両方とも設置することとしているが、長波長光照明40のみを設置し、細胞19や針12、微細孔21の観察をおこなうこととしてもよい。
上述してきたように、本実施例1では、細胞19に孔を形成する際の捕捉チップ11の粒子を固定する側の面と中心軸との間のなす角が45度以上135度以下となるよう設置された針12を用いて細胞19に孔を形成することにより細胞19に物質を注入し、細胞19および/または針12の像を捕捉チップ11越しに観察する場合に、捕捉チップ11を通過してきた光に基づいて細胞19および/または針12の像を形成することとしたので、細胞19や針12を観察しながら細胞19に針12を挿入する場合に、針12と対物レンズ16との間の干渉を防止するとともに、細胞19に対する針12の挿入の成功率を高めることができる。
また、本実施例1では、光の波長に応じて光透過率が異なる物質からなり、細胞19を固定する捕捉チップ11越しに、細胞19および/または針12が特定の波長の光を用いて観察される場合に、対物レンズ16が、当該捕捉チップ11を通過してきた特定の波長の光に基づいて、細胞19および/または針12の像を形成することとしたので、光の波長に応じて光透過率が異なる物質を用い、特定波長の光で細胞19や針12の像を形成することにより、ポリスチレンを使用する場合のように捕捉チップ11の製造コストを上昇させることなく、細胞19や針12の透過観察を容易におこなうことができる。
また、本実施例1では、細胞19および/または針12が特定の波長の光を用いて、細胞19を固定する微細孔21が形成された捕捉チップ11越しに観察される場合に、当該捕捉チップ11および/または微細孔21を通過してきた特定の波長の光に基づいて、細胞19、針12および/または微細孔21の像を形成することとしたので、光の波長に応じて光透過率が異なる物質を用い、特定波長の光で細胞19や針12、微細孔21の像を形成することにより、捕捉チップ11の製造コストを上昇させることなく、細胞19や針12、微細孔21の透過観察を容易におこなうことができる。
また、本実施例1では、光の波長に応じて光透過率が異なる物質は、SiまたはSiO2であることとしたので、捕捉チップ11をSiまたはSiO2を用いてプロセス加工で製造することにより、捕捉チップ11の製造コストを上昇させることなく、細胞19や針12の透過観察を容易におこなうことができる。
また、本実施例1では、長波長光照明30が、波長が650ナノメートル以上の光を発光し、発光した光が捕捉チップ11を通過してきた場合に、対物レンズ16が、細胞19および/または針12の像を形成することとしたので、波長が650ナノメートル以上の光に対する透過率が高いというSiまたはSiO2の性質を利用して、細胞19や針12の透過観察を容易におこなうことができる。
また、本実施例1では、長波長光照明30が、波長が650ナノメートル以上の光を発光することに加えて、短波長光照明31が、波長が550ナノメートル以下の光を発光し、発光された光が捕捉チップ11に形成された微細孔21を通過してきた場合に、対物レンズ16が、微細孔21を通過してきた光に基づいて、微細孔21の像を形成することとしたので、波長が550ナノメートル以下の光に対する透過率が低いというSiまたはSiO2の性質を利用して、捕捉チップ11越しに観察される細胞19や針12と微細孔21との間の識別を容易におこなえるようにすることができる。
また、本実施例1では、対物レンズ16が、捕捉チップ11を通過してきた特定の波長の光を捕捉チップ11の下方にて受光し、受光した光に基づいて細胞19および/または針12の像を形成することとしたので、物質注入装置を光学系が倒立型である装置とすることにより、正立型の装置のように針と観察用のレンズが干渉してしまうのを防ぐことができる。
ところで、上記実施例1では、赤色よりも長い波長の光と緑色よりも短い波長の光とを発光する照明を用いて透過観察をおこなうこととしたが、赤色よりも長い波長の光と緑色よりも短い波長の光とを透過させる光フィルタを用いることとしてもよい。
そこで、本実施例2では、赤色よりも長い波長の光と緑色よりも短い波長の光とを透過させる光フィルタを用いて、細胞や針、捕捉チップに形成された微細孔の観察をおこなう場合について説明する。
図5は、赤色よりも長い波長の光と緑色よりも短い波長の光とを透過させる光フィルタの構成例である。図5に示すように、この構成例では、長波長光透過フィルタ50、短波長光透過フィルタ51および照明52を備えている。
また、図5に示した容器10、捕捉チップ11、針12、対物レンズ16は図2に示した容器10、捕捉チップ11、針12、対物レンズ16と同様のものであり、図5には示していないが、針制御装置13、吐出装置14、CCDカメラ17、パーソナルコンピュータ18などの構成は図2に示したものと同様となる。
長波長光透過フィルタ50は、赤色よりも長い波長の光、好ましくは、波長が650ナノメートル以上である光を透過させる光フィルタである。短波長光透過フィルタ51は、緑色よりも短い波長の光、好ましくは、波長が550ナノメートル以下である光を透過させる光フィルタである。
照明52は、前述の赤色よりも長い波長および緑色よりも短い波長の波長領域を含んだ広範囲の波長の光を発光する照明である。好ましくは、照明52は、650ナノメートル以上、かつ、波長が550ナノメートル以下の波長領域を含んだ波長を有する光を発光する。
そして、長波長光透過フィルタ50および短波長光透過フィルタ51を切り替えて使うことにより、細胞19や針12、捕捉チップ11に赤色よりも長い波長の光、または、緑色よりも短い波長の光を照射することができ、実施例1と同様に、細胞19や針12、微細孔21の識別をおこなうことができるようになる。
なお、図5の例では、長波長光透過フィルタ50および短波長光透過フィルタ51を、捕捉チップ11からみて、対物レンズ16側でなく、照明52側に設置することとしたが、長波長光透過フィルタ50および短波長光透過フィルタ51を対物レンズ16側に設置することとしてもよい。
図6は、対物レンズ16側に長波長光透過フィルタ60および短波長光透過フィルタ61を設置した例を示す図である。ここで、長波長光透過フィルタ60は、赤色よりも長い波長の光、具体的には、波長が650ナノメートル以上である光を透過させる光フィルタである。短波長光透過フィルタ61は、緑色よりも短い波長の光、具体的には、波長が550ナノメートル以下である光を透過させる光フィルタである。
また、図6に示した容器10、捕捉チップ11、針12、対物レンズ16は図2に示した容器10、捕捉チップ11、針12、対物レンズ16と同様のものであり、図6に示した照明52は、図5に示した照明52と同様のものであり、図6には示していないが、針制御装置13、吐出装置14、CCDカメラ17、パーソナルコンピュータ18などの構成は図2に示したものと同様となる。
そして、捕捉チップ11および微細孔21を通過してきた光から、長波長光透過フィルタ60または短波長光透過フィルタ61を用いて、赤色よりも長い波長の光、または、緑色よりも短い波長の光を取り出して、対物レンズ16がその光を受光することにより、実施例1と同様に、細胞19や針12、微細孔21の識別をおこなうことができるようになる。
上述してきたように、本実施例2では、対物レンズ16が、特定の波長の光の伝播を制御する長波長光透過フィルタ50,60または短波長光透過フィルタ51,61により伝播が制御され、かつ、捕捉チップ11を通過した特定の波長の光に基づいて、細胞19および/または針12の像を形成することとしたので、長波長光透過フィルタ50,60または短波長光透過フィルタ51,61を用いて特定の波長の光を取り出して利用することにより、細胞19や針12の透過観察を容易におこなうことができる。
また、本実施例2では、捕捉チップ11には、粒子を固定する微細孔21が形成され、捕捉チップ11が光の波長に応じて光透過率が異なる物質であるSiまたはSiO2により作成され、長波長光透過フィルタ50,60および短波長光透過フィルタ51,61が、波長が650ナノメートル以上の光と波長が550ナノメートル以下の光とをそれぞれ伝播するよう制御することとしたので、波長が650ナノメートル以上の光に対する透過率が高く、波長が550ナノメートル以下の光に対する透過率が低いというSiまたはSiO2の性質を利用して、細胞19や針12と微細孔21との間の識別を容易におこなえるようにすることができる。
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施例にて実施されてもよいものである。
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。
この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した物質注入装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、物質注入装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
(付記1)粒子に物質を注入する物質注入装置であって、
前記粒子を固定する粒子固定部と、
前記粒子に孔を形成することにより物質を注入し、当該孔を形成する際の粒子固定部の粒子を固定する側の面と中心軸との間のなす角が45度以上135度以下となるよう設置された針と、
前記粒子および/または針の像を粒子固定部越しに観察する場合に、当該粒子固定部を通過してきた光に基づいて前記粒子および/または針の像を形成する像形成手段と、
を備えたことを特徴とする物質注入装置。
(付記2)前記粒子固定部は、光の波長に応じて光透過率が異なる物質からなり、前記像形成手段は、前記粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、当該粒子固定部を通過してきた特定の波長の光に基づいて前記粒子および/または針の像を形成することを特徴とする付記1に記載の物質注入装置。
(付記3)前記粒子固定部は、当該粒子固定部に形成された開口部に粒子を固定し、前記像形成手段は、前記粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、当該粒子固定部および/または開口部を通過してきた特定の波長の光に基づいて前記粒子、針および/または開口部の像を形成することを特徴とする付記2に記載の物質注入装置。
(付記4)前記光の波長に応じて光透過率が異なる物質は、SiまたはSiO2であることを特徴とする付記2または3に記載の物質注入装置。
(付記5)波長が650ナノメートル以上の光を発光する発光手段をさらに備え、前記像形成手段は、前記粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、前記発光手段により発光され、前記粒子固定部を通過してきた光に基づいて、前記粒子および/または針の像を形成することを特徴とする付記4に記載の物質注入装置。
(付記6)前記粒子固定部は、当該粒子固定部に形成された開口部に粒子を固定し、前記発光手段は、波長が550ナノメートル以下の光をさらに発光し、前記像形成手段は、前記粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、前記発光手段により発光され、前記開口部を通過してきた光に基づいて、当該開口部の像を形成することを特徴とする付記5に記載の物質注入装置。
(付記7)特定の波長の光の伝播を制御する光フィルタをさらに備え、前記像形成手段は、前記粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、前記光フィルタにより伝播が制御され、かつ、前記粒子固定部を通過した特定の波長の光に基づいて、前記粒子および/または針の像を形成することを特徴とする付記2に記載の物質注入装置。
(付記8)前記粒子固定部は、当該粒子固定部に形成された開口部に粒子を固定し、前記光の波長に応じて光透過率が異なる物質はSiまたはSiO2であり、前記光フィルタは、波長が650ナノメートル以上の光および/または波長が550ナノメートル以下の光を伝播するよう制御することを特徴とする付記7に記載の物質注入装置。
(付記9)前記像形成手段は、前記粒子および/または針が特定の波長の光を用いて粒子固定部越しに観察される場合に、当該粒子固定部を通過してきた特定の波長の光を前記粒子固定部の下方にて受光し、受光した光に基づいて前記粒子および/または針の像を形成することを特徴とする付記2〜8のいずれか1つに記載の物質注入装置。
(付記10)粒子に物質を注入する物質注入方法であって、
粒子固定部に固定された粒子に孔を形成する際の粒子固定部の粒子を固定する側の面と中心軸との間のなす角が45度以上135度以下となるよう針を設置する針設置工程と、
前記針設置工程により針が設置され、前記粒子および/または針の像を粒子固定部越しに観察する場合に、当該粒子固定部を通過してきた光に基づいて前記粒子および/または針の像を形成する像形成工程と、
を含んだことを特徴とする物質注入方法。
以上のように、本発明に係る物質注入装置は、針と観察用のレンズとの間の干渉を防止するとともに細胞に対する針の挿入の成功率を高め、また、製造コストを上昇させることなく、細胞や細胞に物質を注入する針の透過観察を容易におこなうことが必要な物質注入システムに有用である。
本発明に係る物質注入装置の特徴について説明する図である。 本発明に係る物質注入装置の機能構成を示す図である。 SiやSiO2などの材料からなる捕捉チップに赤色よりも長い波長の光および緑色よりも短い波長の光を照射する場合の照明の構成例である。 赤色よりも長い波長の光および緑色よりも短い波長の光を発光するリング照明の例を示す図である。 赤色よりも長い波長の光と緑色よりも短い波長の光とを透過させる光フィルタの構成例である。 対物レンズ側に長波長光透過フィルタおよび短波長光透過フィルタを設置した例を示す図である。
符号の説明
10 容器
11 捕捉チップ
12 針
13 針制御装置
14 吐出装置
15,52 照明
16 対物レンズ
17 CCDカメラ
18 パーソナルコンピュータ
19 細胞
20 細胞懸濁液
30,40 長波長光照明
31,41 短波長光照明
50,60 長波長光透過フィルタ
51,61 短波長光透過フィルタ

Claims (1)

  1. 粒子に物質を注入する物質注入装置であって、
    SiまたはSiO により形成され、微細孔を有し、前記粒子を前記微細孔で吸引することにより前記粒子を固定する粒子固定部と、
    前記粒子固定部の前記粒子を固定する側の面と中心軸が45度以上135度以下の角度をなすように配置され、前記粒子に孔を形成することにより物質を注入する針と、
    波長が550ナノメートル以下の第1の光および波長が650ナノメートル以上の第2の光を前記粒子固定部および前記針の垂直上方から照射する発光手段と、
    前記粒子および/または前記針の像を垂直下方から前記粒子固定部越しに観察する場合に、前記粒子固定部が有する前記微細孔を透過した前記第1の光により前記微細孔の像を形成し、前記粒子固定部を透過した前記第2の光により前記粒子固定部に前記微細孔で固定された前記粒子および/または前記針の像を形成する像形成手段と、
    を備えたことを特徴とする物質注入装置。
JP2005243371A 2005-02-17 2005-08-24 物質注入装置 Expired - Fee Related JP4894199B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005243371A JP4894199B2 (ja) 2005-02-17 2005-08-24 物質注入装置
EP06250278A EP1693444A1 (en) 2005-02-17 2006-01-19 Substance injecting apparatus
US11/335,612 US20060183215A1 (en) 2005-02-17 2006-01-20 Substance injecting apparatus

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005041032 2005-02-17
JP2005041032 2005-02-17
JP2005243371A JP4894199B2 (ja) 2005-02-17 2005-08-24 物質注入装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006254895A JP2006254895A (ja) 2006-09-28
JP4894199B2 true JP4894199B2 (ja) 2012-03-14

Family

ID=36570762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005243371A Expired - Fee Related JP4894199B2 (ja) 2005-02-17 2005-08-24 物質注入装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20060183215A1 (ja)
EP (1) EP1693444A1 (ja)
JP (1) JP4894199B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2560352A1 (en) * 2006-09-21 2008-03-21 Yu Sun High-throughput automated cellular injection system and method
WO2012162546A2 (en) * 2011-05-24 2012-11-29 Brigham Young University Lance device and associated methods for delivering a biological material into a cell
JP6066110B2 (ja) * 2014-06-11 2017-01-25 横河電機株式会社 細胞吸引支援システム
US20170333901A1 (en) * 2016-05-17 2017-11-23 City University Of Hong Kong Cell-trapping device, apparatus comprising it and their use for microinjection into cells
WO2018144814A1 (en) 2017-02-03 2018-08-09 Infinitesimal Llc Electroporation system with micromanipulator and probe

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US684668A (en) * 1901-05-22 1901-10-15 Herbert C Blackmer Card-file.
DE10136481A1 (de) * 2001-07-27 2003-02-20 Leica Microsystems Anordnung zum Mikromanipulieren von biologischen Objekten
JP2559760B2 (ja) * 1987-08-31 1996-12-04 株式会社日立製作所 細胞搬送方法
JP2624719B2 (ja) 1987-10-28 1997-06-25 株式会社日立製作所 マイクロインジエクション装置
DE3808531C1 (ja) * 1988-03-15 1989-07-13 Eppendorf - Netheler - Hinz Gmbh, 2000 Hamburg, De
JPH05192171A (ja) 1991-08-08 1993-08-03 Hitachi Ltd マイクロインジェクション法及びその装置
US7244349B2 (en) * 1997-12-17 2007-07-17 Molecular Devices Corporation Multiaperture sample positioning and analysis system
WO2000020554A1 (en) * 1998-10-08 2000-04-13 Astrazeneca Ab Microfabricated cell injector
GB9908681D0 (en) * 1999-04-16 1999-06-09 Central Research Lab Ltd Apparatus for, and method of, introducing a substance into an object
GB9930719D0 (en) * 1999-12-24 2000-02-16 Central Research Lab Ltd Apparatus for and method of making electrical measurements on an object in a m edium
JP3602775B2 (ja) * 2000-07-13 2004-12-15 独立行政法人食品総合研究所 マイクロチャネルアレイ装置、粒子保持方法、細胞保持ならびに物質注入方法、及び細胞保持ならびに物質注入装置
JP3442357B2 (ja) * 2000-08-25 2003-09-02 株式会社日立製作所 両生類卵母細胞試料導入装置、両生類卵母細胞試料導入システム、両生類卵母細胞試料導入方法、両生類卵母細胞の製造方法、両生類卵母細胞及びそれを販売又は譲渡する方法、スクリーニング用のセンサーとして用いる方法、容器、及び解析方法
JP4002720B2 (ja) * 2000-11-22 2007-11-07 独立行政法人科学技術振興機構 一細胞長期培養顕微観察装置
US20020116732A1 (en) * 2001-02-13 2002-08-22 Leandro Christmann Microinjection assembly and methods for microinjecting and reimplanting avian eggs
JP4278365B2 (ja) * 2002-11-22 2009-06-10 富士通株式会社 遺伝子導入細胞生産装置
JP4434649B2 (ja) * 2003-03-27 2010-03-17 株式会社Eci 観察器具及びそれを用いた観察方法
JP2004344036A (ja) * 2003-05-21 2004-12-09 Fujitsu Ltd 物質導入装置及び物質導入システム
JP2005176644A (ja) 2003-12-17 2005-07-07 Fujitsu Ltd 物質導入粒子自動生産装置
JP4504082B2 (ja) * 2004-04-28 2010-07-14 富士通株式会社 液体注入装置
US20060166305A1 (en) * 2005-01-27 2006-07-27 Genetix Limited Animal cell confluence detection method and apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
US20060183215A1 (en) 2006-08-17
EP1693444A1 (en) 2006-08-23
JP2006254895A (ja) 2006-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4894199B2 (ja) 物質注入装置
Pardo-Martin et al. High-throughput in vivo vertebrate screening
KR100849948B1 (ko) X-염색체 또는 y-염색체를 가진 고순도 정자 개체군
DE60003171T2 (de) Methoden zur miniaturisierten zellenanordnung und auf zellen basierendes screening gerät
US7773227B2 (en) Optofluidic microscope device featuring a body comprising a fluid channel and having light transmissive regions
KR20220104277A (ko) 펜 내 분석들을 위한 방법들, 시스템들 및 키트들
US9321990B2 (en) Systems and methods for identifying and disrupting cellular organelles
DE602005001181T2 (de) Gerät und Methoden zur Injektion von Substanzen in Zellen
Gokce et al. A fully automated microfluidic femtosecond laser axotomy platform for nerve regeneration studies in C. elegans
US20180361377A1 (en) Sample manufacturing method, sample manufacturing kit, observation method, and observation device
KR101654668B1 (ko) 대상물 선별 장치 및 대상물 선별 방법
WO2017106145A1 (en) Lithographic systems and methods
JP6807923B2 (ja) 試料区画化要素、顕微鏡検査方法、及び顕微鏡
CN1774623A (zh) 利用全息激光控制分类物质的系统和方法
Martin et al. Line excitation array detection fluorescence microscopy at 0.8 million frames per second
WO2009039284A1 (en) Systems and methods for high-throughput detection and sorting
Palazzolo et al. Fast wide-volume functional imaging of engineered in vitro brain tissues
JP5768055B2 (ja) 基体
CN109313352A (zh) 样品的基于图像的分析
US20120045787A1 (en) Flexible micro-carrier system
JP2020511162A (ja) バイオインク転写用の器具
Xu et al. Application of blue–green and ultraviolet micro-LEDs to biological imaging and detection
EP3805356A1 (en) Cell treatment device and laser treatment method for cell
TW202248635A (zh) 微流體分析與來自非哺乳動物細胞之生物生產的方法及用於其之套組
Behrouzi Optofluidic Add-on Devices for Light Sheet Fluorescence Microscopy of Caenorhabditis Elegans with Conventional Wide-Field Microscopes

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080321

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111129

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150106

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees