JP4894166B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池スタックから排出された燃料オフガスを燃料電池スタックの入口側に戻す水素循環ポンプを備えた燃料電池システムに関する。
燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックから排出された水素オフガスを燃料電池スタックの入口側に戻して再利用するために使用される水素循環ポンプは、システムの起動直後等の圧損が最悪となるシーンを想定して循環性能を設計している。このため、大きな循環性能を確保しようとするとポンプが大型化してしまうが、アノード電極が十分水素に置き換わったシーンを想定してポンプの循環性能を設計することで、ポンプを小型化することができる。
一方、循環ポンプを小型化した場合に、システムの起動直後等に水素循環系において窒素濃度が高くガス密度が高い状態や、何らかの要因でシステムの圧損が大きいときには、ポンプは高負荷な状態となり、これを長時間放置すると、ポンプが損傷するおそがあった。これを防止するため、水素循環ポンプの駆動モータのトルクを検出し、検出したトルクが基準値を超えた場合にはモータの駆動電流を制限してポンプの出力を制限していた。
従来、この種の技術としては、例えば以下に示す文献に記載されたものが知られている(特許文献1参照)。この文献に記載された技術では、改質器への空気の供給量を設定する調整弁を駆動するモータのトルクが予め設定されたリミット値を越えると、モータへの供給電流レベルを改質器の定常状態で調整弁が動作可能なトルクが得られるレベルに抑制するようにしている。これにより、モータトルクオーバの状態を回避して、モータの損傷を防止している。
特開2004−185913
燃料電池システムの水素循環ポンプにおいて、システムの運転中にポンプの駆動モータのトルクを制限すると、ポンプの回転数が低下してしまうので、水素の循環量が要求流量に対して低下してしまう。
一方、このような状態になったときに従来ではシステムの発電量を制限していなかったため、燃料電池スタックに対して水素循環量が不足してアノード電極の水素SR(ストイキ比)が不足し、燃料電池スタックが劣化してしまうという不具合を招いていた。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃料電池スタックの劣化を防止した燃料電池システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、燃料ガス供給手段により供給される燃料ガスと、酸化剤ガス供給手段により供給される酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池と、前記燃料電池から排出された未反応の燃料ガスを前記燃料電池の入口側に戻して循環させる循環ポンプと、前記循環ポンプを専ら駆動する駆動モータとを備えた燃料電池システムにおいて、前記循環ポンプの実回転数を検出する回転数センサと、前記循環ポンプの運転を制御し、前記駆動モータの目標回転数ならびに前記回転数センサで検出された実回転数に基づいて前記駆動モータのトルクを算出し、算出したトルクが、モータトルクオーバ状態を回避して前記駆動モータの損傷を防止するトルク値として予め設定されたトルク制限値を越えた場合には、前記駆動モータのトルクを制限する循環ポンプ制御手段と、前記循環ポンプ制御手段により前記駆動モータのトルクが制限された場合には、前記燃料電池の発電量を制限する発電制御手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、循環ポンプのトルクが制限された場合に燃料電池の発電量を制限することで、燃料ガスのストイキ比不足が回避され、燃料電池の劣化を防止することができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例1に係る燃料電池システムが搭載された燃料電池車両の基本構成を示す図であり、図2は本発明の実施例1に係る燃料電池システムの構成を示す図である。
図1において、燃料電池車両は、車両本体101に駆動電源として燃料電池システム102を搭載してなるものであり、更にインバータ103、駆動モータ104、駆動輪105、車速センサ106、2次電池107、リレー108ならびに制御コントローラ109を備えている。また、燃料電池車両は、車両のシフト位置を検出するシフト位置センサ111、ブレーキの有無を検出するブレーキセンサ112、ならびにアクセルの開度を検出するアクセル開度センサ113を備えている。
燃料電池システム102は、駆動モータ104が消費する電力や2次電池107の充電に必要な電力が発電できるように、燃料電池スタックに供給する燃料ガスの水素や酸化剤ガスの空気の圧力、ならびに流量等が図2に示す圧力調整弁、コンプレッサ等で制御される。
インバータ103は、燃料電池システム102で発電される直流電力を交流電力に変換し、制御コントローラ109から指示される駆動モータ104を駆動する出力トルクとなるように、駆動モータ104を制御する。
駆動輪105は、駆動モータ104と機械的に接続されており、駆動モータ104で得られた駆動トルクが伝達されて、駆動力を発生させて車両を駆動する。車速センサ106は駆動輪105の回転速度を検出する。
2次電池107は、車両のアイドリングストップ時など、燃料電池システム102から電力が供給されない場合に、駆動モータ104や、燃料電池システム102が発電するために必要となる補機の圧力調整弁やコンプレッサに電力を供給する。2次電池107には、2次電池107の電圧を検出する電圧センサ114ならびに電流を検出する電流センサ115が設けられており、この電圧センサ114ならびに電流センサ115で検出された電圧ならびに電流に基づいて、2次電池107の充電量が推定される。
リレー108は、制御コントローラ109からの指令に基づいて、燃料電池システム102と負荷とを接続/切断する。
制御コントローラ109は、本燃料電池車両の運転を制御する制御中枢として機能し、プログラムに基づいて各種動作処理を制御するコンピュータに必要な、CPU、記憶装置、入出力装置等の資源を備えた例えばマイクロコンピュータ等により実現される。制御コントローラ109は、本車両における上記各センサ類からの信号を読み込み、読み込んだ各種信号ならびに予め内部に保有する制御ロジック(プログラム)に基づいて、本車両の各構成要素に指令を送り、以下に説明する、本車両に搭載された燃料電池システム102のの動作処理を含む本車両の運転/停止動作に必要なすべての動作を統括管理して制御する。
次に、図2を参照して、燃料電池システム102について説明する。
図2において、燃料電池システム102は、発電を行う燃料電池スタック201と、この燃料電池スタック201に燃料ガスである水素(あるいは水素リッチガス)を供給するための水素供給系と、燃料電池スタック201に酸化剤ガスである酸素を含む空気を供給するための空気供給系とを有している。
燃料電池スタック201は、水素が供給される水素極と酸素(空気)が供給される空気極とが電解質・電極触媒複合体を挟んで重ね合わされた発電セルが多段積層され、水素と酸素との電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーに変換する発電部を構成する。
燃料電池スタック201の水素極では、水素が供給されることで水素イオンと電子に解離し、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、空気極にそれぞれ移動する。空気極では、供給された空気中の酸素と上記水素イオン及び電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
燃料電池スタック201の電解質としては、高エネルギー密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、例えば固体高分子電解質が用いられる。固体高分子電解質は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。
水素供給系は、水素供給手段から供給される水素を水素極通路を介して燃料電池スタック201の水素極へと導く。すなわち、この水素供給系は、水素供給手段として水素を高圧で貯蔵する水素タンク202、燃料電池スタック201で行われる発電に必要となる水素が燃料電池スタック201に供給されるように燃料電池スタック201に供給される水素の圧力を調整する水素調圧弁203、燃料電池スタック201から排出された水素オフガスをエゼクタ204を介して燃料電池スタック201の入口側に戻すために水素オフガスを水素循環配管205を循環させる水素循環ポンプ206、この水素循環ポンプ206の回転数を検出する回転数センサ220、ならびに水素極通路となる水素供給配管207を備えている。
また、燃料電池スタック201の水素極の入口近傍には、燃料電池スタック201に供給される水素の圧力を検出する水素圧力センサ208、ならびに水素濃度を検出する水素濃度センサ209が設けられている。
水素供給源である水素タンク202から供給される水素ガスは、水素調圧弁203を通って水素供給配管207へと送り込まれ、燃料電池スタック201の水素極に供給される。このとき、水素調圧弁203は、水素圧力センサ208で検出された水素圧力に基づいて調圧制御され、燃料電池スタック201の水素極及び水素極通路内の圧力が負荷に応じた圧力になるように、供給される水素ガスの圧力を調整している。
燃料電池スタック201では、供給された水素ガスが全て消費されるわけではなく、消費されずに燃料電池スタック201から排出された水素オフガスは、水素循環配管205を通って水素循環ポンプ206により循環され、エゼクタ204で新たに供給される水素ガスと混合されて、再び燃料電池スタック201の水素極に供給される。これにより、水素のストイキ比(SR:供給流量/消費流量)を1以上にすることができ、セル電圧が安定化する。
水素供給系における燃料電池スタック201の出口側には、パージ弁210及びパージ配管211が設けられている。パージ弁210は、通常は閉じられており、燃料電池スタック201の水詰まりや不活性ガスの蓄積等によるセル電圧の低下を検知すると開放される。水素循環配管205内には水素ガスを循環させることで不純物や窒素等が蓄積され、これにより水素分圧が降下して燃料電池スタック201の発電効率が低下する場合がある。そこで、燃料電池スタック201の出口側にパージ弁210やパージ配管211を設け、必要に応じてパージ弁210を開放して水素パージを行うことで、水素循環配管205内から不純物や窒素等を除去できるようにしている。
燃料電池スタック201の空気供給系は、空気供給手段からの空気を空気極通路によって燃料電池スタック201の空気極へと導く。すなわち、この空気供給系は、空気供給手段としての空気コンプレッサ212や空気調圧弁213と、空気極通路となる空気供給配管214を有している。
空気コンプレッサ212は、燃料電池スタック201の空気極に空気を送り込むものであり、例えばモータ駆動により圧縮した空気を空気供給配管214を通して燃料電池スタック201の空気極へと供給する。
空気調圧弁213は、空気コンプレッサ212によって燃料電池スタック201に供給される空気の圧力を調整するものであり、燃料電池スタック201の空気極の出口側の排気管215に設けられている。
燃料電池スタック201の空気極の入口近傍には、空気圧力センサ216が設けられており、空気調圧弁213は、この空気圧力センサ216で検出された空気の圧力に基づいて調圧制御され、燃料電池スタック201の空気極及び空気極通路内の圧力が負荷に応じた圧力になるように、空気コンプレッサ212によって供給される空気の圧力を調整している。
燃料電池スタック201で消費されなかった酸素及び空気中の他の成分は、燃料電池スタック201から排気管215ならびに空気調圧弁213を介して排出される。
上述した固体高分子電解質膜を用いた燃料電池スタック201は、適正な作動温度が80℃前後と比較的低く、過熱時には冷却することが必要である。このため、通常は燃料電池スタック201内に冷却水を循環させて燃料電池スタック201を冷却し、燃料電池スタック201を最適な温度に維持する冷却機構が設けられている。
すなわち、この冷却機構は、冷却水供給手段として冷却水ポンプ217、冷却水を適宜冷却するラジエタ218、ならびに冷却水の通路となる冷却水配管219を有している。冷却水ポンプ217は、温度センサ(図示せず)で検出された冷却水温度に基づいて駆動制御され、冷却水配管219を流通する冷却水温度が80℃前後となるように冷却水の流量を調整している。
燃料電池スタック201の温度は、燃料電池スタック201の水素極から排出された水素オフガスの温度、空気極から排出された空気オフガスの温度、冷却水の温度、もしくは外気温のいずれか1つの温度で代用される。水素オフガスの温度で代用する場合には、水素極の出口近傍に燃料電池スタック201から排出された水素オフガスの温度を検出する温度センサ221を設け、空気オフガスの温度で代用する場合には、空気極の出口近傍に燃料電池スタック201から排出された空気オフガスの温度を検出する温度センサ(図示せず)を設け、冷却水の温度で代用する場合には、燃料電池スタック201の冷却水出口近傍に燃料電池スタック201から排出された冷却水の温度を検出する温度センサ(図示せず)を設け、外気温で代用する場合には、燃料電池スタック201の近傍に外気温を検出する温度センサ(図示せず)を設けるようにすればよい。
システム制御部225は、本燃料電池システムの運転を制御する制御中枢として機能し、プログラムに基づいて各種動作処理を制御するコンピュータに必要な、CPU、記憶装置、入出力装置等の資源を備えた例えばマイクロコンピュータ等により実現され、例えば図1に示す制御コントローラ109の一部機能として実現される。システム制御部225は、本燃料電池システムにおける上記各センサ類からの信号を読み込み、読み込んだ各種信号ならびに予め内部に保有する制御ロジック(プログラム)に基づいて、本燃料電池システムの各構成要素に指令を送り、以下に説明する、燃料電池システムの水素循環ポンプ206の運転動作を含む、本燃料電池システムの運転/停止に必要なすべての動作を統括管理して制御する。
図3は水素循環ポンプ(HRB)206を駆動制御する制御システムの構成を示す図である。図3において、制御システムは、循環ポンプ制御手段ならびに発電制御手段として機能し、ポンプを駆動する駆動モータ(図示せず)を備えた水素循環ポンプ206の回転数を検出する回転数センサ220と、モータコントローラ301ならびに制御コントローラ302を備えて構成されている。
モータコントローラ301は、トルク演算部303とトルク制御部304を備えている。トルク演算部303は、回転数センサ220で検出された水素循環ポンプ206の実回転数と目標回転数とに基づいて、水素循環ポンプ206の実回転数を目標回転数とするべく水素循環ポンプ206のトルクを演算し、トルク要求値としてトルク制御部304に出力する。
トルク制御部304は、トルク演算部303から与えられたトルク要求値で水素循環ポンプ206の駆動モータが駆動されて水素循環ポンプ206が目標回転数で駆動されるように水素循環ポンプ206の駆動モータに駆動電流を供給する。水素循環ポンプ206の回転数と駆動モータのトルク、ならびに水素循環ポンプ206を流通するガス密度との関係は、例えば図4に示すようになる。すなわち、図4に示すように、回転数とトルクは比例関係にあり、また同一の回転数で同様なガス流量を確保しようとすると、ガス密度が高くなるほど大きなトルクが必要となる。
図3に戻って、トルク制御部304は、トルク要求値が所定のトルク制限値を越える場合には、駆動モータのトルク値をこの所定のトルク制限値にて制限を行うトルク制限機能を有している。なお、このトルク制限値は実験的に求められた、水素循環ポンプ206の損傷を防止するトルク値としている。トルク制御部304は、水素循環ポンプ206のトルクを制限した際に、制限したことを示すトルク制限情報を出力する。
制御コントローラ302は、出力制限部305、発電制御部306ならびに目標回転数演算部307を備えている。出力制限部305は、回転数センサ220で検出された水素循環ポンプ206の実回転数とトルク制御部304から与えられるトルク制限情報に基づいて、燃料電池スタック201から取り出される出力電流を演算する。
発電制御部306は、出力制限部305で演算された出力電流、または車両の駆動要求に基づいて設定される目標電流のいずれか小さい方の電流が燃料電池スタック201から取り出されるように燃料電池スタック201に供給される水素ならびに空気を供給制御して、燃料電池スタック201の発電を制御する。
目標回転数演算部307は、燃料電池スタック201から取り出される目標電流に基づいて、燃料電池スタック201に供給される水素の流量を演算し、燃料電池スタック201に供給される水素の流量に基づいて水素循環ポンプ206の目標回転数を演算する。
上記モータコントローラ301ならびに制御コントローラ302は、その機能が図2に示すシステム制御部225が備えている機能の一部として実現される。モータコントローラ301と制御コントローラ302との機能を実現する構成が、物理的に一体化していない場合には、モータコントローラ301と制御コントローラ302とは車載LAN等の通信手段を介して情報を伝達する。
このような構成において、モータコントローラ301のトルク制御部304で水素循環ポンプ206のトルクが制限された場合には、そのときの水素循環ポンプ206の回転数が回転数センサ220で検出され、検出された回転数がトルク制限情報とともに制御コントローラ302の出力制限部305に与えられる。
制御コントローラ302の出力制限部305では、トルク制限情報が与えられると、そのときの水素循環ポンプ206の回転数に応じて、目標電流に対して制限を行う。この制限は、図5に示すような制御ロジックで行われる。すなわち、図5に示すように、水素循環ポンプ206の実回転数と温度センサ221で検出された燃料電池スタック201のアノード電極のガス密度に基づいて、実験や机上検討等で予め求められた、水素循環ポンプ206の回転数とSR(ストイキ比)確保可能電流との関係を表したマップを参照し、SR確保可能電流を演算し、この演算で得られた電流または目標電流を選択し、選択した電流を燃料電池スタック201から取り出す電流(出力制限電流)として設定している。
トルクの制限に応じて設定されるトルク制限フラグで計測制御されるタイマ501で計測された時間の要件に基づいて、選択部308に与えられる入力が切り替え部502で切り替えられ、SR確保可能電流と目標電流が選択部308に入力された場合には、いずれか一方の小さい方の電流が選択され、切り替え部502で目標電流側に切り替えられると、選択部308で目標電流が選択され、取り出し電流として設定される。
なお、アノード電極のガス温度に加えて、アノード電極のガス密度が推定もしくは検出できる場合は、このガス濃度の要件を考慮したマップを予め求め、このマップに基づいてSR確保可能電流を演算することで、より精度の高い出力制限電流を得ることが可能となる。
燃料電池スタック201の発電量、すなわち出力制限電流は、水素循環ポンプ206の回転数、燃料電池スタック201から排出されるガスの温度、水素循環ポンプ206を流通するガスの圧力、水素循環ポンプ206を流通するガスの密度のうち少なくとも1つ以上から求める。すなわち、水素循環ポンプ206の回転数が高いほど循環できる水素の流量は多くなるので、図6(a)に示すように、水素循環ポンプ206の回転数が高いほど出力制限電流は多く設定される。また、ガス温度が高くなるほど水分量が多くなり水素量が少なくなるので、同一の回転数では循環できる水素流量は少なくなるので、図6(b)に示すように、ガス温度が高くなるほど出力制限電流は少なく設定される。また、ガス圧力が高くなるほど循環できる水素流量は多くなるので、図6(c)に示すように、ガス圧力が高くなるほど出力制限電流は多く設定される。また、ガス密度が高いほど同一の回転数では循環できる水素量が少なくなるので、図6(d)に示すように、ガス密度が高くなるほど出力制限電流は少なく設定される。
このように、水素循環ポンプ206の回転数、ガス圧力、ガス密度、ガス温度からそのときに確保可能な水素ガスストイキ比に基づいて出力制限電流を決めることで、不要に大きな発電制限量が設定されることを防止することができる。
なお、複数の要件で出力制限電流を決める場合には、それぞれの要件を加味して出力制限電流を設定するようにすればよい。
このように、上記実施例1では、水素循環ポンプ206の駆動モータのトルクが制限されたときに、燃料電池スタック201の出力電流を制限して発電量を制限することで、水素SRの不足を回避することができる。これにより、燃料電池スタック201の劣化を防止することができる。また、水素循環ポンプ206を小型化することが可能になるとともに、水素循環ポンプ206の駆動モータが過大なトルクにより損傷することが防止できる。
燃料電池スタックの電流を制限するときの制限値を水素循環ポンプ206の回転数、水素循環ポンプ206を流通するガスの圧力、温度、もしくは密度に基づいて、確保できると推定される水素SRに応じて設定することで、必要以上に制限することなく最適な制限を実施することができ、燃料電池スタック201の発電性能を十分に発揮することができる。
次に、この発明の実施例2を説明する。この実施例2の特徴とするところは、図3に示す構成において水素循環ポンプ206の駆動モータにおけるトルク制限の頻度を減らし、燃料電池スタック201の出力電流が制限される頻度を少なくしたことにある。
水素循環ポンプ206の駆動モータのトルクを制限する目的は、駆動モータを保護することが一般的である。このように駆動モータのトルクを制限する際に、駆動モータとしては、定常的に過剰なトルクがかかったときに損傷に至るトルク制限値1(駆動モータの仕様によって当然異なるが、例えば駆動モータの電流値換算で1.2A程度)とは別に、短時間であれば許容できるトルク制限値2(>トルク制限値1、例えば駆動モータの電流値換算で5.0A程度)が存在する場合がある。
このような場合において、短時間であればトルク制限値2まで許容するが、予め設定された所定の時間を越えてもなお、駆動モータの駆動トルクがトルク制限値1を越えている場合に、そのとき初めてトルク制限値1で制限する制御を行う。すなわち、図7のタイミングチャートに示すように、水素循環ポンプ206の駆動モータにおける駆動トルクとモータコントローラ301のトルク演算部303からトルク制御部304に与えられるトルク要求値とが同一で、両トルクがトルク制限値1を越えていない状態で、両トルクが上昇し、その後時間t1でトルク制限値1を越えた場合に、直ちに駆動トルクを制限するのではなく、予め設定された第1の所定時間(許容時間、例えば1s程度)内であればトルク制限を行わない。
そして、駆動モータの駆動トルクが上昇を続け、第1の所定時間内であってもトルク制限値2に達すると(時間t2)、駆動トルクがトルク制限値2に制限される。トルク制限値2に制限された状態が続き、第1の所定時間が経過すると(時間t3)、トルク制限値2に制限されていた駆動トルクはトルク制限値1に制限される。その後、要求トルク値が低下して要求トルク値と駆動トルクが一致すると(時間t4)、トルク制限は解除される。したがって、図7に示すタイミングチャートにおいては、時間t1〜時間t2の間は駆動トルクは制限されず、時間t2(制限フラグ=1)〜時間t4(制限フラグ=0)の間でトルク制限が実施されて燃料電池スタック201の出力制限が行われる。
また、駆動トルクが一度トルク制限値1による制限にかかってしまった後に、再度トルク制限値2を許容するための条件を設けている。この条件は、例えば駆動トルクがトルク制限値1を下回ったときに、水素循環ポンプ206に設けられた温度センサ(図示せず)で検出された駆動モータの温度が通常状態の温度に低下するまでの間、もしくは温度の低下と時間との関係を予め実験等で求め、このデータに基づいて通常状態の温度に低下する時間を推定し、推定した時間が経過するまでの間は、トルク制限値2を許容しないようにする。
図7のタイミングチャートにおいて、駆動トルクとトルク要求値が一致してトルク制限値1を下回ったとき(時間t4)から、駆動モータの温度が通常状態の温度にまで低下すると推定される時間として予め設定された第2の所定時間(例えば5s程度)が経過するまでの間は、トルク制限値2を許容せず、第2の所定時間が経過した後(時間t5)、トルク制限値2を許容する定常制限を適用できるようにする。
上記第1の所定時間(許容時間)は、予め実験等で求められた、図8(a)の駆動モータの温度と許容時間との関係に基づいて、モータ温度が高くなるにつれて短くなるように設定される。また、図8(b)に示すように、モータ温度が所定値を越えた場合に許容時間が
短くなるような補正値を設け、モータ温度が所定値を越えた場合にはこの補正値で許容時間を補正する一方、所定値を越えない場合には許容時間の補正は行わないようにする。
また、第1の所定時間は、予め実験等で求められた、図9に示すモータトルク積算値と許容時間との関係に基づいて、トルク積算値が大きくなるにつれて短くなるように設定される。
なお、モータトルクの積算値は、モータトルクの絶対値の積算値としてもよく、また所定のトルク値、例えばトルク制限値1を越えた場合には積算する一方、トルク積算値を下回った場合には減算して求めてもよい。
さらに、第1の所定時間は、予め実験等で求められた、図10に示す水素循環ポンプ206の回転数と許容時間との関係に基づいて、回転数が高くなるにつれて長くなるように設定される。水素循環ポンプ206の回転数が低いにもかかわらず駆動トルクが大きい場合には、ガス密度が高くて流通効率が悪く発熱量が多いと推測される。したがって、トルク制限値1を越えたときの水素循環ポンプ206の回転数が低くなるほど許容時間を短くなるように設定する。
なお、第1の所定時間は、上記要件を適宜組み合わせて設定するようにしてもよい。
上述したような制御は、例えば図11に示すフローチャートにしたがって実行される。
図11において、先ずトルクが制限される前の制限前目標トルク(TC)がトルク制限値1(=LimitC1#)よりも大きいか否かを判別し(ステップS1101)、大きい場合には制限前目標トルクがトルク制限値1を越えた時間を計測する第1のタイマ(tLIMITIN)を作動(tLIMITIN=++)する(ステップS1102)。その後、制限前目標トルクがトルク制限値1を越えた時間が予め設定された第1の所定時間以上となりそれを示すフラグ#LIMITIN=1となったか否か、もしくは制限前目標トルクがトルク制限値1を下回った時間が予め設定された第2の所定時間以下であることを示すフラグ#LIMITEX=0となったか否かを判別し(ステップS1103)、いずれか一方の要件が成立した場合には、制限後目標トルク(LTC)をトルク制限値1に設定する(ステップS1104)。
一方、先のステップS1103の判別処理の結果、いずれの要件も成立しなかった場合には、制限前目標トルクがトルク制限値2(=LimitC2#)よりも大きいか否かを判別し(ステップS1105)、大きい場合には制限後目標トルクをトルク制限値2に設定する(ステップS1106)一方、小さい場合には制限前目標トルクを制限後目標トルクとして設定する(ステップS1107)。
一方、先のステップS1101の判別処理の結果、制限前目標トルクがトルク制限値1よりも小さい場合には、第1のタイマ(tLIMITIN)をリセット(tLIMITIN=0)し(ステップS1108)、トルク制限値1を下回った時間を計測する第2のタイマ(tLIMITEX)を作動(tLIMITEX=++)させ(ステップS1109)、制限前目標トルクを制限後目標トルクとして設定する(ステップS1110)。
次に、先のステップS1104、S1106、S1107、S1110で制限後目標トルクが設定されると、第1のタイマ(tTIMITIN)の計測時間が上記第1の所定時間(=TLIMIN#)以上になったか否かを判別する(ステップS1111)。判別の結果、計測時間が第1の所定時間以上になった場合には、フラグ#LIMITIN=1とし(ステップS1112)、かつ第1のタイマをリセット(tLIMITEX=0)する(ステップS1113)。一方、計測時間が第1の所定時間以上でない場合には、フラグ#LIMITIN=1とする(ステップS1114)。
続いて、第2のタイマ(tLIMITEX)の計測時間が第2の所定時間(=LIMITEX=#)以上になったか否かを判別する(ステップS1115)。判別の結果、計測時間が第2の所定時間以上になった場合には、フラグ#LIMITEX=1とする(ステップS1116)一方、計測時間が第2の所定時間以上でない場合には、フラグ#LIMITEX=0とする(ステップS1117)。このような処理を図3に示すモータコントローラ301ならびに制御コントローラ302の制御の下で繰り返し実行することで燃料電池スタック201の発電ならびに水素循環ポンプ206の駆動を制御する。
このように、上記実施例2においては、駆動モータのトルク制限に関して、定常的なトルク制限値(トルク制限値1)の他に、短時間の間のみ許容するトルク制限値2を別に設けることで、過渡的に短時間だけ高いトルクが要求されるような状態で駆動モータの駆動トルクが制限されることを防止することができる。これにより、トルク制限が頻繁に発生することが回避されて発電量に応じた水素循環量を確保することができる。その結果、燃料電池スタック201の発電量が制限される頻度を減らすことが可能となり、その結果燃料電池車両の運転性能を損なうことを防止することができる。
過渡的なトルク制限時間を越えて過大なトルクがかかったときは、その後定常的なトルク制限を行うが、それ以降定常的なトルク制限を行う必要がないトルクの状態を第2の所定時間経過しなければ、再び過渡的なトルク制限を許容しないことで、駆動トルクがハンチングした場合などに連続して過渡的なトルク制限に突入することを防止することができる。
すなわち、過渡的なトルク制限がかかった後、そのすぐ後再度過渡的なトルク制限を許可すると、駆動モータのモータ温度が下がりきらないうちに再度駆動トルクが上昇してモータ温度が高くなり、駆動モータを損傷するおそれがあるが、上記制御手法を採用することでこれら不具合を回避するすることができる。
再度過渡的なトルク制限を許容する条件を、モータ温度、トルク積算値、水素循環ポンプ206の回転数に基づいて設定することで、最適な条件で過渡的な制限を許可することが可能となり、不必要な制限を行ってしまうことを防止することができる。
次に、この発明の実施例3を説明する。この実施例3の特徴とするところは、上述したように水素循環ポンプ206のトルクを制限した場合に、不要に燃料電池システムの発電制限に至らないようにしたことにある。すなわち、水素循環ポンプ206における過渡的なトルク制限が燃料電池システムの発電に及ぼす影響を最小限に抑制するようにしたことにある。
一般的に、燃料電池スタック201に供給される水素の循環量が不足しても、ある程度の時間は燃料電池の劣化に至らないことが多い。例えば水素循環ポンプ206のトルクが制限されて、水素循環ポンプ206の回転数が制限されてしまった場合でも、所定時間の間は燃料電池スタック201の発電量に対して制限を行わないように制御する。
このときの上記所定時間は、予め実験等で燃料電池スタック201への劣化の影響がない時間を求めておき、この時間をシステム制御部225に記憶させて制御の際に使用する。これにより、水素循環ポンプ206の駆動モータの保護を行いつつ、かつ燃料電池スタック201の発電量を制限する機会を減らすことが可能となるので、車両の運転性能への影響を最小限に抑えることができる。
また、一度燃料電池スタック201の発電量が制限されてしまった場合には、アノード電極側のガス濃度が高い場合が想定されてその状態が継続すると、再び燃料電池スタック201の発電量が制限される可能性が高くなると推測される。したがって、燃料電池スタック201の発電量が制限されたときには、その後所定の条件の間は、水素循環ポンプ206の回転数を上昇させなければいけないようなシーンを極力減らすことで、燃料電池スタック201の発電を制限するに至るシーンを減らすことが可能となる。
この制御手法としては、発電量が制限される前後ならびに制限解除後の駆動モータの回転数の変化を表した図12の(2),(3)に示すように、例えば一旦水素循環ポンプ206の回転数が上がったならば、その後上記条件が成立するまでの間は水素循環ポンプ206の目標回転数が低下して、現在の回転数の方が高い状態になっても、同図の(1)に示すこの制御手法を採用しない制御手法(通常制御)に比べて、水素循環ポンプ206の回転数をあえて低下させない制御手法を採用する。
もしくは、水素循環ポンプ206の目標回転数が低下したときには、回転数の追従制御を禁止し、すなわち回転数を低下させる際の回生処理を禁止し、図12の(4)に示すように、惰性で回転数が低下するままに任せる制御手法を採用する。これにより、積極的に回転数を低下させるときに比べ、回転数を上昇させる機会を減らすとともに、積極的に低下させることによる駆動モータの発熱を抑制することができる。
なお、上記所定の条件としては、例えば予め実験等で求まられた水素循環系のガス密度が十分に低下したと推測される時間の経過、もしくは駆動モータのトルク制限を行ったときの水素循環ポンプ206の回転数に基づいて求められるガス密度が十分低下したと推定される時間の経過として設定される。これにより、トルク制限が発生するような状態のときにのみこのような制御手法を限定することが可能となり、不要な燃料電池スタック201の発電制限を防止しつつ、水素循環ポンプ206の回転数が通常制御時より高い状態の時間を減らすことができる。
このように、上記実施例3においては、駆動モータのトルク制限が行われたとしても、すぐに水素SR不足による燃料電池スタック201の劣化が進行するわけではないので、その状態が所定時間継続したときにはじめて燃料電池スタック201の発電量の制限を行うようにする。このような制御手法を採用することで、過渡的な挙動による駆動モータのトルク制限や、ノイズ等での燃料電池スタック201の発電量の制限が行われることを防止することができ、その結果車両の運転性能の低下を防止することができる。
通常水素循環ポンプ206の回転数の指令値は、燃料電池スタック201の発電量に応じて決める場合が多い。しかし、上記のような駆動モータのトルク制限により水素循環ポンプ206の回転数が制限されたときの燃料電池スタック201の発電量制限のシーンで、水素循環ポンプ206の回転数指令値に制限を加えると、制限がかかったときの回転数を指令値としてしまう。このため、例えばその後制限すべき状態が解消されたとしても、それ以上水素循環ポンプ206の回転数が上昇しなくなってしまう。その結果、燃料電池スタック201の発電量も制限されたままになってしまい、車両の運転性能に著しい影響を及ぼす。
これに対して、上記実施例3では、燃料電池スタック201の発電量に制限を行っても水素循環ポンプ206の回転数指令値には制限を加えないので、例えば水素循環ポンプ206を制限すべき状態が解除された場合には、解除の度合いに応じて水素循環ポンプ206の目標回転数が上昇していくため、燃料電池スタック201の発電量制限もそれに応じて解除される。その結果、一度発電量が制限されると制限されたままになるという運転性能への著しい影響を避けることができる。
一旦燃料電池スタック201の発電量の制限がなされたときは、その後水素循環ポンプ206の回転数を下げる処理を所定時間は行わないような制御手法を採用することで、水素循環ポンプ206の回転数が変動する頻度を極力減らすことができる。これにより、駆動モータのトルク制限の頻度も減らすことができるので、燃料電池スタック201の発電量制限の機会を減らすことができ、結果的に車両の運転性能が悪化するようなシーンも減らすことができる。
燃料電池スタック201の発電量の制限がなされたときは、その後水素循環ポンプ206の回転数を低下するときに行われる回生処理を禁止することで、水素循環ポンプ206の回転数は惰性でしか落ちないことになる。これにより、回転数を積極的に下げる場合に比べて、水素循環ポンプ206の回転数が変化するシーンならびに回数を減らすことができる。その結果、駆動モータのトルク制限の頻度も減らすことができるので、燃料電池スタック201の発電量制限の機会を減らすことができる。
次に、この発明の実施例4について説明する。この実施例4の特徴とするところは、燃料電池車両の運転者のアクセル要求から算出される駆動力を引き出すための要求電力に対して、燃料電池システムが発電制限を行っていることで発電量が制限されて要求電力を満足させることができない場合には、その不足電力分を2次電池107で補い、車両として必要な駆動力を賄えるようにしたことにある。これにより、水素循環ポンプ206の駆動モータのトルクが制限されて燃料電池スタック201の発電量が制限された場合であっても、燃料電池車両の運転性能の低下を防止することができる。
本発明の実施例1〜実施例4に係る燃料電池システムを搭載した燃料電池車両の構成を示す図である。 本発明の実施例1〜実施例4に係る燃料電池システムの構成を示す図である。 制御コントローラとモータコントローラの構成を示す図である。 水素循環ポンプの駆動モータのトルクと回転数ならびにアノード極側のガス密度との関係を示す図である。 燃料電池スタックの発電量の制限を説明する図である。 燃料電池スタックの出力制限電流と水素ガス密度又は水素循環ポンプ206の回転数との関係を示す図である。 駆動モータのトルク要求値と駆動トルクの時間変化の様子を示す図である。 駆動モータの温度と許容時間又は許容時間補正値との関係を示す図である。 許容時間と駆動モータのトルク積算値との関係を示す図である。 許容時間と水素循環ポンプの回転数との関係を示す図である。 トルク制限の手順を示すフローチャートである。 発電制限後の水素循環ポンプの回転数の時間変化の様子を示す図である。
符号の説明
101…車両本体
102…燃料電池システム
103…インバータ
104…駆動モータ
105…駆動輪
106…車速センサ
107…2次電池
108…リレー
109…制御コントローラ
111…シフト位置センサ
112…ブレーキセンサ
113…アクセル開度センサ
114…電圧センサ
115…電流センサ
201…燃料電池スタック
202…水素タンク
203…水素調圧弁
204…エゼクタ
205…水素循環配管
206…水素循環ポンプ
207…水素供給配管
208…水素圧力センサ
209…水素濃度センサ
210…パージ弁
211…パージ配管
212…空気コンプレッサ
213…空気調圧弁
214…空気供給配管
215…排気管
216…空気圧力センサ
217…冷却水ポンプ
218…ラジエタ
219…冷却水配管
220…回転数センサ
221…温度センサ
225…システム制御部
301…モータコントローラ
302…制御コントローラ
303…トルク演算部
304…トルク制御部
305…出力制限部
306…発電制御部
307…目標回転数演算部
308…選択部
501…タイマ
502…切り替え部

Claims (11)

  1. 燃料ガス供給手段により供給される燃料ガスと、酸化剤ガス供給手段により供給される酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池から排出された未反応の燃料ガスを前記燃料電池の入口側に戻して循環させる循環ポンプと、
    前記循環ポンプを専ら駆動する駆動モータと
    を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記循環ポンプの実回転数を検出する回転数センサと、
    前記循環ポンプの運転を制御し、前記駆動モータの目標回転数ならびに前記回転数センサで検出された実回転数に基づいて前記駆動モータのトルクを算出し、算出したトルクが、モータトルクオーバ状態を回避して前記駆動モータの損傷を防止するトルク値として予め設定されたトルク制限値を越えた場合には、前記駆動モータのトルクを制限する循環ポンプ制御手段と、
    前記循環ポンプ制御手段により前記駆動モータのトルクが制限された場合には、前記燃料電池の発電量を制限する発電制御手段と
    を有することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記トルク制限値は、第1のトルク制限値と第2のトルク制限値(>前記第1のトルク制限値)を備え、前記駆動モータのトルクが前記第1のトルク制限値を越えた場合であっても、予め設定された第1の所定時間の間は前記第1のトルク制限値によるトルク制限を行わず、前記第2のトルク制限値を前記トルク制限値としてトルク制限を行い、
    前記第1のトルク制限値は、定常的に過剰なトルクがかかったときに損傷に至るトルク制限値として定められ、
    前記第2のトルク制限値は、前記駆動モータが損傷に至らない短時間であれば許容できるトルク制限値として定められ、
    前記第1の所定時間は、前記第1のトルク制限値を越えるトルクが前記駆動モータにかかった場合でも許容できる許容時間として定められる
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記トルク制限値は、第1のトルク制限値と第2のトルク制限値(>前記第1のトルク制限値)を備え、前記駆動モータのトルクが前記第1のトルク制限値を越えた場合であっても、予め設定された第1の所定時間の間は前記第1のトルク制限値によるトルク制限を行わず、前記第2のトルク制限値を前記トルク制限値としてトルク制限を行い、その後前記駆動モータのトルクが前記第1のトルク制限値を下回った状態が予め設定された第2の所定時間経過するまでの間は、前記第1のトルク制限値を前記トルク制限値としてトルク制限を行い、
    前記第1のトルク制限値は、定常的に過剰なトルクがかかったときに損傷に至るトルク制限値として定められ、
    前記第2のトルク制限値は、前記駆動モータが損傷に至らない短時間であれば許容できるトルク制限値として定められ、
    前記第1の所定時間は、前記第1のトルク制限値を越えるトルクが前記駆動モータにかかった場合でも許容できる許容時間として定められ、
    前記第2の所定時間は、前記駆動モータの温度が通常状態の温度まで低下すると推定される時間として定められる
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第1の所定時間は、前記駆動モータのトルク算出値、前記駆動モータの温度ならびに前記循環ポンプの回転数の少なくとも1つ以上に基づいて算出する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記発電制御手段で制限される前記燃料電池の発電量は、前記循環ポンプの回転数、前記燃料電池の温度、燃料ガスが循環する経路のガス圧力、燃料ガスが循環する経路のガス密度の少なくとも1つ以上に基づいて算出する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記発電制御手段は、前記駆動モータのトルクが制限された状態が予め設定された第3の所定時間以上継続したときに、前記燃料電池の発電量を制限し、
    前記第3の所定時間は、前記燃料電池に供給される燃料ガスの循環量が不足しても前記燃料電池の劣化に至らない時間として定められる
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記循環ポンプ制御手段は、前記燃料電池の発電量が制限されているときには、前記循環ポンプの回転数を制限しない
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記発電制御手段が前記燃料電池の発電量を制限したときに、前記循環ポンプ制御手段は、発電制限後予め設定された所定の条件が成立するまでの間は、前記循環ポンプの回転数を低下させない
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記発電制御手段が前記燃料電池の発電量を制限したときに、前記循環ポンプ制御手段は、発電制限後予め設定された所定の条件が成立するまでの間は、前記循環ポンプの回転数を低下させる際の回生処理を禁止する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記所定の条件は、前記駆動モータのトルクが制限されたときの前記循環ポンプの回転数に基づいて算出された所定の時間の経過として設定される
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料電池の発電で得られた電力で充電される2次電池を備え、
    前記発電制御手段で前記燃料電池の発電量が制限され、制限された発電量と要求電力との間に不足分が生じた場合には、不足分の電力を前記2次電池から補給する
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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