JP4894101B2 - 色素増感型太陽電池の対極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法 - Google Patents

色素増感型太陽電池の対極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は色素増感型太陽電池の対極の製造方法、対極を組み込んだ色素増感型太陽電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、色素増感型太陽電池と呼ばれる電池が開発されている。色素増感型太陽電池は、1991年にスイスのローザンヌ大学のグレッツェルらによって開発されたものであり、グレッツェルセルとも呼ばれている。これは、光透過性を有する基板と基板に積層された光透過性を有する導電層と受光に伴い電子を放出する色素とを有する光極と、光極に対して所定の間隔を隔てて対面すると共に導電性を有する対極と、光極と対極との間に配置された電解質相とを有する。一般的には、色素としてはルテニウム錯体が使用され、電解質相としてはヨウ素を含む電解液が使用されている。上記した色素増感型太陽電池においては、色素が太陽光を吸収して励起されると電子を放出する現象、ルテニウム錯体からなる色素に残った正孔が電解質相のヨウ素を酸化させる現象を利用していると、文献では報告されている。
【0003】
上記した色素増感型太陽電池の対極として、対極におけるレドックス反応の促進等のため白金を有する白金対極が用いられている。従来、ジニトロジアミン白金溶液や塩化白金溶液等の白金溶液に対極を浸漬させる浸漬法により白金溶液を対極に塗布したり、あるいは、白金溶液をスプレー法にて対極に塗布したりしていた。そしてその後、焼成処理を行い、白金を有する対極を形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記した浸漬法では、対極のうち機能的に必要のない裏面にまで白金溶液が付着したり、対極の表面に液だまりが発生するなどし、高価な白金材料の消費量が多く、製造コストが高くなる。また上記したスプレー法では、対極のうち必要な面だけを塗布することができるが、白金溶液の飛散などの不具合が不可避的にあり、材料歩留りが悪く、白金消費量が多くなり、製造コストが高くなる。
【0005】
その他の方法として、特開2000ー36330号公報には、真空雰囲気で行う蒸着法によって白金を膜状に形成して白金対極を形成する方法が開示されている。また、特開2000ー173680号公報には、真空雰囲気で行うスパッタ法によって白金を膜状に形成して白金対極を形成する方法が開示されている。しかし、両公報に係る方法ともに生産性が低く、真空設備を必要とし、設備費も高く、製造コストが高くなる問題がある。
【0006】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、製造コストの低廉化に有利な色素増感型太陽電池の対極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、色素増感型太陽電池の対極の製造について鋭意開発を進めている。そして、基板の導電層を電源の−極に接続し且つ電気メッキの際の相手電極を電源の+極に接続すると共に、導電層を積層した基板及び相手電極を白金溶液に浸漬させた状態で、相手電極を0電位とみなしたとき、基板の導電層の電位を−0.2〜−0.85ボルトの範囲とするように、第1基板の導電層と相手電極との間に電圧を印加させれば、膜状でもなく、色素増感型太陽電池の対極におけるレドックス反応を効率よく促進させるのに適する粒径サイズを有する微細な白金粒子を基板の導電層の表面に分散状態に担持させ得ることを知見し、試験で確認し、本発明を完成した。この微細な白金粒子を担持した対極を色素増感型太陽電池に組み込めば、色素増感型太陽電池の性能を確保しつつ、白金の消費量を抑えることができる。
【0008】
即ち、本発明に係る色素増感型太陽電池の対極の製造方法は、色素増感型太陽電池の対極を製造する方法であって、
導電層を積層した第1基板と、白金成分を有する白金溶液とを用意する工程と、
第1基板の導電層を電源の−極に接続し且つ相手電極を電源の+極に接続すると共に、導電層を積層した第1基板及び相手電極を白金溶液に浸漬させた状態で、相手電極を0電位とみなしたとき第1基板の導電層の電位を−0.2〜−0.85ボルトの範囲とするように第1基板の導電層と相手電極との間に電圧を印加し、第1基板の導電層の表面に多数の微細な白金粒子を分散させて担持させる電気メッキ工程とを実施することを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る色素増感型太陽電池の製造方法は、請求項1または請求項2に係る対極と、光透過性をもつ第2基板に透明導電層を形成すると共に透明導電層に半導体層と色素とを保持した光極とを用意する工程と、
対極と光極との間に電解質相を封入することにより色素増感型太陽電池を形成する工程とを実施することを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る方法によれば、相手電極を0電位とみなしたとき、第1基板の導電層の電位を−0.2〜−0.85ボルトの範囲に設定する。殊に、平均で0.1〜1μmの良好なる粒径サイズを有する白金粒子を得るべく、−0.2〜−0.65ボルトの範囲に設定することができる。
【0011】
本発明に係る方法によれば、第1基板の導電層の表面に担持されている白金粒子の粒径サイズとしては、平均で0.1〜1μmとすることができる。殊に平均で0.2〜0.8μm、0.2〜0.6μmとすることができる。このような電圧差で対極の導電層に電気メッキした白金粒子は、後述する写真で示すように、表面に微細な凹凸を有することができる。本発明に係る方法によれば、微細ながらも適切な粒径サイズを有する白金粒子が導電層の表面に分散しているため、対極におけるレドックス反応の促進に有利であり、後述する実施例に示すように、白金消費量を低減させつつ、良好なる性能を有する色素増感型太陽電池が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明方法によれば、白金溶液としては、一般的には、テトラクロロ白金カリウム(K2 PtCl4 )を硝酸水溶液に溶かしたものを採用することができる。テトラクロロ白金カリウム(K2 PtCl4 )の濃度としては、一般的には、白金溶液1リットルにおいて、0.5〜10g/L、1〜8g/Lを採用することができる。白金溶液における硝酸濃度としては、一般的には、白金溶液1リットルにおいて、10〜60g/L、15〜50g/Lを採用することができる。メッキ浴温度としては一般的には室温〜80℃を採用することができる。メッキ時間としては、白金溶液の温度等にもよるが、一般的には0.2〜10分、0.5〜5分を採用することができる。電流密度としては一般的には1.3〜1.8A/dm2 、1.5〜1.7A/dm2を採用することができる。
【0013】
本発明方法によれば、色素増感型太陽電池の対極として良好なレドックス反応を起こす白金粒子の粒径サイズが適切となり、良好なる色素増感型太陽電池の電池性能が確保される。
【0014】
色素増感型太陽電池の対極としては、導電層が積層されたガラス基板(第1基板)が用いられている形態を採用することができる。導電層としては酸化物系を採用することができ、殊に、酸化スズ(SnO2 )で形成されたものを採用することができる。なかでも、FまたはSb等のドーパントをドープした酸化スズ(SnO2 )で形成されたものを採用することができる。場合によってはITO膜でも良い。対極の第1基板に積層する導電層としては、光極側と異なり、必ずしも透明でなくても良いが、透明導電層としても良い。この導電層の表面に、色素増感型太陽電池の対極として機能するレドックス反応を良好に行わしめる白金粒子が電気メッキ方法にて生成されて担持されている。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例について比較例と共に説明する。まず、対極10を用意した。対極10の母材として、導電層11が積層されたガラス基板12(第1基板)が用いられた。導電層11としては、Fをドープした酸化スズ(SnO2 )を蒸着で成膜(厚み;0.5〜1μm)したものを用いた。導電層11はガラス基板12の一方の片面12aに積層されているものの、他方の片面12cには積層されていない。
【0016】
電気メッキにあたり、図1に示すように、容器1内の白金溶液2に、導電層11が片面12aに付いたガラス基板12を浸漬させた。また相手電極3も白金溶液2に浸漬させた。上記した白金溶液2としては、テトラクロロ白金カリウム(K2 PtCl4 )を硝酸水溶液に溶かしたものを用いた。相手電極3としてはカーボン電極を採用した。
【0017】
電気メッキの際にガラス基板12の導電層11を電源7の−極7aに接続すると共に、相手電極3を電源7の+極7cに接続した。電源7は直流電源である。メッキ装置としては、図1に示したように白金溶液2が入ったメッキ槽1に、図には記述がないが、適宜、温度制御用の温調装置や循環装置、白金溶液組成制御装置が取り付けられている。
【0018】
上記した状態で、相手電極3とガラス基板12の導電層11との間における電位が0.2〜0.85ボルトとなるように導電層11と相手電極3との間に電圧を印加した。即ち、相手電極3を0電位とみなしたとき、ガラス基板12の導電層11の電位を−0.2〜−0.85ボルトの範囲に設定した。
【0019】
上記した電気メッキにおける電解電圧と電流との関係を図2に示す。図2の横軸は、相手電極3を0電位とみなしたとき導電層11側の電位[ボルト]を示し、縦軸は電流密度[A/dm2]を示す。図2に示すように、−0.15ボルト付近で電流が急激に流れた。ガラス基板12の導電層11の電位を−0.2〜−0.85ボルトの範囲に設定したとき、適切な粒径サイズを有する微細な白金粒子がガラス基板12の導電層11の表面に担持された。
【0020】
即ち、−0.2ボルトのときには、サブミクロン(=1μm以下)の微粒子状の白金粒子が析出した。−0.65ボルトでも、サブミクロン(=1μm以下)の微粒子状の白金粒子が析出した。更に電圧が増加すると、−0.7ボルト付近のとき、超微粒子化した白金粒子が得られた。
【0021】
−0.9ボルト付近のときには、白金粒子が分散状態に析出するのではなく、白金のメッキが膜状に導電層11の上に生成した。しかしすぐにメッキ膜の剥離が発生した。したがって、−0.2〜−0.85ボルトの範囲、殊に−0.2〜−0.65ボルトの範囲にて、白白金を電気メッキさせることが好ましいといえる。
【0022】
導電層11は、色素増感型太陽電池電極として機能する面であるガラス基板12の片面12aのみに積層されている。そのため、上記した電気メッキ法にて対極10の機能面だけに、つまりガラス基板12の片面12aに積層されている導電層11だけに白金粒子を分散させた状態で担持することができる。ガラス基板12の他方の片面12cには導電層が積層されていないため、白金粒子は担持されない。上記したように白金粒子は電気メッキ法で生成させるため、必要な部位に均一に最低必要量だけ生成させることができる。したがって本実施例によれば、従来技術に係る浸漬法やスプレー法に比較して、高価な白金の材料歩留りが高くなり、対極10を形成するにあたり白金消費量も低くできる。更にメッキ装置も安価であり、析出速度も速いため、生産性が高く、製造コストが低く抑えられる。
(実施例1)白金溶液においては、硝酸を溶かした硝酸水溶液テトラクロロ白金カリウム(K2 PtCl4 )を溶かしたものを用いた。テトラクロロ白金カリウム(K2 PtCl4 )濃度は2g/L、硝酸濃度は40g/Lとした。白金溶液の温度は50℃とし、電解制御は定電圧電解で−0.2ボルトとした。即ち相手電極3を0電位としたとき、導電層11は−0.2ボルトとした。電解時間は0.5分とした。
(比較例1)実施例1と同様の白金溶液を用いた。白金溶液の温度は実施例1と同様に50℃とし、電解制御は定電圧電解とし、相手電極3を0電位とみなしたとき、導電層11は−0.1ボルトとし、電解時間は2分とした。
(実施例2)実施例1と同様の白金溶液を用いた。白金溶液の温度は20℃とした。電解制御は定電圧電解とし、導電層11は−0.2ボルトとし、電解時間は1分とした。
(実施例3)実施例1と同様の白金溶液を用いた。白金溶液の温度は50℃とした。電解制御は定電圧電解とし、導電層11は−0.2ボルトとし、電解時間は10分とした。
(実施例4)実施例1と同様の白金溶液を用いた。白金溶液の温度は50℃とした。電解制御は定電圧電解とし、導電層11は−0.4ボルトとし、電解時間は0.5分とした。
(実施例5)実施例1と同様の白金溶液を用いた。白金溶液の温度は50℃とした。電解制御は定電圧電解とし、導電層11は−0.7ボルトとし、電解時間は0.5分とした。
(比較例2)実施例1と同様の白金溶液を用いた。白金溶液の温度は50℃とした。電解制御は定電圧電解とし、導電層11は−0.9ボルトとし、電解時間は0.5分とした。
(比較例3)従来技術であるスプレー法にで塗布した。この場合には、白金溶液としてはジニトロジアミン白金溶液を用いた。スプレー塗布した後、350℃に加熱処理し白金膜を生成させた。この白金膜は膜状であり、分散した白金粒子ではない。
【0023】
このようにして各実施例に係る対極10、各比較例に係る対極10を形成した。上記した各実施例によれば、電気メッキで白金粒子を対極10の導電層11の表面に担持させる。このため、従来技術に係る浸漬法と異なり、対極10のうち導電層11が形成されている側に微細な白金粒子が多数担持されるものの、対極10のうち導電層11が形成されていない側には、白金粒子が担持されないため、対極10に使用される高価な白金材料の消費量を抑えることができる。またスプレー塗布法と異なり、スプレー時における白金溶液の飛散を抑え得る。従って、上記した各実施例によれば、対極10の性能を確保しつつ、対極10に使用される高価な白金材料の消費量を抑えることができ、対極10の製造コストの低廉に貢献できる。
【0024】
更に、図3に示すように、光照射側である光透過性をもつ第2基板20(透明基板:ガラス基板)に透明導電層21を形成すると共に、この透明導電層21にN型の半導体層22と色素23とを保持した光極24とを用意した。そして、図3に示すように、対極10と光極24との間に電解質相26を封入させてシールすることにより、各実施例、各比較例に係る色素増感型太陽電池をそれぞれ形成した。半導体層22としては酸化物半導体多孔質(チタニヤ:アナターゼ型)を用いた。色素23としてはルテニウム錯体を用いた。電解質相26としてはヨウ素を含むレドックス電解質液を用いた。
【0025】
表1は、各実施例及び各比較例において対極10の導電層11の上に担持された白金粒子の粒径サイズ、担持された白金量を示す。粒径サイズは電子顕微鏡の観察に基づいて測定した。白金量のデータはXPSでの測定値を示すが、これはX線の照射深さの変動の影響を受けるため、絶対濃度を示すものではない。しかしこの白金量のデータに基づいて、各実施例及び各比較例に係る対極10における白金量の相対的な大小関係を把握することができる。
【0026】
【表1】
Figure 0004894101
更に表1は、上記した各実施例及び比較例に係る対極をそれぞれ個別に組み込んだ色素増感太陽電池の性能を示す。
【0027】
図4は上記した色素増感型太陽電池の出力特性図を示す。横軸は電圧、縦軸は電流を示す。曲線Aは測定した色素増感型太陽電池の電圧電流特性線を示す。この特性線Aと縦軸の交点の電流値がJSCである。特性線Aと横軸との交点の電圧値がVOCである。特性線Aの各点の出力値は、その点での電流値と電圧値を掛けた値で求められる。この出力値が最大となる値が最大出力点(Pmax)である。η は電池の変換効率を意味する。JSC、VOC、ff、ηが大きい方が、色素増感型太陽電池の性能が良い。表1に示すように、実施例1〜実施例4に係る対極10を組み付けた色素増感型太陽電池においては、JSC、VOC、ff、ηはそれぞれ大きい値であり、電池性能は良好であった。ffは形状因子を意味する。
【0028】
印加電圧が−0.1ボルトである比較例1では、表1に示すように、白金粒子は導電層11の表面に析出しなかったので、良好な電池性能が得られない。実施例1〜実施例3では粒径サイズが0.1〜1μmの多数の白金粒子が導電層11の表面に分散していた。実施例4では、粒径サイズがやや小さめ(0.1〜0.5μm)の多数の白金粒子が導電層11の上に分散していた。印加電圧が−0.70ボルトである実施例5では、粒径サイズが0.1μm未満の極めて微細な多数の白金粒子が導電層11の上に分散していた。
【0029】
実施例1,2では白金量は少ないものの、電池の変換効率ηは高く良好であった。白金粒子の粒径サイズが影響しているものと推察される。実施例3では、電解時間が長いため白金量は多く、しかも白金粒子の粒径サイズが良好であるため、電池の変換効率ηは最も良好であった。実施例4では白金量は少ないものの、電池の変換効率ηは高く良好であった。
【0030】
印加電圧が−0.7ボルトの実施例5では、電池の変換効率ηは3.0と小さいものの実用に耐え得る変換効率であり、しかも白金量は少なくて済んだ。
【0031】
印加電圧が−0.90ボルトである比較例2では、白金粒子が分散しておらず、白金の膜状の被膜が生成したものの、その被膜はすぐに剥離し、従って良好なる電池性能が得られない。電気メッキ法ではなくスプレー法を採用した比較例3では、白金の膜状の被膜が生成した。比較例3では白金量が多めであるにもかかわらず、電池の変換効率ηは実施例1,2と同程度であった。更に比較例3では電気メッキ法ではなく、スプレー法を採用しているため、スプレー時に白金溶液が飛散して白金消費量が多いため、製造コストが高くなる。
【0032】
図5は実施例1に係る対極10を電子顕微鏡で観察した写真を示す。図5において白色の粒子が白金粒子である。黒色の背景は酸化スズを示す。図5に示すように適切な粒径サイズを有する多数の微細な白金粒子(粒径サイズ:0.1〜1μm)が導電層11に分散して担持されていた。このような粒径サイズが対極10の性能に貢献しているものと推察される。なお、図5によれば、微細な白金粒子間の間隔は距離は、部位にもよるが、平均で1〜5μm程度と推察される。図5に示すように、本実施例に係る白金粒子の表面には、ミクロ的な凹凸が多数形成されているのがわかる。
【0033】
図6は実施例5(印加電圧:−0.70ボルト)に係る対極を電子顕微鏡で観察した写真を示す。図6に示すように極めて微細な多数の白金粒子(粒径サイズ:1μm未満)が導電層11に分散して担持されていた。実施例5に係る対極を組み付けた色素増感型太陽電池の変換効率η は前述したように3.0とあまり良好ではなかった。色素増感型太陽電池の対極に担持されてレドックス反応を促進させる白金粒子としては、微細すぎるためであると推察される。しかしこのような実施例5においても、電気メッキで白金粒子を対極10の導電層11に担持させるため、対極10のうち導電層11が形成されていない側には、白金粒子が担持されず、機能に寄与しない白金の消費を抑えることができ、製造コストの低廉化に貢献できる。
【0034】
(実施例の効果)
以上の説明から理解できるように本実施例によれば、従来技術に係る浸漬法と異なり、対極10のうち導電層11が形成されている側に微細な白金粒子が多数担持されるものの、対極10のうち導電層11が形成されていない側には、白金粒子が担持されない。またスプレー塗布法と異なり、スプレー時における白金溶液の飛散を抑え得る。従って、対極10の性能を確保しつつ、対極10に使用される高価な白金材料の消費量を抑えることができ、対極10の製造コストの低廉に貢献できる。
【0035】
また本実施例によれば、上記した対極10を組み込んでいるため、色素増感型太陽電池の性能を確保しつつ、対極10に使用される高価な白金材料の消費量を抑えることができ、色素増感型太陽電池の製造コストの低廉に貢献できる。
【0036】
なお上記した実施例ではメッキ処理後に後処理を行っていないが、メッキ後に加熱処理を行い白金の純度を上げても良い。この加熱温度としては300℃以上が良いが、ガラス基板の変形等を考慮に入れれば、300〜500℃が妥当である。また電気メッキを行う白金溶液としては、テトラクロロ白金カリウム(K2 PtCl4 )の代わりに、テトラクロロ白金酸塩やヘキサクロロ白金酸塩を採用しても良い。
【0037】
(付記)上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
(付記項1)色素増感型太陽電池に組み付けられる対極であって、導電層を積層した第1基板と、導電層の上に分散状態に担持された白金粒子とを有し、白金粒子の粒径サイズは、平均で0.1〜1μmであることを特徴とする色素増感型太陽電池の対極。
(付記項2)色素増感型太陽電池に組み付けられる対極であって、導電層を積層した第1基板と、導電層の上に分散状態に担持された白金粒子とを有し、白金粒子の粒径サイズは、平均で0.1〜1μmであり、表面に微細な凹凸が形成されていることを特徴とする色素増感型太陽電池の対極。
(付記項3)付記項1または付記項2に係る対極を組み付けたことを特徴とする色素増感型太陽電池。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る色素増感型太陽電池の対極の製造方法によれば、従来技術に係る浸漬法と異なり、対極のうち導電層が形成されている側に白金粒子が担持されるものの、対極のうち導電層が形成されていない側には白金粒子が担持されない。また電気メッキで白金粒子を導電層の表面に担持させるため、スプレー塗布法と異なり、スプレー時における白金溶液の飛散を抑え得る。従って、対極の性能を確保しつつ、対極に使用される高価な白金材料の消費量を抑えることができ、対極の製造コストの低廉に貢献できる。
【0039】
また本発明に係る色素増感型太陽電池の製造方法によれば、上記した利点を有する対極を色素増感型太陽電池に組み込んでいるため、電池の性能を確保しつつ、対極に使用される高価な白金材料の消費量を抑えることができ、色素増感型太陽電池の製造コストの低廉に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る電気メッキを行う状態を示す構成図である。
【図2】実施例に係る電気メッキにおける電解電圧と電流との関係を示すグラフである。
【図3】実施例に係る色素増感型太陽電池を模式的に示す構成図である。
【図4】色素増感型太陽電池の出力特性図である。
【図5】実施例に係る白金粒子の分散状態を示す電子顕微鏡写真である。
【図6】他の実施例に係る白金粒子の分散状態を示す電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
図中、10は対極、11は導電層、12はガラス基板(基板)、2は白金溶液、20は第2基板、21は透明導電層、22は半導体層、23は色素、24は光極、26は電解質相、7は電源、7aは−極、7cは+極を示す。

Claims (3)

  1. 色素増感型太陽電池の対極を製造する方法であって、
    導電層を積層した第1基板と、白金成分を含む白金溶液とを用意する工程と、
    前記第1基板の導電層を電源の−極に接続し且つ相手電極を電源の+極に接続すると共に、前記導電層を積層した第1基板及び前記相手電極を前記白金溶液に浸漬させた状態で、前記相手電極を0電位とみなしたとき前記第1基板の導電層の電位を−0.2〜−0.85ボルトの範囲とするように前記第1基板の導電層と前記相手電極との間に電圧を印加し、前記第1基板の導電層の表面に多数の微細な白金粒子を分散させて担持させる電気メッキ工程とを実施することを特徴とする色素増感型太陽電池の対極の製造方法。
  2. 請求項1において、前記第1基板の導電層の表面に担持されている白金粒子の粒径サイズは、平均で0.1〜1μmであることを特徴とする色素増感型太陽電池の対極の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に係る対極と、光透過性をもつ第2基板に透明導電層を形成すると共に透明導電層に半導体層と色素とを保持した光極とを用意する工程と、
    前記対極と前記光極との間に電解質相を封入することにより色素増感型太陽電池を形成する工程とを実施することを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
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