JP4373454B2 - 光電変換電極及びその製造方法、並びに色素増感型太陽電池 - Google Patents

光電変換電極及びその製造方法、並びに色素増感型太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、光電変換電極及びその製造方法、並びに、その光電変換電極を備える色素増感型太陽電池に関する。
1991年にグレッツェル(Gratzel)らによって公表された色素増感型太陽電池は、10%以上の変換効率を実現可能な有機系太陽電池として特に注目されており、近時、その応用開発研究が国内外を問わず様々な研究機関で盛んに行なわれている。この色素増感型太陽電池は、電極とこれに対向配置された対極との間にレドックス電解液が注入された基本構造を有している。電極としては、透明ガラス基板の透明導電膜上に、増感色素を吸着させた多孔性の酸化チタン電極を設けたものが用いられている。また、酸化チタン電極は、酸化チタン粒子を懸濁させた塗布液を透明導電膜上に塗布し、それを300〜500℃程度の温度で焼成して得た膜に増感色素を吸着させることにより作製される。
一方、この種の色素増感型太陽電池においては、工業的な生産性向上の観点から、透明ガラス基板の代替部材として、安価で軽量且つ可撓性を有するプラスチック基板を採用することが望まれている。しかしながら、上述の如く、酸化チタン電極を作製するために高温焼成プロセスが必要なため、ガラス基板に対して耐熱性に劣るプラスチック基板を採用することは困難であった。
この問題を解決すべく、例えば、非特許文献1には、低温電気化学的手法であるカソード電析法を用い、塩化亜鉛といった金属塩を含有する電解液から、多孔性の酸化亜鉛といった金属酸化物膜からなる電極を形成し、その電極に色素を吸着させた色素増感型太陽電池が提案されている。この手法によれば、電解液を用いてカソード電析させることで多孔性の金属酸化物電極を作製することができるので、上述した酸化チタン電極を有する太陽電池の製造で必要な高温焼成プロセスを省略することが可能となる。ところが、その一方で、金属酸化物電極を形成した後に色素を吸着させるので、得られる色素担持金属酸化物電極に十分な量の増感色素を吸着させることができず、そのため、光電変換効率を十分に高めることができなかった。
そこで、酸化亜鉛電極の色素担持量を向上させるべく、例えば、非特許文献2には、鋳型色素としてエオシンY等の水溶性色素を予め添加した硝酸亜鉛浴を用いてカソード電析を行ない、これにより、水溶性色素を共吸着させて酸化亜鉛/エオシンYのハイブリッド薄膜を形成する方法が提案されている。また、特許文献1には、鋳型色素としてエオシンYを予め添加した硝酸亜鉛電解液を用いてカソード電析を行なうことにより、エオシンYを共吸着させた比表面積が1〜100m2 /gの多孔性の光電変換半導体層を、導電性表面であるSnO2 上に作製する作製方法が記載されている。しかしながら、このようにカソード電析法にて作製した色素担持酸化亜鉛電極は、期待に反してエオシンYに代表される共吸着色素の増感作用が乏しく、これらを用いた光電変換素子の光電変換効率は未だ不十分なものであった。
そのため、多孔性の酸化亜鉛電極に増感作用に優れる色素を導入すべく、特許文献2には、酸化亜鉛及びエオシンYを導電性表面であるITO上に共吸着させて作製した多孔性の酸化亜鉛電極を、アルカリ処理することにより一旦色素を脱着させ、その後、高感度な増感色素を再吸着させる方法が記載されている。この手法によれば、十分な量の高感度な増感色素を担持させた酸化亜鉛電極を実現できるものと期待されていた。
特開2002−184476号公報 特開2004−006235号公報 S. Peulon et al., J. Electrochem. Soc., 145, 864 (1998) T. Yoshida et al., Electrochemistry, 70, 470 (2002)
しかしながら、上記従来の鋳型色素を共吸着させた多孔性の酸化亜鉛電極は、共吸着させた鋳型色素を十分に脱着させ且つ十分な量の増感色素を再吸着させることが極めて困難なものであった。そのため、これらの多孔性の酸化亜鉛電極を色素増感型太陽電池に用いた場合、光電変換効率(η)を十分に高めることができず、そればかりか、開放電圧(Voc)や光電流密度(Jsc)、形状因子(FF:フィルファクター)等の電池特性も不十分で、実用化へ向けてさらなる高性能化が望まれていた。
また、上記従来の色素を担持させた酸化亜鉛電極は、外部環境の変化に伴う熱収縮等により発生する内部応力、又は、製造後の押圧操作或いは屈曲操作等で印加される外部応力により、局所的な界面剥離が生じる等、機械強度の低いものであり、実用化に向けてその機械的信頼性をより一層向上することが切望されていた。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、色素置換性に優れ色素担持量の大きな金属酸化物層を備えており、機械強度及び光電変換効率を向上させることができる光電変換電極及びその製造方法、並びに、各種の電池特性及び機械強度に優れる色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定構造の下地層を形成することにより、機械強度及び光電変換効率等の電池特性を増大させることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による光電変換電極の製造方法は、基体を準備する工程と、基体上に、少なくとも金属塩を含有する電解液を用いた電解析出法により、金属酸化物を含有する下地層を形成する第1の電析工程と、下地層上に、少なくとも金属塩及び鋳型色素を含有する電解液を用いた電解析出法により、金属酸化物を電析させ且つ鋳型色素を共吸着させて金属酸化物層を形成する第2の電析工程と、前記金属酸化物層に共吸着された前記鋳型色素を脱着する色素脱着工程と、前記金属酸化物層に前記鋳型色素と異なる第2の色素を担持させる色素再吸着工程と、を有し、第1の電析工程においては、電解電位を、電解析出時の電流−電位プロファイルにおいて0〜−1.5V(vs.Ag/AgCl)の範囲で観測される複数の変極点のうち、最低電位の変極点における電位以下の電位として、下地層を形成するものである。
なお、本明細書において、「基体上に下地層を形成する」とは、基体上に下地層を直接形成する態様の他、基体上に中間層を設けその中間層上に下地層を形成する態様を含む意味で用いる。したがって、本発明の具体的態様としては、前者の如く基体及び下地層が直接接触して配置された積層構造と、後者の如く基体及び下地層が中間層を介して離間して配置された積層構造との双方が含まれる。
本発明者らが、このように構成された光電変換電極に対極を対向配置し、両者の間に電荷輸送層を設けた色素増感型太陽電池の特性を測定したところ、従来に比して、機械強度が格別に向上され、また、光電変換効率のみならず種々の電池特性が格別に向上されることが判明した。かかる効果が奏される作用機構の詳細は、未だ明らかではないものの、以下のとおり推定される。
すなわち、上記従来のカソード電析法により作製される結晶構造体は、SnO2 やITO等の基板の導電性表面から酸化亜鉛がエピタキシャル(この場合、擬似格子整合又は格子不整合)成長又はエピタキシャル状に成長した異方性を有する規則性結晶であり、導電性表面への密着性及び追従性に乏しいものであったため、内部応力及び外部応力に対する機械強度が小さく、導電性表面及び金属酸化物層との界面で局所的な剥離等が生じる結果、電子輸送性が損なわれてしまい、高い光電変換効率等の電池特性を発揮し難いものであったと推定される。
これに対し、本発明では、上記の電析条件により、基板と金属酸化物層との間に、尖頭状をなす金属酸化物の結晶粒子が層厚方向に集積した下地層、換言すれば、従来の電析とは異なり、層全体が、基板の導電性表面から外方へ向かって略一様にエピタキシャル成長した結晶状態となっていない、多孔性であり且つ空隙率が大きな下地層が形成され、かかる下地層と他層との界面状態が、両者の密着性を高めるように作用する。これにより、導電性表面への密着性及び追従性が高められるとともに、内部応力及び外部応力に対する応力緩和作用が格別に高められる。その結果、光電変換電極の機械強度が増大され、これに伴い導電性表面での局所的な界面剥離等が抑制されることにより、光電変換効率等の電池特性が有意に高められるものと推定される。
さらには、上記の電析条件下にて形成された下地層は、上述の如く、尖頭状をなす金属酸化物の結晶粒子が層厚方向に集積した形体のものであり、表面に微小な凹凸を有し且つ大きい空隙率を有する。よって、その下地層上に、金属塩及び鋳型色素を含有する電解液を用いた電解析出法により金属酸化物層を形成すると、かかる形体の下地層が、金属酸化物層の結晶成長における多核(シード)を提供することにより、色素が物理的に移動できる程度の適度な多孔性を有する特定構造の金属酸化物層が形成される。また、空隙率の大きな下地層によるキャピラリー作用により、金属酸化物層への鋳型色素の導入量が増大される。その結果、金属酸化物層の色素担持量が増大されるとともに、その色素の置換性も高められ、これにより、光電変換効率が有意に向上される。さらに、その適度な多孔性を有する特定構造に起因して、開放電圧や光電流密度、形状因子等の電池特性も格別に向上され得ると推定される。ただし、作用はこれらに限定されない。
より具体的には、第1の電析工程においては、基体及び対極を電解液中に対向配置し、これら基体及び対極の間に電解電位を印加することにより、下地層を形成することが好ましい。このようにすれば、機械強度に優れる光電変換電極を、再現性良く且つ簡便に製造することが可能となる。
また、第2の電析工程においては、下地層及び対極を電解液中に対向配置し、それら下地層及び対極との間に−0.8〜−1.2V(vs.Ag/AgCl)の電圧を印加することにより、下地層上に金属酸化物を電析させ且つ前記鋳型色素を共吸着させて金属酸化物層を形成することがより好適である。このような電解条件を用いることにより、色素置換性に優れる金属酸化物層を備えた光電変換電極を、より再現性良く且つより簡便に製造することが可能となる。
さらに、上記の本発明による光電変換電極の製造方法は、金属酸化物層に共吸着された鋳型色素を脱着する色素脱着工程と、金属酸化物層に鋳型色素と異なる第2の色素を担持させる色素再吸着工程と、を備えるので、電析工程の電解条件によっては使用困難な増感色素であっても、再吸着工程にて金属酸化物層に導入し得るため、各種の素材選定の幅(プロセス裕度)を広げることができ、生産性及び経済性を向上させることが可能となる。
そして、本発明による光電変換電極は、基体と、基体上に形成され、金属酸化物を含有する下地層と、下地層上に形成され、金属酸化物及び色素を含む金属酸化物層と、を備えており、下地層は、尖頭状をなす前記金属酸化物の結晶粒子が、層厚方向に集積したものである。なお、本発明において、尖頭状をなす前記金属酸化物の結晶粒子は、層厚方向に不規則に集積したものであることが好ましい。ここで、「集積した」とは、下地層全体として、金属酸化物の結晶粒子が最密充填されていない状態を意味する。
また、金属酸化物層は、下地層側から放射状に膨出するように形成された瘤状突起を複数有するものであることがより好適である。このような特殊な構造を有することで、金属酸化物層の膜構造の緻密性が適度に緩和され、これにより、色素(分子)が物理的に移動できる程度の多孔性が得られ、その結果、色素を吸着させるときの吸着サイト量が増大し、しかも、共吸着させた色素の脱着及び再吸着を高効率で行なうことが可能となる。なお、後述するとおり、本発明による亜鉛酸化物の複数の瘤状突起は、各突起が個別に隆起するように成長形成されたものであるのに対し、従来のc軸配向性が高い酸化亜鉛電極では、そのような瘤状突起は形成されず、両者は、例えば断面形状において有意に異なることが確認された。
さらに、本発明による色素増感型太陽電池は、本発明の光電変換電極と、その光電変換電極に対向配置された対極と、それら光電変換電極及び対極との間に配置された電荷輸送層とを備えるものである。
本発明の光電変換電極及びその製造方法、並びに、その光電変換電極を備える色素増感型太陽電池によれば、機械強度、色素置換性及び色素担持性を増大させることが可能なので、光電変換素子として用いたときに高い光電変換効率を実現できるとともに、開放電圧や光電流密度、形状因子等の電池特性を向上させることができる。また、高温焼成プロセスを必要とすることなく低温で多孔性の金属酸化物層を形成できるので、生産性及び経済性をも向上させることもでき、しかも、基体として、ガラス基板よりも耐熱性に劣るプラスチック基板等を適用することが可能になるため、各種の素材選定の幅(プロセス裕度)を広げて生産性及び経済性を一層向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明による光電変換電極の一実施形態を概略的に示す模式断面図である。光電変換電極11は、導電性表面12aを有する基体12上に、金属酸化物としての亜鉛酸化物を含む下地層13、及び、金属酸化物としての亜鉛酸化物及び増感色素(色素)を含む多孔性の金属酸化物層14がこの順に積層されたものである。
基体12は、少なくとも金属酸化物層14を支持可能なものであれば、その種類や寸法形状は特に制限されず、例えば、板状やシート状の物が好適に用いられ、また、ガラス基板の他、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のプラスチック基板、金属基板或いは合金基板、セラミックス基板又はこれらの積層体等を挙げることができる。また、基体12は、透光性を有することが好ましく、可視光領域における透光性に優れるものであることがより好ましい。さらに、基体12は、可撓性を有することが好ましく、この場合、その可撓性を生かした種々の形態の構造物を提供できる。
また、基体12の表面に導電性を付与して導電性表面12aを形成する手法としては、特に限定されず、例えば、導電性を有する基体12を用いる方法や、導電性PETフィルムのように基体12上に透明導電膜を形成する方法等が挙げられる。後者の透明導電膜としては、特に限定されるものではないが、ITO、SnO2 、InO3 の他、SnO2 にフッ素をドープしたFTO等を用いることが好ましく、これら透明導電膜の形成方法も特に限定されず、蒸着法、CVD法、スプレー法、スピンコート法、或いは浸漬法等、公知の手法を適用でき、その膜厚も適宜設定可能である。
下地層13は、尖頭状をなす酸化亜鉛の結晶粒子13aが、層厚方向に集積したものであり、実質的に酸化亜鉛からなる多孔性の構造体である。ここで、「実質的に酸化亜鉛からなる」とは、酸化亜鉛を主成分とする意味であり、化学量論的に厳密に酸化亜鉛(ZnO)と異なる組成比を有する亜鉛酸化物を含んでいてもよく、そのストイキオメトリは、ZnO(Znxyにおいてx=1、y=1)に制限されず、さらには、例えば不可避成分としての水酸化亜鉛や、微量の他の金属塩或いは水和物等の不可避不純物等を含んでいても構わない(後記の金属酸化物層14においても同様。)。また、下地層13の改質を図るべく、酸化チタンや酸化タングステン、チタン酸バリウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化鉛等を、本発明の作用効果を阻害しない程度に含んでいても良い。なお、本発明における「亜鉛酸化物」のストイキオメトリは、ZnO(Znxyにおいてx=1、y=1)に制限されない。
下地層13中の結晶粒子13aの粒子形状は尖頭状であり、言わば、凸状或いは鋭角を有する構造体であり、特に限定されるものではないが、例えば、針状、楕円球状、角錐状或いは円錐状のほか、球状、矩形状、角柱状又は円柱状の一部が変形して凸状或いは鋭角を有する構造体となった不定形状等、種々の形態を採り得る。すなわち、「尖頭状」とは、これらの種々の形状を含有する概念である。
下地層13中の結晶粒子13aの粒子サイズは、特に限定されるものではないが、その長軸及び短軸が、10〜500nm程度の範囲にあることが好ましく、30〜300nmであることがより好ましい。
また、下地層13の膜厚は、特に限定されるものではないが、0.1〜5μmであることが好ましく、1〜3μmであることがより好ましい。この膜厚が、0.1μm未満であると、金属酸化物層の界面剥離を抑止する効果が小さくなる傾向にあり、5μmを超えると、電気抵抗が増大するため、電池特性が低下してしまう傾向にある。そして、例えば0.2μmの下地層13を形成した場合、数個〜数百個程度の尖頭状をなす結晶粒子13aが、層厚方向に積み重なって集積(堆積、重積、積重)することで、空隙率が大きく高いフレキシビリティーを有する下地層13が構成される。
なお、下地層13は、透光性を有することが好ましく、さらに導電性を有することが好ましい。また、下地層13の材料としては、本実施形態の亜鉛酸化物のみに特に限定されるものではなく、例えば、本実施形態の亜鉛酸化物の他、上記の透明導電膜に用いられる金属酸化物等を好適に用いることができる。
金属酸化物層14は、実質的に酸化亜鉛からなる多孔性の構造体に増感色素が担持された複合構造体である。この金属酸化物層14は、基体12の導電性表面12a側から外方(図示上方)へ向けて放射状に膨出(成長)するように形成された瘤状突起14aを複数有することが好ましい。このような特異な構造を備えることにより、共吸着させる色素の吸着サイト量が増大し、また、共吸着させた色素及び第2の色素を、高効率に脱着・再吸着可能となり、色素置換性が向上する。この金属酸化物層14の性状は、後記の如く、断面SEM撮影や同TEM撮影等によって観察可能である。
金属酸化物層14に担持される増感色素(色素)としては、特に限定されるものではなく、水溶性色素、非水溶性色素、油溶性色素のいずれであっても構わず、色素担持量を増大させる観点から、酸化亜鉛と相互作用する吸着性基を有するものが好ましい。具体的には、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基或いはリン酸基を有する、エオシンY等のキサンテン系色素、クマリン系色素、トリフェニルメタン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、ポリピリジン金属錯体色素等の他、ルテニウムビピリジウム系色素、アゾ色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリウム系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素等が挙げられる。
金属酸化物層14の膜厚は、特に限定されるものではないが、1〜15μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。この膜厚が、1μm未満であると、色素が充分に担持されないことにより光電流密度が不都合に低下してしまう傾向にあり、15μmを超えると、膜強度が不足したり形状因子が低下したりといった不都合が生じ得る。
以下、第1実施形態の光電変換電極11の製造方法の一例について説明する。図2(A)〜(C)は、光電変換電極11を製造している状態を示す工程図である。光電変換電極11は、基体12を準備する工程(図2(A))、基体12上にカソード電解析出法により下地層13を形成する第1の電析工程(図2(B))、及び、カソード電解析出法により金属酸化物層14を形成する第2の電析工程(図2(C))を経て作製される。
<基体の表面処理>
まず、基体12の一方面に対し、先述した適宜の方法を用いて導電性を付与し、導電性表面12aを形成する(図2(A))。なお、基体12として、金属板等予め導電性を有する基体12を用いる場合には、導電性を付与する工程は不要である。次に、下地層13の形成に先立ち、基体12の導電性表面12aに対し、必要に応じて、適宜の表面改質処理を施す。具体的には、界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液等による脱脂処理、機械的研磨処理、水溶液への浸漬処理、電解液による予備電解処理、水洗処理、乾燥処理等公知の表面処理を例示できる。
<第1の電析工程>
次に、基体12の導電性表面12a上に下地層13をカソード電析法にて形成する。具体的には、亜鉛塩を含む電解液中に、基体12の導電性表面12aと対極とを対向配置し、常法に従い、参照電極を用い、基体12の導電性表面12aと対極との間に所定の電圧を印加することにより、亜鉛酸化物を基体12の導電性表面12aに析出或いは集積することにより形成される。
ここで用いられる電解液としては、亜鉛塩を含有するpHが4〜9程度の水溶液が好適に用いられる。この電解液には、少量の有機溶媒が添加されていても構わない。亜鉛塩は、溶液中で亜鉛イオンを供給し得る亜鉛イオン源となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、塩化亜鉛や臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、過酸化亜鉛、リン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、炭酸亜鉛等が好適に用いられる。電解液中の亜鉛イオン濃度は、0.5〜100mMであることが好ましく、2〜50mMであることがより好ましい。なお、電解液がハロゲン化亜鉛を含む場合は、水溶液中の溶存酸素の還元による酸化亜鉛の電析反応を促進するため、酸素をバブリング等して必要とされる酸素を十分に導入することが好ましい。また、電解液の浴温は、使用する基体12の耐熱性を考慮して広い範囲で設定でき、通常は0〜100℃であることが好ましく、20〜90℃程度とすることがより好ましい。
電解方法は、特に限定されるものではなく、2極式及び3極式のいずれであっても適用可能であり、通電方式としては、直流電流を通電しても良く、或いは、定電位電解法又はパルス電解法を用いることも可能である。また、対極は、常法に従い、白金、亜鉛、金、銀、グラファイト等を用いることができ、これらの中では、亜鉛及び白金を用いることが好ましい。
還元電解電位は、電解析出時の電流−電位プロファイルにおいて0〜−1.5V(vs.Ag/AgCl)の走査範囲で観測される複数の変極点のうち、最低電位の変極点における電位以下とする。このような電解電位で亜鉛酸化物を析出形成させることで、尖頭状をなす結晶粒子13aが層厚方向に集積した、特異な構造の下地層13が形成される。一方、この電解電位より貴な電位で酸化亜鉛を析出形成させると、一般に、無数の酸化亜鉛結晶が六方柱状にエピタキシャル成長し、基板の導電性表面から外方へ向かって略一様に成長した層(下地層13)が形成されるため、本発明の如く、尖頭状をなす結晶粒子13aが層厚方向に集積した、特異な構造を形成することは困難である。
ここで、電解析出時の電流−電位プロファイルとは、印加電位を変化させながら電解析出する際に得られる「電流(A/cm2 )−電位(V vs.Ag/AgCl)曲線」をいう。この電流−電位プロファイルは、実際に下地層13を形成する前に、予め用意した試料に対して取得しておくことが好ましい。
上記条件下で得られる下地層13は、その電析条件にもよるが、通常、尖頭状をなす酸化亜鉛の結晶粒子13aが層厚方向に集積した、大きな空隙率を有する多孔性の構造体となる。その後、下地層13に対し、常法に従い、必要に応じて水洗、乾燥等公知の後処理を行なう。
<第2の電析工程>
次に、下地層13上に金属酸化物層14をカソード電析法にて形成する。具体的には、亜鉛塩及び鋳型色素を含む電解液中に、下地層13と対極とを対向配置し、常法に従い参照電極を用いて、下地層13と対極との間に所定の電圧を印加することにより、下地層13上に金属酸化物を電析させ且つ鋳型色素を共吸着させて金属酸化物層14を電析形成する(図2(C))。
電解液としては、上記第1の電析工程で例示した電解液に、さらに共吸着させる鋳型色素を添加したものが好適に用いられる。なお、電解方法は、上記第1の電析工程と同様である。
また、還元電解電位は、−0.8〜−1.2V(vs.Ag/AgCl)、好ましくは−0.9〜−1.1V(vs.Ag/AgCl)の範囲で適宜設定することができる。還元電解電位がこの範囲にあることにより、色素置換性に優れ色素担持量が大きな多孔性構造を有する金属酸化物層14を有効に形成することができる。一方、還元電解電位が−0.8Vを上回ると、膜が過度に緻密となり、色素の担持量が不足するといった不都合があり、−1.2V未満であると、金属酸化物がより金属的になり電気特性が低下したり、膜の密着性が劣化したりといった不都合がある。
この第2の電析工程にて鋳型色素として用いられる色素は、カソード電析法にて共吸着させるものであるため、電解液に溶解又は分散するものであることが好ましく、電解液として亜鉛塩を含有するpHが4〜9程度の水溶液を用いる場合には、水溶性の色素であることが好ましい。
具体的には、色素担持量を増大させる観点から、鋳型色素は、酸化亜鉛の表面と相互作用する吸着性基を有することが好ましく、カルボキシル基、スルホン酸基或いはリン酸基等の吸着性基を有する水溶性色素をより好ましいものとして例示できる。より具体的には、エオシンY等のキサンテン系色素、クマリン系色素、トリフェニルメタン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、ポリピリジン金属錯体色素等が挙げられる。
また、電解液中の色素濃度は、50〜500μMの範囲で適宜設定できるが、70〜300μMであることがより好ましい。この色素濃度が、50μM未満であると、膜が必要以上に緻密となり、色素の担持量が不足するといった不都合があり、500μMを超えると、膜の密度が必要以上に低下して電子伝導性が低くなるため、光電変換効率が低下するとともに、金属酸化物層14の膜強度が低下する傾向にある。
上記条件下で形成される金属酸化物層14は、通常、酸化亜鉛の結晶が基体12表面側から放射状に膨出するように形成された瘤状突起を複数有し、且つ、適度に緻密な多孔性を有する構造体となり、また、複数の瘤状突起によって表面に凹凸形状が画成されたものとなる。その後、金属酸化物層14に対し、常法に従い、必要に応じて水洗、乾燥等公知の後処理を行なうことが望ましい。
このようにして得られる光電変換電極11は、機械強度及び色素置換性に優れ色素担持量の大きな光電変換電極として或いはその前駆体として使用できる。また、その光電変換効率を更に高めるために、以下に示す色素脱着処理及び色素再吸着処理を光電変換電極11に施すことが好ましい。
<色素脱着工程>
ここではまず、光電変換電極11の金属酸化物層14に共吸着された鋳型色素を脱着させる。具体的には、例えば、鋳型色素を含む光電変換電極11を、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のpHが9〜13程度のアルカリ水溶液に浸漬処理する手法が簡便なものとして挙げられる。このアルカリ水溶液としては、従来公知のものを使用でき、脱着する鋳型色素の種類に応じて適宜選択することができる。
また、この脱着処理においては、金属酸化物層14中の鋳型色素を好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上脱着することが望ましい。なお、鋳型色素の脱着率の上限としては、特に制限されないが、酸化亜鉛結晶中に取り込まれた鋳型色素を完全に脱着することは実際のところ極めて困難であることから、概ね99%とされる。また、加熱下において脱着処理を行なうと、脱着効率を効果的に向上させることができるので好ましい。
その後、必要に応じて、常法により水洗・乾燥等公知の後処理を行なって得られる光電変換電極11は、鋳型色素の大半が脱着されたものであり、機械強度及び色素置換性に優れ、且つ、潜在的に色素担持量の大きな光電変換電極の前駆体として使用することができる。
<色素再吸着工程>
上記のとおり、鋳型色素を脱着処理した金属酸化物層14に、他の所望の増感色素(第2の色素)を再吸着させることができる。具体的には、例えば、再吸着させる増感色素を含む色素含有溶液に、鋳型色素を脱着処理した金属酸化物層14を有する基体12を浸漬する手法が簡便なものとして挙げられる。ここで用いられる色素含有溶液の溶媒としては、所望の増感色素の溶解性又は相溶性等に応じて、水、エタノール系溶媒、ケトン系溶媒等公知の溶媒から適宜選定することができる。
再吸着させる増感色素としては、光電変換素子用途で要求される性能に応じて、所望の光吸収帯・吸収スペクトルを有するものを適宜選択できる。この色素再吸着工程の処理によって、金属酸化物層14の形成時の電析工程で共吸着させた鋳型色素を、それとは異なる色素に置換することができ、その色素として、鋳型色素よりも高感度な増感色素を用いることにより、光電変換効率等の電池特性の性能向上を図ることが可能である。
ここで、増感色素としては、先に共吸着させる鋳型色素の如く電解液の種類によって制限されるものではなく、前述した水溶性色素以外にも、例えば、色素含有溶液で使用する溶媒を適宜選択することで、非水溶性及び/又は油溶性色素を使用することができる。より具体的には、例えば、共吸着させる鋳型色素において例示した水溶性色素の他、ルテニウムビピリジウム系色素、アゾ色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、クマリン系色素、フタロシアニン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素等が挙げられる。これらの色素は、金属酸化物層14へ再吸着させる観点から、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基或いはリン酸基等の酸化亜鉛の表面と相互作用する吸着性基を有することがより好ましい。
その後、必要に応じて、常法により水洗・乾燥等公知の後処理を行なって得られる光電変換電極11は、亜鉛酸化物の表面に増感色素が吸着された複合構造体であり、機械強度に優れ色素担持量が大きく光電変換効率が更に高められた電極単体或いはその前駆体として好適に使用できるものである。
(第2実施形態)
図3は、本発明による色素増感型太陽電池の一実施形態を概略的に示す模式断面図である。色素増感型太陽電池31は、前記第1実施形態で説明した光電変換電極11を光電変換電極32として備えるものであり、これと対向配置された対極33と、それら光電変換電極32及び対極33の間に配置された電荷輸送層34とを有する。
対極33は、その導電性表面33aが金属酸化物層14と対面するように対向配置されている。また、対極33としては、公知のものを適宜採用することができ、例えば、上記の光電変換電極11の導電性表面12aを有する基体12と同様に、透明基体上に導電膜を有するものや透明基体の導電膜上にさらに金属、カーボン、導電性ポリマー等の膜を形成したもの等を用いることができる。
電荷輸送層34としては、レドックス電解質溶液やこれをゲル化した半固体電解質或いはp型半導体固体ホール輸送材料を成膜したもの等、一般に電池や太陽電池等において使用されているものを適宜用いることができる。
ここで、溶液系又は半固体系の電荷輸送層34を用いる場合、常法に従って、光電変換電極32及び対極33を図示しないスペーサ等を介して離間配置し、その周囲を封止することによって画成される封止空間内に電解質を封入すれば良い。色素増感太陽電池の代表的な電解質溶液としては、ヨウ素及びヨウ化物又は臭素及び臭化物を含むアセトニトリル溶液、エチレンカーボネート溶液、又はプロピレンカーボネート溶液、及びそれらの混合溶液等が挙げられる。さらに、電解質の濃度や各種添加剤等は要求性能に応じて適宜設定及び選択することができ、例えば、ハロゲン化物やアンモニウム化合物等が添加されたものであっても構わない。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
<電流−電位プロファイルの事前測定>
光電変換電極の作製に先立ち、下地層の電解析出時の電流−電位プロファイルを測定した。まず、基体として、フッ素ドープしたSnO2 を透明導電膜とする透明ガラス基板(商品名A110U80:旭硝子ファブリテック(株)製)を用意し、その透明導電膜の一端にリード線を取り付けて安定化電源の作用極に接続した。次に、透明導電膜の表面及びリード線接続部を、5mm×20mmの開口部を有するマスキングテープで覆うことにより、その開口部にのみ透明導電膜を露出させ、被製膜部を作製した。
そして、対極としての亜鉛板にリード線を接続し、参照電極としてのAg/AgCl電極をリファレンスに接続した。その後、ポリプロピレン製の容器内に、透明ガラス基板の透明導電膜の被製膜部と対極とを対向配置するとともに、参照電極を配置した。
次に、容器内に、塩化カリウム及び塩化亜鉛濃度が各々0.1M及び0.005Mとなるように、これらの水溶液を入れて電解液を調製した後、電解液の浴温を70℃に保持した。そして、安定化電源により、0〜−1.5V(vs.Ag/AgCl)まで走査し、このときの電流値−電圧値をモニターした。図4は、こうして得られた電流−電位プロファイルを示すグラフである。
図4に示すとおり、第1の変極点X及び第2の変極点Yが、−0.70V(vs.Ag/AgCl)、及び、−1.17V(vs.Ag/AgCl)に、各々観測された。また、図示の如く、変極点を境として領域A,B及びCに区分し、その領域毎に曲線の傾きを算出したところ、領域Aは6.9(mA/〔V・cm2 〕)、領域Bは1.1(mA/〔V・cm2 〕)、領域Cは22(mA/〔V・cm2 〕)であった。
<光電変換電極の作製>
上記の予備測定と同じ基体を別途用意し、図4に示されるプロファイルの最低電位の変極点を示す変極点Yの電位以下である−1.2V(vs.Ag/AgCl)の還元電解電位を5分間印加した他は、上記の予備測定と同条件でカソード電析を行ない(第1の電解析出工程)、透明導電膜の被製膜部に酸化亜鉛を析出させて下地層を成膜した。
さらに、鋳型色素としてのエオシンYを、その色素濃度が0.1mMとなるように、上記第1の電解析出工程で用いたものと同様の電解液に添加したものを準備した。そして、−1.0V(vs.Ag/AgCl)の還元電解電位を印加して30分間のカソード電析を行ない(第2の電解析出工程)、下地層上に酸化亜鉛とエオシンYの複合構造体である多孔性の金属酸化物層を成膜し、光電変換電極を得た。
次いで、得られた光電変換電極を水洗及び乾燥した後、それをKOH水溶液中に浸漬し、金属酸化物層中の共吸着色素であるエオシンYを脱着し、その後、再び水洗及び乾燥処理を行なった。
一方、第2の色素を含有する色素含有溶液として、増感色素(D149:三菱製紙(株)製)0.5mMを含有する、体積比が1:1であるt−BuOH/CH3CN溶液を調製し、この色素含有溶液中に、エオシンYを脱着した電極を浸漬して増感色素D149を金属酸化物層に再吸着させた。その後、アセトニトリル溶液にて洗浄及び乾燥処理を行ない、実施例1の光電変換電極を得た。
<色素増感型太陽電池の作製>
また、以上の手順と同様に作製した光電変換電極を用い、図3に示す色素増感型太陽電池31と同等の構造を有する色素増感型太陽電池を、以下の手順で作製した。ここでは、光電変換電極32として、実施例1の光電変換電極11を、また、対極33として、フッ素ドープしたSnO2 を透明導電膜とする透明ガラス基板(商品名A110U80:旭硝子ファブリテック(株)製)に100nmのPt薄膜を蒸着成膜したものを、各々使用した。そして、光電変換電極32及び対極33を、厚さ70μmのスペーサを介して密着させ、さらに、これらの周囲をエポキシ樹脂で封止することによって画成される封止空間内に、電荷輸送層34として電解液を封入することにより、各々の色素増感型太陽電池を作製した。電解液としては、ヨウ素0.04MとTPAI(テトラプロピルアンモニウムヨウジド)0.4Mを含有し且つ体積比が80:20であるエチレンカーボネートとアセトニトリルとの混合溶液を用いた。
(実施例2)
実施例1と同様に作製した光電変換電極に、後述する熱衝撃試験を施して実施例2の光電変換電極を作製し、この実施例2の光電変換電極を光電変換電極32として用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の色素増感型太陽電池を作製した。
(比較例1)
第1の電解析出工程における電解電位を、最低電位の変極点Yの電位以上である−0.8V(vs.Ag/AgCl)としたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の光電変換電極を作製した。
また、比較例1と同様に作製した光電変換電極を光電変換電極32として用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の色素増感型太陽電池を作製した。
(比較例2)
比較例1と同様に作製した光電変換電極に、後述する熱衝撃試験を施して比較例2の光電変換電極を作製し、この比較例2の光電変換電極を光電変換電極32として用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の色素増感型太陽電池を作製した。
(比較例3)
第1の電解析出工程における電解電位を、最低電位の変極点Yの電位以上である−0.6V(vs.Ag/AgCl)としたこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の光電変換電極を作製した。
また、比較例3と同様に作成した光電変換電極を、光電変換電極32として用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の色素増感型太陽電池を作製した。
〔断面構造評価〕
実施例1及び比較例1の光電変換電極の断面を、電子顕微鏡で観察した。図5は、実施例1の光電変換電極の断面SEM写真であり、図6は、実施例1の光電変換電極において、金属酸化物層を成膜する前の、導電性表面上に下地層を有する基体の断面SEM写真である。また、図7は、比較例1の光電変換電極の断面SEM写真であり、図8は、比較例1の光電変換電極において、金属酸化物層を成膜する前の、導電性表面上に下地層を有する基体の断面SEM写真である。
図5及び6から、実施例1の光電変換電極に備わる下地層は、50〜200nm程度の尖頭状をなす酸化亜鉛の結晶粒子が、層厚方向に不規則に複数集積して構成された多孔性の構造体であり、それらの無数の結晶粒子によって、極めて大きな空隙率を有する多孔性構造体であることが判明した。また、実施例1の光電変換電極に備わる金属酸化物層は、酸化亜鉛が基体側から放射状に膨出するように形成された瘤状突起と言える隆起を複数有する構造体であり、それらの複数の瘤状突起によって凹凸表面が形成されていることが判明した。
一方、図7及び8から、比較例1の光電変換電極に備わる下地層は、無数の酸化亜鉛の六角柱状の結晶が、基板の導電性表面から外方へ向かって略一様にエピタキシャル成長した構造体であることが判明した。また、比較例1の光電変換電極に備わる金属酸化物層は、略矩形状の酸化亜鉛結晶が、基体の導電性表面から外方へ向かって略一様に延出するようにエピタキシャル成長した構造体であり、それらの略矩形状の酸化亜鉛結晶によって略平滑な表面が形成されていることが判明した。
なお、比較例3の光電変換電極は、基板の導電性表面から下地層及び金属酸化物層が大きく剥がれていたため、断面SEM観察を実施しなかった。
〔外観評価〕
実施例2及び比較例2の光電変換電極の外観を目視で観察した。図9は、実施例1の光電変換電極の外観をデジタルカメラで撮影した平面写真であり、図10は、比較例2の光電変換電極の外観をデジタルカメラで撮影した平面写真である。
ここで、実施例2及び比較例2の光電変換電極は、実施例1及び比較例1と同様に作製した光電変換電極に熱衝撃試験を実施したものであり、その熱衝撃試験は、高温槽及び低温槽の2種の恒温槽を用意し、各々の恒温槽内で交互に放置保管するものである。なお、熱衝撃試験の実施条件は、高温槽の温度を85℃とし、低温槽の温度を−40℃とし、各々の恒温槽における放置時間を30分とし、恒温槽間の移動時間を1分以内とし、各槽に1回ずつ放置保管する操作を1サイクルとして計700サイクル行なうものとした。
図9より、熱衝撃試験後の実施例2の光電変換電極は、金属酸化物層と基板の導電性表面の密着性が充分あり、試験前の状態から変化の無い状態であることが確認された。一方、図10より、熱衝撃試験後の比較例2の光電変換電極は、基板の導電性表面から下地層及び金属酸化物層が大きく剥離した状態であることが確認された。
〔セル評価〕
実施例1,2及び比較例1〜3の色素増感型太陽電池の電池特性として、光電変換効率(η)、開放電圧(Voc)、光電流密度(Jsc)及び形状因子(FF)を、AM−1.5(1000W/m2 )のソーラーシミュレータを用いて測定した。これらの測定結果を、表1に示す。
表1に示す結果から、下地層を形成する第1の電析工程における電解電位を本発明の範囲内とした、実施例1及び2の光電変換電極を用いた色素増感型太陽電池は、光電変換効率(η)、開放電圧(Voc)、光電流密度(Jsc)及び形状因子(FF)のいずれにおいても(とりわけ、光電変換効率(η)、開放電圧(Voc)及び光電流密度(Jsc))、格別に優れた電池特性を備えるものであることが確認された。
また、熱衝撃試験の実施前後の変動幅を鑑みると、実施例1/実施例2の色素増感型太陽電池は、比較例1/比較例2の色素増感型太陽電池に比して、その機械強度が格別に高められ、電池特性の性能劣化が抑制されていることが判明した。このことから、尖頭状をなす結晶粒子が層厚方向に不規則に集積してなる下地層によって、熱衝撃試験時に発生する熱収縮(応力)が緩和され、導電性表面での局所的な界面剥離等が抑制されたものと推測される。
なお、上述したとおり、本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更を加えることが可能である。
以上説明した通り、本発明の光電変換電極及びその製造方法、並びに色素増感型太陽電池によれば、高い機械強度及び光電変換効率を実現できるとともに、各種電池特性の性能を向上させることができ、しかも、再現性良く且つ簡便に製造でき、さらには、生産性及び経済性を向上させることもできるので、光電変換素子用電極一般、及びこれを備える電子・電気材料、電子・電気デバイス、並びにそれらを備える各種機器、設備、システム等に広く且つ有効に利用可能である。
本発明による光電変換電極の一実施形態を概略的に示す模式断面図である。 (A)〜(C)は、本発明による光電変換電極の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明による色素増感型太陽電池の一実施形態を概略的に示す模式断面図である。 実施例1の光電変換電極の第1の電析工程における電流−電位プロファイルを示すグラフである。 実施例1の光電変換電極の断面SEM写真である。 実施例1の光電変換電極の断面SEM写真である。 比較例1の光電変換電極の断面SEM写真である。 比較例1の光電変換電極の断面SEM写真である。 実施例2の光電変換電極の平面写真である。 比較例2の光電変換電極の平面写真である。
符号の説明
11…光電変換電極、12…基体、12a…導電性表面、13…下地層、13a…結晶粒子、14…金属酸化物層、31…色素増感型太陽電池、32…光電変換電極、33…対極、33a…導電性表面、34…電荷輸送層。

Claims (6)

  1. 基体を準備する工程と、
    前記基体上に、少なくとも金属塩を含有する電解液を用いた電解析出法により、金属酸化物を含有する下地層を形成する第1の電析工程と、
    前記下地層上に、少なくとも金属塩及び鋳型色素を含有する電解液を用いた電解析出法により、金属酸化物を電析させ且つ鋳型色素を共吸着させて金属酸化物層を形成する第2の電析工程と、
    前記金属酸化物層に共吸着された前記鋳型色素を脱着する色素脱着工程と、
    前記金属酸化物層に前記鋳型色素と異なる第2の色素を担持させる色素再吸着工程と、
    を有し、
    前記第1の電析工程においては、電解電位を、電解析出時の電流−電位プロファイルにおいて0〜−1.5V(vs.Ag/AgCl)の範囲で観測される複数の変極点のうち、最低電位の変極点における電位以下とする、
    光電変換電極の製造方法。
  2. 前記第1の電析工程においては、前記基体及び前記対極を電解液中に対向配置し、該基体及び該対極の間に前記電解電位を印加することにより、前記下地層を形成する、
    請求項1に記載の光電変換電極の製造方法。
  3. 前記第2の電析工程においては、前記下地層及び前記対極を電解液中に対向配置し、該下地層及び該対極との間に−0.8〜−1.2V(vs.Ag/AgCl)の電圧を印加することにより、前記下地層上に金属酸化物を電析させ且つ前記鋳型色素を共吸着させて前記金属酸化物層を形成する、
    請求項1又は2に記載の光電変換電極の製造方法。
  4. 基体と、
    前記基体上に形成され、金属酸化物を含有する下地層と、
    前記下地層上に形成され、金属酸化物及び色素を含む金属酸化物層と、
    を備えており、
    前記下地層は、尖頭状をなす前記金属酸化物の結晶粒子が、層厚方向に集積したものである、
    光電変換電極。
  5. 前記金属酸化物層は、前記下地層側から放射状に膨出するように形成された瘤状突起を複数有するものである、
    請求項4に記載の光電変換電極。
  6. 基体、該基体上に形成され且つ金属酸化物を含有する下地層、及び、該下地層上に形成され且つ金属酸化物及び色素を含む金属酸化物層を有する光電変換電極と、
    前記光電変換電極に対向配置された対極と、
    前記光電変換電極及び前記対極の間に配置された電荷輸送層と、
    を備えており、
    前記下地層は、尖頭状をなす前記金属酸化物の結晶粒子が、層厚方向に集積したものである、
    色素増感型太陽電池。
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