JP4554643B2 - 酸化物半導体電極材料の除去方法 - Google Patents

酸化物半導体電極材料の除去方法 Download PDF

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Description

本発明は酸化物半導体電極材料の除去方法に関し、特に、色素を吸着した酸化物半導体電極材料を有する色素増感型太陽電池に好適に用いられ、導電性ガラス基板から酸化物半導体電極材料を除去することにより、導電性ガラス基板の再利用を可能とした酸化物半導体電極材料の除去方法に関するものである。
近年、地球温暖化防止、化石燃料の枯渇等の将来へ向けたエネルギー新技術として、化石燃料に代るエネルギー源として太陽光を利用する太陽電池が注目され、種々の研究が行われてきている。
最近では、エネルギー変換効率が高い太陽電池として、金属錯体の光誘起電子移動を応用した色素増感型太陽電池が提案され、研究が進められている(例えば、特許文献1〜3参照)。
図3は、従来の色素増感型太陽電池の一例を示す断面図であり、この色素増感型太陽電池は、アノード電極(電極部材)1とカソード電極(対向電極)2とが対向配置され、これらアノード電極1とカソード電極2と側壁(図示略)により形成される空間部がセル3とされ、このセル3内に電解質4が封入されている。
アノード電極1は、板状の透明導電性ガラス基板5の電解質4側の表面(一主面)の一部に酸化物半導体電極6が形成されている。透明導電性ガラス基板5は、導電性および光透過性を有するもので、例えば、フッ素含有酸化錫(FTO)からなる板状の導電性透明ガラスが好適に用いられるが、導電率の高い酸化スズ含有酸化インジウム(ITO)からなる板状の導電性透明ガラスも好適に用いることができる。
この酸化物半導体電極6は、図4に示すように、酸化物半導体微粒子11を互いに融着させて多孔質層12とし、この多孔質層12の表面に色素13を吸着させたもので、吸着させる色素13としては、ルテニウムビピリジン系の錯体が優れた増感効果を発揮するが、その他の有機色素でも増感効果は得られる。
カソード電極2は、導電性および光透過性を有するもので、例えば、フッ素含有酸化錫等の透明導電性ガラス基板上に、白金(Pt)、炭素(C)等からなる光透過性の電極層が形成されたものが好適に用いられる。
このアノード電極1とカソード電極2とは、酸化物半導体電極6以上の厚みのスペーサ間隔をおいて、電解質4を介して対向配置され、このスペーサ間隔は数十μm〜数mmが好ましく、さらに好ましくは1〜1000μmである。
電解質4としては、I2、LiI、ジメチルプロピルイミダゾリウムヨージド等をアセトニトリル等の溶媒に溶かした溶液等が好適に用いられる。
この酸化物半導体電極6は、透明導電性ガラス基板5上に、酸化物半導体微粒子11と溶媒とバインダー等とを含有してなる酸化物半導体ペーストを塗布し、レベリングを行った後、所定の温度にて焼成することにより、酸化物半導体微粒子11同士を融着して多孔質層12を形成し、この多孔質層12に四塩化チタン水溶液を滴下し、その後洗浄、焼成し、この多孔質層12の表面に色素13を吸着させることにより得られる。
酸化物半導体微粒子11は、漏れ電流が小さいことが好ましく、一般に知られている酸化物半導体微粒子を使用することができる。例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化インジウム等の金属酸化物、スズ添加酸化インジウム、アンチモン添加酸化スズ、フッ素添加酸化スズ、アルミニウム添加酸化亜鉛等の透明導電性金属酸化物、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛等の金属複酸化物が好適である。
この色素増感型太陽電池では、アノード電極1の酸化物半導体電極6に吸着されている色素13が可視光によって励起され、発生した電子を酸化物半導体微粒子11に渡すことにより発電が行われる。
上記のような色素増感型太陽電池は、従来のシリコン太陽電池や化合物半導体太陽電池と比較して高価な製造設備を必要としないため、設備費が安く、製造コストが低いという利点がある。これはコストダウンが求められている各種太陽電池の中では非常に有利である。
ところで、この色素増感型太陽電池においては、製造コストに占める材料費の割合が高く、特に、導電性ガラスが高価であることから、さらなるコストダウンが難しい。そこで、導電性ガラスのコストダウンを図る方法としては、この導電性ガラスを回収、再利用する方法の一例として、導電性ガラス基板上に酸化物半導体電極を付けたまま回収・再利用する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特表平5−504023号公報 特許第2664194号公報 国際公開WO94/05025号公報 特開2002−280086号公報
ところで、この導電性ガラス基板上に酸化物半導体電極を付けたまま回収・再利用する方法は、酸化物半導体電極に吸着された色素のみを除去する方法であるから、酸化物半導体電極に欠陥があった場合には、この方法を適用することができないという問題点があった。
また、酸化物半導体電極と導電性ガラス基板との密着強度が高く、かつ酸化物半導体電極は化学的に安定なものが多いために、導電性ガラス基板の劣化なしに、この導電性ガラス基板から酸化物半導体電極を除去することは非常に困難であった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、導電性ガラス基板から酸化物半導体電極材料を除去することにより、この導電性ガラス基板の再利用を可能とし、さらには、製造ラインにおける歩留まり向上、破棄した太陽電池からの導電性ガラス基板の回収、これらにおける廃棄物量の削減等を可能とし、引いては製造コストを低減した太陽電池の提供を可能とし、その結果、太陽電池の電力コストの低下を図ることができる酸化物半導体電極材料の除去方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下に示すような酸化物半導体電極材料の除去方法を採用した。
すなわち、本発明の酸化物半導体電極材料の除去方法は、導電性ガラス基板の一主面の少なくとも一部に酸化チタンを主成分とする多孔質層からなりかつ色素を吸着した酸化物半導体電極材料が形成されてなる電極部材から、前記酸化物半導体電極材料を除去する方法であって、アノード電極側に接続した前記電極部材及び第2の電極を溶液に浸漬し、これらの電極間に電圧を印加し、前記導電性ガラス基板から前記酸化物半導体電極材料を除去することを特徴とする。

前記溶液に浸漬された前記電極部材を正極とすることが好ましい。
前記溶液は、硫酸、リン酸、過塩素酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムから選択される1種または2種以上を含有することが好ましい。
以上説明したように、本発明の酸化物半導体電極材料の除去方法によれば、導電性ガラス基板の一主面の少なくとも一部に色素を吸着した酸化物半導体電極材料が形成されてなる電極部材及び第2の電極を溶液に浸漬し、これらの電極間に電圧を印加し、導電性ガラス基板から酸化物半導体電極材料を除去するので、導電性ガラス基板の表面を浸食あるいは傷つけることなしに、この導電性ガラス基板から酸化物半導体電極材料を容易に剥離することができる。
本発明の除去方法を色素増感型太陽電池の電極部材に適用することにより、導電性ガラス基板を再利用することができ、製造ラインにおける歩留まり向上、破棄した太陽電池からの透明導電性ガラス基板の回収、これらにおける廃棄物量の削減等を図ることができる。
したがって、製造コストを低減した色素増感型太陽電池を提供することができ、その結果、太陽電池の電力コストの低下を図ることができる。
本発明の酸化物半導体電極材料の除去方法の各実施の形態について説明する。
本実施形態では、酸化物半導体電極材料として、色素増感型太陽電池のアノード電極(電極部材)の一構成要素である色素が吸着された酸化物半導体電極を例にとり説明するが、本発明は、下記の各実施形態に限定されるものではない。
「第1の実施形態」
本実施形態の酸化物半導体電極材料の除去方法は、図1に示すように、透明導電性ガラス基板5の表面(一主面)の少なくとも一部に色素を吸着した酸化物半導体電極6が形成されてなるアノード電極1を、反応容器21内に貯留された塩基性溶液22に浸漬し、透明導電性ガラス基板5から酸化物半導体電極6を除去する方法である。
この反応容器21には、内部に貯留される塩基性溶液22を所定の温度に加熱・保持するために、ウオーターバスあるいはヒーター等の加熱装置(図示せず)が設けられている。
この塩基性溶液22としては、特に限定はされないが、アルカリ金属の水酸化物および/またはアルカリ土金属の水酸化物を含有することが好ましく、このアルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選択される1種または2種以上が好ましく、アルカリ土金属の水酸化物としては、水酸化マグネシウムおよび/または水酸化カルシウムが好ましい。
これら水酸化物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この塩基性溶液22は、上記の水酸化物の群から選択された1種または2種以上を所定量の純水に溶解して、所定濃度の水溶液としたものが好ましい。
この塩基性溶液22には、そのpHを大きく変えない範囲で、過酸化水素等の過酸化物や過酸化物を発生させる物質、例えば、パーオキソカーボネート等を添加してもよい。
この塩基性溶液22の濃度は、酸化物半導体電極の組成や量にもよるが、0.1%〜30%が好ましく、1%〜20%がさらに好ましい。
上記のアノード電極1を塩基性溶液22に浸漬した後、この塩基性溶液22の温度を所定の温度に保った上で、所定の時間放置する。この溶液の温度は、20℃〜90℃が好ましく、30℃〜70℃がさらに好ましい。
このような浸漬処理を行うことにより、アノード電極1の酸化物半導体電極6は、それを構成する酸化物半導体微粒子11がその表面に吸着した色素13と共に溶液中に溶解し、透明導電性ガラス基板5の表面から除去される。
この場合、透明導電性ガラス基板5の表面は塩基性溶液22に浸食される虞がないので、その表面の平坦性は良好に保持されることとなる。したがって、透明導電性ガラス基板5のみを劣化させることなく回収することができる。
この透明導電性ガラス基板5は、通常、板状の透明ガラスの表面にフッ素ドープ酸化スズやアンチモンドープ酸化スズ(ATO)等の透明導電膜を形成したものであるが、本実施形態の酸化物半導体電極材料の除去方法により、この透明導電膜を傷つけることなく酸化物半導体電極6のみを除去することができる。
この酸化物半導体電極6としては、通常、色素増感型太陽電池に使用される酸化物半導体電極材料であれば特に限定はされないが、好ましくは、酸化チタンや酸化チタンを含む半導体(酸化チタン微粒子の表面を他の酸化物で被覆したもの等)を主成分としたもの等であり、本実施形態の方法はこれらについて適用する場合、特に効果的である。
また、酸化物半導体電極6が酸化チタンの場合、塩基性溶液に過酸化水素溶液を混合した溶液を用いると、酸化チタンの溶解反応を著しく促進させることができる。過酸化水素は、酸化チタンを一部過酸化物に変化させる働きがあると考えられ、チタンの過酸化物は塩基性溶液に溶け易いため、酸化物半導体電極6の溶解が促進される。過酸化水素の添加量も、酸化物半導体材料の量にもよるが、過酸化水素濃度として0.1%〜30%が好ましく、1%〜20%がさらに好ましい。
本実施形態の酸化物半導体電極材料の除去方法によれば、透明導電性ガラス基板5の表面を浸食あるいは傷つけることなしに、この透明導電性ガラス基板5から酸化物半導体電極6を除去することができる。
また、塩基性溶液と過酸化水素水の混合溶液を用いることにより、酸化物半導体電極6の構成材料であるTiOを容易に溶解させることができる。
これにより、色素増感太陽電池の材料コスト中に占める割合が極めて高い透明導電性ガラス基板5を容易に再利用することができ、製造ラインにおける歩留まり向上、破棄した太陽電池からの透明導電性ガラス基板の回収、これらにおける廃棄物量の削減等を図ることができる。
したがって、製造コストを低減した色素増感型太陽電池を提供することができ、その結果、太陽電池の電力コストの低下を図ることができる。
「第2の実施形態」
図2は、本実施形態の酸化物半導体電極材料の除去方法を示す概略図であり、図において、符号31は反応容器、32は電解質溶液、33はアノード電極1に対向配置される(第2の)電極、34は電源であり、反応容器31には、図示しないが、貯留される電解質溶液32を所定の温度に加熱・保持するためのヒーター及びそれを制御する制御部が設けられている。
本実施形態では、反応容器31内に電解質溶液32を貯留し、この電解質溶液32を所定の温度に加熱し、この電解質溶液32にアノード電極1及び電極33を浸漬し、電源34によりアノード電極1と電極33との間に所定の電圧を印加する。
電解質溶液32としては、電圧を印加した際に酸化反応も還元反応も生じることのない電気化学的に安定な電解質溶液であれば特に制限されないが、硫酸、リン酸、過塩素酸から選択される1種または2種以上を含む酸性溶液、または、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムから選択される1種または2種以上を含むアルカリ性溶液が好ましく、これらの水溶液がさらに好ましい。
電解質溶液32のpHは、特に制限されるものではなく、中性付近であってもよい。溶液の濃度は酸化物半導体電極の組成及び量にもよるが、0.1%〜30%が好ましく、1%〜20%がさらに好ましい。
また、電極33としては、通常、電極として使用できるものであれば、特に制限されることはなく、例えば、白金電極、カーボン電極等、化学的に安定なものを使用することができる。
アノード電極1と電極33との間に印加する電圧は、+0.3V〜+20Vが好ましく、+3V〜+7Vがさらに好ましい。
また、電極の極性は、アノード電極1側を正(+)、電極33側を負(−)とすると、アノード電極1の酸化物半導体電極6における酸化反応が促進されるので好ましい。
この酸化物半導体電極6では、酸化物半導体微粒子が酸化反応により一部過酸化物に変化するが、この過酸化物が剥離し易いために酸化物半導体電極6全体の剥離が促進されるからである。
電解質溶液32中に酸化物半導体電極6よりも酸化され易い物質が存在すると、酸化物半導体電極6の酸化反応が進行し難くなるので好ましくない。
例えば、電解質溶液32中に過酸化水素が存在すると、過酸化水素が酸化されて酸素が生じる反応が優先的に生じるので、過酸化水素を添加した電解質溶液は、この方法には不向きである。
また、電気化学的に不安定な電解質溶液を用いることは好ましくない。
例えば、塩酸の場合、塩化物イオンの酸化が優先的に生じると、酸化物半導体電極6自体の酸化が生じ難くなるので、好ましくない。
酸化物半導体電極6としては、通常、色素増感型太陽電池に使用される酸化物半導体電極材料であれば特に限定はされないが、好ましくは、酸化チタンや酸化チタンを含む半導体(酸化チタン微粒子の表面を他の酸化物で被覆したもの等)を主成分としたもの等であり、本実施形態の方法はこれらについて適用する場合、特に効果的である。
本実施形態の酸化物半導体電極材料の除去方法によれば、透明導電性ガラス基板5の表面を浸食あるいは傷つけることなしに、この透明導電性ガラス基板5から酸化物半導体電極6を除去することができる。
また、透明導電性ガラス基板5に電圧を印加しながら電解質溶液32で処理することにより、透明導電性ガラス基板5から酸化物半導体電極6を容易に剥離させることができる。
これにより、色素増感太陽電池の材料コスト中に占める割合が極めて高い透明導電性ガラス基板5を容易に再利用することができ、製造ラインにおける歩留まり向上、破棄した太陽電池からの透明導電性ガラス基板の回収、これらにおける廃棄物量の削減等を図ることができる。
したがって、製造コストを低減した色素増感型太陽電池を提供することができ、その結果、太陽電池の電力コストの低下を図ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
A.電極部材を塩基性溶液に浸漬する方法
(実施例1)
酸化物半導体電極6の材料としてTiO超微粒子(自己調製、アナタース型、平均粒径10〜15nm)を用い、TiO超微粒子を30重量%含むTiOペーストを調製した。
ここでは、TiO超微粒子が30重量%、1−p−メンテン−8−オール(α−テルピネオール(商品名):関東化学社製)が65重量%、エチルセルロース(関東化学社製)が5重量%となるように、それぞれを秤量し、これらを混合した後、3本ロール(EXAKT社製)を用いて所定時間混練し、TiOペーストとした。
また、透明導電性ガラス基板5として、表面にSnOからなる透明導電膜が形成されたSnO付きガラス基板(日本板硝子社製、表面抵抗:10Ω/□)を用意し、このSnO付きガラス基板上に、スクリーン印刷法により上記で得たTiOペーストを塗布した。その後、大気中、500℃で60分間焼成を行い、このSnO付きガラス基板上にTiOからなる多孔質層が形成された試験片を得た。このTiO多孔質層の厚みは12μmであった。
次いで、溶解液(過酸化水素水を含む塩基性溶液)を調製した。
水酸化カリウム(関東化学社製)が10重量%、純水が60重量%となるように、それぞれを量り、この水酸化カリウムを上記の純水に溶解させ、水酸化カリウム溶液を調製した。
次いで、過酸化水素水(関東化学社製、過酸化水素濃度:30〜35.5W/V%)を、過酸化水素水の濃度が10重量%となるように量り、この過酸化水素水を上記の水酸化カリウム溶液に加え、溶解液1を調製した。
次いで、ウォーターバスを備えた反応容器21を用意し、上記の溶液1を反応容器21に入れ、この溶液1の温度を60℃に保った。溶解液1はスターラーで攪拌し、その温度を均一にした。
次いで、溶解液1に上記の試験片を浸漬し、溶解液1の温度を60℃に保ったまま24時間放置した。その後、試験片を溶解液1より取り出し、純水で洗浄し、柔らかい紙などでかるく試験片に付着している溶解液1を拭き取った後、表面状態を目視で観察した。その評価結果を表1に示す。
この試験片では、不透明なTiO多孔質層は完全にガラス基板から溶解または剥離していることが観察された。また、処理後のガラス基板の透明性は、TiOペースト塗布前の状態と変わらず、その表面抵抗も10Ω/□であり、TiOペースト塗布前の状態と変わらなかった。
(実施例2)
実施例1の溶解液1の水酸化カリウムを水酸化ナトリウム(関東化学社製)に替えた他は、上記の溶解液1と全く同様にして、水酸化ナトリウム及び過酸化水素水を含む溶解液2を調製した。
その後、実施例1に基づいて作製した試験片を60℃に保った溶解液2中に24時間放置し、実施例1と全く同様の方法にて試験片の評価を行った。その評価結果を表1に示す。
この試験片においても、実施例1の試験片と同様に、不透明なTiO多孔質層は完全にガラス基板から溶解または剥離していることが観察された。また、処理後のガラス基板の透明性は、TiOペースト塗布前の状態と変わらず、その表面抵抗も10Ω/□であり、TiOペースト塗布前の状態と変わらなかった。
B.電極部材を電解質溶液に浸漬して電圧を印加する方法
(実施例3)
酸性の剥離液(電解質溶液)を調製した。36N硫酸(和光純薬製、特級)を純水で希釈して1molの希硫酸を調製し、剥離液1とした。
次いで、この剥離液1を反応容器31に入れ、剥離液1の温度を20℃に保った。
次いで、電源34としてポテンシオスタットを用い、実施例1に基づいて作製した試験片をポテンシオスタットの正極側に、電極33を負極側に、それぞれ接続し、試験片及び電極33を20℃に保った剥離液1に1分間浸漬した。
次いで、試験片と電極33との間に+5Vの電圧を10分間印加した。
その後、試験片を剥離液1より取り出し、純水で洗浄し、柔らかい紙などでかるく試験片に付着している剥離液1を拭き取った後、表面状態を目視で観察した。その評価結果を表1に示す。
この試験片では、不透明なTiO多孔質層は完全にガラス基板から剥離していることが観察された。また、処理後のガラス基板の透明性は、TiOペースト塗布前の状態と変わらず、その表面抵抗も10Ω/□であり、TiOペースト塗布前の状態と変わらなかった。
(実施例4)
塩基性の剥離液(電解質溶液)を調製した。
水酸化ナトリウム(和光純薬製、特級)を純水に溶解して1molの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、剥離液2とした。
次いで、この剥離液2を反応容器31に入れ、剥離液2の温度を20℃に保った。
次いで、実施例1に基づいて作製した試験片をポテンシオスタットの正極側に、電極33を負極側に、それぞれ接続し、試験片及び電極33を20℃に保った剥離液2に1分間浸漬した。
次いで、試験片と電極33との間に+5Vの電圧を10分間印加し、その後、実施例3と全く同様の方法にて試験片の評価を行った。その評価結果を表1に示す。
この試験片では、不透明なTiO多孔質層は完全にガラス基板から剥離していることが観察された。また、処理後のガラス基板の透明性は、TiOペースト塗布前の状態と変わらず、その表面抵抗も10Ω/□であり、TiOペースト塗布前の状態と変わらなかった。
Figure 0004554643
本発明の第1の実施形態の酸化物半導体電極材料の除去方法を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態の酸化物半導体電極材料の除去方法を示す概略図である。 従来の色素増感型太陽電池を示す断面図である。 従来の色素増感型太陽電池のアノード電極の酸化物半導体電極の一部を示す断面図である。
符号の説明
1 アノード電極(電極部材)
2 カソード電極(対向電極)
3 セル
4 電解質
5 透明導電性ガラス基板
6 酸化物半導体電極
11 酸化物半導体微粒子
12 多孔質層
13 色素
22 塩基性溶液
32 電解質溶液
33 (第2の)電極

Claims (3)

  1. 導電性ガラス基板の一主面の少なくとも一部に酸化チタンを主成分とする多孔質層からなりかつ色素を吸着した酸化物半導体電極材料が形成されてなる電極部材から、前記酸化物半導体電極材料を除去する方法であって、
    アノード電極側に接続した前記電極部材及び第2の電極を溶液に浸漬し、これらの電極間に電圧を印加し、前記導電性ガラス基板から前記酸化物半導体電極材料を除去することを特徴とする酸化物半導体電極材料の除去方法。
  2. 前記溶液に浸漬された前記電極部材を正極とすることを特徴とする請求項1記載の酸化物半導体電極材料の除去方法。
  3. 前記溶液は、硫酸、リン酸、過塩素酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムから選択される1種または2種以上を含有してなることを特徴とする請求項1または2記載の酸化物半導体電極材料の除去方法。
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