続いて、本発明の一実施形態にかかるオーディオ装置1について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、上下の位置関係については、特に断りのない限りオーディオ装置1を通常の使用形態で設置した状態を示す。
オーディオ装置1は、浴室や台所等のように水を使用する環境下において使用することを想定したものであり、ユーザーが任意の位置に設置可能な、いわゆるポータブル型の装置である。図1に示すように、オーディオ装置1は、本体部2と脚部3とを有し、本体部の中心軸Vが鉛直方向に向くように設置した状態で使用される。図2に示すように、本体部2の内部には、制御装置12やスピーカー5、電池ボックス6等が設けられている。
本体部2は、オーディオ装置1の主要部を構成するものであり、図3や図4に示すように外観が円筒状の外装カバー7と、内蔵ケース8とを備えている。外装カバー7は、一端側が閉塞された筒状の部材であり、天面15と外周面16とを有する。外装カバー7は、透光性を有する半透明の樹脂により形成されている。外装カバー7の天面15は、オーディオ装置1の操作部として機能する部分であり、操作用のボタン17が設けられている。また、外装カバー7の下端側(開放端側)の内周面には、例えばネジのように後に詳述する脚部3の外周に設けられた連結手段41に螺合したり係合することが可能なものが設けられている。
図2等に示すように、内蔵ケース8は、ケース本体部20と、天部21と、底部22とを有する樹脂製の部材である。ケース本体部20は、図3に示すように外観形状が略円弧状の円弧部23と、図4に示すように円弧部23に連続し、天部21や底部22の径方向に拡がる壁状の背面部25とを有する。
図2に示すように、オーディオ装置1の組み立て状態において本体部2の軸線方向に沿って形成される境界面Xを想定した場合、背面部25は、この境界面Xに沿って形成されている。すなわち、ケース本体部20は、境界面Xを境として一方側の領域Bに背面部25および円弧部23によって囲まれた空間Pを有し、この内部にオーディオ装置1の電源たる電池をセット可能な電池ボックス6や制御装置12b等を内蔵している。換言すれば、内蔵ケース20は、前記した境界面Xを境として一方側の領域にのみ電池ボックス6やこれにセットされる電池、制御装置12b等を偏在させて収容可能な構成となっている。
ケース本体部20は、円弧部23および背面部25によって囲まれた空間P内に電池ボックス6や制御装置12b等を備えている。また、ケース本体部20は、円弧部23に表示装置29を備えている。表示装置29は、いわゆるセグメントディスプレイ(Segment Display)によって構成されている。本実施形態では、表示装置29として7セグメントディスプレイ(Seven-Segment Display)が採用されている。表示装置29は、いわゆる14セグメントディスプレイや、16セグメントディスプレイ、ドットマトリクス・ディスプレイ等によって構成されていてもよい。
図4に示すように、背面部25には、蓋体26が着脱自在なように設けられている。蓋体26は、ケース本体部20内に設けられた電池ボックス6に相当する位置に設けられている。そのため、ケース本体部20は、上記した境界面Xを境として領域Bとは逆側に想定される領域A側から蓋体26を取り外し、電池ボックス6に対して電池を着脱することができる。
図2や図3等に示すように、天部21は、上記したケース本体部20の上端側に設けられた、外観が円筒状の部分である。天部21は、ケース本体部20に対して上方に連続する位置にあり、上記した境界面Xを境として一方側の領域B側だけでなく、他方側の領域A側にも存在している。天部21は、天面21a、外周面21b、並びに、底面21cを有する。天部21は、天面21aや外周面21b、底面21cによって囲まれた空間Qを有する。天部21の内部空間Qは、上記したケース本体部20の内部空間Qと連通している。天部21の内部空間Qには、オーディオ装置1の制御装置12aが収容されている。
天部21の天面21aは、平面視が略円形であり、複数の開口27を備えている。各開口27には、図示しない保護シートが貼り付けられている。各開口27は、上記した外装カバー7を内蔵ケース8に装着することによって外装カバー7に設けられた各ボタン17が到来する位置にあわせて設けられている。外周面21bは、天面21aと底面21cとの間に位置し、天部21の外周を取り囲んでいる部分である。
底面21cは、天部21のうち、上記した領域Bとは反対側にある領域Aに位置する部分の底を閉塞している。底面21cは、平面視が略半円形であり、天面21aと対向する位置関係にある。底面21cは、天部21を構成する外周面21bに連続すると共に、ケース本体部20の背面部25に連続している。底面21cには、矩形の開口28が設けられている。
天部21内に収容されている制御装置12aは、オーディオ装置1を作動させるための電子部品に加え、オーディオ装置1の操作を行うための押圧式のスイッチ30や、外部メモリに接続するための接続端子31を備えている。本実施形態では、接続端子31としてUSB(Universal Serial Bus)端子を備えている。スイッチ30は、天部21の天面21aに設けられた開口27を介して操作可能とされている。また、接続端子31は、天部21の底面21cに設けられた開口28を介して、一般的にUSBメモリやUSBフラッシュメモリ、USBフラッシュドライブ等と称されるものに代表される外部メモリ33を接続することができる構成となっている。
制御装置12aは、上記した制御装置12bに電気的に接続されている。そして、制御装置12aの接続端子31に接続されたUSBメモリ等の外部メモリ33に記録されている音声データ、すなわち音声信号をデジタルデータに変換したデータは、制御装置12aに読み込まれ、制御装置12b側に伝達される。そして、制御装置12bに対して電気的に接続されたスピーカー5を介して前記した音声データが再生される。具体的には、制御装置12aは、外部メモリ33にWAV形式で記録された音声データや、MP3(MPEG Audio Layer-3)形式やAAC(Advanced Audio Coding)形式に代表される音声圧縮方式で記録された音声データを読み込み、これを制御装置12bに伝達する機能を有する。また、制御装置12bは、制御装置12a側から伝達されてきた音声データをスピーカー5を介して再生する機能を備えている。
図3等に示すように、底部22は、上記したケース本体部20の下方に連続した円筒状の円筒部24aと、フランジ部24bと、係合部24cとを有する。円筒部22aは、外径が上記した天部21よりも小さく、天部21と軸心位置が一致している。底部22は、通常の設置状態において上側となる位置にケース本体部20の背面部25よりも領域A側に張り出した部分があり、当該部分が底部天面22aによって閉塞されている。一方、底部22の下端側の部分は、フランジ部24bの中央にある底部開口24cを介して開放されている。底部22内の空間Rは、後に詳述するスピーカー5のスピーカー本体部40を嵌め込むための空間として機能すると共に、ケース本体部20の空間Pの内外を連通する部分としても機能する。
外周面22bは、領域A側の部分に周部開口22cを有する。底部22内の空間Rは、図2に示すようにケース本体部20の内部空間Pと連通している。そのため、底部22内の空間Rや、ケース本体部20内の空間Pは、外周面22bに設けられた周部開口22cを介して内蔵ケース8の外部と連通している。従って、内蔵ケース本体8内の空間P,Rは、それぞれ内蔵ケース8外の空間とほぼ同圧に維持される。
図6(b)等に示すように、底部22のフランジ部24bの下面側には係合部24cが設けられている。係合部24cは、図6(b)に示すように後に詳述する脚部3に設けられた切欠部3gに係合する部分である。フランジ部24bには、領域A側の位置であって、係合部24cに相当する位置に、フランジ部24bおよび係合部24cの厚み方向、すなわち内蔵ケース8の軸方向に伸びる通気用縦貫通孔50を有する。
本体部2を構成する内蔵ケース8の底部22に対してさらに下方側の位置には、脚部3が取り付けられている。脚部3は、本体部2をオーディオ装置1の設置面から上方に浮かせた状態で支持するための支持体としての機能だけでなく、スピーカー5取り付けるためのスピーカ設置手段としての機能や、底部22の貫通孔37に取り付けられたスピーカー5から放射される音の反射板としての機能を備えたものである。
脚部3は、スピーカー収容部3aと、脚天部3bと、脚底部3cと、立設部3dとを有する。スピーカー収容部3aは、図2や図3等に示すように円筒状である。スピーカー収容部3aの外径は、上記した本体部2のフランジ部24bの外径と略同一とされている。図3や図6(b)に示すように、スピーカー収容部3aの内側には切欠部3gが設けられている。切欠部3gは、スピーカ収容部3aの内周壁の一部を切り欠いて形成されたものである。切欠部3gは、スピーカー収容部3aの上方から下方に向かうに従ってスピーカー収容部3aの径方向外側から内側に向けて傾斜した傾斜面3hを有する。傾斜面3hの傾斜は、上記した内蔵ケース22の底部22を構成する係合部24cの下面側の傾斜と略同一とされている。
脚部3の外周には、外装カバー7の内周面に設けられたネジ(図示せず)等と螺合したり係合したりすることが可能なネジや溝、突起等であって、外装カバー7と脚部3とを連結するための連結手段41が形成されている。また、図5に示すように、スピーカー収容部3aの外周には、全周にわたって突出した突出部43aを有する。突出部43aの外径は、上記した外装カバー7の内径と略同一とされている。また、突出部43aには、スピーカー収容部3aの全周を取り囲むように設けられた溝43bを有する。溝43bには、Oリング45が装着されている。
スピーカー収容部3aにはスピーカー5が収容されている。スピーカー5は、上記した制御装置12bに対して電気的に接続されている。スピーカー5は、制御装置12bからの電気信号を受けて、振動板38から放射される音を下方に向けて放射可能なように取り付けられている。すなわち、スピーカー5は、図2や図3に示すように、振動板38が下方を向き、スピーカー5を構成する図示しないコイルや磁石を内蔵したスピーカー本体部40が上方を向く姿勢とされ、スピーカ収容部3aの内部に上方から挿入され、収容されている。
脚天部3bは、平面視が略環状で、その外径が上記したスピーカー収容部3aの外径よりもやや大きな平板状の部分であり、その略中央部に貫通孔3eを有する。貫通孔3eの開口径は、上記したスピーカー収容部3aの開口径よりもやや小さい。そのため、スピーカ収容部3aに収容されているスピーカー5は、脚天部3bによって振動板38の外周部分が支持された状態となっている。
スピーカー収容部3aおよび脚天部3bには、通気用縦貫通孔51および通気用横貫通孔52が設けられている。通気用縦貫通孔51は、上下方向に貫通した貫通孔である。通気用縦貫通孔51は、一方側の端部が脚天部3bに開口しており、他方側の端部が切欠部3gの傾斜面3hに開口している。
図6(d)に示すように、通気用縦貫通孔51は、拡径部51aを有する。拡径部51aは、通気用縦貫通孔51において傾斜面3hの近傍から傾斜面3hの開口に至る部分に設けられている。拡径部51aは、通気用縦貫通孔51を本体部2の外側から内側に流れる空気等の流れ方向を想定した場合に、当該空気等の流れ方向上流側から下流側に向けて通気用縦貫通孔51の内径、すなわち流路断面積が徐々に拡がった部分である。拡径部51aの流路断面積は、前記した空気等の流れ方向上流側における通気用縦貫通孔51の流路断面積よりも大きい。すなわち、拡径部51aの流路断面積は、通気用縦貫通孔51の脚天部3b側の開口面積よりも大きくなっている。よって、通気用縦貫通孔51は、傾斜面3h側の開口面積が脚天部3b側の開口面積よりも大きくなっている。
また、通気用横穴52は、スピーカー収容部3aと脚天部3bとの境界部分近傍、具体的には図6(c)に示すように、上記した突出部43aであって溝43bに対して下方側に外れた部分に開口領域の一部がさしかかるように設けられている。通気用横穴52は、スピーカー収容部3aの径方向に伸びており、上記した通気用縦貫通孔51と連通している。
スピーカー収容部3aの内周面に設けられた切欠部3gの傾斜面3hには、通気用縦貫通孔51の開口を閉塞するように通気膜57(膜体)が貼り付けられている。通気膜57は、空気の通過を許容するが、水の通過を許容しない特性を有するものである。そのため、通気用縦貫通孔51は、仮に脚天部3bの下面側の開口部分から湯水が浸入してきても、通気膜57によって水の移動が阻止され、スピーカー収容部3a側の開口部分から上方に向けて抜けることができない。
スピーカー収容部3aは、切欠部3gの傾斜面3hが通気用縦貫通孔51の延伸方向に対して傾斜している。一方、通気用縦貫通孔51は、筒状であるスピーカー収容部3aの軸線方向に沿って直線的に延伸している。そのため、通気用縦貫通孔51は、スピーカー収容部3aの傾斜面3h側の開口面積が、脚天部3bの下面側の開口面積よりも大きくなっている。
さらに、傾斜面3hは、拡径部51aの末端、すなわち通気用貫通孔51を本体部2の外側から内側に流れる空気等の流れ方向に流れる空気等の流れ方向下流側の位置にある。そのため、通気用縦貫通孔51は、傾斜面3h側における内径(流路断面積)が、これよりも前記した空気等の流れ方向上流側の内径(流路断面積)および脚天部3bにおける開口径(開口面積)よりも大きくなっている。よって、通気用縦貫通孔51の傾斜面3h側の開口面積は、単に傾斜面3hを設けて開口面積を拡大した場合に比べ、拡径部51を設けた分だけさらに拡大されている。従って、通気膜57は、脚天部3bの下面側の開口部分に貼り付けたり、通気用縦貫通孔51に対して略垂直に横切るように取り付けた場合に比べて、通気用縦貫通孔51を横切る面積(横断面積)が大きい。
一方、通気用横穴52は、スピーカー収容部3aの外周面に開口している。具体的には、スピーカー収容部3aの外周面に形成された通気用横穴52の開口のうち、図6(c)において上側の部分は、突出部43aに形成されており、下側の部分は突出部43aよりもスピーカ収容部3aの径方向内側に位置している。すなわち、通気用横穴52の開口部分は、その上側の部分と下側の部分とが段違いになっており、スピーカー収容部3aの外側から見た状態において、下側の部分が上側の部分にくらべて奥側(スピーカ収容部3aの径方向内側)に位置した状態になっている。
脚底部3cは、平面視が略円形の板体の略中央部に外観が略山形の円錐部3fを有する形状とされている。円錐部3fは、その頂部が貫通孔3eの中央を通る中心軸上に位置するように略全周にわたって同一の傾斜で傾斜している。立設部3dは、脚天部3bと脚底部3cを繋ぐように両者の間に立設された部分であり、脚部3の周方向に2つ、互いに180度ずれた位置に設けられている。脚部3は、立設部3dが設けられた位置を除く脚底部3cの外周部分において、脚天部3bと脚底部3cとの間の空間が脚部3の周方向外側に向けて開放された状態となっている。
図2や図6(b)に示すように、脚部3は、スピーカー収容部3aにスピーカー5を収容した状態において、上記した内蔵ケース8の下端部に設けられたフランジ部24bをスピーカー収容部3aに対して上方から突き合わせると共に、フランジ部24bの下側に設けられた係合部24cをスピーカー収容部3aに設けられた切欠部3gに係合させ、フランジ部24bとスピーカー収容部3aとをネジ止めすることにより一体化されている。具体的には、上記したように、係合部24cの下面側、並びに、スピーカー収容部3aの切欠部3gを構成する傾斜面3hは共に傾斜しており、両者の傾斜は共に同程度とされている。そのため、内蔵ケース8と脚部3とを一体化する場合は、図6(b)に示すように係合部24cの下面側と傾斜面3hとがほぼ平行に対向した状態になり、両者の間に通気膜57が挟まれた状態になる。また、これにより、通気用縦貫通孔50,51が通気膜57を介して上下方向に連続した状態になる。
上記したようにして内蔵ケース8と脚部3とを一体化することにより、通気用縦貫通孔50,51および通気用横穴52によって通気路55が形成される。すなわち、本体部2と脚部3とを一体化した状態において、本体部2を縦断する境界面Xを境として形成される領域A側に通気路55が形成されると共に、領域B側に本体部2の主要部をなすケース本体部20が形成される。
ここで、上記したように、脚部3側に設けられた通気用縦貫通孔51は、スピーカー収容部3aの内周面3g側の開口部分に通気膜57が取り付けられた構成となっている。そのため、内蔵ケース8と脚部3とを一体化すると、通常の設置状態において上下方向に直線状に伸びる通気路55の中途に、当該通気路55の延伸方向に対して交差するように通気膜57が設けられた状態となる。
図6(b)等に示すように、通気膜57は、通気用縦貫通孔50,51によって構成される一連の通路(以下、主通気路55aとも称す)に合流するように設けられた通気用横穴52(以下、従通気路55bとも称す)よりも本体筒2の内側に近い位置に存在している。すなわち、本体部2の外側を通気路55における空気や水の流れ方向上流側、本体部2の内側を下流側と規定した場合、通気用横穴52によって構成される従通気路55bは、通気用縦貫通孔50,51によって構成される主通気路55aの中途に設けられた通気膜57に対して上流側において主通気路55aと連通している。
また、本体部2の底部22と脚部3とを一体化すると、本体部2側に取り付けられたスピーカー5の振動板35が脚天部3bに設けられた貫通孔3eを介して脚底部3cに設けられた円錐部3fに対向した状態になる。そのため、スピーカー5から放射された音は、脚底部3cに設けられた円錐部3fに当たって反射し、脚部3の側方に設けられた開放部分から外側に向けて拡がることとなる。
本実施形態のオーディオ装置1は、上記したようにして本体部2と脚部3とを一体化すると共に、本体部2の上方から外装カバー7を被せて外装カバー7を周方向に回転させ、外装カバー7の内側に形成されたネジ(図示せず)と脚部3に設けられた連結手段41とを螺合させることにより形成される。オーディオ装置1は、外装カバー7を装着した状態において、外装カバー7の内周面が脚部3を構成するスピーカ収容部3aの外周に設けられた突出部43aに面接触すると共に、溝43bに設けられたOリング45によってシールされた状態になる。
図6(b)に示すように、オーディオ装置1は、外装カバー7を装着した状態において、外装カバー7の下端部と脚部3の脚天部3bとの間に若干の隙間60が形成される。また、上記したように、脚部3の外周面に設けられた通気用横穴52は、開口部分が段違いになっており、脚部3を外側から観察した状態において突出部43aよりも下側の部分が上側の部分よりも奥側、すなわち脚部3の径方向内側に位置している。そのため、外装カバー7を装着した状態において、通気用横穴52の開口の一部、すなわち開口のうち下側の部分は外装カバー7から離れている。さらに、通気用横穴52は、隙間60が形成された部分よりもやや上方に開口している。そのため、オーディオ装置1は、図6(b)や図6(d)に矢印で示すように、隙間60から通気用横穴52に至る空気が通過可能な通気領域65を有する。また、通気領域65は、図6(b)や図6(d)に矢印で示すように、隙間60から内側に向かって流入する空気を一旦上方に立ち上げた後、通気用横穴52に案内可能な形状とされている。
また、オーディオ装置1は、外装カバー7を内蔵ケース8に対して装着して組み立てた状態において、外装カバー7の天面7aに設けられた各ボタン7cが、内蔵ケース8の天面21aに設けられた各開口27に相当する位置に到来する。そのため、オーディオ装置1は、各ボタン7cを押圧することにより、内蔵ケース8の開口27を介して、内蔵ケース8の内側にある制御装置12aに設けられた各スイッチ30を操作することができる。さらに、オーディオ装置1は、外装カバー7を装着した状態において、内蔵ケース8を構成するケース本体部20の円弧部23に設けられた表示装置29を透光性を有する外装カバー7の外周面7bから視認することができる。
続いて、オーディオ装置1の通常の使用形態および通常の使用形態における動作について説明する。オーディオ装置1は、浴室や台所等のような湯水を使用する環境下や野外において好適に使用可能なものであり、ユーザーの希望に応じて任意の場所に持ち運んで設置して使用することができる。オーディオ装置1は、内蔵ケース8の内側にある電池ボックス6に電池をセットすることにより使用される。すなわち、オーディオ装置1は、電池ボックス6にセットされた電池を電源として作動する構成とされている。また、オーディオ装置1は、内蔵ケース8に設けられた接続端子31に、音楽データを記録したUSBメモリ等の外部メモリ33を接続した状態で使用される。
オーディオ装置1は、浴室や台所等に設けられた棚や台からなる設置面上に、図1に示すように脚部3が下方を向き、本体部2が立設した状態として設置される。これにより、オーディオ装置1は、本体部2の底面をなす部分、すなわち脚部3の脚天部3bが設置面から上方に離れた状態となる。また、脚天部3bに設けられた通気路55の通気用縦貫通孔51は、下方に向けて開口した状態となる。
オーディオ装置1は、上記した境界面Xを境として領域B側にケース本体部20が存在している。そのため、ユーザーがケース本体部20に設けられた表示装置20を視認可能な状態となるようにオーディオ装置1を設置すると、領域Aがユーザー側とは反対側に位置した状態になる。すなわち、ユーザーに対して正面側に表示装置20が位置し、その背面側に領域Aが位置する状態になる。そのため、オーディオ装置1は、ユーザーが表示装置20を視認可能なように設置すると、領域Aに設けられた通気路55がユーザーから見て背面側に位置することとなる。
オーディオ装置1は、上記したようにして設置した状態において、外装カバー7の天面7aに設けられたボタン7cを押圧することにより、制御装置12aを操作することができる。そして、ボタン7cを用いて所定の操作を行うことにより、外部メモリー33に記録されている音声データを本体部2の底側に設けられたスピーカー5を介して再生させることができる。スピーカー5から放射される音声は、脚部3の脚底部3cやこれに設けられた円錐部3fに当たって反射し、オーディオ装置1の外側に向けて放出される。
上記したようにして設置した状態において、オーディオ装置1は、その設置雰囲気の温度等によらず、本体部2の内外が略同圧となる。すなわち、上記したように、オーディオ装置1は、本体部2の底側を閉塞している脚部3の脚天部3bに、通気路55を構成する通気用縦貫通孔51が開口しており、これを介して本体部2の内外が設置状態を基準として上下方向に連通している。また、通気路55を構成する通気用横穴52は、脚部3を構成する脚天部3bの外周面に開口しており、通気用縦貫通孔50,51が連通して形成される上下方向に伸びる通路に連通している。さらに、通気用横穴52は、図6(b)などに示すように、脚天部3bと外装カバー7の間に形成された隙間60や通気領域65を介してオーディオ装置1の外部と連通している。そのため、オーディオ装置1は、通気路55を介して本体部2が通気可能な状態となっている。従って、オーディオ装置1は、浴室のように室温の変化の大きい雰囲気下に設置されても、本体部2の内外が略同圧に維持される。よって、オーディオ装置1は、浴室のように室温の変化の大きい雰囲気下で使用されても、スピーカー5が動作不良を起こしたり、スピーカー5が故障するといったような不具合が起こりにくい。
上記したように、通気路55aにおいて、通気用縦貫通孔50,51によって構成される主通気路55aの中途に、空気の通過を許容し、水分の通過を許容しない通気膜57が設けられている。また、通気路55を構成する主通気路55aは、通常の設置状態において下方に向けて開口している。そのため、オーディオ装置1は、浴室内のように湯水がかかるような環境下で使用されたとしても、主通気路55aを介して本体部2内に湯水が浸入しにくい。
また、オーディオ装置1は、従通気路55bの開口がオーディオ装置1の組み立て状態において外装カバー7の内側に位置している。さらに、オーディオ装置1は、外装カバー7と脚部3の脚天部3bとの間に形成された隙間60から通気領域65を介して従通気路55bの開口に至る流路を有し、これが当該流路を介して外部から流入する空気等の流れが中途において上方に立ち上がる構成とされている。そのため、仮に隙間60を介して湯水が流入してきたとしても、これが通気領域65を通る間に水分が自重によって落下する可能性があり、従通気路55bを構成する通気用横穴52内に水分が浸入する可能性を最小限に抑制することができる。
また、通気用横穴52は、オーディオ装置1を通常の姿勢で設置した場合に、隙間60が設けられている部分よりも高い位置に開口している。そのため、仮に隙間60に湯水が浸入してきても、これが直接通気用横穴52に流入する可能性が低い。さらに、通気用横穴52は、主通気路55の中途に設けられた通気膜57に対して、主通気路55を介して外部から導入される空気等の流れ方向上流側において主通気路55aと合流している。そのため、万が一、従通気路55bを構成する通気用横穴52に湯水が浸入するようなことがあっても、これが本体部2内に浸入することはない。
上記したように、通気路55は、通常の設置状態において上下方向に伸びる主通気路55aと、これに対して交差する方向に伸びる従通気路55bとを有し、両者が合流している。そのため、オーディオ装置1では、仮に主通気路55a内において水膜が形成される等しても、従通気路55bを介して外部から導入された空気によって前記水膜を解消したり、従通気路55bを介して導入された空気を本体部2の内側に導入することができる。よって、オーディオ装置1は、本体部2に対してスムーズに空気が出入り可能である。従って、オーディオ装置1は、温度変化の大きな浴室等に設置されても本体部2の内外を略同圧に維持し、スピーカ5等の動作不良や故障等を防止することができる。
また、上記したように、オーディオ装置1は、主通気路55aと従通気路55bとが連通していると共に、主通気路55aおよび従通気路55bの双方が外部から空気を取り入れ可能である。そのため、オーディオ装置1では、通気路55内において主通気路55aを流れる空気と従通気路55bを流れる空気とが両者(55a,55b)の合流点において衝突し、乱流状態になる。また、主通気路55aと従通気路55bとの合流点は、通気膜57よりも空気等の流れ方向上流側であって、通気膜57に近い位置にある。そのため、オーディオ装置1では、通気膜57が乱流状態にある空気にさらされることとなる。従って、オーディオ装置1は、仮に通気膜57の表面を覆うように水膜が形成されていたり、通気路55の中途に流路を横断するように水膜が張っていたとしても、この水膜は上記したようにして乱流状態になった空気によってさらされることによって解消される可能性が高い。よって、オーディオ装置1では、水膜が張る等して通気路55を空気が往来できなくなったり、これに伴って本体部2の内外の圧力差が発生して動作上の不具合が起こる可能性が低い。
オーディオ装置1は、上記したようにして浴室や台所、野外等の設置面上に脚部3を下方に向けた姿勢で設置して使用される。しかし、オーディオ装置1は、浴室内に設置されるリモコン装置等のように設置面に対して固定して使用されるいわゆる据え付け型の機器ではなく、ユーザーが所望の位置に設置して使用することができる、いわゆる携帯型(ポータブル)の装置である。そのため、オーディオ装置1は、ユーザーの体や物が当たったり設置面が揺れる等すると、設置面上において転倒したり設置面から落下し、浴槽や流し(シンク)等のような湯水が溜められた場所に落下する可能性がある。この場合、オーディオ装置1が水没したり、オーディオ装置1に設けられた通気路55内に湯水が浸入して水膜が形成されて本体部2に対して空気が行き来できない状態になると、スピーカー5から旨く音声が放射されなくなったり、スピーカー5が故障する等の不具合が起こる可能性がある。
そこで、かかる事態を想定し、図7(a),(b)に示すように、本実施形態のオーディオ装置1は、水面Mに対して落下した際であっても、脚天部3bに設けられた主通気路55aを構成する通気用縦貫通孔51の開口や、従通気路55bを構成する通気用横穴の開口が水面Mよりも上方に位置する姿勢で水面Mに浮く構成とされている。さらに詳細に説明すると、上記したように、本実施形態のオーディオ装置1は、境界面Xを境として区画される一方側の領域Bに電池ボックス6があり、これに電池をセットした状態で使用される。また、オーディオ装置1を構成する制御装置12aの主要部や、制御装置12b、表示装置29についても領域B側に存在している。
一方、オーディオ装置1は、外装カバー7の内側の空間であって、前記した領域Bとは逆側に位置する領域Aに相当する部分がほぼ空洞となっている。また、本実施形態のオーディオ装置1では、本体部2の底側にスピーカー5が設けられている。そのため、オーディオ装置1は、その重量バランス(重心)が領域B側であって本体部2の底側に偏っている。
オーディオ装置1は、上記したような領域A側にある空洞をはじめとして、領域B側にも空間が存在する。そのため、図7に示すように、オーディオ装置1は、湯水が張られた浴槽等の水面Mに落下したとしても水没せず、水面Mに浮く。また、オーディオ装置1は、重心が領域B側に偏在しているため、領域A側が領域B側に対して上方に向いた姿勢で水面Mに浮いた状態になる。そのため、脚天面3bに設けられた通気路55の通気用縦貫通孔51の開口や、脚部3に設けられた通気用横穴52の開口は、オーディオ装置1が水面Mに向けて落下しても常に水面Mよりも上方に位置している。従って、オーディオ装置1は、水面Mに向けて浮かんだ状態において、通気用縦貫通孔51や通気用横穴52の開口から湯水が浸入する可能性が低い。
また、オーディオ装置1は、重心が本体部2の底側に偏っているため、本体部2の天面側に対して底側がやや低くなるように傾斜した姿勢になる。そのため、図7(b)に示すように、オーディオ装置1が水面Mに浮かんだ状態において主通気路55aは、本体部2の内側から外側に向かうに従って下方に傾斜した状態になる。
さらに、通気用横穴52は、鉛直方向よりもやや傾いた状態で、上下方向に連通した状態になる。そのため、オーディオ装置1は、仮に落下時の衝撃等により水面Mが波打つことによる影響等により、通気用縦貫通孔51や通気用横穴52内に湯水が浸入するようなことがあっても、この湯水は主通気路55aや従通気路55bの傾きに沿って本体部2の外側に向けて流れ、排出されることとなる。従って、オーディオ装置1は、水面Mに向けて落下した際に、仮に何らかの理由で通気用縦貫通孔51や通気用横穴52の開口から湯水が浸入したとしてもこれが直ちに外側に向けて流出し、通気路55内に湯水が残存したり、通気路55内に水膜が形成されて本体部2に対して空気が行き来できない状態になるといった不具合が起こりにくい。
また、オーディオ装置1は、水面Mに向けて落下した場合であっても、これを拾い上げて通常の使用形態で使用する際に、通気路55を介して本体部2の内外を空気がスムーズに行き来できるため、本体部2の内外の圧力がほぼ同圧に維持され、スピーカー5が動作不良を起こしたり、スピーカー5が故障する等の不具合も起こりにくい。
上記実施形態のオーディオ装置1は、水面Mに浮揚した状態において通気路55を構成する主通気路55a(通気用縦貫通孔50,51)が、本体部の内側から外側に向けて斜め下向きに向くものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば主通気路55aが水面Mに対して水平になるものであってもよい。
水面Mにオーディオ装置1が浮かんだ状態において、主通気路55aや従通気路55bの向きが上記したようになる場合についても、上記実施形態で例示した場合と同様に、オーディオ装置1が水面Mに向けて落下しても湯水が通気路55内に浸入しにくく、仮に少量の湯水が通気路55に浸入したとしても、この湯水が通気路55内に溜まってしまったり、通気路55内に気体(空気)の往来を阻害するような水膜が形成されるのを防止することができる。
上記実施形態で示したオーディオ装置1は、電池を収容した電池ボックス6や制御装置12b、表示装置29等を領域B側に偏在させると共に、本体部2を構成する内蔵ケース8の天部21に収容されている制御装置12aよりも重量のあるスピーカー5を本体部2の底側に設け、重心が領域B側であって、本体部2の底側の位置に存在するように各部材を配置したものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばスピーカー5や電池ボックス6等の位置等を適宜調整することにより、本体部2の天面側と底側とで重量バランスを略均一化した構成としてもよい。
上記実施形態で示したオーディオ装置1は、通常の使用形態において、筒状体からなる本体部2の中心軸が鉛直方向に向き、脚部3が下方に向く姿勢とされ、脚部3を設置面上に配置して使用される。この状態において、通気路55を構成する主通気路55aの開口は、本体部2の底をなす脚部3の脚天部3bに開口している。そのため、オーディオ装置1は、例えば浴室に設置された状態において上方からシャワーが浴びせられる等しても通気路55内に湯水が浸入したり、通気路55内に水膜が形成される可能性が低い。
また、オーディオ装置1は、本体部2の底をなすと共に、脚部3のスピーカー収容部3aに収容されたスピーカー5の周縁部に位置し、スピーカー5の支持体としても機能する脚天部3bに通気路55を構成する主通気路55aが開口している。すなわち、本実施形態では、スピーカー5を支持するために設けられた環状の脚天部3bに主通気路55aを構成する通気用縦貫通孔51を形成しており、脚部3に設けられたスペースを最大限有効利用している。そのため、上記した構成によれば、オーディオ装置1をコンパクトにしつつ、大きな振動板38を持つスピーカー5を採用する等できる。
上記したオーディオ装置1は、本体部2が筒状であり、この底側に設けられたスピーカー5の振動板38が本体部2の下方に向けて音を放射可能な構成とされている。そして、オーディオ装置1は、脚部3を下方に向けて所定の設置面上に設置した状態において、本体部2の底をなす脚天部3aが設置面から離れた位置に存在することとなる。そのため、オーディオ装置1は、通常の使用形態において仮に本体部2が湯水によって濡れたとしても、スピーカー5が湯水で濡れたり、故障する可能性が低い。
上記した実施形態では、スピーカー5として、振動板38の形状によりコーン型に分類されるものを採用した例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ドーム形の振動板を使ったドーム型スピーカーや平面型、ベンディングウェーブ型等に分類されるものであってもよい。また、スピーカー5は、変換方式による分類によりダイナミック型に分類されるものや、マグネティック型、コンデンサ型(静電型)、圧電型等、従来公知のものから適宜選択することができる。スピーカー5は、振動の放射方式による分類や再生帯域による分類においても適宜のものを選択することができる。
上記実施形態で示したオーディオ装置1は、通気路55を構成する主通気路55aの中途に通気膜57を設け、これを主通気路55aの延伸方向に対して傾斜するように取り付けることにより、主通気路55aを流れる空気等にさらされる領域を大きくとる構成としている。そのため、オーディオ装置1は、外部に対する主通気路55aの開口径、すなわち脚部3を構成する脚天部3b側の開口径を最小限に抑制しつつ、本体部2に対して空気がスムーズに出入りすることができる。また、これにより、浴室等のように温度変化の大きい環境下で使用されても、スピーカー5が動作不良を起こしたり、故障する等の不具合の発生を最小限に抑制することができる。
また、上記したように通気膜57を傾斜するように設けることにより、オーディオ装置1全体の大型化を図ることなく、通気膜57の大きさを大きくとることができる。そのため、通気膜57の糊代を大きくとり、通気膜57をしっかりと取り付けることができると共に、オーディオ装置1の製造上の作業性も向上する。
また、オーディオ装置1は、主通気路55aの中途をなす通気用縦貫通孔51の傾斜面3h側の開口近傍に拡径部51aを設け、これに通気膜57を取り付けた構成であったが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、拡径部51aを持たない構成としたり、主通気路55aの本体部2側の開口の近傍、すなわち通気用縦貫通孔50の中途や通気用縦貫通孔50の開口近傍に拡径部51aを設け、当該拡径部51aに通気膜57を取り付けた構成としてもよい。
また、上記実施形態では、拡径部51aの末端部分、すなわち主通気路55aを流れる空気等の流れ方向下流側に位置する傾斜面3h側の開口部分に通気膜57を取り付けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、拡径部51aにおいて空気等の流れ方向中途に相当する位置に通気膜57を主通気路55aの延伸方向に対して斜めに取り付けた構成としてもよい。かかる構成とした場合についても、拡径部51aを設けない構成としたり、拡径部51aよりも空気等の流れ方向上流側の部分に通気膜57を取り付けた場合に比べて通気膜57が主通気路55aを流れる空気等にさらされる領域を大きくとることができる。
また、上記したように拡径部51aを設けたり、傾斜面3hを設けて通気膜57が主通気路55aを流れる空気等にさらされる領域を大きく確保することとすれば、主通気路55aに対して外部から空気等が入ってくるための入口として機能する開口、すなわち脚天部3bに設けられた開口を必要最小限に抑制することができる。そのため、上記したような構成とすれば、通気路55内に外部から湯水の浸入を最小限に抑制すると共に、通気路55を遮断するように水膜が形成されたり、これに伴ってスピーカー5の動作不良や故障が起こるといったような不具合の発生を抑制することができる。また、主通気路55aの開口径を最小限に抑制することにより、通気路55内に異物が入ったり、異物によって通気膜57が破損する等の不具合の発生も防止することができる。
上記実施形態では、主通気路55aの中途に拡径部51aを設け、これに通気膜57を取り付けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、拡径部51aを設けない構成としてもよい。かかる構成とした場合についても、本体部2に対して十分通気可能な状態とすることができ、スピーカー5の不具合や故障等を抑制することができる。
上記実施形態において、通気膜57は、主通気路55の中途に設けたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、従通気路55bの中途や主通気路55aと従通気路55bとの境界部分等に通気膜57に相当するものを設けた構成としてもよい。また、通気膜57は、通気路55の複数箇所に設けられていてもよい。
上記したオーディオ装置1において想定した境界面Xは、オーディオ装置1のほぼ中心を通り本体部2を縦断するものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、境界面Xは、本体部2を横断するものであったり、本体部2の軸線に対して斜めに横切る(通る)ものであってもよい。かかる構成とした場合についても、上記したオーディオ装置1で説明したのと同様に、境界面Xで区画される一方の領域に重心があり、他方の領域に通気路55が開口すると共に、水面Mに浮揚した状態において通気路55の開口が水面Mよりも上に位置し、通気路55が水平となったり、本体部2の内側から外側に向けて下方に向けて傾斜した構成とすることができる。かかる構成とした場合についても、通気路55内に湯水が溜まったり、通気路55内に水膜が形成される等して、スピーカー35が故障したり、正常に動作しなくなるのを防止することができる。
上記したオーディオ装置1は、本体部2の外観が略円筒状のものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、オーディオ装置1は、例えば断面形状が正方形や矩形、多角形の筒等であってもよい。
上記実施形態のオーディオ装置1は、外部メモリ33としていわゆるUSBメモリを採用した例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばSDメモリーカード(Secure Digital memory card)やハードディスク等、適宜のものを採用することができる。また、オーディオ装置1は、外部の通信網や装置と有線あるいは無線で接続可能な構成とし、外部の通信網や装置から送信されてきた音声データをスピーカー5を介して再生できるものであってもよい。また、オーディオ装置1は、音声データだけでなく、表示装置29を介して動画データや静止画データを表示(再生)可能なものであってもよい。
オーディオ装置1は、制御装置12aに接続された外部メモリ33から読み込まれた音声データを適宜再生可能なものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、オーディオ装置1は、ラジオチューナーやテレビチューナーを備えており当該チューナーで受信したラジオ放送やテレビ放送を視聴可能なものであったり、従来公知のカセットテープやCD(Compact Disc)、MD(Mini Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)から音声データや画像データを読み込み、これをスピーカー35や表示装置29により再生可能なものであってもよい。
上記実施形態で示したオーディオ装置1は、水面に向けて落下した際に通気路55内に湯水が浸入し、これが原因となってスピーカー5の動作不良や故障等が起こるのを防止すべく、境界面Xで区分される領域B側に重心がくるように各構成部材を配し、これとは反対側の領域A側に通気路55の開口が来るようにした構成であったが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、オーディオ装置1は、水面への落下時の故障や動作不良を考慮すれば、通気路55の配置や重心の位置等を調整することが望ましいが、本発明のオーディオ装置は必ずしもこのような構成とする必要はない。