JP4892518B2 - 車両用外界認識装置、および、車両システム - Google Patents
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Description
よって、特許文献1に記載されているような縦速度ベクトルによる衝突判定の精度が低下し、プリクラッシュ・セーフティ・システムなどの安全システムが有効に作動しない可能性がある。
特許文献2に記載されているようなレーダで検知した物体を画像処理によって個体識別するシステムにおいては、データ通信や処理時間などの遅れを考慮して、画像処理領域を設定する。
しかし、所定の領域内で近接している複数の物体をレーダで1つの物体群として検知している場合には、画像処理領域が不足して(画像処理領域の外に撮影された物体がはみ出して)、カメラでの個体識別が困難となる場合がある。
また、|Vb|>|Va|のとき、|Vb|>|Vx|となることから、左端の物体Bに対しても領域の不足分が発生する。
前記車両用外界認識装置が、レーダと、レーダ物体検知部と、幅変化量計算部と、両端横速度計算部と、衝突判定部と、衝突回避制御部と、を有し、
前記レーダ物体検知部が、前記レーダで検知した物体群の情報を取得すると、取得した物体群の情報について、車両位置を原点とし、車両の車幅方向をX軸とし、車両の進行方向をY軸とする相対座標系に変換し、取得した物体群の相対座標系における位置と、速度と、幅と、を計算し、
前記幅変化量計算部が、前記レーダ物体検知部により計算される物体群の幅の変化量を示す幅変化量を計算し、
前記両端横速度計算部が、前記レーダ物体検知部により計算される物体群の速度と、前記幅変化量計算部により計算される物体群の幅変化量と、に応じて物体群の左右両端のX軸における横速度を計算し、
前記衝突判定部が、物体群の左端位置、中心位置、右端位置それぞれについて、前記両端横速度計算部で計算される各位置における各横速度をもとに、相対座標系における物体群の移動軌跡を計算し、その移動軌跡が相対座標系における原点に近づくほど各位置における危険度が高いものとして、各位置における危険度を計算し、
前記衝突回避制御部が、前記衝突判定部により計算される物体群の各位置における危険度のうち、少なくとも1つの位置における危険度が所定しきい値を超えるときに、その危険度に対応する物体群に関する衝突回避制御を実行すること、を特徴とする。
その他の手段は、後記する。
添字[i]は、レーダ装置が計測する物体群ごとに割り当てられたID(i番目の物体群)を示す。レーダ装置はレーダ波(電波)を放射してその反射により物体群を認識する。しかし、同じ近傍に複数の物体が隣接して存在するときには、その反射からは、それらの複数の物体をひとまとまりの物体群として認識される。物体群は、1つ以上の物体が互いに近傍に位置することで構成される。
添字[j]は、カメラの撮影画像から個体識別された物体ごとに割り当てられたID(j番目の物体)を示す。1つの物体群の中に1つ以上の物体が位置するため、iとjとの個数は異なることもある。
添字[k]は、レーダの取得情報およびカメラの取得情報を統合化した情報から認識された物体ごとに割り当てられたID(k番目の物体)を示す。
分類「レーダ」は、レーダ装置の計測結果として取得できるパラメータを示す。「θ、w」の単位は、例えば、[rad]である。
分類「位置」のパラメータ名称の命名について、先頭文字はP(Position)を示し、第2文字は相対座標系(X,Y)の軸を示す。第3文字は情報種別を示す。
なお、情報種別とは、そのパラメータを計算するために使用した情報を、どの機器から取得したかを示す。具体的には、情報種別は、レーダの検知情報から計算される「R(Rader)」、カメラの撮影情報から計算される「C(Camera)」、レーダおよびカメラの取得情報を統合化した「I(Integral)」のいずれかである。
分類「幅」のパラメータ名称の命名について、先頭文字はW(Width)またはDW(Difference Width)を示し、最後文字は情報種別を示す。
分類「速度」のパラメータ名称の命名について、先頭文字はV(速度を示すために慣用される)を示し、第2文字は相対座標系(X,Y)の軸を示し、第3文字は情報種別を示す。
分類「危険度」は、認識対象と自車との間の衝突の可能性を示すパラメータである。この数値が高いほど、衝突の可能性が高くなる。
分類「危険度」のパラメータ名称の命名について、先頭文字はCR(Crash Risk)を示し、第3文字は情報種別を示す。また、「c」から始まるパラメータは、しきい値を示す。
分類「衝突予測時間」のパラメータ名称の命名について、先頭文字はCT(Crash Time)を示し、第3文字は情報種別を示す。
車両用外界認識装置100は、演算処理を行う際に用いられる記憶手段としてのメモリと、前記演算処理を行う演算処理装置(制御部)とを少なくとも備えるコンピュータとして構成される。なお、メモリは、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。演算処理は、CPU(Central Processing Unit)によって構成される演算処理装置が、メモリ上のプログラムを実行することで、実現される。
なお、レーダ11aは、車両用外界認識装置100の内部に有する代わりに、車両用外界認識装置100の外部に設置されているものがあれば、そのレーダからの出力信号を入力することとしてもよい。
レーダ物体検知部1aは、レーダ11aで検知した物体群の情報を取得し、物体群の位置(PXR[i],PYR[i])と、物体群の速度(VXR[i],VYR[i])と、物体群の幅WDR[i]と、を計算する(詳細は図2参照)。
両端横速度計算部3は、レーダ物体検知部1aにより得られた速度VXR[i]と、幅変化量計算部2により計算した幅変化量DWDR[i]と、に応じて物体群の両端の横速度(左端はVXRleft[i]、右端はVXRright[i])を計算する(詳細は図3参照)。
なお、カメラ11bは、車両用外界認識装置100の内部に有する代わりに、車両用外界認識装置100の外部に設置されているものがあれば、そのカメラからの出力映像を入力することとしてもよい。
カメラ物体識別部1bは、衝突判定部4により危険度が高いと判定された物体群に対して、カメラ11bで撮像した自車前方の画像を用いて物体群の情報を個体識別する(詳細は図6〜図8参照)。個体識別の結果として、物体群を構成する各物体の位置(PXC[j],PYC[j])と、各物体の速度(VXC[j],VYC[j])と、各物体の幅(幅WDC[j])と、が計算される。
なお、カメラ物体識別部1bは、レーダ物体検知部1aにより得られた物体群の情報と、両端横速度計算部3により計算した物体群の両端の横速度と、に応じて画像処理の領域幅WPC[j]を決定してもよい(詳細は図7参照)。
衝突判定部4は、統合化物体認識部1cにより得られた物体群の情報と、両端横速度計算部3により計算した物体群の両端の横速度と、に応じて、物体群と自車との衝突可能性を判定する(詳細は図10参照)。
衝突回避制御部5は、衝突判定部4により衝突の可能性が高いと判定されたときに、その衝突を回避するための車両制御を実行する(詳細は図10参照)。
PXR[i]=d[i]・sinθ[i]
PYR[i]=d[i]・cosθ[i]
VXR[i]=(PXR[i]−PXRbefore[i])/Ts
VYR[i]=(PYR[i]−PYRbefore[i])/Ts
WDR[i]=2・d[i]・tan(w[i]/2)
なお、位置(PXRbefore[i],PYRbefore[i])は、位置(PXR[i],PYR[i])の1周期前の値を示し、「Ts」はサンプリング周期(単位は秒など)を示す。
DWDR[i]=VXRright[i]−VXRleft[i]
さらに、幅変化量DWDR[i]は、以下の式に示すように、幅WDR[i]における1周期前の値(WDRbefore[i])をもとに計算される。
DWDR[i]=(WDR[i]−WDRbefore[i])/Ts
VXR[i]=(VXRright[i]+VXRleft[i])/2
VXRleft[i]=VXR[i]−DWDR[i]/2
VXRright[i]=VXR[i]+DWDR[i]/2
物体群mの位置と速度とから計算される移動軌跡401は、X軸と自車幅内で交差する(図4中のa点からb点までの範囲内を通過する)ため、物体群mと自車とが衝突する危険度は、高いと計算される。換言すると、位置(PXR[m],PYR[m])を起点とする速度ベクトル(VXR[m],VYR[m])と、自車位置の領域と、の交点が存在するときに、物体群mと自車とが衝突する危険度は、高いと計算される。
物体群nの位置と速度とから計算される移動軌跡402は、X軸と自車幅内で交差せず、かつ、自車の側面とも交差しないため、物体群nと自車とが衝突する危険度は、低いと計算される。
なお、計算される各物体群の移動軌跡401,402は、各物体群の将来の位置を予想したものである。
そして、衝突判定部4は、計算した危険度が所定閾値以上(例えば、0以上)の値を示す場合には、自車と物体群とが衝突する可能性が高いと判定する。
VXR[i]=(C2−C1)/Δt
物体群の中心における移動軌跡522は、X軸と自車幅内で交差せず、かつ、自車の側面とも交差しないため、物体群の中心における危険度CRR[i]は、低い。
同様に、物体群の右端における移動軌跡523は、物体群の中心と同様に、X軸と自車幅内で交差せず、かつ、自車の側面とも交差しないため、物体群の右端における危険度CRRright[i]は、低い。
VXRleft[i]=(L2−L1)/Δt
物体群の左端における移動軌跡521は、X軸と自車幅内で交差するため、物体群の左端における危険度CRRleft[i]は、高い。
例えば、物体群の中心の速度VXR[i]は、物体群の左端(歩行者502に相当)の速度VXRleft[i]と異なっている。よって、物体群の危険度を一カ所(中心のみ)で計算する方式に比べ、図5で示すような三カ所(左端、中心、右端)で計算する方式は、衝突判定の精度を高めることができる。
・物体群の中心の速度を用いた速度ベクトルによる衝突判定を行って、危険度CRR[i]を計算する。
・両端速度計算部3により計算した物体群の右端の速度VXRright[i]を用いた速度ベクトルによる衝突判定を行って、危険度CRRright[i]を計算する。
・両端速度計算部3により計算した物体群の左端の速度VXRleft[i]を用いた速度ベクトルによる衝突判定を行って、危険度CRRleft[i]を計算する。
以上説明したように、レーダで検知した物体群の情報から幅変化量を求め、この幅変化量と物体群の中心の速度から得られた物体群の両端の速度に応じて衝突判定を行うことにより、衝突判定の精度を向上させることが可能となる。
図6の前半部(S601〜S606)は、衝突判定部4により危険度が高いと判定された物体群を特定する処理である。
図6の後半部(S607〜S610)は、特定された物体群に対して、カメラ11bの撮影画像から物体を個体識別する処理である。
S602において、危険度CRR[i]が所定値cCRR以上であるか否かの判定を行う。S602の条件が成立、すなわちレーダで検知した物体群の中心と自車が衝突する可能性が高いと判定された場合には、S607に進む。また、S602の条件が非成立、すなわちレーダで検知した物体群の中心と自車が衝突する可能性が低いと判定された場合にはS603に進む。
S604において、危険度CRRright[i]が所定値cCRR以上であるか否かの判定を行う。S604の条件が成立、すなわちレーダで検知した物体群の右端と自車が衝突する可能性が高いと判定された場合には、S607に進む。また、S604の条件が非成立、すなわちレーダで検知した物体群の右端と自車が衝突する可能性が低いと判定された場合にはS605に進む。
S606において、危険度CRRleft[i]が所定値cCRR以上であるか否かの判定を行う。S606の条件が成立、すなわちレーダで検知した物体群の左端と自車が衝突する可能性が高いと判定された場合には、S607に進む。
また、S606の条件が非成立、すなわちレーダで検知した物体群の左端と自車が衝突する可能性が低いと判定された場合は処理を終了する。
S608において、この物体群の情報とカメラ幾何モデル(画像上の位置と実際の位置の関係)に基づいて画像上での処理領域(幅WPC[j])を設定する(詳細は図7参照)。これにより、画像処理による個体識別を確実に行うことができる。
・各物体の位置(PXC[j]、PYC[j])
・各物体の速度(VXC[j]、VYC[j])
・各物体の幅WDC[j]
WPC[j]=WDR[i]+|VXR[i]|×Tdelay
よって、設定した画像処理領域の中に予め標準パターンと同じ物体があるか、あるいは近いものがあるかを検出するパターンマッチングなどの画像処理においては、歩行者702を検知できないといった問題が発生する。
例えば、図7において、自車が直進中であると仮定すると、物体群の右端は路側物であるから、速度VXRright[i]=0となる。このとき、画像処理領域の幅(WPC[j])は物体群の左端の速度VXRleft[i]と幅WDR[i]を用いて、以下の式で表すことができる。この式で表される範囲を画像処理領域に設定することにより、この領域から歩行者702が逸脱することを防止でき、画像処理によって歩行者702を確実に検知することが可能となる。
WPC[j]=WDR[i]+|VXRleft[i]|×Tdelay
・統合化した各物体の位置(PXI[k]、PYI[k])
・統合化した各物体の速度(VXI[k]、VYI[k])
・統合化した各物体の幅WDI[k]
図9では、自車前方にレーダで検知した物体群910、920、930が存在しており、各物体群が衝突判定部4により自車に衝突する可能性があると判断された場合を考える。
物体群910(歩行者902と路側物901)は、レーダ波の反射強度が高く、幅の広い物体群である。
物体群920(歩行者903)は、レーダ波の反射強度が低く、幅の狭い物体群である。あらかじめ記憶手段内に格納される反射特性と物体との対応データを参照することにより、物体群920は歩行者903であることと判定することができる。このように反射特性のみから物体を特定できるときには、カメラで撮像した画像データを用いた画像処理による個体識別処理を、省略することができる。
物体群930(車両904)は、レーダ波の反射強度が高く、幅の広い物体群である。
添字[i]について、i=1(物体群910)、i=2(物体群920)、i=3(物体群930)、とする。
添字[j]について、j=1(路側物901)、j=2(歩行者902)、j=3(車両904)、とする。
添字[k]について、k=1(路側物901)、k=2(歩行者902)、k=3(歩行者903)、k=4(車両904)、とする。
PXI[1]=PXC[1]
PYI[1]=PYC[1]
VXI[1]=VXC[1]
VYI[1]=VYC[1]
WDI[1]=WDC[1]
PXI[2]=PXC[2]
PYI[2]=PYC[2]
VXI[2]=VXC[2]
VYI[2]=VYC[2]
WDI[2]=WDC[2]
PXI[3]=PXR[2]
PYI[3]=PYR[2]
VXI[3]=VXR[2]
VYI[3]=VYR[2]
WDI[3]=WDR[2]
PXI[4]=PXC[3]
PYI[4]=PYC[3]
VXI[4]=VXC[3]
VYI[4]=VYC[3]
WDI[4]=WDC[3]
ここで、レーダ検知パラメータからの危険度の計算は、各物体群の幅が可変値なので、1つの物体群に対して3つの特定箇所(左端、中心、右端)ごとに求めていたが、統合化した各物体における危険度の計算は、各物体の幅が固定値なので、1つの物体に対して1つの危険度(中心)で済む。
S1001において、衝突判定部4によって統合化された物体情報を読み込む。
S1002において、統合化した位置PYI[k]と速度VYI[k]に応じて、各物体の衝突予測時間CTI[k]を、以下の式を用いて計算する。
CTI[k]=PYI[k]÷VYI[k]
S1003において、衝突判定部4で計算された(図9参照)統合化した危険度CRI[k]を読み込む。
S1006において、衝突回避制御部5は、ブレーキを制御する(ブレーキをかけて減速する)ことで、衝突を回避する。
S1008において、衝突回避制御部5は、アラームを制御する(スピーカから警報音を鳴らす、ディスプレイに警告を表示するなど)ことで、ユーザに危機を知らせて衝突を回避する。
S1101において、レーダ物体検知部1aによって取得された物体群の情報を読み込む。つぎに、S1102において、位置PYR[i]と速度VYR[i]に応じて、各物体群の衝突予測時間CTR[i]を、以下の式を用いて演算する。
CTR[i]=PYR[i]÷VYR[i]
S1103において、衝突判定部4で演算された(図5参照)以下の危険度を読み込む。
・物体群の中心の速度(VXR[i],VYR[i])から求めた、中心の危険度CRR[i]
・物体群の右端の速度VXRright[i]から求めた、右端の危険度CRRright[i]
・物体群の左端の速度VXRleft[i]から求めた、左端の危険度CRRleft[i]
・CRR[i]≧cCRR
・CRRright[i]≧cCRR
・CRRleft[i]≧cCRR
そして、選択された物体の中で衝突予測時間CTR[i]が最小となる物体iを選択する。
S1106において、衝突回避制御部5は、ブレーキを制御する(ブレーキをかけて減速する)ことで、衝突を回避する。
S1108において、衝突回避制御部5は、アラームを制御する(警報を鳴らす、警告を表示するなど)ことで、ユーザに危機を知らせて衝突を回避する。
その課題とは、レーダの感度を上げて歩行者などの低反射体を検知しようとすると、所定の領域内で近接している複数の物体を検知した場合に、各物体の反射強度の差異が曖昧となり、これらの物体を1つの物体群として検知する可能性があり、衝突判定の精度が低下してプリクラッシュ・セーフティ・システムなどの安全システムが有効に作動しない可能性があることである。
レーダ物体検知部1aは、レーダで検知した物体群の情報を取得する。
幅変化量計算部2は、レーダ物体検知部1aにより得られた物体群の幅に応じて幅変化量を計算する。
両端速度計算部3は、レーダ物体検知部1aにより得られた物体群の中心の速度と幅変化量計算部2により計算した幅変化量に応じて物体群の両端の速度を計算する。
衝突判定部4は、レーダ物体検知部1aにより得られた物体群の情報と両端速度計算部3により計算した物体群の両端の速度に応じてレーダで検知した物体群と自車との衝突可能性を判定する。
これにより、所定の領域内で近接している複数の物体をレーダで1つの物体群として検知している場合において、レーダで検知した物体群の中心の横速度に加えて物体群の両端の横速度に応じて衝突判定を行うため、衝突判定の精度が向上する。
カメラ物体識別部1bは、衝突判定部4により衝突の可能性が高いと判定された物体群に対してカメラで撮像した自車前方の画像を用いて物体群の情報を取得する。カメラ物体識別部1bは、両端速度計算部3により計算した物体群の両端の速度に応じて画像処理の領域を決定する。
統合化物体認識部1cは、レーダ物体検知部1aにより得られた物体群の情報と、カメラ物体識別部1bにより得られた物体群の情報を統合する。
衝突判定部4は、統合化物体認識部1cにより得られた物体の情報と両端速度計算部3により計算した物体群の両端の速度に応じてレーダで検知した物体群と自車との衝突可能性を判定する。
これにより、レーダで検知した物体群のうち、衝突の可能性が高いと判定された物体群に対してカメラで撮像した自車前方の画像を用いて前記物体群の情報を取得する場合には、衝突判定の精度向上により画像処理の対象となる物体群を確実に絞り込むことができる。
さらに、物体群の両端の横速度に応じて画像処理領域を設定することにより、図12(c)に示すような画像処理領域の不足分が発生しないため、カメラによる個体識別を確実に実行することができる。
1b カメラ物体識別部
1c 統合化物体認識部
2 幅変化量計算部
3 両端横速度計算部
4 衝突判定部
5 衝突回避制御部
11a レーダ
11b カメラ
100 車両用外界認識装置
Claims (7)
- 車両の外側に位置する物体を認識する車両用外界認識装置であって、
前記車両用外界認識装置は、レーダ物体検知部と、幅変化量計算部と、両端横速度計算部と、衝突判定部と、衝突回避制御部と、を有し、
前記レーダ物体検知部は、車両のレーダで検知した物体群の情報を取得すると、取得した物体群の情報について、車両位置を原点とし、車両の車幅方向をX軸とし、車両の進行方向をY軸とする相対座標系に変換し、取得した物体群の相対座標系における位置と、速度と、幅と、を計算し、
前記幅変化量計算部は、前記レーダ物体検知部により計算される物体群の幅の変化量を示す幅変化量を計算し、
前記両端横速度計算部は、前記レーダ物体検知部により計算される物体群の速度と、前記幅変化量計算部により計算される物体群の幅変化量と、に応じて物体群の左右両端のX軸における横速度を計算し、
前記衝突判定部は、物体群の左端位置、中心位置、右端位置それぞれについて、前記両端横速度計算部で計算される各位置における各横速度をもとに、相対座標系における物体群の移動軌跡を計算し、その移動軌跡が相対座標系における原点に近づくほど各位置における危険度が高いものとして、各位置における危険度を計算し、
前記衝突回避制御部は、前記衝突判定部により計算される物体群の各位置における危険度のうち、少なくとも1つの位置における危険度が所定しきい値以上のときに、その危険度に対応する物体群に関する衝突回避制御を実行すること、を特徴とする
車両用外界認識装置。 - 車両の外側に位置する物体を認識する車両用外界認識装置であって、
前記車両用外界認識装置は、レーダ物体検知部と、幅変化量計算部と、両端横速度計算部と、衝突判定部と、衝突回避制御部と、カメラ物体識別部と、統合化物体認識部と、を有し、
前記レーダ物体検知部は、車両のレーダで検知した物体群の情報を取得すると、取得した物体群の情報について、車両位置を原点とし、車両の車幅方向をX軸とし、車両の進行方向をY軸とする相対座標系に変換し、取得した物体群の相対座標系における位置と、速度と、幅と、を計算し、
前記幅変化量計算部は、前記レーダ物体検知部により計算される物体群の幅の変化量を示す幅変化量を計算し、
前記両端横速度計算部は、前記レーダ物体検知部により計算される物体群の速度と、前記幅変化量計算部により計算される物体群の幅変化量と、に応じて物体群の左右両端のX軸における横速度を計算し、
前記カメラ物体識別部は、前記レーダ物体検知部により得られた物体群の情報と、前記両端横速度計算部により計算した物体群の両端の横速度と、に応じて、車両のカメラの撮影画像中の画像処理の領域幅を決定し、その画像処理の領域幅内の撮影データと、記憶部に格納されている各物体のパターンデータと、を照合することにより、撮影データ中の物体を個体識別し、
前記統合化物体認識部は、レーダの反射特性から物体を特定可能なものについては前記レーダ物体検知部により得られた物体群の情報を採用し、特定不可能なものについては前記カメラ物体識別部により得られた物体の情報を採用することで、レーダおよびカメラによる物体の認識結果を統合し、
前記衝突判定部は、前記統合化物体認識部で認識される各物体の中心位置および速度から、その物体の移動軌跡を計算し、その移動軌跡が相対座標系における原点に近づくほど危険度が高いものとして、各物体の中心位置における危険度を計算し、
前記衝突回避制御部は、前記衝突判定部により計算される危険度が所定しきい値以上のときに、その危険度に対応する物体に関する衝突回避制御を実行すること、を特徴とする
車両用外界認識装置。 - 前記衝突回避制御部は、衝突回避制御として、車両の運転者に対して衝突可能性を知らせるアラームを、音声信号を出力するスピーカに対して出力するように制御することを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の車両用外界認識装置。 - 前記衝突回避制御部は、衝突回避制御として、車両の運転者に対して衝突可能性を知らせるアラームを、警告画面を表示するディスプレイに対して出力するように制御することを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の車両用外界認識装置。 - 前記衝突回避制御部は、衝突回避制御として、車両を減速させるためのブレーキを動作させるように制御することを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の車両用外界認識装置。 - 前記衝突判定部は、物体の位置および速度から衝突予測時間を計算し、計算した衝突予測時間が所定しきい値以下の物体を、危険度の計算対象とすることを特徴とする
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用外界認識装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用外界認識装置と、その車両用外界認識装置が搭載され、前記衝突回避制御部の制御対象となる車両と、を有することを特徴とする
車両システム。
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JP2008131551A JP4892518B2 (ja) | 2008-05-20 | 2008-05-20 | 車両用外界認識装置、および、車両システム |
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