JP4891944B2 - 遅延検波回路及び遅延検波回路の調整方法 - Google Patents

遅延検波回路及び遅延検波回路の調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、入力されるFM変調パルス信号を遅延検波して所定の変調信号を得る遅延検波回路及び遅延検波回路の調整方法に関する。
従来の遅延検波回路として、例えば図1に示す特許文献1に記載の遅延検波回路10がある。遅延検波回路10は、入力信号を予め設定された遅延時間Tdだけ遅延させて出力する信号遅延回路11と、非反転出力端子及び反転出力端子(図中○で示す)を有する第1及び第2の差動出力バッファ回路12,13と、第1及び第2の論理和回路14,15とを備えて構成されている。
更に、遅延検波回路10は、信号遅延回路11及び第1の差動出力バッファ回路12の双方の入力端を接続する入力側接続部16を介してFM(周波数変調)変調パルス信号21が入力され、また、第1及び第2の論理和回路14,15の双方の出力端を接続する出力側接続部17を介して復調信号22が出力されるようになっており、更に、出力側接続部17が抵抗器18を介して電源Vccに接続されている。
遅延検波回路10に入力されるFM変調パルス信号21は、入力側接続部16を介して第1の差動出力バッファ回路12及び信号遅延回路11へ入力される。この入力によって第1の差動出力バッファ回路12の非反転出力端子から非反転信号23が第1の論理和回路14へ出力され、反転出力端子から反転信号24が第2の論理和回路15へ出力される。
一方、信号遅延回路11では、FM変調パルス信号21が遅延時間Tdだけ遅延され、この遅延信号25が第2の差動出力バッファ回路13へ入力され、これによって第2の差動出力バッファ回路13の非反転出力端子から非反転遅延信号26が第1の論理和回路14へ出力され、反転出力端子から反転遅延信号27が第2の論理和回路15へ出力される。
第1の論理和回路14では、非反転信号23及び非反転遅延信号26の論理和演算が行われ、この演算結果得られる非反転論理和信号28が出力される。第2の論理和回路15では、反転信号24及び反転遅延信号27の論理和演算が行われ、この演算結果得られる反転論理和信号29が出力される。これら非反転論理和信号28及び反転論理和信号29が、出力側接続部17で合成されることによって復調信号22が得られる。
更に、この遅延検波回路10の動作を、図2を参照して詳細に説明する。
第1の論理和回路14に入力される信号は、時刻t1〜t3間に示すように電圧レベルが「H」レベル(以降、「H」と略す)、時刻t3〜時刻t5間に示すように電圧レベルが「L」レベル(以降、「L」と略す)となる非反転信号23と、この非反転信号23に対して時刻t3と時刻t4間に示すように遅延時間Tdだけ遅れた非反転遅延信号26である。ここで論理和がとられると、時刻t1〜t4間が「H」、時刻t4〜t5間が「L」となる非反転論理和信号28が得られる。
つまり、非反転論理和信号28は、時刻t1と時刻t3間、並びに時刻t3と時刻t5間に示す周期2Tの搬送波信号に時刻t3と時刻t4間に示す遅延時間Tdの幅のパルスが付加された信号となる。一方、入力されるFM変調パルス信号21の周波数が高い時には符号28aで示す波形の様に、周期Tが時刻t2−1〜t3間並びに時刻t3〜t4−1間に示すように短くなって非反転論理和信号28のパルス間隔が密になる。この逆に周波数が低いときは、図示はしないが周期Tが長くなって非反転論理和信号28のパルス間隔が疎になる。
このようにして周期T幅のパルスの粗密によって周波数−電圧変換動作(以降、FV変換動作と略す)が行われる。このとき、信号の立ち上がり立下りに要する時間が等しく、時刻t6〜t8間又はt9〜t10間に示すようにTrであるとすると、そのFV変換動作は時刻t4〜t5間に示す「L」の時間幅Tcが0になるまで、即ち、Tc=Trとなるまで線形的に行われる。
理想的な矩形波の場合、線形動作する最大動作周波数fcは、次式(1)で表される。
fc=1/{2・(Td+Tr)}…(1)
これと同様なことが、反転信号24及び反転遅延信号27に対しても第2の論理和回路15で行なわれる。図2に示す復調出力である非反転論理和信号28を見ても明らかなように、当該復調出力には搬送波信号が重畳されている。反転信号24,26に対して同様に動作する第2の論理和回路15における復調出力である反転論理和信号29にも搬送波信号が重畳されており、この位相は逆相であるため、第1の論理和回路14から出力される非反転論理和信号28との和をとることで搬送波成分は相殺される。つまり、出力側接続部17にて非反転論理和信号28と反転論理和信号29とが合成されることで搬送波成分が相殺され、所望の復調信号22が得られる。
前述のように、最大動作周波数fcを上げるためには論理演算処理の対象となる信号の立ち上がり立下りが速くなる論理素子を使う必要があるが、その場合の信号波形はオーバーシュートやアンダーシュートに伴うリンギングが発生し、これがFV変換動作時におけるFV変換特性の非直線性誤差を招くことになる。
この内容について図3及び図4を用いて説明する。図3は第1の論理和回路14に入力されるリンギングのある非反転信号23R及び非反転遅延信号26Rと、同じくリンギングのある非反転論理和信号28Rの波形図である。図4は第1又は第2の論理和回路14又は15の内部回路図である。
論理和回路14又は15は、入力側トランジスタ31,32と、出力側トランジスタ33と、抵抗器34と、電流源35と、入力論理の闇値を決める電圧源36と、トランジスタ31のベース端に接続された入力ベース端子37と、トランジスタ32のベース端に接続された入力ベース端子38と、トランジスタ33のコレクタ端に接続された論理和出力端子39とを備えて構成されている。
これら構成要素31〜39は、入力側トランジスタ31,32のコレクタ端が共に電源Vccに接続され、エミッタ端が電流源35を介して接地され、出力側トランジスタ33のコレクタ端が抵抗器34を介して電源Vccに接続され、エミッタ端が電流源35を介してアース40に接続され、更にベース端が電圧源36を介して接地されている。
また、この回路が、第1の論理和回路14である場合、入力ベース端子37には非反転信号23が、入力ベース端子38には非反転遅延信号26が入力され、論理和出力端子39から非反転論理和信号28が出力される。第2の論理和回路15である場合、入力ベース端子37には反転信号24が、入力ベース端子38には反転遅延信号27が入力され、論理和出力端子39から反転論理和信号29が出力される。
出力側トランジスタ33は、図3に示す時刻t4とt5の信号立ち上がり、立ち下がりのタイミングで線形動作領域を通って遷移し、その他の殆どの時間はオン又はオフの飽和領域にある。この飽和領域にある時間帯では入力信号がどのように変化しても出力信号への影響は少ない。例えば、図3に示す時刻t2やt3などのタイミングにおいて、一方のトランジスタ31又は32のベース端に、入力ベース端子37又は38から論理が反転するような信号が入力されても、論理和出力端子39から出力される信号への影響は少ない。ところが、時刻t4やt5のように出力側のトランジスタ33が線形動作領域を通過する時刻での入力信号の変化は出力信号に影響を及ぼす。例えば、時刻t4やt5の近傍の立ち上がり又は立ち下がり時間Tr幅の時間帯である。
第1の論理和回路14を代表して更に説明すると、まず、時刻t4においては、入力ベース端子38から入力される遅延時間Td遅延された非反転遅延信号26の立ち下がり変化に伴って入力側トランジスタ32と出力側トランジスタ33は線形動作状態にある。このとき時刻t3で変化した非反転信号23Rのアンダーシュートによるリンギングが収束していないと、これが他方の入力側トランジスタ31のベース−エミッタ間の容量に影響し、線形動作状態にある出力側トランジスタ33を通過してかなり大きく論理和出力端子39からの非反転論理和信号28に影響する。
しかし、この影響は入力周波数が変化しても時刻t3からTd時間後の時間幅が不変なので、その時間幅Tdは常に一定であり、FV変換特性の線形性に影響は与えない。
次に、時刻t5においては、非反転信号23Rの立ち上がり変化に伴って入力側トランジスタ31と出力側トランジスタ33とが線形動作状態を通過するが、このとき遅延時間Td遅延された非反転遅延信号26の時刻t4の変化で発生したリンギングが収束していないと、論理和出力端子39から出力される非反転論理和信号28に影響を及ぼす。時刻t5は時刻t4からTc時間後に発生するが、この時間幅Tcは入力周波数が高くなるに従って短くなり、Tc=0となったとろでFV変換動作は破綻する。
図3から明らかなように、入力信号にアンダーシュートに伴うリンギングがあると高周波側においてリンギングの影響が顕著になりFV変換特性は高域でリップルを持った図5に曲線42で示すような特性となる。
このリンギングによるFV変換特性のリップル誤差を抑制するために、従来から差動出力バッファ回路や論理回路に帰還技術を用いたり、信号線に抵抗器やキャパシタを挿入して帯域を落としたりすることによってリンギングを抑制する方法がとられている。
特開2006−109018
しかし、上述した従来のリンギングを抑制する方法では、遅延検波回路に対して画一的に適用されていたため検波動作帯域も同時にかなり減少してしまうという課題があった。
更に、上述したように検波動作帯域を広げるために位相反転した2組の信号を用い、2つの論理回路を用いて検波し、最終的に合成するという方法では、回路素子の性能のばらつきや信号線路の導電率のばらつき等によって2つの経路のバッファや論理回路の特性に差異があった場合、搬送波成分が完全に相殺されずに残ってしまい、この影響で復調信号のSN比(信号対雑音比)にもばらつきが生じるので、SN比が低くなるケースが生じるという課題があった。
前記課題を解決するために、本発明は、遅延検波回路の検波動作帯域並びにSN比を改善することを目的とする。
上記目的を達成するために、発明者らは、外部から入力されたFM変調パルス信号を、差動出力バッファ回路で非反転及び反転して非反転信号及び反転信号を出力すると共に、一定時間Td遅延したのち差動出力バッファ回路で非反転及び反転して非反転遅延信号及び反転遅延信号を出力し、これら出力信号に個別に帯域制限回路で信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛け、これにより得られた各信号のうち帯域制限非反転信号及び帯域制限非反転遅延信号の組と、帯域制限反転信号及び帯域制限反転遅延信号の組とを各々論理和回路で論理和演算し、この結果である非反転論理和信号及び反転論理和信号を合成して復調信号を得るようにした。
具体的には、周波数変調されたパルス信号であるFM変調パルス信号が入力され、前記FM変調パルス信号を反転した反転信号及び反転しない非反転信号を出力する第1の差動出力バッファ回路と、前記FM変調パルス信号が入力され、前記FM変調パルス信号を一定時間遅延させた遅延信号を出力する信号遅延回路と、
前記信号遅延回路から出力される前記遅延信号を反転した反転遅延信号及び反転しない非反転遅延信号を出力する第2の差動出力バッファ回路と、前記第2の差動出力バッファ回路から出力される非反転遅延信号に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛け、この帯域制限非反転遅延信号を出力する第3の帯域制限回路と、前記第2の差動出力バッファ回路から出力される反転信号に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛け、この帯域制限反転遅延信号を出力する第4の帯域制限回路と、前記第1の差動出力バッファ回路から出力される非反転信号に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛け、帯域制限幅を前記第3の帯域制限回路より広帯域に設定され、この帯域制限非反転信号を出力する第1の帯域制限回路と、前記第1の差動出力バッファ回路から出力される反転信号に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛け、帯域制限幅を前記第4の帯域制限回路より広帯域に設定され、この帯域制限反転信号を出力する第2の帯域制限回路と、前記第1の帯域制限回路から出力される帯域制限非反転信号と前記第3の帯域制限回路から出力される帯域制限非反転遅延信号との論理和演算を行い、この結果得られる非反転論理和信号を出力する第1の論理和回路と、前記第の帯域制限回路から出力される帯域制限反転信号と前記第の帯域制限回路から出力される帯域制限反転遅延信号との論理和演算を行い、この結果得られる反転論理和信号を出力する第2の論理和回路と、前記第1の論理和回路から出力される非反転論理和信号と前記第2の論理和回路から出力される反転論理和信号とを合成して復調信号を出力する論理和出力端子と、を備えることを特徴とする遅延検波回路である。
この構成によれば、FV変換特性の線形性にリップルが発生する原因であるリンギングが抑制されるので、遅延検波時のFV変換特性の線形性を改善することができる。そして、帯域制限後の信号のうち遅延されていない方の信号の波形の立ち上がり時間を速くすることができるので、その後段の各論理和回路の論理和演算で生成される信号の立ち上がり時間を速くすることができる。これによって、FM変調パルス信号の遅延時間が同じ場合、FV変換特性の線形性を維持しながら検波動作帯域を広げて改善することができる。
本発明の遅延検波回路は、前記第1及び第2の論理和回路に、当該第1及び第2の論理和回路から出力される前記非反転論理和信号及び前記反転論理和信号の各々に含まれる搬送波成分の振幅を調整可能な振幅調整手段を備え、前記振幅調整手段が、前記非反転論理和信号及び前記反転論理和信号の各々に含まれる搬送波成分の振幅が一致するように調整することが望ましい。
この構成によれば、各論理和演算により得られる非反転論理和信号と反転論理和信号に振幅差が生じないので、各搬送波成分を完全に相殺することができるので、搬送波成分が除去され、これによって復調信号のSN比を高くして改善することができる。
本発明の遅延検波回路は、前記搬送波成分が、前記FM変調パルス信号に代えて用いられた単一の無変調信号であることが望ましい。
この構成によれば、遅延検波回路に無変調信号を入力して復調信号のSN比を向上させておくことができるので、出荷検査などに好適である。
本発明の遅延検波回路は、前記搬送波成分は、前記FM変調パルス信号に代えて用いられたFM変調信号であることが望ましい。
この構成によれば、遅延検波回路に無変調信号を入力して復調信号のSN比を向上させておくことができるので、出荷検査などに好適である。
また、具体的には、前述した遅延検波回路の調整方法であって、前記第1及び第2の論理和回路において当該第1の論理和回路から出力される非反転論理和信号と、当該第2の論理和回路から出力される反転論理和信号との各々に含まれる搬送波信号の振幅が一致するように調整することを特徴とする遅延検波回路の調整方法である。
この方法によれば、各論理和演算により得られる非反転論理和信号と反転論理和信号に振幅差が生じないので、各搬送波成分を完全に相殺することができるので、搬送波成分が除去され、これによって復調信号のSN比を高くして改善することができる。また、人が、各搬送波成分の振幅差が無くなるように調整して復調信号のSN比を向上させることができるので、出荷検査などの各種性能検査に好適である。
本発明の遅延検波回路の調整方法は、前記FM変調パルス信号に代えて単一の無変調信号を用い、この際に、前記第1及び第2の論理和回路において、当該第1の論理和回路から出力される非反転論理和信号と、当該第2の論理和回路から出力される反転論理和信号との各々に含まれる搬送波信号の振幅が一致するように調整することが望ましい。
この方法によれば、人が、遅延検波回路に無変調信号を入力して復調信号のSN比を向上させることができるので、出荷検査などの各種性能検査に好適である。
本発明の遅延検波回路の調整方法は、前記FM変調パルス信号に代えてFM変調信号を用い、この際に、前記第1及び第2の論理和回路において、当該第1の論理和回路から出力される非反転論理和信号と、当該第2の論理和回路から出力される反転論理和信号との各々に含まれる搬送波信号の振幅が一致するように調整することが望ましい。
この方法によれば、人が、遅延検波回路に無変調信号を入力して復調信号のSN比を向上させることができるので、出荷検査などの各種性能検査に好適である。
本発明によれば、遅延検波回路の検波動作帯域並びにSN比を改善することができる遅延検波回路及び遅延検波回路の調整方法を提供することができる。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。また、信号の後に符号を付した各種名称の信号を、該当符号を後に付して単に信号と略す場合も有る。
(実施形態)
図6は、本発明の実施形態に係る遅延検波回路の回路構成図である。本実施形態の遅延検波回路50が、図1に示した従来の遅延検波回路10と異なる点は、第1の差動出力バッファ回路12の非反転出力端子と第1の論理和回路14の一方の入力端子との間に第1の帯域制限回路51を接続し、第1の差動出力バッファ回路12の反転出力端子と第1の論理和回路14の他方の入力端子との間に第2の帯域制限回路52を接続し、第2の差動出力バッファ回路13の非反転出力端子と第2の論理和回路15の一方の入力端子との間に第3の帯域制限回路53を接続し、第2の差動出力バッファ回路13の反転出力端子と第2の論理和回路15の他方の入力端子との間に第4の帯域制限回路54を接続し、更に、第1の論理和回路14に振幅調整手段としての第1の振幅調整部58と、第2の論理和回路15に振幅調整手段としての第2の振幅調整部59とを備えたことにある。各帯域制限回路51〜54は、帯域制限フィルタ等の濾波器である。
第1の帯域制限回路51は、第1のバッファ回路12から出力される非反転信号23に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛け、この帯域制限によって得られる帯域制限非反転信号63を第1の論理和回路14へ出力するものである。
第2の帯域制限回路52は、第1のバッファ回路12から出力される反転信号24に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛け、この帯域制限によって得られる帯域制限反転信号64を第2の論理和回路15へ出力するものである。
第3の帯域制限回路53は、第2のバッファ回路13から出力される非反転遅延信号26に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛け、この帯域制限によって得られる帯域制限非反転遅延信号66を第1の論理和回路14へ出力するものである。
第4の帯域制限回路54は、第2のバッファ回路13から出力される反転遅延信号27に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛け、この帯域制限によって得られる帯域制限反転遅延信号67を第2の論理和回路15へ出力するものである。
従って、本実施形態では、第1の論理和回路14は、帯域制限非反転信号63と帯域制限非反転遅延信号66との論理和演算を行い、この結果得られる非反転論理和信号68を出力側接続部17へ出力する。第2の論理和回路15は、帯域制限反転信号64と帯域制限反転遅延信号67との論理和演算を行い、この結果得られる反転論理和信号69を出力側接続部17へ出力する。
第1の振幅調整部58は、第1の論理和回路14において、この論理和回路14から出力される非反転論理和信号68に含まれる搬送波成分の振幅を調整するものである。
第2の振幅調整部59は、第2の論理和回路15において、第2の論理和回路15から出力される反転論理和信号69に含まれる搬送波成分の振幅を調整するものである。
第1の振幅調整部58及び第2の振幅調整部59によって、非反転論理和信号68及び反転論理和信号69の各々に含まれる搬送波成分の振幅が一致するように調整可能となっている。この搬送波成分の振幅調整は、例えば非反転論理和信号68及び反転論理和信号69の搬送波成分の振幅を図示せぬ検出装置で自動検出し、この検出結果得られる信号を各振幅調整部58,59へフィードバックして双方の搬送波成分の振幅が一致するように行われる。
次に、このような構成の遅延検波回路50におけるFV変換特性の線形性の改善と検波動作帯域の改善の処理についてその動作を併せて説明する。
図7の波形図に示すように、まず、遅延検波回路50の動作は、外部からのFM変調パルス信号21が入力側接続部16を介して第1の差動出力バッファ回路12及び信号遅延回路11へ入力される。信号遅延回路11では、FM変調パルス信号21が遅延時間Tdだけ遅延され、この遅延信号25が第2の差動出力バッファ回路13へ入力される。
第1の差動出力バッファ回路12では、非反転出力端子から非反転信号23が第1の帯域制限回路51へ出力され、反転出力端子から反転信号24が第2の帯域制限回路52へ出力される。第2の差動出力バッファ回路13では、非反転出力端子から非反転遅延信号26が第3の帯域制限回路53へ出力され、反転出力端子から反転遅延信号27が第4の帯域制限回路54へ出力される。
第1の帯域制限回路51では、入力された非反転信号23に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限が掛けられ、この帯域制限非反転信号63が第1の論理和回路14へ出力される。第2の帯域制限回路52では、入力された反転信号24に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限が掛けられ、この帯域制限反転信号64が第2の論理和回路15へ出力される。第3の帯域制限回路53では、入力された非反転遅延信号26に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限が掛けられ、この帯域制限非反転遅延信号66が第1の論理和回路14へ出力される。第4の帯域制限回路54では、入力された反転遅延信号27に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限が掛けられ、この帯域制限反転遅延信号67が第2の論理和回路15へ出力される。
第1の論理和回路14では、入力された帯域制限非反転信号63と帯域制限非反転遅延信号66との論理和演算が行われ、この結果得られる非反転論理和信号68が出力側接続部17へ出力される。第2の論理和回路15では、入力された帯域制限反転信号64と帯域制限反転遅延信号67との論理和演算が行われ、この結果得られる反転論理和信号69が出力側接続部17へ出力される。
そして、出力側接続部17において、それら非反転論理和信号68及び反転論理和信号69が合成されることによって復調信号22が得られる。
ところで、FV変換特性の線形性にリップルが発生する原因は、前述で図3を参照して説明したように、第1の差動出力バッファ回路12及び第2の差動出力バッファ回路13から出力される非反転信号23及び反転信号24と、非反転遅延信号26及び反転遅延信号27にリンギングが発生しているためであった。
そこで、本実施形態の遅延検波回路50では、そのリンギングを抑制するために、各非反転信号23、反転信号24、非反転遅延信号26及び反転遅延信号27に、各帯域制限回路51〜54でリンギングが抑制されるように帯域制限をかけて波形をなまらせ、これによりオーバーシュートやアンダーシュートを発生させないようにした。この帯域制限の処理について、更に図8を参照して説明する。
図8は、第1の帯域制限回路51から出力される帯域制限非反転信号63及び帯域制限非反転遅延信号66と、第1の論理和回路14から出力される非反転論理和信号68との波形図である。この図8から判るように、帯域制限非反転信号63、帯域制限非反転遅延信号66、非反転論理和信号68の各波形から図3に示したようなリンギングを帯域制限によって無くした場合、FV変換特性の線形性が改善される。
一方で、図8に時刻t4〜t5の区間Tcで示すように、非反転論理和信号68の「L」区間を作る波形の立ち下がりTfと立ち上がりTrの時間も長くなる(遅くなる)ために、前述の式(1)から判るように検波動作帯域が減少する。但し、Tr=Tfである。
更に、図3に示して説明したように、非反転遅延信号26Rの場合、時刻t4で発生するリンギングは区間Tc後の時刻t5の立ち上がりTrに影響するので完全に除去しなくてはならない。一方、非反転信号23Rの場合は時刻t3で発生するリンギングが時刻t4まで残っていてもFV変換特性の線形性に影響せず、時刻t5までに収束すれば良いので帯城制限幅は非反転遅延信号26Rに対するものよりも広帯域に設定することができる。これは、第1の論理和回路14から出力される反転信号24についても同様であり、第2の論理和回路15から出力される反転遅延信号27に対する帯域制限幅よりも広帯域に設定することができる。
従って、非遅延側の信号である非反転信号23及び反転信号24が入力される第1及び第2の帯域制限回路51,52のみを広帯域として、これら広帯域の帯域制限回路51,52で非反転信号23及び反転信号24を帯域制限すれば、帯域制限非反転信号63及び帯域制限反転信号64の立ち上がり時間を速くすることができる。この際の波形図を図9に示す。但し、図9には、第1及び第2の論理和回路14,15のうち第1の論理和回路14への入出力信号である帯域制限非反転信号63、帯域制限非反転遅延信号66、及び非反転論理和信号68の波形を代表して示した。また、帯域制限非反転信号63の立ち下がりエッジに符号Tf1を付し、立ち上がりエッジにTr1を、帯域制限非反転遅延信号66の立ち下がりエッジにTf2を、立ち上がりエッジにTr2をそれぞれ付した。
図9に示すように、帯域制限非反転信号63は、広帯域で帯域制限されているので波線で示すようにリンギングが発生する可能性があるが、これは上述したように非反転論理和信号68のTcで示す「L」区間の形成には影響を及ぼさない。更に、広帯域で帯域制限されているので、立ち上がりエッジTr1とTr2で図示したように、それよりも狭帯域で帯域制限された帯域制限非反転遅延信号66よりも立ち上がり時間を速くすることができる。従って、非反転論理和信号68のTcで示す「L」区間を形成する波形の時刻t5における立ち上がりTrの時間を速くすることができる。これは、波形図は示さぬ帯域制限反転信号64、反転論理和信号69についても同様である。この結果、遅延時間Tdが同じ場合、FV変換特性の線形性が維持されながら検波動作帯域が改善されることになる。
次に、遅延検波回路50における復調信号のSN比の改善の処理についてその動作を併せて説明する。
図7の波形図に示すように、上述と同様に第1の論理和回路14では、帯域制限非反転信号63と帯域制限非反転遅延信号66との論理和演算が行われ、この結果の非反転論理和信号68が出力される。波形図は示さぬ第2の論理和回路15では、帯域制限反転信号64と帯域制限反転遅延信号67との論理和演算が行われ、この結果の反転論理和信号69が出力される。
非反転論理和信号68及び反転論理和信号69は、それぞれ復調に寄与する斜線の部分及び互いに反転した搬送波成分から或る。この互いに反転した搬送波成分を出力側接続部17で合成(加算)することで、各搬送波成分は逆位相なので相殺され、入力FM変調パルス信号21の立ち上がりと立ち下がり時間に対応した位置に一定幅Tdのパルス列が残る。
しかし、非反転論理和信号68と反転論理和信号69に振幅差があると、搬送波成分は完全に相殺されずに残ってしまう。搬送波は通常変調信号よりかなり高い周波数が使用されるが、広帯域FM信号の場合、変調信号によって搬送波のスペクトルが広範囲に広がり搬送波が変調信号帯域まで覆ってしまう場合がある。このため、搬送波が十分に除去されないと残留FM信号として復調信号帯域に残り復調信号22のSN比が低くなって悪化する。
本実施形態では、各論理和回路14,15に個別に出力振幅を調整できる振幅調整部58,59が設けられているので、各振幅調整部58,59によって、非反転論理和信号68及び反転論理和信号69の各々に含まれる搬送波成分の振幅が一致するように調整される。言い換えれば、各搬送波スペクトルの振幅が最小となるように調整されることで残留FM信号が除去され、これによって復調信号22のSN比が高くなる。
このような本実施形態の遅延検波回路50によれば、外部から入力されたFM変調パルス信号21を、第1の差動出力バッファ回路12で非反転及び反転して非反転信号23及び反転信号24を出力すると共に、信号遅延回路11で遅延時間Tdだけ遅延した遅延信号25を第2の差動出力バッファ回路13で非反転及び反転して非反転遅延信号26及び反転遅延信号27を出力する。これら出力された信号23,24,26,27を、予め各々対応付けられた各帯域制限回路51〜54で信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛ける。これにより得られた帯域制限非反転信号63及び帯域制限非反転遅延信号66を第1の論理和回路14で論理和演算して非反転論理和信号68を出力し、帯域制限反転信号64及び帯域制限反転遅延信号67を第2の論理和回路15で論理和演算して反転論理和信号69を出力する。そして、出力側接続部17において、それら非反転論理和信号28及び反転論理和信号29を合成して復調信号22を得るようにした。
従って、FV変換特性の線形性にリップルが発生する原因であるリンギングが抑制されるので、遅延検波時のFV変換特性の線形性を改善することができる。
また、非遅延側の信号23,24を帯域制限する方の第1及び第2の帯域制限回路51,52の帯域制限幅を、リンギングが抑制されない広帯域とするようにした。これによって、帯域制限後の信号のうち遅延されていない方の信号63,64の波形の立ち上がり時間を速くすることができるので、その後段の各論理和回路14,15の論理和演算で生成される信号68,69の「L」区間を形成する立ち上がり時間を速くすることができる。この結果、遅延時間Tdが同じ場合、FV変換特性の線形性を維持しながら検波動作帯域を広げて改善することができる。
また、第1及び第2の論理和回路14,15に、これら論理和回路14,15から出力される非反転論理和信号68及び反転論理和信号69の各々に含まれる搬送波成分の振幅を調整可能な第1及び第2の振幅調整部58,59を備え、各振幅調整部58,59が、非反転論理和信号68及び反転論理和信号69の各々に含まれる搬送波成分の振幅を一致させる調整を行うようにした。
これによって、非反転論理和信号68と反転論理和信号69に振幅差が生じないので、各搬送波成分を完全に相殺することができる。従って、広帯域FM信号のように変調信号により搬送波スペクトルが広範囲に広がり搬送波が変調信号帯域まで覆ってしまう場合でも、搬送波を相殺して十分に除去することができるので、残留FM信号として復調信号帯域に残ることが無くなる。つまり、各搬送波スペクトルの振幅が最小となるように調整されることで残留FM信号が除去され、これによって復調信号22のSN比を高くして改善することができる。
また、各振幅調整部58,59を人が手動で振幅調整可能な機構として、出力側接続部17に図示せぬ信号波形表示装置を接続し、この信号波形表示装置に非反転論理和信号68及び反転論理和信号69の双方の搬送波成分の振幅を表示させ、人が、その表示された双方の振幅を確認しながら、各振幅調整部58,59で双方の振幅を一致させる調整を行うようにしてもよい。この場合も、各搬送波成分を完全に相殺して復調信号22のSN比を改善することができる。
この他に、FM変調パルス信号21に代えて単一の無変調信号を遅延検波回路50に入力し、上記同様、信号波形表示装置に出力側接続部17での信号波形を表示させ、人が、各振幅調整部58,59によって入力無変調信号と同一周波数の信号の振幅が最も低くなるように調整することで、残留FM信号を除去して復調信号22のSN比を改善することができる。更に、FM変調パルス信号21に代えてFM変調信号を遅延検波回路50に入力するようにしても上記同様の調整によって残留FM信号を除去して復調信号22のSN比を改善することができる。これら単一の無変調信号又はFM変調信号を入力信号とする調整は、前述したように各振幅調整部58,59で自動で行う場合でも適用可能である。この調整方法は、遅延検波回路50に無変調信号又はFM変調信号を入力して復調信号22のSN比を向上させておくことができるので、出荷検査や故障時の検査などに好適である。
(実施例)
次に、本発明の実施例による遅延検波回路70の回路構成図である。遅延検波回路70は、上述した実施形態の遅延検波回路50における第1〜第4の帯域制限回路51〜54と、第1及び第2の論理和回路14,15とを具体的に電子回路に置き換えた回路である。
図10に示す第1の差動出力バッファ回路12は、入力用差動出力バッファ回路12kと、トランジスタ71a,72aと、電流源73aと、抵抗器74a,75aとを備えて構成されている。
第1及び第2の帯域制限回路51,52は、抵抗器76a,77aと、コンデンサ78a,79aとを備えて構成されている。但し、電源Vccに接続された抵抗器74a,75a,76a,77aは第1の差動出力バッファ回路12と共用されている。
第1の差動出力バッファ回路12は、トランジスタ71aのベース端が入力用差動出力バッファ回路12kの反転出力端子に接続され、トランジスタ72aのベース端が入力用差動出力バッファ回路12kの非反転出力端子に接続されている。また、トランジスタ71aはコレクタ端が抵抗器74aを介して電源Vccに接続され、エミッタ端が電流源73aを介して接地されており、トランジスタ72aもコレクタ端が抵抗器75aを介して電源Vccに接続され、エミッタ端が電流源73aを介して接地されている。
第2の差動出力バッファ回路13は、トランジスタ71bのベース端が入力用差動出力バッファ回路13kの反転出力端子に接続され、トランジスタ72bのベース端が入力用差動出力バッファ回路13kの非反転出力端子に接続されている。また、トランジスタ71bはコレクタ端が抵抗器74bを介して電源Vccに接続され、エミッタ端が電流源73bを介して接地されており、トランジスタ72bもコレクタ端が抵抗器75bを介して電源Vccに接続され、エミッタ端が電流源73bを介して接地されている。
第1の帯域制限回路51は、第1の差動出力バッファ回路12のトランジスタ71aのコレクタ端と抵抗器74aとの接続部分に抵抗器76aの一端が接続され、抵抗器76aの他端がコンデンサ78aを介して接地されている。つまり、抵抗器76aとコンデンサ78aとでRC回路によるローパスフィルタが構成されている。
第2の帯域制限回路52は、第1の差動出力バッファ回路12のトランジスタ72aのコレクタ端と抵抗器75aとの接続部分に抵抗器77aの一端が接続され、抵抗器77aの他端がコンデンサ79aを介して接地されている。つまり、抵抗器77aとコンデンサ79aとでローパスフィルタが構成されている。
第3の帯域制限回路53は、第2の差動出力バッファ回路13のトランジスタ71bのコレクタ端と抵抗器74bとの接続部分に抵抗器76bの一端が接続され、抵抗器76bの他端がコンデンサ78bを介して接地されている。つまり、抵抗器76bとコンデンサ78bとでローパスフィルタが構成されている。
第4の帯域制限回路54は、第2の差動出力バッファ回路13のトランジスタ72bのコレクタ端と抵抗器75bとの接続部分に抵抗器77bの一端が接続され、抵抗器77bの他端がコンデンサ79bを介して接地されている。つまり、抵抗器77bとコンデンサ79bとでローパスフィルタが構成されている。
第1の論理和回路14の各入力側トランジスタ81a〜84aのコレクタ端は電源Vccに接続されており、入力側トランジスタ81aのエミッタ端は電流源86aを介して接地され、入力側トランジスタ82aのエミッタ端は電流源87aを介して接地されている。入力側トランジスタ83aのエミッタ端は可変電流源88aを介して接地され、ベース端は入力側トランジスタ81aのエミッタ端に接続されている。入力側トランジスタ84aのエミッタ端は可変電流源88aを介して接地され、ベース端は入力側トランジスタ82aのエミッタ端に接続されている。
更に、出力側トランジスタ85aのエミッタ端は可変電流源88aを介して接地され、ベース端は電圧源89aを介して接地され、コレクタ端は出力側接続部17及び抵抗器18を介して電源Vccに接続されている。また、可変電流源88aの電流制御端に振幅調整端子が接続されることにより第1の振幅調整部58が構成されている。
第2の論理和回路15の各入力側トランジスタ81b〜84bのコレクタ端は電源Vccに接続されており、入力側トランジスタ81bのエミッタ端は電流源86bを介して接地され、入力側トランジスタ82bのエミッタ端は電流源87bを介して接地されている。入力側トランジスタ83bのエミッタ端は可変電流源88bを介して接地され、ベース端は入力側トランジスタ81bのエミッタ端に接続されている。入力側トランジスタ84bのエミッタ端は可変電流源88bを介して接地され、ベース端は入力側トランジスタ82bのエミッタ端に接続されている。
更に、出力側トランジスタ85bのエミッタ端は可変電流源88bを介して接地され、ベース端は電圧源89bを介して接地され、コレクタ端は出力側接続部17及び抵抗器18を介して電源Vccに接続されている。また、可変電流源88bの電流制御端に振幅調整端子が接続されることにより第2の振幅調整部59が構成されている。
このような構成の遅延検波回路70の動作を説明する。
まず、第1の差動出力バッファ回路12において、入力用差動出力バッファ回路12kから入力用反転信号23kがトランジスタ71aのベース端に入力され、入力用非反転信号24kがトランジスタ72aのベース端に入力されると、各トランジスタ71a,72aのコレクタ−エミッタ間に電流源73aで定まる一定の電流が流れ、これによって、入力用反転信号23kが反転されて非反転信号23となり、入力用非反転信号24kが反転された反転信号24となる。
その非反転信号23は、第1の帯域制限回路51の抵抗器76a及びコンデンサ78aのローパスフィルタで高周波線分が除去され、低周波成分が帯域制限非反転信号63としてトランジスタ81aのベース端へ出力される。反転信号24は、第2の帯域制限回路52の抵抗器77a及びコンデンサ79aのローパスフィルタで高周波線分が除去され、低周波成分が帯域制限非反転信号64としてトランジスタ81bのベース端へ出力される。
次に、第2の差動出力バッファ回路13において、入力用差動出力バッファ回路13kから入力用非反転信号26kがトランジスタ71bのベース端に入力され、入力用反転信号27kがトランジスタ72bのベース端に入力されると、各トランジスタ71b,72bのコレクタ−エミッタ間に電流源73bで定まる一定の電流が流れ、これによって、入力用非反転信号26kが反転されて非反転信号26となり、入力用反転信号27kが反転された反転信号27となる。
その非反転信号26は、第3の帯域制限回路53の抵抗器76b及びコンデンサ78bのローパスフィルタで高周波線分が除去され、低周波成分が帯域制限非反転信号66としてトランジスタ82aのベース端へ出力される。反転信号27は、第4の帯域制限回路54の抵抗器77b及びコンデンサ79bのローパスフィルタで高周波線分が除去され、低周波成分が帯域制限非反転信号67としてトランジスタ82bのベース端へ出力される。
第1の論理和回路14において、帯域制限非反転信号63が入力側トランジスタ81aのベース端に入力され、帯域制限非反転遅延信号66が入力側トランジスタ82aのベース端に入力されると、各入力側トランジスタ81a,82aのコレクタ−エミッタ間に電流源86a,87aで定まる一定の電流が流れ、これによって、他の入力側トランジスタ83a,84aのベース端に所定の電流が入力される。
この入力でオンとなった各入力側トランジスタ83a,84aのコレクタ−エミッタ間に可変電流源88aの現調整値で定まる一定の電流が流れ、この時、電圧源89aからベース端に所定の給電が行われている出力側トランジスタ85aのコレクタ−エミッタ間に、差動回路関係にある入力側トランジスタ83a,84aのコレクタ−エミッタ電流と逆位相の電流が流れ、これによって出力側接続部17へ非反転論理和信号68が出力される。
第2の論理和回路15において、帯域制限反転信号64が入力側トランジスタ81bのベース端に入力され、帯域制限反転遅延信号67が入力側トランジスタ82bのベース端に入力されると、各入力側トランジスタ81b,82bのコレクタ−エミッタ間に電流源86b,87bで定まる一定の電流が流れ、これによって、他の入力側トランジスタ83b,84bのベース端に所定の電流が入力される。
この入力でオンとなった各入力側トランジスタ83b,84bのコレクタ−エミッタ間に可変電流源88bの現調整値で定まる一定の電流が流れ、この時、電圧源89bからベース端に所定の給電が行われている出力側トランジスタ85bのコレクタ−エミッタ間に、差動回路関係にある入力側トランジスタ83b,84bのコレクタ−エミッタ電流と逆位相の電流が流れ、これによって出力側接続部17へ反転論理和信号69が出力される。
出力側接続部17では、非反転論理和信号68と反転論理和信号69とが合成されて復調信号22が出力される。
この際、非反転論理和信号68及び反転論理和信号69の搬送波成分の振幅に差がある場合は、各振幅調整部58,59によって可変電流源88a,88bの調整値が、各搬送波成分の振幅が一致するように調整される。これによって、SN比の高い復調信号22が得られる。
このような実施例の遅延検波回路70においては、各論理和回路14,15の論理和演算回路は一般的な回路構成であるが、各々の論理和演算結果である非反転論理和信号68及び反転論理和信号69を電流出力として加算しやすいようにしてある。また、各論理和回路14,15の出力振幅を決める電流源を微調整可能な可変電流源88a,88bとし、これら電流制御端に振幅調整端子を接続して各振幅調整部58,振幅調整部59が構成してある。
更に、各帯域制限回路51〜54としては、第1及び第2の帯域制限回路51,52を代表して説明するように、RC回路によるローパスフィルタを使用している。また、一対のトランジスタ71a,71bを有する差動回路のコレクタ抵抗器74a,75aとコンデンサ78a,79aの時定数を利用して、抵抗器76a,77aを省くこともできる。
また、コンデンサ78a,79aは配線パターンによる分布定数回路を使うことも可能である。特に非遅延側の第1及び第2の帯域制限回路51,52に関しては、抵抗RとキャパシタンスCの値が極端に小さくなる可能性があり、レイアウトの寄生抵抗、寄生容量で代用できる場合もある。
本発明の遅延検波回路及び遅延検波回路の調整方法は、電話装置等の各種通信装置やビデオ装置等の各種電子電気装置に幅広く適用される。
従来の遅延検波回路の回路構成図である。 従来の遅延検波回路における非反転信号、非反転遅延信号及び非反転論理和信号の波形図である。 従来の遅延検波回路におけるリンギング発生状態の非反転信号、非反転遅延信号及び非反転論理和信号の波形図である。 従来の遅延検波回路における論理和回路の具体的な回路図である。 従来の遅延検波回路におけるFV変換特性曲線を示す図である。 本発明の実施形態に係る遅延検波回路の回路構成図である。 実施形態の遅延検波回路の動作説明のための波形図である。 実施形態の遅延検波回路における帯域制限非反転信号、帯域制限非反転遅延信号及び非反転論理和信号との波形図である。 実施形態の遅延検波回路における非遅延側信号の帯域制限幅を広帯域とした際の帯域制限非反転信号及び帯域制限非反転遅延信号と、論理和回路から出力される非反転論理和信号との波形図である。 本発明の実施例に係る遅延検波回路の回路構成図である。
符号の説明
10,50,70:遅延検波回路
11:信号遅延回路
12:第1の差動出力バッファ回路
13:第2の差動出力バッファ回路
14:第1の論理和回路
15:第2の論理和回路
16:入力側接続部
17:出力側接続部
21:FM変調パルス信号
23:非反転信号
24:反転信号
25:遅延信号
26:非反転遅延信号
27:反転遅延信号
28:非反転論理和信号
29:反転論理和信号
31,32,81a〜84a,81b〜84b:入力側トランジスタ
33,85a,85b:出力側トランジスタ
18,34,74a〜77a,74b〜77b:抵抗器
35,73a,73b,86a〜88a,86b〜88b:電流源
36,89a,89b:電圧源
37,38:入力ベース端子
71a,72a,71b,72b:トランジスタ
39:論理和出力端子
42:FV変換特性曲線
51:第1の帯域制限回路
52:第2の帯域制限回路
53:第3の帯域制限回路
54:第4の帯域制限回路
58:第1の振幅調整部
59:第2の振幅調整部
63:帯域制限非反転信号
64:帯域制限反転信号
66:帯域制限非反転遅延信号
67:帯域制限反転遅延信号
68:非反転論理和信号
69:反転論理和信号

Claims (7)

  1. 周波数変調されたパルス信号であるFM変調パルス信号が入力され、前記FM変調パルス信号を反転した反転信号及び反転しない非反転信号を出力する第1の差動出力バッファ回路と、
    前記FM変調パルス信号が入力され、前記FM変調パルス信号を一定時間遅延させた遅延信号を出力する信号遅延回路と、
    前記信号遅延回路から出力される前記遅延信号を反転した反転遅延信号及び反転しない非反転遅延信号を出力する第2の差動出力バッファ回路と
    記第2の差動出力バッファ回路から出力される非反転遅延信号に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛け、この帯域制限非反転遅延信号を出力する第3の帯域制限回路と、
    前記第2の差動出力バッファ回路から出力される反転信号に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛け、この帯域制限反転遅延信号を出力する第4の帯域制限回路と、
    前記第1の差動出力バッファ回路から出力される非反転信号に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛け、帯域制限幅を前記第3の帯域制限回路より広帯域に設定され、この帯域制限非反転信号を出力する第1の帯域制限回路と、
    前記第1の差動出力バッファ回路から出力される反転信号に当該信号波形のリンギングが抑制されるように帯域制限を掛け、帯域制限幅を前記第4の帯域制限回路より広帯域に設定され、この帯域制限反転信号を出力する第2の帯域制限回路と、
    前記第1の帯域制限回路から出力される帯域制限非反転信号と前記第3の帯域制限回路から出力される帯域制限非反転遅延信号との論理和演算を行い、この結果得られる非反転論理和信号を出力する第1の論理和回路と、
    前記第の帯域制限回路から出力される帯域制限反転信号と前記第の帯域制限回路から出力される帯域制限反転遅延信号との論理和演算を行い、この結果得られる反転論理和信号を出力する第2の論理和回路と、
    前記第1の論理和回路から出力される非反転論理和信号と前記第2の論理和回路から出力される反転論理和信号とを合成して復調信号を出力する論理和出力端子と、
    を備えることを特徴とする遅延検波回路。
  2. 前記第1及び第2の論理和回路に、当該第1及び第2の論理和回路から出力される前記非反転論理和信号及び前記反転論理和信号の各々に含まれる搬送波成分の振幅を調整可能な振幅調整手段を備え、
    前記振幅調整手段が、前記非反転論理和信号及び前記反転論理和信号の各々に含まれる搬送波成分の振幅が一致するように調整することを特徴とする請求項1に記載の遅延検波回路。
  3. 前記搬送波成分が、前記FM変調パルス信号に代えて用いられた単一の無変調信号であることを特徴とする請求項に記載の遅延検波回路。
  4. 前記搬送波成分が、前記FM変調パルス信号に代えて用いられたFM変調信号であることを特徴とする請求項に記載の遅延検波回路。
  5. 請求項1に記載の遅延検波回路の調整方法であって、
    前記第1及び第2の論理和回路において当該第1の論理和回路から出力される非反転論理和信号と、当該第2の論理和回路から出力される反転論理和信号との各々に含まれる搬送波信号の振幅が一致するように調整することを特徴とする遅延検波回路の調整方法。
  6. 前記FM変調パルス信号に代えて単一の無変調信号を用い、この際に、前記第1及び第2の論理和回路において、当該第1の論理和回路から出力される非反転論理和信号と、当該第2の論理和回路から出力される反転論理和信号との各々に含まれる搬送波信号の振幅が一致するように調整することを特徴とする請求項に記載の遅延検波回路の調整方法。
  7. 前記FM変調パルス信号に代えてFM変調信号を用い、この際に、前記第1及び第2の論理和回路において、当該第1の論理和回路から出力される非反転論理和信号と、当該第2の論理和回路から出力される反転論理和信号との各々に含まれる搬送波信号の振幅が一致するように調整することを特徴とする請求項に記載の遅延検波回路の調整方法。
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