JP4891362B2 - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフクラブシャフトに関する。より詳細には、繊維強化樹脂製のゴルフクラブシャフトに関する。
ゴルフクラブシャフトは、いわゆるスチールシャフトとカーボンシャフトとに大別される。軽量性、設計自由度の高さ等の観点から、カーボンシャフトが広く用いられている。
いわゆるカーボンシャフトは、繊維強化樹脂よりなる。このカーボンシャフトの製造方法として、シートワインディング法が知られている。この製造方法では、マンドレル(芯金)にシート状のプリプレグを巻き付け、更にラッピングテープを巻き付けた後、プリプレグを加熱により硬化させて製造される。
上記ラッピングテープは、螺旋状に巻き付けられる。上記硬化工程の後、このラッピングテープは除去される。硬化された管状体の表面には、上記ラッピングテープにより形成された多数の凹凸が残る。特開2004−57731号に記載されているように、この凹凸を滑らかにする目的で、表面研磨が施される。
シャフトのチップ部(先端部)には、ヘッドが取り付けられる。打球時の応力は、シャフトの先端部に集中しやすい。特開2002−233598号に開示されたシャフトでは、直角三角形の形状を有する先端補強用プリプレグが用いられている。この先端補強用プリプレグは、最内層に設けられている。
特開2004−57731公報 特開2002−233598号公報
三角形の先端補強用プリプレグが巻き付けられる場合、このプリプレグの縁が螺旋状に配置される。このプリプレグの縁は、段差を形成する。この段差は、プリプレグの厚みに起因する。この段差の高さは、プリプレグの厚みに等しい。
研磨工程を施すことにより、上記段差の高さは小さくなる。またこの段差は、螺旋状に分布しているので、シャフト軸方向に分散されている。よって、この段差のシャフト強度への影響は無視できる程度であるとも考えられる。しかし本発明者は、この螺旋状の段差がシャフト強度に影響することを見いだした。
本発明の目的は、先端部の強度が高いゴルフクラブシャフトの提供にある。
本発明のゴルフクラブシャフトは、巻回されたプリプレグが硬化されることにより形成されている。このシャフトは、本体層と、最外層に設けられたチップ補強層とを有している。チップ補強層用プリプレグは、チップ側ほど周方向幅が大きい部分を有している。上記チップ補強層用プリプレグの厚みPtは、0.06mm以上0.12mm以下である。上記チップ補強層の縁は、螺旋状に延在している。このシャフトでは、上記チップ補強層の縁により形成された段差の高さh1が以下の(a)を満たすように表面研磨がなされている。
(a)チップから60mm隔てた地点における上記高さh1がh11とされ、チップから120mm隔てた地点における上記高さh1がh12とされ、チップから180mm隔てた地点における上記高さh1がh13とされ、チップから240mm隔てた地点における上記高さh1がh14とされ、チップから300mm隔てた地点における上記高さh1がh15とされたとき、これら5つの地点における高さh11からh15の平均値Haが、0.03mm以下である。
好ましいゴルフクラブシャフトでは、上記(a)及び以下の(b)を満たすように表面研磨がなされる。
(b)比(Ha/Pt)が0.5以下である。
本発明の他の観点のゴルフクラブシャフトは、巻回されたプリプレグが硬化されることにより形成されている。このシャフトは、本体層と、最外層に設けられたチップ補強層とを有している。チップ補強層用プリプレグは、チップ側ほど周方向幅が大きい部分を有している。上記チップ補強層用プリプレグの厚みPtは、0.06mm以上0.12mm以下である。上記チップ補強層の縁が、螺旋状に延在している。このシャフトでは、上記チップ補強層の縁により形成された段差の高さh1が以下の(b)を満たすように表面研磨がなされている。
(b)チップから60mm隔てた地点における上記高さh1がh11とされ、チップから120mm隔てた地点における上記高さh1がh12とされ、チップから180mm隔てた地点における上記高さh1がh13とされ、チップから240mm隔てた地点における上記高さh1がh14とされ、チップから300mm隔てた地点における上記高さh1がh15とされ、これら5つの地点における高さh11からh15の平均値がHaとされたとき、比(Ha/Pt)が0.5以下である。
好ましくは、上記本体層が、シャフトの全長に亘って設けられた全長層を有する。好ましくは、この全長層のうち、最も外側に位置する層が全長最外層とされるとき、この全長最外層が、シャフト外面に露出する露出層を有する。好ましくは、上記露出層の上記表面研磨前における厚みがQt1(mm)とされ、上記露出層の上記表面研磨後における平均厚みがQt2(mm)とされるとき、比(Qt2/Qt1)が0.6以上である。
先端補強用プリプレグが用いられたゴルフクラブシャフトにおいて、先端部の強度が高められ得る。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブシャフトの製造方法を説明するための図である。この製造方法では、先ず、マンドレル2とプリプレグ4とが用意される。マンドレル2は、芯金とも称される。典型的なマンドレル2の材質は、鋼等の金属である。マンドレル2の中心軸線は、略直線である。マンドレル2の断面形状は、円形である。マンドレル2は、テーパーを有している。このテーパーにより、マンドレル2は、先端に近づくほど細くなされている。マンドレル2は、部分的にパラレルであってもよい。換言すれば、マンドレル2は、直径が一定の部分を有していても良い。
マンドレル2は、最終的に得られるシャフトの中空部を形成する。マンドレル2の形状により、シャフトの中空部の形状が決定される。後述されるように、マンドレル2は、後の工程において引き抜かれる。この引き抜きが容易となるように、好ましくは、マンドレル2の表面に離型剤が塗布される。
この製造方法では、先ず、マンドレルに、プリプレグ4が巻回される工程がなされる。この工程が、以下、巻回工程とも称される。
巻回工程に先立ち、プリプレグ4が用意される。プリプレグ4は、シート状である。プリプレグ4は、繊維とマトリクス樹脂とを含む。この繊維は、炭素繊維である。プリプレグ4の炭素繊維は、一方向に配向している。この繊維は、炭素繊維以外であってもよい。高強度で且つ軽量なシャフトを得る観点から、炭素繊維が好ましい。プリプレグ4のマトリクス樹脂は、完全には硬化していない。よってプリプレグ4は柔軟性を有する。この柔軟性は、プリプレグ4のマンドレル2への巻回を許容する。なお、マトリクス樹脂は限定されず、好ましくはエポキシ樹脂である。
巻回工程の前に、プリプレグ4は、所望の形状に切断される。図1の実施形態では、9枚のプリプレグ4が用いられる。図1の実施形態では、切断されたプリプレグ4の例として、シートs1からシートs9が示されている。プリプレグ4は、アングル層用シートs2及びs3と、ストレート層用シートs1、s4、s5、s7、s8及びs9と、フープ層用シートs6とを含む。プリプレグ4は、シャフトの全長に亘って設けられる全長シートs2、s3、s4、s5及びs8と、シャフト長手方向の一部に設けられる部分シートs1、s6、s7及びs9とを含む。なお、プリプレグ4の仕様は限定されない。プリプレグ4の形状、厚み、繊維種類、繊維含有率等は限定されない。
巻回工程では、シートs1からシートs9までが、順次マンドレル2に巻回される。図示されていないが、巻回に先立ち、シートs2とシートs3とは互いに貼り合わせられる。この貼り合わせにより形成される貼り合わせ体がマンドレル2に巻回される。この貼り合わせにおいて、シートs3は、裏返される。この裏返しにより、シートs2の繊維とシートs3の繊維とは、互いに逆方向に配向する。図1において各シートs1からs9に記載された角度は、シャフト軸方向と繊維の配向方向とのなす角度を示している。
シートs1からs9の巻回は、例えば人力によりなされる。巻回機(ローリングマシンとも称される)が用いられても良い。巻回工程により、中間成形体6が得られる。中間成形体6は、巻き付けられたプリプレグ4により構成されている。中間成形体6の断面は、渦巻き状の層よりなる。これらの層は、複数枚のプリプレグ4により形成されている。
次に、テープ巻き付け工程がなされる。このテープ巻き付け工程では、中間成形体6の外周面にラッピングテープが巻き付けられる。ラッピングテープとして、樹脂製のテープが用いられる。図示しないが、ラッピングテープは、螺旋状に巻き付けられる。ラッピングテープは、中間成形体6に隙間無く巻き付けられる。
ラッピングテープの巻き付けは、張力を付与しつつなされる。この張力により、中間成形体6は、ラッピングテープにより締め付けられる。
巻き付け工程の後に、硬化工程がなされる。この硬化工程では、ラッピングテープが巻き付けられた中間成形体6が加熱される。この加熱により、マトリクス樹脂が硬化する。
硬化工程の後、マンドレル2の引き抜き及びラッピングテープの除去がなされ、硬化した管状体が得られる。以下において、この硬化した管状体が、素管とも称される。
次に、この素管の両端部が切断される。即ち、素管のチップ部及びバット部が切断される。この切断が、以下において両端カットとも称される。両端カットにより、チップ及びバットの端面が平坦となる。図1において、両端カット後におけるシャフトのチップがTp1で示されており、両端カット後におけるシャフトのバットがBt1で示されている。
なお、この両端カットは、なされなくてもよい。両端カットがなされない場合、素管のチップTpとシャフトのチップTp1とは一致する。両端カットがなされない場合、素管のバットBtとシャフトのバットBt1とは一致する。
次に、表面研磨工程(単に、研磨工程とも称される)がなされる。素管の表面には、ラッピングテープの跡が残っている。この跡は、多数の凹凸である。表面研磨により、この凹凸が滑らかに加工される。この表面研磨工程の詳細については、後述される。
通常は、表面研磨工程に後に、塗装が施される。この塗装により、最終製品のシャフトが完成する。
シャフトのチップTp1の外径は、バットBt1の外径よりも小さい。シャフトの外径は、チップTp1からバットBt1にいくに従って大きくされている。シャフトは、チップTp1側からバットBt1側にいくに従って外径が大きくなる部分と、外径が一定の部分とを有していてもよい。
上記実施形態により得られるシャフトは、最外層に設けられたチップ補強層を有する。このチップ補強層は、上記したプリプレグシートs9が硬化してなる。この最外層のシートs9が、チップ補強層用プリプレグである。チップ補強層用プリプレグのチップ側の端は、素管のチップTpに位置する。チップ補強層のチップ側の端は、シャフトのチップTp1に位置する。
図2は、上記巻回工程において、この最外層のチップ補強層用プリプレグs9が巻き付けられる様子を示す図である。シートs9は、最後に巻回されるシートである。シートs1からシートs8までがマンドレル2に巻き付けられることにより、本体巻回体7が形成される(図2参照)。本願では、チップ補強層用プリプレグs9以外のプリプレグが巻き付けられてなる巻回体が、本体巻回体7と称される。この本体巻回体7が硬化することにより、シャフトの本体層が得られる。
本体層は、全長層を有する。この全長層とは、シャフトの全長に亘って設けられた層である。換言すれば、この全長層とは、シャフトのチップ端からバット端にまで至る層である。この全長層は、前述した全長シートs2、s3、s4、s5及びs8によって構成される。即ち、これら全長シートs2、s3、s4、s5及びs8が硬化した層が、全長層である。本実施形態では、全長層が複数である。全長層は、単数であってもよい。
この全長層のうち、最も外側に位置する層が、全長最外層と称される。本実施形態では、全長シートs8からなる層が、全長最外層である。なお、最も外側の全長シートs8が複数層(複数プライ)である場合、これらの複数層のうち最も外側の層が、全長最外層である。
全長最外層は、シャフト外面に露出する露出層を有する。この露出層は、本体巻回体7の最外層7aによって形成される。最外層7aが硬化した層が、上記露出層である。この最外層7aは、硬化した後、表面研磨工程により研磨される。全長最外層のうち、チップ補強層(プリプレグs9)で覆われた部分は、露出層ではない。
図1及び図2が示すように、チップ補強層用プリプレグs9の形状は、三角形である。チップ補強層用プリプレグs9は、チップ側ほど周方向幅Wsが大きくされている(図2参照)。この周方向とは、シャフトの周方向を意味する。
本体巻回体7は、上記チップ補強層(プリプレグs9)の設置範囲A1(図2参照)の少なくとも一部において、チップ側ほど細くなる形状を有している。本体巻回体7は、上記チップ補強層の設置範囲A1において、チップ側ほど細くなる形状を有している。本体巻回体7は、上記チップ補強層の設置範囲A1の全体において、チップ側ほど細くされている。この本体巻回体7が硬化することにより、シャフトの本体層が得られる。よって、表面研磨の影響を除けば、シャフトの本体層の形状は、本体巻回体7の形状に略等しい。本実施形態に係るシャフトの本体層は、上記チップ補強層の設置範囲A1の少なくとも一部において、チップ側ほど細くなる形状を有している。本実施形態に係るシャフトの本体層は、上記チップ補強層の設置範囲A1において、チップ側ほど細くなる形状を有している。本実施形態のシャフトの本体層は、上記チップ補強層の設置範囲A1の全体において、チップ側ほど細くされている。
なお、本体巻回体7は、設置範囲A1において、外径が一定の部分を有していても良い。シャフトの本体層は、設置範囲A1において、外径が一定の部分を有していても良い。
この本体巻回体7にチップ補強層用プリプレグs9が巻回される。
プリプレグs9は、チップTp側ほど周方向幅Wsが大きいので、プリプレグs9の巻回数は、チップ側ほど多くなる。換言すれば、巻回後におけるプリプレグs9の合計厚みは、チップTp側ほど厚い。このプリプレグs9の厚み分布チップTpほど厚いのに対し、本体巻回体7の外径は、チップTpほど小さい。この両者の関係により、プリプレグs9が巻かれた後における中間成形体6の外径は、プリプレグs9の設置範囲A1において、略一定とされている。換言すれば、プリプレグs9の設置範囲A1における中間成形体6の平均外径が一定となるように、プリプレグs9の寸法及び形状が決定されている。この場合、シャフトの先端部を補強しつつ、シャフトの先端部をパラレル形状とすることができる。パラレル形状とは、外径が一定であることを意味する。
本実施形態のプリプレグs9は、直角三角形とされている。このプリプレグs9は、互いに直交する第一の辺d1及び第二の辺d2と、斜辺d3とを有する。プリプレグs9の巻き付けでは、先ず、第一の辺d1が、本体巻回体7の軸方向に沿って配置される(図2の中段の図を参照。)。このとき、第二の辺d2は、チップTp側に配置される。次に、マンドレル2を回転させて、プリプレグs9が巻き付けられる。プリプレグs9が巻き付けられた後の状態が、図2の下段の図で示されている。図2が示すように、斜辺d3は螺旋状に巻き付けられる。換言すれば、プリプレグs9の縁(斜辺d3)は、シャフト周方向に周回しつつ、シャフト軸方向に延在する。
なお、チップ補強層用プリプレグs9の形状は、直角三角形に限定されない。他の形状として、二等辺三角形、台形等が例示される。巻き付けの容易性及び設計の容易性の観点から、直角三角形が好ましい。また、直角三角形とした場合、プリプレグs9の材料の無駄が最小限となる。この観点からも、直角三角形が好ましい。
図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。本体巻回体7は、実際には多数の層により構成されているが、図3においては、簡略化の目的で、本体巻回体7が単一の層として示されている。また、分かりやすい図面とする目的で、図3では、プリプレグs9の厚みが実際よりも大きく描かれている。
中間成形体6において、プリプレグs9は最外層に位置している。よって、斜辺d3は、中間成形体6の表面に段差Dsを形成する(図3参照)。つまり、プリプレグs9の縁が段差Dsを形成する。この段差Dsの高さH1は、チップ補強層用プリプレグs9の厚みPtに等しい。
中間成形体6は、上記した硬化工程を経て、素管となる。硬化した後の素管においても、この段差Dsが残存する。
表面研磨工程により、段差Dsの高さH1は小さくなり、高さh1となる(図示省略)。この段差Dsは、シャフト軸方向に分散していることから、シャフト強度への影響は問題にならないと考えられていた。しかし、この段差Dsを小さくすることにより、シャフト強度が向上することが判った。
本発明では、5つの地点P1、P2、P3、P4及びP5が定義される。これらの地点が、図4に示されている。地点P1は、チップTp1から60mm隔てた地点である。地点P2は、チップTp1から120mm隔てた地点である。地点P3は、チップTp1からチップから180mm隔てた地点である。地点P4は、チップTp1から240mm隔てた地点である。地点P5は、チップTp1から300mm隔てた地点である。これらの距離は、シャフト軸方向に沿って測定される。
本願では、地点P1における段差Dsの高さh1がh11とされ、地点P2における段差Dsの高さh1がh12とされ、地点P3における段差Dsの高さh1がh13とされ、地点P4における段差Dsの高さh1がh14とされ、地点P5における段差Dsの高さh1がh15とされる。チップ補強層用プリプレグによる補強効果を高める観点から、これら5つの地点における高さh11からh15の平均値Haは、0.03mm以下であるのが好ましく、0.02mm以下であるのがより好ましく、0.01mm以下であるのがより好ましい。この平均値Haは、次の式により計算される。
Ha=(h11+h12+h13+h14+h15)/5
なお、チップ補強層用プリプレグのシャフト軸方向長さLsが短い場合、上記地点P1からP5の全てに段差Dsが存在しない場合がある。例えば、図5の実施形態のように、地点P5において段差Dsが存在せず、地点P1からP4においては段差Dsが存在する場合がある。この場合、平均値Haは、4箇所の平均値である。即ち、図5の実施形態の場合、平均値Haは、次の式により計算される。
Ha=(h11+h12+h13+h14)/4
チップ補強層用プリプレグによる補強効果を高める観点から、上記高さh11は、0.03mm以下であるのが好ましく、0.02mm以下であるのがより好ましく、0.01mm以下であるのがより好ましい。
チップ補強層用プリプレグによる補強効果を高める観点から、上記高さh12は、0.03mm以下であるのが好ましく、0.02mm以下であるのがより好ましく、0.01mm以下であるのがより好ましい。
チップ補強層用プリプレグによる補強効果を高める観点から、上記高さh13は、0.03mm以下であるのが好ましく、0.02mm以下であるのがより好ましく、0.01mm以下であるのがより好ましい。
チップ補強層用プリプレグによる補強効果を高める観点から、上記高さh14は、0.03mm以下であるのが好ましく、0.02mm以下であるのがより好ましく、0.01mm以下であるのがより好ましい。
チップ補強層用プリプレグによる補強効果を高める観点から、上記高さh15は、0.03mm以下であるのが好ましく、0.02mm以下であるのがより好ましく、0.01mm以下であるのがより好ましい。
チップ補強層用プリプレグによる補強効果を高める観点から、平均値Haの、厚みPtに対する比(Ha/Pt)は、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.1以下がより好ましい。
チップ補強層用プリプレグによる補強効果を高める観点から、上記高さh11の、厚みPtに対する比(h11/Pt)は、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.1以下がより好ましい。
チップ補強層用プリプレグによる補強効果を高める観点から、上記高さh12の、厚みPtに対する比(h12/Pt)は、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.1以下がより好ましい。
チップ補強層用プリプレグによる補強効果を高める観点から、上記高さh13の、厚みPtに対する比(h13/Pt)は、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.1以下がより好ましい。
チップ補強層用プリプレグによる補強効果を高める観点から、上記高さh14の、厚みPtに対する比(h14/Pt)は、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.1以下がより好ましい。
チップ補強層用プリプレグによる補強効果を高める観点から、上記高さh15の、厚みPtに対する比(h15/Pt)は、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.1以下がより好ましい。
上記チップ補強層用プリプレグの厚みPtは、0.06mm以上0.12mm以下とされる。厚みPtが0.06mm未満のプリプレグが使用される場合、強度を確保するために巻回数を多くする必要が生ずる。巻回数が多い場合、生産性が低下し、生産コストが上昇する。厚みPtが0.12mmを超える場合、段差Dsが過度に大きくなる。
表面研磨工程では、素管の表面の全体が研磨されてもよいし、素管表面の一部が研磨されてもよい。通常、研磨工程では、素管の大半の部分が研磨される。ただし、素管の表面のうち、グリップが装着される部分は、ゴルフクラブとされた際にグリップで覆われる。よって、グリップが装着される部分は、研磨される必要がない。研磨工程の無駄を省く観点から、素管のうち、グリップが装着される部分は、研磨されなくてもよい。
前述したように、上記全長最外層は、シャフト外面に露出する露出層を有する。上記露出層の研磨前における厚みがQt1(mm)とされ、上記露出層の研磨後における平均厚みがQt2(mm)とされるとき、比(Qt2/Qt1)が考慮されるのが好ましい。厚みQt1は、全長最外層を構成するプリプレグの厚みに実質的に等しい。上記の実施形態では、厚みQt1は、プリプレグs8の厚みに実質的に等しい。表面研磨により、上記露出層の研磨後における平均厚み厚みQt2は、厚みQt1よりも小さくなる。よって、比(Qt2/Qt1)は、1.0未満である。
比(Qt2/Qt1)が過度に小さい場合、シャフト強度が低下する場合がある。また、このシャフト強度の低下を抑制するために全長層の層数を増やした場合、シャフトの製造コストが増加する。これらの観点から、比(Qt2/Qt1)は、0.6以上が好ましく、0.7以上がより好ましい。上記観点から、比(Qt2/Qt1)は、1.0に近い値とされるのも好ましいが、ラッピングテープの跡を目立たなくする観点からは、0.9以下が好ましい。
シャフト強度の観点から、上記全長層の研磨量は、3g以下が好ましく、2g以下がより好ましい。この研磨量は少ない方が好ましいが、ラッピングテープの跡を目立たなくする観点から、上記全長層の研磨量は、1g以上とされてもよい。
次に、本発明で用いられる表面研磨工程について説明する。
図6は、表面研磨工程の一例の様子を示す斜視図であり、図7は、この表面研磨工程の様子を示す平面図である。この表面研磨工程で用いられている研磨装置10は、ローラー12と、プレッシャーローラー14と、研磨体16とを備える。
この表面研磨工程では、両端カットされた後の素管18が研磨される。
研磨体16は、無端の研磨ベルトである。この研磨ベルトは、基材と、この基材の表面に接着された研磨材とを有する。基材として、紙及び布が例示される。なお、研磨体16が、ローラー12と一体化されていてもよい。例えば、ローラー12自体の表面に研磨材が設けられていても良い。
ローラー12とプレッシャーローラー14とは、所定の間隔をおいて配置されている。ローラー12の回転軸z1の方向と、プレッシャーローラー14の回転軸z2の方向とは、略平行である。研磨体16は、ローラー12と、図示しない他のローラーとの間に架け渡されている。回転するローラー12の表面と共に研磨体16が移動し、研磨が行われる。
ローラー12とプレッシャーローラー14とは、同じ方向に回転する。素管18は、ローラー12と逆方向に回転する。ローラー12とプレッシャーローラー14との間に、素管18が通される。プレッシャーローラー14は、設定された圧力を素管18に付与する。この圧力(研磨圧)により、素管18は研磨体16に押しつけられ、素管18が研磨体16により研磨される。素管18は、その軸方向に回転(自転)しながら、シャフト軸方向zS(図6の白抜き矢印方向)に移動する。この自転及び移動により、シャフト外面の全体が研磨される。
なお、上記のように研磨ベルトを用いた研磨装置にて研磨工程を行う場合、この研磨工程が、第一の研磨工程と、この第一の研磨工程とはベルトの研磨材の粒度及び/又はベルトの送り速度が異なる第二の研磨工程とを含むのが好ましい。より好ましくは、上記第二の研磨工程における研磨材の粒度が、上記第一の研磨工程における研磨材の粒度よりも細かくされるのがよい。換言すれば、上記第二の研磨工程における研磨材の番手(後述されJIS R6001−1998で規定されるFに続く数字)が、上記第一の研磨工程における研磨材の番手よりも大きくされるのがよい。このような工程により、生産性の向上が可能であり、上記段差Dsの高さを低くすることができ、且つ、過度な研磨が防止されうる。上記第一の研磨工程及び上記第二の研磨工程においては、共に、前述の研磨装置が用いられうる。また、上記第一の研磨工程及び上記第二の研磨工程のうちのいずれか一方又は両方において、他の研磨装置が用いられても良い。また、上記第一の研磨工程及び上記第二の研磨工程のうちのいずれか一方又は両方において、手作業で研磨がなされてもよい。
研磨体に用いられる研磨材は限定されない。研磨材として、天然研磨材と人造研磨材とが例示される。
天然研磨材として、ガーネット、フリント及びエメリーが例示される。ガーネットは、火山岩や川床の砂礫などに含まれ、ガラス光沢を有し、硬くて脆い鉱物である。ガーネットは、成分によって数種類に分類される。典型的なガーネットの化学構造式は、Al・3FeO・3SiOである。ガーネットは、手磨き用和紙研磨紙及び木工用研磨紙に用いられる。フリントの化学構造式は、SiOである。エメリーは、主として、コランダム(Al)と磁鉄鋼(Fe)との混合系からなる鉱物である。エメリーは、研磨布及び研磨紙に用いられ、サビ取り及びメッキ下地の研磨に好ましく用いられる。
人造研磨材として、溶融アルミナ等のアルミナ系研磨材、炭化ケイ素等が例示される。溶融アルミナの研磨材は、純粋なアルミナ(Al)をアーク炉で溶融及び固化させ、それを粉砕及び整粒して得られる。溶融アルミナの研磨材は、不純物の含有により褐色を呈する。最も純度の高い溶融アルミナ研磨材が4A(WA)と称され、以下、純度の高い順に、3A、2Aと称される。炭化ケイ素の研磨材は、現在広く用いられている研磨材の一つである。珪石とピッチコークスとを1800℃の電気炉で反応させると、炭化ケイ素のかたまり(インゴット)が製造される。このかたまりを粉砕及び水洗し、粒度を揃えて、研磨材となる。
炭化ケイ素系研磨材は、硬度があり、形状がシャープであり、脆い性質を有する。炭化ケイ素系の研磨材は、研磨力に優れるが、仕上げ面が粗くなる傾向があり、硬質塗膜やボード類の研磨に適している。一方、軟質塗膜の研磨では目詰まりが発生しやすく、木地研磨では毛羽立ちが発生しやすい。
アルミナ系研磨材は、硬度は炭化ケイ素系に比べてやや劣るが、脆さは少ない。また粒子の角が比較的鈍角であり、切り込みが浅い。硬質塗膜を研磨する場合は滑りが発生する傾向にある。研磨力は小さいが仕上げ面が細かく平滑度が高くなりやすい。軟質塗膜では目詰まりが少なく、研磨耐久性に優れる。
研磨材の粒度は限定されない。研磨工程の生産性向上、強度の向上及び外観の良さの観点から、上記第一の研磨工程における研磨材の粒度は、上記第二の研磨工程における研磨材の粒度よりも粗いのが好ましい。
以下において示される研磨材の粒度は、JIS R6001−1998に規定される粒度である。
生産性を高め、上記段差Dsを抑制し、且つ、過度な研磨を抑制する観点から、上記表面研磨工程における研磨材の粒度は、F220以上が好ましく、F240以上がより好ましく、F280以上がより好ましい。なお上限については、F800以下、更にはF700以下、特にF600以下が好ましい。
研磨による凹凸を小さくしてシャフト強度を向上させる観点から、上記第一の研磨工程における研磨材の粒度は、F220以上が好ましく、F240以上がより好ましく、F280以上がより好ましい。研磨工程の生産性の観点から、上記第一の研磨工程における研磨材の粒度は、F600以下が好ましく、F500以下がより好ましく、F400以下がより好ましい。
研磨による凹凸を小さくしてシャフト強度を向上させる観点から、上記第二の研磨工程における研磨材の粒度は、F320以上が好ましく、F360以上がより好ましく、F400以上がより好ましく、F500以上がより好ましい。研磨工程の生産性の観点から、上記第二の研磨工程における研磨材の粒度は、F800以下が好ましく、F700以下がより好ましく、F600以下がより好ましい。
図4及び図5において両矢印Lsで示されているのは、チップ補強層の軸方向長さである。この長さLsは、シャフトの中心軸線zSに沿って測定される。この長さLsは限定されない。
シャフト先端部の強度を高める観点から、チップ補強層の軸方向長さLsは、150mm以上が好ましく、180mm以上がより好ましい。シャフトの軽量化の観点から、長さLsは、400mm以下が好ましく、300mm以下がより好ましい。
研磨におけるシャフトの送り速度は限定されない。送り速度とは、シャフト軸線zS方向におけるシャフトの移動速度である。
研磨量が過大となることを抑制する観点、及び、研磨時間の短縮の観点から、第一の研磨工程における送り速度V1は、20mm/秒以上が好ましく、30mm/秒以上がより好ましく、50mm/秒以上がより好ましい。同様に、第二の研磨工程における送り速度V2は、20mm/秒以上が好ましく、30mm/秒以上がより好ましく、50mm/秒以上がより好ましい。段差Dsの高さのばらつきを抑制する観点及び研磨不足を抑制する観点から、第一の研磨工程における送り速度V1は、300mm/秒以下が好ましく、200mm/秒以下がより好ましく、150mm/秒以下がより好ましい。同様に、第二の研磨工程における送り速度V2は、300mm/秒以下が好ましく、200mm/秒以下がより好ましく、150mm/秒以下がより好ましい。
表面研磨工程において、シャフト全長が研磨される途中で、送り速度が変更されてもよい。チップTp1から地点Pxまでの研磨における研磨速度がVxとされ、地点PxからバットBt1までの研磨における研磨速度がVyとされたとき、シャフト先端部における段差Dsのばらつきを抑制しつつ生産性を高める観点から、VyがVxよりも大きいのが好ましく、比(Vy/Vx)が1.5以上とされるのがより好ましく、比(Vy/Vx)が1.5より大きいのが更に好ましい。
特に、前述のように、研磨工程が第一の研磨工程と第二の研磨工程とを含む場合、その第一の研磨工程において、VyがVxよりも大きいのが好ましく、比(Vy/Vx)が1.5以上とされるのがより好ましく、比(Vy/Vx)が1.5より大きいのが更に好ましい。
チップTp1から上記地点Pxまでの距離がLc(mm)と定義される。研磨工程の生産性の観点及び段差Dsの抑制の観点から、この距離Lcと上記長さLs(mm)との差(Lc−Ls)の絶対値は、小さい方が好ましい。チップ補強層のバット側における段差Dsを抑制する観点から、差(Lc−Ls)は、−200以上が好ましく、−150以上がより好ましく、−100以上がより好ましい。研磨工程の生産性の観点から、差(Lc−Ls)は、200以下が好ましく、150以下がより好ましく、100以下がより好ましく、50以下がより好ましい。段差Dsの抑制の観点から、距離Lcは、100mm以上が好ましく、200mm以上がより好ましい。距離Lcは、シャフトの中心軸線zSに沿って測定される。
クラブ長さを長くしてヘッドスピードを向上させる観点から、シャフト全長は、1143mm以上が好ましく、1155mm以上がより好ましく、1168mm以上がより好ましい。シャフト全長の上限については、1499mm以下が好ましく、1473mm以下がより好ましい。
シャフト重量は限定されない。軽量シャフトは、先端部の厚みが薄い傾向がある。よって軽量シャフトでは、本発明が効果的である。この観点から、シャフト重量は、60g以下が好ましく、55g以下がより好ましく、50g以下がより好ましい。
プリプレグに含まれる繊維は限定されない。この繊維として、無機繊維、有機繊維及び金属繊維が例示される。この無機繊維として、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維及びアルミナ繊維が例示される。この有機繊維として、ポリエチレン繊維及びポリアミド繊維が例示される。上記の通り、炭素繊維が好ましい。複数種類の繊維が組み合わされてもよい。剛性及び軽量の観点から、繊維の引張弾性率は、5t/mm以上が好ましく、10t/mm以上がより好ましく、24t/mm以上が更に好ましい。繊維の入手可能性の観点から、繊維の引張弾性率は100t/mm以下が好ましい。この引張弾性率は、JIS R7601:1986「炭素繊維試験方法」に準拠して測定される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
まず、評価方法について説明する。
[疲労試験]
チップTp1から870mmの地点よりもバット側の部分を固定し、チップTp1から150mmの地点を260mmの振幅で往復移動させた。往復回数5000回毎に、シャフト表面の段差Dsの部分を目視で確認した。段差Dsの部分に異常(ひび割れ又は剥がれ)が発見されたときの往復回数が、下記の表1に示される。往復回数が10万回に達した時点で異常が見られなかったものが、下記の表1で「100000」と表示されている。
[外観評価]
研磨工程後における段差Ds部分の外観評価が、下記の表1で示される。目視により、以下の基準で3段階評価した。○が最もよい評価である。×が最も悪い評価である。
○・・・段差Dsが目立たない。
△・・・段差Dsが少し目立つ。
×・・・段差Dsが目立つ。
[実施例1]
図8で示すように、マンドレル2にプリプレグシートs1からs9までを順次巻き付けた。製造方法は、上記実施形態と同じとされた。マンドレル2に離型剤を塗布した後、このマンドレルに9枚のプリプレグを巻き付け、中間成形体を得た。チップ補強層用プリプレグが、プリプレグs9である。図8に記載されている角度は、シャフト軸線方向に対する炭素繊維の配向角度を示している。各プリプレグにおいてマトリクス樹脂はエポキシ樹脂である。
シートs1には商品名「MR350C−125S」が用いられた。シートs2及びs3には、商品名「HRX350C−075S」が用いられた。シートs4には商品名「MR350C−100S」が用いられた。シートs5には商品名「MR350C−125S」が用いられた。シートs6には、商品名「805S−3」が用いられた。シートs7には、商品名「TR350C−175S」が用いられた。シートs8には、商品名「TR350C−150S」が用いられた。シートs9には、商品名「TR350C−125S」が用いられた。商品名「805S−3」は東レ社製であり、他は三菱レイヨン社製である。「TR350C−125S」の厚みは、0.103mmであり、この厚みが、本願における厚みPtに相当する。各シートのサイズは、図8で示された通り(単位はmm)とされた。
次に、上記中間成形体の外周面にラッピングテープを巻き付けるテープ巻き付け工程がなされた。テープ巻き付け工程は、横手鉄工所製のラッピング機によりなされた。巻き付け工程の後に、硬化工程(加熱工程)がなされた。次に、マンドレル2が引き抜かれた。次に、ラッピングテープが除去され、素管を得た。この素管の両端部がカットされた。先端部の12mmがカットされ、後端部の5mmがカットされた。この両端カットにより、シャフト全長が1168mmとされた。チップ補強層の軸方向長さLsは、343mmである。
次に、第一の研磨工程がなされた。この第一の研磨工程の研磨体は、無端状の研磨ペーパーとされた。研磨材の粒度は、F400とされた。研磨圧は、1kgf/cmとされた。送り速度V1は、チップTp1から地点P5(チップTp1から300mm隔てた地点)までの送り速度Vxが150mm/秒とされ、地点P5からバットBt1までの送り速度Vyが150mm/秒とされた。このように表面研磨工程では、上記距離Lcが300mmとされた。
次に、第二の研磨工程がなされた。この第二の研磨工程の研磨体は、無端状の研磨ペーパーとされた。研磨材の粒度は、F600とされた。研磨圧は、1kgf/cmとされた。送り速度V2は、チップTp1から地点P5までの送り速度Vxが150mm/秒とされ、地点P5からバットBt1までの送り速度Vyが150mm/秒とされた。このように第二の研磨工程では、上記距離Lcが300mmとされた。以上により、実施例1のシャフトを得た。
[実施例2から5]
表1に示される事項以外は実施例1と同様にして、各例のシャフトを得た。これらのシャフトの仕様と評価結果とが下記の表1に示される。
[比較例1]
比較例1では、第二の研磨工程がなされなかった。表1に示される事項以外は実施例1と同様にして、比較例1のシャフトを得た。このシャフトの仕様と評価結果とが下記の表1に示される。
Figure 0004891362
このように、実施例は、比較例に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明は、あらゆるゴルフクラブシャフトに適用されうる。
図1は、本発明の一実施形態で用いられうるマンドレル及びプリプレグを示す図である。 図2は、チップ補強層用プリプレグが巻き付けられる工程を示す図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。 図4は、地点P1から地点P5までを説明するための図である。 図5は、図4とは異なる実施形態において、地点P1から地点P5までを示した図である。 図6は、シャフトの研磨方法の一例を示す斜視図である。 図7は、図6の実施形態を上方から見た平面図である。 図8は、実施例及び比較例のプリプレグ構成を示す図である。
2・・・マンドレル
4・・・プリプレグ
6・・・中間成形体
7・・・本体巻回体
10・・・研磨装置
12・・・ローラー(研磨体をシャフトに当接させているローラー)
14・・・プレッシャーローラー
16・・・研磨体(研磨ベルト)
18・・・素管
z1・・・ローラーの回転軸
zS・・・シャフトの中心軸線
s1、s2、s3、s4、s5、s6、s7、s8、s9・・・プリプレグよりなるシート

Claims (5)

  1. 巻回されたプリプレグが硬化されることにより形成されており、
    本体層と、最外層に設けられたチップ補強層とを有し、
    チップ補強層用プリプレグが、チップ側ほど周方向幅が大きい部分を有しており、
    上記チップ補強層用プリプレグの厚みPtが、0.06mm以上0.12mm以下であり、
    上記チップ補強層の縁が、螺旋状に延在しており、
    上記チップ補強層の縁により形成された段差の高さh1が以下の(a)を満たすように表面研磨がなされており、
    上記表面研磨が、研磨ベルトを用いた研磨装置によって行われており、この研磨工程が、第一の研磨工程と、この第一の研磨工程とは研磨ベルトの研磨材の粒度及び/又は研磨ベルトの送り速度が異なる第二の研磨工程とを含み、
    チップからの距離がLc(mm)である地点Pxまでの研磨における研磨速度がVxとされ、この地点Pxからバットまでの研磨における研磨速度がVyとされたとき、上記第一の研磨工程において、このVyがこのVxよりも大きいゴルフクラブシャフト。
    (a)チップから60mm隔てた地点における上記高さh1がh11とされ、チップから120mm隔てた地点における上記高さh1がh12とされ、チップから180mm隔てた地点における上記高さh1がh13とされ、チップから240mm隔てた地点における上記高さh1がh14とされ、チップから300mm隔てた地点における上記高さh1がh15とされたとき、これら5つの地点における高さh11からh15の平均値Haが、0.03mm以下である。
  2. 上記高さh1が以下の(b)を満たすように表面研磨がなされた請求項1に記載のゴルフクラブシャフト。
    (b)比(Ha/Pt)が0.5以下である。
  3. 上記本体層が、シャフトの全長に亘って設けられた全長層を有し、
    この全長層のうち、最も外側に位置する層が全長最外層とされるとき、この全長最外層が、シャフト外面に露出する露出層を有し、
    上記露出層の上記表面研磨前における厚みがQt1(mm)とされ、上記露出層の上記表面研磨後における平均厚みがQt2(mm)とされるとき、比(Qt2/Qt1)が0.6以上である請求項1又は2に記載のゴルフクラブシャフト。
  4. 巻回されたプリプレグが硬化されることにより形成されており、
    本体層と、最外層に設けられたチップ補強層とを有し、
    チップ補強層用プリプレグが、チップ側ほど周方向幅が大きい部分を有しており、
    上記チップ補強層用プリプレグの厚みPtが、0.06mm以上0.12mm以下であり、
    上記チップ補強層の縁が、螺旋状に延在しており、
    上記チップ補強層の縁により形成された段差の高さh1が以下の(b)を満たすように表面研磨がなされており、
    上記表面研磨が、研磨ベルトを用いた研磨装置によって行われており、この研磨工程が、第一の研磨工程と、この第一の研磨工程とは研磨ベルトの研磨材の粒度及び/又は研磨ベルトの送り速度が異なる第二の研磨工程とを含み、
    チップからの距離がLc(mm)である地点Pxまでの研磨における研磨速度がVxとされ、この地点Pxからバットまでの研磨における研磨速度がVyとされたとき、上記第一の研磨工程において、このVyがこのVxよりも大きいゴルフクラブシャフト。
    (b)チップから60mm隔てた地点における上記高さh1がh11とされ、チップから120mm隔てた地点における上記高さh1がh12とされ、チップから180mm隔てた地点における上記高さh1がh13とされ、チップから240mm隔てた地点における上記高さh1がh14とされ、チップから300mm隔てた地点における上記高さh1がh15とされ、これら5つの地点における高さh11からh15の平均値がHaとされたとき、比(Ha/Pt)が0.5以下である。
  5. 上記チップ補強層の軸方向長さがLsとされるとき、上記距離Lcとこの長さLsとの差(Lc−Ls)が、−200mm以上200mm以下である請求項1から4のいずれかに記載のゴルフクラブシャフト。
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