JP4891111B2 - ズームレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、撮像機能を有する小型の機器、特にデジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話機、および情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistance)等に好適に用いられるズームレンズに関する。
近年、デジタルスチルカメラ等の撮像装置においては、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子の小型化が進むにつれて、装置全体としてもさらなる小型化が求められている。そこで最近では、レンズ系の光路を途中で折り曲げ、いわゆる屈曲光学系とすることで撮像装置に組み込んだときの薄型化を図ったものが開発されている。
屈曲光学系を用いたズームレンズとして、特許文献1には、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とから構成され、負の第2レンズ群と正の第4レンズ群とを移動させることにより変倍を行うようになされたズームレンズが記載されている。このズームレンズでは、第1レンズ群内にプリズムを配置することで、光路を略90°折り曲げている。そして、第1レンズ群内においてプリズムの後には固定の正レンズ群が配置されている。また、特許文献2には、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とから構成され、正の第2レンズ群と負の第3レンズ群とを移動させることにより変倍を行うようになされたズームレンズが記載されている。このズームレンズでは、第1レンズ群の最も物体側にプリズムを配置することで、光路を略90°折り曲げている。そして、第1レンズ群内においてプリズムの後には固定のレンズ群が配置されている。
特開2000−131610号公報 特開2004−205796号公報
特許文献1および2に記載のように、従来の屈曲タイプのズームレンズは、第1レンズ群内において光路折り曲げ用のプリズムの後に固定のレンズ群を配置し、その後にズーム移動群を配置した構成となっている。特に、特許文献1に記載のように、第1レンズ群内において、光路折り曲げ用のプリズムの後にズーム時に固定の正レンズ群を配置し、その後に、ズーム移動群を配置していることが多い。そして、そのズーム移動群が、物体側から順に負レンズ群と正レンズ群とで構成されていることが多い。ところで、特に携帯端末用途で屈曲タイプのズームレンズを使う際には、レンズモジュールとしての薄さだけでなく、全体の体積が小さいことが求められる。しかしながら、従来の屈曲タイプのズームレンズでは、薄型化の観点から主に径方向(折り曲げ後の光軸に直交する方向)の大きさを気にした設計がなされており、折り曲げ後の光軸方向の長さについてはあまり考慮されていない。これは、屈曲タイプのズームレンズでは、光路を折り曲げていることで既に十分短縮化が図られているとの認識があるためである。しかしながら、全体の体積を小さくするためにも全長の短縮化も重要になってきている。従って、屈曲タイプのズームレンズにおいて、全長の短縮化の図られたレンズの開発が望まれている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、光路折り曲げ用のプリズムとズーム移動群との間に固定のレンズ群が配置された従来の屈曲タイプのズームレンズに比べて、良好な光学性能を維持しつつ、全長の短縮化を図ることができるようにしたズームレンズを提供することにある。
本発明によるズームレンズは、物体より順に、ズーム時に固定で全体として負の屈折力を有する第1レンズ群と、ズーム時に固定で屈折力を持たない光路折り曲げのためのプリズムからなる第2レンズ群と、ズーム時に移動し全体として正の屈折力を有する第3レンズ群と、ズーム時に移動し全体として負の屈折力を有する第4レンズ群と、ズーム時に固定で全体として正の屈折力を有する第5レンズ群とが配設されさらに、以下の条件を満足するものである。式中、f3は第3レンズ群の焦点距離、f4は第4レンズ群の焦点距離、fWは広角端における全系の焦点距離、DAは望遠端における第1レンズ群の像側の面から第3レンズ群の物体側の面までの光路長を示す。
−1.5<f3/f4<−0.5 ……(1)
2.0<DA/fW<3.0 ……(2)
本発明によるズームレンズでは、第2レンズ群を屈折力を持たない光路折り曲げ用のプリズムとし、そのプリズムの後に固定の正レンズ群を配置することなく、正の第3レンズ群と負の第4レンズ群とからなるズーム移動群を配置したことで、光路折り曲げ用のプリズムの後に固定のレンズ群を配置し、その後にズーム移動群を配置した構成に比べて、全長の短縮化が容易となる。特に、プリズムの後に固定の正レンズ群を配置し、その後に負レンズ群と正レンズ群とからなるズーム移動群を配置した従来の構成に比べて、全長の短縮化が容易となる。
そして、さらに、要求される仕様等に応じて次の好ましい条件を適宜採用して満足することで、光学性能をより良好なものとすることができる。
本発明によるズームレンズにおいて、第1レンズ群は、像側に凹面を向けた1枚の負の非球面レンズからなり、第3レンズ群は、少なくとも、物体側に凸面を向けた正レンズを含み、第4レンズ群は、少なくとも、像側に凹面を向けた負レンズを含み、第5レンズ群は、像側に凸面を向けた1枚の正の非球面レンズからなることが好ましい。
この場合において、第4レンズ群は例えば、2枚のレンズからなる接合レンズと、像側に凹面を向けた1枚の負レンズとで構成することができる。また、第4レンズ群を、正レンズおよび第1の負レンズからなる接合レンズと、第2の負レンズとで構成し、第1の負レンズを、像側に凹面を向けた負レンズとしても良い。
また、第3レンズ群は例えば、2枚の球面レンズで構成することができる。また、第3レンズ群を、物体側に凸面を向けた両面非球面の正レンズと、球面レンズとの2枚のレンズで構成しても良い。
また、本発明によるズームレンズは、以下の条件を満足することが好ましい。式中、νG3は第3レンズ群内のレンズのアッベ数の平均値を示す。
50<νG3 ……(3)
本発明のズームレンズによれば、第2レンズ群を屈折力を持たない光路折り曲げ用のプリズムとし、そのプリズムの後に固定のレンズ群を配置することなく、正の第3レンズ群と負の第4レンズ群とからなるズーム移動群を配置するようにしたので、光路折り曲げ用のプリズムとズーム移動群との間に固定のレンズ群が配置された従来の屈曲タイプのズームレンズに比べて、良好な光学性能を維持しつつ、全長の短縮化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例(図9(A)、(B))のレンズ構成に対応している。図2〜図7は、第2〜第7の構成例を示しており、後述の第2〜第7の数値実施例(図10(A)、(B)〜図15(A)、(B))のレンズ構成に対応している。図1〜図7において、符号Riは、最も物体側の構成要素の面を1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。なお符号Diについては、変倍に伴って変化する部分の面間隔のみ符号を付す。なお、図1〜図7では、広角端でのレンズ配置を示している。
このズームレンズは、撮像機能を有する小型の機器、例えばデジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話機、およびPDA等に搭載されて使用されるものである。このズームレンズは、光軸Z1に沿って物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを備えている。第2レンズ群G2は、光路折り曲げのためのプリズムL21からなり、全体としては屈折力を持っていない。開口絞りStは、例えば第3レンズ群G3内に配置されている。
このズームレンズの結像面(撮像面)Simgには、例えば図示しない撮像素子が配置される。第5レンズ群G5と撮像面との間には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、種々の光学部材GCが配置されている。光学部材GCとしては、例えば撮像面保護用のカバーガラスや各種光学フィルタなどの平板状の部材が配置される。
このズームレンズは、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2および第5レンズ群G5がズーム時に常時固定であり、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4がズーム時に光軸Z1上で別々に移動するようになっている。第3レンズ群G3と第4レンズ群G4は、広角端から望遠端へと変倍させるに従い、図1〜図7に矢印で示したように、光軸Z1上で物体側に移動する。
なお、本実施の形態に係るズームレンズは屈曲光学系であり、実際には、図8に示すように、プリズムL21の内部反射面10で光路が略90°折り曲げられている。図1〜図7では、プリズムL21の内部反射面10を省略し、光軸Z1上の同一方向に展開して示している。
第1レンズ群G1は、像側に凹面を向けた1枚の負レンズL11からなる。図1ないし図5の第1ないし第5の構成例と図7の第7の構成例では、負レンズL11が凹レンズとされている。図6の第6の構成例では、負レンズL11が像側に凹面を向けたメニスカスレンズとされている。負レンズL11は、両面が非球面であることが好ましい。
第3レンズ群G3は、少なくとも、物体側に凸面を向けた正レンズを含んでいる。図1の第1の構成例、図5の第5の構成例および図6の第6の構成例では、第3レンズ群G3が物体側に凸面を向けた1枚の正レンズL31からなる。これら第1、第5および第6の構成例において、正レンズL31は両面が非球面であることが好ましい。図2の第2の構成例、図3の第3の構成例、図4の第4の構成例および図7の第7の構成例では、第3レンズ群G3が物体側に凸面を向けた正レンズL31と、他のレンズL32との2枚のレンズからなる。特に、図2の第2の構成例および図7の第7の構成例では、正レンズL31と他のレンズL32が2枚とも球面レンズとされている。図3の第3の構成例および図4の第4の構成例では、正レンズL31が物体側に凸面を向けた両面非球面の正レンズとされ、他のレンズL32が球面レンズとされている。
第4レンズ群G4は、少なくとも、像側に凹面を向けた負レンズを含んでいる。図1〜図7の各構成例では、第4レンズ群G4が、2枚のレンズL41,L42からなる接合レンズと、1枚の負レンズL43とで構成されている。特に、図2の第2の構成例では、第4レンズ群G4が、正レンズL41および第1の負レンズL42からなる接合レンズと第2の負レンズL43とで構成され、そのうち、第1の負レンズL42が、像側に凹面を向けた負レンズとされている。また特に、図7の第7の構成例では、第4レンズ群G4が、正レンズL41および第1の負レンズL42からなる接合レンズと第2の負レンズL43とで構成され、第1の負レンズL42および第2の負レンズL43の双方が、像側に凹面を向けた負レンズとされている。その他の構成例では、負レンズL43が像側に凹面を向けた負レンズとされている。
なお、図3の第3の構成例および図4の第4の構成例では、接合レンズを構成する2枚のレンズL41,L42が共に正レンズとされているが、この場合、色収差の発生を抑えるために、特にレンズL42のアッベ数を大きくし、負レンズL43のアッベ数を小さくすることが好ましい。
第5レンズ群G5は、像側に凸面を向けた1枚の正レンズL51を含んでいる。正レンズL51は、両面が非球面であることが好ましい。
このズームレンズは、以下の条件式(1),(2)を満足していることが好ましい。式中、f3は第3レンズ群G3の焦点距離、f4は第4レンズ群G4の焦点距離、fWは広角端における全系の焦点距離を示す。DAは、望遠端における第1レンズ群G1の像側の面から第3レンズ群G3の物体側の面までの光路長を示す。
−1.5<f3/f4<−0.5 ……(1)
2.0<DA/fW<3.0 ……(2)
また、以下の条件を満足することが好ましい。式中、νG3は第3レンズ群G3内のレンズのd線に対するアッベ数の平均値を示す。
50<νG3 ……(3)
次に、以上のように構成されたズームレンズの作用および効果を説明する。
このズームレンズでは、第2レンズ群G2を屈折力を持たない光路折り曲げ用のプリズムL21とし、そのプリズムL21の後に固定のレンズ群を配置することなく、正の第3レンズ群G3と負の第4レンズ群G4とからなるズーム移動群を配置したことで、特に、プリズムL21の後に固定の正レンズ群を配置し、その後に負レンズ群と正レンズ群とからなるズーム移動群を配置した従来の構成に比べて、全長の短縮化が容易となる。
条件式(1)は、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との屈折力の適切な関係を規定している。条件式(1)の上限を超えると全長が長くなってしまい、下限を超えると全長は短くなるが性能が劣化し、特に軸上色収差を取ることが難しくなるので好ましくない。
条件式(2)は、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3との適切な群間隔を規定している。条件式(2)の下限を超えると、それらの群の間に光路折り曲げのためのプリズムL21を配置するのが困難となり、屈曲光学系を構成できなくなってしまう。上限を超えると群間隔が大きくなりすぎ、全体として大きくなりすぎてしまうので好ましくない。
条件式(3)は、第3レンズ群G3内のレンズ材料に関するもので、色収差の補正に寄与している。条件式(3)の下限を下回ると色収差が大きくなりすぎ性能のよいズームレンズを実現するのが難しくなるので好ましくない。
以上のようにして、本実施の形態に係るズームレンズによれば、光路折り曲げ用のプリズムとズーム移動群との間に固定のレンズ群が配置された従来の屈曲タイプのズームレンズに比べて、良好な光学性能を維持しつつ、全長の短縮化を図ることができる。
次に、本実施の形態に係るズームレンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、第1ないし第7の数値実施例をまとめて説明する。
図9(A)、図9(B)は、図1に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを示している。図9(A)に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、実施例1に係るズームレンズについて、最も物体側の構成要素の面を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。Ndiの欄には、物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との間のd線(波長587.6nm)に対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線に対するアッベ数の値を示す。
実施例1に係るズームレンズは、第3レンズ群G3のレンズ要素が1枚の正レンズL31のみからなる。そして、変倍に伴って第3レンズ群G3および第4レンズ群G4が光軸上を移動するため、これらの各群の前後の面間隔D4,D7,D12の値は可変となっている。図9(B)には、これらの面間隔D4,D7,D12の変倍時のデータとして、広角端および望遠端における値を示す。
図9(A)のレンズデータにおいて、面番号の左側に付された記号「ASP」は、そのレンズ面が非球面形状であることを示す。実施例1に係るズームレンズは、負レンズL11(第1レンズ群G1)の両面S1,S2と、正レンズL31(第3レンズ群G3)の両面S5,S6と、正レンズL51(第5レンズ群G5)の両面S13,S14とがすべて非球面形状となっている。図9(A)の曲率半径Riの欄には、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍の曲率半径の数値を示している。
図9(A)に非球面データとして示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
実施例1に係るズームレンズの非球面データとしては、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数An,Kの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。
Z=C・h2/{1+(1−(K+1)・C2・h21/2}+ΣAn・hn ……(A)
(n=3以上の整数)
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
K:円錐定数
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
n:第n次の非球面係数
実施例1に係るズームレンズにおいて、各非球面は、非球面係数Anとして偶数次の係数A4,A6,A8,A10を有効に用いて表されている。
以上の実施例1に係るズームレンズと同様にして、図2に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例2として、図10(A)、図10(B)に示す。実施例2に係るズームレンズは、第3レンズ群G3のレンズ要素が2枚の球面レンズ(レンズL31,L32)からなる。そして、変倍に伴って第3レンズ群G3および第4レンズ群G4が光軸上を移動するため、これらの各群の前後の面間隔D4,D9,D14の値は可変となっている。図10(B)には、これらの面間隔D4,D9,D14の変倍時のデータとして、広角端および望遠端における値を示す。この実施例2に係るズームレンズは、負レンズL11(第1レンズ群G1)の両面S1,S2と、第4レンズ群G4内の負レンズL43の像側の面S14と、正レンズL51(第5レンズ群G5)の両面S15,S16とが非球面形状となっている。実施例2に係るズームレンズにおいて、各非球面は、非球面係数Anとして偶数次の係数A4,A6,A8,A10,A12を有効に用いて表されている。
また同様に、図3に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例3として、図11(A)、図11(B)に示す。実施例3に係るズームレンズは、第3レンズ群G3のレンズ要素が1枚の非球面レンズ(レンズL31)と1枚の球面レンズ(レンズL32)とからなる。そして、変倍に伴って第3レンズ群G3および第4レンズ群G4が光軸上を移動するため、これらの各群の前後の面間隔D4,D9,D14の値は可変となっている。図11(B)には、これらの面間隔D4,D9,D14の変倍時のデータとして、広角端および望遠端における値を示す。この実施例3に係るズームレンズは、負レンズL11(第1レンズ群G1)の両面S1,S2と、第3レンズ群G3内の正レンズL31の両面S5,S6と、正レンズL51(第5レンズ群G5)の両面S15,S15とが非球面形状となっている。実施例3に係るズームレンズにおいて、各非球面は、非球面係数Anとして偶数次の係数A4,A6,A8,A10を有効に用いて表されている。
また同様に、図4に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例4として、図12(A)、図12(B)に示す。この実施例4に係るズームレンズの基本構成は、実施例3に係るズームレンズに類似している。
また同様に、図5に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例5として、図13(A)、図13(B)に示す。この実施例5に係るズームレンズの基本構成は、実施例1に係るズームレンズに類似している。
また同様に、図6に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例6として、図14(A)、図14(B)に示す。この実施例6に係るズームレンズの基本構成は、実施例1に係るズームレンズに類似している。
また同様に、図7に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例7として、図15(A)、図15(B)に示す。この実施例7に係るズームレンズは、第3レンズ群G3のレンズ要素が2枚の球面レンズ(レンズL31,L32)からなる。そして、変倍に伴って第3レンズ群G3および第4レンズ群G4が光軸上を移動するため、これらの各群の前後の面間隔D4,D9,D14の値は可変となっている。図15(B)には、これらの面間隔D4,D9,D14の変倍時のデータとして、広角端および望遠端における値を示す。この実施例7に係るズームレンズは、負レンズL11(第1レンズ群G1)の両面S1,S2と、第4レンズ群G4内の負レンズL43の両面S13,S14と、正レンズL51(第5レンズ群G5)の両面S15,S16とが非球面形状となっている。実施例7に係るズームレンズにおいて、各非球面は、非球面係数Anとして偶数次の係数A4,A6,A8,A10を有効に用いて表されている。
図16には、上述の各条件式に関する値を、各実施例についてまとめたものを示す。図16から分かるように、各実施例の値が、各条件式の数値範囲内となっている。
図17(A)〜図17(C)はそれぞれ、実施例1に係るズームレンズにおける広角端での球面収差、非点収差、およびディストーション(歪曲収差)を示している。図18(A)〜図18(C)は、望遠端における同様の各収差を示している。各収差図には、d線を基準波長とし、g線(波長435.8nm),C線(波長656.3nm)についての収差も示す。非点収差図において、実線はサジタル方向、破線はタンジェンシャル方向の収差を示す。FNo.はF値、ωは半画角を示す。
同様に、実施例2に係るズームレンズについての諸収差を図19(A)〜図19(C)(広角端)、および図20(A)〜図20(C)(望遠端)に示す。同様に、実施例3についての諸収差を図21(A)〜図21(C)(広角端)、および図22(A)〜図22(C)(望遠端)に示す。同様に、実施例4についての諸収差を図23(A)〜図23(C)(広角端)、および図24(A)〜図24(C)(望遠端)に示す。同様に、実施例5についての諸収差を図25(A)〜図25(C)(広角端)、および図26(A)〜図26(C)(望遠端)に示す。同様に、実施例6についての諸収差を図27(A)〜図27(C)(広角端)、および図28(A)〜図28(C)(望遠端)に示す。同様に、実施例7についての諸収差を図29(A)〜図29(C)(広角端)、および図30(A)〜図30(C)(望遠端)に示す。
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、諸収差が良好に補正され、従来の屈曲タイプのズームレンズに比べて全長の短縮化の図られたズームレンズが実現できている。
なお、本発明は、上記実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔および屈折率の値などは、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第1の構成例を示すものであり、実施例1に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第2の構成例を示すものであり、実施例2に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第3の構成例を示すものであり、実施例3に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第4の構成例を示すものであり、実施例4に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第5の構成例を示すものであり、実施例5に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第6の構成例を示すものであり、実施例6に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第7の構成例を示すものであり、実施例7に対応するレンズ断面図である。 屈曲光学系の構成を示すレンズ断面図である。 実施例1に係るズームレンズのレンズデータを示す図であり、(A)は基本的なレンズデータを示し、(B)は変倍に伴って移動する部分の面間隔のデータを示す。 実施例2に係るズームレンズのレンズデータを示す図であり、(A)は基本的なレンズデータを示し、(B)は変倍に伴って移動する部分の面間隔のデータを示す。 実施例3に係るズームレンズのレンズデータを示す図であり、(A)は基本的なレンズデータを示し、(B)は変倍に伴って移動する部分の面間隔のデータを示す。 実施例4に係るズームレンズのレンズデータを示す図であり、(A)は基本的なレンズデータを示し、(B)は変倍に伴って移動する部分の面間隔のデータを示す。 実施例5に係るズームレンズのレンズデータを示す図であり、(A)は基本的なレンズデータを示し、(B)は変倍に伴って移動する部分の面間隔のデータを示す。 実施例6に係るズームレンズのレンズデータを示す図であり、(A)は基本的なレンズデータを示し、(B)は変倍に伴って移動する部分の面間隔のデータを示す。 実施例7に係るズームレンズのレンズデータを示す図であり、(A)は基本的なレンズデータを示し、(B)は変倍に伴って移動する部分の面間隔のデータを示す。 条件式に関する値を各実施例についてまとめて示した図である。 実施例1に係るズームレンズの広角端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例1に係るズームレンズの望遠端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例2に係るズームレンズの広角端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例2に係るズームレンズの望遠端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例3に係るズームレンズの広角端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例3に係るズームレンズの望遠端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例4に係るズームレンズの広角端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例4に係るズームレンズの望遠端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例5に係るズームレンズの広角端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例5に係るズームレンズの望遠端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例6に係るズームレンズの広角端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例6に係るズームレンズの望遠端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例7に係るズームレンズの広角端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例7に係るズームレンズの望遠端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。
符号の説明
GC…光学部材、G1…第1レンズ群、G2…第2レンズ群、G3…第3レンズ群、G4…第4レンズ群、G5…第5レンズ群、LP…直角プリズム、St…絞り、Ri…物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径、Di…物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔、Z1…光軸。

Claims (7)

  1. 物体より順に、
    ズーム時に固定で全体として負の屈折力を有する第1レンズ群と、
    ズーム時に固定で屈折力を持たない光路折り曲げのためのプリズムからなる第2レンズ群と、
    ズーム時に移動し全体として正の屈折力を有する第3レンズ群と、
    ズーム時に移動し全体として負の屈折力を有する第4レンズ群と、
    ズーム時に固定で全体として正の屈折力を有する第5レンズ群と
    が配設され
    さらに、以下の条件を満足する
    ことを特徴とするズームレンズ。
    −1.5<f3/f4<−0.5 ……(1)
    2.0<DA/f W <3.0 ……(2)
    ただし、
    f3:第3レンズ群の焦点距離
    f4:第4レンズ群の焦点距離
    W :広角端における全系の焦点距離
    DA:望遠端における第1レンズ群の像側の面から第3レンズ群の物体側の面までの光路長
    とする。
  2. 前記第1レンズ群は、像側に凹面を向けた1枚の負の非球面レンズからなり、
    前記第3レンズ群は、少なくとも、物体側に凸面を向けた正レンズを含み、
    前記第4レンズ群は、少なくとも、像側に凹面を向けた負レンズを含み、
    前記第5レンズ群は、像側に凸面を向けた1枚の正の非球面レンズからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  3. さらに、以下の条件を満足する
    ことを特徴とする請求項2に記載のズームレンズ。
    50<νG3 ……(3)
    ただし、
    νG3:第3レンズ群内のレンズのアッベ数の平均値
    とする。
  4. 前記第4レンズ群は、2枚のレンズからなる接合レンズと、像側に凹面を向けた1枚の負レンズとで構成されている
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のズームレンズ。
  5. 前記第4レンズ群は、正レンズおよび第1の負レンズからなる接合レンズと、第2の負レンズとで構成され、前記第1の負レンズが、像側に凹面を向けた負レンズとされている
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のズームレンズ。
  6. 前記第3レンズ群は、2枚の球面レンズからなる
    ことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  7. 前記第3レンズ群は、物体側に凸面を向けた両面非球面の正レンズと、球面レンズとの2枚からなる
    ことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
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