JP4890930B2 - タイヤ試験装置、及び試験用路面 - Google Patents
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Description
この種のフラットベルト試験機は、試験タイヤを接触させる路面部分が実際の路面と同様に平坦であるため、試験タイヤを接触させる路面部分が円弧状とされたローラー試験機に対し、タイヤの特性をより正確に測定できる利点がある。
しかしながら、近年の車両の高速化に伴い、高温時の操縦性能を評価する際、セーフティーウォークを用いた試験路面では、外気温度などをコントロールしなければ高温領域(例えば、トレッドの温度が70°C以上)での操縦性能を評価することができず、タイヤの評価として使用できない場合が発生することがあった。
なお、凹凸高さが0.2mm未満では、トレッドゴムの変形が凹凸に追従せず、トレッドの温度を十分に上昇させることが出来なくなる。
隣り合う凸と凸の間隔が1.0mm未満では、トレッドゴムの変形が凹凸に追従せず、トレッドの温度を十分に上昇させることが出来なくなる。
また、隣り合う凸と凸の間隔が7.0mmを超えると、間隔が長すぎてトレッドの温度を十分に上昇させることが出来なくなる。
無端ベルトを駆動し、無端ベルト上でタイヤを回転させることで、タイヤのトレッドゴムが、凹凸高さが0.2〜2.0mm、隣り合う凸と凸の間隔が1.0〜7.0mmとされた複数の突起に接触及び離間を繰り返す。そして、このように凹凸高さ、及び隣り合う凸と凸の間隔を設定することで、トレッドゴムの滑り速度を上げ振動数を高くすることにより、セーフティーウォークを用いた場合よりもトレッドの温度を十分に上昇させることができる(ゴムの温度が上昇することについては、例えば、株式会社グランプリ出版のタイヤ工学2004年版、53〜54頁参照。)
これにより、タイヤ試験装置において、トレッドの温度を十分に上昇させたタイヤの特性を正確に測定することが可能となる。
隣り合う凸と凸の間隔が1.0mm未満では、トレッドゴムの変形が凹凸に追従せず、トレッドの温度を十分に上昇させることが出来なくなる。
また、隣り合う凸と凸の間隔が7.0mmを超えると、間隔が長すぎてトレッドの温度を十分に上昇させることが出来なくなる。
図1に示すように、本実施形態のタイヤ試験装置10は、いわゆるフラットベルト式のタイヤ試験機であり、ベース12に駆動ローラー14、従動ローラー16を備え、駆動ローラー14と従動ローラー16には金属製の無端ベルト18が掛け渡されている。なお、駆動ローラー14は、図示しないモーターで回転される。
スリップ角は、フレーム22の中心部に位置するシャフト26を回転させることで与えられ、キャンバー角はフレーム全体を前後に傾斜することで与えられる。
また、試験タイヤ20を装着するスピンドル28には分力センサーが内蔵されており、コーナリングフォースやセルフアライニングトルク等を検出することができる。
次に、本実施形態の無端ベルト18の構造を詳細に説明する。
図2に示すように、無端ベルト18の表面には、路面部材30が接着剤等で貼り付けられている。
骨材34としては、例えば、酸化アルミニウム、ガラスビーズ、シリコンカーバイド、セラミックス等の高剛性で、耐摩耗性に優れたものを使用することが好ましい。
また、無端ベルト18は屈曲して回転するため、合成樹脂36としては、硬化後においても柔軟性を有する、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることが好ましいが、他のものであっても良い。
また、隣り合う凸と凸の間隔Lは、1.0〜7.0mmの範囲内とする必要があり、1.2〜3.0mmの範囲内とすることが好ましい。
無端ベルト18を駆動し、無端ベルト上で試験タイヤ20を回転させることで、試験タイヤ20のトレッドゴムが、無端ベルト18の路面部材30に配置された複数の突起部分(骨材34)に接触及び離間を繰り返し、試験タイヤ20のトレッドゴムが発熱する。
これにより、タイヤ試験装置10において、トレッドの温度を十分に上昇させた試験タイヤ20の特性を正確に測定することが可能となる。
隣り合う凸と凸の間隔Lが1.0mm未満では、トレッドゴムの変形が凹凸に追従せず、トレッドの温度を十分に上昇させることが出来なくなる。
また、隣り合う凸と凸の間隔Lが7.0mmを超えると、間隔が長すぎてトレッドの温度を十分に上昇させることが出来なくなる。
本発明の効果を確かめるために、セーフティーウォークを貼り付けた無端ベルトを用いた場合と、本発明の適用された無端ベルトを用いた場合とでトレッドの発熱の比較を行った。
実施例:無端ベルトの表面に骨材としてガラスビーズを含んだウレタン樹脂製の路面部材を貼り付けた。凹凸高さHは0.3mm、隣り合う凸と凸の間隔Lは1.4mmである。
従来例:無端ベルトの表面に、表面粒度120メッシュのセーフティーウォークを貼り付けた。
試験の結果、従来例は平均トレッド温度が50°C(最大トレッド温度60°C)、実施例は平均トレッド温度が60°C(最大トレッド温度70°C)となり、本発明の路面部材を用いることでトレッドの温度を大幅に上昇できることが確認できた。
14 駆動ローラー
16 従動ローラー
18 無端ベルト
20 試験タイヤ
30 路面部材
32 基材
34 骨材
36 合成樹脂
Claims (6)
- 一対の隔離されたローラーを回転させて前記一対のローラーに掛け渡された無端ベルトを駆動し、前記無端ベルト上でタイヤを回転させてタイヤの特性を測定するタイヤ試験装置であって、
前記無端ベルトの表面には、凹凸高さが0.2〜2.0mm、隣り合う凸と凸の間隔が1.0〜7.0mmとなるように複数の突起が形成されている路面部材が設けられ、
前記路面部材は、前記無端ベルトに貼り付けられる基材と、前記基材の上に塗布され前記突起を形成する骨材を含んだ柔軟性を有する合成樹脂と、を備えていることを特徴とするタイヤ試験装置。 - 一対の隔離されたローラーを回転させて前記一対のローラーに掛け渡された無端ベルトを駆動し、前記無端ベルト上でタイヤを回転させてタイヤの特性を測定するタイヤ試験装置の前記無端ベルトの表面に配置する試験用路面であって、
前記無端ベルトに貼り付けられる基材と、前記基材の上に塗布され凹凸高さが0.2〜2.0mm、隣り合う凸と凸の間隔が1.0〜7.0mmとなる突起を形成する骨材を含む柔軟性を有する合成樹脂と、を備えていることを特徴とする試験用路面。 - 前記合成樹脂は、ウレタン樹脂である、請求項1に記載のタイヤ試験装置。
- 前記合成樹脂は、エポキシ樹脂である、請求項1に記載のタイヤ試験装置。
- 前記合成樹脂は、ウレタン樹脂である、請求項2に記載の試験用路面。
- 前記合成樹脂は、エポキシ樹脂である、請求項2に記載の試験用路面。
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