JP4890057B2 - 炭化水素の部分酸化触媒、それを用いた水素含有ガスの製造方法及び装置 - Google Patents

炭化水素の部分酸化触媒、それを用いた水素含有ガスの製造方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、炭化水素の部分酸化反応に係る触媒、例えばメタン、エタン、プロパンもしくはそれらのガスを主成分とする混合ガス、又は天然ガスから部分酸化反応により水素を含有する混合ガスを製造する触媒と、それを用いて水素を含有する混合ガスを製造する方法と装置に関するものである。
メタンガスや天然ガスを水素と一酸化炭素に転換する反応は、化学製品原料の合成ガスを得る方法として有用であるだけでなく、クリーンエネルギー源である水素の製造方法としても重要である。
天然ガス等の化石燃料からの水素製造は、従来から、主として水蒸気改質法によって大規模に行なわれているが、通常800℃付近の高温で運転され、また水蒸気改質自体が吸熱反応であるため大量のエネルギー投入を必要とし、さらに副生物である二酸化炭素を大量に大気に放出するなどの問題点があった。
炭化水素から合成ガスや水素を製造する他の方法として、部分酸化法がある。飽和炭化水素の部分酸化から水素を製造する反応は次式のようになる。
x2(x+1)+(x/2)O2→xCO+(x+1)H2
部分酸化反応は発熱反応であるため外部からの大量のエネルギー投入は必要ないが、反応温度が高温になりやすく、高温に耐えうる反応容器材料に制約があり装置寿命も短くなる。そのため、比較的低い温度で反応を進める触媒が求められている。
メタンと酸素から合成ガスを製造するための部分酸化触媒としては、例えばRu又はRhをジルコニア又は安定化ジルコニアに担持させたもの(特許文献1参照。)や、Irを酸化チタンに担持させたもの(非特許文献1参照。)等が報告されているが、これらの触媒活性金属であるRu、Rh及びIrはいずれも高価な希少貴金属であり、実用的にはより安価な部分酸化触媒が求められていた。
また、燃料ガスとして純メタンを用いるのではなく、エタン、プロパン、ブタン等炭素数2以上の炭化水素が混合したガスにも適用できる部分酸化触媒が存在すれば、天然ガスと酸素からの合成ガス製造が可能となるため、工業的に待望されていた。天然ガスの主成分はメタン、エタン及びプロパンであり、メタンが90%余りを占め、エタンが6%余り、プロパンが2%余りである。
一方、触媒による炭化水素の部分酸化反応では、炭素析出が起こりやすく、このため触媒が不活性化され短寿命となる問題点があった。炭素析出は、燃料がメタンよりエタン等の含有炭素数の多い炭化水素を含む場合のほうが発生しやすいため、エタン及びプロパンを含む天然ガスからの水素製造に触媒による部分酸化法を適用する際の障害となっている。
触媒活性金属として貴金属より安価なCoをアルミナに担持したCo/Al23部分酸化触媒も提案されている(非特許文献2参照。)。しかし、アルミナを担体とするCo担持触媒では、燃料ガスの転化率や生成物の水素選択率について、実用に堪えうるものは未だ得られていない。
本発明の対象とする部分酸化反応ではないが、メタンのCO2改質反応に対してCeO2−Al23担体にNiを担持した触媒を使用した報告がある(非特許文献3参照。)。そこでは、Ni担持量を5重量%に固定した上でCeO2が1〜5重量%のときが最適であると結論しており、しかも、その触媒が部分酸化反応に対しても有効であるかどうかは不明であった。
特開平5−221602号公報 K. Nakagawa, T. Suzuki, T. Kobayashi and M. Haruta, Chem. Lett., (1996) 1029 S. Teng, J. Lin and K.L. Tan, Catalysis Letter 59 (1999) 129-135 S. Wang and G. Q. Lu, Applied Catalysis B, 19, (1998) 267-277
燃料炭化水素としてメタンガスのみならず、エタン等のメタンより炭素数の多い炭化水素を含む場合でも炭素析出を抑えて部分酸化を行なうことのできる触媒を見つけることができれば、天然ガス等の混合ガスからの部分酸化反応による水素含有ガスの製造が可能となり、水素や合成ガスの製造につながる。これは、従来の水蒸気改質法に替わる省エネルギーかつコンパクトで迅速起動可能な水素含有ガス製造法となる。
本発明の第1の目的は、炭化水素の部分酸化反応による水素含有ガス製造に関して安価かつ炭素析出を招来しない触媒を提供することである。
本発明の第2の目的は、その触媒を使用して水素含有ガスを製造する方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、その触媒を使用して水素含有ガスを製造する装置を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、Niからなる触媒活性金属を希土類元素の酸化物とAl23に担持してなる触媒を使用することにより炭化水素の部分酸化反応を行なえば、生成物中の水素選択率が高く、かつ反応中の炭素析出も抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の部分酸化触媒は、炭化水素、特にメタンのみでなくエタン等の炭素数2以上の炭化水素の部分酸化反応に対しても良好な活性を示し、かつ反応中の炭素析出を抑制することを主眼として開発されたものであり、炭化水素を部分酸化して水素と一酸化炭素を含有する混合ガスを生成させるものであって、希土類元素の酸化物とAl23を担体として含み、これにNiを含む触媒活性金属を担持してなることを特徴とするものである。
希土類元素として好ましいのはCeであり、その酸化物として好ましいのはCeO2である。
担体の形態として好ましいのはAl23粒子の表面をCeO2が被ったものであり、本発明の触媒の形態として好ましいのは触媒活性金属がそのCeO2の表面に担持されているものである。
担体におけるCeO2の割合は15重量%以上が好ましく、さらに好ましくは20重量%以上である。
この触媒中のNiの担持量は1重量%以上が好ましいが、原料ガスや温度によっても必要な担持量は変化する。原料ガスがエタン又はプロパンの場合にはNiの担持量は1重量%でも十分であるが、原料ガスがメタンの場合にはNiの担持量は5重量%以上であることが好ましい。また、反応温度が高くなるとNiの担持量は少なくてもすむようになり、原料ガスがメタンの場合でも反応温度が高くなると1重量%でも十分な作用をするようになる。
本発明の水素含有ガス製造方法は、炭化水素と酸素を含む原料ガスを加熱下で本発明の触媒に接触させ、炭化水素を部分酸化して水素と一酸化炭素を含有する混合ガスを生成させる方法である。
原料ガスとなる炭化水素の例は、メタン、エタン、プロパンもしくはそれらのガスを主成分とする混合ガス、又は天然ガスである。実施例ではメタン、エタン及びプロパンを用いて本発明の触媒を評価して、効果を達成することを確認した。天然ガスの組成の一例は、CH4が90.53mol%、C26が6.19mol%、C38が2.36mol%で、他に微量のブタン、ペンタンや窒素を含む混合ガスであるので、天然ガスに本発明を適用しても目的とする部分酸化反応を達成できることは明らかである。
本発明の水素含有ガス製造装置は、本発明の触媒が保持された反応管と、その触媒を加熱する加熱炉と、炭化水素と酸素を含む原料ガスをその反応管に送り触媒と接触させる原料ガス流路とを備え、反応管中で炭化水素を部分酸化して水素と一酸化炭素を含有する混合ガスを生成させる装置である。
本発明の部分酸化触媒を用いることにより、天然ガスなど、エタン等の炭素数が2以上の炭化水素を含む混合ガスであっても、炭素析出を抑えながら、部分酸化法により水素と一酸化炭素を含む混合ガスを製造することができる。得られた混合ガスから水素を分離したり、水素と一酸化炭素の混合ガスを合成ガスとして有機化合物合成の原料に供したりすることができる。
さらに、本発明に記載の触媒組成は、他に一般的に触媒に求められる特性、たとえば機械的強度の向上などを得るための成分を、本発明の触媒組成に混合して触媒調製することを排除するものではない。また、本発明に記載の触媒組成は、触媒の製造工程で不可避的に混入する微量不純物成分を排除するものでもない。
(1)CeO2/γ−Al23担体の調製
γ−Al23(Merck,SA.123m2/g)2.40gを容器に入れ減圧した後、硝酸第二セリウムアンモニウム(和光純薬工業株式会社製:Ce(NH4)(NO36)14.22gを蒸留水20.00gに溶かした溶液3.28gを用いて、CeO2/(γ−Al23+CeO2)が5〜30重量%になるように添加して、γ−Al23細孔に浸透させ含浸させた。その後、真空下で二時間保持し、常圧下において100℃で乾燥させた後、減圧乾燥を80℃で一晩行なった。乾燥した試料を、空気流通下、室温から5℃/分の昇温速度で600℃まで昇温し、600℃で5時間保持することにより、CeO2/γ−Al23担体を調製した。
(2)Ni/CeO2/γ−Al23触媒の調製
触媒は、含浸担持法により調製した。すなわち、所望のNi金属が担持されるように、所定量の硝酸ニッケル六水和物(和光純薬工業株式会社製:Ni(NO32・6H2O)を水に溶かしたものを、上記のように得られたCeO2/γ−Al23担体に加え、一夜放置した。その後、空気流通下で、5℃/分の昇温速度で600℃まで昇温し、600℃で5時間保持することによりNi/CeO2/γ−Al23触媒を調製した。得られた触媒はメノウ乳鉢を用いて粉砕し、100mesh以下に整粒して反応に供した。
調製した触媒のNi担持量は、触媒全体に対するNiの割合が1重量%、3重量%及び5重量%の3種類であった。
比較例としては、担体としてCeO2とAl23を用いた。CeO2は、硝酸セリウムを空気流通下、600℃まで2時間かけて昇温し、5時間保持して焼成したものを用いた。Al23は上記に記載したγ−Al23及びα−Al23(和光純薬工業株式会社製SA 1m2/g)を使用した。これらの担体CeO2とAl23への触媒成分のNiの担持は、上記に記載したこの実施例の方法によった。
(3)評価のための実験装置
評価のための実験装置として、図1に示される反応装置を使用した。ただし、この反応装置はあくまで評価のための実験装置であり、実際にこの触媒を使用して水素含有ガスを製造する装置はこの反応装置に限定されるものではなく、各部の配置や規模は目的に応じて適宜変更することができる。
図1において、石英ガラス製反応管2は内径10mm、長さ250mmであり、その両側から石英製グラスウールを用いて本発明の部分酸化触媒層4を充填してある。6は反応管2を加熱する電気炉であり、反応管2がその電気炉6中に収納されるように、電気炉6に対して反応管2が配置されている。触媒層4に接して石英ガラス製熱電対保護管が設置され、その中に熱電対(図示略)が通されて触媒層4と接触している。触媒層4の温度はその熱電対により検出される。8は温度コントローラであり、その熱電対により検出した触媒層4の温度が設定温度になるように、電気炉6への通電を制御するものである。
反応管2の一端(入口)には評価実験のための原料ガスとして、メタン、エタン又はプロパンを供給する原料ガス供給流路10と、酸素を供給する酸素供給流路20が接続されている。いずれもそれぞれのガスを一定流量で供給するための質量流量制御器14,24を備えている。それぞれの質量流量制御器14,24の上流には開閉弁12,22が配置され、質量流量制御器14,24と反応管2との間には、質量流量制御器14,24側から順に流量計16,26及びチェックバルブ18,28がそれぞれ設けられている。
反応管2の他端(出口)はエチレングリコールを入れた水トラップ3を介して三方バルブ44に接続され、その三方バルブ44により捕集用のガスバッグのようなガス捕集系又は排出口へと切り替えて接続されるようになっている。水トラップ3はこの反応装置に着脱可能に取りつけられており、反応終了後にその水トラップ3の重量増加を測定することにより水生成量を求めることができる。三方バルブ44は、反応ガスを捕集するときは反応ガス流路をガス捕集系に接続し、それ以外のときは反応ガス流路を排出口に接続する。ガス捕集系により捕集した反応生成ガスはガスクロマトグラフにより分析した。
(4)本発明の部分酸化触媒を用いた炭化水素からの水素製造反応
製造した触媒は、メタン、エタン及びプロパンの部分酸化反応によって評価した。本発明の適用条件として有力な天然ガスの部分酸化反応を考えると、主成分のメタン以外にエタンとプロパンが混合しており、炭素数が多く炭素析出しやすいと予想されるエタンやプロパンを検討する必要があるためである。
実際には、調製した触媒の60mgを反応管に充填し、炭化水素を20ml・min-1、酸素を10ml・min-1の流速(空間速度SVではSV=30,000ml/g−cat・h)で、温度873K(600℃)〜973K(700℃)の環境下、60〜300分間反応させて評価実験を行なった。
炭化水素と酸素との反応に先立ち、触媒は873Kにおいて1時間水素還元した。以上の反応条件はあくまで評価のための実験条件であり、実際に工業的に製造する際には目的に合せて適宜変更する。
以下、本発明を実施例によりさらに詳述する。
メタン、エタン、プロパンのそれぞれについて部分酸化反応を検討した。
(メタンの部分酸化)
CeO2(20重量%)/Al23を担体とし、これにNiを1.0重量%又は5.0重量%担持した触媒を用い、メタンの部分酸化反応を表1に記載の温度で1時間実施した。担体のCeO2の割合はCeO2/(γ−Al23+CeO2)を表わし、触媒中のNiの割合は触媒全体に対するNiの割合を表わしている。
表1にこの測定に用いた触媒組成と部分酸化反応温度(873〜973K)を示す。
表2は実施例1におけるメタン実効転化率(%)、生成したCO,CO2,H2のそれぞれの選択率(%)、H2O生成量(mmol)、及び炭素析出量(mmol)を示し、表3はCO,CO2,H2のそれぞれの生成量(mmol)と、その生成量から算出されるH2/CO生成量比を示す。
実効転化率、選択率(生成量)、H2O生成量、炭素析出量は次のように求めた。これらの求め方は、他の実施例においても同様である。
実効転化率:
実効転化率は、メタンの場合、生成ガス中に残存するメタン量を原料ガスとして投入したメタン量で割った値である。エタンやプロパンのように、エチレンやメタンなど他の炭化水素に転化したものが生成する場合は、エチレンやメタンなど他の炭化水素へ転化した分を除いて補正した分を「実効転化率」とした。
選択率と生成量:
選択率と生成量は、反応後の生成ガス成分をガスクロマトグラフにより分析し、比率又はモル単位で表わした。
2O生成量:
2O生成量は反応管出口に設置した、エチレングリコールを入れた水トラップの重量増加により求めた。
炭素析出量:
炭素析出量の測定は、2通りの方法により行なった。一方は、反応前後の触媒の重量増減を電子天秤で測り、増減量を炭素析出量とした。もう一方は、反応後の触媒をTG−DTA(熱重量測定−示差熱分析)にかけ、室温から800℃まで昇温速度10℃/minで昇温を行ない、TGの重量増減から炭素析出量を算出した。
測定番号1の反応は、Ni担持量が1.0重量%、反応温度が923Kのときのものである。転化したメタンのほとんど(99.0%)がCO2となっていることから、この条件では部分酸化反応は起こらず、原料のメタンはほとんど燃焼していることを示している。
しかし、測定番号2のように、同じNi担持量の触媒であっても、反応温度を973Kに高く設定した場合は、メタンの転化率が高まるとともに、COとH2の選択率が高くなり、メタンの部分酸化反応が良好に進行し、炭素析出も見られない。
測定番号3〜5のように、Ni担持量が5.0重量%になれば、反応温度を873〜973Kの温度範囲でメタンの部分酸化反応が良好に進行し、COとH2の選択率も高く、炭素析出もほとんど見られない。
実施例1の測定番号5の反応の時間経過を測定したものを表4から表6に示す。
表5及び表6より、反応時間を増加させた場合のメタン実効転化率、各成分の選択率及びH2/CO生成量比は大きく変化することなくほぼ一定であった。また180分後(実施例5−3)の炭素析出量は0.23mmolと微量であった。
(エタンの部分酸化)
Ni担持量を1.0重量%に固定し、担体であるCeO2とAl23の割合を変えて調製した触媒を使用した。
比較例として、担体としてCeO2のみを使用したもの(比較例1)、担体として実施例の担体の一部を構成するγ−Al23のみを使用したもの(比較例2)、及び担体としてα−Al23のみを使用したもの(比較例3)についても測定を行なった。
それらの結果を表7から表9に示す。測定番号14−1と14−2は測定時間を異ならせたものである。測定番号14−1は5時間反応後、測定番号14−2は10時間反応後の測定結果であり、これら以外は2時間反応後の測定結果である。
また、図2は触媒中におけるCeO2の重量%と各選択率(%)及び炭素析出量(mmol)の関係を示す。
CeO2/Al23担体でCeO2が15重量%以上となると、水素選択率が良好で、かつ炭素析出量もほとんどなく、良好である。
担体が複合担体ではない比較例の場合は、担体がCeO2のみの比較例1や担体がα−Al23のみの比較例3の場合は炭素析出量が著しく、担体がγ−Al23のみの比較例2の場合は部分酸化反応が進まずにエチレンへの転化が進行してしまう。
次にNiの担持量を変化させて検討した。
CeO2(20wt%)/Al23担体に、Niを0〜5.0重量%の範囲で変化させて担持させた触媒を調製した。Niが0重量%のものは本発明の範疇から外れるので、比較例4とした。また、Al23のみの担体を使用したものも比較例6〜7とした。
これらの触媒を用いて、エタンの部分酸化反応を923Kの環境下で2時間行なった。その結果を表10から表12に示す。
また、この結果に図3に示した。
エタンの部分酸化に関しては、Niの担持量が1.0重量%以上であれば、H2選択率もCO選択率も良好で部分酸化反応が起こっており、Niの担持量を5.0重量%に増加させても同じ性能を維持している。
担体が本発明で使用しているCeO2(20wt%)/Al23担体であっても、Niを担持させなかった比較例4ではエタン実効転化率が低く、かつ燃焼とC24への転化が起こり、部分酸化反応には適さない。
また、Al23のみの場合(比較例5)もAl23担体にNiを担持した場合(比較例6,7)もエタン実効転化率が低かったり、C24への転化が起こったりして、部分酸化反応には適さない。
比較例と実施例の触媒のFE−SEM画像を図4から図6に示す。いずれの触媒も、Niを1.0重量%担持したものであり、触媒を反応管に充填し、エタンを20ml・min-1、酸素を10ml・min-1の流速で流し、700℃で2時間反応させた後の状態である。
図4はα−Al23担体にNiを担持した比較例の触媒を示したもの、図5はCeO2担体にNiを担持した比較例の触媒を示したものである。それぞれの画像の(A)は低倍率、(B)はそのうちの一部を高倍率で観察したものである。いずれの触媒も2時間の使用後は全体がウィスカー状炭素で被われており、部分酸化触媒としては使用できないことが画像からもわかる。
それに対し、図6はCeO2(20wt%)/Al23担体にNiを担持した本発明に属する触媒を示したものである。この触媒ではウィスカー状炭素の成長はほとんど見られず、比較例の触媒に比べて部分酸化触媒として優れていることがわかる。
(プロパンの部分酸化)
触媒としては、CeO2(20wt%)/Al23を担体とし、これにNiを1.0重量%担持したものを使用した(測定番号31)。
比較例として、CeO2のみを用いたもの(比較例8)、Al23にNiを1.0重量%担持したもの(比較例9)、CeO2担体にNiを1.0重量%担持したもの(比較例10)も測定した。
その結果を表13から表15に示す。
プロパンの部分酸化では、CeO2のみの場合(比較例8)は、COとH2の選択率が低く、部分酸化反応には適さない。Al23担体を用いたもの(比較例9)では分解反応が進み、水素生成は少ない。また、CeO2担体を用いたもの(比較例10)では水素生成は悪くないが、炭素析出が多い。
それに対し、本発明の触媒を用いたもの(測定番号31)では、部分酸化が起こっている。
実施例では、メタン、エタン及びプロパンを原料ガスとして個別に部分酸化反応を起こさせているが、いずれの原料ガスについても部分酸化反応を達成していることから、それらの混合ガスである天然ガスに対しても部分酸化反応を起こさせることができることは明らかである。
本発明の部分酸化触媒並びにそれを用いた製造方法及び装置は、水素や合成ガスを製造するための原料となる水素含有混合ガスを製造するのに利用することができる。
触媒を評価するための反応装置を示す概略構成図である。 エタンを原料ガスとした部分酸化反応における担体中のCeO2の割合の影響を示すグラフである。 エタンを原料ガスとした部分酸化反応における触媒中のNi担持量の影響を示すグラフである。 比較例の触媒の使用後のFE−SEM画像を示す図である。 他の比較例の触媒の使用後のFE−SEM画像を示す図である。 一実施例の触媒の使用後のFE−SEM画像を示す図である。
符号の説明
2 反応管
4 部分酸化触媒層
6 電気炉
8 温度コントローラ

Claims (4)

  1. 炭化水素を部分酸化して水素と一酸化炭素を含有する混合ガスを生成させる部分酸化触媒において、
    前記炭化水素はメタン、エタン、プロパンもしくはそれらのガスを主成分とする混合ガス、又は天然ガスであり、
    CeO 2 とAl23を担体として含み、これにNiからなる触媒活性金属を担持し、前記担体におけるCeO 2 の割合が15重量%以上であり、この触媒中のNiの担持量が1重量%以上であることを特徴とする部分酸化触媒。
  2. 前記担体はAl23粒子の表面をCeO2が被ったものであり、前記触媒活性金属はそのCeO2の表面に担持されている請求項に記載の部分酸化触媒。
  3. 前記炭化水素と酸素を含む原料ガスを加熱下で請求項1又は2に記載の部分酸化触媒に接触させ、前記炭化水素を部分酸化して水素と一酸化炭素を含有する混合ガスを生成させる水素含有ガス製造方法。
  4. 内部に請求項1又は2に記載の部分酸化触媒が保持された反応管と、
    前記触媒を加熱する加熱炉と、
    前記炭化水素と酸素を含む原料ガスを前記反応管に送り、前記触媒と接触させる原料ガス流路とを備え、
    前記反応管中で前記炭化水素を部分酸化して水素と一酸化炭素を含有する混合ガスを生成させる水素含有ガス製造装置。
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