JP4889951B2 - 光周波数安定化装置 - Google Patents

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本発明は、2光波のヘテロダイン検波による信号生成において用いられ、2光波の周波数間隔を安定化させる光周波数安定化装置に関する。
従来、無線システムにおいては数MHz(メガヘルツ)から数GHz(ギガヘルツ)の周波数が用いられているが、エレクトロニクス技術の進展とともにミリ波帯(30〜300GHz)以上の高い周波数を用いた無線システムの要請がある。このような高周波数信号の発振器を実現するには応答速度による制約から電気回路だけでは困難であるが、200THz(テラヘルツ)前後の周波数を有する光領域の技術を利用することにより、サブミリ波帯(300GHz〜3THz)からテラヘルツ帯(1THz帯)の高周波数信号を生成することが可能である。
この光領域の技術を利用した信号生成技術として、2光波のヘテロダイン検波による信号生成法がある。これは2光波の周波数差から信号を生成するものであるが、光源として用いられるレーザダイオードはバイアス電圧、半導体素子の温度等によって出力周波数が変動するため、2光波の周波数間隔の安定化処理が必須となる。図7は、従来の光周波数安定化装置の構成を示すブロック図である。
レーザダイオード1、レーザダイオード2は、それぞれ周波数f1、f2の光波を出力する光源である。ここで、f1、f2は互いに異なり周波数差を有する。また、レーザダイオード2は、バイアス電圧、素子温度等を制御する図示しない制御回路を有する。この制御回路には、後述するように、f1及びf2の周波数変動を反映した直流電圧が入力される。
レーザダイオード1、レーザダイオード2から出力された光波は、それぞれ導波路のA点及びB点で分岐される。それぞれの分岐した一方はC点で合波され、不図示の無線システム等に入力され高周波数信号の生成に用いられる。分岐した他方は、以下で説明する周波数間隔の安定化処理のためのモニタ光として用いられる。
レーザダイオード1から出力されA点で分岐されたモニタ光は、コムジェネレータ11に入力される。また、発振器4は、電気回路によりサイドバンド発生用の周波数fmの信号を発生し、コムジェネレータ11に出力する。一般に、レーザダイオードから出力された光波の周波数にはゆらぎが発生するのに対し、電気回路により発生された信号の周波数は光波の周波数よりも低いが安定しているため基準信号として用いられる。
コムジェネレータ11は発振器4から入力されたサイドバンド発生用の周波数fmの信号を用いて、モニタ光の周波数f1を中心として周波数fmの間隔でサイドバンドを発生させる。サイドバンドの数、電力等は用いられるコムジェネレータの構成、性能等により異なる。コムジェネレータ11の出力と、レーザダイオード2から出力されB点で分岐したモニタ光はE点で合波され、フォトダイオード6に入力される。
フォトダイオード6は光信号を電気信号に変換する。このとき光信号の差周波成分、すなわち光信号に含まれる周波数成分どうしの差分が、電気信号の周波数成分として出力される。出力された電気信号はローパスフィルタ7に入力され、所定値以下の周波数成分のみモニタ信号として位相比較器(Phase Detector、フェーズデテクタ)8に出力される。また、基準信号発生器9は電気回路により基準信号を発生し、位相比較器8に出力する。
位相比較器8は、ローパスフィルタ7が出力するモニタ信号と基準信号発生器9が出力する基準信号とをミキシングし、これらの位相を比較する。位相比較器8の出力信号は、モニタ信号と基準信号の位相差を信号電力に反映した信号となる。
この信号は、例えば次のように生成される。位相比較器8の入力部にリミッターを設けてモニタ信号と基準信号をパルス化する。パルス化された2信号が同時に“1”の符号である場合の出力を“1”、それ以外の場合の出力を“0”とする。このとき、位相比較器8に入力された2信号の位相差が大きい場合と小さい場合では、それぞれ、符号“1”となる時間の少ない信号、又は、符号“1”となる時間の多い信号が位相比較器8から出力される。レーザダイオード2の周波数f2を制御するためには、レーザダイオード2へ直流の制御信号を入力する必要がある。そこで、位相比較器8の出力信号をローパスフィルタ10を通して平滑化すると、符号“1”となる時間に比例した直流電圧を得ることができる。この直流電圧をレーザダイオード2の制御回路に入力することにより、レーザダイオード1とレーザダイオード2が出力する光波の周波数間隔が安定化される。
次に、上述した従来の光周波数安定化装置の動作を説明する。レーザダイオード1、レーザダイオード2は、それぞれ周波数f1、f2の光波を出力する。ここでf1>f2とする。
このときA点で分岐したモニタ光を入力としてコムジェネレータ11においてサイドバンドを発生させた光信号と、B点で分岐したモニタ光とをE点で合波させた光信号は図8に示すような周波数成分からなる。図8はフォトダイオード6の入力信号であるF点の信号を示す。図8のグラフの横軸はF点における光信号の周波数成分を表し、縦軸は周波数成分毎の電力を表す。グラフの周波数成分は、周波数f1とその両側に周波数fmの間隔で発生したサイドバンド及び周波数f2からなる。
これらのうち周波数f2に近いいずれかのサイドバンドを選択し、f2の周波数と選択したサイドバンドの周波数の差分をモニタ信号として用いる。ここではf2に最も近いサイドバンドを選択し、この周波数とf2の周波数の差分をΔfで表す。Δfの周波数を低くすると回路が低コストで実現できる等の理由により、できるだけf2に近いサイドバンドを用いることが望ましい。
図8に示すような周波数成分を有する光信号がフォトダイオード6に入力されると差周波成分が出力され、図9に示すような周波数成分からなる電気信号が出力される。図9はフォトダイオード6の出力信号であるG点の信号を示す。図9のグラフの横軸はG点における電気信号の周波数成分を表し、縦軸は周波数成分毎の電力を表す。グラフは、高い周波数成分からなる光信号から、その周波数成分どうしの差分に相当する低い周波数の電気信号が得られたことを示す。なお、f1、f2、fmの値によってΔfとfmの大小関係は逆になることもある。
図9に示すような電気信号がローパスフィルタ7に入力されると、周波数Δfが含まれるように予め定められた値以下の周波数成分のみが出力される。ここで取り出された周波数Δfのモニタ信号と基準信号発生器9が出力する基準信号が位相比較器8においてミキシングされ、これらの信号の位相差を比較してレーザダイオード2が出力する光波の周波数を制御する直流的制御信号がレーザダイオード2へ出力される。通常、基準信号発生器9から出力される基準信号の周波数はΔfに設定される。このようにして、レーザダイオード1とレーザダイオード2が出力する光波の周波数間隔が安定化される。
なお、従来技術として非特許文献1及び2が知られている。
U.Gliese, T.N.Nielsen, M.Bruun, E.Lintz Christensen, K.E.Stubkjaer, S.Lindgren, and B.Brobcrg「A Wideband Heterodyne Optical Phase-Locked Loop for Generation of 3-18GHz Microwave Carriers」(米国)IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS, VOL. 4, No.8, AUGUST 1992, p.936−938 山本貴司、川西悟基 著、「位相変調器を用いた低雑音光周波数コムの発生」、TECHNICAL REPORT OF IEICE, MWP03-4, 2003.10, p.21-24
上記の技術によれば、図9に示す周波数成分のうち、モニタ信号として用いることができるのは周波数Δfのみであるが、fmの整数倍の周波数成分も含まれている。このΔfの電力はfmのピーク値より小さいため識別・抽出が困難となる。また、Δfとfmが近傍に生成された場合、あるいは、図8においてf1とf2の周波数差が大きいためにコムジェネレータ11が発生する高次成分、すなわちf1を中心としてfmの間隔で生成される複数のサイドバンドのうちf1からより遠く離れた成分、を用いると高次サイドバンドの生成効率劣化によって減衰が大きい場合等、Δfの電力も小さくなるためモニタ信号の識別・抽出を困難にし、検出誤りを引き起こす恐れがあった。又、高次サイドバンドの減衰によりf1と近傍のサイドバンドの間隔が十分に近くできない場合、Δfは高い周波数となってしまうため、高周波数向けの高価なO/E(光電気変換器)や基準信号源が必要となり、システムをコストアップさせてしまう。
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、抽出が容易な低周波数のモニタ信号を生成することができる光周波数安定化装置を提供することである。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、本発明は、第1の光波を出力する第1の光源と、前記第1の光波と周波数が互いに異なる第2の光波を出力する第2の光源と、サイドバンド発生用の周波数の信号を出力する発振器と、2つの入力導波路と該2つの入力導波路が合流した1つの出力導波路と前記2つの入力導波路を伝搬する光波を位相変調する変調電極とを有する位相変調器を備え、前記第1及び第2の光波のうち少なくとも一方を前記入力導波路から入力し、入力された光波の周波数を中心として前記発振器から前記変調電極に出力された前記信号を用いて位相変調によりサイドバンドを生成して出力するサイドバンド発生手段と、前記サイドバンド発生手段の出力信号を入力し電気信号に変換して出力する光電気変換手段と、基準信号を出力する基準信号発生手段と、前記光電気変換手段が出力する電気信号と前記基準信号を入力し、前記電気信号と前記基準信号の位相差を反映した制御信号を生成して出力する制御信号生成手段と、前記制御信号を入力し、前記第1又は第2の光源が出力する光波の周波数を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする光周波数安定化装置である。これにより、位相変調器に入力した光波の周波数とそのサイドバンドからなる周波数成分どうしの差周波成分を周波数とする電気信号が生成されないため、モニタ信号の抽出が容易となる。
上記の光周波数安定化装置は、前記位相変調器、前記第1及び第2の光波のそれぞれの周波数を中心としてサイドバンドを発生する。これにより、2つの光波の周波数差が大きい場合であっても、これらの周波数を中心として発生するサイドバンドのうち中心とする周波数から遠く離れ減衰が大きい成分を用いることなく、低周波数のモニタ信号を生成することができる。
上記の光周波数安定化装置は、好ましくは、前記位相変調器の出力信号からモニタ信号として用いる周波数帯域のみを透過させ前記光電気変換手段へ出力する光フィルタをさらに具備する。これにより、モニタ信号として用いる周波数成分を含む帯域のみを透過させ、この差周波成分のみを取り出すことができるため、モニタ信号の抽出が容易となる。
上記の光周波数安定化装置は、好ましくは、前記発振器は、第1のサイドバンド発生用の周波数の信号を出力する第1の発振器と第2のサイドバンド発生用の周波数の信号を出力する第2の発振器からなり、前記位相変調器は、前記第1の光波の周波数を中心として前記第1の発振器の出力信号を用いてサイドバンドを発生するとともに、前記第2の光波の周波数を中心として前記第2の発振器の出力信号を用いてサイドバンドを発生する。これにより、2つの光波のそれぞれの周波数を中心として発生するサイドバンドは、周波数成分が同じ間隔で隣り合う箇所が複数できることにはならず、隣り合う周波数成分の間隔が最小となる箇所は1つとなる。よって、モニタ信号の抽出が容易となる。
上記の光周波数安定化装置は、好ましくは、前記サイドバンド発生手段は、前記第1の光波の周波数を中心として強度変調によりサイドバンドを発生する第1のコムジェネレータと、前記第2の光波の周波数を中心として強度変調によりサイドバンドを発生する第2のコムジェネレータとからなる。
上記の光周波数安定化装置は、好ましくは、前記発振器から出力され前記第1及び第2のコムジェネレータへ入力される信号のいずれか一方を入力し、入力された信号の位相をπの奇数倍ずらして出力する位相調整手段をさらに具備する。これにより、2つの光波のそれぞれの周波数とそれらのサイドバンドからなる周波数成分どうしの差周波成分のうち、サイドバンド発生用の周波数の整数倍の成分がキャンセルされる。よって、モニタ信号の抽出が容易となる。
上記の光周波数安定化装置は、好ましくは、前記第1及び第2のコムジェネレータが出力する信号のいずれか一方を入力し、入力された信号の位相をπの奇数倍ずらして出力する位相調整手段をさらに具備する。これにより、2つの光波のそれぞれの周波数とそれらのサイドバンドからなる周波数成分どうしの差周波成分のうち、サイドバンド発生用の周波数の整数倍の成分がキャンセルされる。よって、モニタ信号の抽出が容易となる。
本発明によれば、光周波数安定化装置において抽出が容易な低周波数のモニタ信号を生成することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の実施例は本発明を限定するものではなく、また、実施例中で説明されている特徴のすべての組み合わせが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
まず、図1を参照し、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態における光周波数安定化装置の構成を示すブロック図である。図1において、図7に示す構成部品と同じ構成部品には同じ番号を付す。図7を参照して説明した従来の光周波数安定化装置との違いは、A点で分岐したモニタ光を入力するコムジェネレータ11を設けず、A点で分岐したモニタ光とB点で分岐したモニタ光を入力する位相変調器3と、その出力を入力する光フィルタ5を設け、また、図7におけるローパスフィルタ7を設けていない点である。ここで位相変調器3には発振器4で生成されたサイドバンド発生用の周波数fmの信号が入力される。光フィルタ5は例えばFBG(Fiber Bragg Grating、ファイバブラッググレーティング)を用いる。このFBGは特定の波長を回折させ、特定の波長を透過させる性質を持つ。
この構成を従来の構成と比較すると、f1とf2の双方からサイドバンドを発生させるのでサイドバンド発生効率が向上し、かつ、これを位相変調器3において集約して行うことにより周波数fmの信号源1つでf1とf2の同時変調を可能にしている。
上記の位相変調器3は、A点で分岐したモニタ光とB点で分岐したモニタ光のそれぞれの周波数成分を位相変調し合波する。すると、f1を中心とするサイドバンド、及び、f2を中心とするサイドバンドが発生する。これは、光波にあるサイドバンド発生用の周波数で位相変調をかけると第1種のベッセル関数に従った大きさをもつサイドバンド(位相変調信号)が生成できることに基づく。また、位相変調器3において2つのモニタ光をそれぞれ位相変調した後これらを合波しているのは、1つの光波を位相変調して単純に電気信号に変換するだけでは強度成分としては出力されない性質を持つので、光を強度情報に直すために干渉系を用いて光を束ねる構成にして強度変調波を得るためである。
この位相変調器3の出力信号を光フィルタ5に入力し、この信号の周波数成分のうちf1のサイドバンドとf2のサイドバンドをそれぞれ1つづつを含む周波数帯域を透過させる。この透過帯域に含まれる周波数成分の差分をΔfで表す。Δfの周波数を低くすると電気信号処理をする回路が低コストで実現できる等の理由により、できるだけ周波数間隔の狭い2つのサイドバンドを選択することが望ましい。
光フィルタ5に位相変調器3の出力を入力する理由は、周波数f1を中心とする間隔fmのサイドバンドと周波数f2を中心とする間隔fmのサイドバンドを合波することにより、2つの周波数成分がΔfと同じ間隔で隣り合う箇所が複数できるので、これらのうち1箇所のみ抜き出すためである。なお、既にモニタ信号として用いる周波数帯域のみ抽出されているので、従来の光周波数安定化装置において、設けられていたローパスフィルタ7は本装置に設けられていない。
この光フィルタ5の出力信号をフォトダイオード6で電気信号に変換する。その他の構成は従来の光周波数安定化装置と同様である。以上により、f1とf2の周波数の間隔を大きく空けても高効率なS/N比を持つモニタ信号、すなわちサイドバンドの減衰の影響が少ないモニタ信号が得られる。
次に、上述した光周波数安定化装置の動作を説明する。レーザダイオード1、レーザダイオード2は、それぞれ周波数f1、f2の光波を出力する。ここでf1>f2とする。
このときA点で分岐されたモニタ光とB点で分岐されたモニタ光を入力とする位相変調器3の出力信号は図2に示すような周波数成分からなる。図2は位相変調器3の出力信号であるD点の信号を示す。図2のグラフの横軸はD点における光信号の周波数成分を表し、縦軸は周波数成分毎の電力を表す。グラフの周波数成分は、周波数f1とそれを中心として周波数fmの間隔で発生したサイドバンド、及び、周波数f2とそれを中心として周波数fmの間隔で発生したサイドバンドからなる。図2において、理解しやすいように、周波数f1とこれに対するサイドバンドを実線で、周波数f2とこれに対するサイドバンドを破線で示す。これはf1を基準として他の周波数に電力が拡散されたことを意味し、基準となるfmを変えることによって他の周波数への移行量を変えることもできる。
これらのうち周波数f1を中心とするサイドバンドと周波数f2を中心とするサイドバンドを1つづつ選択し、これらのみが含まれる周波数帯域を透過させる光フィルタ5に入力すると、選択した2つのサイドバンドのみ透過され、これをフォトダイオード6に入力して電気信号に変換すると、図3に示すようにこれらの差周波成分であるΔfのみからなる電気信号が出力される。図3はフォトダイオード6の出力信号であるG点の信号を示す。図3のグラフの横軸はG点における電気信号の周波数成分を表し、縦軸は周波数成分の電力を表す。以下この信号をモニタ信号として、前述と同様にレーザダイオード1とレーザダイオード2が出力する光波の周波数間隔の安定化処理が行われる。光フィルタ5により出力を制限する周波数帯域は、透過するf1に対するサイドバンドとf2に対するサイドバンドの強度が可能な限り大きく、かつ、2つの強度の差が少ないことが、差周波成分を正確に検出するために好ましい。
本発明の第1の実施形態において、位相変調器3は、f1、f2の一方のみ位相変調することによってサイドバンドを発生し、他方は位相変調しない、すなわち、サイドバンドを発生させなくてもよい。この場合、サイドバンドを発生させないレーザダイオードの周波数の近傍に生成されたサイドバンドの大きさがフォトダイオード6による差周波成分の検出のために十分であれば、位相変調器3の回路構成をシンプルにすることができる。
なお、同一の周波数fmを基準信号としてf1、f2を中心とするサイドバンドを発生し合波する位相変調器3に代えて、それぞれ異なる周波数fm1、fm2の基準信号を用いた別々の位相変調器により、それぞれ周波数f1を中心とする周波数間隔fm1のサイドバンドと周波数f2を中心する周波数間隔fm2のサイドバンドを発生させ、それぞれの位相変調器の出力信号を合波する構成も可能である。この場合、上記と異なり2つの周波数成分がΔfと同じ間隔で隣り合う箇所が複数できることにはならず、隣り合う周波数成分の間隔が最小となる箇所を1つにすることができる。この場合、モニタ信号として用いる2つの周波数のみを透過させる光フィルタ5を用いることが好ましいが、光フィルタ5を省略することも可能である。光フィルタ5を省略する際には、フォトダイオード6と位相比較器8との間にモニタ信号のみを抽出するフィルタを挿入することが好ましい。
なお、同一の周波数fmを基準信号としてf1、f2を中心とするサイドバンドを発生し合波する位相変調器3に代えて、2つの位相変調器を用いて、同一の周波数fmを基準信号としてそれぞれf1、f2を中心とするサイドバンドを発生し、これら2つの位相変調器の出力信号を合波する構成としてもよい。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。図4はこの実施形態における光周波数安定化装置の構成を示すブロック図である。図4において、図7に示す構成部品と同じ構成部品には同じ番号を付す。図7を参照して説明した従来の光周波数安定化装置との違いは、B点とE点の間にB点で分岐したモニタ光を入力するコムジェネレータ12を設け、このコムジェネレータ12には発振器4の出力信号を位相調整器13において位相調整した信号が入力されている点である。位相調整器13は、発振器4の出力信号の位相をπの奇数倍ずらしてコムジェネレータ12に入力する。周波数が同一で位相がπの奇数倍ずれた信号は互いにキャンセルされるため、E点で合波するとfmの整数倍として生成される強度変調成分どうしがキャンセルされる。
次に、上述した光周波数安定化装置の動作を説明する。レーザダイオード1、レーザダイオード2は、それぞれ周波数f1、f2の光波を出力する。ここでf1>f2とする。
このときA点で分岐したモニタ光を入力として、周波数fmの基準信号を用いてサイドバンドを発生させるコムジェネレータ11と、B点で分岐したモニタ光を入力として、位相調整された周波数fmの基準信号を用いてサイドバンドを発生させるコムジェネレータ12を合波した信号は図5に示すような周波数成分からなる。図5はフォトダイオード6の入力信号であるF点の信号を示す。図5のグラフの横軸はF点における光信号の周波数成分を表し、縦軸は周波数成分毎の電力を表す。グラフの周波数成分は、周波数f1とそれを中心として周波数fmの間隔で発生したサイドバンド、及び、周波数f2とそれを中心として周波数fmの間隔で発生したサイドバンドからなる。図5において、理解しやすいように、周波数f1とこれに対するサイドバンドを実線で、周波数f2とこれに対するサイドバンドを破線で示す。
この光信号がフォトダイオード6に入力され電気信号に変換されると、光信号の周波数成分どうしの差分を周波数成分とする図6に示すような電気信号が出力される。図6はフォトダイオード6の出力信号であるG点の信号を示す。図6のグラフの横軸はG点における電気信号の周波数成分を表し、縦軸は周波数成分毎の電力を表す。グラフの周波数成分のうちf1とf2の間の周波数変動を反映しない成分、すなわち、f1とそのサイドバンドからなる周波数成分どうしの差分として生成されたfmの整数倍の周波数成分と、f2とそのサイドバンドからなる周波数成分どうしの差分として生成されたfmの整数倍の周波数成分は、周波数が同一で位相がπの奇数倍ずれた信号であるため互いにキャンセルされていることを表す。図6において、理解しやすいように、f1とそのサイドバンドからなる周波数成分どうしの差分として生成されたfmの整数倍の周波数成分を実線で、f2とそのサイドバンドからなる周波数成分どうしの差分として生成されたfmの整数倍の周波数成分を破線で、2光波の差周波成分のうちキャンセルされない成分であるビート成分を一点鎖線で示す。
この信号をローパスフィルタ7に入力してモニタ信号として用いるΔfのみ抽出する。以下この信号をモニタ信号として、前述と同様にレーザダイオード1とレーザダイオード2が出力する光波の周波数間隔の安定化処理が行われる。
なお、本発明の第2の実施形態において、発振器4が発生する周波数fmの基準信号の位相をずらす位相調整器13を設けずに、発振器4が発生する基準信号をそのままコムジェネレータ12に入力し、コムジェネレータ11又はコムジェネレータ12のどちらか一方の出力信号の位相をπの奇数倍シフトさせる位相調整器をE点より手前に設けることにより、上記と同様に、f1とそのサイドバンドからなる周波数成分どうしの差分として生成されたfmの整数倍の周波数成分と、f2とそのサイドバンドからなる周波数成分どうしの差分として生成されたfmの整数倍の周波数成分とをキャンセルしてもよい。
本発明は、2光波のヘテロダイン検波による信号生成装置に用いられる。
本発明の第1の実施形態による光周波数安定化装置の構成を示すブロック図である。 位相変調器3の出力信号であるD点の信号を示す図である。 フォトダイオード6の出力信号であるG点の信号を示す図である。 本発明の第2の実施形態による光周波数安定化装置の構成を示すブロック図である。 フォトダイオード6の入力信号であるF点の信号を示す図である。 フォトダイオード6の出力信号であるG点の信号を示す図である。 従来の光周波数安定化装置の構成を示すブロック図である。 フォトダイオード6の入力信号であるF点の信号を示す図である。 フォトダイオード6の出力信号であるG点の信号を示す図である。
符号の説明
1、2…レーザダイオード
3…位相変調器
4…発振器
5…光フィルタ
6…フォトダイオード
7、10…ローパスフィルタ
8…位相比較器
9…基準信号発生器
11、12…コムジェネレータ
13…位相調整器
A、B、C、D、E、F、G…点

Claims (3)

  1. 第1の光波を出力する第1の光源と、
    前記第1の光波と周波数が互いに異なる第2の光波を出力する第2の光源と、
    サイドバンド発生用の周波数の信号を出力する発振器と、
    2つの入力導波路と該2つの入力導波路が合流した1つの出力導波路と前記2つの入力導波路を伝搬する光波を同時に位相変調する1つの変調電極とを有する位相変調器を備え、前記第1及び第2の光波の両方を前記入力導波路から入力し、入力された各光波の周波数を中心として前記発振器から前記変調電極に出力された前記信号を用いて位相変調によりサイドバンドを生成した後に合波して出力するサイドバンド発生手段と、
    前記サイドバンド発生手段の出力信号を入力し電気信号に変換して出力する光電気変換手段と、
    基準信号を出力する基準信号発生手段と、
    前記光電気変換手段が出力する電気信号と前記基準信号を入力し、前記電気信号と前記基準信号の位相差を反映した制御信号を生成して出力する制御信号生成手段と、
    前記制御信号を入力し、前記第1又は第2の光源が出力する光波の周波数を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とする光周波数安定化装置。
  2. 前記位相変調器の出力信号からモニタ信号として用いる周波数帯域のみを透過させ前記光電気変換手段へ出力するファイバブラッググレーティングをさらに具備する
    ことを特徴とする請求項に記載の光周波数安定化装置。
  3. 第1の光波を出力する第1の光源と、
    前記第1の光波と周波数が互いに異なる第2の光波を出力する第2の光源と、
    サイドバンド発生用の周波数の信号を出力する発振器と、
    2つの入力導波路と該2つの入力導波路が合流した1つの出力導波路と前記2つの入力導波路を伝搬する光波を位相変調する変調電極とを有する位相変調器を備え、前記第1及び第2の光波の両方を前記入力導波路から入力し、入力された各光波の周波数を中心として前記発振器から前記変調電極に出力された前記信号を用いて位相変調によりサイドバンドを生成した後に合波して出力するサイドバンド発生手段と、
    前記サイドバンド発生手段の出力信号を入力し電気信号に変換して出力する光電気変換手段と、
    基準信号を出力する基準信号発生手段と、
    前記光電気変換手段が出力する電気信号と前記基準信号を入力し、前記電気信号と前記基準信号の位相差を反映した制御信号を生成して出力する制御信号生成手段と、
    前記制御信号を入力し、前記第1又は第2の光源が出力する光波の周波数を制御する制御手段と、
    を具備し、
    前記発振器は、第1のサイドバンド発生用の周波数の信号を出力する第1の発振器と第2のサイドバンド発生用の周波数の信号を出力する第2の発振器からなり、
    前記位相変調器は、前記第1の光波の周波数を中心として前記第1の発振器の出力信号を用いてサイドバンドを発生するとともに、前記第2の光波の周波数を中心として前記第2の発振器の出力信号を用いてサイドバンドを発生する
    ことを特徴とする光周波数安定化装置。
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