JP4888078B2 - 車両用サスペンションシステム - Google Patents

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本発明は、ばね上部とばね下部とに対してそれらを接近・離間させる方向の力を作用させる電磁式アクチュエータを含んで構成されるサスペンションシステムに関する。
近年では、車両用サスペンションシステムとして、下記特許文献に記載されているようなシステム、すなわち、いわゆる電磁式サスペンションシステムが検討されている。このシステムは、ショックアブソーバとして、電磁式のアクチュエータを含んで構成される。電磁式のアクチュエータは、電磁モータの力に依拠して、ばね上部とばね下部とに対してそれらを接近・離間させる方向の力を作用させるものであり、このアクチュエータを採用するサスペンションシステムは、いわゆるスカイフック理論に基づくサスペンション特性を容易に実現できる等の利点から、高性能なサスペンションシステムとして期待されている。
特開2003−42224号公報
上記特許文献に記載の電磁式サスペンションシステムでは、一定時間内の平均消費電力が設定された上限値より大きくなる場合に、電磁モータへの供給電流を低減させることで、電磁モータ等の発熱の抑制が図られている。ところが、単に供給電流を低減させた場合には、アクチュエータ力を充分に発生させられず、車両の乗り心地や車両の操縦性、安定性といった車両の諸特性が低下してしまうことになる。このように、電磁式サスペンションシステムは、未だ開発途上にあるため、上記の問題を始めとする種々の問題を抱えており、実用性を向上させるための改良の余地を多分に残すものとなっている。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高いサスペンションシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用サスペンションシステムは、前後左右の4つの車輪に対応して設けられた4つの電磁式のアクチュエータを備え、4つのアクチュエータのうちの特定された1つのアクチュエータである特定アクチュエータをそれらの各々の温度に基づいて決定し、それら4つのアクチュエータの各々が発生させるアクチュエータ力に対して、車体にワープ力が作用するような補正を加えつつ、その決定された特定アクチュエータが発生させるアクチュエータ力を制限することを特徴とする。
車体を剛性の高いものと考えれば、4つのアクチュエータによって車体にワープ力を作用させても、車体の姿勢は変化せず、また、各アクチュエータによる各輪のばね上部,ばね下部の制振効果に対する影響はないと考えることができる。したがって、本発明の車両用サスペンションシステムでは、車体にワープ力を作用させるようにして、特定のアクチュエータのアクチュエータ力を制限することから、車両の乗り心地,車両の操縦性,安定性等を低下させることなく、4つのアクチュエータの各々の温度に基づいて、負担の大きいと考えられる特定のアクチュエータの負担を軽減させることが可能となる。その点において、本発明の車両用サスペンションシステムは、実用性の高いシステムとなる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の項において、(1)項,(5)項,(6)項を合わせたものが請求項1に相当し、(7)項が請求項2に、(8)項と(10)項とを合わせたものが請求項3に、(11)項ないし(15)項の各々が請求項4ないし請求項8の各々に、それぞれ相当する。
(1)前後左右の4つの車輪に対応して設けられ、それぞれが、ばね上部とばね下部との間に配設されるとともに、動力源としての電磁モータを有してばね上部とばね下部とにそれらを接近・離間させる方向の力であるアクチュエータ力を作用させる4つの電磁式のアクチュエータと、
それら4つのアクチュエータが発生させるアクチュエータ力を制御する制御装置と
を備えた車両用サスペンションシステムであって、
前記制御装置が、
前記4つのアクチュエータの各々が発生させるアクチュエータ力に対して、車体にワープ力が作用するような補正を加えることで、前記4つのアクチュエータのうちの特定された1つのアクチュエータである特定アクチュエータが発生させるアクチュエータ力を制限するアクチュエータ力制限部を有する車両用サスペンションシステム。
本項に記載の「ワープ力が作用するような補正」とは、一方の対角輪の各々に対応するアクチュエータ力を同じ大きさだけ接近方向に増加させるとともに、他方の対角輪の各々に対応するアクチュエータ力を、上記一方の対角輪の各々に対応するアクチュエータ力を増加させた大きさだけ離間方向に増加させることを意味する。一般的に、車体の剛性は比較的高いため、車体を捩るような力であるワープ力は、4つのアクチュエータに対応するばね上部とばね下部との距離の変動をほとんど伴わずして発生させ得る。詳しく説明すれば、車体に作用する力は、それぞれがその力の成分となるヒーブ力,ロール力,ピッチ力,ワープ力に分けることができ、車体の剛性が高いことを前提とすれば、ワープ力を変化させても、車体の姿勢は殆ど変化しないと考えることができ、また、各車輪に対応するばね上部,ばね下部の制振効果には殆ど影響を与えないと考えることができるのである。したがって、本項の態様では、4つのアクチュエータの各々のアクチュエータ力に対して上述のような補正を加えて、特定のアクチュエータのアクチュエータ力を制限するようにされていることから、本項の態様によれば、車両の乗り心地,車両の操縦性,安定性といった諸特性を低下させることなく、特定のアクチュエータの負担を軽減させることが可能となる。なお、本項の態様における特定のアクチュエータのアクチユエータ力の制限には、そのアクチュエータ力を0にまで制限することも含まれる。
本項の態様における「電磁式のアクチュエータ」は、それの具体的な構造が限定されるものではなく、また、機能に関しても特に限定されない。例えば、ショックアブソーバとしての機能を発揮させるようにしてもよく、その機能とは別にあるいはその機能に加え、車両の旋回,加減速等に起因する車体のロール,ピッチ等の抑制を目的として、車体の姿勢を制御する機能を発揮させるようにしてもよい。アクチュエータの動力源である「電磁モータ」も、その形式等は特に限定されず、DCブラシレスモータを始めとして種々の形式のモータを採用可能であり、また、動作に関して言えば、回転モータであっても、リニアモータであってもよい。
(2)前記制御装置が、前記4つのアクチュエータの各々のアクチュエータ力を少なくともばね上振動に対する振動減衰力として発生させる振動減衰制御部を有する(1)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様には、例えば、ばね上速度に基づいてばね上振動に対する減衰力を発生させるいわゆるスカイフック制御、あるいは、そのスカイフック制御とばね下速度に基づいてばね下振動に対する減衰力を発生させるいわゆるグランドフック制御との両者を総合的に実行するような制御が実行されるような態様が含まれる。
(3)前記制御装置が、前記4つのアクチュエータの各々のアクチュエータ力を車体のロールとピッチとの少なくとも一方を制御するための姿勢制御力として発生させる車体姿勢制御部を有する(1)項または(2)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様は、アクチュエータによって、例えば、車両旋回時,車両加減速時に生じる車体の傾斜を抑制することを可能とする態様である。本項の態様によれば、例えば、車速,操舵角,車体に発生する横加速度,前後加速度等に応じてアクティブな車体の姿勢制御が実行可能となる。
(4)前記4つのアクチュエータの各々が、
(a)ばね上部とばね下部との一方に設けられた雄ねじ部と、(b)ばね上部とばね下部との他方に設けれられてその雄ねじ部と螺合する雌ねじ部とを含んで構成され、ばね上部とばね下部との接近・離間に伴って前記雄ねじ部と前記雌ねじ部とが相対回転する構造のねじ機構を有し、かつ、前記電磁モータがその相対回転に対する抵抗力および推進力を発生させるように構成された(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、アクチュエータを、ねじ機構を採用したものに限定した態様であり、電磁モータに回転モータを採用した場合において、そのモータの回転力を、ストローク動作に対する減衰力に容易に変換することが可能となる。なお、本項の態様においては、ばね上部,ばね下部のいずれに雄ねじ部を設け、いずれに雌ねじ部を設けるかは、任意である。さらに、雄ねじ部を回転不能とし、雌ねじ部を回転可能とするような構成としてもよく、逆に、雌ねじ部を回転不能とし、雄ねじ部を回転可能とするような構成としてもよい。
(5)前記制御装置が、前記特定アクチュエータを決定する特定アクチュエータ決定部を有する(1)項ないし(4)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、例えば、1つのアクチュエータへの負担が、他のアクチュエータへの負担に比較して大きい場合等に、その1つのアクチュエータを特定アクチュエータとするような態様とすることが可能である。そのような態様とすれば、負担の大きいアクチュエータのアクチュエータ力を制限して、そのアクチュエータへの負荷を低減することが可能である。具体的には、例えば、アクチュエータが発生させているアクチュエータ力や、後に詳しく説明するアクチュエータの温度等に基づいて、特定アクチュエータを決定すればよい。
(6)前記特定アクチュエータ決定部が、前記4つのアクチュエータの各々の温度に基づいて前記特定アクチュエータを決定するものである(5)項に記載の車両用サスペンションシステム。
(7)前記特定アクチュエータ決定部が、前記4つのアクチュエータのうち最も温度が高いと認定されるアクチュエータを前記特定アクチュエータに決定するものである(6)項に記載の車両用サスペンションシステム。
上記2つの項に記載の態様は、何に基づいて特定アクチュエータを決定するかを限定した一態様である。本項にいう「アクチュエータの温度」は、例えば、後述する電磁モータの温度,上記のねじ機構を有するアクチュエータにおけるねじ機構の温度等、アクチュエータの特定の部位の温度であってもよく、また、電磁モータが駆動回路によって駆動される場合における駆動回路の温度、アクチュエータに接触してアクチュエータから熱が伝達される部材,機器の温度、アクチュエータの周囲の環境温度等から推定されるものであってもよい。上記2つの項の態様は、それらの各種温度うちのいずれか1つのみに基づいて特定アクチュエータが決定される態様であってもよく、複数の温度に基づいて決定される態様であってもよい。
アクチュエータの温度が高い場合には、アクチュエータの発熱量が多くなっていることが予測され、そのアクチュエータへの負担が大きいと考えることができる。上記2つの項の態様は、アクチュエータの温度に基づいて負担の大きな1つのアクチュエータを特定し、その1つのアクチュエータが発生させるアクチュエータ力を制限することで、そのアクチュエータの負担を低減させる態様である。なお、負担の最も大きなアクチュエータの負担を軽減させるという要請に応えるためには、後者の態様、つまり、最も温度が高いと認定されるアクチュエータが特定アクチュエータとされることが望ましい。
(8)前記特定アクチュエータ決定部が、前記4つのアクチュエータの各々が有する前記電磁モータの温度に基づいて前記特定アクチュエータを決定するものである(6)項または(7)項に記載の車両用サスペンションシステム。
(9)前記特定アクチュエータ決定部が、前記4つのアクチュエータの各々が有する前記電磁モータの温度をその電磁モータに流れた電流量に基づいて推定し、その推定された各電磁モータの温度に基づいて前記特定アクチュエータを決定するものである(8)項に記載の車両用サスペンションシステム。
上記2つの項に記載の態様は、電磁モータの温度に基づいて特定アクチュエータを決定するものに限定した態様である。電磁モータの温度は、その温度を直接検出できるセンサによって検出されてもよく、その温度を指標する値から推定されてもよい。電磁モータの温度を推定する場合、電磁モータの発熱量がその電磁モータに流れた電流量の2乗に比例すると考えることができるため、その電流量に基づいて電磁モータの温度を推定することが可能である。一般的に、電磁式のサスペンションシステムには、電磁モータに流れる電流を検出する電流センサが設けられる場合が多く、その電流センサの検出結果を用いて電磁モータの温度が推定されれば、電磁モータの温度を検出するセンサ等を余計に設ける必要がない。つまり、後者の態様によれば、システムが複雑化が防止できるのである。
また、電磁モータの温度を推定する場合には、現時点での値によって判断することに限定されるのではなく、現時点から遡った設定時間内の値に基づいて判断するようにしてもよい。具体的には、現時点から遡った設定時間内における電流量の平均値,実効値(RMS値,2乗の平均値の平方根),積分値,閾値を超えた頻度等に基づいて変更する態様とすることが可能である。
(10)前記4つのアクチュエータの各々が、
(a)ばね上部とばね下部との一方に設けられた雄ねじ部と、(b)ばね上部とばね下部との他方に設けれられてその雄ねじ部と螺合する雌ねじ部とを含んで構成され、ばね上部とばね下部との接近・離間に伴って前記雄ねじ部と前記雌ねじ部とが相対回転する構造のねじ機構を有し、かつ、前記電磁モータがその相対回転に対する抵抗力および推進力を発生させるように構成され、
前記特定アクチュエータ決定部が、前記4つのアクチュエータの各々が有する前記ねじ機構の温度に基づいて前記特定アクチュエータを決定するものである(6)項ないし(9)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
(11)前記特定アクチュエータ決定部が、前記4つのアクチュエータの各々が有する前記ねじ機構の温度をそのアクチュエータが発生させたアクチュエータ力およびそれの動作量に基づいて推定し、その推定された各ねじ機構の温度に基づいて前記特定アクチュエータを決定するものである(10)項に記載の車両用サスペンションシステム。
上記2つの項に記載の態様は、ねじ機構を採用したアクチュエータにおいて、ねじ機構の温度に基づいて特定アクチュエータを決定するものに限定した態様である。ねじ機構の温度は、例えば、ばね上部とばね下部との一方に回転不能に設けられた雄ねじ部と雌ねじ部との一方が設けられた部材等の温度を検出するセンサによって検出可能である。また、例えば、摩擦等に起因したねじ機構における発熱量は、アクチュエータの動作,アクチュエータ力が大きい場合に高くなると考えることができ、すなわち、そのアクチュエータが行った仕事についてのエネルギに比例するものと考えることができる。そのエネルギは、アクチュエータ力とアクチュエータの動作量との積に比例するため、それらに基づいてねじ機構の温度を推定することが可能である。つまり、後者の態様によれば、アクチュエータの通常の制御に必要とされるセンサを利用してねじ機構の温度を推定するため、新たにセンサ等を設ける必要がなく、システムが複雑化することを防止できる。
(12)前記アクチュエータ力制限部が、前記特定アクチュエータのアクチユエータ力を設定された制限値以下に制限する(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、特定アクチュエータのアクチュエータ力を制限する大きさを定めた態様である。本項の態様においては、その制限値と特定アクチュエータの目標となるアクチュエータ力との差分を、補正のために付加されるワープ力を構成する各アクチュエータのアクチュエータ力と考えることができる。つまり、本項の態様に従う場合、例えば、特定アクチュエータのアクチュエータ力に上記差分に相当する力をある向きに付加することで、その特定アクチュエータのアクチュエータ力を制限し、特定アクチュエータが設けられている車輪の対角輪に設けられているアクチュエータのアクチュエータ力に対して、上記制限のために付加された力と同じ大きさの力を同じ向きに付加するとともに、もう1組の対角輪の各々のアクチュエータのアクチュエータ力に対して、上記制限のために付加された力と同じ大きさの力を逆向きに付加するように、4つのアクチュエータの各々のアクチュエータ力を補正すればよい。
(13)前記アクチュエータ力制限部が、前記制限値を変更可能に構成された(12)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様によれば、制限値を、適切な大きさに変更することが可能である。なお、本項の態様は、制限値を連続的に変化させるような態様であってもよく、段階的に変化させるような態様であってもよい。
(14)前記アクチュエータ力制限部が、前記特定アクチュエータの温度に応じて前記制限値を変更するものである(13)項に記載の車両用サスペンションシステム。
上記2つの項に記載の態様は、アクチュエータの温度に基づいて特定アクチュエータが決定される態様に好適な態様であり、アクチュエータの温度に基づいて制限値の大きさを適切な大きさとすることが可能である。なお、本項の態様では、特定アクチュエータの決定のために利用される場合と同様に、アクチュエータの温度として、上述した電磁モータの温度,ねじ機構の温度等を採用可能であり、また、それらの温度を、先の場合と同様にして、推定することも可能である。
(15)前記アクチュエータ力制限部が、前記制限値を、前記特定アクチュエータの温度が高い場合に、低い場合に比較して小さくするものである(14)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、アクチュエータの温度が高い場合に、制限量を大きくして、制限値を小さくする態様である。本項の態様には、例えば、アクチュエータの温度がある閾値を超えて高くなった場合に、通常の状態における制限値より小さな制限値に変更する態様や、アクチュエータの温度が高くなる程、制限値が小さくなるような態様を採用することが可能である。本項に記載の態様によれば、特定アクチュエータの負担に応じて制限量を変更することが可能となる。
以下、請求可能発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
≪サスペンションシステムの構成≫
図1に、請求可能発明の実施例である車両用サスペンションシステム10を模式的に示す。本サスペンションシステム10は、前後左右の車輪12の各々に対応する独立懸架式の4つのサスペンション装置を備えており、それらサスペンション装置の各々は、サスペンションスプリングとショックアブソーバとが一体化されたスプリング・アブソーバAssy20を有している。車輪12,スプリング・アブソーバAssy20は総称であり、4つの車輪のいずれに対応するものであるかを明確にする必要のある場合には、図に示すように、車輪位置を示す添え字として、左前輪,右前輪,左後輪,右後輪の各々に対応するものにFL,FR,RL,RRを付す場合がある。
スプリング・アブソーバAssy20は、図2に示すように、車輪12を保持してばね下部の一部分を構成するサスペンションロアアーム22と、車体に設けられてばね上部の一部分を構成するマウント部24との間に、それらを連結するようにして配設された電磁式のアクチュエータ26と、それと並列的に設けられたサスペンションスプリングとしてのエアスプリング28とを備えている。
アクチュエータ26は、アウタチューブ30と、そのアウタチューブ30に嵌入してアウタチューブ30の上端部から上方に突出するインナチューブ32とを含んで構成されている。アウタチューブ30は、それの下端部に設けられた取付部材34を介してロアアーム22に連結され、一方、インナチューブ32は、それの上端部に形成されたフランジ部36においてマウント部24に連結されている。アウタチューブ30には、その内壁面にアクチュエータ26の軸線の延びる方向(以下、「軸線方向」という場合がある)に延びるようにして1対のガイド溝38が設けられるとともに、それらのガイド溝38の各々には、インナチューブ32の下端部に付設された1対のキー40の各々が嵌まるようにされており、それらガイド溝38およびキー40によって、アウタチューブ30とインナチューブ32とが、相対回転不能、軸線方向に相対移動可能とされている。ちなみに、アウタチューブ30の上端部には、シール42が付設されており、後に説明する圧力室44からのエアの漏れが防止されている。
また、アクチュエータ26は、ねじ溝が形成された雄ねじ部としてのねじロッド50と、ベアリングボールを保持してそのねじロッド50と螺合する雌ねじ部としてのナット52とを含んで構成されたボールねじ機構と、動力源としての電磁モータ54(以下、単に「モータ54」という場合がある)とを備えている。モータ54はモータケース56に固定して収容されるとともに、そのモータケース56の鍔部がマウント部24の上面側に固定されており、モータケース56の鍔部にインナチューブ32のフランジ部36が固定されていることで、インナチューブ32は、モータケース56を介してマウント部24に連結されている。モータ54の回転軸であるモータ軸58は、ねじロッド50の上端部と一体的に接続されている。つまり、ねじロッド50は、モータ軸58を延長する状態でインナチューブ32内に配設され、モータ54によって回転させられる。一方、ナット52は、ねじロッド50と螺合させられた状態で、アウタチューブ30の内底部に付設されたナット支持筒60の上端部に固定支持されている。
エアスプリング28は、マウント部24に固定されたハウジング70と、アクチュエータ26のアウタチューブ30に固定されたエアピストン72と、それらを接続するダイヤフラム74とを備えている。ハウジング70は、概して有蓋円筒状をなし、蓋部76に形成された穴にアクチュエータ26のインナチューブ32を貫通させた状態で、蓋部76の上面側においてマウント部24の下面側に固定されている。エアピストン72は、概して円筒状をなし、アウタチューブ30を嵌入させた状態で、アウタチューブ30の上部に固定されている。それらハウジング70とエアピストン72とは、ダイヤフラム74によって気密性を保ったまま接続されており、それらハウジング70とエアピストン72とダイヤフラム74とによって圧力室44が形成されている。その圧力室44には、流体としての圧縮エアが封入されている。このような構造から、エアスプリング28は、その圧縮エアの圧力によって、ロアアーム22とマウント部24、つまり、車輪12と車体とを相互に弾性的に支持しているのである。
上述のような構造から、ばね上部とばね下部とが接近・離間する場合、アウタチューブ30とインナチューブ32とは、軸線方向に相対移動が可能とされている。その相対移動に伴って、ねじロッド50とナット52とが軸線方向に相対移動するとともに、ねじロッド50がナット52に対して回転する。モータ54は、ねじロッド50に回転トルクを付与可能とされ、この回転トルクによって、ばね上部とばね下部との相対動作(ストローク動作)に対して、そのストローク動作を阻止する抵抗力を発生させることが可能とされている。この抵抗力をばね上部とばね下部とのストローク動作に対する減衰力として作用させることで、アクチュエータ26は、いわゆるショックアブソーバ(「ダンパ」と呼ぶこともできる)として機能するものとなっている。言い換えれば、アクチュエータ26は、自身が発生させる軸線方向の力であるアクチュエータ力によって、ストローク動作に対して減衰力を付与する機能を有しているのである。また、アクチュエータ26は、アクチュエータ力を、ストローク動作に対する推進力つまり駆動力として作用させる機能をも有している。この機能により、ばね上絶対速度に比例する減衰力を作用させるスカイフック制御を実行することが可能とされている。さらに、アクチュエータ26は、アクチュエータ力によって上下方向におけるばね上部とばね下部との距離(以下、「ばね上ばね下間距離」という場合がある)を積極的に変更し、また、ばね上ばね下間距離を所定の距離に維持する機能をも有している。この機能によって、旋回時の車体のロール,加速・減速時の車体のピッチ等を効果的に抑制すること、車両の車高を調整すること等が可能とされているのである。
サスペンションシステム10は、各スプリング・アブソーバAssy20が有するエアスプリング28に対して流体としてのエア(空気)を流入・流出させるための流体流入・流出装置、詳しく言えば、エアスプリング28の圧力室44に接続されて、その圧力室44にエアを供給し、圧力室44からエアを排出するエア給排装置80を備えている。詳しい説明は省略するが、本サスペンションシステム10は、エア給排装置80によって、各エアスプリング28の圧力室44内のエア量を調整することが可能とされており、エア量の調整によって、各エアスプリング28のばね長を変更し、各車輪12についてのばね上ばね下間距離を変化させることが可能とされている。具体的に言えば、圧力室44のエア量を増加させてばね上ばね下間距離を増大させ、エア量を減少させてばね上ばね下間距離を減少させることが可能とされている。
本サスペンションシステム10は、サスペンション電子制御ユニット(ECU)140によって、スプリング・アブソーバAssy20の作動、つまり、アクチュエータ26およびエアスプリング28の制御が行われる。詳しくは、アクチュエータ26のモータ54およびエア給排装置80の作動の制御が行われる。ECU140は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体として構成されたコントローラ142と、エア給排装置80の駆動回路としてのドライバ144と、各アクチュエータ26が有するモータ54に対応する駆動回路としてのインバータ146とを有している。そのドライバ144およびインバータ146は、コンバータ148を介してバッテリ150に接続されており、エア給排装置80が有する各制御弁,ポンプモータ等、および、各アクチュエータ26のモータ54には、そのコンバータ148とバッテリ150とを含んで構成される電源から電力が供給される。なお、モータ54は定電圧駆動されることから、モータ54への供給電力量は、供給電流量を変更することによって変更される。
車両には、イグニッションスイッチ[I/G]160,車両走行速度(以下、「車速」と略す場合がある)を検出するための車速センサ[v]162,各車輪12についてのばね上ばね下間距離を検出する4つのストロークセンサ[St]164,車高変更指示のために運転者によって操作される車高変更スイッチ[HSw]166,ステアリングホイールの操作角を検出するための操作角センサ[δ]170,車体に実際に発生する前後加速度である実前後加速度を検出する前後加速度センサ[Gx]172,車体に実際に発生する横加速度である実横加速度を検出する横加速度センサ[Gy]174,各車輪12に対応する車体の各マウント部24の縦加速度(上下加速度)を検出する4つの縦加速度センサ[GzU]176,各車輪12の縦加速度を検出する4つの縦加速度センサ[GzL]178,アクセルスロットルの開度を検出するスロットルセンサ[Sr]180,ブレーキのマスタシリンダ圧を検出するブレーキ圧センサ[Br]182,モータ54のロータの回転角を検出するレゾルバ[θ]184(図3参照),インバータ146内に実際にモータ54を流れる電流量である実通電電流量を測定する通電電流センサ[I]186(図3参照)等が設けられており、それらはコントローラ142に接続されている。ECU140は、それらのスイッチ,センサからの信号に基づいて、スプリング・アブソーバAssy20の作動の制御を行うものとされている。ちなみに、[ ]の文字は、上記スイッチ,センサ等を図面において表わす場合に用いる符号である。また、コントローラ142のコンピュータが備えるROMには、後に説明するところのアクチュエータ26の制御に関するプログラム,各種のデータ等が記憶されている。
≪インバータの構成≫
図3に示すように、各アクチュエータ26のモータ54は、コイルがスター結線(Y結線)された3相ブラシレスDCモータであり、上述したようにインバータ146によって制御駆動される。そのインバータ146は、図に示すような一般的なものであり、high側(高電位側),low側(低電位側)のそれぞれに対応し、かつ、モータ54の3つの相であるU相,V相,W相のそれぞれに対応する6つのスイッチング素子HUS,HVS,HWS,LUS,LVS,LWSを備えている。モータ回転角(電気角)は、モータ54に設けられたレゾルバ184により検出され、それらスイッチング素子の開閉は、検出されたモータ回転角に基づいて、インバータ146が有するスイッチング素子コントローラ190によって制御される。インバータ146は、いわゆる正弦波駆動によってモータ54を駆動するのであり、モータ54の3つの相の各々に流れる電流量が、それぞれが正弦波状に変化し、その位相差が電気角で120°ずつ異なるように、インバータ146が制御される。そして、インバータ146は、PWM(Pulse Width Modulation)制御によってモータ54に通電するようにされており、パルスオン時間とパルスオフ時間との比(デューティ比)を変更することで、モータ54を流れる電流量(通電電流量)を変更して、モータ54が発生させる回転トルクの大きさを変更する。詳しくは、デューティ比が大きくされることで、通電電流量が大きくされて、モータ54の発生する回転トルクは大きくされ、逆に、デューティ比が小さくされることで、通電電流量が小さくされて、モータ54の発生する回転トルクは小さくされる。
モータ54が発生する回転トルクの方向は、モータ54が実際に回転している方向と同じ方向である場合もあり、また、逆の場合もある。モータ54が発生する回転トルクの方向とモータ54の回転方向が逆となる場合、つまり、アクチュエータ26が、アクチュエータ力をストローク動作に対する抵抗力として作用させている場合には、モータ54の発生させる力は、必ずしも、電源から供給される電力(電流)に依存したものとはならない。詳しく言えば、モータ54が外部からの力によって回転させられることで、そのモータ54に起電力が生じ、モータ54は、その起電力に依存したモータ力を発生させる場合、つまり、アクチュエータ26が起電力に依存したアクチュエータ力を発生させる場合もある。
インバータ146は、起電力よって発電された電力を電源に回生可能な構造とされている。また、モータ54が発生する回転トルクとモータ54の回転方向が逆となる場合においては、前述したスイッチング素子のPWM制御は、起電力によってモータ54の各コイルに流れる電流量を制御するものとなっており、デューティ比を変更することで、モータ54が発生する回転トルクの大きさが変更されることになる。すなわち、インバータ146は、電源からの供給電流であるか、あるいは、起電力によって生じる発電電流であるかに拘わらず、モータ54のコイルを流れる電流、つまり、モータ54の通電電流を制御して、モータ力を制御する構造とされているのである。
≪サスペンションシステムの基本的な制御≫
本サスペンションシステム10では、4つのスプリング・アブソーバAssy20の各々を独立して制御することが可能となっている。それらスプリング・アブソーバAssy20の各々において、アクチュエータ26のアクチュエータ力が独立して制御されて、車体および車輪12の振動、つまり、ばね上振動およびばね下振動を減衰するための制御(以下、「振動減衰制御」という場合がある)が実行される。また、車両の旋回に起因する車体のロールを抑制するための制御(以下、「ロール抑制制御」という場合がある),車両の加減速に起因する車体のピッチを抑制するための制御(以下、「ピッチ抑制制御」という場合がある)が実行される。上記振動減衰制御,ロール抑制制御,ピッチ抑制制御は、各制御ごとのアクチュエータ力の成分である振動減衰成分,ロール抑制成分,ピッチ抑制成分を合計して目標アクチュエータ力が決定され、アクチュエータ26がその目標アクチュエータ力を発生させるように制御されることで、総合的に実行される。なお、以下の説明において、アクチュエータ力およびそれの成分は、ばね上部とばね下部とを離間させる方向(リバウンド方向)の力に対応するものが正の値,ばね上部とばね下部とを接近させる方向(バウンド方向)の力に対応するものが負の値となるものとして扱うこととする。
また、本サスペンションシステム10では、エアスプリング28によって、悪路走行への対処等を目的として運転者の意思に基づいて車両の車高を変更する制御(以下、「車高変更制御」という場合がある)が実行される。その車高変更制御について簡単に説明する。車高変更制御は、運転者の意図に基づく車高変更スイッチ166の操作によって実現すべき設定車高である目標設定車高が変更された場合において、実行される。その目標設定車高の各々に応じて、各車輪12についての目標となるばね上ばね下間距離が設定されており、ストロークセンサ164の検出値に基づいて、それぞれの車輪12についてのばね上ばね下間距離が目標距離になるように、エア給排装置80の作動が制御され、各車輪12のばね上ばね下間距離が目標設定車高に応じた距離に変更されるのである。さらに、この車高変更制御では、例えば、乗員数の変化,荷物の積載量の変化等による車高の変動に対処することを目的とした、いわゆるオートレベリングと呼ばれる制御も行われる。
i)振動減衰制御
振動減衰制御では、車体および車輪12の振動を減衰するためにその振動の速度に応じた大きさのアクチュエータ力を発生させるべく、アクチュエータ力の振動減衰成分FVが決定される。つまり、いわゆるスカイフック理論に基づいた制御と、いわゆるグランドフック理論に基づいて制御との両者を行う制御である。具体的には、車体のマウント部24に設けられた縦加速度センサ176によって検出される縦加速度から計算される車体のマウント部24の上下方向の動作速度、いわゆる、ばね上速度VUと、ロアアーム22に設けられた縦加速度センサ178によって検出される縦加速度から計算される車輪12の上下方向の動作速度、いわゆる、ばね下速度VLとに基づいて、次式に従って、振動減衰成分FVが演算される。
V=CU・VU−CL・VL
ここで、CUは、車体のマウント部24の上下方向の動作速度に応じた減衰力を発生させるためのゲインであり、CLは、車輪12の上下方向の動作速度に応じた減衰力を発生させるためのゲインである。つまり、CU,CLは、いわゆるばね上,ばね下絶対振動に対する減衰係数と考えることができる。
ii)ロール抑制制御
車両の旋回時においては、その旋回に起因するロールモーメントによって、旋回内輪側のばね上部とばね下部とが離間させられるとともに、旋回外輪側のばね上部とばね下部とが接近させられる。ロール抑制制御では、その旋回内輪側の離間および旋回外輪側の接近を抑制すべく、旋回内輪側のアクチュエータ26にバウンド方向のアクチュエータ力を、旋回外輪側のアクチュエータ26にリバウンド方向のアクチュエータ力を、それぞれ、ロール抑制力として発生させる。具体的に言えば、まず、車体が受けるロールモーメントを指標する横加速度として、ステアリングホイールの操舵角δと車速vとに基づいて推定された推定横加速度Gycと、横加速度センサ174によって実測された実横加速度Gyrとに基づいて、制御に利用される横加速度である制御横加速度Gy*が、次式に従って決定される。
Gy*=K1・Gyc+K2・Gyr (K1,K2:ゲイン)
そのように決定された制御横加速度Gy*に基づいて、ロール抑制力成分FRが、次式に従って決定される。
R=K3・Gy* (K3:ゲイン)
iii)ピッチ抑制制御
車体の制動時等、減速時に発生する車体のノーズダイブに対しては、そのノーズダイブを生じさせるピッチモーメントによって、前輪側のばね上部とばね下部とが接近させられるとともに、後輪側のばね上部とばね下部とが離間させられる。また、車体の加速時に発生する車体のスクワットに対しては、そのスクワットを生じさせるピッチモーメントによって、前輪側のばね上部とばね下部とが離間させられるとともに、後輪側のばね上部とばね下部とが接近させられる。ピッチ抑制制御では、それらの場合の接近・離間距離を抑制すべく、アクチュエータ力をピッチ抑制力として発生させる。具体的には、車体が受けるピッチモーメントを指標する前後加速度として、前後加速度センサ172によって実測された実前後加速度Gxが採用され、その実前後加速度Gxに基づいて、ピッチ抑制力成分FPが、次式に従って決定される。
P=K4・Gx (K4:ゲイン)
なお、ピッチ抑制制御は、スロットルセンサ180によって検出されるスロットルの開度、あるいは、ブレーキ圧センサ182によって検出されるマスタシリンダ圧が、設定された閾値を超えることをトリガとして実行される。
iv)目標アクチュエータ力とモータの作動制御
アクチュエータ26の制御は、それが発生させるべきアクチュエータ力である目標アクチュエータ力に基づいて行われる。詳しく言えば、上述のようにして、アクチュエータ力の振動減衰成分FV,ロール抑制成分FR,ピッチ抑制成分FPが決定されると、それらに基づき、次式に従って目標となるアクチュエータ力FAが決定される。
A=FV+FR+FP
そして、上述のように決定された目標アクチュエータ力FAに基づいて、目標となるデューティ比が決定され、そのデューティ比に基づいた指令がインバータ146に送信される。インバータ146は、その適切なデューティ比の下、目標アクチュエータ力を発生させるようにモータ54を駆動する。
≪アクチュエータ力制限制御≫
アクチュエータ26の温度が高い場合には、そのアクチュエータ26の発熱量が多くなっていると想定することができ、そのアクチュエータ26への負担が大きい状態であると考えられる。そこで、本サスペンションシステム10においては、4つのアクチュエータ26のうち最も温度が高いと認定されたアクチュエータ26を特定アクチュエータと決定し、その特定アクチュエータの温度が設定値以上となった場合に、その特定アクチュエータのアクチュエータ力を制限する制御が実行される。
i)特定アクチュエータの決定
特定アクチュエータは、上述したように、4つのアクチュエータ26のうち最も温度が高いと認定されたものに決定される。その特定アクチュエータの決定においては、まず、4つのアクチュエータ26の各々が有するモータ54の温度TMが推定される。モータ54の温度TMは、モータ54の発熱量から推定可能であり、そのモータ54の発熱量はモータ54に流れた電流量の2乗に比例するため、電流センサ186によって検出された電流量から算出される。詳しくは、現時点から遡った設定時間内における電流量の平均値が求められ、その電流量の平均値からモータ54の発熱量が算出される。つまり、モータ54の温度TMは、モータに流れた電流量に基づいて推定されるのである。なお、発熱量とモータ54の温度TMとの関係は、放熱・熱伝導特性等を考慮して作成されたマップデータの形式で設定されており、モータ54の温度TMは、そのマップデータを参照して、推定される。
次いで、4つのアクチュエータ26の各々が有するボールねじ機構の温度TSが推定される。ボールねじ機構の温度TSは、ボールねじ機構における摩擦等に起因する発熱量に依存している。その発熱量は、アクチュエータ26がした仕事に対するエネルギ、言い換えれば、アクチュエータ26の仕事量から推定可能であり、そのエネルギは、発生させたアクチュエータ力とアクチュエータの動作量との積に比例する。そのため、電流センサ186によって検出された電流量(現時点から遡った設定時間内における電流量の平均値)から求められたアクチュエータ力と、ストロークセンサ164の検出結果より求められた設定時間内におけるアクチュエータの動作量との積から、上記仕事エネルギが算出され、それに基づいて、ボールねじ機構の温度TSが推定される。なお、仕事エネルギとボールねじ機構の温度TSとの関係は、放熱・熱伝導特性等を考慮して作成されたマップデータの形式で設定されており、ボールねじ機構の温度TSは、そのマップデータを参照して、推定される。
4つのアクチュエータ26の各々におけるモータ54の温度TM,ねじ機構の温度TSが推定された後には、各アクチュエータ26ごとに、モータ54の温度TMとねじ機構の温度TSとが比較され、それらの温度のうち、高いほうの温度が、各アクチュエータ26の温度Tとされる。そして、4つのアクチュエータ26のうち、最も温度Tが高いアクチュエータ26が、特定アクチュエータに決定されるのである。なお、以下の説明において、特定アクチュエータの温度Tを、Tmaxと呼ぶこととする。
ii)アクチュエータ力制限値の決定
上記の特定アクチュエータの温度Tmaxが比較的高くなっている場合には、その特定アクチュエータに発生させるアクチュエータ力が制限される。詳しくは、その特定アクチュエータの温度Tmaxが、設定温度であるT0以上となった場合に、アクチュエータ力がそれの制限値であるアクチュエータ力制限値Flimit(以下、単に「制限値」という場合がある)以下に制限される。その制限値Flimitは、特定アクチュエータの温度Tmaxに応じて変更されるようになっている。図4に、特定アクチュエータの温度Tmaxとアクチュエータ力制限値Flimitとの関係を示す。この図に示すように、特定アクチュエータの温度Tmaxが高くなるほど、アクチュエータ力制限値Flimitが小さな値とされるようになっている。
iii)目標アクチュエータ力の補正
上記のように特定アクチュエータのアクチュエータ力を制限する制限値が決定されたため、特定アクチュエータの目標アクチュエータ力(以下、FSPと表す場合がある)が制限値Flimitを超える場合には、特定アクチュエータの目標アクチュエータ力FSPが、制限値Flimitに補正されるのである。ただし、そのアクチュエータ力の補正は、4つのアクチュエータ26の各々が発生させるアクチュエータ力のすべてに対して行われるのであり、詳しくは、4つのアクチュエータ26の各々のアクチュエータ力に対して、車体にワープ力が作用するような補正が行われる。車体にワープ力が作用するような補正とは、一方の対角輪の各々に対応するアクチュエータ力を同じ大きさだけ接近方向に増加させるとともに、他方の対角輪の各々に対応するアクチュエータ力を、上記一方の対角輪の各々に対応するアクチュエータ力を増加させた大きさだけ離間方向に増加させることを意味する。
具体的に言えば、特定アクチュエータの目標アクチュエータ力FSPと上記制限値Flimitとの差分|FSP|−Flimitが求められ、この差分が、各アクチュエータ26の目標アクチュエータ力を補正するためのアクチュエータ力増減値FWの大きさとされる。そして、例えば、特定アクチュエータが右後輪12RRに対応するアクチュエータ26RRである場合には、図5に示すように、右後輪12RRおよび左前輪12FLに対応するアクチュエータ26RR,26FLのアクチュエータ力に接近方向の力FWを加えるとともに、右前輪12FRおよび左後輪12RLに対応するアクチュエータ26FR,26RLのアクチュエータ力に離間方向の力FWを加えるのである。つまり、4つのアクチュエータ26の目標アクチュエータ力FFL,FFR,FRL,FRRは、次式のように補正される。
FL’=FFL−FW
FR’=FFR+FW
RL’=FRL+FW
RR’=FRR−FW=sgn(FRR)・Flimit
なお、sgn(FRR)は、FRRの符号を表す関数である。後に詳しく説明するが、ワープ力は、ヒーブ力,ロール力,ピッチ力に影響を及ぼさず、各車輪12に対応するばね上部,ばね下部の制振効果に影響を与えない。したがって、本サスペンションシステム10では、4つのアクチュエータ26の各々のアクチュエータ力に対して上述のような補正を加えて、特定の1つのアクチュエータのアクチュエータ力を制限するようにされていることから、車両の乗り心地や車両の操縦性・安定性を低下させることなく、特定の1つのアクチュエータの負担を軽減させることが可能である。
iv)ワープ力の効果
図6は、ワープ力が、ヒーブ力,ロール力,ピッチ力に影響を及ぼさないことを説明する計算式である。図6に示す式(A)は、4つのアクチュエータ26の各々のアクチュエータ力FFL,FFR,FRL,FRRに対するヒーブ力H,ロール力R,ピッチ力Pを算出する行列式である。式(B)は、ワープ力が作用するような補正を加えた後の4つのアクチュエータ26の各々のアクチュエータ力FFL’,FFR’,FRL’,FRR’を表す行列式である。式(C)は、補正後のヒーブ力H’,ロール力R’,ピッチ力P’を算出する行列式である。式(C)は、アクチュエータ力FRRがFlimitに制限された場合のものであり、ここでFW=sgn(FRR)・(|FRR|−Flimit)である。この式(C)から解るように、補正後のヒーブ力H’,ロール力R’,ピッチ力P’は、補正前のヒーブ力H,ロール力R,ピッチ力Pと一致するのであり、ワープ力を加えても、各車輪12に対応するばね上部,ばね下部の制振効果に影響を与えないことになるのである。
≪制御プログラム≫
上述のようなアクチュエータ力の制御は、図7にフローチャートを示すアクチュエータ制御プログラム、および、図8にフローチャートを示すワープ力成分決定プログラムが実行されることによって行われる。それらのプログラムは、コントローラ142によって、イグニッションスイッチ160がON状態とされている間、短い時間間隔(例えば、数msec〜数十msec)をおいて繰り返し実行される。
i)アクチュエータ制御プログラム
アクチュエータ制御プログラムは、4つの車輪12にそれぞれ設けられたスプリング・アブソーバAssy20のアクチュエータ26の各々に対して実行される。以降の説明においては、説明の簡略化に配慮して、1つのアクチュエータ26に対しての本プログラムによる処理について説明する。
アクチュエータ制御プログラムに従う処理では、まず、ステップ1(以下、「S1」と省略する。他のステップも同様とする。)において、先に説明したように、縦加速度センサ176,178によって検出されたばね上速度VUおよびばね下速度VLに基づいて、減衰力成分FVが決定される。次いで、S2,S3において、それぞれ、先に説明したように、ロール抑制力成分FR,ピッチ抑制力成分FPが決定される。続くS4において、それらの成分を合計することにより、目標アクチュエータ力FAが決定される。次いで、S5において、後に説明するワープ力成分決定プログラムにおいて決定されるワープ力成分FWが加えられ、目標アクチュエータ力が補正されるのである。目標アクチュエータ力が補正された後、その目標アクチュエータ力F*に基づいて、アクチュエータ26が有するモータ54が発生させる力の向き、および、そのモータ54への供給電力つまりデューティ比が決定され、それらについての制御信号が、インバータ146に送信される。以上の一連の処理の後、アクチュエータ制御プログラムの1回の実行が終了する。
ii)ワープ力成分決定プログラム
ワープ力成分決定プログラムに従う処理では、まず、S11,S12において、4つのアクチュエータ26の各々の温度として、モータ54の温度TMと、ねじ機構TSの温度とが、先に説明した手法により推定される。続くS13において、それらのモータ54の温度TMとねじ機構TSの温度とが比較されて、それらのうち高い方の温度がアクチュエータ26の温度Tとされ、S14において、その温度Tが最も高いアクチュエータ26が、特定アクチュエータに決定される。次いで、S15において、最も温度が高いと認定された特定アクチュエータの温度Tmaxが、設定温度T0以上であるか否かが判定される。設定温度T0未満である場合には、ワープ力による補正は行わないため、S16においてワープ力成分FWが0とされ、本プログラムの1回の実行が終了する。
特定アクチュエータの温度Tmaxが設定温度T0以上である場合には、S17において、その温度Tmaxに応じて、アクチュエータ力制限値Flimitが、コントローラ142内に格納された図4に示したマップデータを参照して決定される。続いてS18において、特定アクチュエータの目標アクチュエータ力FSPの大きさが、上記制限値Flimitを超えているか否かが判定される。制限値Flimit以下である場合には、ワープ力による補正は行わないため、S16においてワープ力成分FWが0とされる。また、制限値Flimitを超えている場合には、ワープ力による補正を行うため、S19において、ワープ力成分FWが、式FW=sgn(FRR)・(|FRR|−Flimit)によって決定され、本プログラムの1回の実行が終了する。
≪コントローラの機能構成≫
上述のアクチュエータ制御プログラムを実行するコントローラ142は、それらのプログラムに従う各種の処理を実行する各種の機能部を有していると考えることができる。詳しく言えば、図9に示すように、コントローラ142は、S1の処理を実行して減衰力成分FV決定する機能部として、振動減衰制御部200を、S2の処理を実行してロール抑制力成分FRを決定する機能部として、ロール抑制制御部202を、S3の処理を実行してピッチ抑制力成分FPを決定する機能部として、ピッチ抑制制御部204を、それぞれ有しており、ロール抑制制御部202とピッチ抑制制御部204とを含んで車体の姿勢を制御する機能部である車体姿勢制御部206が構成されている。また、コントローラ142は、特定アクチュエータを決定する処理、つまり、S11〜S13の処理を実行する機能部として、特定アクチュエータ決定部210を有しており、さらに、その特定アクチュエータが発生させるアクチュエータ力を制限する処理、つまり、S14〜S18の処理を実行する機能部として、アクチュエータ力制限部212を有している。
請求可能発明の実施例である車両用サスペンションシステムの全体構成を示す模式図である。 図1に示すスプリング・アブソーバAssyを示す正面断面図である。 図2のアクチュエータが備える電磁モータの制御を行う駆動回路等の回路図である。 特定アクチュエータの温度とアクチュエータ力制限値との関係を示す図である。 車体に作用させるワープ力を示す概念図である。 4つのアクチュエータに発生させるアクチュエータ力を補正する前後のヒーブ成分,ロール成分,ピッチ成分を算出した式を示す図である。 図1に示すサスペンション電子制御ユニットによって実行されるアクチュエータ制御プログラムを表すフローチャートである。 図1に示すサスペンション電子制御ユニットによって実行されるワープ力成分決定プログラムを表すフローチャートである。 図1に示すサスペンションシステムが有するコントローラの機能に関するブロック図である。
符号の説明
10:車両用サスペンションシステム 12:車輪 20:スプリング・アブソーバAssy 22:ロアアーム(ばね下部) 24:マウント部(ばね上部) 26:アクチュエータ 28:エアスプリング 50:ねじロッド(雄ねじ部) 52:ナット(雌ねじ部) 54:電磁モータ 80:エア給排装置 140:サスペンション電子制御ユニット(制御装置) 146:インバータ 148:コンバータ 150:バッテリ 162:車速センサ 164:ストロークセンサ 170:操作角センサ 172:前後加速度センサ 174:横加速度センサ 176:縦加速度センサ(ばね上) 178:縦加速度センサ(ばね下) 184:レゾルバ 186:電流センサ 200:振動減衰制御部 202:ロール抑制制御部 204:ピッチ抑制制御部 206:車体姿勢制御部 210:特定アクチュエータ決定部 212:アクチュエータ力制限部

Claims (8)

  1. 前後左右の4つの車輪に対応して設けられ、それぞれが、ばね上部とばね下部との間に配設されるとともに、動力源としての電磁モータを有してばね上部とばね下部とにそれらを接近・離間させる方向の力であるアクチュエータ力を作用させる4つの電磁式のアクチュエータと、
    それら4つのアクチュエータが発生させるアクチュエータ力を制御する制御装置と
    を備えた車両用サスペンションシステムであって、
    前記制御装置が、
    前記4つのアクチュエータの各々の温度に基づいて、前記4つのアクチュエータのうちの特定された1つのアクチュエータである特定アクチュエータを決定する特定アクチュエータ決定部と、
    前記4つのアクチュエータの各々が発生させるアクチュエータ力に対して、車体にワープ力が作用するような補正を加えることで、前記特定アクチュエータが発生させるアクチュエータ力を制限するアクチュエータ力制限部
    を有する車両用サスペンションシステム。
  2. 前記特定アクチュエータ決定部が、前記4つのアクチュエータのうち最も温度が高いと認定されるアクチュエータを前記特定アクチュエータに決定するものである請求項1に記載の車両用サスペンションシステム。
  3. 前記4つのアクチュエータの各々が、
    (a)ばね上部とばね下部との一方に設けられた雄ねじ部と、(b)ばね上部とばね下部との他方に設けれられてその雄ねじ部と螺合する雌ねじ部とを含んで構成され、ばね上部とばね下部との接近・離間に伴って前記雄ねじ部と前記雌ねじ部とが相対回転する構造のねじ機構を有し、かつ、前記電磁モータがその相対回転に対する抵抗力および推進力を発生させるように構成され、
    前記特定アクチュエータ決定部が、前記4つのアクチュエータの各々が有する前記電磁モータと前記ねじ機構との少なくとも一方の温度に基づいて前記特定アクチュエータを決定するものである請求項2に記載の車両用サスペンションシステム。
  4. 前記特定アクチュエータ決定部が、前記4つのアクチュエータの各々が有する前記ねじ機構の温度をそのアクチュエータが発生させたアクチュエータ力およびそれの動作量に基づいて推定し、その推定された各ねじ機構の温度に基づいて前記特定アクチュエータを決定するものである請求項3に記載の車両用サスペンションシステム。
  5. 前記アクチュエータ力制限部が、前記特定アクチュエータのアクチユエータ力を設定された制限値以下に制限する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
  6. 前記アクチュエータ力制限部が、前記制限値を変更可能に構成された請求項5に記載の車両用サスペンションシステム。
  7. 前記アクチュエータ力制限部が、前記特定アクチュエータの温度に応じて前記制限値を変更するものである請求項6に記載の車両用サスペンションシステム。
  8. 前記アクチュエータ力制限部が、前記制限値を、前記特定アクチュエータの温度が高い場合に、低い場合に比較して小さくするものである請求項7に記載の車両用サスペンションシステム。
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