JP2006082635A - 姿勢制御装置および姿勢制御方法 - Google Patents

姿勢制御装置および姿勢制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低速で段差を乗り越える時の車両における乗り心地を向上することである。
【解決手段】 車両Vにおける車体姿勢を制御する姿勢制御装置において、車両Vの各バネ上部材B1,B2,B3,B4と各バネ下部材W1,W2,W3,W4との間の四箇所に夫々介装されるアクチュエータA1,A2,A3,A4を具備し、いずれか1つバネ上部材B1,B2,B3,B4へ伝達される力f1の入力に対し、そのバネ上部材B1に対し対角に位置するバネ上部材B3とバネ下部材W3との間に介装されたアクチュエータA3に上記力f1と同方向の制御力F3を出力させるとともに、それ以外のバネ上部材B2,B4とバネ下部材W2,W4との間に介装されたアクチュエータA2,A4に上記力f1と逆方向の制御力F2,F4を出力させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、姿勢制御装置および姿勢制御方法に関する。
この種、姿勢制御装置および姿勢制御方法としては、たとえば、車両におけるバネ上部材とバネ下部材との間の四箇所に介装したアクチュエータや緩衝器とを備え、これらアクチュエータおよび緩衝器を、車両の状態量(速度、横加速度等)を検出してスカイフック制御則等に則って制御するものがある(たとえば、特許文献1,2参照)。
特開平9−142118号公報(発明の詳細な説明欄,図1) 特開2001−10324号公報(発明の詳細な説明欄,図1)
上記した姿勢制御装置および姿勢制御方法では、車両のバネ上部材に伝達される振動を低減することができ、これにより、車両における乗り心地を向上することができる点で非常に有用であるが、以下の問題がある。
従来の姿勢制御装置および姿勢制御方法にあっては、車体のバウンス、ピッチ、ロール等の動きに着目した制御が行われるが、低速時の段差乗り越えについての配慮がなされていない。
すなわち、車両が低速走行で段差乗り越えるとき、車体が大きく揺れたり、振動が大きく伝わったりして、車両における乗り心地を著しく損なう問題があった。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、低速で段差を乗り越える時の車両における乗り心地を向上することである。
上記した目的を達成するため、本発明の姿勢制御装置は、車両における車体姿勢を制御する姿勢制御装置において、車両の各バネ上部材と各バネ下部材との間の四箇所に夫々介装されるアクチュエータを具備し、いずれか1つバネ上部材へ伝達される力入力に対し、そのバネ上部材に対し対角に位置するバネ上部材とバネ下部材との間に介装されたアクチュエータに上記力と同方向の制御力を出力させるとともに、それ以外のバネ上部材とバネ下部材との間に介装されたアクチュエータに上記力と逆方向の制御力を出力させることを特徴とする。
また、本発明の姿勢制御方法は、車両における車体姿勢を制御する姿勢制御方法において、車両の各バネ上部材と各バネ下部材との間の四箇所に夫々介装されるアクチュエータの制御方法において、いずれか1つバネ上部材への伝達される力を検出するステップと、その1つのバネ上部材に対し対角に位置するバネ上部材とバネ下部材との間に介装されたアクチュエータに上記力と同方向の制御力を出力させるとともに、それ以外のバネ上部材とバネ下部材との間に介装されたアクチュエータに上記力と逆方向の制御力を出力させるステップとを具備したことを特徴とする。
本発明の姿勢制御装置および姿勢制御方法によれば、スカイフック制御等では実現できなかった低速走行時の段差乗り上げ時における車体の振動を抑制でき車両における乗り心地を格段に向上することができる。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、本発明の一実施の形態における姿勢制御装置が具現化した車両の概念図である。図2は、姿勢制御装置の制御処理手順を示すフローチャートである。図3は、車両が段差に向って進行する状態を示す図である。図4は、車両が段差に乗り上げたときの各アクチュエータにおける制御力の方向を示す図である。図5は、漸減される制御力と時間との関係を示した図である。図6は、アクチュエータの概念図である。
図1に示すように、一実施の形態における姿勢制御装置Gは、車両Vのバネ上部材B1,B2,B3,B4とバネ下部材W1,W2,W3,W4との間の四箇所に夫々介装されるアクチュエータA1,A2,A3,A4および緩衝器D1,D2,D3,D4および懸架バネS1,S2,S3,S4と、アクチュエータA1,A2,A3,A4の発生制御力を制御するコントローラCとを備えており、いわゆるサスペンション装置として構成されている。
そして、この車両Vにあっては、図1に示すように、各バネ上部材B1,B2,B3,B4はそれぞれが車体に連結され、各懸架バネS1,S2,S3,S4によって上記車体は弾性支承され、さらにバネ下部材W1,W2,W3,W4は、バネ要素としてのタイヤT1,T2,T3,T4によって支承されている。
なお、上記バネ上部材B1,B2,B3,B4およびバネ下部材W1,W2,W3,W4は、それぞれ車両Vに対し、バネ上部材B1およびバネ下部材W1は左前部とされ、バネ上部材B2およびバネ下部材W2は左後部とされ、バネ上部材B3およびバネ下部材W3は右後部とされ、バネ上部材B4およびバネ下部材W4は右前部とされている。
以下、詳細に説明すると、アクチュエータA1,A2,A3,A4は、コントローラCからの制御信号により図1中上下方向へ制御力を発生可能であり、具体的には、たとえば、図示はしないがシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、ピストンに連結されシリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、シリンダ内にピストンで区画された一対の作動室と、液圧源と、液圧源と作動室との間に設けられ液圧源と各作動室とを選択的に連通しかつ液圧を制御可能なバルブとを備えて構成されればよく、このバルブをコントローラCで制御することによりアクチュエータA1,A2,A3,A4の発生制御力を制御可能なようになっている。
他方、緩衝器D1,D2,D3,D4は、公知のものを使用すればよく、具体的に図示はしないが、たとえば、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、ピストンに連結されシリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、シリンダ内にピストンで区画された一対の作動室と、ロッドがシリンダ内に出没する際に各作動室内で過不足となる体積分の液体量を補償するリザーバと、各作動室およびリザーバを連通する通路と、通路の途中に設けた減衰力発生要素とを備えてなり、液体が上記減衰力発生要素を通過する時に生じる圧力損失に見合った減衰力を発生するものであり、いわゆるパッシブダンパとして構成されている。
つづいて、コントローラCについて説明すると、コントローラCは、各バネ上部材B1,B2,B3,B4に取り付けた各バネ上部材B1,B2,B3,B4の加速度を検出する加速度センサas1,as2,as3,as4が出力する信号を処理して、各アクチュエータA1,A2,A3,A4に発生させる制御力を演算し、さらに、その演算結果に基づいて各アクチュエータA1,A2,A3,A4を制御することができるようになっている。
このコントローラCとしては、具体的に図示はしないが、たとえば、加速度センサas1,as2,as3,as4が出力する信号を増幅するためのアンプと、アナログ信号をデジタル信号に変換する変換器と、低周波及び高周波成分をカットするバンドパスフィルタと、CPU(Central Prossesing Unit)、ROM(Read Only Memory)等の記憶装置、RAM(Random Access Memory)、水晶発振子及びこれらを連絡するバスラインからなるコンピュータシステムとを備えた周知なシステムとして構成されればよく、各信号を処理し制御力を演算し、この演算結果に基づいて各アクチュエータA1,A2,A3,A4を制御するための制御処理手順は、プログラムとしてROMや他の記憶装置に予め格納されている。
つづいて、上記した制御処理手順について、図2に基づいて説明する。図2の制御処理手順は、ステップP1で、まず、加速度センサas1,as2,as3,as4で各バネ上部材B1,B2,B3,B4に作用するバネ上加速度a1,a2,a3,a4を検出する。
そして、ステップP2へ移行し、このステップP2では、上記バネ上加速度a1,a2,a3,a4と、あらかじめ計量しておいて各バネ上部材B1,B2,B3,B4のバネ上質量m1,m2,m3,m4とから各バネ上部材B1,B2,B3,B4にそれぞれ作用している、すなわち、各バネ上部材B1,B2,B3,B4にそれぞれ伝達される力f1,f2,f3,f4を演算する。
つづいて、ステップP3では、上記コントローラCは、演算された上記力f1,f2,f3,f4に基づいて各アクチュエータA1,A2,A3,A4に発生させるべき制御力を演算する。
ここで、アクチュエータA1に発生させる制御力F1は、バネ上部材B2へ伝達される力f2に対しては、その反対方向で力f2と同じ大きさの力とされ、バネ上部材B3へ伝達される力f3に対しては、その同じ方向で力f3と同じ大きさ力とされ、さらに、バネ上部材B4へ伝達される力f4に対しては、その反対方向で力f4と同じ大きさの力とされ、結果的に、これらの各バネ上部材B2,B3,B4に伝達される力f2,f3,f4にそれぞれ対応して制御力F1を発生させるため、仮に力f1が図1中上向きを正の値とすると制御力F1=−f2+f3−f4で演算される。
アクチュエータA2に発生させる制御力F2は、バネ上部材B1へ伝達される力f1に対しては、その反対方向で力f1と同じ大きさの力とされ、バネ上部材B3へ伝達される力f3に対しては、その反対方向で力f3と同じ大きさの力とされ、さらに、バネ上部材B4へ伝達される力f4に対しては、その同じ方向で力f4と同じ大きさ力とされ、結果的に、これらの各バネ上部材B1,B3,B4に伝達される力f1,f3,f4にそれぞれ対応して制御力F2を発生させるため、制御力F2=−f1−f3+f4で演算される。
アクチュエータA3に発生させる制御力F3は、バネ上部材B1へ伝達される力f1に対しては、その同じ方向で力f1と同じ大きさ力とされ、バネ上部材B2へ伝達される力f2に対しては、その反対方向で力f2と同じ大きさの力とされ、さらに、バネ上部材B4へ伝達される力f4に対しては、その反対方向で力f4と同じ大きさの力とされ、結果的に、これらの各バネ上部材B1,B2,B4に伝達される力f1,f2,f4にそれぞれ対応して制御力F3を発生させるため、制御力F3=f1−f2−f4で演算される。
アクチュエータA4に発生させる制御力F4は、バネ上部材B1へ伝達される力f1に対しては、その反対方向で力f1と同じ大きさの力とされ、バネ上部材B2へ伝達される力f2に対しては、その同じ方向で力f2と同じ大きさ力とされ、さらに、バネ上部材B3へ伝達される力f3に対しては、その反対方向で力f3と同じ大きさの力とされ、結果的に、これらの各バネ上部材B1,B2,B3に伝達される力f1,f2,f4にそれぞれ対応して制御力F4を発生させるため、制御力F4=−f1+f2−f3で演算される。
すなわち、たとえば、1つのバネ上部材B1に力f1が伝達され場合、バネ上部材B1に対し対角に位置するバネ上部材B3とバネ下部材W3との間に介装されたアクチュエータA3の制御力F3は上記力f1と同方向で同じ大きさの力となり、それ以外のバネ上部材B2,B4とバネ下部材W2,W4との間に介装されたアクチュエータA2,A4の制御力F2,F4は上記力f1と逆方向で同じ大きさの力となり、各アクチュエータA1,A2,A3,A4が発生すべき制御力F1,F2,F3,F4は、各バネ上部材B1,B2,B3,B4に伝達される力f1,f2,f3,f4に基づいてここ演算されることになる。
さらに、ステップP4に移行し、コントローラCは、各アクチュエータA1,A2,A3,A4に対しステップP3で演算された制御力F1,F2,F3,F4を発生させるべくバルブを制御する。
たとえば、図3にしめすように、車両Vが段差1に向って斜めに侵入し右前輪のみが段差1に乗り上げると、バネ上部材B4に力f4が上向きに作用し伝達され、この力f4に基づいて各アクチュエータA1,A2,A3,A4に発生させるべき制御力F1,F2,F3,F4が演算され、図4に示すように、各制御力F1,F2,F3,F4は、F1=−f4、F2=f4、F3=−F4、F4=0となる。
すると、車両Vのバネ上部材B1,B2,B3,B4には、図示したような力f4および制御力F1,F2,F3が作用するが、バネ上部材B1,B2,B3,B4が連結された車体BDとして捕らえたときには、図4中上向きの力f4および制御力F2の合力と図4中下向きの制御力F1,F3の合力は釣り合い、さらに、車両Vの車体BDにロールおよびピッチを及ぼすモーメントも釣り合うので、車体BDは、振動せず静止状態を保つこととなり、これにより、低速で段差を乗り越える時の車両における乗り心地を向上することである。
上記したところでは、右前輪のみが段差1に乗り上げた場合について説明したが、各バネ上部材B1,B2,B3,B4に伝達される力f1,f2,f3,f4のそれぞれに対応して、アクチュエータA1,A2,A3,A4に制御力F1,F2,F3,F4を発生させることで上記した以外の状況でも車体BDに振動が作用させないようにすることが可能となるのであるが、ただし、車両Vが段差1に対し直角に侵入する場合、すなわち、右前輪および左前輪が段差1に乗り上げたときには、演算される制御力F1,F2,F3,F4は全てゼロとなってしまい姿勢制御ができなくなってしまう。
この姿勢制御ができなくなってしまう場合には、コントローラCに、上記姿勢制御に並行させて、車体BDの振動抑制制御であるスカイフック制御やアクティブ制御による制御力を同時に演算させておき、上記姿勢制御で演算される制御力F1,F2,F3,F4とスカイフック制御やアクティブ制御による制御力を足しこんで各アクチュエータA1,A2,A3,A4を制御することで上記不都合を回避することが可能である。
つまり、一実施の形態における姿勢制御にあっては、車体BDの振動を抑制する制御であるため本発明にかかる姿勢制御の制御指令と、同じ車体BDの振動を抑制する制御であるスカイフック制御およびアクティブ制御の制御指令とは、その制御指令同士がアクチュエータA1,A2,A3,A4を全く逆方向の制御力を出力させる指令となることはなく互いに干渉する事が無いので、上記した左右輪が同時に同じ高さの段差を乗り上げたときには、スカイフック制御やアクティブ制御のみが行われることで車体BDの振動を抑制でき、他方、1輪のみの乗り上げに対しては一実施の形態における姿勢制御を行うことが可能となり、これにより、いかなる状況下においても車両における乗り心地を向上することが可能となる。
ここで、ステップP4での制御により車体BDを静止状態とすることが可能であるが、急激に各アクチュエータA1,A2,A3,A4が発生した制御力F1,F2,F3,F4がゼロとなってしまうと、車体BDに振動が伝達され車両における乗り心地が悪化してしまいかねない。
そこで、上記段差1の乗り上げ時の制御が行われた後に、ステップP5に移行し、ステップP5では、車体BDが懸架バネS1,S2,S3,S4のバネ力のみで支承される状態とするまで、すなわち、各アクチュエータA1,A2,A3,A4が発生した制御力F1,F2,F3,F4がゼロとなるまでの制御が行われる。
このステップP5では、コントローラCは、別途車両Vに搭載してある車速センサ(図示せず)で検出した車速vから上記ステップP4で各アクチュエータA1,A2,A3,A4に出力させた制御力F1,F2,F3,F4を、ゼロに戻すまでの所要時間を決定し、各アクチュエータA1,A2,A3,A4を制御する。
なお、各加速度センサas1,as2,as3,as4の信号もしくは各アクチュエータA1,A2,A3,A4への制御指令信号にハイパスフィルタを通過させて制御を行う場合には、所要時間に換えてハイパスフィルタの一時遅れ要素としての時定数を上記車速vに基づいて決定すればよい。
そうしておくことにより、段差乗り上げによる力の入力は、略インパルス入力であるので、図5に示すように、ステップP4でアクチュエータA1,A2,A3,A4に発生させた制御力F1,F2,F3,F4は、決定された時定数で漸減されて所要時間経過後にはゼロとなる。
すなわち、この場合は、コントローラCは、所要時間で制御力F1,F2,F3,F4がゼロとなるように時定数を決定すればよい。
上記ハイパスフィルタは、図示はしないが、コンデンサと抵抗との組み合せによるアナログ電子回路として構成される場合、抵抗を可変抵抗、たとえば、電子ボリュームやポテンショメータ等とすることによって時定数を変化させることができ、また、各信号をコントローラCに格納されるソフトウェアで時定数を変化させてハイパスフィルタ処理するとしてもよい。
また、所要時間の決定に際しては、車速vが低速の場合には、車両における乗り心地を損なわない程度充分な時間をかけて各アクチュエータA1,A2,A3,A4が発生した制御力F1,F2,F3,F4がゼロまで漸減するとよく、時定数で制御する場合には、この場合、時定数は大きな値とされる一方、車速vが比較的速い場合には、操縦安定性の観点からあまり長時間かけて制御力F1,F2,F3,F4を漸減することは好ましくないので所要時間を短くするようにし、時定数で制御する場合には、この場合時定数は小さな値を採るように制御されるが、具体的には、車両の諸元、アクチュエータ、緩衝器、懸架バネの諸元から車速vに対する最適な所要時間もしくは時定数をマップ化しておき、コントローラCに車速vからマップ演算を行わせ、所要時間もしくは時定数を演算可能なようにしておくとよい。
なお、上記したところでは、ハイパスフィルタの時定数を変化させて制御力F1,F2,F3,F4を漸減させるとしているが、速度vに応じた制御力F1,F2,F3,F4の漸減をマップ化しておき、その速度vに応じてマップ演算により制御力F1,F2,F3,F4を漸減させてもよく、また、都度速度vの大きさに応じて演算処理して制御力F1,F2,F3,F4を漸減させるとしてもよい。
また、たとえば段差1の先が急激な上り坂となっている場合には、段差1に乗り上げた車輪における緩衝器は縮み続けることとなり、ストロークの限界となってしまい、緩衝器がいわゆる底付きして車体BDに衝撃を与えてしまうこととなるので、緩衝器D1,D2,D3,D4のストロークを把握できるように、ストロークセンサを設けておき、ストロークの限界となることを検知した場合に、コントローラCに短時間で本発明の姿勢制御をフェードアウトさせ、換わりにスカイフック制御等をフェードインさせるようにすれば、緩衝器D1,D2,D3,D4の底付きによる衝撃を回避することができ、車両における乗り心地を向上することが可能となる。
以上、上記したように一実施の形態における姿勢制御装置および姿勢制御方法によれば、スカイフック制御等では実現できなかった低速走行時の段差乗り上げ時における車体BDの振動を抑制でき車両における乗り心地を格段に向上することができる。
ここで、一実施の形態における姿勢制御と、スカイフック制御とが互いに干渉しない事について1輪のみが段差1に乗り上げた状態を用いて詳しく説明すると、上述したように、1輪のみが段差1に乗り上げたときには、車体BDは略静止状態を保つこととなり、そうすると、スカイフック制御はバネ上部材B1,B2,B3,B4の加速度の情報でアクチュエータA1,A2,A3,A4を駆動する制御であるからそのスカイフック制御における制御指令による制御力は全てのアクチュエータA1,A2,A3,A4においてゼロであり、一実施の形態における姿勢制御とは干渉しない。
また、段差乗り上げ後における姿勢制御指令では、制御力を徐々に漸減していくこととなるが、スカイフック制御を行った場合では制御力をゼロとするまでの時間は上記姿勢制御指令によるものより早くなることが通常であるから、上記制御力がセロとなるまでの時間が長くなる本姿勢制御指令によるアクチュエータA1,A2,A3,A4制御の方がスカイフック制御より支配的となるため、ここでも上記干渉がないことがわかる。
つまり、バネ上部材B1,B2,B3,B4の振動を抑制する制御と本姿勢制御とを組み合せることで、本姿勢制御の欠点も補うこともできるのである。
つづいて、アクチュエータA1,A2,A3,A4の構成についてであるが、上述したところでは、アクチュエータA1,A2,A3,A4を液圧式のものとして説明したが、アクチュエータA1,A2,A3,A4を以下のように構成するとしてもよい。
このアクチュエータA1,A2,A3,A4は、図6に示すように、バネ上部材B1,B2,B3,B4とバネ下部材W1,W2,W3,W4との直線運動を回転運動に変換する運動変換機構Hと、運動変換機構Hの回転側に連結されるモータMとで構成されている。
以下、詳しく説明すると、運動変換機構Hは、ボール螺子ナット11と、ボール螺子ナット11内に回転自在に螺合される螺子軸12とで構成されており、この螺子軸12の図1中上端は、モータMの出力シャフトたるシャフト13に連結されている。なお、上記螺子軸12とモータMのシャフト13は一体成形されてもよく、また、遊星歯車等を介して連結して螺子軸12の回転を増速または減速させてシャフト13に伝達させるとしてもよい。
また、ボール螺子ナット11は、筒15の上端内周に嵌着されており、この筒15の下端側に設けてあるブラケット16を介して車両のバネ下部材W1,W2,W3,W4に固定されることができるようになっている。
他方、螺子軸12は、モータMの外周もしくは上端側に設けられる図示しないマウントを介して車両のバネ上部材B1,B2,B3,B4に連結されることができるようになっており、これにより、アクチュエータA1,A2,A3,A4を車両におけるバネ上部材B1,B2,B3,B4とバネ下部材W1,W2,W3,W4との間に介装することができるようになっている。
したがって、上記ボール螺子ナット11と螺子軸12とで構成される本実施の形態における運動変換機構Hにあっては、バネ上部材B1,B2,B3,B4とバネ下部材W1,W2,W3,W4との直線的な相対移動によりボール螺子ナット11と螺子軸12とが軸方向の直線運動を呈し、ボール螺子ナット11と螺子軸12の機構により上記直線運動が螺子軸12の回転運動に変換されるので、螺子軸12が回転側とされている。
なお、上記したところでは、ボール螺子ナット11側とバネ下部材W1,W2,W3,W4に螺子軸12側とバネ上部材B1,B2,B3,B4に連結するとしているが、逆にしてもよいことは勿論である。
また、図示はしないが、螺子軸12を覆う外筒を設けて、この外筒内に筒15を摺動自在に挿入しておくとすれば、車両走行中、運動変換機構Hへの泥、雨水、飛石等の干渉が防止される。
また、モータMは、詳しくは図示しないが、ケースと、ケース内に回転自在に支持されたロータと、ケース内周側に取り付けた筒状のステータとからなり、本実施の形態の場合、モータMは、ロータが出力シャフトたるシャフト13とシャフト13の外周側に装着した磁石とで構成され、他方、ステータは電機子とされたブラシレスモータとして構成され、さらに、シャフト13の上端には、シャフト13の回転位置を検出するために、たとえば、シャフト13側に設けた磁石と磁気センサとで構成される回転位置センサKが設けられている。
なお、回転位置センサKとしては、上記したもの以外に、レゾルバや光学式のロータリエンコーダ等の公知のセンサを使用可能であり、また、この回転位置センサKは、その出力する信号が上記コントローラCに伝達可能なように、コントローラCに信号線で結ばれている。
そして、このアクチュエータA1,A2,A3,A4にあっては、路面から力を受けて車体と車軸とが直線的な相対運動すると、ボール螺子ナット11と螺子軸12とが軸方向の直線運動を呈し、この直線運動が上記のように螺子軸12の回転運動に変換され、この螺子軸12の回転運動がモータMのシャフト13に伝達される。
そして、モータMのシャフト13が回転運動を呈すると、モータM内の電機子の巻線が磁石の磁界を横切ることとなり、該巻線に誘導起電力を発生させることよりモータMにエネルギ回生させて電磁力を発生させ、モータMのシャフト13に誘導起電力に起因する電磁力による回転トルクが作用し、上記回転トルクがシャフト13の回転運動を抑制することとなる。
このシャフト13の回転運動を抑制する作用は、上記螺子軸12の回転運動を抑制することとなり、螺子軸12の回転運動が抑制されるのでボール螺子ナット11の直線運動を抑制するように働き、上記電磁力によって、この場合減衰力として働く制御力を発生し、振動エネルギを吸収緩和する。
このとき、積極的に電機子の巻線に外部電源から電流供給しておくことにより、シャフト13に作用する回転トルクを調節することでアクチュエータA1,A2,A3,A4の伸縮を自由に制御、つまり、アクチュエータA1,A2,A3,A4の発生する制御力を発生可能な範囲で自由に制御することが可能であり、これによりアクチュエータとして機能することができ、さらに、上述したように、このアクチュエータA1,A2,A3,A4は減衰力をも発揮可能であるので緩衝器としての機能を兼ね備えているのである。
すなわち、このアクチュエータA1,A2,A3,A4は、緩衝器としての機能を兼ね備えたアクチュエータであり、上記した一実施の形態における液圧式のアクチュエータと異なり、他に緩衝器を並列させて設ける必要がないから、このアクチュエータA1,A2,A3,A4を採用することにより車両への搭載性を向上することが可能となり、また、液圧源を必要としないので軽量コンパクトである。
ここで、このモータMを使用したアクチュエータA1,A2,A3,A4にあっては、バネ上加速度を検出する加速度センサをも省略することが可能である。
ここで、上述の力f1,f2,f3,f4は、概ね、該モータMが発生しているトルクに2πを乗算して螺子軸12のリードを除した値と、懸架バネS1,S2,S3,S4のストロークにバネ定数を乗算して得られる力と、該モータMを使用したアクチュエータA1,A2,A3,A4の回転系(モータMのロータおよび螺子軸12等)の慣性モーメントにストロークの加速度および4πを乗じてリードの値を2回除して得られる値との総和である。
そして、モータMのトルクはモータMに流れる電流の値にトルク定数を乗算することで得られ、ストロークは、上述の回転位置センサKで検出するロータの回転角とリードから得られ、ストロークの加速度は、上記ストロークを2回微分することでえら得られ、さらには、リードの値および回転系の慣性モーメントについてはモータMおよび螺子軸12の諸元からあらかじめ得られ、また、モータMの制御においては電流もしくは電圧センサは必須であるから、特に加速度センサas1,as2,as3,as4をバネ上部材B1,B2,B3,B4に設けずとも、上記した電流もしくは電圧センサと回転位置センサKとを用いることによりバネ上部材B1,B2,B3,B4に伝達される力f1,f2,f3,f4を把握することが可能である。
この場合には、バネ上部材B1,B2,B3,B4の加速度を直接的に検出して力f1,f2,f3,f4を把握するのではなく、サスペンションの動きから力f1,f2,f3,f4を演算することとなる。
そして、本発明による姿勢制御は、バネ上部材B1,B2,B3,B4の振動を抑制する制御であるから、バネ上部材B1,B2,B3,B4の加速度の検出精度が悪くなることが想定されるので、サスペンションの動きから力f1,f2,f3,f4を演算して制御する方が制御性がよくなり、この点においてもモータMを利用したアクチュエータA1,A2,A3,A4を採用する利点がある。
また、この場合には、上記制御手順のステップP1およびステップP2における手順は、上記したモータMの電流およびロータの回転位置たる回転角の検出と、検出された電流の値とロータの回転角の値との基づいた力f1,f2,f3,f4の演算とに変えればよい。
さらに、ステップP4の制御にあたっては、モータMを使用したアクチュエータA1,A2,A3,A4の場合にあっては、モータMへ供給する電流を制御することによって行われ、この場合、液圧式のアクチュエータA1,A2,A3,A4に比較して応答性もよいから、制御性も向上することとなる。
なお、上述した運動変換機構Hは、ボール螺子ナット11と螺子軸12とで構成されるボール螺子機構とされているが、直線運動を回転運動に変換できる他の機構、たとえば、ラックピニオン機構とされてもよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の一実施の形態における姿勢制御装置が具現化した車両の概念図である。 姿勢制御装置の制御処理手順を示すフローチャートである。 車両が段差に向って進行する状態を示す図である。 車両が段差に乗り上げたときの各アクチュエータにおける制御力の方向を示す図である。 漸減される制御力と時間との関係を示した図である。 アクチュエータの概念図である。
符号の説明
1 段差
11 ボール螺子ナット
12 螺子軸
13 シャフト
15 筒
16 ブラケット
A1,A2,A3,A4 アクチュエータ
as1,as2,as3,as4 加速度センサ
B1,B2,B3,B4 バネ上部材
BD 車体
C コントローラ
D1,D2,D3,D4 緩衝器
G 姿勢制御装置
H 運動変換機構
K 回転位置センサ
M モータ
S1,S2,S3,S4 懸架バネ
T1,T2,T3,T4 タイヤ
V 車両
W1,W2,W3,W4 バネ下部材

Claims (10)

  1. 車両における車体姿勢を制御する姿勢制御装置において、車両の各バネ上部材と各バネ下部材との間の四箇所に夫々介装されるアクチュエータを具備し、いずれか1つバネ上部材へ伝達される力入力に対し、そのバネ上部材に対し対角に位置するバネ上部材とバネ下部材との間に介装されたアクチュエータに上記力と同方向の制御力を出力させるとともに、それ以外のバネ上部材とバネ下部材との間に介装されたアクチュエータに上記力と逆方向の制御力を出力させることを特徴とする姿勢制御装置。
  2. 各アクチュエータに路面から入力される力の大きさと同じ大きさの制御力を出力させることを特徴とする請求項1に記載の姿勢制御装置。
  3. 各アクチュエータに出力させた制御力を漸減させることを特徴とする請求項1または2に記載の姿勢制御装置。
  4. 車両の速度に基づいて制御力を漸減させることを特徴とする請求項3に記載の姿勢制御装置。
  5. アクチュエータが、バネ上部材とバネ下部材との直線運動を回転運動に変換する運動変換機構と、該運動変換機構により変換された回転運動が伝達されるモータとを供えてなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の姿勢制御装置。
  6. 車両の各バネ上部材と各バネ下部材との間の四箇所に夫々介装される緩衝器を具備し、各アクチュエータおよび各緩衝器をアクティブ制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の姿勢制御装置。
  7. 車両における車体姿勢を制御する姿勢制御方法において、車両の各バネ上部材と各バネ下部材との間の四箇所に夫々介装されるアクチュエータの制御方法において、いずれか1つバネ上部材への伝達される力を検出するステップと、その1つのバネ上部材に対し対角に位置するバネ上部材とバネ下部材との間に介装されたアクチュエータに上記力と同方向の制御力を出力させるとともに、それ以外のバネ上部材とバネ下部材との間に介装されたアクチュエータに上記力と逆方向の制御力出力させるステップとを具備したことを特徴とする姿勢制御方法。
  8. 各アクチュエータに路面から入力される力の大きさと同じ大きさの制御力を出力させることを特徴とする請求項7に記載の姿勢制御方法。
  9. 各アクチュエータに出力させた制御力を漸減させることを特徴とする請求項7または8に記載の姿勢制御方法。
  10. 車両の速度に基づいて制御力を漸減させることを特徴とする請求項9に記載の姿勢制御方法。
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