JP4887768B2 - 自動販売機 - Google Patents

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本発明は商品収納庫に冷却、ないし加熱手段を装備した本体ケースの庫内前面に、商品収納ラックの商品投入口部分を覆う上部分割扉とその下部領域を覆う下部分割扉からなる上下二分割構造の断熱扉を配した自動販売機の断熱、シール構造に関するものである。
従来、この種の自動販売機の庫内前面に配した上下分割構造になる断熱扉で、庫内外の熱伝導を回避するものとして断熱材を上下に配置させ、上下断熱材の隙間をシールする特許文献1のものがある。
図2は特許文献1に記載された従来の自動販売機を示すものである。図3(a)は従来の自動販売機の断熱扉の密閉前を示す図である。図3(b)は従来の自動販売機の断熱扉の密閉後を示す図である。
図2に示すように1は断熱筺体としてなる本体ケース、2は外扉、3は本体ケース1の庫内に収設したサーペンタイン式の商品収納ラック、4は商品搬出シュータであり、本体ケース1の庫内前面には上下二分割構造の断熱扉5を備えている。なお、図示されていないが、本体ケース1の庫内底部には商品保冷用の冷却器、および加熱用ヒータ、および庫内ファンを備えている。
以上のように構成された自動販売機の上下分割構造になる断熱扉について、以下その動作を説明する。
図3(a)(b)に示すように、まず、断熱扉5は、商品収納ラック3の上部前面に開口している商品投入口3aを覆う上部分割扉5aと、下部領域を覆う下部分割扉5bからなり、上部分割扉5aは外扉2と一緒に開閉するよう外扉2の裏面に取り付けられている。なお、5cは上部分割扉5aを外扉2に係止する掛け金である。かかる構成で、商品収納ラック3に収納した商品を庫内に備えた冷却器で保冷する、ないしは加熱ヒータで加熱してコールド商品、ないしはホット商品として販売することは周知の通りである。また、商品収納ラック3に商品を補給する場合には、外扉2と一緒に断熱扉5の上部分割扉5aを開き、下部分割扉5bは閉じたまま(庫内への外気熱の侵入をできるだけ抑えるために下部分割扉を閉じておく)で商品投入口3aに商品を投入する。
また、断熱扉5を閉じた状態で本体ケース1との間をシールして庫内への外気侵入を防ぐために、上部分割扉5aの裏面側周縁には帯状のガスケット6が敷設されており、さらに上部分割扉5aと下部分割扉5bとの隙間を塞ぐように、ガスケット6とは別に上部分割扉5aの下端面、および下部分割扉5bの上端面にガスケット7、8を装着している。
この分割扉相互間をシールするガスケット7,8は扉裏面側のガスケット6と同様に軟質な樹脂、ゴムなどで作られた中空の帯条体であり、そのシール端面を斜めカットしてそのシール端面同士を前後に突き合わせるようにした断面三角形の中空状のガスケットを装着するとともに、いずれか一方のガスケットのシール端面に相手側のガスケットに向けて突き出す前後複数条のヒレ部を設け、分割扉を閉じた状態で前記ヒレ部を相手側ガスケットのシール端面に密着させて分割扉相互間の隙間をシールしている。
特開平10−334328号公報
しかしながら、上記従来の構成では断熱扉5のガスケット7,8は斜めカットされた中空の帯条体同士を突き合わせて上部分割扉5aと下部分割扉5bとの間の隙間を断熱しているので、突合せ部において中空部が発生し、このために庫内外の断熱性能が悪化するほか、特に庫内を保冷している場合にはガスケット部分の表面に結露が発生し易いという課題を有していた。
本発明は、上記従来の発明を解決するもので、上部分割扉5aと下部分割扉5bとの突合せ部における断熱性能を向上することを目的とするものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明の自動販売機は、商品収納庫の前面に外扉、および上下二分割構造になる断熱内扉を備え、前記断熱内扉の上部断熱内扉の下端面または下部断熱内扉の上端面の少なくともどちらか一方にガスケットを装着して、扉間の隙間を閉塞する自動販売機において、前記上部断熱内扉の下端面と前記下部断熱内扉の上端面は前後方向で重なるように端面を形成し、前記断熱内扉の端面まで断熱材が充填されており、前記上部断熱内扉の下端面と前記下部断熱内扉の上端面に形成された傾斜面の少なくともどちらか一方に硬質材の基部と軟質材のパッキン部の一体成形で形成したガスケットを有し、前記ガスケット同士または前記ガスケットと前記傾斜面とが前後方向で重なって密着しあうようにし、前記断熱内扉を密閉時に前記基部が弾性変形するように構成したことにより、自販機庫外と自販機庫内を遮断する断熱壁に空洞部がなくなり突合せ部における断熱性能を向上することが達成される。この結果、熱伝導が削減されるので、庫内の保
冷及び保温状態の向上、庫外側シール部の結露防止ができる。
本発明の自動販売機は、突合せ部における断熱性能を向上でき、熱伝導が削減されるので、庫内の保冷及び保温状態の向上、庫外側シール部の結露防止ができる。
請求項1に記載の発明は、商品収納庫の前面に外扉、および上下二分割構造になる断熱内扉を備え、前記断熱内扉の上部断熱内扉の下端面または下部断熱内扉の上端面の少なくともどちらか一方にガスケットを装着して、扉間の隙間を閉塞する自動販売機において、前記上部断熱内扉の下端面と前記下部断熱内扉の上端面は前後方向で重なるように端面を形成し、前記断熱内扉の端面まで断熱材が充填されていることにより、自販機庫外と自販機庫内を遮断する断熱壁に空洞部がなくなり、熱伝導が削減されるので、庫内の保冷及び保温状態の向上、庫外側シール部の結露防止ができる。
さらに、請求項1に記載の発明は、上部断熱内扉の下端面と下部断熱内扉の上端面に形成された傾斜面に硬質材の基部と軟質材のパッキン部の一体成形で形成したガスケットを有し、前記ガスケット同士または前記ガスケットと前記傾斜面とが重なって密着しあうようにしたことにより、パッキン部が適度に傾斜面と圧縮されることになり、上部断熱内扉と下部断熱内扉との間に組立誤差による相対的なずれがあっても、このずれを補償して上下断熱材同士を密着させることができる。
さらに、請求項1に記載の発明は、前記断熱内扉を密閉時に前記基部が弾性変形するように構成したことにより、上部断熱内扉の閉時に前記基部が弾性変形することとなり、ガスケットパッキン部が経年劣化してもシール性悪化を防止できる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上部断熱内扉側のガスケットの基部の後端のみまたは下部断熱内扉側のガスケットの基部の前端のみを固定したことにより、上部断熱内扉閉時、ガスケットの基部が上下方向に移動することが可能となり、簡単な構造でガスケットにクッション性を持たせることができる。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1における自動販売機の断熱扉の密閉前を示す図である。図1(b)は同実施の形態における自動販売機の断熱扉の密閉後を示す図である。
図1(a),(b)において、分割された断熱材101aを装填した上部断熱内扉101の下端面、断熱材102aを装填した下部断熱内扉102の上端面は図示のようにシール端面を斜めカットして前後に突き合わせるようにした断面形状となっている。下部断熱内扉102の上端斜面にはガスケット硬質材103が装着されており、ガスケット硬質材103の斜面部にガスケット軟質材のパッキン部104が一体成形されている。上部断熱内扉の下端斜面には軟質フォームまたは保護テープ105を貼り付けている。ガスケト硬質材103は固定ネジ106で固定されており、断熱扉密閉時、ガスケット硬質材103は下部断熱内扉102の斜面に沿って下方向に移動し密閉される。
以上のように構成された自動販売機の断熱扉について、以下その動作を説明する。
まず、上部断熱内扉101を図1(a)で示す開放位置から閉じると、図1(b)で表す分割扉の閉状態では、上部側の斜面が下部側のガスケット硬質材103に付き合わされるとともに、ガスケット軟質材のパッキン部104が上部断熱内扉101の斜面に重なり合い、同時にガスケット硬質材103が上部断熱内扉101側の腰折れ部で弾性変形し、上下の断熱扉相互間の隙間をシールする。
以上のように、本実施の形態においては、分割された上部断熱内扉101の下端と下部断熱内扉102の上端を斜めカットし各斜面を突き合わせることにより、突合せ部に空洞部が消滅し、断熱性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態ではガスケット硬質材103の斜面部にガスケット軟質材のパッキン部104が一体成形されていることにより、断熱扉密閉時、ガスケット軟質材のパッキン部104が適度にガスケット硬質材103の斜面と圧縮されることになり、上部断熱内扉と下部断熱内扉との間に組立誤差による相対的なずれがあっても、このずれを補償して上下断熱材同士を密着させることができる。
また、本実施の形態では断熱扉密閉時、ガスケット硬質材103の斜面部が上部断熱内扉101の斜面に対し下方向に移動してクッション性を持たせることにより、ガスケット軟質材のパッキン部104が経年劣化してもシール性を保持することができる。
また、本実施の形態ではガスケット硬質材103の腰折れ側端部と上部断熱内扉101の前面側のみを固定ネジ106で締結することにより簡単な構造でガスケットにクッション性を持たせることができる。
以上のように本発明にかかる自動販売機は、突合せ部における断熱性能を向上でき、熱伝導が削減されるので、庫内の保冷及び保温状態の向上、庫外側シール部の結露防止ができるので、自動販売機の断熱扉だけに限らず、冷蔵庫などの冷却機器の断熱扉に適用できる。
(a)本発明の実施の形態1における自動販売機の断熱扉の密閉前を示す図(b)同実施の形態における自動販売機の断熱扉の密閉後を示す図 従来の自動販売機の扉開放状態の外観図 (a)従来の自動販売機の断熱扉の密閉前を示す図(b)従来の自動販売機の断熱扉の密閉後を示す図
符号の説明
101 上部断熱内扉
102 下部断熱内扉
101a,102a 断熱材
103 ガスケット硬質材(硬質材の基部)
104 ガスケット軟質材のパッキン部(軟質材のパッキン部)

Claims (2)

  1. 商品収納庫の前面に外扉、および上下二分割構造になる断熱内扉を備え、前記断熱内扉の上部断熱内扉の下端面または下部断熱内扉の上端面の少なくともどちらか一方にガスケットを装着して、扉間の隙間を閉塞する自動販売機において、前記上部断熱内扉の下端面と前記下部断熱内扉の上端面は前後方向で重なるように端面を形成し、前記断熱内扉の端面まで断熱材が充填されており、前記上部断熱内扉の下端面と前記下部断熱内扉の上端面に形成された傾斜面の少なくともどちらか一方に硬質材の基部と軟質材のパッキン部の一体成形で形成したガスケットを有し、前記ガスケット同士または前記ガスケットと前記傾斜面とが前後方向で重なって密着しあうようにし、前記断熱内扉を密閉時に前記基部が弾性変形するように構成したことを特徴とする自動販売機。
  2. 上部断熱内扉側のガスケットの基部の後端のみまたは下部断熱内扉側のガスケットの基部の前端のみを固定したことを特徴とする請求項に記載の自動販売機。
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