JP2020122637A - 冷蔵庫 - Google Patents

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石橋 郁夫
Ikuo Ishibashi
郁夫 石橋
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Abstract

【課題】冷蔵庫の断熱性能を向上させることができる技術を提供する。【解決手段】 冷蔵庫は、本体と、扉と、ガスケットと、を備える。扉は、本体に設けられた貯蔵室の前面開口部を開閉する。ガスケットは、扉と前面開口部の周縁部との間をシールする。ガスケットは、扉に固定される第1固定部と、扉の第1固定部よりも本体外側に固定される第2固定部と、を有している。【選択図】図3

Description

本明細書に開示する技術は、冷蔵庫に関する。
本体に設けられた貯蔵室の前面開口部の周縁部と、前面開口部を開閉する扉と、の間をシールするためのガスケットを備える冷蔵庫が知られている。従来、ガスケットは、扉に設けられた溝部に係合することによって固定されていた。扉が前面開口部を閉塞した状態では、当該ガスケットが前面開口部の周縁部と扉との間をシールすることにより、貯蔵室内部の冷気が外部空間に漏洩することが抑制される。
また、扉の内部空間に断熱材が設けられた冷蔵庫が知られている。これにより、貯蔵室内部への熱の流入が低減され、貯蔵室内部の温度が上昇することが抑制される。
特開2013−002655号公報
本明細書では、冷蔵庫の断熱性能を向上させることができる技術を提供する。
本明細書に開示する冷蔵庫は、本体と、扉と、ガスケットと、を備える。前記扉は、前記本体に設けられた貯蔵室の前面開口部を開閉する。前記ガスケットは、前記扉と前記前面開口部の周縁部との間をシールする。前記ガスケットは、前記扉に固定される第1固定部と、前記扉の前記第1固定部よりも前記本体外側に固定される第2固定部と、を有している。
実施例に係る冷蔵庫を模式的に示す正面図。 実施例に係る左右扉を開放した開放状態の冷蔵庫を模式的に示す斜視図。 実施例に係るガスケットを含む右扉の右端部周辺の横断面図(図1のIII−III線断面図)。 実施例に係る右扉のコーナー部を裏面から見たときの構成を模式的に示す図。 実施例に係る右扉の裏面部材の突出部の内部を模式的に示す斜視図。 実施例に係るガスケットの横断面図。 実施例に係るガスケットのコーナー部を正面から見たときの構成を模式的に示す図。
図面を参照して、実施例の冷蔵庫10について説明する。図1及び図2に示すように、冷蔵庫10は、断熱性を有する本体12と、一対の扉(左扉30a及び右扉30b)を備えている。また、冷蔵庫10は、本体12と右扉30bの間に配置されている右ガスケット80(図3参照、図1及び図2では図示省略)と、本体12と左扉30aの間に配置されている左ガスケット(図示省略)とを備えている。以下では、冷蔵庫10の左右方向において、本体12の中央Cに近接する側を「本体内周側」といい、本体12の中央Cから離間する側を「本体外周側」という。また、冷蔵庫10の前後方向(奥行き方向)において、本体12の正面側を「前方」といい、本体12の裏面側を「後方」という。
(本体12の構成)
図3に示すように、本体12は、金属製の外箱12aと樹脂製の内箱12bとを備えている。外箱12aは、その前面側において、本体内周側に略直角に折り曲げられるフランジ部39を有している。また、フランジ部39の先端部分からS字状に往復するように折り返された第1折り返し部37及び第2折り返し部38を有している。第2折り返し部38は、第1折り返し部37の先端部分から折り返され、斜め後方に向かって伸びている。内箱12bは、その前面側において、本体外周側に略直角に折り曲げられるフランジ部36を有している。外箱12aと内箱12bとは、フランジ部36が第1折り返し部37及び第2折り返し部38の間に差し込まれることによって結合されている。外箱12aと内箱12bとの間には断熱材(例えば発泡断熱材)が充填されている。これによって、断熱性を有する本体12が構成されている。
図1に示すように、本体12には、その内部に、冷蔵室14、野菜室16、製氷室18、上部冷凍室20及び下部冷凍室22が設けられている。冷蔵室14及び野菜室16は冷蔵温度帯の貯蔵室であり、製氷室18、上部冷凍室20及び下部冷凍室22は冷凍温度帯の貯蔵室である。図2に示すように、冷蔵室14の下部には、チルド室24が設けられており、チルド室24の側方には、製氷室18の製氷装置に水を供給するためのタンク28が着脱可能に設けられている。
冷蔵室14の前面には、冷蔵室14を開口する前面開口部14aが設けられている。冷蔵室14には、前面開口部14aを介して貯蔵品が収容される。具体的には、図3に示すように、前面開口部14aは、本体12の前面(フランジ部36、39の前面)の内側の領域である。同様に、野菜室16、製氷室18、上部冷凍室20及び下部冷凍室22にもそれぞれ前面開口部(不図示)が設けられている。
(左右扉30a、30bの構成)
左扉30a及び右扉30bは、いわゆる観音開き式の扉である。図2に示すように、冷蔵庫10を正面視して左側の左扉30aの左端部は、冷蔵室14の前方左端部に設けられたヒンジ部材32によって前面開口部14aに対して回動可能に枢支されている。冷蔵庫10を正面視して右側の右扉30bの右端部は、冷蔵室14の前方右端部に設けられたヒンジ部材34によって前面開口部14aに対して回動可能に枢支されている。すなわち、左扉30a及び右扉30bが前面開口部14aに対して回動することによって、冷蔵室14の前面開口部14aが開放される開放状態と、冷蔵室14の前面開口部14aが閉塞される閉塞状態とに切り換えられる。
図3は、後述するガスケット80を含む、右扉30bの右端部周辺の横断面図(図1のIII−III線断面図)である。図3においては、左側が本体内周側であり、右側が本体外周側である。また、図3に示されている本体12に対して右扉30b側(すなわち、図3の下側)が前方であり、右扉30bに対して本体12側(すなわち、図3の上側)が後方である。右扉30bは、その前面を覆う矩形状の表面部材40と、その側面を覆う外周部44a及びその裏面の一部を覆う裏面部44bを有する外周部材44と、その裏面の他部を覆う裏面部材48と、を備える。すなわち、外周部材44は、右扉30bの側面から裏面の一部に亘る範囲を構成し、裏面部材48は、右扉30bの裏面の他部を構成している。本体12を正面視すると、外周部材44の裏面部44bは、前面開口部14aの周縁部15に重複する。一例ではあるが、本実施例では、外周部材44の裏面部44bの内周端44cがフランジ部39の先端部分よりも本体内周側まで伸びている。図3に示すように、表面部材40と外周部材44とが結合され、外周部材44と裏面部材48とが結合されることによって、右扉30bが構成されている。
裏面部材48は、例えば合成樹脂によって構成されている。裏面部材48には、突出部50と、第1嵌合部52と、第2嵌合部54と、凹部56が設けられている。
第1嵌合部52は、裏面部材48の本体12の前後方向(すなわち、図3の上下方向)に伸びる部分P1から本体外周側に突出している。第1嵌合部52には、後述するガスケット80の第1固定部82が嵌合する。図4は、右扉30bのコーナー部分をその裏面から見たときの図である。図4に示すように、第1嵌合部52は、右扉30bの周方向に所定の間隔を空けて複数個設けられている。
図3に示すように、凹部56は、第1嵌合部52よりも本体外周側に設けられている。凹部56は、右扉30bの内部空間側(すなわち、前方)に凹となるように形成されている。凹部56には、後述するガスケット80の第1シール部分94が挿入される。
突出部50は、凹部56よりも本体外周側に設けられている。突出部50は、裏面部材48から前面開口部14a側(すなわち、後方)に向かって突出している。突出部50の先端の位置は、後述するガスケット80の磁石86の前面の位置よりも後方に位置している。
第2嵌合部54は、突出部50よりも本体外周側に設けられている。すなわち、本体12を正面視すると、第1嵌合部52と第2嵌合部54は、突出部50を挟んで設けられている。第2嵌合部54は、本体12の前後方向において、突出部50の中間位置から本体外周側に向かって伸びている。第2嵌合部54は、外周部材44の裏面部44bから間隔を空けて配置されている。第2嵌合部54には、後述するガスケット80の第2固定部84が嵌合する。
図3に示すように、突出部50は、本体12を正面視したときに、突出部50の内面から右扉30bの内部に向かって伸びる第1リブ60、第2リブ62及び第3リブ64を有している。第1リブ60、第2リブ62及び第3リブ64が、本体外周側(すなわち、図3の右側)からこの順に配置されている。第1リブ60は、突出部50の本体外周側の面を構成しており、外周部材44の裏面部44bに当接している。第1リブ60と外周部材44の裏面部44bが結合されることにより、右扉30bの内部空間と外部空間とが分離されている。第2リブ62は、第1リブ60よりも本体内周側に設けられている。第2リブ62は、突出部50の左右方向における中間位置に設けられている。第2リブ62は、外周部材44の裏面部44bの内周端44cよりも本体内周側に位置している。第2リブ62は、当該内周端44cからわずかに離間して配置されている。第3リブ64は、第2リブ62よりも本体内周側に設けられている。第3リブ64は、突出部50の本体内周側の面を構成している。第3リブ64は、第2リブ62よりも右扉30bの内部側(すなわち、前方)まで伸びている。すなわち、第3リブ64の先端は、第2リブ62の先端よりも前方に位置している。第3リブ64は、右扉30bの裏面部44bの位置よりも前方まで伸びている。
図3及び図5に示すように、第2リブ62と第3リブ64の間の空間には、ガスケット80の周方向に所定の間隔を空けて複数のガイド部材66が設けられている。
表面部材40は、例えばガラス板によって構成されている。外周部材44は、例えば合成樹脂によって構成されている。図3に示すように、表面部材40と外周部材44の上端と下端には、合成樹脂製のキャップ部材42(図3では、上部のキャップ部材42のみ図示)がそれぞれ取付けられている。すなわち、上部のキャップ部材42は、表面部材40の上端から外周部材44の上端に跨る範囲を保持している。また、下部のキャップ部材42は、表面部材40の下端から外周部材44の下端に跨る範囲を保持している。また、外周部材44の内周端44cの上下方向(すなわち、図3の紙面に垂直な方向)の辺部は、合成樹脂製のキャップ部材(不図示)によって保持されている。したがって、右扉30bは、その前面に位置する表面部材40と、その側面に位置する外周部材44とが、上下に配置されたキャップ部材42と、外周部材44の内周端44cに配置されたキャップ部材とによって保持されている。なお、キャップ部材42は、表面部材40の上端と下端には取付けられていなくてもよい。すなわち、キャップ部材42は、外周部材44のみを保持するように構成されてもよい。
外周部材44は、外周部44aの前後方向における中間位置から右扉30bの内部(すなわち、本体内周側)へ向かって伸びる中間部材45を有している。外周部材44の裏面部44bと中間部材45との間の空間には、U字形状の補強板70が設けられている。すなわち、補強板70は、外周部材44の裏面部44bに接する位置に配置されている。補強板70は、例えば、鋼板等の金属板により構成されている。補強板70は、冷蔵庫10の運転時の冷却等による収縮に起因する外周部材44の反りを抑制するために設けられている。
右扉30bの内部空間には、真空断熱パネル72(以下、VIP72という。)が設けられている。VIP72は、中間部材45の先端よりも本体内周側であって、右扉30bの裏面側に配置されている。図示されていないが、VIP72は、右扉30bの本体内周側の端部まで伸びている。右扉30bの内部空間のうち、VIP72が設けられている部分以外には、発泡断熱材74が発泡充填されている。発泡断熱材74は、突出部50の内部空間(すなわち、第1リブ60と第2リブ62の間の空間及び第2リブ62と第3リブ64の間の空間)にも充填されている。発泡断熱材74としては、例えば、発泡ポリウレタンを用いることができる。
野菜室16、製氷室18、上部冷凍室20及び下部冷凍室22には、それぞれ引き出し式の扉16a、18a、20a、22aが設けられている。各扉30a、30b、16a、18a、20a、22aの正面部分は、ガラス板によって覆われている。
(ガスケット80の構成)
冷蔵庫10はまた、図3に示すように、本体12と右扉30bとの間に配置されているガスケット80を備えている。図3では、右扉30bに対するガスケット80が示されているが、左扉30aに対しても同様のガスケット80が配置されている。左扉30aに対するガスケット80については図示を省略する。
ガスケット80は、右扉30bの裏面に取り付けられている。ガスケット80は、右扉30bの裏面と、冷蔵室14の前面開口部14aの周縁部15との間をシールする。ガスケット80は、右扉30bの裏面と周縁部15との間を一巡するように設けられている。図6に示すように、ガスケット80は、第1固定部82と、第2固定部84と、磁石86と、磁石収容部88と、第1連結部90と、第2連結部92と、第1シール部分94と、第2シール部分96と、第3シール部分98と、を備えている。
第1固定部82は、裏面部材48の第1嵌合部52に嵌合する。具体的には、図3に示すように、第1固定部82は、裏面部材48の部分P1から突出する第1嵌合部52に係合する形態で第1嵌合部52と嵌合する。したがって、ガスケット80が右扉30bに取付けられた状態(図3に示す状態)では、本体12を正面視すると、第1固定部82は、突出部50よりも本体内周側に位置している。図7は、ガスケット80のコーナー部をその正面から見たときの図である。図7に示すように、第1固定部82は、冷蔵庫10の扉30a、30bの角部に対応する箇所には設けられていない。すなわち、第1固定部82は、扉30a、30bの角部に対応する箇所に間隔が設けられている。
第2固定部84は、裏面部材48の第2嵌合部54に嵌合する。具体的には、図3に示すように、第2固定部84は、外周部材44の裏面部44bと第2嵌合部54との間に設けられた隙間に、本体外周側から挿入される形態で第2嵌合部54と嵌合する。したがって、ガスケット80が右扉30bに取付けられた状態(図3に示す状態)では、本体12を正面視すると、第2固定部84は、突出部50よりも本体外周側に位置している。また、第2固定部84は、突出部50の先端よりも前方に位置している。第1固定部82及び第2固定部84が、第1嵌合部52及び第2嵌合部54にそれぞれ嵌合することにより、ガスケット80が右扉30bに固定される。すなわち、ガスケット80は、突出部50よりも本体内周側の第1嵌合部52と本体外周側の第2嵌合部54との2箇所で右扉30bに対して固定される。
磁石86は、磁石収容部88に収容されている。磁石86は、右扉30bの閉塞状態において、前面開口部14aの周縁部15(外箱12aのフランジ部39)に吸着する。磁石86は、本体を正面視したときに、突出部50よりも本体外周側に位置するように設けられている。ガスケット80が右扉30bに取付けられた状態(図3)では、磁石86の前面の位置は、突出部50の先端の位置よりも前方に位置している。
図6に示すように、第1連結部90は、磁石収容部88と、第1固定部82とを接続する。第1連結部90は、磁石収容部88の本体内周側の面の後方側から伸びている。第1連結部90と第1固定部82との連結部分Lは、略直角に屈曲している。図3に示すように、ガスケット80が右扉30bに固定された状態では、第1連結部90は、磁石収容部88から突出部50を超えた位置で第1固定部82に接続されている。第1固定部82は、第1連結部90の一端から前方に伸びた後、後方に折り返されて第1嵌合部52に嵌合する。
図6に示すように、第2連結部92は、磁石収容部88と第2固定部84とを接続する。第2連結部92は、磁石収容部88の本体内周側の面の前方側から伸びている。第2連結部92と第2固定部84との接続部分は、略直角に屈曲している。第2連結部92は、第1湾曲部92aと、第2湾曲部92bを有している。図3に示すように、ガスケット80が右扉30bに固定された状態では、第2連結部92は、磁石収容部88から突出部50よりも本体外周側において、前方に湾曲する第1湾曲部92aを介して本体外周側に向かって伸びた後、第2嵌合部54よりも本体外周側において前方に湾曲する第2湾曲部92bを介して第2固定部84に接続される。
本実施例では、ガスケット80の第1固定部82及び第2固定部84は、ガスケット80の他の部分(例えば、第1連結部90、第2連結部92等(但し、磁石86は除く))と比較して、剛性が高い材料により構成されている。ガスケット80は、例えば、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂材料により構成することができる。ここで、第1固定部82及び第2固定部84以外の部分の成型時には、当該合成樹脂材料に、例えば可塑剤を添加することにより、第1固定部82及び第2固定部84の剛性を他の部分よりも高くすることができる。なお、第1固定部82及び第2固定部84の全体が、ガスケット80の他の部分よりも高い剛性を有していなくてもよい。すなわち、第1固定部82及び第2固定部84の一部のみが、他の部分よりも高い剛性を有していてもよい。また、磁石86を除くガスケット80の全体が、略同じ剛性を有していてもよい。
図6に示すように、第1シール部分94、第2シール部分96及び第3シール部分98は、第1連結部90からそれぞれ伸びている。第1シール部分94は、第1連結部90と第1固定部82との連結部分Lから前方に伸びている。すなわち、第1シール部分94と第1固定部82は、共に連結部分Lから前方に向かって伸び、途中で分岐している。したがって、第1シール部分94は、第1固定部82の折り返し部分から前方に伸びていると言うこともできる。第2シール部分96は、第1連結部90の連結部分Lから本体内周側にヒレ状に伸びている。第3シール部分98は、第1連結部90のうち、磁石収容部88と連結部分Lの間の範囲から前方にヒレ状に伸びている。
図3に示すように、ガスケット80が右扉30bに固定された状態では、第1シール部分94は、凹部56内に挿入される。このとき、図3に示すように、本体12を正面視すると、第1シール部分94の付け根部(すなわち、連結部分L)が、凹部56と略重複する位置に設けられている。また、右扉30bが開放状態から閉塞状態(図3に示す状態)へ切り換わるとき、ガスケット80の第1連結部90及び磁石収容部88の後面が周縁部15に押圧されてガスケット80が変形する。このとき、第2シール部分96は、第1嵌合部52よりも後方で裏面部材48に当接し、第3シール部分98は、裏面部材48の突出部50の先端に当接する。また、第2連結部92は、第2嵌合部54の後面に当接する。
(効果)
本実施例の冷蔵庫10では、ガスケット80が、右扉30bの裏面部材48に対して第1固定部82及び第2固定部84の2箇所で固定されている。このため、ガスケット80の位置が安定し、右扉30bの開閉によるガスケット80の変位を抑制することができる。このように、本実施例の冷蔵庫10では、ガスケット80を2箇所で固定することによりガスケット80の位置が安定するため、従来のように、右扉30bの裏面にガスケットを係合させるための溝部を設ける必要がなく、右扉30bの内部空間を広く確保することができる。したがって、従来と比較して、右扉30bの内部空間に多くの断熱材(すなわち、発泡断熱材74)を充填することができる。このため、冷蔵庫10の断熱性能を向上させることができる。
また、本実施例では、右扉30bが、裏面部材48から後方に向かって突出する突出部50を有している。そして、本体を正面視したときに、第1固定部82が突出部50よりも本体内周側に位置するとともに、第2固定部84が突出部50よりも本体外周側に位置している。このように、2つの固定部82、84の間の空間に突出部50が設けられていることにより、右扉30bと周縁部15との間の距離D1(図3参照)が低減される。さらに、突出部50の内部には、発泡断熱材74が充填されているため、右扉30bと周縁部15との間の空気層の厚みが低減される。このため、冷蔵庫10の外部空間S2から内部空間S1への熱の流入を抑制することができる。
また、本実施例では、右扉30bが、裏面部材48の部分P1から突出する第1嵌合部52と、第1嵌合部52よりも本体外周側に設けられており、外周部材44の裏面部44bよりも後方に位置する第2嵌合部54を有している。本実施例では、ガスケット80が、この第1嵌合部52及び第2嵌合部54に対して、第1固定部82及び第2固定部84がそれぞれ嵌合することにより固定される。このような構成とすることにより、ガスケット80を係合させるための溝部を設けることを要さず、右扉30bの内部空間を広く確保することができる。さらに、従来では、ガスケットを係合させるための溝部と、ヒンジ部材34の回動軸中心100(図3参照)とが干渉しないように回動軸中心100の位置を設定しなければならず、右扉30bにある程度大きな厚みを要するという問題があった。しかしながら、本実施例では、上記問題を考慮する必要がなく、右扉30b全体の厚みを低減することができる。
また、本実施例では、ガスケット80が、第1シール部分94、第2シール部分96及び第3シール部分98を有している。右扉30bの閉塞状態においては、これらのシール部分94、96、98及び第2連結部92が、右扉30bの裏面部材48に当接することにより、図3に示すように、空間S3、S4、S5がそれぞれ形成される。このように、右扉30bの閉塞状態においては、空間S3〜S5に示す空気層が形成される。このため、外部空間S2から内部空間S1への熱伝導率を低減することができ、冷蔵庫10の断熱性能が向上する。
また、本実施例では、突出部50の内部に、突出部50の内面から右扉30bの内部に向かって伸びる第1リブ60、第2リブ62及び第3リブ64が設けられている。第1リブ60は、外周部材44の裏面部44bに当接している。すなわち、第1リブ60は、裏面部材48と外周部材44とを結合させるときに、外周部材44に対する裏面部材48の前後方向の位置決め部材として機能する。また、第2リブ62は、外周部材44の裏面部44bの内周端44cよりも本体内周側に設けられている。すなわち、第2リブ62は、裏面部材48と外周部材44とを結合させるときに、外周部材44に対する裏面部材48の左右方向の位置決め部材として機能する。また、第3リブ64は、外周部材44の裏面部44b(すなわち、第2リブ62の先端)よりも前方まで伸びており、第2リブ62と第3リブ64の間の空間には、ガスケット80の周方向に所定の間隔を空けて複数のガイド部材66が設けられている。このため、仮に裏面部材48と外周部材44との間に位置ずれが生じた場合、ガイド部材66が外周部材44の内周端44cに当接して滑るように変位することで、裏面部材48と外周部材44の位置ずれが修正される。
さらに、本実施例では、第2リブ62が、内周端44cからわずかに離間して配置されている。詳細には、右扉30bの内部に充填された断熱発泡材74を発泡させる際には、第2リブ62が本体外周側に押圧されることにより変形する。このとき、ガイド部材66が設けられていない位置では、第2リブ62が、その先端と基端との間の範囲で屈曲し、内周端44cとの間に隙間が形成される。したがって、右扉30bの内部の発泡断熱材74を発泡させる際には、第1リブ60と第2リブ62の間の空間S6に発泡断熱材74が侵入可能となる。このため、この空間S6により過多な発泡断熱材74を吸収することができ、発泡断熱材74が右扉30bの外部へ漏れることが抑制される。なお、空間S6内に、発泡軟質テープを予め挿入しておいてもよい。これにより、発泡断熱材74の漏れをより抑制することができる。
また、本実施例では、上記の通り、第2リブ62が、発泡断熱材74によって、本体外周側に押圧されている。ガイド部材66が設けられている位置では、上述した第2リブ62の屈曲が生じ難い。このため、ガイド部材66が設けられている位置では、第2リブ62全体が本体外周側に変位し、第2リブ62と外周部材44の裏面部44bの内周端44cとの間の隙間が小さくなる。このため、発泡断熱材74が右扉30bの外部へ漏れることがさらに抑制される。
また、本実施例では、右扉30bの内部には、外周部材44の裏面部44bと中間部材45との間に、U字形状の補強板70が挿入されている。上述したように、補強板70は、冷蔵庫10の運転時の冷却等による熱収縮に起因する外周部材44の反りを抑制する目的で設けられている。本実施例では、ガラス板により構成された表面部材40よりも、合成樹脂により構成された外周部材44の方が、温度変化に伴う熱収縮率が大きい。このため、熱収縮率の大きな外周部材44の裏面部44bの近傍に補強板70を設けることによって、右扉30bの変形を抑制することができる。なお、本実施例では、従来のように、ガスケットを係合させるための溝部を右扉30bの裏面に設ける必要がないため、外周部材44の裏面部44b近傍に補強板70を設けることが容易となっている。
また、本実施例では、ガスケット80の第1固定部82及び第2固定部84が、ガスケット80の他の部分と比較して剛性が高い材料により構成されている。このため、第1固定部82及び第2固定部84が、第1嵌合部52及び第2嵌合部54それぞれから脱落することが抑制される。一方、第1固定部82及び第2固定部84以外の部分は、剛性が比較的低い材料によって構成されるため、ガスケット80の柔軟性を確保することができる。
また、本実施例では、右扉30bの裏面部材48に、第1シール部分94を挿入するための凹部56が設けられている。そして、凹部56は、第1嵌合部52よりも本体外周側に配置されている。また、本体12を正面視すると、第1シール部分94の付け根部(すなわち、連結部分L)が、凹部56と略重複する位置に設けられている。このように、連結部分L及び第1シール部分94が、第1嵌合部52よりも本体外周側に設けられていることによって、周縁部15に対する磁石86の吸脱着に伴う第1連結部90の伸長に対して、第1固定部82が第1嵌合部52から脱落することが抑制される。
また、本実施例では、ガスケット80は、本体12を正面視したときに、突出部50よりも本体外周側に位置する磁石86を有している。そして、突出部50の先端の位置が、磁石86の前面の位置よりも後方に位置している。したがって、突出部50により、磁石86の本体内周側への変位を抑制することができる。
また、本実施例では、ガスケット80が右扉30bに固定された状態では、第2連結部92は、磁石収容部88から突出部50よりも本体外周側において湾曲して本体外周側に向かって伸びた後、第2嵌合部54よりも本体外周側において前方に湾曲して第2固定部84に接続される。このように、第2連結部92が左右方向に伸びる部分を有することによって、ガスケット80の前後方向への柔軟性が向上し、磁石86を確実に周縁部15へ吸着させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
上述した実施例では、ガスケット80が観音開き式の左右扉30a、30bの裏面に取り付けられていたが、引き出し式の扉16a、18a、20a、22aの裏面に本明細書に記載のガスケットを取り付けてもよいし、引き戸式の扉に対して本明細書に記載のガスケットを取り付けてもよい。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10:冷蔵庫、12:本体、12a:外箱、12b:内箱、14:冷蔵室、14a:前面開口部、15:周縁部、30a:左扉、30b:右扉、32、34:ヒンジ部材、40:表面部材、44:外周部材、44a:外周部、44b:裏面部、44c:内周端、45:中間部材、48:裏面部材、50:突出部、52:第1嵌合部、54:第2嵌合部、56:凹部、60:第1リブ、62:第2リブ、64:第3リブ、66:ガイド部材、70:補強板、72:真空断熱パネル、74:発泡断熱材、80:ガスケット、82:第1固定部、84:第2固定部、86:磁石、88:磁石収容部、90:第1連結部、92:第2連結部、94:第1シール部分、96:第2シール部分、98:第3シール部分、100:回動軸中心

Claims (13)

  1. 本体と、
    前記本体に設けられた貯蔵室の前面開口部を開閉する扉と、
    前記扉と前記前面開口部の周縁部との間をシールするガスケットと、
    を備えており、
    前記ガスケットは、前記扉に固定される第1固定部と、前記扉の前記第1固定部よりも前記本体外側に固定される第2固定部と、を有している、冷蔵庫。
  2. 前記扉は、前記扉から突出する突出部を有しており、
    前記第1固定部が前記突出部よりも前記本体内側に位置しており、前記第2固定部が前記突出部よりも前記本体外側に位置している、請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記突出部の先端は、前記第2固定部よりも前記本体外側に位置している、請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記突出部の内部には、空間が設けられており、
    前記空間に断熱材が充填されている、請求項2又は3に記載の冷蔵庫。
  5. 前記扉は、前記本体を正面視したときに、前記扉の裏面に設けられており、前記裏面から突出する第1嵌合部と、前記扉の前記裏面であって前記第1嵌合部よりも前記本体外周側に設けられており、前記裏面から突出する第2嵌合部と、を有しており、
    前記第1固定部が前記第1嵌合部に嵌合されるとともに、前記第2固定部が前記第2嵌合部に嵌合される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記ガスケットは、複数のシール部分を有しており、
    前記扉が前記貯蔵室の前記前面開口部を閉塞する閉塞状態において、前記複数のシール部分のそれぞれが、前記扉の前記裏面に当接する、請求項5に記載の冷蔵庫。
  7. 前記扉は、前記扉の裏面から後方に向かって突出する突出部を有しており、
    前記扉は、前記扉の側面から前記裏面の一部に亘る範囲を構成する外周部材と、前記扉の前記裏面の他部を構成する裏面部材と、を有しており、
    前記突出部は、前記裏面部材に設けられており、
    前記突出部は、前記本体を正面視したときに、前記突出部の内面から前記扉の内部に向かって伸びる第1リブと、第2リブと、第3リブと、を前記本体外周側からこの順に有しており、
    前記第1リブは、前記外周部材の裏面に当接しており、
    前記第2リブは、前記外周部材の前記裏面側の端部よりも前記本体内周側で前記端部から離間して配置されており、
    前記第3リブは、前記外周部材の前記裏面よりも前方まで伸びている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  8. 前記第3リブの先端は、前記第2リブの先端よりも前方に位置しており、
    前記第2リブと前記第3リブの間の空間には、所定の間隔を空けて複数のガイド部材が設けられている、請求項7に記載の冷蔵庫。
  9. 前記第2リブは、前記扉の内部に充填される断熱材によって、前記本体外周側に押圧されている、請求項7又は8に記載の冷蔵庫。
  10. 前記扉の内部には、前記扉の裏面に接する位置に補強板が設けられている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  11. 前記ガスケットの前記第1固定部の少なくとも一部及び前記第2固定部の少なくとも一部は、前記ガスケットの他の部分と比較して剛性が高い材料により構成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  12. 前記扉の前記裏面には、前記第1嵌合部よりも前記本体外周側に、前記シール部分を挿入する凹部が設けられており、
    前記本体を正面視したときに、前記凹部に挿入される前記シール部分の付け根部が、前記凹部と略重複している、請求項6に記載の冷蔵庫。
  13. 前記扉は、前記扉の裏面から後方に向かって突出する突出部を有しており、
    前記ガスケットは、前記本体を正面視したときに、前記突出部よりも前記本体外周側に位置する磁石をさらに備えており、
    前記突出部の先端の位置が、前記磁石の前面の位置よりも後方に位置している、請求項1〜12のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
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