JP4887559B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、絶縁ゲート型パイポーラトランジスタ(IGBT)等の半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
IGBT(Insulated Gate Bipolor Transistor)は、MOSFETの高速スイッチング性および電圧駆動特性と、バイポーラ・トランジスタの低オン電圧特性を併せ持つ半導体装置である。
IGBTは、汎用インバータ、ACサーボや無停電電源(UPS)およびスイッチング電源などの産業分野をはじめ、電子レンジ、炊飯器およびストロボなどの民生機器分野への応用が拡大してきている。さらに、次世代IGBTの開発も進んでおり、新しいコンセプトの素子構造をしたIGBTの開発により、さらに低オン電圧のIGBTが開発され、応用装置の低損失化や高効率化が図られている。
【0003】
IGBTの構造には、エピタキシャル結晶を用いたパンチスルー型、FZ結晶を用いたノンパンチスルー型、そしてFZ結晶を用いたパンチスルー型であるフィールドストップ型等がある。
現在量産されているIGBTは、一部のオーディオ・パワー・アンプ用で、コンプリメンタリーに用いられるpチャネル型を除いて、ほぼすべて、nチャネル型の縦型二重拡散構造(n−DMOS型構造)となっている。つぎに、nチャネル型IGBTで、前記の3つの型の構造について説明する。
【0004】
図15は、エピタキシャル基板を用いたパンチスルー型のIGBTのセル部の要部断面図である。p+ 基板201と、このp+ 基板201上にエピタキシャル成長させて、バッファ層70と、活性層であるn- 層71を形成する。このバッファ層70とn- 層71がエピタキシャル成長層202であり、p+ 基板201とこのエピタキシャル成長層202を含めて半導体基板200となる。この半導体基板200はエピタクシャル基板とも言われる。また、厚いp+ 基板201は、IGBTのコレクタ層18となる。この半導体基板100のn- 層71の表面層にpウエル領域11を形成し、このpウエル領域11の表面層にn+ エミッタ領域12を形成する。n+ エミッタ領域12とn- 層71に挟まれたpウエル領域11上とn- 層71上にゲート絶縁膜13を介してゲート電極14を形成し、ゲート電極14上に層間絶縁膜15を形成し、その上にエミッタ電極17を形成する。また、コレクタ領域18であるp+ 基板201上に、コレクタ電極となる裏面金属膜19を形成する。図示しないが、このようにして形成された半導体チップに表面保護処理を施し、パッケージに収納して、パンチスルー型のIGBTが完成する。
【0005】
このパンチスルー型のIGBTでは、コレクタ電極である裏面金属膜19にプラス、エミッタ電極17にマイナスの定格電圧を印加したときに、n- 層71内に広がった空乏層が、n+ バッファ層70に到達するよう設計されている。この構造がIGBTでは主流の構造である。
耐圧600VのIGBTでは、n- 層71は、厚さ100μm程度で十分であるが、p+ 基板201を含む半導体基板200の厚さは300〜400μmになり、p+ 基板201の厚みが、オン電圧特性を改善する上で律則となり、また、エピタキシャル成長という高価な結晶を用いるために、IGBTの低コスト化の律則となっていた。
【0006】
これを打破するために、エピタキシャル基板を用いずに、安価なFZ結晶を用いて低コスト化を図り、さらに、低ドーズ量で厚みの薄いp+ コレクタ領域を形成したIGBTが開発された。このIGBTには、n- 層に広がった空乏層がp+ コレクタ領域に到達しないノンパンチスルー型と、バッファ層を設け、n- 層に広がった空乏層がバッファ層に到達するフィールドストップ型がある。
【0007】
図16は、ノンパンチスルー型のIGBTの断面構造である。FZ結晶の半導体基板300の表面側にpウエル領域11、n+ エミッタ領域12、ゲート絶縁膜13、ゲート電極14、層間絶縁膜15およびエミッタ電極17を形成し、裏面側にp+ コレクタ領域18およびコレクタ電極となる裏面金属膜19を形成する。pウエル領域11とp+ コレクタ領域18が形成されない半導体基板300がn- 層72となる。
【0008】
このノンパンチスルー型のIGBTでは、コレクタ電極である裏面金属膜19にプラス、エミッタ電極17にマイナスの定格電圧を印加したとき、n- 層72に広がった空乏層が、p+ コレクタ領域18に到達しないように設計されている。
このノンパンチスルー型のIGBTのp+ コレクタ領域18は、低ドーズ量で厚みが薄い層であり、図15のエピタキシャル基板を用いたパンチスルー型のIGBTよりも大幅に薄くなる。また、この構造では、p+ コレクタ層18の厚さと不純物濃度を制御することで、正孔の注入率を制御できるので、ライフタイムキラーの導入なしでも、高速スイッチング特性が得られる。しかし、n- 層72の厚さは、バッファ層で空乏層の伸びを停止させる構造のパンチスルー型に比べて厚くなるので、オン電圧は、やや高い値となる。しかし、高価なエピタキシャル基板を用いずに、安価なFZ結晶を用いるため、IGBTの低コスト化を図ることができる。
【0009】
図17は、フィールドストップ型のIGBTの断面構造である。基本構造は、図15のパンチスルー型IGBTと同じあるが、高価なエピタキシャル基板を用いずに、安価なFZ基板を用いて、半導体基板400の厚さをバックラップにより150〜200μmとしている。図15のパンチスルー型と同じくn- 層73の厚みは、600V耐圧では100μm程度にしてあり、定格電圧で、n- 層73内に形成された空乏層がn+ バッファ層70に到達するように設計されている。
【0010】
前記したように、p+ コレクタ領域70は、低ドーズ量の拡散深さが浅いp+ 拡散層で形成され、正孔の注入を抑制した、低注入コレクタ領域となっている。これにより、ノンパンチスルー型の場合と同様にライフタイムキラーの導入は不要である。また、n- 層73の厚みをノンパンチスルー型のIGBTと比べて、薄くできるため、オン電圧とスイッチング特性のトレードオフは、ノンパンチスルー型に比べて改善される。
【0011】
さらに、オン電圧の低減を目的として、図示しないが、半導体基板400の表面層に、狭くて深いトレンチ溝を形成し、そのトレンチ溝の表面にゲート絶縁膜を形成し、このトレンチ溝にポリシリコン等を充填して、トレンチMOSゲート構造を形成すると、オン電圧とスイッチング特性のトレードオフは一層改善される。
【0012】
しかし、これらのFZ結晶を用いた薄層基板の、ノンパンチスルー型もしくはフィールドストップ型のIGBTを実現するためには、半導体基板を薄くするために、裏面を研削するバックラップや裏面からのイオン注入とその後の熱処理等が必須になるため、製造プロセス上の技術的課題が多い。
図18から図25は、従来のノンラッチアップ型の薄膜基板のIGBTの製造方法で、工程順に示した要部工程断面図である。ここで、図19は、図18の平面図のX−X線で切断した要部工程断面図である。
【0013】
まず、675μm程度の厚さのFZ基板である半導体基材500を用いて、その表面側に、成膜工程、フォトリソグラフィ工程、不純物導入のためのイオン注入工程等を順に行って、ウエハ81aに、pウエル領域11、n+ エミッタ領域12、ゲート絶縁膜13、ゲート電極14、層間絶縁膜15、耐圧構造部の絶縁膜16およびエミッタ電極17を形成し、その上に、ウエハ81aを保護するためのレジスト膜80を2μm程度の厚さで形成する(図18、図19)。尚、図18の四角形は半導体素子82であり、その他の領域は素子分離領域83である。
【0014】
つぎに、半導体基材500の裏面を、裏面からの深さが525μmである研削線84までバックラップし、半導体基材500を、厚み150μmのウエハ81とする(図20)。
つぎに、ウエハ81の裏面からp型の不純物87をイオン注入86で導入する(図21)。
【0015】
つぎに、レジスト膜80を灰化して除去する(図22)。
つぎに、アニール(裏面アニールという熱処理)してp+ コレクタ領域18を形成する(図23)。
つぎに、Niを3μm程度の厚さに蒸着して、コレクタ電極となる裏面金属膜19を形成する(図24)。
【0016】
つぎに、図示しないウエハ−チェック等により各半導体素子82の電気的特性チェックを行う。
つぎに、素子分離領域83の切断領域20を、ウエハ切断機であるダイシングソー91で矢印92に沿って切断(ダイシング)して、半導体チップ500とする(図25(a)、(b))。
この半導体チップ500を表面保護処理し、パッケージに収納して、ノンパッンチスルー型の薄膜基板のIGBTが完成する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
図26は、図24の工程を終えた後のウエハ81の曲がり状態を示す図である。ウエハ81は、裏面金属膜19を形成することで、裏面金属膜19側が凹型になるように大きく反る。これは、蒸着で裏面金属膜19を形成しているときのウエハ81と裏面金属膜19の温度が室温より高く、室温に戻ったときに、熱膨張係数の大きい裏面金属膜19が、ウエハ81より大きく縮むためである。
【0018】
つぎに、図18から図24の各工程でのウエハ81の反り量Lを測定した結果について説明する。
図27は、従来品D(従来ウエハ)で、各製造工程と反り量を測定結果を示す図である。ウエハの直径は6インチである。図中の横軸は工程Noであり、工程0は、図19のレジスト膜80を被覆する前の工程、工程1は図19の工程、工程2は図20の工程、工程3は図21の工程、工程4は図22の工程、工程5は23の工程、工程6は図24の工程である。また、縦軸の+はウエハ81の表面側が凹型に反る場合で、−はウエハの裏面側が凹型に反る場合である。
【0019】
工程2のバックラップ後には、+1.4mmの反り量である。工程4のレジスト灰化により、反りは緩和されるが、工程5の裏面アニールにより、反り量は+2.1mmに増大する。そして、工程6の裏面金属膜19を蒸着で形成すると、反りは反転して、ウエハ81の裏面側が凹型となり、反り量は−3.1mmとなる。
【0020】
このように、工程6の裏面金属膜19をウエハ81の裏面に蒸着した後、図26のようにウエハ81が裏面側で凹型に大きく反ってしまう。この反り量が大きくなるとウエハ81が割れてしまう。また、割れない場合でも、反り量が大きいために、次工程のダイシング工程が行ないずらくなり、生産性が低下し、製造コストが高くなるという問題が生じる。さらに、ダイシング後の半導体チップ500の形状が歪み、IGBTの正規の特性が得られなくなる場合もある。
【0021】
この発明の目的は、前記の課題を解決して、ウエハの反り量を小さく抑制し、高い生産性により、低コスト化できる半導体装置の製造方法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、複数の半導体素子と、該複数の半導体素子を分離し、前記半導体素子が形成されない素子分離領域とを有する半導体ウエハで、該半導体ウエハの裏面側に、前記半導体素子の裏面電極となる第1金属膜が形成され、前記半導体ウエハが前記素子分離領域で切断されて、形成される半導体装置の製造方法において、半導体ウエハに、複数の半導体素子が形成される工程と、前記半導体ウエハの表面側の前記素子分離領域に前記半導体ウエハより熱膨張係数が大きい薄膜が形成される工程と、前記半導体ウエハの裏面側に第1金属膜が形成される工程と、前記半導体ウエハが前記素子分離領域で切断される工程とを含む製造方法とする。
【0023】
また、前記薄膜が素子分離領域に選択的に形成されるとよい。
また、前記薄膜が、第2金属膜であるとよい。
また、前記薄膜が、樹脂膜であるとよい。
また、前記第2金属膜が、前記第1金属膜と同じ材料からなるものであるとよい。
【0024】
また、半導体ウエハに、複数の半導体素子が形成される工程と、前記半導体ウエハの裏面側の全面に前記第1の金属膜が形成される工程と、素子分離領域の前記半導体ウエハの裏面側の前記第1金属膜が除去される工程と、前記半導体ウエハが前記素子分離領域で切断される工程とを含む製造方法とするとよい。
前記素子分離領域の第1金属膜が選択的に除去されるとよい。前記のように、第1金属膜を形成する前に、ウエハの表面側の素子分離領域に、ウエハの熱膨張係数より大きい膜を形成することで、第1金属膜を形成した後のウエハの反り量を小さくできる。これは、第1金属膜がウエハより熱膨張係数が大きいがために生ずる反りを、反対側の分離領域にもウエハよりも熱膨張係数の大きい薄膜を形成することで、相殺し、小さくするものである。また、ウエハの裏面側の素子分離領域の第1金属膜を除去することで、ウエハの反り量を小さくすることができる。
【0025】
このように、ウエハの反り量を小さくすることで、その後の、ウエハチェック、ダイシング作業をスムースに進め、高い生産性で低コストの半導体装置を製造することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1から図3は、この発明の第1実施例の半導体装置の製造方法で、工程順に示した要部工程断面図である。
図1において、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のX−X線で切断した要部工程断面図である。ここでは、ウエハの導電型をn型とするが、p型であっても構わない。その場合は、各領域の導電型は逆になる。
【0027】
従来の図23に相当する工程が終了したウエハ1の表面側の周辺部4に、Niなどの金属膜5を0.8μm程度の膜厚で、蒸着により形成する。尚、図中の符号で、2はウエハ1に形成された半導体素子、3は半導体素子2が形成されない素子分離領域、11はpウエル領域、12はn+ エミッタ領域、13はゲート絶縁膜、14はゲート電極、15は層間絶縁膜、16は耐圧構造部の絶縁膜、17はエミッタ電極、18はp+ コレクタ領域、100は半導体基板である(図1)。
【0028】
つぎに、ウエハ1の裏面全面にNiなどを3μm程度の膜厚に蒸着し、コレクタ電極となる裏面金属膜19を形成する(図2)。
つぎに、図示しないウエハ−チェック等により各半導体素子2の電気的特性チェックを行う。
つぎに、図2のウエハ1の切断領域20を、図示しないダイシングソー91で切断して、半導体チップ200を形成する(図3)。
【0029】
この半導体チップ200を、図示しない表面保護処理をして、パッケージに収納して半導体装置(ノンパンチスルー型で薄膜基板のIGBT)が完成する。
図4は、ウエハの表面に形成する金属膜の別の形成パターンである。図1の金属膜5に相当する金属膜22を形成する領域は、素子分離領域3のうち、ウエハ1を左右・上下に、対称に分ける十字領域3aである。
【0030】
図5は、ウエハの表面に形成する金属膜の別の形成パターンである。半導体素子2が形成されない素子分離領域3の4つのコーナー部に、図1の金属膜5に相当する金属膜23を形成する。
図6は、ウエハの表面に形成する金属膜の別の形成パターンである。半導体素子2が形成されない素子分離領域3の全面に、図1の金属膜5に相当する金属膜24を形成する。
【0031】
図1、図4、図5および図6のように、裏面金属膜19を形成する前に、素子分離領域3の表面に、Niなどの金属膜5、22、23、24を形成することで、裏面金属膜19を形成した後のウエハ1の反り量を小さくできる。
これは、前記したように、金属膜5、22、23、24を蒸着などで形成する場合、ウエハ1と金属膜5、22、23、24の温度は、室温より高い状態にあり、室温に戻した場合に、熱膨張係数の大きい金属膜5、22、23、24の縮みがウエハ1より大きいために、金属膜5、22、23、24を被覆した側、つまり、ウエハ1の表面側が、凹型になるように、ウエハ1は反ることになる。その状態で、ウエハ1の裏面側に裏面金属膜19を形成すると、前記の凹型を打ち消して、裏面側が凹型となる。しかし、当然、金属膜5、22、23、24を表面側に形成しない従来ウエハ81よりも、ウエハ1の裏面側が凹型に反る反り量は小さくなる。
【0032】
また、金属膜5、22、23、24の代わりに樹脂膜を形成しても同様の効果が得られる。この樹脂膜としては、レジスト、ポリイミドを用いるとよい。特に感光性のポリイミドが好ましい。その方法は、図1に相当する工程で、スピンコートによりポリイミドを3μm程塗布した後に、パターニングをして、ウエハ1の表面側の素子分離領域3にポリイミドを残すことである。
【0033】
ポリイミドは、塗布後の硬化で、体積が小さくなるために、ポリイミドが被覆したウエハの表面側が凹型に反る。この反りを裏面金属膜を形成することで、打ち消して、ウエハ1の裏面側が凹型になるように反る。当然、この反り量はポリイミドを被覆しない場合より小さくなる。
このように、ウエハ1の反り量を小さくすることで、その後の、ウエハチェック、ダイシング作業がスムースに進み、高い生産性で低コストの半導体装置を製造することができる。
【0034】
尚、ここでは、従来の図23の裏面アニール工程後に、ウエハ1の表面側の素子分離領域3に、金属膜5、22、23、24を蒸着する工程で説明したが、裏面アニール工程前に、金属膜5、22、23、24を成膜し、その後、裏面アニール工程で、この金属膜5、22、23、24をアニールしてもよい。この場合、第1実施例に示した場合よりも、裏面金属膜19を形成する工程前のウエハ1の反り量が大きくなる。しかし、裏面金属膜19の成膜は、この反り量を打ち消すように働くために、裏面金属膜19を形成する工程前の反り量が大きい程、裏面金属膜19を成膜後のウエハ1の反り量は、逆に少なくできる。また、反り量は、ウエハ1の表面に形成する金属膜5、22、23、24と裏面金属膜19の膜厚で、当然、調整することができる。
【0035】
図7は、図1(a)のパターンにおいて、ウエハの反り量と各工程の関係を示す図である。工程0は図19のレジスト塗布前、図19の工程後、工程1は図19の工程後、工程2は図20の工程後、工程3は図21の工程後、工程4は図22の工程後、工程5は図23の工程後、工程5aは図1の工程後、工程6は図2(従来工程では図24)の工程後である。点線が従来品Dで、実線が本発明品Aである。また、縦軸の反り量の記号で、+は、金属膜5(従来品ではエミッタ電極17)が形成されていえるウエハ1の表面側が凹型に反る場合を示し、−は、裏面金属膜19が形成されているウエハ1の裏面側が凹に反る場合を示す。
【0036】
本発明品(ウエハ)Aは、裏面金属膜19を形成する前の工程5aでは、金属膜5が形成されるウエハ1の表面側が凹型に反る反り量は、+2.4mmと、大きくなるが、裏面金属膜19の形成後の工程6のウエハ1では、ウエハの裏面側が凹型に反り、その反り量は−1.5mmとなる。この工程6の従来品Dの反り量は−3.1mmであり、この反り量に対して、本発明品Aの反り量は1.6mmも小くなっている。
【0037】
また、図4、図5、図6の金属膜22、23、24のパターンにした場合でも同様の効果が得られ、さらに、Ni膜の代わりにポリイミド膜を形成しても同様の効果が得られる。
図8から図10は、この発明の第2実施例の半導体装置の製造方法で、工程順に示した要部工程断面図である。これは、従来品の素子分離領域の裏面金属膜を選択的に除去した場合の実施例である。図9(a)は、図1(a)の裏面の平面図で、図9(b)は図9(a)のX−X線で切断した要部工程断面図である。
【0038】
ウエハ1は、従来の図23に相当する工程を終了したウエハである(図8)。
このウエハ1の裏面全面にコレクタ電極となる裏面金属膜19をNiなどで3μm程度の膜厚で形成し、周辺部34の裏面金属膜19を除去する。裏面金属膜19が除去された箇所が裏面金属膜除去領域36である(図9)。
つぎに、図示しないウエハ−チェック等により各半導体素子2の電気的特性チェックを行う。
【0039】
つぎに、図9のウエハ1の切断領域20を、図示しないダイシングソーで切断して、半導体チップ200を形成する(図10)。
この半導体チップ200を、図示しない表面保護処理をして、パッケージに収納して半導体装置が完成する。
図11は、ウエハの裏面金属膜除去領域の別の形成パターンである。これは、裏面金属膜除去領域37を、図4の金属膜22をウエハ1の裏面に投影した箇所とした場合である。ウエハ1の裏面金属膜19が十字に除去される。
【0040】
図12は、ウエハの裏面金属膜除去領域の別の形成パターンである。これは、裏面金属膜除去領域38を、図5の金属膜23をウエハ1の裏面に投影した箇所とした場合である。裏面金属膜19は、ウエハ1の4つのコーナーで除去される。
図13は、ウエハの裏面金属膜除去領域の別の形成パターンである。これは、裏面金属膜除去領域39を、ウエハ1の裏面の素子分離領域33全域とした場合である。
【0041】
図8、図11、図12、図13のように、裏面金属膜19を選択的に除去することで、ウエハ1が裏面側に凹型に反る反り量を小さくすることができる。反り量としては、小さい順に、図13、図8、図11、図12となる。
このように、ウエハ1の反り量を小さくすることで、その後の、ウエハチェック、ダイシング作業がスムースに進み、高い生産性で低コストの半導体装置を製造することができる。
【0042】
図14は、図9(a)、図11のパターンで、ウエハの反り量と各工程の関係を示す図である。図9(a)のパターンが本発明品(ウエハ)Bで、図11のパターンが本発明品(ウエハ)Cである。また、これらの発明品A、Bと従来品Dとを比較した。図の縦軸、横軸は図7と同じである。但し、図7の工程5aはない。
【0043】
本発明品B、Cとも、前記した本発明品Aと反り量は、ほぼ同じで、従来品Dと比べて、1.7mm程度小さい。また、本発明品Bの方が本発明品Cより若干反り量が小さくなっている。
ウエハ1の反り量が小さくなることで、その後の、ウエハ−チェック、ダイシング作業をスムースに進め、高い生産性でチップ素子を製造することができる。
【0044】
尚、裏面金属膜19としては、Niの他に、TiやAu等、電極材料として適している金属であれば他の材料でもよい。
また、前記の第1実施例と第2実施例を組み合わせても、勿論、構わない。
【0045】
【発明の効果】
この発明によれば、半導体素子を複数形成した薄膜ウエハの表面側の素子分離領域に金属膜を形成したり、ウエハの裏面側の素子分離領域の裏面金属膜を除去することで、薄膜ウエハの反り量を小さくして、ウエハチェック、ダイシング作業をスムーズに進め、高い生産性で、低コストの半導体装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の半導体装置の要部工程断面図
【図2】図1に続く、この発明の第1実施例の半導体装置の要部工程断面図
【図3】図2に続く、この発明の第1実施例の半導体装置の要部工程断面図
【図4】ウエハの表面に形成する金属膜の別の形成パターン図
【図5】ウエハの表面に形成する金属膜の別の形成パターン図
【図6】ウエハの表面に形成する金属膜の別の形成パターン図
【図7】図1(a)のパターンにおいて、ウエハの反り量と各工程の関係を示す図
【図8】この発明の第2実施例の半導体装置の要部工程断面図
【図9】図8に続く、この発明の第2実施例の半導体装置の製造工程で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のX−X線で切断した要部工程断面図
【図10】図9に続く、この発明の第2実施例の半導体装置の要部工程断面図
【図11】ウエハの裏面金属膜除去領域の別の形成パターン図
【図12】ウエハの裏面金属膜除去領域の別の形成パターン図
【図13】ウエハの裏面金属膜除去領域の別の形成パターン図
【図14】図9(a)、図11のパターンで、ウエハの反り量と各工程の関係を示す図
【図15】エピタキシャル基板を用いたパンチスルー型のIGBTのセル部の要部断面図
【図16】ノンパンチスルー型IGBTの断面構造図
【図17】フィールドストップ型IGBTの断面構造図
【図18】従来のノンラッチアップ型の薄膜基板のIGBTの平面図
【図19】図18のX−X線で切断した要部工程断面図
【図20】図19に続く、従来のノンパンチスルー型の薄膜基板のIGBTの要部工程断面図
【図21】図20に続く、従来のノンパンチスルー型の薄膜基板のIGBTの要部工程断面図
【図22】図21に続く、従来のノンパンチスルー型の薄膜基板のIGBTの要部工程断面図
【図23】図22に続く、従来のノンパンチスルー型の薄膜基板のIGBTの要部工程断面図
【図24】図23に続く、従来のノンパンチスルー型の薄膜基板のIGBTの要部工程断面図
【図25】図24に続く、従来のノンパンチスルー型の薄膜基板のIGBTの要部工程断面図
【図26】図24の工程を終えた後のウエハ81の曲がり状態を示す図
【図27】従来品(従来ウエハ)で、各製造工程と反り量を測定結果を示す図
【符号の説明】
1 ウエハ
2 半導体素子
3、33 素子分離領域
3a 十字領域
4、34 周辺部
5 金属膜
11 pウエル領域
12 n+ エミッタ領域
13 ゲート絶縁膜
14 ゲート電極
15 層間絶縁膜
16 絶縁膜
17 エミッタ電極
18 p+ コレクタ領域
19 裏面金属膜(コレクタ電極)
20 切断領域
22、23、24 金属膜
36、37、38、39 裏面金属膜除去領域
100 半導体基板
Claims (11)
- 複数の半導体素子と、該複数の半導体素子を分離し、前記半導体素子が形成されない素子分離領域とを有する半導体ウエハで、該半導体ウエハの裏面側に、前記半導体素子の裏面電極となる第1金属膜が形成され、前記半導体ウエハが前記素子分離領域で切断されて、形成される半導体装置の製造方法において、
半導体ウエハに、複数の半導体素子が形成される工程と、前記半導体ウエハの表面側の前記素子分離領域に前記半導体ウエハより熱膨張係数が大きい薄膜が形成される工程と、前記半導体ウエハの裏面側に第1金属膜が形成される工程と、前記半導体ウエハが前記素子分離領域で切断される工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記薄膜が素子分離領域に選択的に形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記薄膜が素子分離領域の全面に形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記薄膜が、第2金属膜であることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記薄膜が、樹脂膜であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2金属膜が、前記第1金属膜と同じ材料からなるものであることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記薄膜は、前記素子分離領域の前記半導体ウエハの外周部,前記素子分離領域の前記半導体ウエハを左右・上限対称に分ける十字領域,前記素子分離領域の4つのコーナー部の何れかに形成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
- 複数の半導体素子と、該複数の半導体素子を分離し、前記半導体素子が形成されない素子分離領域とを有する半導体ウエハで、該半導体ウエハの裏面側に、前記半導体素子の裏面電極となる第1金属膜が形成され、前記半導体ウエハが前記素子分離領域で切断されて、形成される半導体装置の製造方法において、
半導体ウエハに、複数の半導体素子が形成される工程と、前記半導体ウエハの裏面側の全面に前記第1の金属膜が形成される工程と、素子分離領域の前記半導体ウエハの裏面側の前記第1金属膜が除去される工程と、前記半導体ウエハが前記素子分離領域で切断される工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記素子分離領域の第1金属膜が除去される工程は、
前記第1の金属膜が選択的に除去されることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記素子分離領域の第1金属膜が選択的に除去される部分は、前記素子分離領域の前記半導体ウエハの外周部,前記素子分離領域の前記半導体ウエハを左右・上限対称に分ける十字領域,前記素子分離領域の4つのコーナー部の何れかであることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記素子分離領域の第1金属膜が除去される工程は、素子分離領域の前記半導体ウエハの裏面側の前記第1金属膜の全面が除去されることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
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