JP4886552B2 - 超電導コイルの冷却装置およびこれに用いる通気板 - Google Patents

超電導コイルの冷却装置およびこれに用いる通気板 Download PDF

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Description

本発明は、超電導モータや超電導トランス等に用いられる超電導コイルを、液体窒素などの液体冷媒で低温に冷却して超電導状態を発生させるための冷却装置、および当該冷却装置を構成するバイオネット継手に装着して用いられる通気板に関する。
この種の冷却装置としては、超電導コイルを収容した断熱性の容器に対して、冷凍機で冷却した液体窒素をポンプで循環供給する超電導コイル冷却保持装置が知られている(下記特許文献1:図3,4を参照)。
一般に液体窒素などの液体冷媒を輸送するためのポンプとしては、(ア)遠心ポンプに代表される、羽根車などの回転体を液体冷媒中で軸回転させることでこれに運動量を与えて移送するポンプと、(イ)往復動ポンプに代表される、ピストンなどの往復動体によって液体冷媒を押しのけることでこれを圧送するポンプとが用いられている。
遠心ポンプは、羽根車の連続的な回転により、移送される液体冷媒には常に安定的な圧力を得ることができるという利点がある。
一方、往復動ポンプは、ピストンなどの往復動によって液体冷媒の吸い込みと吐き出しとを繰り返す方式をとるため、吸込工程では液体冷媒が低圧となり、吐出工程では逆に高圧となる、いわゆる脈動が生じてしまうという問題がある。
ここで、超電導コイルを収容する容器の材料にはFRPなどの樹脂材料を用いることが通常である。熱伝導性が低くて外部雰囲気との熱授受が小さく、非磁性材料であって磁束の閉ループが形成されることがなく、さらに非導電性材料であるために超電導コイルの磁束に起因して渦電流が容器に発生することがなく抵抗発熱が生じないためである。
かかる容器を樹脂製とするにあたっては、樹脂材料は溶接による接合ができないことから、半割容器を併せてコイルを覆ったうえで容器同士を接着接合する必要がある。樹脂材料同士の接着には、接着力が強力で耐水性や充填効果が高いことからエポキシ系接着剤が一般に用いられている。
しかし、エポキシ系接着剤は低温で脆性破壊するため、超電導コイルの収容容器のように液体冷媒の低温に長期間曝される場合はクラックが生じるなどして強度が低下する懸念がある。特に、液体冷媒を循環させるために往復動ポンプを用いた場合、容器の内圧はポンプの脈動によって高圧と低圧とが繰り返されるため、かかる圧力負荷によって接着剤の低温脆性破壊が促進されて容器の液漏れが容易に生じる虞がある。
このため従来のこの種の冷却装置においては、下記特許文献中には明示の記載はないものの、脈動のない遠心ポンプを用いることが当業者の技術常識であった。
特開2006−165418号公報
液体冷媒の循環供給に遠心ポンプを用いた場合、軸回転する羽根車から液体冷媒に対してその遠心方向に与えられる大きな動的エネルギーによって液体冷媒が加熱されるため、冷凍機で冷却された液体冷媒の低温に熱ロスが生じるという大きな問題がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち超電導コイルを収容した樹脂製の容器に、冷凍機で冷却した液体冷媒をポンプで循環供給して当該超電導コイルを臨界温度以下に冷却する冷却装置であって、実用に足る耐久性を備え、さらにポンプの駆動による液体冷媒の熱ロスを抑えることのできる冷却装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、液体冷媒を循環させるための動力源として遠心ポンプを用いることが従来の技術常識であったところ、敢えてこれに往復動ポンプを用いることを試みた。その結果、往復動ポンプで圧送される液体冷媒の脈動を緩和する手段を併用することにより、脈動を完全には除去せずとも、超電導コイルの収容容器を接合する接着剤の低温脆性破壊の発生を実用的なレベルにまで抑制することが可能であるという知見に想到し、もって本発明の完成に至った。
すなわち本発明の冷却装置は、
(1)超電導コイルを収容する樹脂製の容器と、液体冷媒を貯留するタンクと、タンクに貯留される液体冷媒を冷却する冷凍機と、容器とタンクとを連通し、液体冷媒を容器とタンクとの間で循環させる配管と、タンクから容器に向けて液体冷媒を圧送する往復動ポンプと、を備える超電導コイルの冷却装置において、前記配管のうち往復動ポンプの吐出口と容器との間には、内管と外管との間が真空断熱された断熱二重構造の雄型継手及び雌型継手のそれぞれを互いに遊嵌して、前記配管同士を連結するバイオネット継手が設けられ、前記雄型継手の外管と雌型継手の内管との間には、封止ガスが封止された空隙部が形成され、前記配管のうち往復動ポンプの吐出口と容器との間には、前記圧送される液体冷媒の脈動を低減する圧力緩和装置が設けられ、前記圧力緩和装置は、前記配管から分岐して設けられた枝管と、前記バイオネット継手の雄型継手を遊挿する挿通孔および前記空隙部と前記配管の外部とを連通する通気孔が形成され、前記雄型継手及び雌型継手のそれぞれに具備されたフランジの間に挟んで気密に装着された通気板と、前記通気孔の先端開口部を覆って設けられ、弾性復元力をもつ可動壁が移動して内容積が可変に構成されたガス受容部とを有し、前記空隙部および前記通気孔は、前記枝管として用いられ、前記液体冷媒が配管内を圧送される際には、液体冷媒の液面と枝管とガス受容部とで囲まれる封止ガスの閉領域が形成されるとともに、(a)前記液体冷媒が前記脈動に伴う高圧で前記配管内を圧送される際には、前記液面によって前記通気孔を介して前記ガス受容部に押し出される封止ガスを、ガス受容部がその内容積を拡大させて受容し、(b)液体冷媒が前記脈動に伴う低圧で前記配管内を圧送される際には、ガス受容部が、前記可動壁の弾性復元力によりその内容積を縮小することで、前記脈動を緩和するように構成したことを特徴とする超電導コイルの冷却装置
(2)ガス受容部が、前記可動壁として袋状の弾性膜を有する上記(1)記載の超電導コイルの冷却装置
(3)超電導コイルを収容する樹脂製の容器と、液体冷媒を貯留するタンクと、タンクに貯留される液体冷媒を冷却する冷凍機と、容器とタンクとを連通し、液体冷媒を容器とタンクとの間で循環させる配管と、タンクから容器に向けて液体冷媒を圧送する往復動ポンプと、を備える超電導コイルの冷却装置において、前記配管のうち往復動ポンプの吐出口と容器との間には、内管と外管との間が真空断熱された断熱二重構造の雄型継手及び雌型継手のそれぞれを互いに遊嵌して、前記配管同士を連結するバイオネット継手が設けられ、前記雄型継手の外管と雌型継手の内管との間には、封止ガスが封止された空隙部が形成され、前記配管のうち往復動ポンプの吐出口と容器との間には、前記圧送される液体冷媒の脈動を低減する圧力緩和装置が設けられ、前記圧力緩和装置は、前記配管から分岐して設けられた枝管と、前記バイオネット継手の雄型継手を遊挿する挿通孔および前記空隙部と前記配管の外部とを連通する通気孔が形成され、前記雄型継手及び雌型継手のそれぞれに具備されたフランジの間に挟んで気密に装着された通気板と、前記通気孔の先端開口部に設けられたオリフィスと、前記オリフィスの先端に設けられたタンクと、を有し、前記空隙部および前記通気孔は、前記枝管として用いられ、前記液体冷媒が配管内を圧送される際には、液体冷媒の液面と枝管とオリフィスとタンクとで囲まれる封止ガスの閉領域が形成されるとともに、(a)前記液体冷媒の脈動によって配管の内圧が上昇した際には、オリフィスを通じて前記封止ガスが前記タンクに吸い込まれ、(b)前記液体冷媒の脈動によって配管の内圧が下降した際には、前記タンクから前記封止ガスを放出することで、前記脈動を緩和するように構成したことを特徴とする超電導コイルの冷却装置
を要旨とする。
また本発明においては、
(4)配管同士を接続するバイオネット継手の雄型継手と雌型継手がそれぞれ備えるフランジに挟んで用いられ、バイオネット継手の内部と外部とを連通する通気板であって、
前記雄型継手を遊挿し、前記雄型継手の先端部の外形寸法以上の内径を有する挿通孔が板厚方向に設けられ、前記通気板の表裏面にはOリング装着溝が前記挿通孔を囲んでそれぞれ設けられ、かつ、前記通気板の板厚内には、表裏のOリング装着溝の間をくぐって前記雄型継手の外管と雌型継手の内管との間に形成された空隙部と前記通気板の外部とを連通する通気孔が設けられていることを特徴とする通気板;
を構成部品として用いることにより上記課題を解決する超電導コイルの冷却装置を得ることができる。
上記請求項1に記載の発明によれば、冷凍機で冷却した液体冷媒を、超電導コイルを収容した樹脂製の容器に循環供給することで、超電導コイルを低温の超電導状態に維持することができるとともに、渦電流に起因する磁束のロスや熱損の発生を防止するという基本的な効果に加え、液体冷媒の移送に往復動ポンプを用いることにより、遠心ポンプの場合に比べて、液体冷媒に与えられる動的エネルギーを低減し、液体冷媒の低温の熱ロスを抑えることができる。往復動ポンプは、ピストンなどの往復動体の駆動方向が液体冷媒の移送方向と一致しているため、同等の移送能力をもつポンプ同士で比較した場合、ポンプから液体冷媒に与えられる動的エネルギーが遠心ポンプの場合よりも小さくなるためである。
また往復動ポンプは遠心ポンプに比べて一般に機構が単純で安価に得ることができるという利点もある。
さらに、往復動ポンプの吐出口と樹脂製容器との間に設置した圧力緩和装置によって、往復動ポンプで生じる脈動を低減することにより、樹脂製容器の接合に用いる接着剤の低温脆性破壊の発生を抑え、長期間の連続運転に耐える実用的な超電導コイルの冷却装置(以下、簡単のため「冷却装置」という場合がある。)を得ることができる。
また、上記請求項1に記載の冷却装置によれば、圧力緩和装置の備える枝管内の封止ガスをガス受容部に出入りさせる方式としたことにより、封止ガスの体積が小さくても効率的に液体冷媒の脈動を解消することができる。これは、送液に接する気相を固定容器内で圧縮して脈動を緩和する通常のアキュムレータ(バッファタンク)と比べ、本発明では内容積が可変のガス受容部に封止ガスを逃がすことができるためである。すなわち、通常のバッファタンクを圧力緩和装置に用いる場合と比較して、小さな設置スペースによって同等の脈動緩和能力を得ることができる。
また、上記請求項1に記載の冷却装置によれば、断熱二重配管用の継手であるバイオネット継手のフランジ同士の間に通気板を挟みこむことで当該配管と圧力緩和装置とが連通され、バイオネット継手内のガスを封止ガスとして利用することができる。このため、既存の冷却装置の配管構成を変更することなく圧力緩和装置を後付けすることができ、コストメリットやメンテナンス性に優れる。
また本発明における更に具体的な態様である上記請求項に記載の冷却装置によれば、可動壁に袋状の弾性膜を用いてガス受容部を構成することができるため、きわめて簡単な構成で圧力緩和装置を得ることができる。これにより圧力緩和装置の製造が安価で、その取り付けや交換が容易であるとともに、軽量でハンドリング性に優れ、さらに往復動ポンプとコイル収容容器との間の配管からぶら下げて設置することもできるため、冷却装置全体が省スペースとなる。
また、上記請求項3に記載の冷却装置によれば、空隙部とタンクとの間にオリフィスを設けることで、脈動に追随する空隙部の圧力変動のタイミングに対して、所定の容積をもつタンクの内圧の変動のタイミングを遅らせることで、空隙部の圧力の変動幅を低減し、もって液体冷媒の脈動を緩和することができる。
また本発明における更に具体的な態様である上記請求項4に記載の通気板によれば、断熱二重配管用の継手であるバイオネット継手のフランジ同士の間に通気板を挟みこむことで当該配管と圧力緩和装置とが連通され、バイオネット継手内のガスを封止ガスとして利用することができる。このため、既存の冷却装置の配管構成を変更することなく圧力緩和装置を後付けすることができ、コストメリットやメンテナンス性に優れる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明の第一の実施形態にかかる冷却装置10の構成を示す模式図である。
冷却装置10は、超電導コイル32を内部に収容する樹脂製の容器30と、超電導コイル32を冷却するための液体冷媒22を貯留するタンク20と、液体冷媒22を冷却する冷凍機24と、容器30とタンク20とを連通し、液体冷媒22を容器30とタンク20との間で循環させる配管26(26a,26b)と、タンク20から容器30に向けて液体冷媒22を圧送する往復動ポンプ40とを備えている。
冷凍機24で冷却された液体冷媒22は、往復動ポンプ40の吐出口42より押し出されると、配管(供給管)26aを通じて容器30に送られ、超電導コイル32を冷却したのち、配管(返送管)26bを通じてタンク20に還流される。
また本発明の冷却装置10は、配管26のうち、往復動ポンプ40の吐出口42と容器30との間に、液体冷媒22の脈動を低減する圧力緩和装置50を備えることを特徴とするものである。
以下、本発明の冷却装置10の各構成要素についてそれぞれ簡単に説明する。
液体冷媒22は、低温液化ガスであり、代表的には液体窒素が用いられるが、このほか超電導コイル32に必要な冷却温度に応じて液体ヘリウムや液体水素などを用いることもできる。
超電導コイル32は、いわゆる超電導材料を螺旋状に巻き回したものであり、超電導トランスや超電導モータ、超電導マグネット、各種の低温計測機器等に用いられるものである。同図では容器30内に二つの超電導コイル32を直列して設置してあるが、用途に応じて設置する向きや個数は適宜選択できる。
容器30は、非導電性かつ非磁性の材料であって熱伝導率の低い樹脂材料からなる。機械的強度の観点から、FRP(繊維強化プラスチック)、特にGFRPが好適に用いられる。
図示のように容器30は、超電導コイル32を収容する内槽33と、これを覆う外槽34とが互いに真空断熱された内外二重壁構造からなり、外部雰囲気と内槽33との熱授受が遮断されている。
容器30の形状は特に限定されるものではないが、超電導コイル32が超電導モータである場合、軸回転する超電導コイル32にあわせて円筒状とすることが通常である。円筒の長手方向の両端は、それぞれ図示のように滑らかに半球状とすることで応力集中を防ぐことができる。
円筒状の容器30は、まず半割筒状に成型されて、内部に超電導コイル32を収容したうえで互いに併せられてエポキシ樹脂系等の接着剤によって接合される。
容器30には、連結して内槽33に液体冷媒22を供給するための供給口35と、超電導コイル32を冷却した液体冷媒22を内槽33から排出する排出口37とが設けられるほか、超電導コイル32の給電線や各種の信号線を引き出すための貫通孔(図示せず)が設けられている。
容器30の供給口35には図示のようにバイオネット継手36が設けられ、容器30側に取り付けられた雌型継手36aと、配管26aの先端に取り付けられた雄型継手36bとがそれぞれ断熱二重配管構造を有している。かかる雌型継手36aと雄型継手36bとを嵌め合わせることで、配管26aが内槽33と断熱状態で連通する。
排出口37についても同様にバイオネット継手が設けられ、配管26bと内槽33とが断熱状態で連通している。
液体冷媒22を貯留するタンク20は、外部雰囲気と液体冷媒22との熱授受を抑えるため、内槽20aと外槽20bとからなる内外二重壁構造で構成され、内槽20aと外槽20bとの間は真空断熱されている。容器30と異なり内部で渦電流による発熱が生じる虞はないことから、タンク20の材料は特に限定されず、ステンレス鋼(SUS)などの金属材料を用いることができる。
容器30とタンク20とを連通して液体冷媒22を循環させる配管26(26a,26b)には、内外二重構造の真空断熱配管を用いることができる。配管26の先端にバイオネット継手を用いることで、上述のように液体冷媒22を外部雰囲気から断熱したまま容器30とタンク20とを配管26によって連通することができる。
したがってタンク20のうち、配管26bを通じて容器30から還流された液体冷媒22を受け入れる受入口28と、後述する往復動ポンプ40の吐出口42についても、バイオネット継手の雄型継手または雌型継手(図示せず)が取り付けられている。
冷凍機24には、小型の蓄冷式冷凍機であるGM冷凍機やスターリング冷凍機を用いることができる。蓄冷式冷凍機は作動ガスの断熱膨張によって蓄冷材を徐冷して低温を得る冷凍機であり、4K程度の極低温まで冷却されるものが近年では開発されている。冷凍機24は、作動ガスの切換駆動をする駆動部24bと、低温が発生する冷却ヘッド24aとを備えている。かかる冷却ヘッド24aを液体冷媒22と熱的に接触させることで、液体冷媒22を飽和温度以下に冷却した状態で容器30に供給することができる。特に超電導コイル32の超電導特性を向上させるため、液体冷媒22を飽和温度以下の過冷却状態に冷却してもよい。
冷凍機24の配置位置は特に限定されるものではなく、図示のようにタンク20に貯留された液体冷媒22の中に冷却ヘッド24aを直接浸漬(どぶ漬け)し、駆動部24bをタンク20の外部に設ける方式が代表的であるが、タンク20とは分離して、別途の断熱容器の中に駆動部24bを設置してこれに配管26を巻き付けたり、熱交換器を用いて液体冷媒22と冷却ヘッド24aとを熱接触させたりしてもよい。
すなわち、液体冷媒22はタンク20と容器30との間を循環するため、その経路上のいずれかに冷凍機24を設置することで、タンク20に貯留される液体冷媒22を冷却して超電導コイル32に連続的に供給することができる。
タンク20の外部で液体冷媒22を冷却する場合、超電導コイル32に所望の低温の液体冷媒22が供給されるよう、往復動ポンプ40と、容器30の供給口35との間に冷凍機24を設けるとよい。
往復動ポンプ40は、タンク20から容器30に向けて所望の流量で液体冷媒22を圧送することができ、かつ液体冷媒22に対して与える摩擦熱の小さいものであれば特に限定されずに用いることができる。往復動ポンプは遠心ポンプに比べて送液(液体冷媒)に作用する仕事効率が高く、ピストンポンプ(プランジャポンプ)や膜ポンプの単動形、複動形または差動形のいずれを用いてもよい。このうち特に本発明においては、図示のように、ロッド43によって昇降駆動される仕切板44が蛇腹筒45によってポンプ筐体46に連結されたベローズ往復動ポンプを好適に用いることができる。シリンダ内でピストンが往復動する通常のピストンポンプ(シリンダポンプ)と比べ、ベローズ往復動ポンプは蛇腹筒45自体の容積が可変であってポンプ内に摺動部がないため、ポンプ自体の発熱が小さいためである。
蛇腹筒45と仕切板44は内筒47に収容され、これに沿って昇降可能である。ロッド43は図示しない油圧シリンダのピストンロッドであり、これを図中上方に引き上げると蛇腹筒45が縮み、内筒47に空間があく。すると逆止弁である吸入弁411が開いて、吸入口41を通じて液体冷媒22がポンプ内に流入する(吸込工程)。続けてロッド43を押し下げると、蛇腹筒45は伸びて内筒47内の空間が狭まる。すると逆止弁である吐出弁421が開いて液体冷媒22が吐出口42からタンク20外に圧送される(吐出工程)。ロッド43が下端まで下がると吐出工程は終わり、再度ロッド43を引き上げると、吐出弁421が閉じるとともに吸入弁411が開いて次の吸込工程が行われる。
油圧シリンダで仕切板44とともに駆動される蛇腹筒45は、液体冷媒22と直接接触するかまたは仕切板44を通じて間接に冷却され、液体冷媒22と同等の温度となることから、これを金属ベローズとすることで伸縮動作の凍結を防止するとよい。
圧力緩和装置50は、往復動ポンプ40が吸込工程と吐出工程とを繰り返すことで生じる液体冷媒22の脈動を、容器30に至る前に解消するものである。したがって圧力緩和装置50は、配管26のうち往復動ポンプ40の吐出口42の二次側と容器30の一次側との間に設けられる。
図1では、吐出口42と容器30との間に圧力緩和装置50を設けるという意味でこれを概念的に図示しているが、具体的な圧力緩和装置50の配置位置としては、吐出口42や供給口35に設けられたバイオネット継手に組み込んで設けることもでき、また上述のように冷凍機24をタンク20と分離してその後段に設ける場合は、配管26aと冷凍機24との間に設置してもよい。
圧力緩和装置50は、圧送される液体冷媒22の脈動を解消することができるものであれば作動原理は特に限定されるものではなく、大別すると(a)脈動の高圧または低圧に応じて液体冷媒22の流路を拡張または収縮する流路拡張方式と、(b)脈動の高圧と低圧の変動と逆位相の圧力を液体冷媒22に与える打消方式とが考えられる。
流路拡張方式(a)としては、(a1)固定容器内で気相と液相(液体冷媒22)とを隔膜で隔て、脈動にあわせて隔膜を揺動させることで液体冷媒22の流路を拡張または収縮するアキュムレータ(バッファタンク)や、(a2)後述する第二の実施形態のように、液体冷媒22と接する気相を出し入れする袋状の弾性膜(バルーン)などを例示することができる。
打消方式(b)としては、(b1)容器30に供給する液体冷媒22の流路を二式(複数式)とし、往復動ポンプ40から圧送される液体冷媒22の圧力変動と、他の往復動ポンプから圧送される液体冷媒の圧力変動とが逆位相となるよう、吸込工程と吐出工程のタイミングをずらす方式や、(b2)後述する第三の実施形態のように、液体冷媒22と接する気相を、オリフィスを介してタンクに出し入れさせる方式などを例示することができる。
図2は、本発明の第二の実施形態にかかる圧力緩和装置50を示す断面模式図であり、同図(a)は圧力緩和装置50が組み込んで設けられる、容器30の供給口35に設けられたバイオネット継手36(36a,36b)の断面図である。また同図(b)は、ガス受容部としてのバルーン54が連通した通気板52により構成された圧力緩和装置50と、これを挟み込む雌型継手36aおよび雄型継手36bの断面図である。
図3は、第二の実施形態にかかる圧力緩和装置50とバイオネット継手36の分解図である。
また図4は通気板52の三面図であり、同図(a)はその平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。図2,3に示す圧力緩和装置50の断面模式図は、図4(b)の正面視方向に対する縦断面図である。
図2(a)に示すようにバイオネット継手36は、雌型継手36aと雄型継手36bがそれぞれ備えるフランジ361a,361bを、Oリング365を挟んで互いに気密に接合してなる。フランジ361a,361b同士の接合はネジ等の緊締具367によって着脱自在に行うことが通常であり、したがってフランジ361a,361bにはそれぞれ、ネジ留め用の通孔(図示せず)が穿設されている。またフランジ361a,361bには、Oリング装着溝366a,366b(図3を参照)が設けられている。
雌型継手36aは、内管362aと外管363aとの間が真空断熱された断熱二重構造を備え、図中上端の開口部が大径に形成されている。
一方、雄型継手36bもまた内管362bと外管363bとの間が真空断熱された断熱二重構造を備え、図中下方の開口部が小径に形成されている。また雌型継手36aの内管362aの内径と雄型継手36bの内管362bの内径とは同一に構成されている。
これにより、雄型継手36bの開口端を雌型継手36aの開口端に挿入することで、雄型継手36bの内管362b内を流れる液体冷媒22は、外部雰囲気と断熱されたまま雌型継手36aの内管362aに流れ込むことができる。
雄型継手36bの先端部には、外管363bの外周にラジアルシール364が周着されて、雌型継手36aの内管362aと、雄型継手36bの外管363bとの間に形成される空隙部368に液体冷媒22が出入りすることを極力防止している。空隙部368には外部空気が封止ガス369として残置されるが、液体冷媒22として液体窒素を内管362aに流通させた場合、残置された空気中の酸素(大気圧下での飽和温度は90.18K)は液体窒素との界面にて凝集し、封止ガス369は、凝集されずに残った窒素ガスおよびその他の微量ガス成分と、液体窒素の気化ガスとが混合されてほぼ窒素ガスのみとなる。また液体冷媒22として液体ヘリウムなど窒素よりも飽和温度の低い物質を用いた場合は、当該空気中の窒素と酸素が凝集し、封止ガス369は実質的に液体冷媒22の気化ガスとなる。したがってかかる封止ガス369は、液体冷媒22の液面と、雄型継手36bの外管363bと、雌型継手36aの内管362aとで囲まれる閉領域である空隙部368に存在することになる。
これに対し図2(b)に示す本実施形態の圧力緩和装置50は、この封止ガス369を有効に用いて液体冷媒22の脈動を緩和することを特徴とする。
圧力緩和装置50は、雌型継手36aのフランジ361aと雄型継手36bのフランジ361bとの間に通気板52を挟着し、さらに通気板52に横孔として設けられた通気孔522とバルーン54とを接続管56で連通して得ることができる。
図3および図4に示すように、通気板52には雄型継手36bの先端部を挿通するための挿通孔521が板厚方向に設けられ、かつその表裏面にはOリング装着溝523,524が挿通孔521を囲んでそれぞれ設けられている。通気板52に削成されたOリング装着溝523,524は、バイオネット継手36のフランジ361a,361bに削成されたOリング装着溝366a,366bと同径である。したがって挿通孔521の最大内径は上記のようにフランジ361a,361bに予め設けられたOリング装着溝366a,366bの内径以下である。また挿通孔521の最小内径は、雄型継手36bの先端部の外管363bの外径以上とする必要があるが、外管363bがラジアルシール364を備える場合は、挿通孔521に雄型継手36bを挿入する際に互いに干渉しないよう、ラジアルシール364の外径寸法以上とする。すなわち挿通孔521の内径は、雄型継手36b先端が遊挿可能な寸法とする。
これにより、フランジ361aと通気板52の間、および通気板52とフランジ361bとの間に、それぞれOリング365a,365bを挟みつつ通気板52をフランジ361a,361bの間に介装することで、雄型継手36bと雌型継手36aとは外部雰囲気との断熱状態を保ったまま互いに接合される。なお、雄型継手36bと雌型継手36aの挿入深さは通気板52の板厚分だけ浅くなるが、通常のバイオネット継手36においては、かかる挿入深さは十分に用意されているため、継手同士の嵌合が不十分となることはない。
なお通気板52には、緊締具367を挿通するための通孔525が、フランジ361a,361bの通孔に対応する位置に設けられている。また本実施形態では一枚の通気板52をフランジ361a,361bの間に装着しているが、二枚以上の板体を組み合わせて通気板52を構成してもよい。
通気板52には、上記のようにその板厚内に通気孔522が設けられている。通気孔522を、通気板52の表裏に設けられたOリング装着溝523,524の間をくぐってその内側と外側とを連通するように設けることにより、バイオネット継手36の内部に形成された空隙部368と通気板52の外部とが通気孔522によって連通する。
通気孔522の態様としては、図示のように挿通孔521と周面526とを連通する横孔とするほか、Oリング装着溝523,524の間をくぐる横孔の一端または両端を通気板52の板厚方向に折り曲げてその上面または下面に開口端を設けた曲孔としてもよい。
本実施形態の圧力緩和装置50は、液体冷媒22を流通する配管から枝管を分岐して設けることで液体冷媒22の流路を脈動にあわせて一時的に拡張可能にするとともに、枝管の先端開口部に内容積が可変のガス受容部を設けることで、当該枝管と液体冷媒22の液面221とガス受容部とで囲まれる封止ガス369をガス受容部に出し入れ可能としたものである。
具体的には、図2(b)に図示する本実施形態の圧力緩和装置50では、内管362a,362bから分岐する枝管として、バイオネット継手36の空隙部368、および通気板52の通気孔522を用いている。
また通気孔522の先端開口部を覆って設けられるガス受容部として、袋状の弾性膜であるバルーン54、および接続管56が常温かつ大気圧下で設けられている。バルーン54は、ガス受容部の内容積を可変とする可動壁として作用する。
かかる状態で、所定の吐出圧で往復動ポンプ40により液体冷媒22を圧送した場合、バルーン54内には液体冷媒22の気化ガスと空気との混合ガスが大気圧+吐出圧に相当する内圧で貯留され、また封止ガス369は接続管56を介して空隙部368とバルーン54との間を往来することができる。
したがって、雄型継手36bの内管362bの内部を流れる液体冷媒22の吐出圧が脈動によって一時的に高圧になった場合、内管362bから分岐する空隙部368に液体冷媒22が流れ込むことでその流路を拡大して当該高圧を緩和することができる。
ここで、図2(a)に示す通常のバイオネット継手36では空隙部368が閉領域であるため、液体冷媒22の液面221の昇降は、僅かな体積にすぎない封止ガス369自身の膨張/収縮変形によって受ける必要があり、仮に雌型継手36aの内管362aとラジアルシール364との隙間から液体冷媒22が空隙部368に流入可能、すなわち液面221が昇降可能であったとしても、液体冷媒22の脈動の解消効果は極めて僅かである。
これに対し、本実施形態の圧力緩和装置50によれば、液体冷媒22の脈動(高圧)に伴って液面221により押し上げられた封止ガス369は接続管56を通じてバルーン54に逃げることができるため、液面221は脈動の高低に応じて比較的自由に昇降可能となり、液体冷媒22の僅かな脈動をも吸収することができる。逆に液体冷媒22が低圧となった場合、封止ガス369およびバルーン54内に貯留された気化ガス(+空気)が空隙部368に流入するため、液体冷媒22は液面221を低下させて流路を一時的に縮小し、脈動の低圧を解消することができる。
なお、本発明でいう液面221の昇降とは、液体冷媒22と空隙部368との界面が脈動によっていずれかの方向に移動することをいい、必ずしも鉛直方向に対する上下動を意味するものではない。
なお、バルーン54を常温雰囲気下に置いた場合、その内部に貯留される気化ガスや空気は常温またはこれに近い温度となることから、封止ガス369の出入りによって空隙部368には比較的高温のガスが流入することになるが、その流量は僅かであるとともに、封止ガス369の比熱は液体冷媒22のそれに比べて圧倒的に小さいことから、液体冷媒22の低温を奪う熱ロスとしては無視できる。少なくとも、従来の冷却装置で用いられている遠心ポンプの羽根車と軸受との間で生じる摺動摩擦熱の発熱量と比較すると、バルーン54から流入する熱量は小さいものといえる。
バルーン54は弾性膜であるため、脈動の高圧時には封止ガス369が流入することでその内容積を拡大させてこれを受容し、脈動の低圧時には弾性復元力によって内容積を縮小するとともに封止ガス369を吐き出すことができる。バルーン54の弾性は液体冷媒22の吐出圧に応じて選定可能である。すなわち、液体冷媒22の脈動によって封止ガス369の全量がバルーン54に流れ込んで液体冷媒22と弾性膜とが直接接触することがない程度の十分な弾性力を有することが好ましい一方、樹脂製の容器30の接着接合部に負荷を与えないよう液体冷媒22の脈動を十分に解消できる程度に柔軟な弾性変形が可能であることが好ましい。
具体例として、往復動ポンプ40として吐出圧0.03MPaG、脈動±0.02MPaGのベローズ往復動ポンプを用い、往復動回転数を6〜8回/分、液体冷媒22としての液体窒素を15リットル/分の流量で圧送する試験を行った。封止ガスの体積が40cmであるバイオネット継手36に通気板52を挟み込み、内容積2リットルのゴム膜(市販のフットボールチューブ)からなるバルーン54を通気板52の通気孔522と連通させたところ、上記脈動を±0.01MPaGに解消することができた。
なお、本発明においては図1に示すように配管26の途中にバッファタンクを配置することで液体冷媒22の脈動を解消することが可能である。しかし、通常のバッファタンクでは気相と液相とを隔てる隔膜に送液(液体冷媒22)が直接接触してこれが凍結する虞があることから、隔膜には金属ベローズを用いる必要があるところ、金属ベローズは一般に剛性が高く容易には変形しないことから脈動の解消能力は必ずしも十分には得られない。これに対し、枝管の先端開口部にガス受容部を設けて封止ガスを出入りさせる方式の圧力緩和装置50であれば、ガス受容部と液体冷媒22とは直接には接触しないため可動壁が凍結する虞はなく、可動壁にはゴム等の柔軟な弾性膜からなるバルーン54を用いることが可能である。
また、本実施形態の圧力緩和装置50は、雄型継手36bの外管363bと雌型継手36aの内管362aとの間に設けられる空隙部368を、脈動にあわせて配管26(内管362a,362b)の流路を一時的に拡張する枝管として用いるものであることから、雄型継手36bの先端にラジアルシール364(図2(a)を参照)を設ける必要はない。
本実施形態の変形態様として、液体冷媒22を流通する配管から分岐して枝管を設けることで液体冷媒22の脈動にあわせてその流路を拡張可能にするとともに、枝管内のガス(封止ガス)をガス受容部に一時的に逃がすことで当該拡張を容易にするものであれば、上記に例示したバルーン54および通気板52の組み合わせ以外にも圧力緩和装置50として各種を採ることができる。
例えば、配管26からT字状に枝管を分岐させるとともに、枝管の開口端を覆うように、袋状またはシート状の弾性膜や、ピストンで隔てられたシリンダの一室などをガス受容部として設け、枝管内の封止ガスを受け入れ可能にするとよい。このように、弾性膜やピストンを可動壁として備えることによりガス受容部は内容積が可変となるため、液体冷媒22の脈動による液面221の昇降に追随して封止ガスを出し入れさせることで、わずかな脈動に対しても液体冷媒22の流路を容易に拡張または縮小することができる。
また弾性膜やピストンで隔てられる封止ガスの反対側は、一般的なアキュムレータ(バッファタンク)のような固定容積とするよりも、可動壁の移動変形を容易にする観点から大気圧に開放することが好ましいといえる。
図5は、本発明の第三の実施形態にかかる圧力緩和装置50を示す断面模式図である。本実施形態の圧力緩和装置50は、上記第二の実施形態における接続管56に換えてオリフィス57を、バルーン54に換えてタンク58を用いたものである。すなわち本実施形態の圧力緩和装置50は、通気板52の通気孔522と連通するオリフィス57と、その先端に設けられたタンク58とから構成されるオリフィス付きタンクである。かかるオリフィス付きタンクを通気板52に接続することにより、液体冷媒22の液面221の昇降に伴って封止ガス369をタンク58内に緩やかに出入りさせることができる。
すなわち、液体冷媒22の脈動によって配管26aの内圧が上昇した場合は、液面221が上昇することで封止ガス369が一時的に圧縮されて、空隙部368はタンク58の内部よりも高圧となるため、オリフィス57を通じて封止ガス369がタンク58に吸い込まれる。
一方、脈動によって配管26aの内圧が下降した場合は、液面221が低下して空隙部368は一時的にタンク58よりも低圧となるため、封止ガス369がタンク58から放出される。
このように本実施形態の圧力緩和装置50によれば、空隙部368とタンク58との間にオリフィス57を設けることで、脈動に追随する空隙部368の圧力変動のタイミングに対して、所定の容積をもつタンク58の内圧の変動のタイミングを遅らせることで、空隙部368の圧力の変動幅を低減し、もって液体冷媒22の脈動を緩和することができる。
タンク58やオリフィス57は強度や加工性に優れる金属材料から作製することができ、オリフィス57の内径やタンク58の容積は液体冷媒22の脈動のレベルに応じて適宜選定可能である。
本実施形態の圧力緩和装置50には弾性復元力をもつ可動壁が不要であるため、タンク58を強固な部材より作製することができる。これにより、液体冷媒22の脈動が高い場合もタンク58が破裂することがなく、液体冷媒22が溢れ出す虞がないという利点がある。
第一の実施形態にかかる冷却装置10の構成を示す模式図である。 第二の実施形態にかかる圧力緩和装置50を示す断面模式図であり、(a)はバイオネット継手36の断面図、(b)はガス受容部としてのバルーン54が連通した通気板52により構成された圧力緩和装置50と、これを挟み込む雌型継手36aおよび雄型継手36bの断面図である。 第二の実施形態にかかる圧力緩和装置50とバイオネット継手36の分解図である。 通気板52の三面図であり(a)はその平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 第三の実施形態にかかる圧力緩和装置50を示す断面模式図である。
符号の説明
10 冷却装置
20 タンク
22 液体冷媒
24 冷凍機
26 配管
30 容器
32 超電導コイル
36 バイオネット継手
40 往復動ポンプ
50 圧力緩和装置
52 通気板
54 バルーン
57 オリフィス
58 タンク
368 空隙部
369 封止ガス

Claims (4)

  1. 超電導コイルを収容する樹脂製の容器と、液体冷媒を貯留するタンクと、タンクに貯留される液体冷媒を冷却する冷凍機と、容器とタンクとを連通し、液体冷媒を容器とタンクとの間で循環させる配管と、タンクから容器に向けて液体冷媒を圧送する往復動ポンプと、を備える超電導コイルの冷却装置において、
    前記配管のうち往復動ポンプの吐出口と容器との間には、内管と外管との間が真空断熱された断熱二重構造の雄型継手及び雌型継手のそれぞれを互いに遊嵌して、前記配管同士を連結するバイオネット継手が設けられ、
    前記雄型継手の外管と雌型継手の内管との間には、封止ガスが封止された空隙部が形成され、
    前記配管のうち往復動ポンプの吐出口と容器との間には、前記圧送される液体冷媒の脈動を低減する圧力緩和装置が設けられ、
    前記圧力緩和装置は、
    前記配管から分岐して設けられた枝管と、前記バイオネット継手の雄型継手を遊挿する挿通孔および前記空隙部と前記配管の外部とを連通する通気孔が形成され、前記雄型継手及び雌型継手のそれぞれに具備されたフランジの間に挟んで気密に装着された通気板と、前記通気孔の先端開口部を覆って設けられ、弾性復元力をもつ可動壁が移動して内容積が可変に構成されたガス受容部とを有し、
    前記空隙部および前記通気孔は、前記枝管として用いられ、
    前記液体冷媒が配管内を圧送される際には、液体冷媒の液面と枝管とガス受容部とで囲まれる封止ガスの閉領域が形成されるとともに、
    (a)前記液体冷媒が前記脈動に伴う高圧で前記配管内を圧送される際には、前記液面によって前記通気孔を介して前記ガス受容部に押し出される封止ガスを、ガス受容部がその内容積を拡大させて受容し、
    (b)液体冷媒が前記脈動に伴う低圧で前記配管内を圧送される際には、ガス受容部が、前記可動壁の弾性復元力によりその内容積を縮小することで、前記脈動を緩和するように構成したことを特徴とする超電導コイルの冷却装置。
  2. ガス受容部が、前記可動壁として袋状の弾性膜を有する請求項1記載の超電導コイルの冷却装置。
  3. 超電導コイルを収容する樹脂製の容器と、液体冷媒を貯留するタンクと、タンクに貯留される液体冷媒を冷却する冷凍機と、容器とタンクとを連通し、液体冷媒を容器とタンクとの間で循環させる配管と、タンクから容器に向けて液体冷媒を圧送する往復動ポンプと、を備える超電導コイルの冷却装置において、
    前記配管のうち往復動ポンプの吐出口と容器との間には、内管と外管との間が真空断熱された断熱二重構造の雄型継手及び雌型継手のそれぞれを互いに遊嵌して、前記配管同士を連結するバイオネット継手が設けられ、
    前記雄型継手の外管と雌型継手の内管との間には、封止ガスが封止された空隙部が形成され、
    前記配管のうち往復動ポンプの吐出口と容器との間には、前記圧送される液体冷媒の脈動を低減する圧力緩和装置が設けられ、
    前記圧力緩和装置は、
    前記配管から分岐して設けられた枝管と、前記バイオネット継手の雄型継手を遊挿する挿通孔および前記空隙部と前記配管の外部とを連通する通気孔が形成され、前記雄型継手及び雌型継手のそれぞれに具備されたフランジの間に挟んで気密に装着された通気板と、
    前記通気孔の先端開口部に設けられたオリフィスと、前記オリフィスの先端に設けられたタンクと、を有し、
    前記空隙部および前記通気孔は、前記枝管として用いられ、
    前記液体冷媒が配管内を圧送される際には、液体冷媒の液面と枝管とオリフィスとタンクとで囲まれる封止ガスの閉領域が形成されるとともに、
    (a)前記液体冷媒の脈動によって配管の内圧が上昇した際には、オリフィスを通じて前記封止ガスが前記タンクに吸い込まれ、
    (b)前記液体冷媒の脈動によって配管の内圧が下降した際には、前記タンクから前記封止ガスを放出することで、前記脈動を緩和するように構成したことを特徴とする超電導コイルの冷却装置。
  4. 配管同士を接続するバイオネット継手の雄型継手と雌型継手がそれぞれ備えるフランジに挟んで用いられ、バイオネット継手の内部と外部とを連通する通気板であって、
    前記雄型継手を遊挿し、前記雄型継手の先端部の外形寸法以上の内径を有する挿通孔が板厚方向に設けられ、
    前記通気板の表裏面にはOリング装着溝が前記挿通孔を囲んでそれぞれ設けられ、かつ、前記通気板の板厚内には、表裏のOリング装着溝の間をくぐって前記雄型継手の外管と雌型継手の内管との間に形成された空隙部と前記通気板の外部とを連通する通気孔が設けられていることを特徴とする通気板。
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