JP4886194B2 - 自己トロンビン血清の製剤用装置および方法 - Google Patents

自己トロンビン血清の製剤用装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は、血液中のカスケード凝結蛋白質の濃度を増加し、必要ならば蛋白質を活性化させる装置および方法に関する。さらに詳しく言えば、本発明は、血漿供給原料に存在するプロトロンビンをトロンビンに変換するように用いられる。
全血を供与者から採集し、異なる生成物に処理することができる。血小板富血漿(PRP)は、血小板の小球化を防止するために遅い回転を用いて赤血球から血漿を分離することによって生成される。血小板貧血漿(PPP)は、赤血球と共に血小板を小球化するように速い回転を用いて赤血球から血漿を分離することによって生成される。血小板貧血漿は、トロンビン用に好適な出発材料である。
トロンビンのような血液血漿蛋白質は、医療、製薬および産業の用途において多くの使用例を有している。例えば、活性化された凝結カスケード蛋白質は、生体工学材料を生成しかつ血液の診断試験を行うのに用いられる。さらに、創傷治癒、血行停止、組織接着生成物が、全血から抽出された生体工学材料の使用によって促進される。創傷治癒に有用な生体工学材料の一例は、血小板ゲルである。血小板ゲルは、クエン酸塩凝結防止血小板富血漿をカルシウムとトロンビンとで混合することによって製剤されうる。溶液は、凝結する創傷または再建手術部位に塗布される。凝結は、血小板富血漿中のフィブリン基質の生成であり、トロンビンおよびそのカルシウム共同因子の酵素作用によるフィブリンに対するフィブリノーゲンの開裂の結果として起こる。
これらの血液系生体工学材料は、すべて凝結の終了段階を利用するものであり、すべてトロンビンを利用してもよい。しかし、信頼性がありかつ有用なトロンビン源を見いだすには問題があることが証明された。通常は、フィブリン基質をつくるために用いられるトロンビン酵素は、ウシを起源とする。ウシのトロンビンは、感染性作用因子を伝染させる可能性があり、それは特に再被験の際に人間にアレルギ反応および凝結障害を発生させることがある。従って、自己トロンビン、すなわち、患者から獲得され、次いで患者に戻されるトロンビンを用いることが望ましい。
しかし、自己トロンビンを臨床的使用のために実用可能にするために解決されなければならない自己トロンビンの製剤および使用には、あるいくつかの問題がつきまとっていた。例えば、過誤を排除するためには、実施の際の処置は単純でなければならず、汚染を排除するためには、使い捨て医療機器を用いて実行可能でなければならない。活性化の処置時間は比較的短くなければならない(例えば、10−30分)。さらに、トロンビン血清の活性度は、トロンビン血清が加えられるべきフィブリノーゲン基質を過剰に希釈させることなく、非常に迅速な(通常は5秒以下)凝結を誘発させるものとされることが望ましい。さらに、トロンビン血清は、手術処置中(10時間を超えることがある)に安定していなければならない。
今日まで、患者からの採血、時宜を得た自己トロンビンおよび/または血小板ゲルの製剤、ならびに患者への戻しを可能とする簡単または迅速な方法はなかった。
本発明は、単独の人間供与体の血液からトロンビン血清を製剤する装置および方法を提供する。トロンビン血清は、診断血液試験、創傷治癒用血小板ゲル、血行停止および組織接着用フィブリン接着剤を含む様々な目的に有用な生体工学材料を生成するために用いられてもよい。さらに、トロンビン単独で止血剤として用いられてもよい。さらに詳しくは、本発明は、全血、血漿または血漿分画からトロンビンまたは他の血液生成物を製剤する装置であって、入口および出口を有する反応室と、出口に隣接して配置されたフィルタと、反応室内側に配置されていて、反応表面を与える活性化剤と、反応室内側に配置された吸収剤と、を備えた装置を提供する。
上述の一般的記載および下記の詳細な記載は例示と説明であり、特許請求の範囲に記載された発明の詳しい説明を与えるために意図されていることを理解されたい。
本発明は、自己トロンビン血清の製剤技術においていくつかの利点を提供する。トロンビン血清は、装置、好ましくは注射器内で反応されかつ生成される。好適実施例においては、注射器は使い捨てである。
本発明の装置においては、全血、血漿または血漿分画が反応室内側の成分に曝される。これらの材料は、全血、血漿または血漿分画を所望のトロンビン血清に変換する。十分な処理時間後、血清は活性化または非活性化形態のいずれかに生成される。血清は、正常な生理学的状態の下で起こるものよりも高い濃度で凝結カスケード蛋白質を含有する。活性または非活性蛋白質は、反応室から都合よく取り除かれてもよく、他の処理および生成物に用いられてもよい。
本発明の装置は、血漿供給原料に存在するプロトロンビンをトロンビンに簡単かつ迅速な方法によって変換することを容易にする。合成濃縮自己トロンビン血清は、装置のフィルタを介して絞り出され、所望の特性を有する独特の生体工学材料の生成に触媒作用を及ぼすように用いられる。
本発明は、全血、血漿または血漿分画からトロンビンまたは他の血液生成物を製剤する装置であって、入口および出口を有する反応室と、出口に隣接して配置されたフィルタと、反応室内側に配置されていて、反応表面を与える活性化剤と、反応室内側に配置された吸収剤と、を備えた装置を提供する。好適実施例においては、反応室はカルシウムイオン源をさらに備えている。別の好適実施例においては、フィルタが反応室内側に配置されている。
入口および出口は同じ口でもよい。好適実施例においては、フィルタが反応室内側に配置され、装置が注射器であり、その注射器は末端領域を有し、プランジャおよびシリンダを備え、注射器の末端領域に入口/出口を有し、プランジャがシリンダから離れるよう基端側に動かされたとき、注射器が反応室を形成する。好適実施例においては、注射器の全容積は100ml未満である。
本発明の実施例においては、活性化剤および吸収剤が注射器のシリンダ内側で個々の領域に配置される。活性化剤および吸収剤は、注射器のシリンダの縦軸と同軸に向けられた層状円板でもよい。活性化剤はフィルタに隣接し且つフィルタの基端となり、また、吸収剤は活性化剤に隣接していてもよい。代案として、活性化剤および吸収剤はシリンダ内側で一体に混合されてもよい。
好適実施例においては、フィルタは、好ましくは約15ミクロンの孔径を有する多孔質プラスチック円板である。好適実施例においては、活性化剤は、ガラスビーズ、珪藻土、セラミック、カオリン、およびそれらの組合せから選択される。活性化剤は、ホウケイ酸塩ガラスビーズを含む。好適実施例においては、吸収剤は6000、20000、または30000より大きい分子量を有する化合物を除外する分子排除ゲルである。好適実施例においては、カルシウムイオン源は、CaClである。別の好適実施例においては、カルシウムイオン源は、カルシウムイオンを含むイオン交換樹脂である。好適実施例においては、エタノール、血漿、カルシウムイオン源が装置に導入された。
本発明は、全血、血漿または血漿分画からトロンビンまたは他の血液生成物を製剤する装置であって、入口および出口を有する反応室と、出口に隣接して配置されたフィルタと、反応室内側に配置された陰イオン性分子排除イオン交換樹脂と、を備えた装置を提供する。好適実施例においては、前記樹脂はカルシウムイオンを含む。別の好適実施例においては、フィルタは反応室内側に配置されている。
入口および出口は同一の口とすることができる。好適実施例においては、フィルタが反応室内側に配置され、装置が注射器であり、その注射器は末端領域を有し、プランジャおよびシリンダを備え、注射器の末端領域に入口/出口を有し、プランジャがシリンダから離れるよう基端側に動かされたとき、注射器が反応室を形成する。好適実施例においては、注射器の全容積は100ml未満である。
好適実施例においては、フィルタは、好ましくは約15ミクロンの孔径を有する多孔質プラスチック円板である。好適実施例においては、前記樹脂は6000、20000、または30000より大きい分子量を有する化合物を除外する分子排除ゲルである。好適実施例においては、エタノールおよび血漿が装置に導入された。
前記装置は、剛性の容器である。トロンビンは、ポンピング作用によって、または、機械力、空圧力もしくは液圧力を、容器からトロンビンを絞り出すところの本体に加えることによって、または、容器に遠心分離力を与えることにより、充填されたビーズベッドから液体に力を加えることによって、容器から取り出される。
前記装置は、可撓性袋でもよい。出発材料は、出口を有する可撓性袋に入れられてもよい。出発材料は反応させられ、トロンビンが練り歯磨きキー、圧力カフ等によって手動で袋から搾り出されてもよい。
装置は、遠心分離タンクでもよい。出発材料は遠心分離タンクに入れられ、反応させられる。次いで、遠心分離タンクが遠心力を受け、充填ビーズベッドから抜け出るトロンビンが回収される。
本発明は、血漿からトロンビンを抽出した組成物であって、血漿、エタノール、カルシウムイオン源、活性化剤および吸収剤を含む組成物を提供する。好適実施例においては、活性化剤は分子排除ゲルである。別の好適実施例においては、カルシウムイオン源は、CaClである。
本発明は、患者から自己トロンビンを製造する方法であって、患者から血漿または血漿分画を獲得すること、血漿または血漿分画、エタノール、およびカルシウムイオン源をトロンビン製剤用装置に導入すること、血漿または血漿分画をトロンビン製剤用装置の内容物と反応させてトロンビンを生成すること、ならびに、トロンビンをトロンビン製剤用装置から取り出すこと、を含む方法を提供する。トロンビン製剤用装置は、入口および出口を有する反応室と、出口に隣接して配置されたフィルタと、反応室内側に配置されていて、反応表面を与える活性化剤と、反応室内側に配置された吸収剤と、を備えている。好適実施例においては、血漿が患者から獲得され、血漿が血小板貧血漿である。別の好適実施例においては、フィルタが反応室内側に配置されている。さらに別の好適実施例においては、入口および出口が同じであり、装置が注射器であり、その注射器は末端領域を有し、プランジャおよびシリンダを備え、注射器の末端領域に入口/出口を有している。プランジャがシリンダから離れるよう基端側に動かされたとき、注射器が反応室を形成する。
本発明は、患者から自己トロンビンを製造する方法であって、患者から血漿または血漿分画を獲得すること、血漿または血漿分画、およびエタノールをトロンビン製剤用装置に導入すること、血漿または血漿分画をトロンビン製剤用装置の内容物と反応させてトロンビンを生成すること、ならびにトロンビンをトロンビン製剤用装置から取り出すこと、を含む方法を提供する。トロンビン製剤用装置は、入口および出口を有する反応室と、出口に隣接して配置されたフィルタと、反応室内側に配置されていて、反応表面を与える活性化剤と、反応室内側に配置された吸収剤と、反応室内側に配置されたカルシウムイオン源と、を備えている。
本発明は、患者から自己トロンビンを製造する方法であって、患者から血漿または血漿分画を獲得すること、血漿または血漿分画、およびエタノールをトロンビン製剤用装置に導入すること、血漿または血漿分画をトロンビン製剤用装置の内容物と反応させてトロンビンを生成すること、ならびにトロンビンをトロンビン製剤用装置から取り出すこと、を含む方法を提供する。トロンビン製剤用装置は、入口および出口を有する反応室と、出口に隣接して配置されたフィルタと、ならびに反応室内側に配置された陰イオン性分子排除イオン交換樹脂と、を備えている。好適実施例においては、前記樹脂はカルシウムイオンを含む。別の好適実施例においては、血漿が患者から獲得され、血漿が血小板貧血漿である。好適実施例においては、フィルタが反応室内側に配置されている。さらに別の好適実施例においては、入口および出口が同じであり、装置が注射器であり、その注射器は末端領域を有し、プランジャおよびシリンダを備え、注射器の末端領域に入口/出口を有している。プランジャがシリンダから離れるよう基端側に動かされたとき、注射器が反応室を形成する。
本発明は、患者から自己トロンビンを製造する方法であって、患者から血漿または血漿分画を獲得すること、血漿または血漿分画をエタノール、カルシウムイオン源、活性化剤および吸収剤と接触させること、血漿または血漿分画をエタノール、カルシウムイオン源、活性化剤および吸収剤と反応させること、ならびにトロンビンを活性化剤および吸収剤から取り出すこと、を含む方法を提供する。好適実施例においては、血漿は患者から獲得され、血漿が血小板貧血漿である。別の好適実施例においては、活性化剤は、ガラスビーズ、珪藻土、セラミック、カオリン、およびそれらの組合せから選択される。活性化剤は、ホウケイ酸塩ガラスビーズを含むことができる。好適実施例においては、吸収剤は6000、20000、または30000より大きい分子量を有する化合物を除外する分子排除ゲルである。好適実施例においては、カルシウムイオン源は、CaClであるかまたはカルシウムイオンを含むイオン交換樹脂である。
本発明は、患者から自己トロンビンを製造する方法であって、患者から血漿または血漿分画を獲得すること、血漿または血漿分画をエタノールおよび陰イオン性分子排除イオン交換樹脂と接触させること、血漿または血漿分画をエタノールおよび前記樹脂と反応させること、ならびにトロンビンを前記樹脂から取り出すことを含む方法を提供する。好適実施例においては、血漿は患者から獲得され、血漿が血小板貧血漿である。別の好適実施例においては、樹脂は、カルシウムイオンを含む。好適実施例においては、樹脂は6000、20000、または30000より大きい分子量を有する化合物を除外する分子排除ゲルである。
好適実施例においては、本発明は50国際単位/ml(42米国保健協会単位/mlに相当)、75国際単位/ml(63米国保健協会単位/mlに相当)、または100国際単位/ml(84米国保健協会単位/mlに相当)より大きい活性度を有する自己トロンビンを提供する。好適実施例においては、自己トロンビンが人間の患者から獲得された。自己トロンビンの活性度は、分光光度的に測定された色素基質を用いて試験管分析によって決定されることができる。試験サンプルの濃度は、光密度の変化率を観測しかつこれらの観測と標準曲線のそれとを比較することによって決定される。
本方法は、上述した任意の装置と共に使用されうる。さらに、その他の装置も本方法と共に使用されうる。吸収剤および活性化剤が透過性袋(ティーバッグに類似)に入れられ、透過性袋が血漿、エタノール、およびカルシウム源混合物中に置かれる。反応後、透過性袋は取り出され、トロンビンが透過性袋から取り囲まれる。陰イオン性分子排除イオン交換樹脂がこの種の装置に用いられてもよい。
出発材料がビーカー内で混合され、反応させられ、トロンビンを取り出すために濾過紙を介して排出される。濾過は、重力または真空もしくはポンプ補助によってなされてもよい。
好適実施例においては、血液のサンプルが患者から採集される。血漿が従来の方法によって他の血液成分から分離される。血漿(特に血小板貧血漿)が注射器内に吸引され、これらの出発材料と混合されたとき、注射器は、トロンビン血清の生成を生じる材料を収容する。トロンビン血清が絞り出されたとき、注射器と一体のフィルタがこれらの材料および望ましくない沈殿物を保持する。これらの材料は、好ましくは塩化カルシウム、活性化剤、エタノール、および分子排除ゲルを含む。
好ましくは、反応性成分および血漿流体が注射器内に収容される。ノズルの背後に配置された超音波一体結合フィルタを有する標準注射器は、非常に安価な収納容器および微粒子隔壁を与える。超音波結合に代えて、他の結合機構が用いられうる。例えば、接着剤、RF溶接、加熱重積、嵌合のみ等が用いられうる。注射器のプランジャは、流体を装置反応室に射出または引込むように操作されうる。一体フィルタは、固体成分が手術、滅菌、搬送、取扱い中に反応室に残ることを防止する。
自己トロンビンの製剤装置が図1に示されている。装置50は、入口54および出口56を有する反応室52を備えている。フィルタ58は、反応室52の内側でかつ出口56に隣接して配置される。活性化剤60が反応室52の内側に配置される。活性化剤60は反応表面を与える。吸収剤62が反応室52の内側に配置される。
自己トロンビンの製剤装置が図2において破断された状態で示されている。この装置は、プランジャ10およびシリンダ20を有する注射器5を備えている。図2において、プランジャ10は、基端11においてシリンダ20から引き出される状態で示されている。シリンダ20の末端13に口22がある。フィルタ24が口22に隣接している。好適実施例においては、フィルタ24は、注射器に超音波溶接されて無短絡シールを与える焼結多孔質プラスチック・フィルタを備えている。
シリンダ20は、ガラスビーズ活性化剤30、ポリアクリルアミド・ゲル34、および粉末塩化カルシウム36で充填される(ポリアクリルアミド・ゲルは、カリフォルニア州、ヘラクレスにあるBio−Rad研究所から入手できる商品名BIO−GEL P−6の下で市場から入手可能な1−6kdの分子排除を有する。)。取扱者が自己トロンビンの1回分をつくりたいとき、血漿38が注射器内に引き入れられ、その直後にエタノール40が追加される。気泡42が注射器に引き入れられて混合を許すための十分な空間を与える。取扱者は、内容物を混合しかつ調合するように注射器をしばらくの間振って内部を攪拌する。約15分の反応時間がトロンビン血清を生成するために要求される。代案として、塩化カルシウムをエタノールに含めるか、または注射器に引き入れられる別個の溶液に塩化カルシウムを含めてもよい。
自己トロンビン血清は、注射器内に貯留しておくことができ、所望の分割量だけ必要なときに他の成分と混合されるように分与される。自己トロンビン血清がすぐに必要ではないならば、注射器および内容物を冷蔵することが好ましい。室温で約1時間置いた後にはトロンビンが劣化を開始する傾向があるからである。
本発明の装置のための上述した反応室は、因子XIII、因子VIII、またはフィブリン密封剤用フィブリノーゲン等の他の濃縮血液生成物をつくるように用いられている蛋白質処理工程を提供するように、大形装置に含まれるようにしてもよい。このような装置は、必要に応じて、注射器プランジャを自動的に引いたり押したりすることができる。
自己トロンビンをつくる際に用いられる装置に含まれる材料が、次に詳細に説明される。
[カルシウムイオン]
好ましくは、カルシウムイオンは、血漿供給原料に存在するクエン酸塩抗凝結物質の作用を無効にするために与えられる。自己トロンビン血清を生成するために一般的に行われることは、トロンビン/Ca++血清が血小板富血漿(PRP)と結合されるか又はフィブリノーゲンが凝縮するときに続いて凝結が起こるように、プロトロンビンに触媒作用を及ぼすばかりではなく過剰分が含まれるよう十分なCa++の量をトロンビン供給原料血漿に加えることによって、クエン酸塩抗凝結物質の効果を無効にすることである。この「便益」により、正常な生理学的濃度よりは200xだけ多い量のCa++の供給原料の追加をもたらす。高濃度のCa++は、トロンビンになろうとするプロトロンビンの活性を阻止する。自己トロンビン血清を生成するために一層有効な製剤方法においては、トロンビン供給原料血漿が正常な生理学的濃度へ回復するのに必要な量ほど多くのCa++を使用しない。Ca++は、固有の凝固経路における一つのステップにおいて因子VIIと化学量論的に結合され、従って触媒共同因子としての後の使用にとってもはや有用ではないことが認められる。さらに、実際の使用においては、凝結防止全血分割量が多くなったり少なくなったりする実例に対して適応がなされなければならない。実験結果は、最適Ca++濃度範囲が正常な生理学的レベルであるかまたはそれよりわずかに下であることを示した。
負の電荷を有するイオン交換樹脂はカルシウムイオンを保持できる。続いて、これらのイオンは、凝結カスケード反応が起こるよう、血液蛋白質上に解放されることができる。これは、クエン酸塩の存在が血漿において起こす凝結防止を無効にする。従って、負に荷電された有機重合体樹脂に付着されたカルシウムイオンは、本発明の装置に用いられてもよい。適切な有機樹脂は、スチレン、アクリル、スチレン・ビニルベンゼン、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリエチレン、デンプン、セルロース等を含む。さらに、樹脂に存在する負の電荷は、血液蛋白質を活性化して凝結事態をさらに進めるようにすることもできる。
任意の無毒カルシウム塩が、クエン酸塩抗凝結剤を無効にするために装置内のカルシウム源として用いられてもよい。このような塩は、それらがCa++を血清蛋白質に移す限り、有機または無機でもよい。Ca++を血清成分に移す水不溶性材料の一例は、カルシウム陽イオンを有するBIO−REX70イオン交換樹脂(カリフォルニア州、ヘラクレスにあるBio−Rad研究所)である。適切な有機カルシウム塩は、カルシウム・プロピオン酸塩およびカルシウム・アセテートを含む。適切な無機塩は、水酸化カルシウム、カルシウム・アンモニア化合物、炭化カルシウム、炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、ピロ燐酸カルシウムを含む。塩化カルシウムは血清中に非常に溶けやすく、急速作用があり、安価であり、血漿血清のpHを著しく変えないので、塩化カルシウムは本発明の好適カルシウム源である。
[活性化剤]
活性化剤は、反応用の表面を与えるように用いられる。好ましくは、活性化剤は、血管コラーゲンに対して血液が露呈される状態をシミュレーションする負電荷触媒表面を与える。固有の凝結カスケード経路が、接触活性と呼ばれる処理、表面、および因子XIIの活性に集中される電荷依存現象によって開始される。因子XIIは、蛋白質加水分解に対して非常に影響を受けやすい。それは電荷相互作用を介して表面に結合されるからである。因子XII前駆体は、正味負電荷を持つ表面と相互作用をする正味正電荷の領域を有する。この電荷結合は、分子の能力を向上する構造変化を誘発し、血漿カリクレインおよび因子HKによって活性化を受ける。
接触活性化のために用いられる材料は、ホウケイ酸塩ガラス(すなわち、血液学ガラス)、珪藻土、セラミック、およびカオリンを含む。イオン交換樹脂は1つの単独材料中に3つの別個の処理機能(血漿蛋白質の陰イオン活性化、クエン酸塩を中和するカルシュウム源、および水分および低分子量流体を除去する分子排除吸収、従って最終血清の高分子量成分を濃縮すること)を与えることができる。
分子サイズ排除ゲルの充填分画空隙に等しいかまたはそれよりも大きい直径を有するガラスビーズが、トロンビン血清を滲出すように圧力が加えられたとき、水和ゲルベッドの有孔率を維持するこれらの割込み空間内にて構造上の支持を与えることがわかった。活性化剤の表面積をより大きくすると、プロトロンビンをトロンビンに変換する反応率は増加する。装置内に収容された負電荷活性化材料の表面積がより小さいと、反応率は低下する。また、活性化剤表面に存在する低い負電荷密度も反応率を低下させる。逆に、活性化剤表面のより大きい負電荷密度は反応率を増加させる。
好適実施例においては、活性化剤は、処理時間を短縮する強力な反応を可能にする大表面積を有し、また、トロンビン血清の濾過に有害ではないサイズである。陰イオン表面電荷を持ったホウケイ酸塩ガラスがこれらの好適特徴を有し、有効な活性化剤として使用されうることが実証された。
[エタノール]
溶剤分画は、凝結蛋白質の溶解度を低下させ、装置内で処理された血清の誘電率を減少させる。抗トロンビンIIIの溶解度のわずかな減少でもそれを沈殿させ、それによってプロトロンビンをトロンビンに変換する反応率を増加させる。エタノールの使用が好ましいが、メタノール、プロパノール、アセトン、またはメチルイソブチルケトン等の他の比較的非極性溶媒も処置を向上し、増加した反応率に寄与する。
エタノール(すなわち、Cohn−Oncleyエタノール分画)は、特定の凝結蛋白質の溶解度を低下するためにかつ血漿環境の誘電率を減少するために含まれる。エタノール分画は、フィブリノーゲンおよび抗トロンビンIIIを沈殿しかつ変性するように用いられる。エタノール分画による抗トロンビンIIIの除去は、プロトロンビンからトロンビンへの触媒作用のための固有凝結経路において、3点で抑制機能を迂回する。固有経路におけるこの調整因子の除去は、処理時間を短縮する。また、エタノールは比較的無毒である。
エタノールの分画は、対象の蛋白質の変性を防止するために通常は低温でなされる。フィブリノーゲンおよび抗トロンビンIIIの変性は、自己トロンビン処理にとって問題ではなく、実際は好ましい成果である。トロンビン血清は、血清の活性度を低下させずに処理時間を短縮するように室温で処理されることができる。
さらに、エタノールの追加は、血漿媒体の誘電率を減少させる。これは、処理時間を短縮するために血漿蛋白質と周囲のイオン環境との間での相互作用を容易にする。
[吸収剤]
吸収剤は、水分を吸収するために装置の反応室に収容される。水分を吸収しかつトロンビンを変性させない材料も、吸収剤として使用されることができる。分子排除ゲルは好適吸収剤である。分子排除ゲルビーズは、水分を吸収し、従って血漿供給原料における凝結蛋白質を濃縮する。この濃縮工程は、正常な生理学的レベルの下で達成可能なものよりも大きい活性度レベル(米国保健協会単位/ml)を持ったトロンビン血清を生成する。この使用のために適した材料は、通常乾燥されおよび/または親水性のクロマトグラフゲル(例えば、アガロース、デキストロース、シリカ、またはポリアクリルアミド)である。好適実施例においては、分子排除ゲルは、6000、20000、または30000よりも大きい分子量を有する化合物を排除するポリアクリルアミド・ゲルである。しかし、トロンビン血清の濃度とともに最適水溶性処理環境を維持することが必要である。酵素処理は、基質濃度、pH、およびイオン濃度に敏感である。効率的血漿分画は、フィブリノーゲンおよび抗トロンビンIIIの沈殿を最大にしかつトロンビン活性化への衝撃を最少にする濃度にエタノールが維持されることを要求する。プロトロンビン基質を濃縮するために血漿から水分を除去することは、イオンおよびエタノール濃度を好ましくなく増加する。従って、水分を除去するために用いられた吸収剤は、それがこれらの蛋白質のための最適水性環境を保持するように選択されなければならない。
固有の凝結経路は、プロトロンビンに触媒作用を及ぼすために4工程の酵素/基質カスケード増幅技術を用いる。酵素触媒作用反応率は、基質濃度が入手可能酵素因子を飽和したとき、最大にされる。血漿供給原料から水分を吸収するために乾燥剤を用いることは、凝結因子基質を濃縮し、反応率を最大にし、処理時間を最少にする。
陰イオン性分子排除イオン交換樹脂は、カルシウムイオンが陽イオン電荷均衡種であるとき、3つの処理機能(水分除去および血清蛋白質濃縮のための分子排除、凝結防止を無効にするためのカルシウム源、ならびに凝結カスケードを活性化するための負電荷)を発揮することができる。
好適実施例においては、適切な脱塩および分子量サイズ排除特性を持ったクロマトグラフゲル(1000−6000M.W.排除限界範囲を有するBIO−GEL P−6ゲル等)が用いられる。イオンおよびエタノール濃度は、トロンビン血清の濃度とともに、水性処理環境にとって最適であるレベルに維持されうるからである。例えば、1−6kd(BIO−GEL P−6等)の分子排除を持ったポリアクリルアミド・ゲルが、血清蛋白質濃度を有効に増加するのに十分な量の水分を除去する。装置内に収容されたゲル材料の多くの量は、分子排除ゲルの少ない量を収容する装置によって生成されるものよりも高いトロンビン濃度で血清を生成するばかりではなく、より多くの水分を除去し、従ってプロトロンビンをトロンビンに変換する反応率を増加する。
本発明の装置は、トロンビン血清寿命の増加を与える。トロンビンは、その濃度に比例した割合で自己触媒作用をする。トロンビン血清を1.5−4.5℃まで冷却することは、この劣化を最少にするが、トロンビン活性度(U/ml)の損失を無効にできない。クロマトグラフゲルの水和は、ゲルのほぼ完全な水和が4時定数の期間内に起こる状態では、約0.5−1時間の時定数によって記載されうる。ゲルによって一定に維持されたとき、冷蔵トロンビン血清は、次第に濃縮され、従って3−4時定数の期間にわたって活性度の損失を見ない。
[装置一体フィルタ]
装置反応室は、化学反応を促進するために血漿と相互作用をする粒状の材料を収容する。これらの固体材料は、最終血清を移し換えずかつ汚染させないようにすべきである。従って、装置は、流体が容易に放出されるばかりではなく、吸引されるように保持障壁を定位置に有していなければならない。単層の多孔プラスチック円板が、超音波溶接等によって試薬不純物室のオリフィスに固定されてもよい。異なる濾過性能特性を持った非類似材料の数層からなるサンドウィッチ構造合成フィルタが1回の工程で定位置に溶接されてもよい。合成フィルタ組立体は、フィルタの集結および密封能力を助成するために余分な溶接溶融プラスチック材料を与えるようにOリング構造を含んでもよい。Oリングは、下側に置かれた薄いフィルタ層を保持することを助成するために追加の支持を与えるように、交差部材構造を有していてもよい。しかし、好適フィルタは、15ミクロンの孔径を有する焼結多孔質ポリエチレンの単一円板(ジョージア州、フェアバーンにあるPortex社から入手できる商品名POREXの下で市販されている)である。このフィルタは、それはコストが低く、組立が容易であるので、好ましい。
標準の30mlポリエチレン注射器が、0.32cm(1/8in)厚、15μm孔径、焼結多孔質ポリエチレン・プラスチック・フィルタを注射器頂部に超音波溶接をすることによって準備された。80μm直径のホウケイ酸塩ガラスビーズを8gm、ポリアクリルアミド・ゲル(カリフォルニア州、ヘラクレスにあるBio−Rad研究所から入手できる商品名BIO−GEL P−6)を2.2gm、およびCaCl粉末を0.20mMで注射器が充填された。
24時間前に引き出された12mlのクエン酸塩凝結防止血小板貧血漿(PPP)が注射器に吸引された。その直後に、2.5mlの195貧エタノールが注射器に吸引された。混合気泡が与えられ、装置が内容物を混合しかつ拡散させるように短時間手で攪拌された。注射器は、プランジャ・エンドキャップ上に垂直に置かれ、14分間培養された。約12−13分で、血漿混合物の粘度は著しく増加するように観測された。14分で、5.5mlの自己トロンビン血清が装置から滲出され、約4.5℃に冷蔵された。
トロンビン血清は93米国保健協会単位/ml(111国際単位/ml)の活性度を有することが査定されかつ見出された。血小板富血漿(PRP)対トロンビン血清血小板ゲルの10:1容積比が、5秒未満で凝結するように観測された。PRP対トロンビン血清血小板ゲルの40:1容積比が、約35秒で凝結するように観測された。
この例は、血小板ゲル生成等の臨床用途に有効である活性度を有する自己トロンビンを発生するために、従来の方法を示した。そのゲルは、ゲル触媒として一般に使用されている任意のウシトロンビンを含有していない。これは、ゲルを受け入れる患者が狂牛病または免疫反応等のウシトロンビンに関連した潜在的危険性に曝されないので、望ましい。15分の処理時間は、血小板ゲルを用いた臨床処置またはその他の臨床処置の時間枠に順応するのに十分な速さである。装置は、それが変換反応を容易にするためにいかなる複雑な設備をも要求しないので、使用が簡単である。この装置は、それが3つの工程を取るだけなので操作が容易である。すなわち、3つの工程とは、(1)エタノールおよび血漿で注射器を満たし、(2)内容物を揺すり、そして、(3)14分間室温で内容物を反応させることである。
好適実施例においては、トロンビン装置の反応室は、2つの乾燥粉末成分、すなわち、80−120ミクロンの直径を有するホウケイ酸塩ガラスビーズおよび40−90ミクロンの直径を有するポリアクリルアミド・ゲルビーズを収容する。医療装置を滅菌するために広く用いられているエチレンオキシド・ガスは、装置の粉末成分表面間およびその表面にあるバクテリアを有効に殺せない。エチレンオキシドは、水分中に存在するバクテリアを殺すだけである。この滅菌処置は、エチレン・ガスの導入前に、一次調整蒸気噴射工程を利用する。蒸気は、装置内に収容されたゲルビーズを濃縮しかつ再水化する。水化された結果のゲル層は、エチレンオキシド・ガス透過に対して不浸透性であり、また、保護層が破壊されないように間隙にあるバクテリアを包囲する保護層を形成する。従って、別の方法が装置を滅菌するために用いられる。
電子ビームおよびγ線は、医療装置を滅菌するために広く用いられている2種類のエネルギである。これらのエネルギの両者は、バクテリア内の生命材料に必須の化学結合を破壊することによって滅菌を形成する。滅菌処置に用いられる電子ビーム放射は、γエネルギよりも約1000倍強力であり、また、負の電荷を有する。γエネルギは、電荷を持たない光子からなる。
トロンビン装置のガラスビーズは、血液血漿(カルシウムの存在において)の固有凝結を刺激する陰イオン表面電荷を有する。電子ビーム放射は、装置反応室に保持された血漿の凝結が時宜を得て起こらないようにガラスの陰イオン表面電荷を変性させる。低エネルギγ線は、トロンビン装置に存在するバクテリアを殺す(許容バイオ負担限度内で)が、それでもなおガラスの陰イオン表面電荷を変性しない。しかし、γ線は、重合体網状組織の交差結合を壊すことによって装置のゲル材料を変える。これは、反応室にある血液血漿水分を吸収するゲルの能力を低下させる。従って、装置内に収容されたゲルの量が、γ線滅菌後ゲル吸収低下に対して補償するように増加されなければならない。
より多く希釈された最終血清ばかりではなく、装置反応室内のより多くの水分存在から生じるプロトロンビンの低濃度は、プロトロンビンをトロンビンに変換するために要する長い時間をまねく。従って、最適γ線滅菌装置は、未滅菌仕様の2.10+/−0.10グラムから滅菌された2.25+/−0.10グラムまでの増加ゲルビーズ重量を含む。
従って、本発明は、未滅菌および滅菌分子排除ゲルの吸収性を決定すること、ならびに分子排除ゲルの追加量を吸収性の劣化を補償するために加えることを含む、低エネルギγ線滅菌による分子排除ゲルの吸収性の劣化を補償する方法を提供する。好適実施例においては、分子排除ゲルは、ポリアクリルアミド・ゲルである。
上記の記載および図面は、本発明の実施例を記載する目的で与えられ、いかなる場合にも本発明の範囲を限定するように意図されてはいない。種々の修正および変更が本発明の精神または範囲から逸脱せずになられうることは、当業者にとっては明白である。従って、本発明は、本発明の修正および変更が添付特許請求の範囲およびそれらの均等物内に入る限り、それらを包含することが意図されている。
本発明の装置の概略構成図である。 本発明の装置の切除斜視図である。

Claims (25)

  1. 全血、血漿または血漿分画から自己トロンビン血清を製造する装置であって、
    入口および出口双方の機能を有する口を有する反応室と、
    前記入口および出口双方の機能を有する口に隣接して配置されたフィルタと、
    前記反応室内側に配置されていて、反応表面を与える固体材料である活性化剤と、
    前記反応室内側に配置された吸収剤と、
    を備え、
    前記装置が注射器であり、該注射器は、末端領域を有し、プランジャおよびシリンダを備え、且つ該注射器の前記末端領域に前記入口および出口双方の機能を有する口を有しており、前記プランジャが前記シリンダから離れるよう基端側に動かされたとき、前記注射器が反応室を形成するようになされており、
    前記活性化剤は、ガラスビーズ、珪藻土、セラミック、カオリン、およびそれらの組合せから選択されており、
    前記吸収剤は、6000より大きい分子量を有する化合物を除外する分子排除ゲルである、
    装置。
  2. 前記反応室はカルシウムイオン源をさらに有している、請求項1の装置。
  3. 前記活性化剤および吸収剤が前記注射器のシリンダ内側で個々の領域に配置される、請求項1の装置。
  4. 前記活性化剤および吸収剤は、前記注射器のシリンダの縦軸と同軸に向けられた層状円板である、請求項3の装置。
  5. 前記活性化剤は前記フィルタに隣接しかつ該フィルタの基端となり、前記吸収剤は前記活性化剤に隣接している、請求項4の装置。
  6. 前記活性化剤および吸収剤は一体に混合されている、請求項1の装置。
  7. 全血、血漿または血漿分画から自己トロンビン血清を製する装置であって、
    入口および出口双方の機能を有する口を有する反応室と、
    前記入口および出口双方の機能を有する口に隣接して配置されたフィルタと、
    前記反応室内側に配置されていて、反応表面を与える固体材料である活性化剤と、
    前記反応室内側に配置された陰イオン性分子排除イオン交換樹脂と、
    を備え、
    前記装置が注射器であり、該注射器は、末端領域を有し、プランジャおよびシリンダを備え、且つ該注射器の前記末端領域に前記入口および出口双方の機能を有する口を有しており、前記プランジャが前記シリンダから離れるよう基端側に動かされたとき、前記注射器が反応室を形成するようになされており、
    前記活性化剤は、ガラスビーズ、珪藻土、セラミック、カオリン、およびそれらの組合せから選択されており、
    前記樹脂は6000より大きい分子量を有する化合物を除外する、
    装置。
  8. 前記フィルタは前記反応室内側に配置されている、請求項1または7の装置。
  9. 前記フィルタは多孔質プラスチック円板である、請求項1または7の装置。
  10. 前記フィルタは、15ミクロンの孔径を有する多孔質プラスチック円板である、請求項1または7の装置。
  11. エタノール、血漿、およびカルシウムイオン源が導入された、請求項1の装置。
  12. エタノールおよび血漿が導入された、請求項7の装置。
  13. 患者から自己トロンビン血清を製造する方法であって、
    血漿または血漿分画;エタノール;およびカルシウムイオン源:を自己トロンビン血清製剤用装置に導入すること、
    血漿または血漿分画を前記自己トロンビン血清製剤用装置の内容物と反応させて自己トロンビン血清を生成すること、ならびに
    自己トロンビン血清自己トロンビン血清製剤用装置から取り出すこと、
    を含み、
    前記自己トロンビン血清製剤用装置は、入口および出口双方の機能を有する口を有する反応室と、前記入口および出口双方の機能を有する口に隣接して配置されたフィルタと、前記反応室内側に配置されていて、反応表面を与える固体材料である活性化剤と、前記反応室内側に配置された吸収剤と、を備えており、
    前記装置が注射器であり、該注射器は末端領域を有し、プランジャおよびシリンダを備え、該注射器の前記末端領域に入口および出口双方の機能を有する口を有し、前記プランジャが前記シリンダから離れるよう基端側に動かされたとき、前記注射器が反応室を形成し、
    前記活性化剤は、ガラスビーズ、珪藻土、セラミック、カオリンおよびそれらの組合せから選択され、
    前記吸収剤は、6000より大きい分子量を有する化合物を除外する分子排除ゲルである、
    自己トロンビン血清製造方法。
  14. 患者から自己トロンビン血清を製造する方法であって、
    血漿または血漿分画エタノール;およびカルシウムイオン源:を自己トロンビン血清製剤用装置に導入すること、
    血漿または血漿分画を前記自己トロンビン血清製剤用装置の内容物と反応させて自己トロンビン血清を生成すること、ならびに
    自己トロンビン血清自己トロンビン血清製剤用装置から取り出すこと、
    を含み、
    前記自己トロンビン血清製剤用装置は、入口および出口双方の機能を有する口を有する反応室と、前記入口および出口双方の機能を有する口に隣接して配置されたフィルタと、前記反応室内側に配置されていて、反応表面を与える固体材料である活性化剤と、前記反応室内側に配置された陰イオン性分子排除イオン交換樹脂と、を備えおり、
    前記装置が注射器であり、該注射器は末端領域を有し、プランジャおよびシリンダを備え、該注射器の前記末端領域に入口および出口双方の機能を有する口を有し、前記プランジャが前記シリンダから離れるよう基端側に動かされたとき、前記注射器が反応室を形成し、
    前記活性化剤は、ガラスビーズ、珪藻土、セラミック、カオリンおよびそれらの組合せから選択され、
    前記樹脂は、6000より大きい分子量を有する化合物を除外する分子排除ゲルである、
    自己トロンビン血清製造方法。
  15. 前記フィルタが前記反応室内側に配置されている、請求項13または14の方法。
  16. 前記活性化剤はガラスビーズを含む、請求項1ないし7のいずれかの装置または請求項13もしくは14の方法。
  17. 前記活性化剤は、ホウケイ酸塩ガラスビーズを含む、請求項1ないし7のいずれかの装置または請求項13または14の方法。
  18. 前記吸収剤は、20000より大きい分子量を有する化合物を除外する分子排除ゲルである、請求項1の装置または請求項13の方法。
  19. 前記吸収剤は、30000より大きい分子量を有する化合物を除外する分子排除ゲルである、請求項1の装置または請求項13の方法。
  20. 前記カルシウムイオン源は、CaClである、請求項2もしくは11の装置または請求項13もしくは14の方法。
  21. 前記カルシウムイオン源は、カルシウムイオンを含むイオン交換樹脂である、請求項2の装置または請求項13の方法。
  22. 血漿が血小板貧血漿である、請求項13または14の方法。
  23. 前記樹脂はカルシウムイオンを含む、請求項7の装置。
  24. 前記樹脂は、20000より大きい分子量を有する化合物を除外する、請求項7の装置または請求項14の方法。
  25. 前記樹脂は、30000より大きい分子量を有する化合物を除外する、請求項7の装置または請求項14の方法。
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