JP4885619B2 - 加圧水型原子炉用制御棒およびその製造方法 - Google Patents

加圧水型原子炉用制御棒およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、加圧水型原子炉用制御棒に関し、特にその先端部に耐摩耗性改善のためクロムめっきを施した加圧水型原子炉用制御棒に関する。
加圧水型原子炉の制御棒は、燃料棒が例えば17×17に配列された燃料集合体の一部の燃料棒に換えて配列された制御棒導入管(シンブル管)内に挿入されるようになっている。さらに、通常は、原子炉の定格(100%)運転時には先端部(燃料集合体内へ挿入する際の先端、使用時は下側となる)を残して燃料集合体の上部に引上げられた状態とされ、夜間等の部分負荷運転時には一部を燃料集合体の燃料が装荷されている場所まで下げた状態とされ、停止時には燃料集合体の制御棒導入管内に完全に挿入された状態とされる。
燃料集合体の上部に引上げられた状態では、先端部(挿入方向を基準としての先端、実際の使用時には下部)を除く制御棒の大部分は、燃料集合体の上部に位置する制御棒クラスタ案内管内に挿入された状態とされ、その上部は駆動軸に連結されたスパイダー組立体に支持されている。
しかしながら、この領域は、燃料集合体内を上向きに流れてきた冷却水が原子炉出口ノズルに流れ込む場所であるため、冷却水の流れの強さや方向が不規則かつ激しく変化しており、このため制御棒やその周囲にある制御棒クラスタ案内管等の部材も不規則かつ激しく振動している。
この結果、制御棒クラスタ案内管内に挿入された部分の制御棒は、そのままでは周囲の部材と相互に激しく擦れあって、その外表面部を構成する被覆管に損傷が発生する、いわゆるフレッティング摩耗が生じる恐れがあり、万が一にも制御棒の被覆管(以下、単に「被覆管」とも記す)が損傷したりすれば、原子炉の運転、安全性の確保等からあまり好ましいものではない。
そこで、制御棒の被覆管の外表面には、必要とされる範囲内で耐摩耗材の層で被覆する(コーティングする)等の表面処理、具体的にはクロムめっきが施されている。
被覆管は、例えば17×17型燃料用の制御棒では、長さが約4m、直径は約10mmであり、その肉厚は約0.5mmである。このため、被覆管をクロムめっきする方法としては、上部端栓のみを溶接した被覆管の上部端栓側を下に向けてめっき液に浸し、被覆管内部に細長い陰極部材を挿入し、被覆管の外周面に沿って複数種類の複雑な形状の陽極棒を配置して行う等の方法が採用されている(特許文献1の図5)。
そして、被覆管の下端部と下部端栓との溶接は、前記のめっき工程の都合もあり、めっき後になされるが、溶接箇所がクロムめっきされていると、溶接部に多くのクロムが入り込むため、溶接性が悪化したり、溶接部が脆化する等の特性劣化をおこす恐れがあった。
このため、従来の制御棒においては、前記溶接は、下部端栓および下部端栓と被覆管の下端部の溶接部やその近くに、めっきがされない状態で行われ、ひいてはこの部分はクロムめっきがなされないこととなっていた。
この様子を、従来技術に係る加圧水型原子炉用制御棒の先端部を示す図2を参照しつつ説明する。図2において、10は被覆管であり、18は被覆管10のクロムめっき層であり、20は下部端栓であり、21は下部端栓20の本体部であり、22は下部端栓20の挿入部であり、30は溶接箇所(溶接ビード部)である。図2において、下部端栓20、被覆管10の溶接箇所近傍及び溶接箇所30の外表面にはクロムめっき層が形成されていない。
ただし、制御棒の先端部は、制御棒が上部に引き上げられた状態では、制御棒クラスタ案内管の外(下方)にある。このため、従来はこれでも充分であると思われていた。
ところが、近年、めっきする必要がないと思われていた制御棒の先端部にも燃料集合体の制御棒案内管とのフレッティングにより生じたと推定される摩耗が認められ、制御棒の先端部にもクロムめっきを施す必要があることが判明した。ただ、前記の如く制御棒は細長く、上下には端栓が溶接されるため、先端部のめっきは技術的に難しいものである。
そこで、先端部にクロムめっきを施すことについて幾つかの発明がなされている。
ある発明では、端栓を含めて制御棒の先端部の一定部分に耐摩耗製のコーティングを施すことが提案されている(特許文献2)。
別の発明では、主要部をクロムめっきした被覆管と下部(あるいは上部)端栓とを溶接した後、溶接箇所をめっきすることにより、全体をめっきすることを図っている(特許文献3)。
また別の発明では、特殊なテーパ部を設けた端栓のテーパ部を、外周にクロムめっき層等のコーティング層が形成された被覆管内に差込み、端栓と被覆管とを抵抗溶接することにより、燃料棒の中空管の部分を完全に保護することを図っている(特許文献4)。
特許第3692367号公報 特開平11−153685号公報 特開2002−168983号公報 特許第3226635号公報
しかしながら、前記特許文献2に記載の発明では、端栓部にもクロムめっきが施されているが従来と同様の問題が生じる。即ち、被覆管の下端部と下部端栓との溶接は、前記のめっき工程の都合もあり、めっき後になされるが、前記従来問題となっていた溶接性の悪化や溶接部の脆化を回避するため、前記溶接は下部端栓と被覆管の下端部の溶接部や溶接代部に、めっきがされない状態で行われ、ひいてはこの部分は、クロムめっきがなされないこととなる。
また、前記特許文献3に記載の発明では、確かに非めっき部はなくなるが、最初のめっき層と後からのめっき層の密着性が、最初にめっきしたクロムの表面に安定な酸化膜が形成されているため低下し、原子炉で使用中に当該部分を起点として剥離や腐食が発生する恐れがある。また、めっきを2度行うため、作業が複雑化し、コストアップとなる。
また、前記特許文献4に記載の発明では、端栓の設計変更が必要であり、また新たに抵抗溶接を採用するため、従来の端栓や溶接装置を使用し得なくなる。
以上の如く、現在なされている発明には、種々問題点がある。しかし、中性子吸収材が存在しない下部端栓やその取付け部分とはいえ、クロムめっきを施していなかったり、たとえ被覆管と端栓にクロムめっきを施していても、溶接箇所やその近傍に大きな非めっき部分があったりすることは、制御棒の使用可能期間が短くなるため、あまり好ましいことではない。
このため、下部端栓やその取付け部分にもクロムめっき等の耐摩耗用の表面処理を施し、極力非めっき部分を小さくした制御棒の開発が望まれていた。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としてなされたものであり、クロムめっき層の厚さ及び被覆管と端栓の材質に工夫を凝らしたものである。即ち、本発明者は、従来、溶接部にクロムめっきが施されている場合には溶接性が悪化するため、クロムめっきを施すことができなかったが、クロムめっき層を15μm以下とし、さらに被覆管や端栓の材料にクロムを含有するオーステナイト系ステンレス鋼を採用することにより、より溶接性の悪化を防止することができることを見出し、本発明に至った。以下、各請求項の発明を説明する。
請求項1に記載の発明は、
炭素の含有量が0.06重量%以下のオーステナイト系ステンレス鋼製の被覆管の一端の外周面に厚さが15μm以下のクロムめっき層を形成する被覆管めっきステップと、
オーステナイト系ステンレス鋼製の挿入部と本体部を有し、前記被覆管内に嵌め込まれる挿入部と、前記被覆管の近くの部分の外径は被覆管と同じである本体部を有する炭素の含有量が0.06重量%以下のオーステナイト系ステンレス鋼製の端栓の本体部の外周面に厚さが15μm以下のクロムめっき層を形成する端栓めっきステップと、
前記外周面にクロムめっき層が形成された被覆管の一端に前記本体部の外周面にクロムめっき層が形成された端栓の挿入部を完全に挿入した状態で、前記被覆管と前記端栓の本体部のクロムめっき層が形成された部分を溶接する溶接ステップとを有していることを特徴とする加圧水型原子炉用制御棒の製造方法である。
本請求項の発明においては、めっきの材質としてクロムを採用すると共に、被覆管および端栓の材質として、同じクロムが含有されているオーステナイト系ステンレス鋼を採用している。従って、被覆管および端栓の材質自体に予めクロムが含有されているため、溶接時にクロムめっきからのクロムが溶接ビード部に混入しても、その悪影響を少なくすることができる。
また、本請求項の発明においては、クロムめっきの厚さを15μm以下としているため、脆化等の特性劣化や溶接性の悪化を防止することができる。即ち、溶接ビード部のクロム含有量を23重量%以下にすることにより、脆化等の特性劣化を防止できることが判った。
また、クロムは、オーステナイト系ステンレス鋼に比較すると、高融点であり、溶融しにくいため溶接性が悪化するため、クロムめっきの厚さを所定の厚さ以下にすることにより、溶接性の悪化を防止することが考えられた。そして、適切なクロムめっきの厚さを調査した結果、クロムめっきの厚さを15μm以下とすることにより、これら両方を満足させることができることが判った。
従って、15μm以下のクロムめっきであれば、従来のように溶接部を避けることなく、溶接部を含めて全てめっきした後に溶接をすることができ、これにより後の溶接により出来た溶接ビード部以外はクロムめっきされており、非めっき部分が充分小さくされているため、前記従来技術の発明に比べて耐摩耗性が大幅に向上した原子炉用制御棒を提供することができる。
なお、耐摩耗性の面からは、めっき層の厚さは、7.5μm以上であるのが好ましい。
なお、本請求項における「被覆管めっきステップ」で形成するクロムめっき層の厚さの15μm以下とは、端栓と溶接が為される一端やその近傍、例えば数cm以内の範囲について定めているものであり、被覆管の他端や中央部までも15μm以下にすることに限定されない。一方、端栓の先端部の外形が小さく、フレッティングの恐れがない部分にはクロムめっき層が形成されていなくても良い。
また、溶接箇所へのクロムの溶け込みを極力少なくするため、端栓の本体部の端面と被覆管の端面の突き合わせ部には、クロムの溶け込み量を少なくし、寸法精度を確保するためにクロムめっき層を形成しない方が望ましい。このためには、クロムめっきする際に当該部にマスクをしておけばよい。また、被覆管であれば、一旦管の外表面全体をめっきした後に、端部近くを切断除去して、被覆管に新たにめっきされていない端部を形成してもよい。
なお、本請求項の発明においては、端栓の挿入部が被覆管内に挿入されるため、被覆管と端栓を突き合わせて、全周を溶接する際に、ずれ等を防止することができる。
また、端栓の形状は従来のものと同じであるため、製造設備等はそのまま使用可能であり、コストの面から不利が生じることもない。
さらに、本請求項の発明は、前記被覆管と端栓の材料であるオーステナイト系ステンレス鋼は、炭素の含有量を0.06重量%以下とするため、溶接部へのクロム溶け込みによりクロム含有量が増加しても、溶接部、熱影響部ともクロム炭化物が生ぜず、制御棒溶接部の耐食性が一層向上する。
具体的な材料としては、例えばSUS304(18−8ステンレス鋼)やSUS308系のローカーボン材を挙げられる。
請求項2に記載の発明は、前記の加圧水型原子炉用制御棒の製造方法であって、
前記溶接ステップは、不活性ガス雰囲気中で行うものであることを特徴とする加圧水型原子炉用制御棒の製造方法である。
本請求項の発明においては、不活性ガス雰囲気中で溶接を行うため、酸化しやすいクロムめっきを含む溶接箇所の酸化が防止され、溶接性と溶接箇所の強度が一層向上する。
なお、TIG溶接であれば、現在の設備を使用可能であり、溶接ビード部の幅も3mm以下と小さくすることが容易に可能となる。
請求項3に記載の発明は、
請求項1または請求項2に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする加圧水型原子炉用制御棒である。
本請求項の発明は、製造方法の発明である請求項1または請求項2を、物の発明として捉えたものである。
請求項4に記載の発明は、前記の加圧水型原子炉用制御棒であって、
溶接で生じたビード部の幅が3mm以下であることを特徴とする加圧水型原子炉用制御棒である。
本請求項の発明においては、溶接で生じたビード部の幅が3mm以下であるため、クロムめっき層で覆われていない外周面が少なく、より耐摩耗性に優れる。ここに、ビード幅の上限を3mmとしているのは、幅は極力狭い方が好ましいが、溶接性、特に現在用いられているTIG溶接用の設備の使用を考慮したものである。
なお、ビード部の幅を3mm以下とする方法としては、不活性ガス雰囲気中でのTIG溶接やレーザ溶接等が挙げられる。
請求項5に記載の発明は、前記の加圧水型原子炉用制御棒であって、
溶接ビード部の外径が、クロムめっき厚さを含む被覆管と端栓の外径以下であることを特徴とする加圧水型原子炉用制御棒である。
本請求項の発明においては、溶接ビード部の外径がクロムめっき厚さを含む被覆管と端栓の外径以下であるため、制御棒の挿入性に悪影響を及ぼすことがない。
なお、溶接ビード部にマンガン等が析出してビード部の外径が大きくなったときには、析出物を研磨することにより、溶接ビード部の外径を、クロムめっき厚さを含む被覆管と端栓の外径と同等に(いわゆる面一に)することができる。
本発明においては、加圧水型原子炉用制御棒の被覆管と端栓の溶接部近傍は、極力非めっき部分を小さくしているため、耐摩耗性が向上する。そして、溶接ビード部以外はクロムめっきされており、クロムめっきされていない溶接ビード部は幅が狭いため、制御棒の耐摩耗性への悪影響は少ない。
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
(第1の実施の形態)
本実施の形態は、被覆管と下部端栓の材料をオーステナイト系ステンレス鋼とし、その外表面に予め15μm以下の厚さのクロムめっきをしておき、両方を周方向にTIG溶接するものである。
以下、本実施の形態の加圧水型原子炉用制御棒について、その要部の構造と製造手順を示す図1を参照しつつ説明する。
図1の上の図は、下部端栓と被覆管を溶接する直前の状態であり、下の図は完成状態の図である。図1において、18は制御棒の被覆管の外表面のクロムめっき層であり、29は下部端栓の外表面のクロムめっき層であり、31は下部端栓と被覆管の溶接箇所である。なお、図2と同じ物、部分については同一の符号を付してある。
下部端栓20は、周方向にTIG溶接する際に、被覆管10の下部端面に挿入されて被覆管10と下部端栓20とを相互に固定するため、図1の上の図に示す様に、その上部側(図では、左方)に挿入部22が形成されている。このため、挿入部22の外径は、精密な機械加工で被覆管10の内径より僅かに小さい、あるいは事実上同一とされている。さらに、被覆管10内へ挿入し易くなる様に、挿入部22の先端には小さな丸味が形成されている。
また、同じく、図1の上の図に示す様に、被覆管10と下部端栓20の本体部21の外表面となる箇所には全てクロムめっき層18、29が形成されており、その厚さはいずれも15μmである。なお、被覆管10の端面と、下部端栓20の本体部21の端面は共に、クロムめっきする際にマスクがなされ、このためクロムめっき層が形成されていない。
前記の状態の被覆管10と下部端栓20について、まず図1の上の図に示す様に、被覆管10の下端側開口内に下部端栓20の挿入部22を完全に挿入し、被覆管10の下端の外周面と下部端栓20の本体部21の上部の外周面とが面一で密接した状態にする。
次いで、被覆管10の下端面と下部端栓20の本体部21の上端が付き合せとなっている箇所を周方向にTIG溶接し、併せて被覆管10を完全に密封する。なおこの際、溶接箇所近くの被覆管10と端栓20をチャックで把持して放熱性を向上させ、被覆管と端栓やそれらの外周面のクロムめっき層への溶接熱による悪影響が生じない様にした。
TIG溶接の条件は、前記図2に示す従来例における溶接の条件と同じである。
最後に、溶接ビード部や溶接により生じたバリ等は、研磨で取去り、表面を平坦かつ溶接箇所の外径を非溶接箇所の外径以下にしておく。これにより、緊急時の炉心挿入の際に、溶接箇所がスムーズな挿入の阻害となることがなくなる。
この状態を、図1の下の図に示す。この図において左右方向の斜線で網掛けをしている箇所が、溶接による溶け込み箇所である。
溶接ビード部近傍のクロムめっきの硬さは溶接前と同じであり、非めっき部が少ないため、従来例以上に優れた耐摩耗性を示した。
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の形態に加えて、被覆管10と下部端栓20を、いずれも炭素含有量が0.06重量%のオーステナイト系ステンレス鋼製としたものである。
第2の実施の形態においては、溶接部、熱影響部とも炭化物が生ぜず、溶接部の耐食性は、第1の実施の形態以上であった。
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、第2の実施の形態に加えて、さらにTIG溶接を不活性ガス雰囲気中で行うものである。
不活性ガスとして、ヘリウムガスを使用した。
本実施の形態では、先の2つの実施の形態と比較したとき、溶接箇所のステンレス鋼やめっき層のクロムは全く酸化することがなく、溶接性及び溶接部の強度はさらに優れていた。
本発明の実施の形態の加圧水型原子炉用制御棒の要部の構造と製造手順を示す図である。 従来技術の加圧水型原子炉用制御棒の先端部のクロムめっきの様子を示す図である。
10 被覆管
18 被覆管のクロムめっき層
20 下部端栓
21 本体部
22 挿入部
29 下部端栓のクロムめっき層
30 溶接箇所
31 溶接箇所

Claims (5)

  1. 炭素の含有量が0.06重量%以下のオーステナイト系ステンレス鋼製の被覆管の一端の外周面に厚さが15μm以下のクロムめっき層を形成する被覆管めっきステップと、
    オーステナイト系ステンレス鋼製の挿入部と本体部を有し、前記被覆管内に嵌め込まれる挿入部と、前記被覆管の近くの部分の外径は被覆管と同じである本体部を有する炭素の含有量が0.06重量%以下のオーステナイト系ステンレス鋼製の端栓の本体部の外周面に厚さが15μm以下のクロムめっき層を形成する端栓めっきステップと、
    前記外周面にクロムめっき層が形成された被覆管の一端に前記本体部の外周面にクロムめっき層が形成された端栓の挿入部を完全に挿入した状態で、前記被覆管と前記端栓の本体部のクロムめっき層が形成された部分を溶接する溶接ステップとを有していることを特徴とする加圧水型原子炉用制御棒の製造方法。
  2. 前記溶接ステップは、不活性ガス雰囲気中で行うものであることを特徴とする請求項に記載の加圧水型原子炉用制御棒の製造方法。
  3. 請求項1または請求項に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする加圧水型原子炉用制御棒。
  4. 溶接で生じたビード部の幅が3mm以下であることを特徴とする請求項に記載の加圧水型原子炉用制御棒。
  5. 溶接ビード部の外径が、クロムめっき厚さを含む被覆管と端栓の外径以下であることを特徴とする請求項または請求項に記載の加圧水型原子炉用制御棒。
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