JP4885595B2 - 硬化して低硬度ウレタンエラストマー・ゲル材を与える硬化性組成物およびそれを硬化して得られた低硬度ウレタンエラストマー・ゲル材 - Google Patents

硬化して低硬度ウレタンエラストマー・ゲル材を与える硬化性組成物およびそれを硬化して得られた低硬度ウレタンエラストマー・ゲル材 Download PDF

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Description

本発明は、水酸基含有高級脂肪酸から誘導される、硬化して低硬度ウレタンエラストマー・ゲル材を与える硬化性組成物に関する。また本発明は、それを硬化して得られる低硬度ポリウレタンエラストマー・ゲル材に関する。特に、本発明は、硬化して、ハロゲン系またはリン系難燃剤を含まずに、UL94難燃規格による難燃性が94V−0に適合し、かつ衝撃吸収性、耐熱性および粘着性を有する低硬度ウレタンエラストマー・ゲル材を与える硬化性組成物、ならびにそれを硬化して得られる低硬度ポリウレタンエラストマー・ゲル材に関する。
近年、大容量のデータを貯蔵するHDDが、衝撃を受けると壊れやすいという欠点を持ちながら、モバイル製品への利用が広がっている。その衝撃を吸収し、HDDを保護するという目的で、HDD,特にその衝撃を受けると壊れやすい部分に、硬さが低く、衝撃吸収性を有するエラストマー・ゲル材を貼付することが、検討されている。そのような低硬度エラストマーには、上記の衝撃吸収性のほかに、低汚染性、難燃性、環境への配慮に適合する諸性質などが求められている。特にエレクトロニクス関係の製品は、UL−94などの難燃性規格に適合することが求められるので、柔軟性を得るために可塑剤を使用すると、そのような難燃性が得られないというジレンマがある。
このような低硬度エラストマーを難燃化するために、ハロゲン系難燃剤(特許文献1)、または赤リン系難燃剤(特許文献2)を配合することが行われている。しかしながら、ハロゲン系やリン系の難燃剤は、環境汚染、および回路の障害の原因となるうえ、これらの多くは液体であって、その配合量が多いと、低硬度エラストマー・ゲル材から徐々に難燃剤がブルームやブリードを起こし、周辺の部品を汚損するおそれがある。また、分子中にハロゲン原子を有するリン酸エステル系難燃剤の多くは、ウレタン化反応を抑制して生産性を低下させ、また低硬度エラストマー・ゲル材の劣化を促進する。
一方、難燃剤として水酸化アルミニウムのような金属水酸化物(特許文献3、4)を配合することも提案されている。しかしながら、金属水酸化物は固体であり、また必要とする難燃性を充足させるには多量の金属水酸化物を配合する必要があるので、エラストマーの硬さを増大させる。それゆえ、満足な難燃性を有する低硬度エラストマー・ゲル材を得ることはできない。
したがって、硬さが低く、衝撃吸収性を有し、汚染を生ぜず、かつ必要な難燃性を有するエラストマー・ゲル材は、得られていない。
特開2000−143994号公報 特開2000−204266号公報 特開昭58−138724号公報 特開2005−171102号公報
本発明の課題は、高い衝撃吸収性、低い汚染性、優れた耐熱性を有し、環境への影響が少なく、かつ難燃性、特にUL−94に規定された94V−0の規格に適合する難燃性を有する低硬度エラストマー・ゲル材、ならびに硬化してそのような低硬度エラストマー・ゲル材を与える組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ひまし油脂肪酸のような、水酸基含有高級脂肪酸から誘導され、1分子あたり2個の水酸基を有するジオールを、1分子あたり平均2.0〜3.0個のイソシアナト基を有するイソシアネート化合物またはそのジオール誘導体と反応させて得られる低硬度エラストマー・ゲル材が、可塑剤として高級脂肪酸グリセリドを用いて、上記の難燃性および諸特性を有することを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(A)1個の水酸基を含有する高級脂肪酸から誘導され、1分子あたり1.9〜2.0個の水酸基を有し、数平均分子量が600以上の水酸基含有化合物;
(B)1分子あたり平均2.0〜3.0個のイソシアナト基を有するイソシアネート化合物またはそのジオール誘導体;
(C)高級脂肪酸グリセリド、ただし、グリセリン部分に残存する水酸基、および該高級脂肪酸が炭素鎖に水酸基を有する高級脂肪酸の水酸基は、修飾されている
を含む、硬化して低硬度ウレタンエラストマー・ゲル材を与える硬化性組成物に関する。
本発明はまた、
(A)1個の水酸基を含有する高級脂肪酸から誘導され、1分子あたり1.7個以上、1.9個未満の水酸基を有し、数平均分子量が600以上の水酸基含有化合物;および
(B)1分子あたり平均2.0〜3.0個のイソシアナト基を有するイソシアネート化合物またはそのジオール誘導体;
を含み、上記(C)を実質的に含まない、硬化して低硬度ウレタンエラストマー・ゲル材を与える硬化性組成物に関する。
本発明はさらに、上記いずれかの組成物を硬化して得られる低硬度ポリウレタンエラストマー・ゲル材に関する。
本発明によって得られる低硬度ウレタンエラストマー・ゲル材は、ジオールとして(A)水酸基含有高級脂肪酸から誘導されるジオールを用いることにより、高い衝撃吸収性、低いブリード性、優れた耐熱性および耐熱水性を有し、環境への影響が少ない。しかも、モノオールを併用するか、可塑剤として(C)炭素鎖に水酸基を含まない高級脂肪酸グリセリドを用いることにより、硬化して得られたポリウレタンの架橋密度が低く、かつハロゲン系やリン系の難燃剤を用いなくても優れた難燃性が得られる。
本発明に用いられる(A)成分は、1個の水酸基を含有する高級脂肪酸から誘導されるジオール化合物を主成分とし、1分子あたり1.7〜2.0個の水酸基を有する水酸基含有化合物である。(A)成分のうち、1分子あたり2個の水酸基を有する化合物は、たとえば対応する水酸基を1個含有する高級脂肪酸グリセリドから得られる水酸基含有高級脂肪酸またはその低級アルキルエステル2個を、グリコール類か、またはポリエーテルジオール、ポリエステルジオールのようなポリマー性ジオールでジエステル化するか、あるいは該グリセリドのエステル交換反応によって得られるもので、分子の両端に存在する高級脂肪酸部分に、(A)成分の分子中に合計2個の水酸基を含有する。上記の水酸基含有高級脂肪酸としては、ヒドロキシカプリン酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシミリスチン酸、ヒドロキシヘキサデセン酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、ヒドロキシベヘン酸、ヒドロキシリグノセリン酸などが例示され、(A)成分中の水酸基が上記の範囲を逸脱しない限り、一部にジヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシアラキン酸、トリヒドロキシステアリン酸のような、複数の水酸基を含有する高級脂肪酸を用いてもよい。ひまし油、水添ひまし油のように、リシノール酸や12−ヒドロキシステアリン酸などの水酸基含有高級脂肪酸グリセリドを主成分として含む天然油脂や、その水素添加体に由来し、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸のような水酸基を含まない脂肪酸を、不純物として含有する酸混合物を、そのまま用いてもよい。エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ひまし油のようなエポキシ化不飽和油を加水分解して得られるエポキシ化脂肪酸を開環して、ヒドロキシカルボン酸として用いてもよい。
(A)成分の平均水酸基数、すなわち官能性を下げることにより、架橋密度を下げてエラストマー・ゲルの硬さを下げるために、(A)成分の一部として、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸のような水酸基を含まない高級脂肪酸を原料の一部として用いることにより、(A)成分の一部の分子として、一方の高級脂肪酸部分にのみ水酸基を有する水酸基含有化合物を混在させてもよい。この場合、(A)成分の高級脂肪酸部分として水酸基を含まない部分が存在するので、水酸基含有化合物としては、少量のモノオールを含有することになる。高級脂肪酸部分としては、容易に入手でき、優れた物性を有するエラストマー・ゲルを形成できることから、リシノール酸、ひまし油脂肪酸またはそれらの水添脂肪酸が特に好ましい。
(A)成分の平均水酸基数を下げるもう一つの方法として、上述の水酸基含有高級脂肪酸、たとえばリシノール酸やヒドロキシステアリン酸か;あるいはそれらを含有する天然由来の高級脂肪酸混合物、たとえばひまし油脂肪酸や水添ひまし油脂肪族を、1価アルコールでエステル化し、モノオール化合物として、上述のジオール化合物と併用することがある。モノオール化合物の例としては、上記の水酸基含有高級脂肪酸のメチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどが挙げられる。
上記の2個の高級脂肪酸部分をつなぐ原料ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水添ダイマージオールのようなグリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールのようなエーテルグリコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、オキシエチレン・オキシエチレン共重合体グリコールのようなポリエーテルジオール;ポリカプロラクトンジオール、アジピン酸と1,4−ブタンジオールの共重合ジオールのようなポリエステルジオール;ポリビスフェノールAカーボネートジオール、ポリ(1,4−ブチレン)カーボネートジオール、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネートジオールのようなポリカーボネートジオール;ポリブタジエンジオールなどが例示される。
(A)成分の水酸基の数量は、前述のように1分子あたり平均1.7〜2.0である。これが1.7未満では、硬化してエラストマー・ゲル材を形成することができない。また2.0を超えると、得られた硬化物は、硬くなるばかりか、満足すべき難燃性が得られない。
(A)成分の1分子あたりの水酸基の数が、1.9〜2.0の範囲では、後述の(C)成分を可塑剤として配合することにより、柔軟で、耐熱性および難燃性の優れたゲル状物が得られる。一方、上記水酸基の数が1.7以上、1.9未満では、このように水酸基の数を下げることによって硬化物の架橋度を下げるので、(C)成分を配合する必要がなく、むしろ(C)成分は難燃性を下げるので、満足な難燃性を得るために、組成物は(C)成分を実質的に含有しない。
(A)成分の数平均分子量は、600以上であり、好ましくは800〜3,000である。数平均分子量が600未満では、架橋密度が高くなり、硬さの低いゲル状のポリウレタンを得ることができない。
本発明に用いられる(B)成分は、(A)成分と反応してポリウレタンを形成するものである。イソシアネート化合物としては、p−またはm−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トルエンジイソシアネート、両者の混合物、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、テトラメチルm−キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−または2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、両者の混合物、重縮合物(ポリメリックMDI)のような芳香族ジイソシアネート;ならびにテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのような脂肪族ジイソシアネートが例示され、(A)成分の水酸基が第二級であっても反応が進行するように、反応性が高いジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートが好ましい。これらのイソシアネート化合物の合成の際に混入する、イソシアヌレート体、アロファネート体、ビウレット体などのオリゴマーが、若干量存在してもよいが、得られるポリウレタンに難燃性を付与するために、(B)成分1分子あたり平均2.0〜3.0個、好ましくは平均2.0〜2.5個のイソシアナト基またはそれから誘導される基を有するように、これらオリゴマーの含有量は制約される。また、これらのイソシアネート化合物を、ポリプロピレングリコールのようなジオールと反応させたジオール誘導体の形で用いてもよい。
(B)成分の配合量は、未反応のイソシアナト基が残存して高分子化を妨げることがなく、また得られたゲル材から未反応の(A)成分がブリードアウトしないように、(B)成分のイソシアナト基と(A)の水酸基のモル比、すなわちイソシアネートインデックスが、0.85〜1.20になる範囲が好ましく、0.95〜1.10になる範囲がさらに好ましい。
本発明に用いられる(C)成分は、(A)成分と(B)成分が反応して形成されるポリウレタンをより柔軟にするための可塑剤である。(C)成分としては、高級脂肪酸のグリセリド、好ましくはトリグリセリドが用いられ、(C)成分自体が(B)成分と反応しないように、トリグリセリド以外ではグリセリン部分に残存する水酸基をあらかじめ修飾したものが用いられる。高級脂肪酸部分に水酸基が存在する場合は、その水酸基も同様に修飾される。高級脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸のような飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸のような不飽和脂肪酸;および後述の水酸基を修飾された水酸基含有高級脂肪酸が例示される。グリセリドとしては、このような高級脂肪酸を含む天然油脂、たとえばオリブ油、綿実油、大豆油、落花生油、ナタネ油などを用いてもよい。
(C)成分のブリードアウトを防ぐために、(A)成分との相溶性から、水酸基含有高級脂肪酸の水酸基を修飾した高級脂肪酸のグリセリドが好ましく、(A)成分の高級脂肪酸部分と同じ水酸基含有高級脂肪酸の水酸基を修飾したトリグリセリドがより好ましい。このような高級脂肪酸としては、リシノール酸、ヒドロキシステアリン酸などが例示され、ひまし油、水添ひまし油のように、水酸基含有高級脂肪酸グリセリドを主成分として含む天然油脂やその水素添加物に由来し、ステアリン酸、リノール酸、オレイン酸のような水酸基を含まない脂肪酸を不純物として含有する酸混合物を用いてもよい。
水酸基の修飾は、アセチル化、ベンジルエーテル化、t−ブチルジメチルシリル化などの方法があり、修飾剤が安価で入手しやすく、取扱いが容易で、第二級水酸基がその位置の如何にかかわらず容易に修飾され、通常の条件では脱修飾されないことから、アセチル化が好ましい。(C)成分としては、得られるゲルからブリードアウトせず、かつその難燃性に悪影響をもたらさないことから、数平均分子量が800以上のものが好ましい。以上を総合して、(C)成分としては、アセチル化リシノール酸トリグリセリドが最も好ましい。
(C)成分の配合量は、架橋して得られたゲル材からブリードアウトしないことから、(A)、(B)、(C)の合計量に対して45重量%以下が好ましい。なお、前述のように、用いる(A)成分の1分子あたりの水酸基が1.9個未満の場合は、(C)成分を実質的に配合しない。ここで、(C)成分を実質的に配合しないとは、(C)成分が存在しても、その量が(A)、(B)の合計量に対して1重量%未満しかないことを意味する。
本発明の組成物に、(A)成分と(B)成分の反応を促進するために、触媒を配合することもできる。このような触媒としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、2−メチルトリエチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラメチルテトラメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2−エチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、1,4−ジアザ[2.2.2]ビシクロオクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチルモルホリン、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)イミダゾールのようなアミン類;それらの部分アンモニウム塩;オクタン酸スズ、ナフテン酸スズ、オレイン酸スズ、オクタン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛のような金属有機酸塩;ジブチルスズジアセタート、ジブチルスズジオクトアート、ジブチルスズジラウラート、ジブチルスズチオカルボキシラートのような有機スズ化合物;アセチルアセトナト鉄のような金属キレート化合物などが例示される。これらの触媒は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。本発明のように低硬度のエラストマー・ゲルを目的とする場合、気泡の混入を防ぐために発泡反応を抑制して架橋反応を選択的に促進するために、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、有機スズ化合物およびアセチルアセトナト鉄から選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。触媒の使用量は、触媒の種類によっても異なり、所望の条件でウレタン化反応を完結させるように選択される。
本発明の組成物は、上記(A)、(B)成分、ならびに必要に応じて用いられる(C)成分および触媒のほかに、必要に応じて、充填剤、消泡剤、脱水剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤などの各種の添加剤を、配合することができる。
本発明の硬化性組成物は、通常、(A)成分と必要に応じて(C)成分、さらに必要に応じて他の成分を配合したプレミックスに、(B)成分を混合することによって調製することができる。(B)成分の配合によって反応が進行し、ゲルが形成される。
組成物の調製は、攪拌機、ミキサー、ウレタン注入機のミキシングヘッドのような混合手段により、均一に混合することによって達成される。
このようにして調製した組成物を、注型、射出成形、トランスファー成形、圧縮成形などの方法によって成形し、通常60〜110℃に加熱して硬化させ、低硬度のポリウレタンエラストマー・ゲルを作製することができる。ポリウレタンエラストマー・ゲルは、HDDなど重量の軽い部品を保護する用途では、衝撃吸収性に優れていることが求められ、アスカーCsC2硬度計による硬さが1以上であり、JIS K7312による硬さが、タイプC硬さ試験機により(以下、単に「タイプC硬さ」という)40以下であることが好ましく、一般にタイプC硬さ1〜30の範囲がさらに好ましいが、衝撃吸収用ではタイプC硬さ1〜20の範囲が特に好ましい。一方、スペーサのような用途では、作業性からタイプC硬さ20〜40の範囲が特に好ましいなど、用途によって最適な範囲は異なる。
以下、実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する。これらの例において、特にことらない限り、部は重量部を示す。ただし、(B)成分の配合量は、イソシアネートインデックス、すなわち(A)成分中の水酸基の数に対する(B)成分のイソシアナト基の数で示す。本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
実施例および比較例において、下記の(A)、(B)、(C)成分、それらの対比物および触媒を用いた。
A−1:ひまし油系ポリエステルポリオール(2官能性、数平均分子量2,500、水酸基価45);
A−2:ひまし油脂肪酸メチルエステル(1官能性、数平均分子量350、水酸基価164);
A−3:ポリプロピレングリコール(2官能性、数平均分子量2,500、水酸基価45);
A−4:リシノール酸グリセリンエステル混合物(3官能性、数平均分子量900、水酸基価95);
B−1:分子末端がジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートに由来するイソシアナト基含有部であり、ポリオキシプロピレン鎖を有するプレポリマー(平均官能基数2.3、NCO23%);
B−2:ポリメリックMDI(平均官能基数2.9、NCO29.6%)
C−1:アセチル化リシノール酸トリグリセリド(分子量1,000);
C−2:オリブ油;
C−3:大豆油;
C−4:落花生油;
C−5:フタル酸ビス(2−エチルヘキシル);
C−6:フタル酸ジイソノニル;
C−7:アセチル化リシノール酸ブチル;
C−8:トリメリト酸トリス(2−エチルヘキシル);
T−1:ジブチルスズジラウラート
組成物の調製と試料の作製
組成表の配合比により、(A)成分、(C)成分および触媒を配合して、攪拌機を用いて混合することにより、プレミックスを調製した。これに(B)成分を配合して均一になるまで混合し、組成物試料を得た。真空ポンプで脱泡した後、剥離性を有するポリエチレンテレフタレートフィルムにサンドイッチ状に挟み、70℃の温風加熱炉に入れて60分加熱することによって架橋反応させ、評価方法に応じた厚さの試験片を作製した。
評価方法
表面硬さ:
厚さ5mmの試料について、JIS K7312に準じて、タイプC硬さ試験機による硬さを測定した。また、タイプC硬さ試験機で正確な測定値が得られない柔らかい試料については、アスカー社製CsC2型硬度計によって硬さを測定した。
非汚染性:
厚さ5mmの試料について、JIS K6267に準じて、ブリードの有無を評価した。すなわち、試料を薬包紙に挟み、おもりを用いて7pKaの荷重を加えながら、70℃の恒温槽に24時間放置した。薬包紙の試料に接する面に、試料からのしみ出しの有無を観察し、次のように評価した。
○:ブリードなし(薬包紙が濡れていない)
×:ブリードあり(薬包紙が濡れている)
耐熱性:
50×50mm、厚さ1mmの試料について、80℃の恒温槽に24時間放置して、試験片の外観を観察し、次のように評価した。
○:変形および融解なし
×:変形および/または融解あり
難燃性
厚さ1mmの試料について、UL−94 V−0の試験方法により、難燃性の評価を行った。
実施例1,2、比較例1〜4
本発明の(A)成分に該当するひまし油変性ジオールであるA−1を用いた実施例1,2および比較例1と、ポリエーテルジオールであるA−3を用いた比較例2〜4とを比較した。実験結果を表1に示す。なお、比較例1および2は、(C)成分を可塑剤として配合しなかった例であり、その他は、本発明の(C)成分に該当するC−1を配合した例である。
Figure 0004885595
比較例5〜8
2官能性のA−1と3官能性のA−4とを併用して、比較例5〜8の組成物を調製し、同様の評価を行った。組成、水酸基含有化合物の平均官能基数、および実験結果を表2に示す。
Figure 0004885595
実施例3〜5、比較例9〜12
A−1と植物油とを組み合わせた実施例3〜5、およびA−1と本発明の(C)成分に属さない可塑剤であるC−3〜8とを組み合わせた比較例9〜12の実験結果を表3に示す。
Figure 0004885595
実施例6、比較例13〜15
2官能性のA−1と1官能性のA−2を併用して(A)成分とし、実施例6および比較例13〜15の組成物を調製して同様の評価を行った。組成、(A)成分の平均官能基数および実験結果を表4に示す。
Figure 0004885595
(A)成分として2官能性のA−1を用い、(B)成分としてB−1とB−2を併用、またはB−2を単独に用い、(B)成分の平均官能基数を2.5〜2.9として、同様の実験を行った。組成、(B)成分の平均官能基数および実験結果を表5に示す。
Figure 0004885595
表1、3および5に示されるように、本発明の(A)、(B)および(C)成分を用いた実施例1〜3の組成物から得られたポリウレタンエラストマー・ゲルは、優れた柔軟性、非汚染性および耐熱性を示し、しかもUL−94によるV−0を満たす難燃性を示した。また、表4のように、(A)成分として、2官能性および1官能性の水酸基含有化合物を用いて、平均官能基数1.8とした場合、同様に優れたポリウレタンエラストマー・ゲル材が得られた。平均官能基数1.6では、目的のエラストマー・ゲルが得られなかった。それに対して、(A)成分を用いない比較例2〜4の組成物から得られたポリウレタンエラストマー・ゲルは、非汚染性および耐熱性が不充分であった。
また、本発明の(A)、(B)および(C)成分を用いたにもかかわらず、3官能性のポリオールを併用して、ポリオールの平均官能基数が高い比較例5〜8の組成物から得られた硬化物は、表2のように、満足すべき難燃性が得られず、また3官能性のポリオールの量に応じて表面硬さが高くなった。
可塑剤に関しては、(A)成分の水酸基の数が1分子当り2.0では、可塑剤を用いない比較例1、2および5の組成物から得られた硬化物は、いずれも表面硬さが高く、柔軟性が不充分であり、本発明の(C)成分以外の可塑剤を用いた比較例9〜12の組成物から得られたポリウレタンエラストマー・ゲルは、満足すべき難燃性が得られず、特にフタル酸エステルを用いた比較例9および10では、ブリードによる汚染が観察された。
(A)成分の1分子あたり平均水酸基数が1.8の場合、表4の実施例6を表1の比較例1に比べて明らかなように、(C)成分を用いなくても適切な表面硬さを有するポリウレタンエラストマー・ゲルが得られた。このような(A)成分の場合に、(C)成分を用いると、耐熱性と難燃性が低下した。
本発明の組成物から得られるポリウレタンエラストマー・ゲルは、ハロゲン系またはリン系の難燃剤を用いなくても優れた難燃性が得られ、柔軟性、非汚染性および耐熱性が優れていることから、エレクトロニクス分野に広く用いることができ、特にHDDの耐衝撃保護材として好適である。

Claims (9)

  1. (A)高級脂肪酸から誘導される、水酸基含有化合物又はその混合物;および
    (B)イソシアナト基を有するイソシアネート化合物若しくはそのジオール誘導体又はこれらの混合物
    を含む硬化してタイプC硬さ1〜20の低硬度ウレタンエラストマー・ゲル材を与える硬化性組成物であって、
    前記(A)が、(A−1)数平均分子量600〜3000の、リシノール酸若しくはひまし油脂肪酸又はこれらの水添脂肪酸から誘導されるジオールを含み、
    前記(A)中、前記(A−1)が(58×100/60)〜100重量%であり、
    前記(A)の数平均分子量が600〜3000であり、
    前記(A)の1分子あたりの平均水酸基数が1.8〜2.0であり、
    前記(B)の1分子あたりの平均イソシアナト基数が、2.0〜3.0であり、
    前記(A)の1分子あたりの平均水酸基数が1.9〜2.0の場合は、さらに、
    (C)高級脂肪酸グリセリド
    を有し、前記(C)のグリセリン部分に残存する水酸基、および高級脂肪酸部分の炭素鎖に有される水酸基は、修飾されており、
    前記(A)の1分子あたりの平均水酸基数が1.8以上1.9未満の場合は、
    前記(C)、及び、
    ダイマー酸1モルと、1分子あたりの官能基数2.5以下のヒマシ油系ポリオール1モル又は2モル及び前記ヒマシ油系ポリオール以外のポリオール1モル又は0モルとのエステル化物からなるポリエステルポリオールを含まない硬化性組成物。
  2. 前記(B)が、分子中に平均2.0〜2.5個のイソシアナト基を有する、請求項1記載の組成物。
  3. 前記(B)が、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートまたはそのジオール誘導体である、請求項1又は2記載の組成物。
  4. 前記(B)のイソシアナト基と前記(A)の水酸基のモル比が、0.95〜1.10である、請求項1〜のいずれか1項記載の組成物。
  5. 前記(C)が、アセチル化された水酸基含有高級脂肪酸グリセリドである、請求項1〜のいずれか1項記載の組成物。
  6. 前記(C)がアセチル化リシノール酸トリグリセリドである、請求項記載の組成物。
  7. さらに触媒量のアミン類、カルボン酸金属塩、有機スズ化合物または金属キレート化合物の1種以上を含む、請求項1〜のいずれか1項記載の組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項記載の組成物を硬化して得られるタイプC硬さ1〜20の低硬度ポリウレタンエラストマー・ゲル材。
  9. ハロゲン系またはリン系難燃剤を含まず、UL94難燃規格による難燃性が94V−0に適合する、請求項記載のエラストマー・ゲル材。
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