JP4884996B2 - 新規な(s)−n−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素、その製造方法、及びこれを利用したアルコールの製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、塩基配列およびアミノ酸配列を特定し、該塩基配列を含むDNAを大腸菌により高発現させ、得られた組換え大腸菌を用いて N-ベンジル-3-ピロリジノンを効率よく不斉還元し、(S)-N-ベンジル-3-ピロリジノールを生産することに成功した。
〔1〕次の(1)から(4)に示す理化学的性質を有する、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素;
(1)作用
NAD+を補酵素として、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールに作用し、N−ベンジル−3−ピロリジノンを生成する。NADHを補酵素として、N−ベンジル−3−ピロリジノンに作用し、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する。
(2)補酵素特異性
酸化反応の補酵素としてNAD+を利用し、NADP+を実質的に利用しない。還元反応の補酵素としてNADHを利用し、NADPHを実質的に利用しない。
(3)基質特異性
(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールには作用するが、(R)−N−ベンジル−3−ピロリジノールには実質的に作用しない。エタノール、グリセロールには実質的に作用しない。シクロヘキサノンに対する還元活性が、2−ヘキサノンに対する還元活性よりも高い。
(4)分子量
ゲル濾過における分子量が78,000であり、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)における分子量が39,000〜41,000である。
(5)最適pH
N−ベンジル−3−ピロリジノン還元反応の最適pHが6.0〜7.0である。
(6)最適温度
N−ベンジル−3−ピロリジノン還元反応の最適温度が25〜40℃である。
(a) 配列番号:1に記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド;
(b) 配列番号:2に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
(c) 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列を含み、かつ下記(1)-(3)に記載の理化学的性質を有する(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素をコードするポリヌクレオチド;
(d) 配列番号:1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対して、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ下記(1)-(3)に記載の理化学的性質を有する(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素をコードするポリヌクレオチド;および
(e) 配列番号:2に記載のアミノ酸配列と70%以上の同一性を有し、かつ下記(1)-(3)に記載の理化学的性質を有する(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素をコードするポリヌクレオチド;
(1)作用
NAD+を補酵素として、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールに作用し、N−ベンジル−3−ピロリジノンを生成する。NADHを補酵素として、N−ベンジル−3−ピロリジノンに作用し、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する。
(2)補酵素特異性
酸化反応の補酵素としてNAD+を利用し、NADP+を実質的に利用しない。還元反応の補酵素としてNADHを利用し、NADPHを実質的に利用しない。
(3)基質特異性
(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールには作用するが、(R)−N−ベンジル−3−ピロリジノールには実質的に作用しない。エタノール、グリセロールには実質的に作用しない。シクロヘキサノンに対する還元活性が、2−ヘキサノンに対する還元活性よりも高い。
(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素
本発明に係る(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素は、以下の(1)−(6)の理化学的性質を有する蛋白質である。
(1)作用
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(本発明において「NAD+ 」ということがある)を補酵素として、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールに作用し、N−ベンジル−3−ピロリジノンを生成する。還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(本発明において「NADH」ということがある)を補酵素として、N−ベンジル−3−ピロリジノンに作用し、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する。
酸化反応の補酵素としてNAD+を利用し、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(本発明において「NADP+」ということがある)を実質的に利用しない。還元反応の補酵素としてNADHを利用し、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(本発明において「NADPH」ということがある)を実質的に利用しない。
2−プロパノール、2−ブタノールには作用するが、エタノール、1−ブタノール、グリセロールには実質的に作用しない。(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールには作用するが、(R)−N−ベンジル−3−ピロリジノールには実質的に作用しない。
ゲル濾過における分子量が78,000であり、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)における分子量が39,000−41,000である。
N−ベンジル−3−ピロリジノン還元反応の最適pHが6.0〜7.0である。
N−ベンジル−3−ピロリジノン還元反応の最適温度が25〜40℃、好ましくは30℃である。
((S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールに対する還元活性測定法)
50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)、0.2mM NADH、3mM N−ベンジル−3−ピロリジノン及び酵素を含む反応液中25℃で反応させ、NADHの減少にともなう340nmの吸光度の減少を測定する。1Uは、1分間に1μmolのNADHの減少を触媒する酵素量とする。また、タンパク質の定量は、バイオラッド製タンパク質アッセイキットを用いた色素結合法により行う。
これらの培地を用いて培養した後、対数増殖期から定常期の菌体を回収することで酵素活性の高い菌を調製することができる。
通常は、培養開始時のpHを2〜9、好ましくは4〜7に調節し、15〜40℃、好ましくは20〜35℃の温度条件下で培養することが望ましい。培養時間は通常は1日から7日、好ましくは1日から3日である。
本発明は、下記(a)-(e)のいずれかに記載のポリヌクレオチドにも関する。
(a) 配列番号:1に記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド;
(b) 配列番号:2に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
(c) 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列を含み、かつ下記(1)-(3)に記載の理化学的性質を有する(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素をコードするポリヌクレオチド;
(d) 配列番号:1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対して、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ下記(1)-(3)に記載の理化学的性質を有する(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素をコードするポリヌクレオチド;および
(e) 配列番号:2に記載のアミノ酸配列と70%以上の同一性を有し、かつ下記(1)-(3)に記載の理化学的性質を有する(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素をコードするポリヌクレオチド;
(1)作用
NAD+を補酵素として、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールに作用し、N−ベンジル−3−ピロリジノンを生成する。NADHを補酵素として、N−ベンジル−3−ピロリジノンに作用し、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する。
(2)補酵素特異性
酸化反応の補酵素としてNAD+を利用し、NADP+を実質的に利用しない。還元反応の補酵素としてNADHを利用し、NADPHを実質的に利用しない。
(3)基質特異性
(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールには作用するが、(R)−N−ベンジル−3−ピロリジノールには実質的に作用しない。エタノール、グリセロールには実質的に作用しない。シクロヘキサノンに対する還元活性が、2−ヘキサノンに対する還元活性よりも高い。
ゲル濾過における分子量が78,000であり、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)における分子量が39,000〜41,000である。
N−ベンジル−3−ピロリジノン還元反応の最適pHが6.0〜7.0である。
N−ベンジル−3−ピロリジノン還元反応の最適温度が25〜40℃である。
コロニーハイブリダイゼーション、
プラークハイブリダイゼーション、
サザンブロット法
スクリーニングには、酵素生産株であるジオトリカム・カピテイタム、ジオトリカム属の微生物、あるいはその他の生物種等の染色体DNA、またはcDNAライブラリーを利用することができる。
また、酵素生産株の染色体DNAまたはcDNAライブラリーを鋳型としてPCRによって、本発明のポリヌクレオチドを得ることもできる。PCR用のプライマーは、配列番号:1の塩基配列を元にデザインすることができる。PCRによって得られたDNAが断片であれば、DNA断片の塩基配列に基づいて更にその全長配列を決定することができる。たとえば、逆PCR(inverse PCR; Genetics(1988)120: 621-3)を利用して、断片配列情報に基づいて、全長配列を決定することができる。逆PCRは、部分的に塩基配列が不明なDNAを適当な制限酵素で消化後、自己環化反応により環化されたDNAを鋳型として利用するPCRである。断片配列内部にアニールするプライマーを利用して、その前後に連続する塩基配列が未知の領域を増幅することができる。
あるいはRACE法(Rapid Amplification of cDNA End;「PCR実験マニュアル」HBJ出版局,p25-33)によって本発明のポリヌクレオチドを得ることもできる。
ハイブリダイゼーション法の詳細な手順については、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed.」(Cold Spring Harbor Press(1989)、特にSection9.47-9.58)、「Current Protocols in Molecular Biology」(John Wiley&Sons(1987-1997)、特にSection6.3-6.4)、「DNA Cloning 1: Core Techniques, A Practical Approach 2nd ed.」(Oxford University(1995)、特にSection2.10)等を参照することができる。
本発明において、塩基配列、あるいはアミノ酸配列の同一性は、 Lipman-Pearson法(Science (1985)227:1435-41)によるプログラムを用いて計算した値を表す。タンパク質の同一性は、アミノ酸配列に関するデータベースを利用して検索することができる。例えばSWISS-PROT、PIR、DAD等のタンパク質のアミノ酸に配列情報を蓄積したデータベースを利用することができる。あるいはDNAの同一性は、塩基配列情報を蓄積したデータベースを利用して検索することができる。DDBJ、EMBLまたはGenBank等のDNAに関するデータベースが公知である。これらのデータベースにおいては、DNAの塩基配列を元に予想されたアミノ酸配列情報を利用することもできる。各種の配列情報は、これらのデータベース等を対象に、BLAST、FASTA等のプログラムを利用して検索することができる。ここに例示したデータベースは、いずれもインターネット(例えば、 http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)を通じて利用することができる。
(1)中性疎水性側鎖(アラニン、トリプトファン、バリン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン、ロイシン);
(2)中性極性側鎖(アスパラギン、グリシン、グルタミン、システイン、セリン、チロシン、トレオニン);
(3)塩基性側鎖(アルギニン、ヒスチジン、リシン);
(4)酸性側鎖(アスパラギン酸、グルタミン酸);
(5)脂肪族側鎖(アラニン、イソロイシン、グリシン、バリン、ロイシン);
(6)脂肪族水酸基側鎖(セリン、トレオニン);
(7)アミン含有側鎖(アスパラギン、アルギニン、グルタミン、ヒスチジン、リシン);
(8)芳香族側鎖(チロシン、トリプトファン、フェニルアラニン);および
(9)硫黄含有側鎖(システイン、メチオニン)。
アフィニティークロマトグラフィー、
アニオンまたはカチオン交換等のイオン交換クロマトグラフィー、
逆相クロマトグラフィー、
吸着クロマトグラフィー、
ゲル濾過、
疎水性クロマトグラフィー、
ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー
本発明のポリヌクレオチドを公知の発現ベクターに挿入することにより、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素発現ベクターが提供される。即ち本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含む組換えベクターに関する。適当なベクターとして、プラスミド、コスミド、ウイルス、バクテリオファージ等の種々のベクターを挙げることができる(Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed., Cold Spring Harbor Press(1989); Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley&Sons(1987)参照)。本発明の好ましいベクターとしては、これに限定されるわけではないが、例えば、大腸菌における発現ベクターpSE420Dに(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素をコードする遺伝子を発現可能に挿入したpK4EC等が挙げられる。
本発明のベクターは、好ましくは、挿入された本発明のポリヌクレオチドの発現に必要とされる制御配列の全ての構成成分を含むものである。さらに、本発明のベクターは、該ベクターが導入された宿主細胞を選択するための選択マーカーを含むことができる。
(1)宿主ベクター系の開発されている細菌
・エシェリヒア(Escherichia)属
・バチルス(Bacillus)属
・シュードモナス(Pseudomonas)属
・セラチア(Serratia)属
・ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属
・コリネバクテリイウム(Corynebacterium)属
・ストレプトコッカス(Streptococcus)属
・ラクトバチルス(Lactobacillus)属など
(2)宿主ベクター系の開発されている放線菌
・ロドコッカス(Rhodococcus)属
・ストレプトマイセス(Streptomyces)属など
(3)宿主ベクター系の開発されている酵母
・サッカロマイセス(Saccharomyces)属
・クライベロマイセス(Kluyveromyces)属
・シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属
・チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属
・ヤロウイア(Yarrowia)属
・トリコスポロン(Trichosporon)属
・ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属
・ピキア(Pichia)属
・キャンディダ(Candida)属など
(4)宿主ベクター系の開発されているカビ
・ノイロスポラ(Neurospora)属
・アスペルギルス(Aspergillus)属
・セファロスポリウム(Cephalosporium)属
・トリコデルマ(Trichoderma)属など
本発明の第1の光学活性アルコールの製造方法は、前記(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素のカルボニル化合物の還元によるアルコールの製造方法、特に好ましくは(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの製造方法である。
上記還元反応では、NADHを補酵素として加えることが好ましい。
前記(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素を生成する形質転換体の微生物の処理物には、具体的には界面活性剤やトルエンなどの有機溶媒処理によって細胞膜の透過性を変化させた微生物、あるいはガラスビーズや酵素処理によって菌体を破砕した無細胞抽出液やそれを部分精製したもの、高度に精製したもの、各種固定化担体に固定化したものなどが含まれる。
また、基質は反応開始時に一括して添加することも可能であるが、反応液中の基質濃度が高くなりすぎないように連続的、もしくは非連続的に添加することが望ましい。
ジオトリカム・カピテイタム JCM 3908株をYM培地中30℃で培養し、遠心分離により湿菌体を調製した。得られた湿菌体約180gを50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)、1mM 2−メルカプトエタノール(以下、緩衝液Aと略す)−600mLに澱懸し、ビードビーター(Biospec社製) により破砕後、遠心分離により菌体残渣を除去し、無細胞抽出液を得た。
この無細胞抽出液には、少なくとも4種類の脱水素酵素が含まれていることが、活性染色により確認できた。
実施例1で得られた酵素のサブユニットの分子量をSDS−PAGEにより求めた結果、2本のバンドが得られ、それらの分子量は約41,000、約39,000と算出された(図1)。また、スーパーデックスG200のゲルろ過カラムを用いて分子量を測定したところ、約78,000であった。41kDaと39kDaのサブユニットからなるヘテロダイマーの可能性もあるが、39kDaのバンドが41kDaのバンドに比較して薄いことから39kDaのバンドは41kDaのタンパク質が一部プロテアーゼなどによる分解を受けた可能性が高い。
McIIvaine緩衝液、2−(N−Morpholino)ethanesulfonic acid(MES)−水酸化ナトリウム緩衝液、2−[4−(2−Hydroxyethyl)−1−piperazinyl]ethanesulfonic acid(HEPES)−水酸化ナトリウム緩衝液、Tris(hydroxymethyl)aminomethane(Tris)−塩酸緩衝液を用いてpHを変化させて、実施例1で得られた酵素のN−ベンジル−3−ピロリジノン還元活性を調べ、最大活性を100とした相対活性で表し、図2に示した。反応の至適pHは7.0であり、6.0〜7.0の範囲で最大活性の80%以上を有していた。
実施例1で得られた酵素を標準反応条件のうち温度だけを変化させてN−ベンジル−3−ピロリジノン還元活性を測定し、最大活性を100とした相対活性で表し、図3に示した。至適温度は30℃であり、25−40℃の範囲で最大活性の80%以上を有していた。
実施例1で得られた酵素をpH8.0で20分間放置した後、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素を測定した。結果は、未処理の活性を100とした残存活性で表し、図4に示した。本発明による(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素は、50℃まで80%以上の残存活性を有していた。
実施例1で得られた酵素のN−ベンジル−3−ピロリジノンに対する還元活性をNADH、NADPHを用いて測定した結果、NADHでのみ活性を発現し、NADPHでは活性を有しなかった。
実施例1で得られた酵素の(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールに対する酸化活性をNAD+、NADP+を用いて測定した結果、NAD+でのみ活性を発現し、NADP+では活性を有しなかった。
実施例1で得られた酵素を種々のカルボニル化合物10mMと反応させ、その還元活性を測定した。結果は、NADHを補酵素としたN−ベンジル−3−ピロリジノン還元活性を100とした相対活性で表し、表2に示した。
実施例1で得られた酵素を種々のアルコール化合物10mMと反応させ、その酸化活性を測定した。結果は、NAD+を補酵素とした(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール酸化活性を100とした相対活性で表し、表3に示した。
実施例1で得られた酵素を用いて、脱水素反応における(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール、NAD+、還元反応におけるN−ベンジル−3−ピロリジノン、NADHに対するKm値をLineweaver−Burk plotにより求めた結果、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールに対して8.47mM、NAD+に対して0.79mM、N−ベンジル−3−ピロリジノンに対して0.13mM、NADHに対して0.87mMであった。
種々の試薬中で25℃、3分間処理した後、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素活性を測定し、試薬を含まない条件で30℃、3分間処理した後の残存活性を100とした残存活性で表し、表4に示した。本発明による(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素は、パラクロロ水銀安息香酸 (PCMB)、o−フェナンスロリン、2,2’−ジピリジル、塩化銅、塩化水銀、硫酸亜鉛、塩化ニッケルによって顕著に阻害され、エチレンジアミン4酢酸 (EDTA)では阻害されなかった。
実施例1で得られた精製酵素を用いて10mM N−ベンジル−3−ピロリジノンを含む、100mMリン酸カリ緩衝液(pH6.5)、1mM NADH、1U/mLグルコース脱水素酵素、20mMD−グルコースを含む試験管中で25℃で4時間反応させた。得られたN−ベンジル−3−ピロリジノールは収率90%であり、立体構造は(S)体であり、光学純度は98%ee以上であることが確認できた。
実施例1で得られた精製酵素を用いて、ラセミ体の10mM N−ベンジル−3−ピロリジノールを含む、100mMリン酸カリ緩衝液(pH7.0)、1mM NAD+、NADHオキシダーゼ(1U/mL)を含む試験管中で25℃で4時間反応させた。得られたN−ベンジル−3−ピロリジノールは収率45%であり、立体構造は(R)体であり、光学純度は98%ee以上であることが確認できた。
Geotrichum capitatumを5 mLの酵母用培地(2% グルコース、0.5% ポリペプトン、0.3% 酵母エキス、0.3% 麦芽エキス:pH6.0)で一晩30℃、300spmで培養した。遠心分離で集菌し、滅菌超純水で洗浄した。これにSolution A(1% SDS、2% Triton X-100、1mM EDTA、10mM Tris-HCl pH8.0)を200 μL加えて懸濁した。この懸濁液にフェノール/クロロホルム(1:1)を200 μL、ガラスビーズ(直径0.5mm)を0.3gを加え、5分間ボルテックスミキサーで撹拌した。次にTE緩衝液を200 μL加え室温で16000×gの遠心分離を10分行った。上清をエッペンドルフチューブに移し、フェノールクロロホルム処理後、エタノール沈殿をしてTEバッファーに溶解し、染色体DNAを調製した。
実施例1で得た精製酵素のSDS-PAGEの結果、2本のバンドが得られ、それらの分子量は約41,000、約39,000と算出された。これらのバンドを切り取り、プロテアーゼにより分解後、それぞれのバンド由来の断片について内部アミノ酸配列を決定した。約41,000の分子量のバンドからはAFGSYVIAVDP(配列番号:3)、ITFDLNHLAF(配列番号:4)、約39,000の分子量のバンドからはFGSYVIAVDP(配列番号:5)、LIVPVGLQ(配列番号:6)と内部配列が決定された。この結果から、分子量約39,000のサブユニットは分子量約41,000のサブユニットが分解を受けたものである可能性が高い。
GcSADH-AS2 TTYGGNTCNTAYGTNATHGCNGT(配列番号:8)
GcSADH-BA AANGCNARRTGRTTNARRTCRAA(配列番号:9)
GcSADH-AA1 TGNCGHTANTGYATYGANGGYTT(配列番号:10)
GcSADH-AA2 TGNCGHTANTGYATNCTNGGYTT(配列番号:11)
GcSADH-BS TGNAARCTRRANTTRGTRRANCGNAA(配列番号:12)
得られたバンドを分離精製後、TAクローニングによってpCR2.1-TOPO(Invitrogen製)に挿入し、挿入DNA断片の塩基配列を解析した。得られたコア領域(プライマー部位を除く)は196bpからなり、DNA配列を以下に示した。
CGATCCAAAGGAATCTTCCCGTGACCTTGCTAAGCAATACGGTGCCAACGAAGTTTACGCCAAACTCCCAGAAGAATCTCTCGACGTCGACGTTGCTGCTGATTTCTACGGTTCCCAAGGTACCTTTGACTTGTGCCAAAAGCACGTCAAGGCCCAAGGTATTCTTCTCCCAGTCGGTCTCCAAGATCCAAAGATC
コア領域の5’-隣接領域の遺伝子クローニングをTAKARA LA PCR In vitro Cloning Kit (タカラバイオ製)を用いて行った。
コア領域の配列から以下のプライマーを作製した。
GcSADH-UP2 AGTTTGGCGTAAACTTCGTTG(配列番号:15)
(S)-N-ベンジル-3-ピロリジノール脱水素酵素をコードする遺伝子コア領域の3’-隣接領域のクローニングを5’-隣接領域のクローニングと同様にTAKARA LA PCR In vitro Cloning Kit (タカラバイオ製)を用いて行った。
コア領域の配列から以下のプライマーを作製した。
GcSADH-DN2 GTTCCCAAGGTACCTTTGAC(配列番号:19)
得られたORFの塩基配列を配列番号:1に示した。ORFは1023 bpからなり、340アミノ酸残基からなる36,000 Daの蛋白質をコードしていた。
ATGGCCGAAATCCCCGAAAAGCAAACCGCCTTTGTCTTCAAGAACGGATCCTTTGCATTGGAAAAGAAGGAAATCGAAGTTCCTAAACCAGATGCTGGCAAAGTTCTCTTAAAGGTCGCCGCCGCTGGTGTCTGCCACTCAGATCTCCACGTCCTCCACGGAGGTCTCCCATACCCAGACGGTCTCATTTTGGGACACGAAATTGCTGGTCACATTGTCGCTTACGGTGACGGTGTCGACAAGGCCGCTTTCCCATCAGACGCTCTCTACGCTGTTGTCGGACCAAATCCATGCGGTATGTGCAAGGCATGCCGAACTGGCGCTGACAATGTCTGTGAAGACCCCTCCCGTACTCACATGGGTCTCGGTTCCCCAGGTGGATACGAACAATACACACAAGTCTCAGCACGCAATATTACCAAAGTACCAGAAGGTATTCCAGCAGCTGTAGCCGCTGCCTCTACTGACGCAGTTCTTACTCCATACCACGCTCTCAAGCGTGCCGGTATTAACGGTATGACCAGACTCTTGATTGTTGGTCTCGGAGGTCTCGGTATCAACGCCGTTCAAATTGCAAAGGCTTTTGGCAGTTACGTCATTGCTGTCGATCCAAAGGAATCTTCCCGTGACCTTGCTAAGCAATACGGTGCCAACGAAGTTTACGCCAAACTCCCAGAAGAATCTCTCGACGTCGACGTTGCTGCTGATTTCTACGGTTCCCAAGGTACCTTTGACTTGTGCCAAAAGCACGTCAAGGCCCAAGGTATTCTTCTCCCAGTCGGTCTCCAAGATCCAAAGATCACTTTTGACTTGAACCACCTTGCTTTCAGAGAATACACAATCATTGGTAACTTCTGGGGTACTTCCCAAGATCAAACTGAAGTCTTTGAATTGGTCAAGAAGGGATTGGNCACTCCACAAGTCGAAACCACTTCTTGGTTGAACGTTAACAAGGTTCTTAAGGATTTGGATGAAGGAAAGATCAAATCTCGTATGGTTTTGGTCCACAATGAAGATAACTAA
MAEIPEKQTAFVFKNGSFALEKKEIEVPKPDAGKVLLKVAAAGVCHSDLHVLHGGLPYPDGLILGHEIAGHIVAYGDGVDKAAFPSDALYAVVGPNPCGMCKACRTGADNVCEDPSRTHMGLGSPGGYEQYTQVSARNITKVPEGIPAAVAAASTDAVLTPYHALKRAGINGMTRLLIVGLGGLGINAVQIAKAFGSYVIAVDPKESSRDLAKQYGANEVYAKLPEESLDVDVAADFYGSQGTFDLCQKHVKAQGILLPVGLQDPKITFDLNHLAFREYTIIGNFWGTSQDQTEVFELVKKGLXTPQVETTSWLNVNKVLKDLDEGKIKSRMVLVHNEDN
GcSADH-TAA1 GCTCTAGATTAGTTATCTTCATTGTGGACCAAAA(配列番号:21)
得られたプラスミド pSG-POBS により大腸菌を形質転換した。得られた形質転換体をアンピシリンを含む5 mLの LB培地中でOD660=0.5(約6時間)まで培養し、IPTGを0.1 mMとなるように加え、更に3時間培養後に集菌した。得られた菌体を50 mM KPB (pH 7.0) で洗浄後、1.2 mLの同緩衝液に懸濁し、マルチビーズショッカー(YASUI KIKAI)で菌体を破砕(beads 0.5mm、2700rpm ON:30s OFF:30s 15times)後、遠心上澄(15,000 rpm、30min)を無細胞抽出液とした。
タンパク質濃度の測定にはBradford法(BIO-RAD)を用い、BSAを検量線の作成に用いた。
50 mM KPB (pH 6.0), 3 mM N-benzyl-3-pyrrolidinone, 0.2 mM NADH 25℃
50 mM KPB (pH 8.0), 10 mM (R) もしくは (S)-N-benzyl-3-pyrrolidinol, 2 mM NAD+ 25℃
プライマー GcSADH-ATG1, GcSADH-TAA1を用い、pSG-POBS構築と同様にPCRを行った。得られた増幅DNA断片を制限酵素NcoI及びXbaIで二重消化し、制限酵素NcoI及びXbaIで二重消化したpSE420DとライゲーションしてpSE-POBSを構築した。
プライマー GcSADH-ATG2, GcSADH-TAA2を用い、以下の条件でPCRを行った。染色体DNA 200 ng、各プライマー5μM、dNTP各0.2 mM、ExTaq(タカラバイオ製) 0.5 U, ExTaq用緩衝液を含む20μlの反応液を用い94℃ 3分の熱処理後94℃ 1分、55℃ 1分、72℃ 2分を30サイクル行った。得られた増幅DNA断片を制限酵素EcoRI及びHindIIIで二重消化し、制限酵素EcoRI及びHindIIIで二重消化したpSE-MF26とライゲーションしてpSF-POBSを構築した。
GcSADH-TAA2: GGCCCAAGCTTATTTAGTTATCTTCATTGTGGACC(配列番号:23)
それぞれの形質転換体を5 mL アンピシリン含有LB培地で37 ℃、150 rpmで一晩振盪培養した。この培養液500μlを500 mLのアンピシリン含有LB培地に接種し、660nmの吸光度が0.5になるまで培養した後、0.1 mM IPTGを加え、更に3時間培養後集菌した。
BPNを不斉還元してSPOBを生成する菌体反応は次の条件で行った。30 mM BPN、50 mM グルコース、菌体10mg (乾燥菌体重量)、50mM KPB (pH 7.0) を含む1 mLの反応液を30 ℃, 300 spmで振盪した。pSE-POBSによるBPNの還元の結果を図5に示す。
BPNを不斉還元してSPOBを生成する菌体反応は次の条件で行った。30 mM BPN、50 mM グルコース、菌体10mg (乾燥菌体重量)、50mM KPB (pH 7.0) を含む1 mLの反応液を30 ℃, 300 spmで振盪した。pSG-POBSによるBPNの還元の結果を図6に示す。
BPNを不斉還元してSPOBを生成する菌体反応は次の条件で行った。30 mM BPN、50 mMギ酸ナトリウム、菌体10mg (乾燥菌体重量)、50mM KPB (pH 7.0) を含む1 mLの反応液を30 ℃, 300 spmで振盪した。pSF-POBSによるBPNの還元の結果を図7に示す。
Claims (16)
- 次の(1)から(6)に示す理化学的性質を有する、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素;
(1)作用
NAD+を補酵素として、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールに作用し、N−ベンジル−3−ピロリジノンを生成する。NADHを補酵素として、N−ベンジル−3−ピロリジノンに作用し、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する。
(2)補酵素特異性
酸化反応の補酵素としてNAD+を利用し、NADP+ を利用しない。還元反応の補酵素としてNADHを利用し、NADPHを利用しない。
(3)基質特異性
(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールには作用するが、(R)−N−ベンジル−3−ピロリジノールには作用しない。エタノール、グリセロールには作用しない。シクロヘキサノンに対する還元活性が、2−ヘキサノンに対する還元活性よりも高い。
(4)分子量
ゲル濾過における分子量が78,000であり、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)における分子量が39,000〜41,000である。
(5)最適pH
N−ベンジル−3−ピロリジノン還元反応の最適pHが6.0〜7.0である。
(6)最適温度
N−ベンジル−3−ピロリジノン還元反応の最適温度が25〜40℃である。 - ジオトリカム(Geotrichum)属に属する微生物が生産する酵素である、請求項1に記載の(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素。
- 前記ジオトリカム属に属する微生物が、ジオトリカム・カピテイタム(Geotrichum capitatum)であることを特徴とする、請求項2に記載の(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素。
- 下記(a)-(e)のいずれかに記載のポリヌクレオチド;
(a) 配列番号:1に記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド;
(b) 配列番号:2に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
(c) 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列を含み、かつ下記(1)-(3)に記載の理化学的性質を有する(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素をコードするポリヌクレオチド;
(d) 配列番号:1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対して、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ下記(1)-(3)に記載の理化学的性質を有する(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素をコードするポリヌクレオチド;および
(e) 配列番号:2に記載のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有し、かつ下記(1)-(3)に記載の理化学的性質を有する(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素をコードするポリヌクレオチド;
(1)作用
NAD+を補酵素として、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールに作用し、N−ベンジル−3−ピロリジノンを生成する。NADHを補酵素として、N−ベンジル−3−ピロリジノンに作用し、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する。
(2)補酵素特異性
酸化反応の補酵素としてNAD+を利用し、NADP+ を利用しない。還元反応の補酵素としてNADHを利用し、NADPHを利用しない。
(3)基質特異性
(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールには作用するが、(R)−N−ベンジル−3−ピロリジノールには作用しない。エタノール、グリセロールには作用しない。シクロヘキサノンに対する還元活性が、2−ヘキサノンに対する還元活性よりも高い。 - ジオトリカム(Geotrichum)属に属する微生物由来である請求項4に記載のポリヌクレオチド。
- 前記ジオトリカム属に属する微生物が、ジオトリカム・カピテイタム(Geotrichum capitatum)である請求項5に記載のポリヌクレオチド。
- 請求項4に記載のポリヌクレオチドによってコードされる(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素。
- 請求項4に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
- 請求項4に記載のポリヌクレオチド、または請求項4に記載のポリヌクレオチドを含むベクターを導入された形質転換細胞。
- 請求項1〜3、7のいずれかに記載の(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素を生産するジオトリカム(Geotrichum)属に属する微生物を培養して、請求項1〜3、7のいずれかに記載の(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素を回収することを含む、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素の製造方法。
- 前記ジオトリカム属に属する微生物が、ジオトリカム・カピテイタム(Geotrichum capitatum)であることを特徴とする、請求項10に記載の(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素の製造方法。
- 請求項4に記載のポリヌクレオチド、または請求項4に記載のポリヌクレオチドを含むベクターを導入された形質転換細胞を培養し、その培養物から請求項4に記載のポリヌクレオチドによってコードされる蛋白質を回収する工程を含む、請求項4に記載のポリヌクレオチドによってコードされる蛋白質の製造方法。
- 請求項1〜3、7のいずれかに記載の(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素をカルボニル化合物に接触させる工程、および生成される光学活性アルコールを回収する工程を含む、光学活性アルコールの製造方法。
- 前記カルボニル化合物が、N−ベンジル−3−ピロリジノンであり、光学活性アルコールが(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールである、請求項13に記載の光学活性アルコールの製造方法。
- 請求項1〜3、7のいずれかに記載の(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール脱水素酵素を、光学活性アルコールの混合物に接触させ、いずれかの光学活性アルコールを選択的に酸化し、残存する他方の光学活性アルコールを得る工程を含む、光学活性アルコールの製造方法。
- 前記光学活性アルコールの混合物が(R)−N−ベンジル−3−ピロリジノール及び(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの任意の比率の混合物であり、残存する他方の光学活性アルコールが(R)−N−ベンジル−3−ピロリジノールである、請求項15に記載の光学活性アルコールの製造方法。
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