JP4884925B2 - メッキ厚計測装置、メッキ厚計測方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 - Google Patents

メッキ厚計測装置、メッキ厚計測方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、母材上にメッキ層が形成された被計測物に対して超音波を送受信して、メッキ層の厚みを計測するメッキ厚計測装置、メッキ厚計測方法、当該メッキ厚計測方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及びこのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
従来、母材上にメッキ層が形成された被計測物において、当該メッキ層の厚みを非破壊で計測する方法としては、X線を用いた計測方法(例えば、下記の特許文献1及び2参照)や、超音波を用いた計測方法(例えば、特許文献3参照)等がある。
このうち、X線を用いた計測方法では、メッキ層の厚みが100μm程度までが限界とされており、厚み100μm以上のメッキ層を有する被計測物に対して適正な計測を行うためには、超音波を用いた計測方法を適用する必要がある。
ところで、メッキ層の厚み測定ではないが、物体の厚さの変化が当該物体の厚み方向に伝播する超音波の共振周波数と相関があることは良く知られており、本原理による単一材質の物体の厚み計測を行う事ができることは知られている。
特開平10−246619号公報 特開平9−14946号公報 特開昭61−79158号公報
しかしながら、従来の超音波を用いた計測方法では、母材の材質とメッキ層の材質との音響インピーダンスが大きく異なった被計測物に限って、適正にメッキ層の厚みが計測できるというものであった。ここで、一般的に、音響インピーダンスは、材質の密度と材質における音速との積により決定されることが知られている。
そして、従来の超音波を用いた計測方法では、例えば、母材の材質とメッキ層の材質とが互いに周期表の近隣に位置する関係の材質からなる場合(具体例として、母材がCuからなり、メッキ層がCoやNiからなる場合)のように、母材の材質とメッキ層の材質との音響インピーダンスに大差がないときには、母材からの超音波とメッキ層からの超音波を分離し難くなるため、当該メッキ層の厚みを適正に計測することが困難であった。
本発明は上述の問題点にかんがみてなされたものであり、母材上にメッキ層が形成された被計測物に対して超音波を送受信して当該メッキ層の厚みを計測する場合に、母材の材質とメッキ層の材質との音響インピーダンスに大差がない被計測物であっても、メッキ層の厚みを適正に計測できるようにすることを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
本発明のメッキ厚計測装置は、母材上にメッキ層が形成された被計測物における前記メッキ層の厚みを計測するメッキ厚計測装置であって、超音波を送信する超音波送信手段と、前記超音波送信手段から前記被計測物に対して所定の周波数領域における各周波数の超音波が送信され、前記被計測物の内部を伝播した前記各周波数の超音波を受信して前記被計測物における複数の共振周波数を検出する検出手段と、前記検出手段で検出した複数の共振周波数に基づいて、共振周波数の周波数間隔を算出する第1の算出手段と、前記母材上に形成されたメッキ層の厚みが異なる複数の被計測物それぞれについて、複数の異なる周波数の超音波を前記メッキ層表面から入射させた場合の受信超音波の振幅を数値解析により算出することにより、前記メッキ層の厚みが異なる複数の被計測物それぞれについての共振周波数を算出して、前記メッキ層の厚みと前記共振周波数の周波数間隔との関係を示す較正特性を算出する較正特性算出手段と、前記第1の算出手段で算出した共振周波数の周波数間隔に基づいて、前記較正特性から、前記被計測物における前記メッキ層の厚みを算出する第2の算出手段とを有する。
本発明のメッキ厚計測方法は、母材上にメッキ層が形成された被計測物における前記メッキ層の厚みを計測するメッキ厚計測方法であって、超音波を送信する超音波送信ステップと、前記超音波送信ステップにおいて前記被計測物に対して所定の周波数領域における各周波数の超音波が送信され、前記被計測物の内部を伝播した前記各周波数の超音波を受信して前記被計測物における複数の共振周波数を検出する検出ステップと、前記検出ステップで検出した複数の共振周波数に基づいて、共振周波数の周波数間隔を算出する第1の算出ステップと、前記母材上に形成されたメッキ層の厚みが異なる複数の被計測物それぞれについて、複数の異なる周波数の超音波を前記メッキ層表面から入射させた場合の受信超音波の振幅を数値解析により算出することにより、前記メッキ層の厚みが異なる複数の被計測物それぞれについての共振周波数を算出して、前記メッキ層の厚みと前記共振周波数の周波数間隔との関係を示す較正特性を算出する較正特性算出ステップと、前記第1の算出ステップで算出した共振周波数の周波数間隔に基づいて、前記較正特性から、前記被計測物における前記メッキ層の厚みを算出する第2の算出ステップとを有する。
本発明のプログラムは、母材上にメッキ層が形成された被計測物における前記メッキ層の厚みを計測するメッキ厚計測方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、超音波を送信する超音波送信ステップと、前記超音波送信ステップにおいて前記被計測物に対して所定の周波数領域における各周波数の超音波が送信され、前記被計測物の内部を伝播した前記各周波数の超音波を受信して前記被計測物における複数の共振周波数を検出する検出ステップと、前記検出ステップで検出した複数の共振周波数に基づいて、共振周波数の周波数間隔を算出する第1の算出ステップと、前記母材上に形成されたメッキ層の厚みが異なる複数の被計測物それぞれについて、複数の異なる周波数の超音波を前記メッキ層表面から入射させた場合の受信超音波の振幅を数値解析により算出することにより、前記メッキ層の厚みが異なる複数の被計測物それぞれについての共振周波数を算出して、前記メッキ層の厚みと前記共振周波数の周波数間隔との関係を示す較正特性を算出する較正特性算出ステップと、前記第1の算出ステップで算出した共振周波数の周波数間隔に基づいて、前記較正特性から、前記被計測物における前記メッキ層の厚みを算出する第2の算出ステップとをコンピュータに実行させるためのものである。
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、前記プログラムを記憶したものである。
本発明によれば、母材上にメッキ層が形成された被計測物に対して超音波を送受信して当該メッキ層の厚みを計測する場合に、母材の材質とメッキ層の材質との音響インピーダンスに大差がない被計測物であっても、メッキ層の厚みを適正に計測することができる。
以下に、本発明における諸実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るメッキ厚計測装置の外観図である。
本実施形態のメッキ厚計測装置100は、母材上にメッキ層が形成された被計測物200に対して超音波を送受信して、メッキ層の厚みを計測するものである。
図1に示すように、メッキ厚計測装置100は、EMAT(電磁超音波)センサ110と、超音波送信・受信装置120と、情報処理装置130を有して構成されている。
EMATセンサ110は、例えば、被計測物200に対して磁束を発生させる永久磁石等からなる磁束発生部(不図示)と、当該磁束発生部から発生させた磁束と交差する位置に配置され、通電されるコイル(不図示)とを具備して構成されている。
超音波送信・受信装置120は、例えば、EMATセンサ110のコイルに対して、所定の周波数領域における各周波数の交流電流を順次送信する。これにより、被計測物200の表面には、EMATセンサ110のコイルに流れる交流電流と逆向きの渦電流が発生し、当該渦電流と被計測物200内に発生した磁束により力が生じ、これが横波の超音波振動となって被計測物200の内部を板厚方向に伝播する。
また、超音波送信・受信装置120は、送信した交流電流の各周波数毎に、被計測物200の内部を板厚方向に伝播した超音波を、例えば、EMATセンサ110のコイル内に発生した誘導起電力として受信する。また、超音波送信・受信装置120には、プリアンプ121が設けられており、被計測物200の内部を板厚方向に伝播した超音波に基づく誘導起電力を増幅して受信できるようになっている。
情報処理装置130は、超音波送信・受信装置120における超音波の送信動作及び受信動作を制御すると共に、超音波送信・受信装置120で受信した超音波に基づいて被計測物200におけるメッキ層の厚みを算出する各種の演算処理等を行う。また、情報処理装置130には、表示部131が設けられており、例えば、計測したメッキ層の厚みを表示できるようになっている。
図2は、第1の実施形態に係るメッキ厚計測装置の概略構成図である。ここで、図2には、情報処理装置130における各機能動作を示す機能ブロックを示している。
図2に示すように、情報処理装置130は、表示部131と、較正特性演算部132と、母材厚み記憶部133と、較正特性記憶部134と、共振周波数検出部135と、周波数間隔算出部(第1の算出手段)136と、メッキ厚み算出部(第2の算出手段)137を有して構成されている。
また、図3は、被計測物200の概略断面図である。
図3に示すように、被計測物200は、母材201上にメッキ層202が形成されて構成されている。本実施形態においては、母材201の厚みをd1、メッキ層202の厚みをd2とし、被計測物200の厚みをD(D=d1+d2)とする。
図2に示す情報処理装置130において、表示部131は、計測した被計測物200におけるメッキ層202の厚みを表示したり、当該情報処理装置130における動作状況などを表示したりする。
較正特性演算部132は、メッキ層202の厚みと、被計測物200の内部を伝播する超音波における各共振周波数の周波数間隔(Δf)との関係を示す較正特性を導出するための演算処理を行う。
具体的に、較正特性演算部132は、まず、母材201の厚みd1を演算処理し、その結果を母材厚み記憶部133に記憶する。続いて、較正特性演算部132は、母材201上に形成されるメッキ層202の厚みをパラメータとして当該メッキ層及び母材の合計厚みと超音波送信・受信装置120で受信した超音波における各共振周波数の周波数間隔(Δf)との関係を示すものから、前記合計厚みに対して母材厚み記憶部133に記憶されている母材201の厚みd1を引いたもの前記較正特性とし、これを較正特性記憶部134に記憶する。
母材厚み記憶部133は、較正特性演算部132により導出された母材201の厚みd1を記憶する。較正特性記憶部134は、較正特性演算部132により導出されて予め規定されたメッキ層202の厚みと前記共振周波数の周波数間隔(Δf)との関係を示す較正特性を記憶する。
共振周波数検出部135は、超音波送信・受信装置120からEMATセンサ110を介して被計測物200のメッキ層202の表面、或いはメッキ層202が形成される前の母材201の表面に対して所定の周波数領域における各周波数の超音波が送信され、被計測物200の内部、或いはメッキ層202が形成される前の母材201の内部を伝播した前記各周波数の超音波を超音波送信・受信装置120を介して受信して、被計測物200或いはメッキ層202が形成される前の母材201における複数の共振周波数を検出する。
図4は、被計測物200の内部(或いはメッキ層202が形成される前の母材201の内部)を伝播した共振周波数時の超音波(定在波)の一例を示す模式図である。
図4に示すように、EMATセンサ110から共振周波数における超音波が発振されると、被計測物200の内部(或いはメッキ層202が形成される前の母材201の内部)において共振により生じた超音波の定在波が形成される。
図2に示す情報処理装置130において、周波数間隔算出部136は、共振周波数検出部135で検出された被計測物200における複数の共振周波数に基づいて、被計測物200の内部を伝播する超音波における共振周波数の周波数間隔(Δf)を算出する。また、周波数間隔算出部136は、共振周波数検出部135で検出された、メッキ層202が形成される前の母材201における複数の共振周波数に基づいて、当該母材201の内部を伝播する超音波における共振周波数の周波数間隔(Δf’)を算出する。ここで、周波数間隔算出部136で算出された母材201に係る共振周波数の周波数間隔(Δf’)は、較正特性演算部132において母材201の厚みd1を演算処理する際に用いられ、また、周波数間隔算出部136で算出された被計測物200に係る共振周波数の周波数間隔(Δf)は、メッキ厚み算出部137においてメッキ層202の厚みd2を算出する際に用いられる。
メッキ厚み算出部137は、周波数間隔算出部136で算出された被計測物200に係る共振周波数の周波数間隔(Δf)に基づいて、較正特性記憶部134に記憶されている較正特性から、被計測物200におけるメッキ層202の厚みd2を算出する。このメッキ厚み算出部137で算出されたメッキ層202の厚みd2は、情報処理装置130の制御により表示部131に表示される。
次に、メッキ厚計測装置100による具体的なメッキ厚計測方法について説明する。
図5は、第1の実施形態に係るメッキ厚計測装置によるメッキ厚計測方法を示すフローチャートである。なお、図5に示すフローチャートの以下の説明においては、図2に示すメッキ厚計測装置の概略構成図を参照しながら説明する。
まず、ステップS101において、較正特性演算部132は、母材201の厚みd1を演算処理して、母材201の厚みd1を計測する。
具体的には、まず、図2に示す計測システムにおいて、被計測物200に替えて、メッキ層202が形成される前の母材201を配置する。そして、情報処理装置130は、超音波送信・受信装置120からEMATセンサ110を介して当該母材201の表面に対して所定の周波数領域における各周波数の超音波を送信させる。そして、超音波送信・受信装置120は、前記所定の周波数領域の各周波数毎に、母材201の内部を板厚方向に伝播した超音波を、例えば、EMATセンサ110のコイル内に発生した誘導起電力として受信する。
続いて、情報処理装置130の共振周波数検出部135は、超音波送信・受信装置120で受信した各周波数の超音波に基づいて、各周波数毎に当該受信した超音波における波形のエネルギー値を算出し、算出した各周波数毎のエネルギー値から母材201における複数の共振周波数を検出する。以下に、共振周波数検出部135における共振周波数の具体的な検出方法について説明する。
図6は、周波数fmの受信超音波における波形のエネルギー値の算出方法を示す模式図である。
図6には、上から、母材201に対して送信された超音波の送信波形、当該送信波形と共に超音波の送信後に母材201から受信した超音波の受信波形、当該受信波形のエネルギー値を算出する期間を指示するゲート信号の各タイムチャートが示されている。ここで、受信波形に示されているSi及びSi+1は、データとして用いるサンプリングポイントを示しており、また、ゲート信号は、情報処理装置130から指示される。
図6に示すゲート信号で指示された期間において、共振周波数検出部135は、図6に示されたエネルギー値Pmの数式に基づき、周波数fmの超音波における受信波形のエネルギー値を算出する。この際に算出される受信波形のエネルギー値は、図6に示す受信波形の斜線部の面積に相当する。そして、共振周波数検出部135は、この受信波形のエネルギー値の算出を、前記所定の周波数領域における各周波数毎に行う。
図7は、共振周波数検出部135において各周波数毎に算出した受信波形のエネルギー値の一例を示す模式図である。
共振周波数検出部135は、図7に示す受信波形のエネルギー値における極大値(図7のP1及びP2)を抽出し、当該極大値における周波数を共振周波数として、母材201における複数の共振周波数を検出する。
一般に、共振周波数は、以下に示す数式1で表せることが知られている。
2d1=nλ=nV/fn ・・・(数式1)
ここで、nは正の整数を示し、λは超音波の波長を示し、Vは対象物(母材201)の音速を示し、fnはn番目の共振周波数を示す。
続いて、周波数間隔算出部136は、共振周波数検出部135で検出された、メッキ層202が形成される前の母材201における複数の共振周波数に基づいて、当該母材201に係る共振周波数の周波数間隔(Δf’)を算出する。ここで、周波数間隔算出部136は、母材201に係る共振周波数の周波数間隔(Δf’)の算出に際して、共振周波数検出部135で検出された複数の共振周波数における各共振周波数の周波数間隔を平均処理して、その精度を向上させるようにする。
より詳細には、まず、周波数間隔算出部136は、超音波送信・受信装置120からEMATセンサ110を介して母材201に対して送信した超音波における所定の周波数領域において、最大の共振周波数f’maxと最小の共振周波数f’minを算出する。続いて、最大の共振周波数f’maxと最小の共振周波数f’minとの間に存在する共振周波数の個数Nを算出し、以下の数式2で示す平均処理を行って、母材201に係る共振周波数の周波数間隔(Δf’)の算出する。
Δf’=(f’max−f’min)/(N+1) ・・・(数式2)
続いて、較正特性演算部132は、数式1より導かれる以下の数式3に対して、数式2により算出されたΔf’と、既知の値である母材201の音速Vを用いて、母材201の厚みd1を演算処理する。
Δf’=fn+1−fn=V/(2d1) ・・・(数式3)
このようにして、図5のステップS101における母材201の厚みd1の計測が行われる。
次いで、ステップS102において、較正特性演算部132は、ステップS101における演算処理の結果得られた母材201の厚みd1を母材厚み記憶部133に記憶する。
次いで、ステップS103において、較正特性演算部132は、メッキ層202の厚みと、被計測物200の内部を伝播する超音波における各共振周波数の周波数間隔(Δf)との関係を示す較正特性を導出するための演算処理を行う。
具体的に、本実施形態では、まず、母材201上に形成されるメッキ層202の厚みをパラメータとする各被計測物試料を作製し、当該各被計測物試料におけるメッキ層及び母材の合計厚みと、当該各被計測物試料の内部を伝播した超音波における各共振周波数の周波数間隔(Δf)との関係を求める。ここで、各被計測物試料におけるメッキ層及び母材の合計厚みは正確に実測するものとする。
また、各被計測物試料の内部を伝播した超音波における各共振周波数の周波数間隔(Δf)の算出は、上述した母材201に係る共振周波数の周波数間隔(Δf’)の算出と同様に、まず、各被計測物試料毎に、超音波送信・受信装置120からEMATセンサ110を介して当該各被計測物試料の表面に対して所定の周波数領域における各周波数の超音波を送信させ、所定の周波数領域の各周波数毎に、各被計測物試料の内部を板厚方向に伝播した超音波を受信する。
続いて、情報処理装置130の共振周波数検出部135は、較正特性演算部132による指示により、超音波送信・受信装置120で各被計測物試料毎に受信した各周波数の超音波に基づいて、各周波数毎に当該受信した超音波における波形のエネルギー値を算出する。ここで、各周波数毎に算出する超音波の受信波形におけるエネルギー値の算出方法は、前述した図6に示す内容に基づいて行われる。
図8は、各被計測物試料毎に算出された受信超音波における波形のエネルギー値の一例を示す特性図である。また、図9は、図8に示す受信超音波波形のエネルギー値のうち、周波数1.00MHz〜2.00MHzまでを抽出した特性図である。
図8及び図9に示す例では、被計測物試料として、厚み29.4mmのCuからなる母材のみの試料、厚み29.4mmのCuからなる母材上に厚み0.2mmのCoからなるメッキ層が形成された試料、厚み29.4mmのCuからなる母材上に厚み0.4mmのCoからなるメッキ層が形成された試料、厚み29.4mmのCuからなる母材上に厚み0.6mmのCoからなるメッキ層が形成された試料、及び、厚み29.4mmのCuからなる母材上に厚み1.0mmのCoからなるメッキ層が形成された試料の計5種類の試料の特性が示されている。図8及び図9に示すように、メッキ層の厚みが変化すると、共振周波数も微妙に変化していることがわかる。
続いて、共振周波数検出部135において、各被計測物試料毎に図9(又は図8)に示す受信波形のエネルギー値における極大値を抽出し、当該極大値における周波数を共振周波数として、各被計測物試料毎に複数の共振周波数を検出する。
続いて、周波数間隔算出部136において、共振周波数検出部135で検出された各被計測物試料における複数の共振周波数に基づいて、当該各被計測物試料毎に、共振周波数の周波数間隔(Δf)を算出する。ここで、周波数間隔算出部136は、各被計測物試料に係る共振周波数の周波数間隔の算出に際して、上述した母材201に係る共振周波数の周波数間隔(Δf’)の算出と同様に、共振周波数検出部135で検出された複数の共振周波数における各共振周波数の周波数間隔を平均処理して、その精度を向上させるようにする。
より詳細には、まず、周波数間隔算出部136は、超音波送信・受信装置120からEMATセンサ110を介して各被計測物試料に対して送信した超音波における所定の周波数領域において、最大の共振周波数fmaxと最小の共振周波数fminを算出する。続いて、最大の共振周波数fmaxと最小の共振周波数fminとの間に存在する共振周波数の個数Nを算出し、以下の数式4で示す平均処理を行って、各被計測物試料に係る共振周波数の周波数間隔(Δf)の算出する。
Δf=(fmax−fmin)/(N+1) ・・・(数式4)
この周波数間隔算出部136で算出された各被計測物試料に係る共振周波数の周波数間隔(Δf)は、較正特性演算部132に送られる。このようにして、較正特性演算部132は、まず、各被計測物試料におけるメッキ層及び母材の合計厚みと、当該各被計測物試料の内部を伝播した超音波における各共振周波数の周波数間隔(Δf)との関係を求める。
続いて、較正特性演算部132は、上述した、各被計測物試料におけるメッキ層及び母材の合計厚みと当該各被計測物試料の内部を伝播した超音波における各共振周波数の周波数間隔(Δf)との関係を示す特性から、前記合計厚みに対して母材厚み記憶部133に記憶されている母材201の厚みd1を引いて、これを較正特性する。
図10は、較正特性演算部132において、図9(又は図8)に示された特性に基づき演算処理された較正特性を示す特性図である。ここで、図10に示す例では、較正特性として較正線が記載されているが、本発明においてはこれに限定されず、例えば、母材201及びメッキ層202の材質等によって較正特性が較正曲線であってもよい。
図10の較正特性において、縦軸は各共振周波数の周波数間隔(Δf)となっており、横軸は母材201上に形成されるメッキ層202の各厚みのみとなっている。ここで、図10において、横軸に、各被計測物試料におけるメッキ層及び母材の合計厚みをとる場合には、横軸に示されたメッキ層の各厚みに対して、一律に母材201の厚みd1(図10に示す例では、29.4mm)を加えたものとなる。
また、参考までに、各被計測物試料の他の態様として、Cuからなる母材上にNiからなるメッキ層が形成された被計測物試料における較正特性の一例を図11に示す。
具体的に、図11には、被計測物試料として、厚み30.2mmのCuからなる母材のみの試料、厚み30.2mmのCuからなる母材上に厚み0.2mmのNiからなるメッキ層が形成された試料、厚み30.2mmのCuからなる母材上に厚み0.4mmのNiからなるメッキ層が形成された試料、厚み30.2mmのCuからなる母材上に厚み0.6mmのNiからなるメッキ層が形成された試料、及び、厚み30.2mmのCuからなる母材上に厚み1.0mmのNiからなるメッキ層が形成された試料の計5種類の試料の特性が示されている。
このようにして、図5のステップS103における較正特性の演算処理が行われる。
次いで、ステップS104において、較正特性演算部132は、ステップS103における演算処理の結果得られた較正特性を較正特性記憶部134に記憶する。
次いで、ステップS105において、超音波送信・受信装置120は、情報処理装置130による制御に基づき、EMATセンサ110を介して、実際に製造された被計測物200に対して所定の周波数領域における各周波数の超音波を送信する。
次いで、ステップS106において、共振周波数検出部135は、被計測物200における複数の共振周波数を検出する。
具体的に、まず、共振周波数検出部135は、被計測物200の内部を伝播した前記所定の周波数領域における各周波数の超音波を、EMATセンサ110及び超音波送信・受信装置120を介して受信する。
続いて、共振周波数検出部135は、受信した各周波数の超音波に基づいて、各周波数毎に当該受信した超音波における波形のエネルギー値を算出する。ここで、各周波数毎に算出する超音波の受信波形におけるエネルギー値の算出方法は、前述した図6に示す内容に基づいて行われる。
続いて、共振周波数検出部135は、算出した各周波数のエネルギー値における極大値(例えば、図7のP1及びP2)を抽出し、当該極大値における周波数を共振周波数として、被計測物200における複数の共振周波数を検出する。
次いで、ステップS107において、周波数間隔算出部136は、ステップS106において共振周波数検出部135で検出された被計測物200における複数の共振周波数に基づいて、当該被計測物200に係る共振周波数の周波数間隔(Δf)を算出する。ここで、周波数間隔算出部136は、被計測物200に係る共振周波数の周波数間隔の算出に際して、共振周波数検出部135で検出された複数の共振周波数における各共振周波数の周波数間隔を平均処理して、その精度を向上させるようにする。
より詳細には、まず、周波数間隔算出部136は、超音波送信・受信装置120からEMATセンサ110を介して被計測物200に対して送信した超音波における所定の周波数領域において、最大の共振周波数fmaxと最小の共振周波数fminを算出する。続いて、最大の共振周波数fmaxと最小の共振周波数fminとの間に存在する共振周波数の個数Nを算出し、上述した数式4で示す平均処理を行って、被計測物200に係る共振周波数の周波数間隔(Δf)の算出する。
次いで、ステップS108において、メッキ厚み算出部137は、ステップS107において周波数間隔算出部136で算出された被計測物200に係る共振周波数の周波数間隔(Δf)に基づいて、較正特性記憶部134に記憶されている較正特性から、被計測物200におけるメッキ層202の厚みd2を算出する。即ち、例えば、図10(図11)に示す較正特性において、被計測物200に係る共振周波数の周波数間隔(Δf)が分かれば、母材201上に形成されるメッキ層202の厚みを算出することができる。
次いで、ステップS109において、情報処理装置130は、メッキ厚み算出部137で算出したメッキ層202の厚みd2を表示部131に表示する。
以上のステップS101〜ステップS109までの処理を経ることにより、母材201の材質とメッキ層202の材質との音響インピーダンスに大差がない被計測物200におけるメッキ層202の厚みの適正な計測が実現される。
次に、図5に示すメッキ厚計測方法を用いて、実際に、被計測物200のメッキ層202の厚みを計測した結果について説明する。
被計測物200としては、Cuからなる母材201上にCoからなるメッキ層202を形成したものと、Cuからなる母材201上にNiからなるメッキ層202を形成したものとの2種類の被計測物について、それぞれ図10及び図11に示す較正特性を用いて、当該各メッキ層の厚みを計測した。
その結果、Coからなるメッキ層及びNiからなるメッキ層のそれぞれについて、0.1mm(100μm)以上の厚みであった場合においても、適正にその厚みを計測可能であることが確認できた。ここで、母材201における音響インピーダンスをZ1、メッキ層202における音響インピーダンスをZ2とすると、その界面における超音波の反射率は、{|Z1−Z2|/(Z1+Z2)}×100で表せる。例えば、Cuからなる母材201上にNiからなるメッキ層202が形成された被計測物200の場合、その界面における超音波の反射率は、両者の音響インピーダンスに大差がないため、13%程度と低くなる。この母材201とメッキ層202との界面における超音波の反射を利用した従来の計測方法では、両者の音響インピーダンスに大差がない場合にはメッキ層202の厚みを適正に計測することが困難であったが、本発明のように、被計測物200に係る共振周波数の周波数間隔(Δf)を利用することにより、母材201とメッキ層202との音響インピーダンスに大差がない場合であってもメッキ層202の厚みを適正に計測することが可能となる。
第1の実施形態に係るメッキ厚計測装置によれば、母材201上にメッキ層202が形成された被計測物200に対して超音波を送受信して当該メッキ層202の厚みを計測する場合に、母材201の材質とメッキ層202の材質との音響インピーダンスに大差がない被計測物200であっても、メッキ層202の厚みを適正に計測することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係るメッキ厚計測装置の構成については、図1及び図2に示す第1の実施形態に係るメッキ厚計測装置と同様である。また、第2の実施形態に係るメッキ厚計測装置によるメッキ厚計測方法は、図5に示す内容に従ったものとなるが、第1の実施形態に係るメッキ厚計測装置によるメッキ厚計測方法とは、ステップS103における較正特性を導出する際の演算処理の内容が異なる。それ以外の他のステップにおける処理は、第1の実施形態と同様であるため、以下の説明においては、本実施形態におけるステップS103の処理のみについて説明する。
第1の実施形態では、図10(図11)に示す較正特性を導出するために、母材201上に形成されるメッキ層202の厚みをパラメータとする各被計測物試料を作製して、実際に共振周波数の周波数間隔(Δf)を測定するものであったが、第2の実施形態では、当該較正特性を理論的に導出する。以下にその内容について説明する。
図12は、第2の実施形態に係るメッキ厚計測装置における処理内容を説明するための被計測物200の模式図である。
まず、図12に示すように、被計測物200をM枚の層に分割して、M層複合板として考える。超音波送信・受信装置120からEMATセンサ110を介して送信された超音波が被計測物200の表面(z=0)及び裏面(z=zM)の間を多重反射している状態では、第m層における超音波振幅Umは上下に進行する2つの波の和として与えられると考えることができ、以下の数式5のように表せる。
Figure 0004884925
数式5において、kmは第m層における超音波の波数を示し、km=2πf/Vmで表せる。この際、Vmは第m層における超音波速度を示す。また、αm(f)は第m層における超音波の減衰定数を示し、fは周波数を示す。また、zは第1層の表面(被計測物200の表面)からの距離を示し、第m層と第m+1層との境界の位置はzmとなる。また、Am、Bmは複素定数を示し、j=√(−1)は虚数単位を示す。
そして以下の[1]〜[3]に示す境界条件を規定する。
[1]第m層と第m+1層との境界(z=zm)において、両層における超音波の粒子速度と応力が等しい。
[2]被計測物200の表面(第1層の表面:z=0)に単位強さの超音波源があるとして、その表面における応力を1(Pa)とする。
[3]被計測物200の裏面(z=zM)は自由表面とし、そこでの応力を0とする。
上述した[1]〜[3]の境界条件を数式5にあてはめると、以下の数式6〜数式8に示すような、A1、B1、AM、BMに関する連立1次方程式が得られ、それらを求めることができる。
Figure 0004884925
そして、他の全てのAm、Bmも、A1、B1、AM、BMと境界条件により求めることができる。被計測物200の表面(第1層の表面:z=0)における振幅は|A1+B1|である。よって、被計測物200の表面に対して所定の周波数領域における各周波数の超音波を送信した際に、被計測物200の表面における各周波数毎の振幅を算出することができる。
本実施形態では、例えば、図12において、被計測物200の表面(z=0)をメッキ層202側、被計測物200の裏面(z=zM)を母材201側とし、図12に示された第m層と第m+1層との境界(z=zm)の位置を、母材201の厚みに対するメッキ層202の厚みに応じて可変させるようにする。ここで、被計測物200の分割数Mは、各分割層における音速ができるだけなめらかに変化している状況に近づけるために、例えば、M=101のように大きくとることが望ましい。そして、上述した数式5〜数式8による演算処理を行うことにより、母材201上に形成されるメッキ層202の厚みをパラメータとする各被計測物において、当該各被計測物の内部を伝播した各周波数における超音波の振幅|A1+B1|の大きさを算出する。
続いて、較正特性演算部132は、例えば、共振周波数検出部135に対して、各被計測物毎に算出した各周波数における超音波の振幅に基づいて、各被計測物毎に、複数の共振周波数を検出を行わせる。続いて、周波数間隔算出部136において、共振周波数検出部135で検出された各被計測物における複数の共振周波数に基づいて、当該各被計測物毎に、共振周波数の周波数間隔(Δf)を算出する。この際、周波数間隔算出部136では、第1の実施形態と同様に、共振周波数検出部135で検出された複数の共振周波数における各共振周波数の周波数間隔を平均処理して、その精度を向上させるようにする。
較正特性演算部132では、この周波数間隔算出部136で算出された各被計測物に係る共振周波数の周波数間隔(Δf)を取得して、各被計測物におけるメッキ層及び母材の合計厚みと、当該各被計測物における各共振周波数の周波数間隔(Δf)との関係を求める。
続いて、較正特性演算部132は、上述した、各被計測物におけるメッキ層及び母材の合計厚みと当該各被計測物における各共振周波数の周波数間隔(Δf)との関係を示す特性から、前記合計厚みに対して母材厚み記憶部133に記憶されている母材201の厚みd1を引いて、これを較正特性する。
本実施形態では、このようにして、図5のステップS103における較正特性の演算処理を理論的に行うようにしている。
第2の実施形態に係るメッキ厚計測装置によれば、前記較正特性の演算処理を行う際に、各被計測物試料を作製すること無く理論的に導出するようにしたので、第1の実施形態における効果に加えて、更に、実際にメッキ層202の厚み計測を行う前段階の手間を簡素化することができる。
前述した各実施形態に係るメッキ厚計測装置を構成する図2の各手段、並びに当該メッキ厚計測装置によるメッキ厚計測方法を示した図5の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記憶媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記憶媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体を用いることができる。また、この際の通信媒体としては、光ファイバ等の有線回線や無線回線などが挙げられる。
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより各実施形態に係るメッキ厚計測装置の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して各実施形態に係るメッキ厚計測装置の機能が実現される場合や、供給されたプログラムの処理の全て、或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて各実施形態に係るメッキ厚計測装置の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。
第1の実施形態に係るメッキ厚計測装置の外観図である。 第1の実施形態に係るメッキ厚計測装置の概略構成図である。 被計測物の概略断面図である。 被計測物の内部(或いはメッキ層が形成される前の母材の内部)を伝播した共振周波数時の超音波(定在波)の一例を示す模式図である。 第1の実施形態に係るメッキ厚計測装置によるメッキ厚計測方法を示すフローチャートである。 周波数fmの受信超音波における波形のエネルギー値の算出方法を示す模式図である。 共振周波数検出部において各周波数毎に算出した受信波形のエネルギー値の一例を示す模式図である。 各被計測物試料毎に算出された受信超音波における波形のエネルギー値の一例を示す特性図である。 図8に示す受信超音波波形のエネルギー値のうち、周波数1.00MHz〜2.00MHzまでを抽出した特性図である。 較正特性演算部において、図9(又は図8)に示された特性に基づき演算処理された較正特性を示す特性図である。 Cuからなる母材上にNiからなるメッキ層が形成された被計測物試料における較正特性の一例を示す特性図である。 第2の実施形態に係るメッキ厚計測装置における処理内容を説明するための被計測物の模式図である。
符号の説明
100 メッキ厚計測装置
110 EMAT(電磁超音波)センサ
120 超音波送信・受信装置
121 プリアンプ
130 情報処理装置
131 表示部
132 較正特性演算部
133 母材厚み記憶部
134 較正特性記憶部
135 共振周波数検出部
136 周波数間隔算出部(第1の算出手段)
137 メッキ厚み算出部(第2の算出手段)
200 被計測物
201 母材
202 メッキ層

Claims (12)

  1. 母材上にメッキ層が形成された被計測物における前記メッキ層の厚みを計測するメッキ厚計測装置であって、
    超音波を送信する超音波送信手段と、
    前記超音波送信手段から前記被計測物に対して所定の周波数領域における各周波数の超音波が送信され、前記被計測物の内部を伝播した前記各周波数の超音波を受信して前記被計測物における複数の共振周波数を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出した複数の共振周波数に基づいて、共振周波数の周波数間隔を算出する第1の算出手段と、
    前記母材上に形成されたメッキ層の厚みが異なる複数の被計測物それぞれについて、複数の異なる周波数の超音波を前記メッキ層表面から入射させた場合の受信超音波の振幅を数値解析により算出することにより、前記メッキ層の厚みが異なる複数の被計測物それぞれについての共振周波数を算出して、前記メッキ層の厚みと前記共振周波数の周波数間隔との関係を示す較正特性を算出する較正特性算出手段と、
    前記第1の算出手段で算出した共振周波数の周波数間隔に基づいて、前記較正特性から、前記被計測物における前記メッキ層の厚みを算出する第2の算出手段と
    を有することを特徴とするメッキ厚計測装置。
  2. 前記数値解析は、前記被計測物を厚み方向に複数の層に分割し、各層の境界において超音波の速度と応力は連続であり、前記被計測物の表面であるメッキ層の表面に単位強さの超音波源があり、前記被計測物の裏面には応力はないとして、前記受信超音波の振幅を算出することを特徴とする請求項1に記載のメッキ厚計測装置。
  3. 前記母材の厚みを記憶する母材厚み記憶手段と、
    前記較正特性を記憶する較正特性記憶手段とを更に有し、
    前記較正特性記憶手段に記憶されている較正特性は、
    前記母材上に形成される前記メッキ層の厚みをパラメータとして当該メッキ層及び前記母材の合計厚みと前記共振周波数の周波数間隔との関係を示すものから、前記合計厚みに対して前記母材厚み記憶手段に記憶されている母材の厚みを引いたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のメッキ厚計測装置。
  4. 前記母材厚み記憶手段に記憶されている母材の厚みは、
    前記メッキ層が形成される前の前記母材に対して前記超音波送信手段から所定の周波数領域における各周波数の超音波を送信させ、前記検出手段において検出した当該母材の内部を伝播した超音波における複数の共振周波数と、当該母材における音速とに基づき演算されたものであることを特徴とする請求項に記載のメッキ厚計測装置。
  5. 前記第1の算出手段は、前記複数の共振周波数における各共振周波数の周波数間隔を平均処理して、前記共振周波数の周波数間隔を算出することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のメッキ厚計測装置。
  6. 母材上にメッキ層が形成された被計測物における前記メッキ層の厚みを計測するメッキ厚計測方法であって、
    超音波を送信する超音波送信ステップと、
    前記超音波送信ステップにおいて前記被計測物に対して所定の周波数領域における各周波数の超音波が送信され、前記被計測物の内部を伝播した前記各周波数の超音波を受信して前記被計測物における複数の共振周波数を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップで検出した複数の共振周波数に基づいて、共振周波数の周波数間隔を算出する第1の算出ステップと、
    前記母材上に形成されたメッキ層の厚みが異なる複数の被計測物それぞれについて、複数の異なる周波数の超音波を前記メッキ層表面から入射させた場合の受信超音波の振幅を数値解析により算出することにより、前記メッキ層の厚みが異なる複数の被計測物それぞれについての共振周波数を算出して、前記メッキ層の厚みと前記共振周波数の周波数間隔との関係を示す較正特性を算出する較正特性算出ステップと、
    前記第1の算出ステップで算出した共振周波数の周波数間隔に基づいて、前記較正特性から、前記被計測物における前記メッキ層の厚みを算出する第2の算出ステップと
    を有することを特徴とするメッキ厚計測方法。
  7. 前記数値解析は、前記被計測物を厚み方向に複数の層に分割し、各層の境界において超音波の速度と応力は連続であり、前記被計測物の表面であるメッキ層の表面に単位強さの超音波源があり、前記被計測物の裏面には応力はないとして、前記受信超音波の振幅を算出することを特徴とする請求項6に記載のメッキ厚計測方法。
  8. 前記母材の厚みを、母材厚み記憶手段に記憶する母材厚み記憶ステップと、
    前記較正特性を、較正特性記憶手段に記憶する較正特性記憶ステップとを更に有し、
    前記較正特性記憶手段に記憶される較正特性は、
    前記母材上に形成される前記メッキ層の厚みをパラメータとして当該メッキ層及び前記母材の合計厚みと前記共振周波数の周波数間隔との関係を示すものから、前記合計厚みに対して前記母材厚み記憶手段に記憶されている母材の厚みを引いたものであることを特徴とする請求項6又は7に記載のメッキ厚計測方法。
  9. 前記母材厚み記憶手段に記憶されている母材の厚みは、
    前記メッキ層が形成される前の前記母材に対して所定の周波数領域における各周波数の超音波を送信し、検出した当該母材の内部を伝播した超音波における複数の共振周波数と、当該母材における音速とに基づき演算されたものであることを特徴とする請求項に記載のメッキ厚計測方法。
  10. 前記第1の算出ステップでは、前記複数の共振周波数における各共振周波数の周波数間隔を平均処理して、前記共振周波数の周波数間隔を算出することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のメッキ厚計測方法。
  11. 母材上にメッキ層が形成された被計測物における前記メッキ層の厚みを計測するメッキ厚計測方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    超音波を送信する超音波送信ステップと、
    前記超音波送信ステップにおいて前記被計測物に対して所定の周波数領域における各周波数の超音波が送信され、前記被計測物の内部を伝播した前記各周波数の超音波を受信して前記被計測物における複数の共振周波数を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップで検出した複数の共振周波数に基づいて、共振周波数の周波数間隔を算出する第1の算出ステップと、
    前記母材上に形成されたメッキ層の厚みが異なる複数の被計測物それぞれについて、複数の異なる周波数の超音波を前記メッキ層表面から入射させた場合の受信超音波の振幅を数値解析により算出することにより、前記メッキ層の厚みが異なる複数の被計測物それぞれについての共振周波数を算出して、前記メッキ層の厚みと前記共振周波数の周波数間隔との関係を示す較正特性を算出する較正特性算出ステップと、
    前記第1の算出ステップで算出した共振周波数の周波数間隔に基づいて、前記較正特性から、前記被計測物における前記メッキ層の厚みを算出する第2の算出ステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 請求項11に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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