JP4882611B2 - 窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子構造の主要部を窒化物半導体で構成した窒化物半導体発光ダイオード素子(以下、窒化物LEDともいう。)およびその製造方法に関し、特に、金属製の保持基板の上に、発光素子構造を備えた窒化物半導体層が積層された構成を有する窒化物LEDと、その製造方法に関する。
窒化物半導体は、化学式AlInGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)で表される化合物半導体であり、3族窒化物半導体などとも呼ばれる。上記化学式において、3族元素の一部をB(ホウ素)、Tl(タリウム)などで置換したもの、また、N(窒素)の一部をP(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)などで置換したものも、窒化物半導体に含まれる。発光素子構造として、窒化物半導体からなるp型層およびn型層を積層することにより形成されるpn接合構造を備えた、高輝度の窒化物LEDが実用化されている。pn接合部に活性層を設けたダブルヘテロ構造の窒化物LEDは、特に高い発光輝度を示す。
窒化物LEDは、通電により素子温度が上昇すると、発光効率が低下する傾向を有している。そこで、この温度上昇に伴う輝度低下を防止するために、放熱性の良好な金属製の保持基板の上に、発光素子構造を備えた窒化物半導体層が積層された構成を有する窒化物LEDが開発されている(特許文献1)。図8に示すのは、かかる構成を有する従来の窒化物LEDの断面図であり、Au(金)からなる膜厚約50μmの保持基板101の上に、窒化物半導体層102が、n側オーミック電極103を介して積層されている。なお、本明細書では、発光ダイオード素子の構造を説明する場合に、便宜上、基板が下側にあり、その上に窒化物半導体層が積層されているものと見なして、上下方向を区別する。
図8に示す窒化物LED100において、窒化物半導体層102は、保持基板101側から順に、n型GaN層102a、InGaN活性層102b、p型GaN層102cを含んでいる。n側オーミック電極103は、Ti/Auからなり、n型GaN層102aとオーミック接触している。104はITO(インジウム錫酸化物)からなるp側オーミック電極で、p型GaN層102cとオーミック接触している。105はボンディングパッドであり、p側オーミック電極104と電気的に接続している。
窒化物LED100は、(i)有機金属化合物気相成長法(MOVPE法)などの気相エピタキシャル成長法を用いて、サファイア基板などの結晶基板の上に、窒化物半導体層102をn型GaN層102aから順に成長させ、(ii)p型GaN層102cの上にp側オーミック電極104、ボンディングパッド105を順次形成し、(iii)結晶基板を窒化物半導体層102から分離し、それによって露出したn型GaN層102aの表面にn側オーミック電極103を形成し、(iv)このn側オーミック電極103をメッキ下地層として、電気メッキによりAu膜を析出させて保持基板101を形成し、最後に、(v)ウェハを分割して素子をチップ状にする、という手順により製造される。
図8に示す窒化物LED100を基板上に実装する際には、Agペースト等の接着剤を用いて、保持基板101の下面を基板表面に接着し、固定する。
特開2004−88083号公報
しかしながら、図8に示す窒化物LED100には、基板表面に接着する際に、余分な接着剤が素子の側面をはい上がり、n型GaN層102aとp型GaN層102cとを短絡させたり、窒化物半導体層102の端面からの光出射を妨げるという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであり、上記従来の問題点を改善し、金属製の保持基板を備えながら、余分な接着剤が素子の側面をはい上がって、p型層とn型層との間を短絡させたり、窒化物半導体層の端面からの光出射を妨害する問題が生じない、窒化物LEDを提供することを目的とする。また、本発明は、かかる窒化物LEDの好適な製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、次の特徴を有する。
(1)金属製の保持基板と、その上に積層された窒化物半導体層とを有し、該保持基板の下面には凹部が設けられている、窒化物半導体発光ダイオード素子。
(2)前記凹部がドット状の窪みを含む、前記(1)に記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
(3)前記窒化物半導体層の上にボンディングパッドが形成されており、前記保持基板の下面における該ボンディングパッドの射影領域の内側に、ドット状の窪みである凹部が設けられている、前記(2)に記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
(4)前記凹部が環状の溝を含む、前記(1)に記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
(5)前記凹部が、多重になった環状の溝を含む、前記(4)に記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
(6)前記凹部の深さが5μm〜50μmである、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の窒化物半導体発光ダイオード素子。
(7)金属製の保持基板と、その上に積層された窒化物半導体層とを有する、窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法であって、前記保持基板の下面に塑性加工により凹部を設ける工程を有することを特徴とする、窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法。
(8)チップサイズを有する金属製の保持基板の上に窒化物半導体層が積層された積層体を形成した後に、前記凹部を設ける工程を行う、前記(7)に記載の製造方法。
(9)(イ)単結晶基板の上に気相エピタキシャル成長法を用いて窒化物半導体層を形成する工程と、(ロ)前記窒化物半導体層を前記結晶基板から分離する工程と、(ハ)前記窒化物半導体層のいずれかの面の上に、電気メッキの下地層として、表面に凹部を有する導電層を形成する工程と、(ニ)前記導電層を下地層として電気メッキを行うことにより金属膜を析出させて、表面に凹部を有する金属製の保持基板を形成する工程と、を有する、窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法。
(10)前記(ハ)の工程の前に、前記窒化物半導体層の、前記導電層を形成する側の面の上に、該窒化物半導体層を透してその位置を視認し得るマーキング層を形成し、前記(ハ)の工程では、該マーキング層の位置を基準として、前記導電層の表面の凹部の位置を定める、前記(9)に記載の製造方法。
本発明の窒化物半導体発光ダイオード素子は、基板、ステム等に接着する際に、余分な接着剤が金属製の保持基板の下面に設けられた凹部に収容されるので、この接着剤が素子の側面をはい上がって、n型層とp型層との間を短絡させたり、窒化物半導体層の側面からの発光を妨害することがない。また、素子を複数個横に並べる場合には、余分な接着剤が素子間を短絡させるという問題の発生が防止される。
本発明の窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法によれば、金属製の保持基板に簡便な塑性加工によって凹部を設けるので、素子の製造コストを低く抑えることができる。
また、本発明の他の窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法によれば、窒化物半導体層と積層された金属製の保持基板を電気メッキにより形成する工程で、その表面に凹部を設けることができるので、素子の製造コストを低く抑えることができる。
図1に、本発明の一実施形態に係る窒化物LEDの断面図を示す。この図に示す窒化物LED10において、11はAuからなる膜厚約50μmの保持基板であり、その上に、窒化物半導体層12が、Ti/Auからなるn側オーミック電極13を介して積層されている。窒化物半導体層12は、保持基板11側から順に、n型GaN層12a、InGaN活性層12b、p型GaN層12cを含んでいる。n側オーミック電極13はn型GaN層12aとオーミック接触している。14はITOからなるp側オーミック電極で、p型GaN層12cとオーミック接触している。15はボンディングパッドであり、p側オーミック電極14と電気的に接続している。ボンディングパッド15の下方では、p側オーミック電極14に開口部が形成されており、その直下のInGaN活性層12cに正孔電流が注入されないようになっている。つまり、ボンディングパッド15の中央部の直下では発光が生じないように構成されている。この部位で発光を生じさせても、ボンディングパッド15に遮られて素子外部に効率よく取り出せないためである。
窒化物LED10の特徴のひとつは、保持基板11の下面に凹部16が設けられていることである。この例では、凹部16はドット状の窪みで、ボンディングパッド15の下方、とりわけ、保持基板11の下面におけるボンディングパッド15の射影領域の、内側に設けられている。保持基板11の下面側から見た凹部16の開口部における形状は、例えば、円形である。この開口部形状は任意に定めることができ、楕円形であってもよいし、三角形、四角形、五角形その他の多角形であってもよく、不定形であってもよい。この凹部16を設けることによって、窒化物LED10をAgペーストやハンダなどの接着剤を用いて基板やステムに接着する際に、接着剤が余分に塗布されても、その余分の接着剤が凹部16に収容されるので、素子の側面を窒化物半導体層12の端面に達するまで接着剤がはい上がる問題が生じない。従って、素子を実装する工程で不良が発生し難くなり、該工程の歩留りが向上する。また、接着剤の塗布量の管理をより緩やかにすることができるので、接着剤の品質チェックや、接着剤の塗布装置のメンテナンスの間隔を広げることができ、それによって、製造コストを下げることが可能となる。また、凹部16を設けることによる他の利点として、接着剤と保持基板11との接触面積が増加することにより、窒化物LED10の基板、ステム等への接着強度が大きくなることが挙げられる。この接着強度が大きいと、窒化物LED10を透明な封止材料でモールドしてランプを構成したときに、温度変化に伴う封止材料の膨張・収縮が生じても、素子が動いて断線する問題が発生しない。
凹部16のサイズは、例えば、その開口部の面積を保持基板11の面積の1%〜50%、深さdを5μm〜50μmとすることができる。ただし、上述の説明より明らかであるが、凹部16の最も好ましいサイズ(内容積)は、素子の固定に用いる接着剤の量によって異なる。つまり、使用する接着剤の量が少ない場合には、接着剤が余分に塗布された場合の、余分な接着剤の量も少ないので、凹部16のサイズ(内容積)が小さくても十分な効果が得られる一方、使用する接着剤の量が多い場合には、接着剤が余分に塗布された場合の、余分な接着剤の量も多くなるので、凹部16のサイズ(内容積)もそれに応じて設定しないと、得られる効果が小さくなる。従って、好適な凹部16のサイズは一義的に定まるものではないが、一般的には、上記の範囲が例示される。
凹部16は、窒化物LED10の場合のようなドット状の窪みの他、直線的または曲線的な溝であってもよいし、複数の溝が交差した構成を含むものであってもよい。また、溝は素子の側面に開口していてもよい。凹部16の個数は1個であってもよいし、複数であってもよく、複数とする場合の各凹部のサイズや形状は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
次に窒化物LED10の製造方法を説明する。
(エピタキシャル成長工程)
図2(a)に示すように、ウェハサイズを有するサファイア基板などの単結晶基板17の上に、窒化物半導体層12を、MOVPE法、分子ビームエピタキシー法(MBE法)、ハイドライド気相成長法(HVPE法)などの、この分野における公知の気相エピタキシャル成長法を用いて成長させる。図示していないが、結晶基板17と窒化物半導体層12との間には、バッファ層を介在させてもよい。窒化物半導体層は、n型層を先に成長させて、その上にp型層を成長させることが好ましい。
(p側電極形成工程)
窒化物半導体層12の形成後、図2(b)に示すように、p型層12cの上面に、p側オーミック電極14、ボンディングパッド15を、順次形成する。
(成長基板除去工程)
図2(c)に示すように、p側の電極を形成したウェハから、エピタキシャル成長工程で用いた単結晶基板17を除去する。この工程は、ウェハの上面に、加熱により剥離可能な保持膜 (図示せず)を接着したうえで行う。単結晶基板17を除去する方法としては、研削および/または研磨により摩滅させる方法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、レーザリフトオフ法などが挙げられる。結晶基板17がSi基板の場合にはウェットエッチング法が適しており、サファイア基板の場合にはレーザリフトオフ法が適しているが、限定されるものではない。
(n側電極形成工程)
図2(d)に示すように、成長基板除去工程で単結晶基板17を除去することにより露出したn型GaN層12aの表面に、n側オーミック電極13を形成する。電極形成に先だって、電極を形成しようとするn型GaN層の表面を清浄化するために、化学機械的研磨、ウェットエッチング、ドライエッチング等の処理を、適宜行うことができる。n側オーミック電極13はTi/Au電極に限定されるものではなく、Ti/Al電極など、n型窒化物半導体に対してオーミック性を有する公知の電極を任意に用いることができる。n型オーミック電極13は、ITOなどの酸化物半導体で形成してもよい。n型オーミック電極13は、この例ではn型GaN層12aの表面を覆うように形成しているが、必須ではない。n型GaN層の表面に、n型オーミック電極と高反射膜を、それぞれ、部分的に形成してもよい。
(メッキ工程)
n側オーミック電極13として形成したTi/Au層を下地層として、電気メッキを行い、図3(e)に示すように、Au膜を析出させて、保持基板11を形成する。この方法で保持基板11を形成する場合の、保持基板の材料はAuに限定されるものではなく、電鋳(electoro forming)における電着金属として使用されている金属であれば、好ましく用いることができる。特に好ましくは、Auの他、Ni(銀)、Cu(銅)、Ag(銀)などが挙げられる。電気メッキは、n側オーミック電極が金属膜の場合には、n側オーミック電極自体をメッキ下地層として行い得るが、n側オーミック電極上にメッキ下地層として適した金属層を蒸着法などで形成したうえで行ってもよい。n側オーミック電極と、その上に形成するメッキ下地層との間に、金属の拡散を防ぐためのバリア層を設けることもできる。メッキ下地層やバリア層の詳細については、例えば、特開2004−47704号公報を参照することができる。
(ダイシングおよび凹部形成工程)
保持基板11の形成後、図3(f)に示すように、ダイシングによりウェハを分割して、素子をチップ状にする。その後、粘着テープに貼り付ける等の方法により固定したチップ状の素子の、保持基板11の下面に、金属製のニードルを突き当てて、図3(g)に示すように凹部16を形成する。つまり、保持基板11を塑性変形させる塑性加工により、凹部16を形成する。凹部16の形成をこのように簡便な塑性加工により行うことができるのは、保持基板11が金属製であるからである。従って、保持基板11の形成方法は上述の電気メッキに限定されず、蒸着法、無電解メッキ法、CVD法、スパッタ法などであってもよい。また、保持基板11は、別途製造された金属基板が、接着剤により窒化物半導体層12に接着されたものであってもよい。凹部は、保持基板の下面を塑性変形させるのに用いる工具の形状を変えることにより、種々の形状に形成することが可能である。
ダイシングにより素子をチップ化した後に凹部16の形成を行う理由は、Auからなる保持基板11が不透明であるために、ウェハの状態では、凹部16を形成すべき位置を知ることが難しいからである。これに対して、素子をチップ化した後であれば、各チップの保持基板11の下面の所定位置に、容易に凹部を形成することができる。特に、ボンディングパッド15の位置を素子の中央部と決めておけば、チップ化後の保持基板11の下面の中央部にニードルを突き当てることにより、凹部16を確実にボンディングパッド15の下方に形成することができる。ただし、凹部16の形成をダイシング後に行うことは必須ではない。なお、凹部16をこの方法で形成した場合、InGaN活性層12bのうち、該凹部16の直上に位置する領域がダメージを受ける可能性があるが、窒化物LED10では、ボンディングパッド15の下方ではp側オーミック電極14に開口部を設けてInGaN活性層12bを発光させないようにしているので、InGaN活性層12bの上記領域がダメージを受けても、それによる発光効率への影響は小さい。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図4は、本発明の他の一実施形態に係る窒化物LEDの断面図である。図4に示す窒化物LED20において、21はAuからなる膜厚約50μmの保持基板であり、その上に、窒化物半導体層22が、Ni/Auからなるp側オーミック電極24を介して積層されている。窒化物半導体層22は、保持基板21側から順に、p型GaN層22c、InGaN活性層22b、n型GaN層22aを含んでいる。23はTi/Auからなるn側オーミック電極で、n型GaN層22aとオーミック接触している。n側オーミック電極23はボンディングパッドを兼用している。なお、n側オーミック電極をITOなどの透明材料を用いて、n型GaN層の表面を覆うように形成し、その上に、金属製のボンディングパッドを形成してもよい。
図4に示す窒化物LED20では、保持基板21の下面に2種類の凹部26a、26bが設けられている。凹部26aはドット状の窪みであり、一方、凹部26bは、凹部26aを取り囲む環状の溝である。実装時に余分に塗布された接着剤が、環状の溝である凹部26aに入ると、その内部で接着剤の少ない部分に向かって移動するので、保持基板21の下面と、素子を固定しようとしている基板、ステム等の表面との間に存在する、接着剤量の分布が均一化される。そのために、発光ダイオード素子の発光面と、基板、ステム等の表面とが平行となるように素子を固定することが、容易となる。このような接着剤の分布均一化の効果は、保持基板21の下面に環状の溝を多重に形成したとき、より顕著となる。なお、窒化物LED20においても、凹部26a、26bによって、素子の側面を接着剤がはい上がる問題が防止され、また、素子の基板、ステム等への接着強度が大きくなる効果が得られることは勿論である。
凹部26aおよび26bは、例えば、その開口部の面積の総和を、保持基板21の面積の1%〜50%とし、また、深さdを5μm〜50μmとすることができる。この実施形態においても、凹部26aおよび26bの最も好ましいサイズ(内容積)は、素子の固定に用いる接着剤の量によって異なる。
次に窒化物LED20の製造方法を説明する。
(エピタキシャル成長工程)
図5(a)に示すように、ウェハサイズを有するサファイア基板などの単結晶基板27の上に、窒化物半導体層22を、MOVPE法、分子ビームエピタキシー法(MBE法)、ハイドライド気相成長法(HVPE法)などの気相エピタキシャル成長法を用いて、n型GaN層22aから順に成長させる。
(マーキング層形成工程)
窒化物半導体層22の形成後、p型GaN層22cの表面上に、Ti(チタン)からなるマーキング層Sを形成する。このマーキング層Sは、ウェハ上に形成しようとする複数の素子部の間の境界部分(後工程でダイシング線上となる領域)に形成する。マーキング層Sを設ける目的は、不透光性のAuからなる保持基板21を形成した後においても、保持基板21の表面に設けられた凹部26a、26bの位置を、窒化物半導体層22側から容易に知ることができるようにするためである。つまり、後述するn側電極形成工程において、n側オーミック電極23を形成すべき位置や、窒化物半導体層22をエッチングすべき領域を、容易に決めることができるようにするためである。
マーキング層Sは、窒化物半導体層22を透して、その位置が視認できるものであればよい。よって、マーキング層Sは、p側オーミック電極24と異なる色を有する材料で形成することが好ましい。この例で、マーキング層SをTiで形成しているのはそのためである。マーキング層Sはまた、酸化ケイ素などの透明材料で形成することもできる。この場合は、p側オーミック電極24の色と、後の工程でマーキング層Sの上に形成されるメッキ下地層との色が異なれば、マーキング層Sの位置が視認できる。あるいは、窒化物半導体層22を透して光学顕微鏡観察したときに、マーキング層S上に形成されたメッキ下地層の下面のみに焦点を合わせることができる程度に、透明なマーキング層Sを厚く形成すれば、マーキング層Sの位置が視認できることになる。
また、p側オーミック電極24を、ITOなどの透明材料で形成する場合には、マーキング層Sと、後の工程でp側オーミック電極24の上に形成するメッキ下地層とを、異なる色にすれば、窒化物半導体層22を透してマーキング層Sの位置が視認できる。また、この場合の他の方法として、マーキング層Sを設ける代わりに、マーキング領域として、p型GaN層22c上に、p側オーミック電極24を介さないで、直接メッキ下地層を形成した領域を所定の位置に設けるとともに、窒化物半導体層22を透して光学顕微鏡観察したときに、該マーキング領域に形成されたメッキ下地層の下面(p型GaN層22c上に直接形成されたメッキ下地層の下面)のみに焦点を合わせることができる程度に、透明なp側オーミック電極24を厚く形成すれば、該マーキング領域の位置を、窒化物半導体層22を透して視認できるので、該マーキング領域をn側オーミック電極23の形成位置を決定する際の基準として利用することができる。
(p側電極形成工程)
次に、図5(c)に示すように、p型層22cの上面に、マーキング層Sを覆い隠してしまわないように、p側オーミック電極24を形成する。これは、次の工程でマスク層Mを形成する際に、マーキング層Sが視認できるようにするためである。従って、マーキング層Sとp側オーミック電極24とは、その上面側から見ても識別できるように、色を相違させておく必要がある。このp側電極形成工程と前記のマーキング層形成工程は、順番を入れ替えてもよい。なお、p側オーミック電極24は、後の工程でメッキ下地層として用いることから、積層構造として、その最上層にメッキ下地層に適した金属層を設けてもよい。
(メッキ工程)
p側オーミック電極24を形成したら、図5(d)に示すように、p側オーミック電極24の表面に、フォトレジストからなる絶縁性のマスクMを、最終的に保持基板21の表面に形成しようとする凹部のパターンに形成する。その際、マスクMの位置は、マーキング層Sの位置を基準として定める。ここで、マーキング層Sがメッキ下地層として適さない材料からなる場合には、図5(d)に示すように、マーキング層Sの表面もマスク層Mで覆う。次に、図6(e)に示すように、p側オーミック電極24をメッキ下地層として、その表面がマスクMに覆われずに露出した部分の上に、電気メッキによりAu層21−1を形成する。
Au層21−1の形成後、マスクMをリフトオフすると、図6(f)に示すように、p型層22c上に、〔p側オーミック電極24とAu層21−1とからなり、表面に、マスクMのパターンを反映したパターンの凹部を有する導電層〕が形成された状態が得られる。
次に、前記導電層をメッキ下地層として、再び電気メッキを行い、Au層21−2を形成する。この電気メッキの前に、蒸着等により、メッキ下地層に適した金属層を、マーキング層Sの表面を含むウェハの上面全体を覆って形成してもよい。電気メッキにより形成されるAu層21−2の表面には、メッキ下地層の表面の凹部パターンを反映した凹部が形成されるので、最終的には、図6(g)に示すように、Au層21−1およびAu層21−2とからなる、表面に凹部26aおよび26bを有する保持基板21が得られる。
(成長基板除去工程)
次に、図7(h)に示すように、メッキ工程により保持基板21を形成した後のウェハから、エピタキシャル成長工程で用いた単結晶基板27を除去する。単結晶基板27の除去方法としては、研削および/または研磨により摩滅させる方法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、レーザリフトオフ法などが挙げられる。
(n側電極形成工程)
図7(i)に示すように、成長基板除去工程で単結晶基板27を除去することにより露出したn型GaN層22aの表面に、n側オーミック電極23を形成する。このとき、窒化物半導体層22を透して視認できるマーキング層Sが設けられているために、保持基板21が不透明であるにもかかわらず、n側オーミック電極23を形成すべき箇所(この例では、保持基板21の下面の凹部26aの直上)を、窒化物半導体層22側から容易に知ることができる。
なお、n側オーミック電極23の形成に先だってn型GaN層22aの表面を清浄化するために、化学機械的研磨、ウェットエッチング、ドライエッチング等の処理を、適宜行うことができる。n型GaN層22aの表面からの光取出しを促進するために、該表面を粗面化する処理を行ってもよい。また、この例では、n側オーミック電極23を形成する前または後に、ウェハ上で隣接する素子の間の領域の窒化物半導体層22をエッチングにより除去して、保持基板21の上面を露出させている。
(ダイシング工程)
n側オーミック電極23の形成後、図7(j)に示すように、ダイシングにより、マーキング層Sが形成された位置で保持基板21を切断して、ウェハをチップ状に分割する。
以上、本発明を具体的な実施形態に即して説明したが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではなく、発明の効果が得られる範囲で種々の変形が可能である。
本発明の一実施形態に係る窒化物半導体発光ダイオード素子の断面図である。 図1に示す窒化物半導体発光ダイオード素子の製造工程を説明するための断面図である。 図1に示す窒化物半導体発光ダイオード素子の製造工程を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体発光ダイオード素子の断面図である。 図4に示す窒化物半導体発光ダイオード素子の製造工程を説明するための断面図である。 図4に示す窒化物半導体発光ダイオード素子の製造工程を説明するための断面図である。 図4に示す窒化物半導体発光ダイオード素子の製造工程を説明するための断面図である。 従来の窒化物半導体発光ダイオード素子の断面図である。
符号の説明
10、20 窒化物半導体発光ダイオード素子
11、21 金属製の保持基板
12、22 窒化物半導体層
13、23 n側オーミック電極
14、24 p側オーミック電極
15 ボンディングパッド
16、26a、26b 凹部

Claims (5)

  1. 金属製の保持基板と、その上に積層された窒化物半導体層と、該窒化物半導体層の上に形成されたボンディングパッドとを有する、窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法であって、前記保持基板の上に前記窒化物半導体層が積層された積層体を形成した後に、前記保持基板の下面における前記ボンディングパッドの射影領域の内側に、塑性加工により、ドット状の窪みである凹部を設ける工程を有することを特徴とする、窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法。
  2. チップサイズを有する前記積層体を形成した後に、前記凹部を設ける工程を行う、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記凹部の深さが5μm〜50μmである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. (イ)単結晶基板の上に気相エピタキシャル成長法を用いて窒化物半導体層を形成する工程と、
    (ロ)前記窒化物半導体層を前記結晶基板から分離する工程と、
    (ハ)前記窒化物半導体層のいずれかの面の上に、電気メッキの下地層として、表面に凹部を有する導電層を形成する工程と、
    (ニ)前記導電層を下地層として電気メッキを行うことにより金属膜を析出させて、表面に凹部を有する金属製の保持基板を形成する工程と、
    を有する、窒化物半導体発光ダイオード素子の製造方法。
  5. 前記(ハ)の工程の前に、前記窒化物半導体層の、前記導電層を形成する側の面の上に、該窒化物半導体層を透してその位置を視認し得るマーキング層を形成し、前記(ハ)の工程では、該マーキング層の位置を基準として、前記導電層の表面の凹部の位置を定める、請求項に記載の製造方法。
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