JP4881517B2 - 身体状態の監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体状態の監視装置に関し、特に人または動物の身体動作、たとえば腕の振りなどから運動の評価を行い、さらに生体情報の評価を行うことができる新規な身体状態の監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、老人などの使用者の運動の評価を行うとともに、生体情報を評価するための先行技術は存在しない。たとえば特開平10−295651は、使用者の運動量を健康診断に反映する構成を開示し、特開2000−41952、特開2000−41953もまた運動の評価を行う構成を開示する。特開平9−187433は、耳たぶに取付けた脈波センサの出力によって体調異常を通報する構成を開示する。したがって先行技術では、運動と生体情報とを用いて身体状態を監視するための構成は実現されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、運動の評価と生体情報の評価とを用いて身体状態を監視することができるようにした身体状態の監視装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)人の上肢の手首に巻付けられるベルトと、
(b)ベルトの内側に設けられるセンサであって、このセンサは、
(b1)人の生体組織に向けて光を発生する発光素子と、
(b2)発光素子からの光の生体組織による散乱光を受光し散乱光の強度を表す検出信号を出力する受光素子とを有するセンサと、
(c)ベルトに設けられ、受光素子からの検出信号のうち、脈波を判定して選択する脈波センサと、
(d)ベルトに設けられる運動センサであって、
(d1)上肢の長手方向Xの直線運動の加速度Gxを検出する加速度センサと、
(d2)角速度センサであって、
上肢の長手方向Xと上肢の幅方向Yとに垂直なZ軸まわりの角速度ωzを検出するジャイロセンサである角速度センサとを含む運動センサと、
(e)ベルトに設けられ、脈波センサからの脈波の検出信号と、運動センサの出力信号とを、電磁波で送信する送信手段と、
(f)送信手段の出力を受信して演算する演算手段であって、
(f1)加速度センサと角速度センサとの出力を演算して運動量を求める運動量演算手段と、
(f2)脈波センサからの脈波の検出信号を演算して脈拍を演算する脈拍演算手段と、
(f3)運動量演算手段と脈拍演算手段との出力に応答し、運動量が予め定める第1の値Q1未満であって正常であり、かつ、脈拍が予め定める第2の値u1以上であって過多であるとき、または第2の値u1未満である予め定める第3の値u2未満であって過少であるとき、警報信号を出力する警報手段と,
(f4)所定の期間内で、加速度センサの出力Gxの分散の第1の対数を求め、角速度センサの出力ωzの分散の第2の対数を求め、これらの第1および第2の対数の組合せによって、前記所定の期間内における運動の種類とその強度とを判定し評価する手段とを含む演算手段と、
(g)演算手段の出力に応答し、前記警報信号ならびに前記運動の種類とその強度および評価の身体状態を表す情報を表示する表示手段とを有することを特徴とする身体状態の監視装置である。
本発明は、(a)人の上肢の手首に巻付けられるベルトと、
(b)ベルトの内側に設けられるセンサであって、このセンサは、
(b1)人の生体組織に向けて光を発生する発光素子と、
(b2)発光素子からの光の生体組織による散乱光を受光し散乱光の強度を表す検出信号を出力する受光素子とを有するセンサと、
(c)ベルトに設けられ、受光素子からの検出信号のうち、脈波を判定して選択する脈波センサと、
(d)ベルトに設けられる運動センサであって、
(d1)上肢の長手方向Xの直線運動の加速度Gxを検出する加速度センサと、
(d2)角速度センサであって、
上肢の長手方向Xと上肢の幅方向Yとに垂直なZ軸まわりの角速度ωzを検出するジャイロセンサである角速度センサとを含む運動センサと、
(e)ベルトに設けられ、脈波センサからの脈波の検出信号と、運動センサの出力信号とに応答して演算する演算手段であって、
(e1)加速度センサと角速度センサとの出力を演算して運動量を求める運動量演算手段と、
(e2)脈波センサからの脈波の検出信号を演算して脈拍を演算する脈拍演算手段と、
(e3)運動量演算手段と脈拍演算手段との出力に応答し、運動量が予め定める第1の値Q1未満であって正常であり、かつ、脈拍が予め定める第2の値u1以上であって過多であるとき、または第2の値u1未満である予め定める第3の値u2未満であって過少であるとき、警報信号を出力する警報手段と,
(e4)所定の期間内で、加速度センサの出力Gxの分散の第1の対数を求め、角速度センサの出力ωzの分散の第2の対数を求め、これらの第1および第2の対数の組合せによって、前記所定の期間内における運動の種類とその強度とを判定し評価する手段とを含む演算手段と、
(f)演算手段の出力に応答し、前記警報信号ならびに前記運動の種類とその強度および評価の身体状態を表す情報を表示する表示手段とを有することを特徴とする身体状態の監視装置である。
本発明の脈拍演算手段は、
加速度センサの出力に応答し、加速度センサのパルス状出力が得られる状態で、脈波センサからの脈波の検出信号に含まれるノイズを除去するノイズ除去手段を含むことを特徴とする。
【0005】
本発明に従えば、運動センサと脈波センサとは、身体の上肢の手首に巻付けて着脱自在に装着するベルトに設けられ、加速度および角速度検出するとともに脈波を検出し、これによって身体状態を表す情報、すなわち前記警報信号ならびに前記運動の種類とその強度および評価を演算して監視することができる。身体状態というのは、運動の評価および生体情報の評価との両者を用いて得られる状態である。
【0008】
本発明に従えば、運動センサと脈波センサとの出力を送信手段で電波を用いて、または赤外線などの光を用いて電磁波で送信し、その電磁波を受信して演算し、身体状態の情報を表示手段で表示するようにしてもよく、あるいはまた運動センサと脈波センサとに一体的に、したがってベルトに、身体状態の情報を演算する演算手段と、その情報を表示する表示手段とを設けて構成してもよい。表示手段は、液晶表示パネルを有する目視表示を行う構成であってもよいが、音響を出力する構成であってもよく、あるいはまた振動などによって表示を行う構成によって実現されてもよい。
【0011】
本発明に従えば、運動量が予め定める第1の値未満であって、正常であるにもかかわらず、脈拍が過多または過少であるとき、警報信号を出力し、また運動量が過多であって脈拍も過多であるとき、警報信号が出力される。これによって、運動センサまたは脈波センサのいずれか一方だけで身体の異常を判断するよりも、誤報を回避することができる。
【0012】
警報信号は、たとえば病院または福祉施設に設けられたコンピュータなどを備える処理装置に伝送されるように構成されてもよい。運動の評価に関する警報信号は、たとえばフィットネスクラブなどに備えられたコンピュータを含む処理装置に伝送されるように構成されてもよい。
【0014】
本発明に従えば、角速度センサを人体の上肢、たとえば腕の手首などに装着されてもよく、あるいはまた下肢、たとえば足首などに装着されてもよく、この長手方向Xと幅方向Yとに垂直なZ軸のまわりの角速度ωzをジャイロセンサで検出することによって、その使用者の運動量を正確に得ることができる。
【0016】
本発明に従えば、脈拍の演算の際、加速度センサからの出力に含まれるパルスに対応して、脈波センサの出力に含まれるノイズを除去する。脈波センサの出力に含まれるノイズは、身体のたとえば上肢または下肢などの少なくとも一部分が激しく動いたときに生じやすく、たとえば血管内の血液が、身体の一部の動きによって移動し、これによって脈波にノイズが含まれる結果になる。そこで本発明では、パルス状の加速度が発生したときに、脈波に含まれるノイズを除去する。こうして脈波の正確な検出が可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の全体の構成を簡略化して示す図である。身体センシング装置301は、たとえば人の身体に装着される。身体センシング装置301から無線で送信される信号は、受信端末装置361における受信機362で受信され、その受信機362にライン363で接続された端末手段364によって、身体状態を演算して監視することができる。使用者の身体状態が異常であるとき、警報信号を出力して警告を行い、また病院、福祉施設などへの緊急通報を、公衆電話回線などを介して行うこともできる。
【0018】
図2は、身体センシング装置301の全体の構成を示すブロック図である。身体センシング装置301が装着された身体4(後述の図14参照)の一部分の加速度を検出するために加速度センサ11が設けられる。その身体の一部分の角速度を検出するために、角速度センサであるジャイロセンサ12が設けられる。さらに脈波を検出する脈波センサSRが設けられる。これらの各センサ11,12,SRの各出力は、信号処理手段365〜367にそれぞれ与えられて信号処理され、マイクロコンピュータなどによって実現される処理回路368に与えられる。この処理回路368の出力は、通信回路22に与えられて無線送信される。
【0019】
図3は、身体センシング装置301の具体的な構成を示すブロック図である。この身体センシング装置301は、参照符SRで示されるセンサと、このセンサSRの動作を制御し、その検出信号が与えられる送信用処理手段305と、この送信用処理手段305からの出力を電波などの電磁波で送信する送信手段306とを含む。
【0020】
人体4のたとえば上肢308には、身体センシング装置301を構成するベルト309によって、センサSRが人体に密着するように装着される。このようにセンサSRが上肢308に密着させて設けられることによって、上肢308を動かす体動が生じても、センサSRが身体から離れることが防がれ、確実な検出が可能となる。身体センシング装置301は、上肢308だけでなく下肢に装着されてもよく、その他、体の一部分にセンサSRが密着するように装着して、用いられてもよい。
【0021】
図4は、身体センシング装置301の簡略化した斜視図である。ベルト309は、可撓性材料、たとえば布、合成樹脂などから成り、自然状態ではたとえば円形であってもよい。このベルト309の外周部には、ハウジング311が固定され、このハウジング311内に、送信用処理手段305および送信手段306などが収納される。
【0022】
図4に示されるように、ベルト309の周方向に、2つの発光素子314,315間に受光素子316が配置される。こうして各発光素子314,315による生体組織の散乱光を、受光素子316によって正確に受光することができる。
【0023】
図5は、身体センシング装置301を人307の上肢308に装着した状態を示す断面図である。センサSRは、ベルト309の内側に設けられ、上肢308の掌側に密着するようにして装着される。
【0024】
センサSRは、赤色光317(図5参照)を発生する赤色光発光素子314と、赤外光318(図5参照)を発生する赤外光発光素子315と、これらの赤色光317および赤外光318が上肢に照射され、その生体組織による散乱光を共通に受光する受光素子316とを含む。
【0025】
図6は、赤色光発光素子314からの赤色光が上肢308に照射され、その上肢の生体組織による散乱光を受光素子316で受光したときにおける受光素子316の出力波形を示す。このとき赤外光発光素子315は休止されている。赤色光発光素子314の光照射時に受光素子316から得られる図6の検出信号は、脈波成分321と直流成分322とを含む。脈波成分321のピーク・ピーク値は、参照符AC1で示され、直流成分322は参照符DC1で示される。また同様に赤外光発光素子315からの赤外光を上肢308に照射し、その上肢の生体組織による散乱光を受光素子316で受光したときにもまた、図6と同様な脈波成分と直流成分とが得られ、このとき赤色光発光素子314は休止している。赤外光発光素子315からの赤外光の照射時に、受光素子316から得られる検出信号の脈波成分のピーク・ピーク値をAC2とし、そのときの直流成分をDC2とする。これによって動脈血の酸素飽和度SpO2に対応した値Φを演算して求めることができる。
【0026】
【数1】
Figure 0004881517
【0027】
式1によって求められた値Фに基づき、酸素飽和度SpO2を求めることができる。
【0028】
図6に示される赤外光の上肢308への照射時、受光素子316からの検出信号の脈波成分321の周期ΔTを演算して求めることによって、脈拍を求めることができる。本実施の他の形態では、赤外光の照射時、受光素子316から得られる検出信号の脈波成分の周期から、脈拍を演算するようにしてもよい。
【0029】
身体センシング装置301のセンサSRの受光素子316からの検出信号は、送信用処理手段335に与えられる。これらの検出信号のうち、外来光を含む検出信号と外来光を含まない検出信号とが判定され、外来光を含まない検出信号の1つが選択され、送信手段306によって送信される。
【0030】
本発明の実施の他の形態では、前記赤色光および赤外光のうちいずれか一方、あるいは青色などの1色の光を用いても、脈波を計測することができる。
【0031】
図7は、送信回路22から送信される送信信号371の構成を示す図である。この送信信号371は、身体センシング装置301が装着される使用者を表す識別コード372と、加速度、角速度および脈波などの検出信号の種類を表す種類コード373と、その検出信号の値である検出データ374とを含む。本発明の実施の他の形態では、複数の身体センシング装置301毎に、無線信号の搬送波周波数は異なっていてもよい。受信端末装置361の受信機362では、各身体センシング装置301からの無線信号を受信し、その無線信号に含まれる前記検出信号に応答し、動脈血の酸素飽和度、脈拍およびその他の健康状態を表す値を演算して求める。処理装置302において、各身体センシング装置301を装着している人307の健康状態の異常が検出されたときに、そのことを表す警報信号はライン325から、緊急通報用端末装置26に与えられる。緊急通報用端末装置326は、警報信号に応答し、病院の建物に配線されたラインを介して、または公衆電話回線を介するなどして、集中管理センタに設置された集中管理装置327に、緊急通報信号328を送信する。これによって医師などは、人307の健康状態を観察確認するために出動することができ、人307の健康状態の悪化を防ぐことができる。
【0032】
図8は、図3に示される身体センシング装置301の一部の動作を説明するための波形図である。この身体センシング装置301は、電池329を含み、この電池329の電力によって駆動される。センサSRの受光素子316からの検出信号は、送信用処理手段305における増幅回路332によって増幅される。センサSRの赤色光発光素子314は、マイクロコンピュータなどによって実現される処理回路333の発光素子スケジューリング回路334からの各制御信号によって、図8(1)に示されるように一定周期で間欠的に駆動される。赤外光発光素子15は、図8(2)に示されるように、発光素子スケジューリング回路334によって間欠的に駆動される。これらの発光素子314,315は、一方が駆動されている期間中、他方が休止され、その点滅周波数は、たとえば300Hzであってもよい。
【0033】
発光素子スケジューリング回路334は、センサSRの赤色光発光素子314を、期間W1だけ駆動し、赤外光発光素子315を次の期間W2だけ駆動し、たとえばW1=W2であり、このような1周期(=W1+W2)が繰返えされる。たとえばセンサSRの受光素子316の検出信号が、切換えスイッチ331を経て増幅回路332に与えられ、切換えスイッチ337から、赤色光サンプルホールド回路338および赤外光サンプルホールド回路339にそれぞれ切換えられて与えられる。期間W1において赤色光発光素子314が駆動されるとき、増幅回路332の出力は切換えスイッチ337から赤色光サンプルホールド回路338に与えられる。また赤外光発光素子315が駆動される期間W2では、増幅回路332の出力は切換えスイッチ337から赤外光サンプルホールド回路339にそれぞれ与えられる。
【0034】
赤色光発光素子314が駆動されている期間W1中で増幅回路332から切換えスイッチ337を経て赤色光用サンプルホールド回路338に与えられる信号は、図8(3)の参照符341で示される。赤外光発光素子315が駆動される期間W2中、増幅回路332から切換えスイッチ337を経て赤外光サンプルホールド回路339に与えられる信号は、図8(3)の参照符342に示される。これらの各信号341,342は、各サンプルホールド回路338,339によってサンプリングされ、そのサンプル値は、次のサンプリング時まで保持され、新たなサンプリング値に更新される。赤色光サンプルホールド回路338は、期間W1における増幅回路332から切換えスイッチ37を介して与えられる出力341をサンプリングし、また赤外光サンプルホールド回路339は、増幅回路332から切換えスイッチ337を介して与えられる期間W2の信号342をサンプリングする。こうして赤色光サンプルホールド回路338は、図8(4)の出力343を導出し、赤外光サンプルホールド回路339は図8(4)の出力344を導出する。
【0035】
各サンプルホールド回路338,339の各出力が与えられるローパスフィルタ343,344の遮断周波数は、たとえば約10Hzに選ばれる。したがってたとえば60Hzまたは50Hzの照明光などの外来光が受光素子316に混入しても、そのような外来光の成分は、遮断される。
【0036】
ローパスフィルタ343,344からの各出力波形は、図8(5)の参照符345,346でそれぞれ示される。こうしてローパスフィルタ343,344からの赤色光および赤外光に対応する受光素子316の検出信号に対応する出力は、脈波成分と直流成分とを含む。バンドパスフィルタ348,349は、約1.5〜約10Hzの周波数帯域の信号を通過させて濾波する。したがってバンドパスフィルタ348,349の出力は、赤色光発光素子314および赤外光発光素子315が駆動される各期間W1,W2における受光素子316の検出信号のうち、脈波成分だけを含む。
【0037】
ローパスフィルタ343,344およびバンドパスフィルタ348,349の各出力は、アナログ/デジタル(略称A/D)変換器352,353によってデジタル信号に変換され、マイクロコンピュータなどによって実現される処理回路354に与えられる。
【0038】
図9は、処理回路354の動作を説明するためのフローチャートである。ステップa1からステップa2に移り、処理回路354は、ローパスフィルタ343,344からの脈波成分および直流成分を含む検出信号のデジタル信号を読込み、またバンドパスフィルタ348,349からの脈波成分のデジタル信号を読込む。処理回路354は次のステップa3で、センサSRからのローパスフィルタ343,344によって濾波された脈波成分および直流成分を含む検出信号のうち、外来光を含む検出信号と、外来光を含まない検出信号とを判定して選択する。
【0039】
図10は、処理回路354によって、外来光を含む検出信号と、外来光を含まない検出信号とを判定して選択する動作を説明するための受光素子316からの検出信号の波形356を示す図である。この検出信号の波形356は、期間W1における赤色光による脈波成分AC1と直流成分DC1とを含む。この検出信号356の予め定める時間W3内の変化量Δxが、脈波成分のピーク・ピーク値AC1を超える予め定める値ΔL(ただしAC1<ΔL)未満であるとき(すなわち図10のように、Δx<ΔL)、検出信号356は外来光を含まない検出信号であると判定する。また前記変化量Δxが、前記予め定める値ΔL以上であるとき(すなわちΔx≧ΔL)、検出信号356は、外来光を含む検出信号であると判定する。
【0040】
人307の上肢に装着されたベルト309は、密着して上肢308に巻付けられており、したがってセンサSRが上肢308の皮膚の表面に接触しているとき、生体組織による散乱光を受光し、外来光を含まない検出信号として受光素子316から導出されるけれども、センサSRが皮膚から離間したとき、生体組織からの散乱光だけでなく、さらに照明光、太陽光などの外来光もまた受光素子316に入射し、受光素子316からは、外来光を含む検出信号が導出される。受光素子316に外来光が混入したとき、検出信号356のレベルΔxが大きく変化し、不安定になる。そこで本件実施の形態では、この予め定める時間W3における変化量Δxを演算して求め、その変化量Δxが、予め定める値ΔL以上であるとき、その検出信号356は、上述のように外来光を含む検出信号であるものと判定する。
【0041】
前記予め定める時間W3は、検出される人307の脈拍にほぼ等しい時間に定められ、たとえば0.5〜1秒の範囲内の値に定められてもよい。この時間W3が、たとえば脈拍の半周期に選ばれたとき、変化量Δxは、脈波成分AC1にぼ等しい値になる(Δx≒AC1)。このようなときであっても、検出信号356に外来光が含まれているかどうかを判別することができるようにするために、前述のように予め定める値ΔLは、脈波成分AC1のピーク・ピーク値を超える値(AC1<ΔL)に定められる。こうして受光素子316の検出信号が、外来光を含む検出信号であるかどうかを判別することができる。受光素子316の検出信号は、赤色光発光素子314が駆動される期間W1による検出信号であってもよいけれども、本発明の実施の他の形態では、赤外光発光素子315の駆動期間W2における出力であってもよい。
【0042】
本発明の実施の他の形態では、検出信号(=AC1+DC1)を、予め定める値でレベル弁別することによって、外来光を含む検出信号であるかどうかを判別するようにしてもよい。
【0043】
また本発明の実施の他の形態では、前記処理回路354はセンサSRの上肢308への密着状態が良好であれば、上記外来光の有無を判定しない構成であってもよい。
【0044】
再び図3を参照して、身体センシング装置301において、その特定の方向への加速度を検知する加速度センサ11、特定の面に平行な回転の角速度を検知する角速度センサ12、それら機械的振動体であるセンサを各々励振し(駆動信号はP130およびP140)また加速度および角速度の検出信号P11およびP12を抽出し、検波・増幅等の処理をしてそれぞれ検出値に比例する電圧を出力する加速度測定回路13および角速度測定回路14を含んでいる。
【0045】
所定の期間(使用者自身が決める、あるいは予め使用者と医療関係者が打合わせて決める、あるいは装置が自己の時計で決める等種々考えられる)内の加速度出力P13と角速度出力P14はそれぞれ加速度演算回路15および角速度演算回路16によって所定の演算が施される。所定の演算とは信号P13,P14の波形に加工を施して信号を変換することであり、たとえば入力波形のピーク値を抽出する、整流・平滑化を行って平均化する、所定期間に現れる波形のピーク値の分散値を求める、所定期間の信号を細かくサンプリングしてその分散値を出す、またさらにそれらの対数を求める、あるいはその他の数学的処理を行うことや、振動する波形の周期を求めること等を意味する。それらの出力である運動データは加速度演算出力P15および角速度演算出力P16である。この両出力は通信回路22によって、たとえば電波出力P22として外部装置2に対して、ともに送信される。データの送受信は双方の通信回路22,23が連携し、互いの動作をチェックしながら双方向的に行われる。また制御回路24は身体側装置1内の各回路に作用し、制御信号P241,P242,P243,P244,P245を発生し、各回路の動作タイミングや各回路間の連携動作を調整する役割を持つ。
【0046】
図11は、外部装置2である受信端末装置361のブロック図である。この装置361の構成および動作は以下のようである。電波信号P22に含まれる運動データを受信した通信回路23はそれを復調し内部信号P23に変換する。運動判定回路17は内部信号P23を受けて、それに含まれる加速度演算出力と角速度演算出力の2種類の情報と、予め何種類かの運動について実験的に求めておいたそれぞれの数値範囲とを比較し、ある期間(すなわち前記所定の期間)内に使用者が行った運動の種類とその強度を判定する。あるいはさらに判定された運動に対する評価(たとえばリハビリテーションの進度状況等)の情報も付加する。
【0047】
それらの情報を含む判定結果信号P17は記憶装置19に記憶されるとともに表示装置18(必要な回路を含む)に送られてその内容(運動の種類、強度、その評価)等が予め登録されていた使用者の個人情報とともに表示され、記録装置21にて記録され、医療担当者など観察者の診断を可能にする。また記憶された内容を含む記憶信号P19は、再生回路20によって必要に応じて再生信号P20として随時再生され、表示装置18により表示される。制御回路25は外部装置2内の各回路に作用し、受信信号P231を受け、制御信号P251,P252,P253,P254,P255,P256を発生し、各回路の動作タイミングや各回路間の連携動作を調整する役割を持つ。
【0048】
以下、図12および図13によって本発明の運動測定装置の実施の形態の具体的な形態の一例を紹介しておく。図12は身体センシング装置301の一例を示し、(a)は部分平面図、(b)はそのA−A断面図である。身体センシング装置301はほぼ腕時計形をしており、腕巻き用のバンド36を備えて手首に装着できる。主要な部品として運動センサ31、表示装置32、外部装置との通信回路モジュール33、電源となる電池34、操作スイッチ35を示す。身体センシング装置301は、装着が使用者の負担にならぬように薄形・小形でなくてはならない。表示装置32は見やすさを重視すると腕時計の表示面に相当する最も広い表面に配置することになる。運動センサ31も同じ面に、したがって表示装置32と平行に配置する。表示装置32は液晶表示パネル等薄形のものが利用できるので、運動センサ31も充分薄いパッケージに納められていなければならない。
【0049】
薄形の運動センサ31を表示装置32と平行に配置する理由は次のとおりである。最適な運動検出方向はすでに述べたように、加速度Gについては身体の上下(鉛直)方向の直線運動すなわち図12のX方向である。回転角速度ωについては身体の上下方向Xと前後方向Yの双方を含む平面に垂直なZ軸まわりの回転(同図12のωz方向)、すなわち身体の左右方向を向き、かつ水平な回転軸(図12のZ軸に平行)まわりの回転運動である。身体側装置3を腕時計のように、表示面が手首の甲側または掌側になるよう装着したとき、これが最も自然で望ましく、状態を直立させ肘を自然に曲げ伸ばしするとき、その回転面は身体側装置3の表示面すなわち表示装置32と平行になるので、その最も広い面に平行な回転検出面を持つ薄形の角速度センサがあれば、それを内部に含む運動センサ31を表示装置32と平行に配置することが好ましい。
【0050】
図13は、本発明の実施の形態における運動センサ31の一例の内部構造を示す平面図である。この運動センサ31の構造は上記のような形状、配置、検出方向に関する要求を全て満たすものである。図13では、薄い箱形で気密(好ましくは真空)の容器40の内部構造を示すために、蓋(容器の天井部分)を取除いてある。容器40の底部を貫通する多数のハーメチック端子ピン41が設けられる。各ピン41は運動センサ振動体50上の電極膜群の個々と、たとえばワイヤボンディングの手法で接続されるが、電極膜やボンディングワイヤは図示を省略してある。運動センサ振動体50は1枚の電圧性材料の平板から成形されており、加速度センサ部と角速度センサ部が一体化されている。運動センサ振動体50は総基部51の裏面の固定部A52(斜線部)と、小面積の固定部B64(斜線部)の裏面とが容器40側の台座(図示せず)上に接着され支持されている。
【0051】
角速度センサ部は、いわゆる三脚音叉形の形状をした部分であり、各々遊端部が外側方(図13の上下方向)に屈曲したL字形の外脚A53、外脚B55、中脚C54、および音叉基部56、支点57より成る。外脚A53と外脚B55とは通常の2脚音叉と同様にそれぞれが片持ち梁的で対称軸(図示せず)に関して対称な振動を行うように、角速度測定回路に含まれる励振回路(発振回路)によって一定振幅で励振させられている。中脚C54は励振されないが、その撓みを検出するための表面電極(図示せず)を持っている。固定部と異なるハッチングを付して示した58A,58B,58Cはそれぞれ負荷質量で、固有振動数を下げ、かつ互いに等しくするために脚先端部に施した金属の厚メッキ層より成る。中脚C54の固有振動数は両外脚の固有振動数と適宜に差をつけることがある。
【0052】
今、運動センサ振動体50が図示の方向、すなわち紙面に垂直なZ軸に平行な回転軸のまわりに角速度ωzで回転すると、両外側の振動脚には角速度に比例するコリオリ力が作用する。その方向は脚の長手方向であって、ある瞬間外脚A53に脚先端向きの力が作用すれば、外脚B55には脚の基部に向う力が作用する。力の方向は脚の振動と同期して正弦的に変化し周期的に反転する。2つの力は両外脚が平行に離れており、かつ負荷質量の偏心方向も外脚軸に対して逆であるため偶力を構成し、音叉基部56を揺さぶり、支点57のまわりに微小な回転振動を惹起する。このコリオリ力によるモーメントに起因する音叉基部56の振動を感知して中脚C54はコリオリ力に比例した振幅で振動する。中脚C54に設けた検出電極で抽出された振動電圧が角速度の検出信号である。
【0053】
運動センサ振動体50の加速度センサ部は1対の平行な振動する2本の棒A、棒Bと負荷質量より成る。ばね部である棒A61、棒B62、負荷質量60(広い面積の素材板の一部の質量とその表面に施した厚メッキ材の質量とより成る)、2本の支持ばね63(負荷質量60を支持しながら図示X方向の微小な変位を許すための部材)、固定部B64(負荷質量60が特にX方向に大きく変位しないように支持固定するための部分)より成る。各々両端固定である棒A61、棒B62は運動センサ振動体50の対称軸に関して対称な弓状を成す振動姿態で発振回路(たとえば図1の角速度測定回路14に含まれる)によって励振させられる。
【0054】
その発振周波数は通常一定であるが、負荷質量60に図示X方向の加速度Gxが作用すると、その大きさに比例する力で負荷質量60は棒A61、棒B62をその長手方向に圧縮あるいは引っ張ることになり、その力の方向と大きさにより発振周波数が増減し変化する。そこで別途設けた基準周波数と上記発振周波数とを比較し、発振周波数の偏かの方向と量を知ればX軸方向の加速度を求めることができる。基準周波数源を特に設けず、代りに角速度センサ用の振動体である外脚A53、B55の発振周波数を利用し得る可能性もある。本運動センサの最大の利点は薄形であり、しかも腕時計形装置の最大の面(表示面)に平行に配置して、重要なGx,ωzが検出可能なことである。
【0055】
次に、本発明の最適な実施の形態を求めるために行った諸実験について、図14〜図19を用いて説明する。まず図14は身体動作センシングにおける振動応答の実験状況の説明図である。被験者である人体4を直立させ、片足を固定台5に乗せ、他の脚を鉛直方向に振動する加振機6の台上に乗せた。なお人体4を基準として図示のようにX,Y,Zの座標軸を設定した。人体4に付した黒丸は、加速度センサを含む身体センシング装置301を装着した部位を示す。そして先ずX方向(鉛直方向)の加振に対する各部位に装着したセンサの応答を求めた。加振は正弦波で4.9m/s*sの一定加速度で5〜1000Hzをスイープした。なおX方向の加速度は歩行等の普通の運動での消費カロリーを求めるために必須のデータでもある。
【0056】
図15は上記の実験条件で片方の足裏を加振したときの身体の各部位に装着した加速度センサのZ方向の振動応答の実験結果を示すグラフで、横軸は加振周波数、縦軸は検出された加速度をそれぞれ対数目盛で示した。(a)は頭頂、(b)は胸ポケット、(c)は腰ベルト、(d)は足首、(e)は肘を伸ばした手首、(f)は肘を曲げて水平にした手首にそれぞれ装着した場合である。(c)腰ベルト、(d)足首、(e)肘を伸ばした場合、(f)肘を曲げた手首の各場合はセンサを体の加振側に取付けた場合と体の中心軸(左右を分ける面)に関して対称な部位に取付けた場合の両者を同じ図上に示して比較を容易にしてある。これらのデータを見るに、(e)図で加振側と対称側の応答の差が全周波数範囲にわたってほとんどなく波形も最もなだらかである。また約20Hz以上の足裏振動は伝達率が低く、歩行や走行の検出において履物や地面の固さの影響を受けにくく安定した検出が期待できる。これらの理由で、特別な身体部位の測定が目的でなければ、一般的には手首にセンサを装着するのが最も優れていることが判る。
【0057】
次に脳梗塞による片麻痺患者の病状の程度を評価するために行われるテストの一例である「指−鼻テスト」の運動検出を、手首に装着した加速度センサと角速度センサを用いて行ってみた。これはメトロノーム信号に合わせて指を繰返し自分の鼻に持ってゆく動作を被験者にしてもらう。図16は指−鼻テストにおける右手および左手の運動の計測結果をそのまま検出波形で示すグラフで、横軸は時間(秒)、縦軸は検出値である。(a),(b)は健常者A、(c),(d)は健常者B、(e),(f)は左上肢まひ患者の場合を示す。これらの図を見るに、二人の健常者ではいずれの側の手の動作も加速度、角速度とも滑らかで一定のリズムが認められるが、片側麻痺患者では動作のテンポが遅く、波形も乱れており、特に麻痺側の上肢の場合それが顕著であるから、症状の重篤さや過去のデータと比較しての改善程度などが容易に判断でき、手首形の身体側装置が極めて有効であることが判る。
【0058】
次に、手首に正しく装着した運動センサによって、数種類の歩行を各方向の加速度と角速度の測定結果を用いて識別する実験を行った。座標軸は図5に示したとおりであり、X軸は直立した身体の上下軸、Y軸は前後軸、Z軸は水平な左右軸である。被験者は20〜40代の男女14名、運動の種類は普通歩行、早歩き、ジョギング、走行、腕拘束歩き(腕組み、ポケット入れ、鞄持ち)の5種であり、20歩あるいは50歩を一まとめとしてデータ採取を行った。検出波形はそのままではなく演算処理し加工してある。1つは振動のピーク(歩行に応じて測定回路から出力される振動的な電圧波形の各ピーク値)を検出した場合、他は波形を多点サンプリング(20〜50歩の歩行中の波形電圧を50Hzでサンプリングする)して各点の値の分散(各データと平均値との差の2乗の平均)を計算した場合で、さらにそれらの対数を取っている。結果は図17〜図19に分けて示してある。
【0059】
図17(a)はX軸とY軸の加速度波形の分散値同士、(b)はX軸とY軸の加速度波形のピーク値同士を用いた図である。
【0060】
図18(a)はX軸加速度とZ軸角速度、(b)はY軸加速度とZ軸角速度を取り、いずれも検出波形のピーク値を用いた図である。
【0061】
図19(a)はX軸加速度GxとZ軸角速度Ωz(本件明細書では、前述のようにωzと記載することもある)、(b)はY軸加速度GyとZ軸角速度Ωzの、いずれも分散値同士を用いた図である。図17〜図19の横軸と縦軸とは、いずれも対数目盛である。
【0062】
各図を見るに、先ずピーク値同士を組合わせた図17(b)および図18(a)、図18(b)では各種の運動を示す測定点に互いに固まり、しかもかなり入組んで入るものがあるため、運動の識別が確実に行われない恐れがある。それに対し、検出波形の分散値同士を組合わせた例では、加速度同士である図17(a)では運動の分離性が悪いが、加速度と角速度を組合わせた図19の両図は比較的分離性が良い。中でも上下方向加速度Gxと上下−前後面内回転角速度ωzを用いた図17(a)の方がやや識別性が良いと考えられる。
【0063】
以上の結果から、身体側装置内の運動の感受性方向として上下方向加速度Gxと上下−前後面内回転角速度ωzを用いるのが一般的な場合に運動識別上最適であり、これは図16のようなリハビリテーションの判定にも適しており、またたとえば図13のような検出方向を持つ薄形の運動センサを用いて図12のような装着性と使用感の良い身体側装置によって実現できることを示している。
【0064】
本発明の実施の形態は、以上述べた幾つかの形態に限られないことはもちろんである。たとえば、加速度や角速度の感受性の方向は、装置の使用目的によって異なる方位を選んでもよい。身体側装置と外部装置との間で送受信されるデータは必要な運動情報が伝達される限りどのようなものであってもよい。また身体側装置は時計や携帯電話等の機能を備えていてもよい。時計機能はタイミングの制御にも用い得る。また身体側装置の装着位置も必ずしも手首に限らず、たとえば腕上任意の位置とすることができる。また運動計測結果は常に図17以下のように加工して表示するとは限らず、図16の各図のように加速度あるいは角速度の検出波形をそのまま表示してもよい。また測定値の演算処理も実験で示した以外に、たとえば絶対値の平均を求めるなど種々の場合があり得る。また他の方向の加速度あるいは角速度をも計測して補助データとし、診断や運動評価の精度を上げることも考えられる。
【0065】
また本装置の用途としては運動データの採取と評価に限られず、たとえばコミュニケーションツールとして利用がある。使用者が遠隔の医療担当者に対し「すぐに来て欲しい」等の何種類かの要求や意志の伝達を、予め取決めておいた身体動作を合図として行い、外部装置側で運動検出波形を分析してその合図動作すなわち意図を知ることができる。
【0066】
図20は、受信端末装置361に備えられる端末装置364の運動判定回路17(図11参照)および制御回路25の動作を説明するためのフローチャートである。これらの運動判定回路17と制御回路25とは、たとえば1つのマイクロコンピュータなどによって実現されることができる。ステップb1からステップb2に移り、加速度Gxおよび角速度ωzを検出し、さらに脈波を、受信機362の通信回路23において受信する。ステップb3では、加速度Gxおよび角速度ωzに基づいて運動量Qを演算する。
【0067】
ステップb3ではまた、脈波に基づいて脈拍を計算する。脈拍Uの演算にあたっては、予め定める時間W1、たとえば10秒間の脈拍パルスの回数を、カウンタによって計数し、その計数値を、N倍することによって1分間あたりの脈拍Uを得ることができる。ここで、W1・N=1分間である。
【0068】
ステップb4では、運動量が過多であるか、すなわちステップb3において演算された運動量Qが、予め定める第1の値Q1未満であって正常であるかどうかが判断される。正常であれば、ステップb4からステップb5に移り、脈拍Uが、予め定める値U1,U2の範囲内(すなわちU2≦U<U1)であるかが判断される。ステップb5において脈拍が正常であれば、ステップb6において運動量Qと脈拍Uとが表示装置18によってたとえば液晶パネルに表示され、またプリンタなどの記録装置21によって記録紙に印字される。
【0069】
ステップb5において脈拍が過多であり(すなわちU1≦U)、または脈拍が過少であるか(すなわちU<U2)であるとき、ステップb7に移り、表示装置18および記録装置21による警報が発生され、また緊急通報が、公衆電話回線を介して送信され、または無線で送信され、これによって医療機関または福祉施設などにおいて、その警報信号を受信し、使用者に対する処置を適切に行うことができる。
【0070】
ステップb4において運動量Qが過多であるとき(すなわちQ1≦Q)、ステップb8において脈拍Uが正常であるかが判断される。ステップb8において脈拍Uが過多であるとき(すなわちU1≦U)、ステップb7において警報信号が発生され、また緊急通報が前述と同様に行われる。ステップb8において脈拍Uが正常であるものと判断されたとき(すなわちU1≦U)、正常であり、ステップb6において表示、記録が行われる。
【0071】
図21は、受信端末装置361における運動判定回路17および制御回路25の使用者が安静時における動作を説明するための波形図である。センサSRから得られる脈波信号は、ピーク461に対応し、これらのピーク461間の時間間隔W2は、脈拍に対応する値である。
【0072】
図21の縦軸は、受光素子316(図4参照)によって受光される反射光の強度であり、図21の横軸は時間を示す。使用者の安静時、脈波にはノイズが混入せず、脈拍を正確に演算することができる。
【0073】
図22は、受信端末装置631における運動判定回路17および制御回路25の使用者が運動している状態における演算処理を説明するための図である。図22(1)に示されるように、使用者が運動しているとき、身体センシング装置301によって加速度センサ11は、パルス数463を導出する。脈拍センサSRからの出力波形は、図22(2)に示されるように、ノイズ成分464が混入される。運動判定回路17は、加速度センサ11のパルス状出力463が得られる状態で、脈波センサSRの出力に含まれるノイズ成分464を除去するノイズ除去手段を含む。こうして脈波センサSRの出力に含まれるノイズ成分464が除去されることによって、使用者の運動時においても、図21の安静時の脈波出力波形と同様に、滑らかな脈波信号を得ることができる。これによって脈拍を正確に演算して求めることができるようなる。
【0074】
図23は、本発明の実施の他の形態の身体状態の端子装置401の全体の構成を示すブロック図である。この実施の形態は、前述の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。注目すべきはこの実施の形態では、前述の図1〜図22の実施の形態における送信手段22と受信機362とが省略され、ベルト309に一体的に全体の構成が取付けられ、しかも構成が小形化される。前述の身体センシング装置301内にすでに説明した必要な各回路および表示装置18を有し、通信回路は不要となり、運動の状況やその評価の情報が表示され、使用者(着用者)自信がそれを確認できる利点がある。得られた情報は、再生回路20によって後刻再生され、第三者等に確認させる外部機器に記憶させたりすることも可能である。制御回路26は、身体側装置1内の各回路に作用し、制御信号P261,P262,P263,P264,P265を発生し、各回路の動作タイミングや各回路間の連携動作を調整する。
【0075】
本発明の身体センシング装置301の実施の形態の一例について述べる。その主要部は腕時計に似た形であり、腕巻きバンドによって手首に装着される。その内部には少なくとも運動センサとその動作回路を内蔵している。運動センサは運動測定装置の固有の方向に対する少なくともそれぞれ1つの方向の加速度および角速度を測定する。測定される加速度Gxの方向は、着用者が立って腕を自然に体側に下げたとき、体の上下方向(すなわち鉛直方向、これをX軸とする)に相当する方向である。また測定される角速度ωzの出力は、腕を体側面に平行に振るときの、身体の左右軸(Z軸)まわりの手首の自然な回転方向に相当するものである。計測された加速度Gxや角速度ωzの出力は様々に加工され、運動の識別や消費エネルギの計算に用いられ、それらの最終情報は手首の装置で直ちに使用者が観測してもよく、演算以前あるいは途中のデータを固定されたコンピュータに無線転送し、あるいは、たとえば1日分のデータをまとめて有線で転送して、固定装置側の演算で最終情報の視覚化や記録をするようにしてもよい。ジャイロセンサ12は、X軸またはY軸まわりの角速度ωxまたはωyをさらに検出するように構成することができる。
【0076】
本発明の主要な特徴は身体側機器や外部機器の構成や機能分担にあるのではなく、加速度Gxや角速度ωzから必要な情報を得るためのアルゴリズムにある。以下その概略を述べ、さらに本発明の実施の形態の動作を示すフローチャートにより詳細に説明する。
【0077】
なお加速度Gxや角速度ωzは測定値を10〜100Hz(たとえば20または50Hz)でサンプリングしたデータを用いる。また加速度Gxや角速度ωzの大きさを示す量として、サンプリングしたデータの所定個数の絶対値の和、あるいは2乗和を使用する。
【0078】
(1)身体の行動の識別:加速度Gxや角速度ωzのサンプリングデータにある程度の周期性が見られれば歩行または走行であり、周期性が認められなければその他の運動であると判断する。さらに歩行と走行は加速度Gxの差が顕著に見られることで区別できる。それらの行動は、加速度Gxまたは角速度ωzの大きさを示す量によってさらに強度を何段階かに分ける。また歩行か走行の場合はデータの周期性から歩数をカウントすることができる。
【0079】
(2)短時間の消費エネルギ:従来の広範な研究により、20〜29歳の男性を基準として、種々の行動の形態毎に単位体重(kg)当りの消費エネルギが「行動別係数」として表1のように与えられている(日本体育協会スポーツ科学委員会による)。さらに年齢や性別の異なる被験者(使用者)についてはその補正係数が表1のように与えられている(第4次改定「日本人の栄養所要量」による)。これらにより消費エネルギ(基礎代謝を含む)は、行っている行動の種類が決まれば消費エネルギが計算できる。
【0080】
【表1】
Figure 0004881517
【0081】
【表2】
Figure 0004881517
【0082】
(3)長時間の消費エネルギ:時間的に変化する短時間の消費エネルギを積分すればよい。あるいは運動センサを常時ではなく間欠的に動作させ、動作中のデータより識別された行動の種類および強度が、たとえば数分〜10数分である間欠動作間隔期間中持続するものとして計算した消費エネルギを積算してもよい。
【0083】
図24は本発明の運動測定装置の実施の形態の一例の測定動作のフローチャート、図25はそのうちのエネルギ計算を行う部分のフローチャートの動作を示す。図1において、ステージ1では使用者の年齢、性別、体重、さらに目的に応じて歩幅等のデータを入力する。ステージ2にて電源がONになると運動センサと測定回路が動作を開始し、ステージ3において所定のタイミングでGxとωzが多数測定される。ステージ4ではωzをたとえば20Hzでサンプリングし、4Hz以下の周波数がないかを0.1Hzおきに精査する周波数分析(Shorttime DFTによる)を行う。データは2秒毎に更新する。歩行の周波数は0.5〜1.8Hz程度である。またステージ5では期間中のGxデータの平均値aとピーク値bとの比を計算する。
【0084】
ステージ6では周期性の判定を行う。周期性が認められないか、b/a<7であるときは周期性なしとして図2の分岐A点に移行し、非周期運動のエネルギ計算が行われる。周期性が明瞭でb/a≧7であるときはステージ7で歩行または走行を行っていると識別され、ステージ8でωzのピーク周波数の2倍×2秒を2秒間の歩数としてカウントする(なお判断の境界に用いたb/a=7の値は実験的に選ばれるもので、この場合はデータに絶対値の和を用いた今回の場合にほぼ最適と判断した値である)。ステージ9ではその歩数が(2秒遅れであるが)表示され(たとえば最大24時間分)、またその変化(たとえば15分毎、あるいは1日毎の積算歩数値)が数日分記憶保存される(外部コンピュータにデータを転送してもよい)。そしてさらに走行、歩行のエネルギ計算のフローの開始点Bに移行する。
【0085】
図25において、ステージ11では歩行または走行以外の行動であると判断し、ステージ12において、Gxのたとえば20Hzでサンプリングした2秒間のデータの2乗和を(または絶対値の和)を用い、次の数式で非周期的行動を分類し、図示のように行動係数を決める。すなわちGx<2ならばデスクワーク(座位)、2<Gx<6なら軽作業(立位での家事等)、6<Gx<16なら軽い運動(スポーツ)、16<Gxなら激しい運動(スポーツ)とみなす。それぞれ分類された運動に体して所定の行動係数を適用する。なお、ここで用いているGxやωzの大きさを表す数値は、本実施の形態において用いた測定回路の出力電圧値であり、加速度や角速度またはそれらの絶対値(あるいは2乗和)との比例的な関係はあるが、それらの力学的な単位を持つ値ではないことを断っておく。
【0086】
ステージ13においては次式で消費エネルギを計算する。
消費エネルギ[kcal]=行動別係数[kcal/kg/min]×体重[kg]×時間[分]×補正係数
そしてステージ14では消費エネルギ値の表示と保存が、必要ならば外部コンピュータにデータ(計算前のデータでもよい)を無線転送して行われる。消費エネルギ値はたとえば15分間毎の値、あるいは1日毎の値を表示するのが妥当であろう。データ処理が終了したならば終点Cから図1のステージ4のC点に戻り、次の運動解析を行う。
【0087】
走行・歩行の場合はB点より、ステージ15においてさらにその分類を行い、それぞれ行動係数を決定する。すなわちGx,ωzの2乗和(または絶対値の和)を用いて、Gx<8かつωz<2.8なら歩行1、2.8<ωz<5なら歩行2、5<ωz<7.2なら歩行3、7.2<ωzなら歩行4、8<Gx<16なら走行1、Gx<16なら走行1、16<Gxなら走行2とする。ステージ16では行動係数を用いて既述の式により消費エネルギを計算する。D点を出たフローは図2のステージ14に送られてデータの表示と保持を行う。
【0088】
以下、本発明のアルゴリズムを用いた実験結果を示す図26〜図34を用いて、本発明の考え方の妥当性と実用性を検証してみる。
【0089】
図26は被験者Pの周期性ありと判断された運動のGxとωzの絶対値の和の関連を表すグラフ、図27は同じ被験者が行った非周期性であると判断された運動におけるGxとωzの絶対値の和の関連を表すグラフである。これから、走行と強い運動の強度はGxで、歩行と他の運動の強度ωzで分類可能であることが判る。
【0090】
図28は、5人の被験者P,Q,R,S,Tにおける、歩行、走行の速度とωzの絶対値の和との関連を表すグラフである。歩行の速度はωzとよく比例しており、ωzで歩行速度(強度)が推定可能であることが判る。一方、走行速度はωzでは推定困難である。走行時は肘を曲げることがその理由であると思われる。
【0091】
図29は、同じ被験者の歩行、走行の速度とGxの絶対値の和との関連を表すグラフである。走行速度はGxにより推定可能であることが判る。
【0092】
図30は、被験者Pにほぼ指定した速度で歩行、走行をさせたときのGx,ωz絶対値の和の分布を表すグラフである。同じ速度のデータはよくまとまっており、走行をGxの大きさで、歩行をGxのレベルとωzの大きさで充分に分類できることが示されている。
【0093】
図31は被験者Rについて採取した同様なデータのグラフであるが、この場合はωzが小さめに固まっており、歩行速度の分類に成功していない。被験者Rの行動を観察したところ、歩行時に掌を前方に向ける癖があって手首の装置のセンサの向きが変わり、正しいωzが測定されていないことが判った。この対策はたとえば運動測定装置を手首のまわりで少しずらして装着すれば補正することが可能である。他の方法もあるが後述する。一方Gxによる走行速度の分類に支障は見られない。
【0094】
図32は、被験者Pの1日間の運動を15分毎に識別した結果を示すグラフである。本発明によって使用者の行動解析が可能となり、有用性が高いことを示すものである。
【0095】
図33は、被験者Pの1日間にわたる、15分毎の消費エネルギの変動を示すグラフである。これも使用者のエネルギ消費パターン、あるいは総消費エネルギを把握するために、本発明が有用であることを示している。
【0096】
図34は、被験者Pの1日間にわたる歩数の変動を15分毎に示したグラフである。本図も使用者の行動パターンを知り、他のグラフやデータ等と併せてたとえば診断や生活改善上の資料とすることができる。
【0097】
本発明の実施の形態は、以上述べたものにとらわれないことはもちろんである。たとえば、加速度や角速度の検出の方向は、上記実施の形態ではともに1軸(1方向)であり、これが運動測定装置が最も低コストで実現できる構成であるが、2軸あるいは3軸のGまたはωセンサを組込んでもよい。この場合は運動を解析するための情報が増えるメリットがある。また測定装置の姿勢や方向によらず、加速度や角速度の絶対的な最大値や最小値を算出することが可能となる。これは図11の被験者Rのように使用者の癖により検出したい方向が装置上でずれても、たとえば2方向の角速度成分から最大値(手首装置の場合、体側に沿った腕の回転で起こると思われる)を計算して求めることができる。
【0098】
また身体センシング装置301の運動センサ30を手首以外(上膊、胸、腰、脚など)に装着し、これらから得た計測値を単独で、または手首における計測値と関連させて、より高度な運動解析を目指すこともできる。たとえば脚部に角速度センサを装着することにより、自転車での運動の解析が容易になると思われる。
【0099】
また、腕に装着する装置に全ての機能を持たせる構成の他に、腕に装着する部分は機能をセンサ関連に極力限定して装置を小形軽量化して装着付加を軽減し、演算部以降はベルト等に付けた装置や携帯電話機(必要な機能を備えたもの)等に分割し、これらに解析結果を表示したり、これらからデータをホストコンピュータに転送したりする構成もあり得る。こうすることでペースメーカ使用者へのある程度の配置も可能である。
【0100】
また既述の演算機能の他に特殊な場合の検出機能を持たせて、使用者の安全に寄与することができる。たとえば加速度や角速度が所定時間ほとんど検出されない場合や通常考えられない緩い頻度で動作する場合は、使用者が失神したかもしれないし、使用者が転んだ場合は運動センサが一時的に異常な波形(たとえば衝撃的な波形)の出力を生じるであろう。また使用者が緊急の助けを求める場合、装置を激しく叩いたり振ったりなどして合図を送ることがあり得る。その場合には運動検出装置が発音や無線で緊急信号を発信することが望ましい。発音の場合は機器に付属するスピーカを使用し、無線の場合は直接外部機器に対して電波を発信するか、所持している携帯電話機等の無線機能を持った機器を経由して救難信号を発信することが考えられる。装置が加速度や角速度の異常値を検出した場合救難信号発生機能は、たとえば図24および図25で示したような通常処理ルートに割込み、優先処理される。
【0101】
図35は、角速度センサ12の構成を示す斜視図である。この角速度センサ12は、2軸ジャイロセンサである。このセンサ部の基本構成としては、金属円板471の片面に4分割した駆動電極を兼ねる検出電極を形成した圧電セラミックス(PZT)472を接合し、反対面に球状重錘473を接合してある。金属円板471は、PZT472上に形成される駆動電極に電気信号を加えることで、その表面に対し垂直に振動する。振動に対し垂直方向に角速度が加えられた場合、発生したコリオリ力が重錘473を偏向させ円板471が歪む。このとき4分割した検出電極中、相対向する2対の検出電極によって、一つのセンサで2軸Z,Xの角速度ωz,ωxを同時に検出することができる。
【0102】
図36は、角速度センサ12の電気的構成を示すブロック図である。この実施の形態では、駆動と検出を4分割電極で兼用する。図36に示すように、駆動に用いられる4分割電極は、抵抗を介した発信器と帰還増幅回路部に接続する。図中のX1,X2(Z1,Z2)電極はフィードバック増幅回路474〜477を介して差動増幅回路478,479に接続する。信号は同期検波回路481,482により全波整流され、全波整流された信号は、低域フィルタ(LPF)484,485をかけることにより直流電流となり、直流電流増幅回路486,487により増幅され外部出力端子に送られる。駆動電圧は帰還信号により制御されているため、センサはほぼ一定の電流で安定に振動することができる。駆動回路により発生させた駆動電圧1.5Vp−pのAC電圧を、PZT円板に形成された駆動電極と、PZT円板の裏面に金属円板と電気的に接続されるように形成された基準電極の間に印加する。駆動と検出モードのノードを一致させる。FEMシミュレーションにより計算しその結果をもとに試作を行ったところ、検出モードのノード円は0.55R付近であり、駆動モードと若干ずれがあることが判明した。このため、シリコーンゴムによる軟支持とし、ノード円のずれの影響を小さくする。
【0103】
角速度センサ12の動作原理を、図37(a),(b)に模式的に示す。図37(a)はセンサがY軸方向に振動している状態(振動速度:Vy)であり、この状態においてセンサに対しZ軸まわりに回転角速度(ωz)が与えられたとき、回転角速度により発生したコリオリの力(Fx)が、球状重錘に対しX軸方向に作用する。その結果、球状重錘の質量が円板に対してモーメントを発生する(図37(b))。このときのコリオリの力は、以下の式(2)で与えられる。
【0104】
Fx=2m・Vy・ωz …(2)
m:質量 Vy:Y軸方向の振動速度
同様に、X軸まわりに回転角速度ωxが与えられた場合、発生したコリオリの力(Fz)は、球状重錘に対しZ軸方向に作用する。その結果、球状重錘の質量が円板にモーメントを発生する。このときのコリオリの力も以下の式(3)で与えられる。
【0105】
Fz=2m・Vy・ωx …(3)
以上により、回転角速度ωx,ωzは既知のVy,m,Fz,Fxによって決定される。実際には、回転角速度は金属円板の中心に接合した球状重錘に作用し、円板の歪み量の変化をPZT472により検出することにより測定される。また、振動ジャイロの場合、加速度等の外力の影響をできるだけ小さくすることが重要である。そのために、▲1▼支持構造をシリコーン接着剤等による軟支持構造とし、高周波成分の外力がセンサ部へ伝達するのをできるだけ抑える。▲2▼金属円板471を厚くし、▲3▼重錘473の重量をできるだけ軽く、かつ重心をできるだけ金属円板471に近付けることによって、振動子のQmを高くして共振時の振動変位を高くしてコリオリ力の検出力を高くし、逆に加速度等の外力の影響を小さくする。
【0106】
図38は、角速度センサ12における駆動モードおよび検出モードにおける電荷分布と歪みの説明を行うための図である。図38(b)に示すように球状重錘にX軸方向の力が加わった場合、その球状重錘の動作の方向により、PZT上に電荷が発生し、その発生した電荷量を検出することによりその向きと量を決定することができる。実際には、駆動モードと検出モードにより発生した総電荷が外部出力信号として検出されるので、差動増幅回路478,479は、必要な信号である検出モードの信号であるコリオリの力に関する信号のみを検出し、不要の信号はキャンセルする。Z軸の場合も図38(c)に示す模式図のように同様である。
【0107】
本発明は、次の実施の形態が可能である。
(1)(a)人または動物の体の一部分に巻付けられるベルトと、(b)ベルトの内側に配置されるセンサであって、センサは、人または動物の生体組織に向けて光を発生する発光素子と、発光素子からの光の生体組織による散乱光を受光し、散乱光の強度を表す検出信号を出力する受光素子とを有するセンサと、(c)ベルトに設けられ、各受光素子からの検出信号のうち、脈波を判定して選択する脈波センサとしての判定手段と、(d)ベルトに設けられ、判定手段によって選択された脈波の検出信号を、電磁波で送信する送信手段とを含むことを特徴とする健康状態検出装置である。
【0108】
(2)(a)健康状態検出装置であって、人または動物の体の一部分に巻付けられるベルトと、ベルトの周方向に間隔をあけて配置される複数のセンサであって、各センサは、人または動物の生体組織に向けて光を発生する発光素子と、発光素子からの光の生体組織による散乱光を受光し、散乱光の強度を表す検出信号を出力する受光素子とを有するセンサと、ベルトに設けられ、各受光素子からの検出信号のうち、外来光を含む検出信号と、外来光を含まない検出信号とを判定して選択する判定手段と、ベルトに設けられ、判定手段によって選択された外来光を含まない検出信号を、電磁波で送信する送信手段とを含み、センサは、発光素子として、赤色光を発光する赤色光発光素子と、赤外光を発光する赤外光発光素子とを有し、受光素子は、赤色光発光素子と赤外光発光素子とによる散乱光を共通に受光する健康状態検出装置と、(b)処理装置であって、送信手段からの電磁波を受信する受信手段と、受信手段の出力に応答し、赤色光および赤外光による受光素子の検出信号のレベルを演算して動脈血の酸素飽和度を演算するとともに、赤色光または赤外光による受光素子の検出信号のレベルを演算して脈拍を演算する演算手段と、演算手段の出力に応答し、動脈血の酸素飽和度および脈拍を表示する表示手段とを含む処理装置とを備えることを特徴とする健康状態監視装置である。
【0109】
本発明に従えば、健康状態検出装置1の発光素子314,315は、赤色光および赤外光をそれぞれ発生し、単一の共通の受光素子316によって散乱光を受光し、こうして得られた受光素子からの検出信号を電磁波で送信し、処理装置302の受信手段364で受信し、動脈血の酸素飽和度を演算して求めることができる。さらに赤色光または赤外光による受光素子の検出信号を用いて脈拍を演算することができる。こうして表示手段367に動脈血の酸素飽和度および脈拍を表示し、人または動物の健康状態を監視することができる。
【0110】
(3)(a)健康状態検出装置であって、人または動物の体の一部分に巻付けられるベルトと、ベルトの周方向に間隔をあけて配置される複数のセンサであって、各センサは、人または動物の生体組織に向けて光を発生する発光素子と、発光素子からの光の生体組織による散乱光を受光し、散乱光の強度を表す検出信号を出力する受光素子とを有するセンサと、ベルトに設けられ、各受光素子からの検出信号のうち、外来光を含む検出信号と、外来光を含まない検出信号とを判定して選択する判定手段と、ベルトに設けられ、判定手段によって選択された外来光を含まない検出信号と、その外来光を含まない検出信号が出力されたセンサを識別する識別データとを電磁波で送信する送信手段とを含む健康状態検出装置と、(b)処理装置であって、送信手段からの電磁波を受信する受信手段と、識別データが変化する時間間隔が予め定める時間未満であるとき、警報信号を出力する演算手段とを含む処理装置とを備えることを特徴とする健康状態監視装置である。
【0111】
本発明に従えば、ベルトの周方向に取付けられた複数のセンサからの検出信号とともに識別データを、送信し、処理装置2では、この識別データが変化する時間間隔が、予め定める時間未満であって、その変化が頻繁であれば、健康状態検出装置1が装着された人または動物の体動が激しいものと判断し、警報信号を発生する。こうして人または動物の健康状態の異常の有無を、確認することが確実になる。識別データが変化する時間間隔が予め定める時間未満であるということは、たとえば一定時間内における識別データの変化回数が予め定める回数を超えることと等価であり、たとえば10sec間に10回を超える識別データの変化が生じたとき、警報信号を出力する。
【0112】
(4)前記各センサの発光素子として、赤色光を発光する赤色光発光素子と、赤外光を発光する赤外光発光素子とを有し、受光素子は、赤色光発光素子と赤外光発光素子とによる散乱光を共通に受光し、演算手段は、赤色光および赤外光による受光素子の検出信号のレベルを演算して動脈血の酸素飽和度を演算するとともに、赤色光または赤外光による受光素子の検出信号のレベルを演算して脈拍を演算し、動脈血の酸素飽和度が予め定める第1の範囲外であり、または脈拍が予め定める第2の範囲外であるときにも、警報信号を出力することを特徴とする。
【0113】
上記目的を達成するため、本発明の身体動作センシング装置は次の特徴を備える。
【0114】
(5)1つの方向の加速度と1津の軸のまわりの回転角速度を測定できる運動センサと、該運動センサによって前記1つの方向の加速度と1つの軸のまわりの回転角速度とを所定の期間測定する測定回路手段とを含み、身体の所定の部位に装着される身体側装置と、該測定回路手段の加速度出力と角速度出力とにそれぞれ所定の演算を施す演算回路手段と、前記所定の演算が施された加速度出力と角速度出力との組合わせによって前記所定の期間における身体運動の種類および強度を判定する判定回路手段と、前記判定された身体運動の種類および強度あるいはその評価結果は表示する表示手段とを有すること。
【0115】
本発明の身体動作センシング装置は、1方向の加速度と1方向の回転角速度を検出し、それらに所定の演算を加えて運動を判定しあるいは評価するので、最小限のセンサと測定回路により、簡素な構成でかつ身体側装置が小形化され、その電源にも余裕を持たせることができるし、取扱いやすいコミュニケーションツールともなる基本的な効果を有する。
【0116】
(6)前記運動センサと、前記測定回路手段と、前記演算回路手段と、前記判定回路手段と、前記表示手段が、全て身体の所定の部位に装着される身体側装置に内蔵されていること。動作判定結果や評価結果が身体側装置にて直読できる使用者が健康の自己管理を容易に行える効果がある。
【0117】
(7)前記運動センサと、前記測定回路手段と、前記演算回路手段と、前記判定回路手段と、前記表示手段のうち、少なくとも前記運動センサと前記測定回路手段とが身体の所定の部位に装着される身体側装置に内蔵されており、その他の手段が前記身体に装着されない外部装置に内蔵されており、かつ前記身体側装置は中間データの送信手段を備え、前記外部装置は前記中間データの受信手段を備えていること。身体側装置からのデータ送信により、動作判定結果や評価結果が外部装置側に表示されるので、医療機関側で複数の使用者(患者)の状態を観察し管理することができる。また使用者からのメッセージを受け、対応した処理を行うことができる効果がある。
【0118】
(8)前記運動センサの検出する1つの方向の加速度は身体のほぼ上下方向の加速度であり、また前記運動センサの検出する1つの方向の角速度は身体のほぼ鉛直方向および前後方向を含む平面内における回転運動に対する角速度であること。身体側装置の直線運動と回転運動の身体に関する検出方向を特定することにより少ない検出要素数で目的に応じた必要かつ充分な情報が得られる効果がある。また特に重要な歩行や走行運動と上肢の運動の双方を検出できるので、たとえば消費エネルギの推定やリハビリテーションの評価が可能となる。
【0119】
(9)前記身体側装置は腕に装着される機器であり、その内部で前記運動センサの角速度センサ部は厚みの薄い箱形の容器に収納されていて前記身体側装置の最も広い面にほぼ平行に配置されており、前記角速度センサ部の検出回転方向は前記箱形の容器の最も広い表面にほぼ平行な方向であること。身体側装置の最も広い面と薄形の運動センサの最も広い面と検出回転面をほぼ平行としたので、薄形で装着負担感が少ない身体側装置が実現できた効果がある。
【0120】
(10)前記身体側装置は主な表面に表示装置を有し、前記運動センサの箱形の容器には一体化された構造の加速度センサ部のと角速度センサ部とが収納されており、また前記運動センサの容器は前記表示装置にほぼ平行に前記身体側装置内に配置されており、前記運動センサの加速度検出方向は前記薄形の容器の最も広い表面にほぼ平行な方向であること。さらに加速度センサを角速度センサと一体化しかつ表示部と重ねたのでさらに小形化され表示も見やすい身体側装置が実現できた効果がある。
【0121】
(11)前記所定の演算は、前記加速度出力と前記角速度出力の少なくとも一方の分散を求めることであること。加速度出力あるいは角速度出力の分散を求めることにより、運動の種類の判別がより明確になる効果がある。
【0122】
(12)前記所定の演算は、前記加速度出力と前記角速度出力の少なくとも一方の分散を求め、さらにその対数をとることである。さらに運動計測値の対数を取ることにより、運動の種類の判別がさらない明確になる効果がある。
【0123】
上記目的を達成するため本発明の運動測定装置は次の特徴を備える。
(13)身体の所定の部分の少なくとも1つの方向の加速度と少なくとも1つの方向の角速度を測定する運動センサを備え、所定のタイミングで前記運動センサを動作せしめて、前記運動センサの加速度出力、角速度出力、およびそれら出力の少なくとも一方の周期性、の少なくとも3種類の情報を用いて人体の行動の種類および強度を分類する識別手段と、分類された行動別に所定の演算を施す演算手段を備え、該演算手段の演算結果を出力すること。本発明においては、運動センサを用いて測定した身体の所定の部分の加速度、角速度、それらの周期性を用いて人体の行動の種類および強度を分類し、それぞれに所定の演算を施すようにして、比較的簡単な構成で少ない運動センサ出力により、合理的に運動の解析や消費エネルギの精度の高い推定が可能で、健康管理等の目的に適し、実用性に優れた運動測定装置を得ることができる。
【0124】
(14)前記1つの方向の加速度は前記身体の一部の上下方向の加速度であり、前記1つの方向の角速度は身体の左右軸のまわりの回転角速度であること。また身体の一部の上下方向の加速度と左右軸のまわりの回転角速度を採用することにより、少ない運動要素の検出で行動の種類と強度が精度よく識別分類できる運動測定装置を提供することができる。
【0125】
(15)前記身体の一部は手首であり、前記運動センサと、前記運動センサ動作手段と、前記識別手段が腕時計形の装置内に搭載されていること。また身体の一部を手首とし、装置を腕時計形とすることにより小形で使用上の負荷の少ない運動測定装置を提供することができる。
【0126】
(16)さらに前記演算手段が前記腕時計形の装置内に搭載されていること。さらに前記消費エネルギ算出手段を前記腕時計形の装置内に搭載したことによって、使用者が随時自由に自信の行動の状況や結果を直読確認することができ、運動測定装置の利便性を増すことができる。
【0127】
(17)前記識別手段は行動の種類を、前記加速度出力と前記角速度出力の少なくとも一方の出力の周期性の有無によって走行または歩行とその他の運動とに分類し、さらに前記加速度出力あるいは前記角速度出力の少なくとも一方の大きさに関係する量に基づいて、それらの運動の強度を分類すること。加速度出力または角速度出力の多き里周期性の有無を用いて、走行、歩行、それ意外の運動と、それらの強度を分類した尚で、比較的少ないセンサ出力を用いて分類が的確で消費エネルギの推定精度が高い運動測定装置を提供することができる。
【0128】
(18)前記走行または歩行の運動を、前記加速度出力の大きさに関係する量によって走行と歩行とにさらに分類し、さらに前記走行を前記加速度出力の大きさに関係する量によって複数の強度に分類し、前記角速度出力の大きさに関係する量によって前記歩行を複数の強度に分類すること。加速度出力の大きさに関連する量によって走行と歩行との分類および走行の強度を分類し、角速度出力の大きさに関係する量によって歩行強度を分類するようにしたので、運動測定装置の分類の的確さと消費エネルギの高い推定精度を得ることができる。
【0129】
(19)前記加速度出力あるいは前記角速度出力の大きさに関係する量として、前記加速度出力あるいは前記角速度出力の2乗和または絶対値の和を用いること。加速度出力あるいは前記角速度出力の大きさに関係する量としてそれぞれの2乗和あるいは絶対値の和を用いたので、データ作成が容易で、かつ運動測定装置の分類の的確さと消費エネルギの高い推定精度を得ることができる。加速度出力あるいは前記角速度出力の異常値に対して信号を発生するので、使用者の救難に寄与することができる効果がある。
【0130】
【発明の効果】
本発明によれば、人および動物などの身体状態を、運動の評価と生体情報の評価とを組合せて行って、監視することが初めて可能になる。本発明によれば、たとえば運動センサと脈波センサの出力は無線または光などの電磁波によって伝送されるので、このような構成によれば、運動センサおよび脈波センサなどを身体に装着していても、動きが拘束されることはない。また本発明は、万歩計とは異なり、運動センサと脈波センサとによって、実際の運動量を把握することができ、さらに生体情報も同時に検出することができる。運動量と生体情報とを同時に検出することによって、使用者が無理な運動をしているかどうかの把握が可能になり、たとえば運動量が多くても脈拍が正常値の範囲内であれば問題はない。運動量と生体情報とを同時に検出することによって、身体の健康状態の異常をより正確に把握することができるようになり、たとえば脈拍が正常値範囲外であって、運動量が小さい場合、危険な状態であるものと検出して警報信号を出力することができる。このような警報信号が発生されたとき、使用者に対する適切な介護などを行うこともまた可能になる。またこうして得られた運動センサの出力および脈波センサの出力、さらにはそれらの各出力の演算結果の情報を、たとえば定期的に病院などの医療機関に伝送し、医療機関で適切な評価を行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体の構成を簡略化して示す図である。
【図2】身体センシング装置301の全体の構成を示すブロック図である。
【図3】身体センシング装置301の具体的な構成を示すブロック図である。
【図4】身体センシング装置301の一部の簡略化した斜視図である。
【図5】身体センシング装置301を人307の上肢308に装着した状態を示す断面図である。
【図6】赤色光発光素子314からの赤色光が上肢308に照射され、その上肢308の生体組織による散乱光を受光素子316で受光したときにおける受光素子16の出力波形図である。
【図7】通信信号371の構成を示す図である。
【図8】図3に示される身体センシング装置301の一部の動作を説明するための波形図である。
【図9】処理回路354の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】処理回路354によって、外来光を含む検出信号と、外来光を含まない検出信号56を示す図である。
【図11】受信端末装置361の具体的な構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態における身体側装置の一例を示し、(a)は部分平面図、(b)はそのA−A断面図である。
【図13】本発明の実施の形態における運動センサの内部構造を示す平面図である。
【図14】身体動作センシングにおける振動応答の実験状況の説明図である。
【図15】身体の各部位の振動応答の実験結果を示すグラフで、(a)は頭頂、(b)は胸ポケット、(c)は腰ベルト、(d)は脚首、(e)は肘を伸ばした手首、(f)は肘を曲げて水平にした手首の場合である。
【図16】指−鼻テストにおける右手および左手の運動の計測結果を示すグラフで、(a),(b)は健常者A、(c),(d)は健常者B、(e),(f)は左上肢まひ患者の場合を示す。
【図17】各種の身体運動を行って手首の各方向の運動データを演算処理して組合わせた実験結果を示すグラフで、(a)はX軸とY軸の加速度波形の分散値同士、(b)はX軸とY軸の加速度波形のピーク値同士を用いた図である。
【図18】各種の身体運動を行って手首の各方向の運動データを演算処理して組み合わせた実験結果を示すグラフで、(a)はX軸加速度とZ軸角速度、(b)はY軸加速度とZ軸角速度を採り、いずれも検出波形のピーク値を用いた図である。
【図19】各種の身体運動を行って手首の各方向の運動データを演算処理して組合わせた実験結果を示すグラフで、(a)はX軸加速度とZ軸角速度、(b)はY軸加速度とZ軸角速度の、いずれも分散値同士を用いた図である。
【図20】本発明の処理装置による運動の評価と生体情報の評価とを組合わせて身体状態を監視する動作を説明するためのフローチャートである。
【図21】使用者の安静時における加速度と脈波の出力波形を示す図である。
【図22】運動時における加速度と脈波の出力波形を示す図である。
【図23】本発明の実施のさらに他の形態の全体の構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の運動測定装置の実施の形態の一例の測定動作のフローチャートの要部である。
【図25】本発明の運動測定装置の実施の形態の一例の測定動作のフローチャートの消費エネルギ計算を行う部分である。
【図26】被験者Pの周期性運動のGxとωzの関連を示すグラフである。
【図27】被験者Pの非周期性の行動のGxとωzの関連を表すグラフである。
【図28】歩行、走行とωzとの関連を表すグラフである。
【図29】歩行、走行とGxとの関連を表すグラフである。
【図30】被験者Pの歩行、走行のGxとωzの関連を表すグラフである。
【図31】被験者Rの歩行、走行のGxとωzの関連を表すグラフである。
【図32】被験者Pの15分毎の運動を識別した結果を示すグラフである。
【図33】被験者Pの15分毎の消費エネルギの変動を示すグラフである。
【図34】被験者Pの15分毎の歩数の変動を示すグラフである。
【図35】角速度センサ12の構成を示す斜視図である。
【図36】角速度センサ12の電気的構成を示すブロック図である。
【図37】角速度センサ12の動作原理を模式的に示す図である。
【図38】角速度センサ12における駆動モードおよび検出モードにおける電荷分布と歪みの説明を行うための図である。
【符号の説明】
4 人体
5 固定台
6 加振機
11 加速度センサ
12 角速度センサ
13 加速度測定回路
14 角速度測定回路
15 加速度演算回路
16 角速度演算回路
17 運動判定回路
18 表示装置
19 記憶装置
20 再生回路
21 記録装置
22,23 通信回路
24,25,26 制御回路
31 運動センサ
32 表示装置
33 通信モジュール
34 電池
35 操作スイッチ
36 腕巻きバンド
40 センサ容器
41 ハーメチック端子ピン
50 運動センサ振動体
51 総基部
52 固定部A
53 外脚A
54 中脚B
55 外脚C
56 音叉基部
57 支点
58A,58B.58C 脚負荷質量
60 負荷質量
61 棒A
62 棒B
63 支持バネ
64 固定部B
X,Z 座標軸
Gx X 方向の加速度
ωz Z方向の角速度
P,Q,R,S 被験者
301 身体センシング装置
302 処理装置
303 健康状態監視装置
305 送信処理手段
306 送信手段
307 人
308 上肢
309 ベルト
314 赤色光発光素子
315 赤外光発光素子
316 受光素子
329 電池
331,337 切換えスイッチ
332 増幅回路
333 処理手段
334 発光素子スケジューリング回路
338 赤色光サンプルホールド回路
339 赤外光サンプルホールド回路
343,344 ローパスフィルタ
348,349 バンドパスフィルタ
354 処理回路
SR センサ

Claims (3)

  1. (a)人の上肢の手首に巻付けられるベルトと、
    (b)ベルトの内側に設けられるセンサであって、このセンサは、
    (b1)人の生体組織に向けて光を発生する発光素子と、
    (b2)発光素子からの光の生体組織による散乱光を受光し散乱光の強度を表す検出信号を出力する受光素子とを有するセンサと、
    (c)ベルトに設けられ、受光素子からの検出信号のうち、脈波を判定して選択する脈波センサと、
    (d)ベルトに設けられる運動センサであって、
    (d1)上肢の長手方向Xの直線運動の加速度Gxを検出する加速度センサと、
    (d2)角速度センサであって、
    上肢の長手方向Xと上肢の幅方向Yとに垂直なZ軸まわりの角速度ωzを検出するジャイロセンサである角速度センサとを含む運動センサと、
    (e)ベルトに設けられ、脈波センサからの脈波の検出信号と、運動センサの出力信号とを、電磁波で送信する送信手段と、
    (f)送信手段の出力を受信して演算する演算手段であって、
    (f1)加速度センサと角速度センサとの出力を演算して運動量を求める運動量演算手段と、
    (f2)脈波センサからの脈波の検出信号を演算して脈拍を演算する脈拍演算手段と、
    (f3)運動量演算手段と脈拍演算手段との出力に応答し、運動量が予め定める第1の値Q1未満であって正常であり、かつ、脈拍が予め定める第2の値u1以上であって過多であるとき、または第2の値u1未満である予め定める第3の値u2未満であって過少であるとき、警報信号を出力する警報手段と,
    (f4)所定の期間内で、加速度センサの出力Gxの分散の第1の対数を求め、角速度センサの出力ωzの分散の第2の対数を求め、これらの第1および第2の対数の組合せによって、前記所定の期間内における運動の種類とその強度とを判定し評価する手段とを含む演算手段と、
    (g)演算手段の出力に応答し、前記警報信号ならびに前記運動の種類とその強度および評価の身体状態を表す情報を表示する表示手段とを有することを特徴とする身体状態の監視装置。
  2. (a)人の上肢の手首に巻付けられるベルトと、
    (b)ベルトの内側に設けられるセンサであって、このセンサは、
    (b1)人の生体組織に向けて光を発生する発光素子と、
    (b2)発光素子からの光の生体組織による散乱光を受光し散乱光の強度を表す検出信号を出力する受光素子とを有するセンサと、
    (c)ベルトに設けられ、受光素子からの検出信号のうち、脈波を判定して選択する脈波センサと、
    (d)ベルトに設けられる運動センサであって、
    (d1)上肢の長手方向Xの直線運動の加速度Gxを検出する加速度センサと、
    (d2)角速度センサであって、
    上肢の長手方向Xと上肢の幅方向Yとに垂直なZ軸まわりの角速度ωzを検出するジャイロセンサである角速度センサとを含む運動センサと、
    (e)ベルトに設けられ、脈波センサからの脈波の検出信号と、運動センサの出力信号とに応答して演算する演算手段であって、
    (e1)加速度センサと角速度センサとの出力を演算して運動量を求める運動量演算手段と、
    (e2)脈波センサからの脈波の検出信号を演算して脈拍を演算する脈拍演算手段と、
    (e3)運動量演算手段と脈拍演算手段との出力に応答し、運動量が予め定める第1の値Q1未満であって正常であり、かつ、脈拍が予め定める第2の値u1以上であって過多であるとき、または第2の値u1未満である予め定める第3の値u2未満であって過少であるとき、警報信号を出力する警報手段と,
    (e4)所定の期間内で、加速度センサの出力Gxの分散の第1の対数を求め、角速度センサの出力ωzの分散の第2の対数を求め、これらの第1および第2の対数の組合せによって、前記所定の期間内における運動の種類とその強度とを判定し評価する手段とを含む演算手段と、
    (f)演算手段の出力に応答し、前記警報信号ならびに前記運動の種類とその強度および評価の身体状態を表す情報を表示する表示手段とを有することを特徴とする身体状態の監視装置。
  3. 脈拍演算手段は、
    加速度センサの出力に応答し、加速度センサのパルス状出力が得られる状態で、脈波センサからの脈波の検出信号に含まれるノイズを除去するノイズ除去手段を含むことを特徴とする請求項1または2記載の身体状態の監視装置。
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