JP4880869B2 - レンズ系及び投影露光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子等のデバイスを製造するためのリソグラフィ工程でマスクパターンを感光性の基板上に転写するための投影露光装置等に組み込まれるレンズ系に関し、より詳しくは、水を使用した液浸型のレンズ系及びこれを組み込んだ投影露光装置に関するものである。
投影露光装置による露光の高解像度化を目的として、紫外レーザが露光光源として用いられている。この種の投影露光装置としては、現在主流となっているKrFエキシマレーザの波長248nmで使用する装置のほかに、ArFエキシマレーザの波長193nmで使用する装置が実用化されている。紫外レーザを使用した投影露光装置で解像度は、周知のように使用するレーザ光の波長が短いほど高くなるので、更なる高解像度化を目指して露光光の短波長化が進められているが、かかる短波長光の実用化へはいまだ至っていない。
また、この露光光の短波長化を実質的に行う別の方法として、液浸法が提案されている(特許文献1,2,3等参照)。これは、投影光学系の下面とウエハとの間を液体で満たし、液体中での露光光の波長が、空気中の1/n倍(nは液体の屈折率1.2〜1.5)になることを利用して解像度を向上させるというものである。なお、かかる液浸法において、液体と接触する投影系の先端部の光学素子に使用される光学材料については、具体的に特定されていないものの、一般的に合成石英ガラスや弗化カルシウムのいずれかが使用され、さらに、KrFエキシマレーザ等を用いた非液浸型の投影露光装置の場合と同様に、高出力レーザによるコンパクションの影響を抑えるため、先端部の光学素子としては、合成石英ガラスではなく弗化カルシウムが使用されるものと考えられる。
特開平10−303114号公報 特開平10−340846号公報 特開平11−176272号公報
しかしながら、先端部の光学素子として弗化カルシウムを使用した投影露光装置において、投影光学系の下面とウエハとの間に満たされる液体が水である場合には、先端部の光学素子が液体によって浸食される可能性がある。つまり、投影光学系の先端部に使用されている材料が弗化カルシウムである場合、弗化カルシウムは水に対する溶解度が比較的大きく、投影光学系の先端部が侵食されることにより所望の光学性能を得られない可能性がある。
本発明は、かかる問題を解決し液浸光学系での光学性能の劣化を抑えることができる光学素子、レンズ系、及び投影露光装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るレンズ系は、少なくとも1つの光学面が水を含む所定の浸液に接触した状態で使用される光透過型の光学素子を備える液浸型のレンズ系であって、前記光学素子が、CaF結晶材料よりも水に対する溶解度が小さい光透過材料を含んで形成されていることを特徴とする。
上記レンズ系では、少なくとも1つの光学面が水を含む所定の浸液に接触した状態で使用される光透過型の光学素子が、CaF結晶材料よりも水に対する溶解度が小さい光透過材料を含んで形成されているので、浸液に接触する光学素子が侵食されにくくなり、液浸型のレンズ系の耐水性を高めてその光学性能を良好に維持することができる。つまり、レンズ系の浸液として水を使用することが容易になり、投影露光装置等の光学性能の劣化を抑えつつ安定した装置稼動が可能になる。
また、本発明の具体的態様において、前記光学素子が、所定形状のバルク材と当該バルク材の表面に形成さる反射防止膜とを有し、前記バルク材及び前記反射防止膜が、ともにCaF結晶材料よりも水に対する溶解度が小さい光透過材料で形成されていることを特徴とする。この場合、反射防止膜によって光学素子を透過する露光光の損失を抑えることができるとともに、反射防止膜が水を僅かながら浸透させる場合であっても、バルク材の侵食を防止できるので、液浸型のレンズ系の光学性能を良好に維持することができる。
また、本発明の具体的態様において、前記光学素子が投影露光用の紫外光を透過させることを特徴とする。この場合、紫外領域の露光光を用いた高解像度の露光が可能になるとともに、液浸型のレンズ系を構成する光学素子を紫外光透過材料で形成しつつも、液浸型のレンズ系の光学性能を良好に維持することができる。
また、本発明の具体的態様において、前記光透過材料が、弗化物及び酸化物の少なくとも一方であることを特徴とする。この場合、優れた光学特性を有し入手し易い光透過材料から光学素子を製造することができる。
また、本発明の具体的態様において、前記光透過材料が、NdF、LaF、YF、MgF、LiSrAlF、LiCaAlF及びサファイアの少なくとも1つであることを特徴とする。これらの材料は、いずれも水に溶解しにくく、紫外光の透過性においても優れた材料である。


また、本発明の具体的態様において、前記バルク材が、異種の光透過材料からなる複数の光学的部分を含んで形成されているとともに、当該複数の光学的部分が、相互に複屈折の影響を相殺することを特徴とする。この場合、光学素子を形成する光透過材料として複屈折を有するものを用いることができ、しかも、各光学的部分の複屈折が全体として相殺されるので、液浸型のレンズ系の結像特性が劣化することを防止できる。
また、本発明の具体的態様において、前記光透過材料が、レーザコンパクションの少ない材料で形成されていることを特徴とする。この場合、液浸型のレンズ系が高い耐水性を有するだけでなく、レーザ光を用いて長期に亘って露光を行っても、その結像特性を高性能に維持することができる。
また、本発明の具体的態様において、前記レンズ系が対物側に配置されている。この場合、対物側において液浸型とするレンズ系となる。
本発明に係る投影露光装置は、投影光学系を用いてマスクのパターン像を基板上に投影露光する装置であって、露光光によってマスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を基板上に形成する上述のレンズ系とを備える。
上記投影露光装置では、マスクのパターン像を基板上に形成する投影レンズ系として、上述の液浸型のレンズ系を用いるので、液浸型の投影レンズ系を用いた露光が可能になり、解像度向上を達成することができる。この際、液浸型の投影レンズ系のうち浸液に接触する光学素子が侵食されにくくなるので、液浸型の投影レンズ系の耐水性を高めてその光学性能を良好に維持することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る液浸型のレンズ系を示す図である。このレンズ系LSは、鏡筒31内に複数の光学素子を備えており、そのうちの1つの光学素子41が鏡筒31の下端から突起している。レンズ系LSの下方には、浸液である液体71を介して半導体ウェハ等である物体OBが配置されている。
図示のレンズ系LSによれば、図示を省略するマスク等の対象の像が例えば縮小像として物体OB表面に投影される。逆に、物体OBの像を適当な拡大像として検出面上に投影することもできる。この際、鏡筒31下端に露出する光学素子41と物体OBとの間に液体71を介在させる液浸法を採用しているので、レンズ系LSの開口数が増大する。よって、物体OB表面に投影されるパターンの微細化を図ることができ、或いは物体OBの像を高解像度で結像することができる。光学素子41と物体OBとの間に介在させる液体71としては、汚染原因となりにくく取り扱いが簡単な純水を用いることが望ましいが、純水に適当な成分を添加したものを用いることもできる。
図2は、図1レンズ系LSの下端部分の拡大図である。レンズ系LSの対物側の光学素子41は、平行平板やレンズ曲面に加工されたバルク材43と、バルク材43の表面に形成される反射防止膜45とを有する。なお、図示の光学素子41の場合、バルク材43の対物面が平坦に加工されており、その平坦面を一様な厚さの反射防止膜45によってコートしている。例えばレンズ系LSに入射した像光ILは、収束しつつバルク材43及び反射防止膜45を通過して液体71側に射出する。液体71側に射出した像光ILは、物体OB表面に入射してここに投影像を形成する。
ここで、反射防止膜45は、液体71に接しており、液体71に対して耐食性を有する必要がある。さらに、バルク材43も、反射防止膜45が例えばポーラスで液体71に対して浸透性を有する場合、或いは光学素子41の側面が液体71に露出する場合、液体71に対して耐食性を有する必要がある。そこで、バルク材43や反射防止膜45を旧来の材料であるCaF結晶等とせず、CaF結晶材料よりも水に対する溶解度が小さい光透過材料とする。具体的には、例えば弗化ランタンからなるバルク材43上に弗化マグネシウムからなる反射防止膜45を堆積する。これにより、液体71に接触する光学素子41すなわち反射防止膜45やバルク材43が侵食されにくくなり、液浸型のレンズ系LSの耐水性を高めることができるので、レンズ系LSの光学性能を良好に維持することができる。
なお、上記実施形態において、バルク材43の材料である弗化ランタンの水に対する溶解度は、ほぼゼロ(不溶)であり、反射防止膜45の材料である弗化マグネシウムの水に対する溶解度は、2.0×10−4(g/水100ml)である。これらバルク材43及び反射防止膜45の材料は、旧来の材料である弗化カルシウムの溶解度(1.5×10−3(g/水100ml))よりも約1ケタ以上小さいため、光学素子41の露出面が水に浸食されにくくなり、光学素子41延いてはレンズ系LSの光学性能の経時劣化を飛躍的に抑え得ることが分かる。
以上の説明では、バルク材43の材料として弗化ランタンを用いたが、弗化ランタンの代わりに弗化マグネシウム、弗化ガドリニウム、弗化ネオジウム、弗化イットリウム、LiSrAlF、LiCaAlF等の弗化物、若しくはサファイア、水晶等の酸化物を使用することができる。これらの材料は、水に対する溶解度が小さいだけでなく、紫外光を効率よく透過するので、紫外光(例えば波長193nm)を利用した露光において物体OB表面に投影されるパターンの微細化を図ることができ、或いは紫外光を利用した像検出において物体OBの像を高解像度で観察することができる。なお、バルク材43をレーザコンパクションの大きな材料で形成することは望ましくない。例えば従来紫外透過材料として溶融石英が使用されているが、溶融石英は、一般にレーザコンパクションが大きく、レンズ系LSの対物側に配置することは望ましくない。
一方、反射防止膜45の材料も、弗化マグネシウムに限らず、弗化ランタン、弗化ガドリニウム、弗化ネオジウム、弗化イットリウム、LiSrAlF、LiCaAlF等の弗化物、若しくはサファイア、水晶等の酸化物とすることができ、さらに、これらの材料の膜を宜組み合わせて多層に積層したものとすることができる。
〔実施例1〕
弗化ランタンからなるバルク材43上に、弗化マグネシウム膜、弗化ランタン膜、弗化マグネシウム膜の順で真空蒸着方法による成膜を行って、3層の積層体からなる反射防止膜45を形成した。ここで、弗化マグネシウムと弗化ランタンの屈折率はそれぞれ1.43と1.69である。各層の光学的膜厚は、λを設計主波長とするとバルク材43上の第1層である弗化マグネシウム膜については0.41λとし、第2層である弗化マグネシウム膜については0.28λとし、第3層である弗化マグネシウム膜については0.22λとした。
なお、光学素子41に対向する物体OBとしては、レジストを塗布したシリコン基板を用い、光学素子41と物体OBとの間に介在させる液体71としては、純水を用いた。結果的に、光学素子41の表面はほとんど浸食されず、レンズ系LSの光学特性を長期に亘って高精度にすることができた。
以上の例では、反射防止膜45の成膜方法として真空蒸着方法を用いたが、反射防止膜45の形成は、真空蒸着方法に限られることなく、各種スパッタ法やイオンプロセス方法(イオンアシスト、イオンプレーティング、イオンビームスパッタ)等を用いることができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る液浸型のレンズ系について説明する。第2実施形態のレンズ系は、第1実施形態のレンズ系を変更したものであり、以下では主に変更点について説明する。
図3は、第2実施形態に係るレンズ系の下端部分の拡大図である。レンズ系LSの対物側の光学素子141は、対物面が平坦に加工されたバルク材143と、その平坦面を一様な厚さでコートする反射防止膜145とを有する。さらに、バルク材143は、レンズ系LSにおいて内側の第1部材143aと外側の第2部材143bとからなる。両部材143a,143bは、オプティカルコンタクトによって接合され、或いは薄いエアギャップを介して張り合わされており、図示を省略するホルダに位置決めして固定されている。レンズ系LSに入射した像光ILは、第1実施形態の場合と同様に、収束しつつバルク材143及び反射防止膜145を通過して液体71側に射出する。液体71側に射出した像光ILは、物体OB表面に入射してここに投影像を形成する。
ここで、反射防止膜145は、液体71に接しており、液体71に対して耐食性を有する必要がある。さらに、バルク材143のうち第2部材143bも、反射防止膜145が例えばポーラスで液体71に対して浸透性を有する場合、液体71に対して耐食性を有する必要がある。そこで、第2部材143bや反射防止膜145は、CaF結晶材料よりも水に対する溶解度が小さい光透過材料で形成されている。具体的には、例えば弗化マグネシウム単結晶からなる第1部材143aと、サファイア単結晶からなる第2部材143bとを張り合わせてバルク材143とする。さらに、こうして得たバルク材143上に弗化マグネシウムからなる反射防止膜145を堆積する。これにより、液体71に接触した状態で使用される光学素子141すなわち反射防止膜145やバルク材143が液体71に侵食されにくくなり、レンズ系LSの光学性能を良好に維持することができる。
ここで、バルク材143を構成する両部材143a,143bは、弗化マグネシウム単結晶基板及びサファイア単結晶基板であり、ともに光学的一軸性結晶であり、結晶の光学軸はc軸と一致している。両部材143a,143bを伝搬する光は、光線速度曲面が球面である通常光と、それが回転楕円体面である異常光とに分かれる。ここで、両部材143a,143bの光学軸を例えばレンズ系LSの光軸と一致させる。
図4は、光学的一軸性結晶中における光の伝搬を説明する図である、図4(a)に示すように、通常光の方が異常光よりも光線速度が速い(屈折率が小さい)ものを光学的正号結晶といい、図4(b)に示すように、通常光の方が異常光よりも光線速度が遅いものを光学的負号結晶という。ここで、通常光の屈折率をωとして、異常光の屈折率のなかでもωから最も甚だしく異なっているものをεで表す。すなわち、光学的正号結晶の場合、ω<εとなり、光学的負号結晶の場合、ω>εとなる。本実施形態の場合、第1部材143aが弗化マグネシウム単結晶からなる正号結晶であり、第2部材143bがサファイア単結晶からなる負号結晶である。よって、正号結晶の基板と負号結晶の基板を主軸方向を一致させて張り合わせて厚みを調整すること、すなわちバルク材143を構成する第1部材143a及び第2部材143bの厚みを調節することによって、光線速度のずれを補正することが出来るようになるので、光学性能の向上が達成される。
以上の説明では、バルク材143を構成する一対の部材143a,143bの材料として弗化マグネシウム単結晶及びサファイア単結晶を用いたが、これらに代えて、正号結晶である水晶と負号結晶であるサファイアとを組み合わせてバルク材143を構成することもできる。
〔実施例2〕
バルク材143を構成するための第1部材143aを弗化マグネシウム単結晶基板で形成し、第2部材143bをサファイア単結晶基板で形成し、両者の光学軸がレンズ系LSの光軸と一致するように両部材143a,143bを張り合わせてバルク材143とする。この際、第2部材143bの外側面上には、弗化マグネシウム膜、弗化ランタン膜、弗化マグネシウム膜の順で真空蒸着方法による成膜を行うことによって、3層の積層体からなる反射防止膜145が形成されている。各層の光学的膜厚は、第2部材143b上の第1層である弗化マグネシウム膜については0.41λとし、第2層である弗化マグネシウム膜については0.28λとし、第3層である弗化マグネシウム膜については0.22λとした。
なお、光学素子141に対向する物体OBとしては、レジストを塗布したシリコン基板を用い、光学素子141と物体OBとの間に介在させる液体71としては、純水を用いた。結果的に、光学素子141の表面はほとんど浸食されず、レンズ系LSの光学特性を長期に亘って高精度にすることができた。
以上の例では、第1部材143aを正号結晶とし、第2部材143bを負号結晶としているが、その順番は入れ替え可能であり、第1部材143aを負号結晶とし、第2部材143bを正号結晶とすることもできる。
〔第3実施形態〕
以下、第3に係る投影露光装置について説明する。本実施形態は、第1若しくは第2実施形態のレンズ系LSをステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置に適用したものである。
図5は、本実施形態の投影露光装置の概略構成を示し、この図5において、露光光源としてのArFエキシマレーザ光源、オプティカル・インテグレータ(ホモジナイザー)、視野絞り、コンデンサレンズ等を含む照明光学系1から射出された波長193nmの紫外パルス光よりなる露光光ELは、レチクルRに設けられたパターンを照明する。レチクルRのパターンは、両側(又はウエハW側に片側)テレセントリックな投影光学系PLを介して所定の投影倍率β(βは例えば1/4,1/5等)でフォトレジストが塗布されたウエハW上の露光領域に縮小投影される。なお、露光光ELとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、Fレーザ光(波長157nm)や水銀ランプのi線(波長365nm)等を使用してもよい。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に垂直にY軸を取り、図5の紙面に平行にX軸を取って説明する。
レチクルRは、レチクルステージRST上に保持され、レチクルステージRSTにはX方向、Y方向、回転方向にレチクルRを微動する機構が組み込まれている。レチクルステージRSTの2次元的な位置、及び回転角はレーザ干渉計(不図示)によってリアルタイムに計測され、この計測値に基づいて主制御系14がレチクルRの位置決めを行う。
一方、ウエハWは、ウエハホルダ(不図示)を介してウエハWのフォーカス位置(Z方向の位置)及び傾斜角を制御するZステージ9上に固定されている。Zステージ9は投影光学系PLの像面と実質的に平行なXY平面に沿って移動するXYステージ10上に固定され、XYステージ10はベース11上に載置されている。Zステージ9は、ウエハWのフォーカス位置(Z方向の位置)、及び傾斜角を制御してウエハW上の表面をオートフォーカス方式、及びオートレベリング方式で投影光学系PLの像面に合わせ込み、XYステージ10はウエハWのX方向、及びY方向の位置決めを行う。Zステージ9(ウエハW)の2次元的な位置、及び回転角は、移動鏡12の位置としてレーザ干渉計13によってリアルタイムに計測されている。この計測結果に基づいて主制御系14からウエハステージ駆動系15に制御情報が送られ、これに基づいてウエハステージ駆動系15は、Zステージ9、XYステージ10の動作を制御する。露光時にはウエハW上の各ショット領域を順次露光位置にステップ移動し、レチクルRのパターン像を露光する動作がステップ・アンド・リピート方式で繰り返される。
さて、本実施形態では、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を用いるが、この際投影光学系PLとして、第1若しくは第2実施形態で説明した耐水性のレンズ系LSを用いる。つまり、少なくともレチクルRのパターン像をウエハW上に転写している間は、ウエハWの表面と投影光学系PLのウエハ側の光学素子4(第1及び第2実施形態における光学素子41,141)の下面との間に表面張力を利用して液体7を満たしておく。投影光学系PLは、第1及び第2実施形態の場合と同様のもので、他の光学系を収納する鏡筒3と、その射出側の光学素子4とを有しており、光学素子4のみが液体7が接触するように構成されている。
ここで、光学素子4は、液体7に対して耐食性を有する材料からなり、レンズ系LSの光学特性を長期に亘って高精度にすることができる。さらに、金属よりなる鏡筒3については、液体7との接触を回避できるようになっているので、その腐食等が防止されている。液体7として、本実施形態では純水を使用する。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、ウエハ上のフォトレジストや光学レンズ等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、ウエハの表面を洗浄する作用も期待できる。そして、波長が200nm程度の露光光に対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44であるため、ArFエキシマレーザ光の波長193nmは、ウエハW上では1/n、即ち約134nmに短波長化されたと同等の効果が生じて高い解像度が得られる。さらに、焦点深度は空気中に比べて約n倍、即ち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
光学素子4とウエハWとの間に挟まれた液体7は、その液体のタンク、加圧ポンプ、温度制御装置等からなる液体供給装置5によって、所定の排出ノズル等を介してウエハW上に温度制御された状態で供給され、その液体のタンク及び吸引ポンプ等からなる液体回収装置6によって、所定の流入ノズル等を介してウエハW上から回収される。液体7の温度は、例えば本実施形態の投影露光装置が収納されているチャンバ内の温度と同程度に設定されている。そして、投影光学系PLの光学素子4の先端部をX方向に挟むように先端部が細くなった排出ノズル21aと、先端部が広くなった2つの流入ノズル23a,23bとが配置されており、排出ノズル21aは供給管21を介して液体供給装置5に接続され、流入ノズル23a,23bは回収管23を介して液体回収装置6に接続されている。これにより、光学素子4とウエハWとの間において−X方向への液体7の流れを形成することができる。なお、図示を省略しているが、流入ノズル23a,23bの間には、これらに平行に排出ノズルが形成されており、排出ノズル21aの両側方には、これに平行に一対の流入ノズルが形成されており、液体7の流れを+X方向に切り換えることもできる。さらに、図示を省略しているが、排出ノズル21a、流入ノズル23a,23b等を一組とする第1の給排ノズルシステムを光学素子4の先端部の回りにほぼ90°回転した配置の第2の給排ノズルシステムも設けられており、光学素子4とウエハWとの間において−Y方向若しくは+Y方向への液体7の流れを形成することができる。つまり、露光に際して±X方向にウエハWをステップ移動させる際には、第1の給排ノズルシステムを用いて光学素子4とウエハWとの間に層流状で安定した液体7の流れを形成することができ、露光に際して±Y方向にウエハWをステップ移動させる際には、第2の給排ノズルシステムを用いて光学素子4とウエハWとの間に層流状で安定した液体7の流れを形成することができるので、光学素子4とウエハWとの間を常に新鮮な純水で安定して満たすことができる。
なお、上記実施形態において、X方向、又はY方向から液体7の供給及び回収を行うノズルだけでなく、例えば斜めの方向から液体7の供給及び回収を行うためのノズルを設けてもよい。
また、液体としては、純水以外にも、露光光に対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系や基板表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なものを用いることも可能である。
また、露光光としてFレーザ光を用いる場合は、液体としてはFレーザ光を透過可能な例えばフッ素系オイルや過フッ化ポリエーテル(PFPE)等のフッ素系の液体を用いればよい。
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLと基板すなわちウエハWとの間を局所的に液体で満たす露光装置を採用しているが、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる液浸露光装置や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する液浸露光装置にも本発明を適用可能である。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報等に開示されているように、ウエハ等の被処理基板を別々に載置してXY方向に独立に移動可能な2つのステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
第1実施形態に係る液浸型のレンズ系を示す側面図である。 図1レンズ系の下端部分の拡大図である。 第2実施形態に係るレンズ系の下端部分の拡大図である。 (a)は、光学的正号結晶である第1部材の屈折率特性を示し、(b)は、光学的負号結晶である第2部材の屈折率特性を示す。 第3実施形態の投影露光装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
3…鏡筒、 4…光学素子、 5…液体供給装置、 6…液体回収装置、 7…液体、 31…鏡筒、 41…光学素子、 43…バルク材、 45…反射防止膜、 71…液体、 141…光学素子、 143…バルク材、 143a…第1部材、 143b…第2部材、 145…反射防止膜、 IL…像光、 EL…露光光、 LS…レンズ系、 OB…物体、 PL…投影光学系

Claims (7)

  1. 少なくとも1つの光学面が水を含む所定の浸液に接触した状態で使用され、投影露光用の紫外光を透過させる光透過型の光学素子を備える液浸型のレンズ系であって、
    前記光学素子は、所定形状のバルク材を有し、
    前記バルク材は、CaF結晶材料よりも水に対する溶解度が小さい光透過材料であるNdF 、LaF 、YF 、MgF 、LiSrAlF 、LiCaAlF 、及びサファイアのうち少なくとも1つで形成されていることを特徴とするレンズ系。
  2. 前記光学素子は、前記バルク材の表面に形成さる反射防止膜を有し
    前記反射防止膜は、CaF 結晶材料よりも水に対する溶解度が小さい光透過材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ系。
  3. 前記反射防止膜は、NdF 、LaF 、YF 、MgF 、LiSrAlF 、LiCaAlF 、及びサファイアのうち少なくとも1つで形成されていることを特徴とする請求項2記載のレンズ系。
  4. 前記バルク材は、異種の光透過材料からなる複数の光学的部分を含んで形成されているとともに、当該複数の光学的部分は、相互に複屈折の影響を相殺することを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項記載のレンズ系。
  5. 前記光透過材料は、レーザコンパクションの少ない材料で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項記載のレンズ系。
  6. 前記光学素子は、前記レンズ系の対物側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項記載のレンズ系。
  7. 投影光学系を用いてマスクのパターン像を基板上に投影露光する装置であって、
    露光光によってマスクを照明する照明光学系と、
    前記マスクのパターン像を基板上に形成する請求項1から請求項6のいずれか一項記載の液浸型のレンズ系と
    を備える投影露光装置。
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