JP4880316B2 - 無線通信装置及び無線通信方法 - Google Patents

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Description

この発明は、無線LAN通信システム、特にCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式における通信優先制御を実行する無線通信装置及び無線通信方法に関する。
CSMA/CA方式において端末は送信前にあるランダム期間、仮想キャリアセンスを行い、他の端末が基地局と通信していないかを確認し、他の端末が通信中であればその通信が完了するのを待ってから、実際にパケット送信を行う。このときどの端末も平等に送信する権利を持つ。仮想キャリアセンスとはチャネルがIFS(Inter Frame Space)期間だけアイドルになった後、規定のCW(ContentionWindow:コンテンション・ウィンドウ)範囲内で乱数を発生させ、その乱数値をもとにしたランダム期間が決められ、そのランダム期間内、以下に述べるバックオフ制御を行うことである。バックオフ制御とは、算出した乱数値を初期値とし、時刻経過と共にその値を減少させ、値が0となったところで実際のパケット送信を行う制御である。ここで、IFSとは無線LAN標準規格IEEE802.11で規定されており、送信に先立ってアイドル検出を行うべきある一定間であり、CWとはバックオフにおいてとりうる乱数の最大値であって、ユーザ多重を実現するために必要なパラメータである。IEEE802.11ではCWの最小値CWminと最大値CWmaxを規定しており、初回送信におけるバックオフはCWminの値を用いて乱数値を算出し、再送のたびにこのCWを2倍の大きさにしてバックオフを行う。なお、CWmaxはCWの上限値である。このランダム性に依存したバックオフにより、複数の端末が同一チャネルを共有して通信が可能となる。ただし、この方式は複数の端末が同時にパケット送信を行う可能性があり、この場合はパケット衝突が発生し、正しくパケットが受信されず、通信品質劣化につながる。
このような通信方式おける優先制御に関する従来技術として非特許文献1に示されるようにIEEE802.11eで規定されたEDCA(Enhanced Distributed Channel Access)が存在する。これはパケットに4種類のプライオリティを付与し、プライオリティの高いパケットについては上記のIFSやCWmin、CWmaxなどの送信待ち時間を短くすることにより優先的にパケット送信権を与えるものである。これにより音声やデータなどの様々なアプリケーションが混在する通信環境において相対的な優先制御が可能となる。同じく非特許文献1に記述されるIEEE802.11eで規定されたHCCA(HCF controlled channel access)は基地局が無線通信装置に対してチャネル使用期間(TXOP: Transmission Opportunity)情報を記載したポーリング用フレームを送信することにより、ポーリング用フレームを受信した端末はバックオフを経ることなく優先的に送信権を得る。
従来の技術の改善技術として例えば、特許文献1ではセル内全体のトラフィック量に応じて基地局が各端末に送信待ち時間に関するパラメータを通知し、各端末が送信のたびにそのパラメータに従い、送信を行うことによりパケット衝突の可能性を抑制し、円滑な通信を図るものである。また、特許文献2では周期性をもって繰り返される所定時間内で割り当てられた送信可能時刻においてのみ送信を行うことによって各端末が円滑に通信を行うものである。
特開2005−12725号公報 特開2005−184522号公報 ANSI/IEEE std 802.11, Wireless LAN medium access control (MAC) andphysical layer (PHY) specifications, 1999
しかしながら、従来手法EDCAでは異なるプライオリティをもつパケットの相対的な送信優先順位を付与するだけであり、同じプライオリティのパケットを送信する端末間の品質保証や優先度付与に貢献する技術ではない。従って、複数の端末が同じプライオリティのパケットを同時に送信することによってパケット衝突が発生する可能性は抑制できない。パケット衝突が発生すると再送が成功しても遅延し、再送が失敗すればパケットロスが発生する。さらに複数の端末がパケットの送信権獲得のためにバックオフを行う場合には、他端末に送信権を取られた端末は再度送信権を獲得するための送信待ち時間、すなわち遅延が発生する。これらの問題は端末数が多くなると発生確率が高くなる。特にVoIP(Voice over Internet Protocol)に代表されるリアルタイム系アプリケーションはこれらの問題で発生する遅延やパケットロスは重大な品質劣化を引き起こす。
一方、HCCAは各端末にポーリングフレームを送信することでチャネル使用期間を与え、品質保証が可能となるが、その具体的なスケジュール設計方法に関しては規定しておらず、また再送タイミングやリンクアダプテーションによる伝送レート低下による送受信期間の拡大への対応に関しても記述されていない。さらにHCCAは同一、もしくは隣接周波数を用いているセルが周辺に存在したときにはそのセルオーバーラップ部において非効率な帯域利用が発生したり、基地局によって送信されるポーリングが衝突したりする。特にVoIPのような周期的にパケット送信が必要となるアプリケーションにおいては一度ポーリングの衝突が発生すると連続して衝突が起こり、深刻な品質劣化につながる。
さらに、上記の特許文献1ではセル内全体のトラフィック量に適応し、送信待ち時間に関するパラメータを動的に変更するが、各端末に優先的な送信タイミングを与えるものではなく、問題の解決には至らない。また、特許文献2では各端末が送信可能時刻を設定するものであるが、HCCAと同様にその具体的なスケジュール設計方法は規定されておらず、再送の必要がある場合や、伝送レート低下に伴う送受信占有期間の変動、及び特許文献2の技術を実装していない端末が勝手な時刻に送信することによって自局の送信可能時刻に帯域がビジーとなり送信不可能となった場合の解決策が示されていない。
本発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、VoIPのような周期的にパケットを送信する必要がある端末が1つのセル内に複数存在する通信環境において、送受信タイミングの適正化を図ることができる無線通信装置及び無線通信方法を提供することを目的とする。
本発明に係る無線通信装置は、仮想キャリアセンスにより無線帯域割り当てを行うパケット伝送方式に基づくパケット送信を行う無線通信装置であって、時刻を管理し現在時刻情報を出力する時刻管理手段と、パケット送信権獲得優先度に関するパラメータを管理するパラメータ管理手段とを備え、前記パラメータ管理手段は、自己の所定の周期内において、同じ無線LANエリア内に位置する無線通信装置ごとに異なる分布をもって変化するパケット送信権獲得優先度に関するパラメータを、時刻に対応づけて保持するパラメータ保持手段と、前記時刻管理手段により出力された現在時刻情報に対応した前記パラメータを、前記パラメータ保持手段より読み出し、読み出されたパラメータをもって、パケット送信権獲得優先度に関する現状のパラメータを動的に変更するパラメータ変更手段とを含んで構成されたことを特徴とする。これにより、複数の無線通信装置が、送信すべきパケットを保持している場合に、各無線通信装置が保持するパケットが他の無線通信装置と異なるタイミングで送信されることとなり、パケット衝突の可能性を抑制した円滑な通信が可能となる。
また、本発明に係る無線通信装置は、自己の無線通信装置が用いている伝送レートを管理し最大伝送レート情報を出力する伝送レート制御手段と、前記伝送レート制御手段により出力された最大伝送レート情報、及び送信パケットサイズに基づいて、パケット送受信に要する時間に相当するチャネル占有時間を算出するチャネル占有時間算出手段とをさらに備え、前記パラメータ管理手段は、自己の無線通信装置に関するパケット送信権獲得優先時間を、前記チャネル占有時間算出手段により算出されたチャネル占有時間より長く設定する構成とすることが望ましい。これにより、ある無線通信装置による送受信に伴うチャネル占有時間が他の無線通信装置の送信権獲得優先時間に割り込むことにより当該他の無線通信装置が送信権獲得に失敗するといった不具合の発生する可能性を低減することができ、円滑な通信が可能となる。
また、本発明に係る無線通信装置では、パラメータ管理手段は、自己の無線通信装置のパケット送信権獲得優先時間が、同じ無線LANエリア内の他の無線通信装置のパケット送信権獲得優先時間と一部重なるように、自己の無線通信装置のパケット送信権獲得優先時間を設定する構成とすることが望ましい。これにより、送信権優先時間内にいずれの無線通信装置も送受信しないことによるチャネルの非効率的な利用を回避し、本発明に係る無線通信装置に割り当てられた送信権獲得優先時間に対し、本発明に係る構成を実装していない無線装置による送受信が割り込む事態を回避することができる。
また、本発明に係る無線通信装置では、パラメータ管理手段は、パケット送信権獲得優先時間内におけるパケット送信権獲得優先度の分布関数として、パケット送信権獲得優先時間の中間時刻以降かつ終了時刻以前に、パケット送信権獲得優先度の最大値が存在する関数を用いることで、前記パラメータを管理する構成とすることが望ましい。これにより、送受信に伴うチャネル占有時間が送信権獲得優先時間に割り込んだ場合でも、送信権獲得優先時間内における送信権獲得の可能性を増大させることが可能となる。
また、本発明に係る無線通信装置では、パラメータ管理手段は、パケット送信権獲得優先時間内におけるパケット送信権獲得優先度の分布関数としてステップ関数を用いることで、前記パラメータを管理する構成とすることが望ましい。これにより、パケット発生周期に従って送信権獲得優先度に関するパラメータを変更する機能を容易に実装することが可能となる。
また、本発明に係る無線通信装置は、パケット送信権獲得優先時間における送信失敗履歴に基づく送信失敗確率、及び送信権獲得失敗履歴に基づく送信権獲得失敗確率のうち、少なくとも一方を管理し出力する失敗管理手段をさらに備え、前記パラメータ管理手段は、前記失敗管理手段により出力された送信失敗確率及び送信権獲得失敗確率の少なくとも一方が所定の閾値以上の場合、パケット送信権獲得優先時間内におけるパケット送信権獲得優先度の値、又は該値の分散値を増加させる構成とすることが望ましい。これにより、送信権獲得優先時間内における送信成功確率を増大させ、円滑な通信が可能となる。
また、本発明に係る無線通信装置では、パラメータ管理手段は、初回の送信時のみならず、再送時においても、パケット送信権獲得優先時間内であれば、パケット送信権獲得優先時間における所定の分布関数に従ったコンテンション・ウィンドウ(Contention Window)を用いる構成とすることが望ましい。これにより、送信権獲得優先時間内では、初回送信のみならず再送においても、他の無線通信装置よりも優先的に送信権獲得が可能となる。
また、本発明に係る無線通信装置では、パラメータ管理手段は、同じ無線LANエリア内に位置する複数の無線通信装置のうち他の無線通信装置による送信権獲得を阻害する程にチャネル占有時間が増大した無線通信装置についてのパケット送信権獲得優先時間が、前記複数の無線通信装置についてのパケット送信権獲得優先時間のうち、時間的に最後尾となるように、パケット送信権獲得優先時間を設定する構成とすることが望ましい。これにより、ある無線通信装置の送受信に伴うチャネル占有時間が他の無線通信装置の送信権優先獲得期間に割り込むことにより当該他の無線通信装置が送信権獲得に失敗するといった不都合の発生可能性を低減することが可能となる。
さらに、無線通信装置に関する本発明は、以下のように無線通信方法に係る発明として記述することができ、無線通信方法に係る発明は、同様の作用・効果を奏する。
即ち、本発明に係る無線通信方法は、仮想キャリアセンスにより無線帯域割り当てを行うパケット伝送方式に基づくパケット送信を行うための無線通信方法であり、自己の所定の周期内において、同じ無線LANエリア内に位置する無線通信装置ごとに異なる分布をもって変化するパケット送信権獲得優先度に関するパラメータを、時刻に対応づけて保持したパラメータ保持手段を備えた無線通信装置、における無線通信方法であって、現在時刻を確認する時刻確認ステップと、現在時刻情報に対応したパケット送信権獲得優先度に関するパラメータを、前記パラメータ保持手段より読み出すパラメータ読出しステップと、読み出されたパラメータをもって、パケット送信権獲得優先度に関する現状のパラメータを動的に変更するパラメータ変更ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、VoIPのような周期的にパケットを送信する必要がある無線通信装置が1つのセル内に複数存在する通信環境において、送受信タイミングの適正化を図ることができる。
以下、本発明に関する実施形態を説明する。図1には、本実施形態の無線LANネットワークの構成図を示す。この図1に示すように、無線LANネットワークは、無線LANの基地局であるAP(Access Point)と、IEEE802.11b及び本発明に係る制御手法を実装したVoIP端末A、B、Cと、IEEE802.11標準技術のみを実装したデータ専用端末Dとを含んで構成されている。なお、図1には、説明の便宜上、4つの端末しか記述していないが、適切な如何なる数の無線通信装置が存在してもよい。
IEEE802.11b及び本発明に係る制御手法を実装したVoIP端末A、B、C(以下「無線通信装置100」と総称する)については、そのハードウェア構成図を図2に、その機能ブロック構成図を図3に、それぞれ示す。各無線通信装置100のVoIPコーデック周期は40msで共通とする。図2に示すように無線通信装置100は、ハードウェア構成として、CPU101、ROM102、RAM103、操作部(キーボタン等)104、CSMA/CA方式による無線通信が可能な無線通信部105、及びディスプレイ106を備える。
また、図3に示すように無線通信装置100は、機能ブロック構成として、バックオフ制御部201、乱数算出部202、パラメータ管理部203、時刻管理部204、IFS期間アイドル検出部205、失敗管理部206、チャネル占有時間算出部207、伝送レート制御部208、及び送信成功失敗検出部209を備える。以下、各機能ブロックについて説明する。
バックオフ制御部201は図2の無線通信部105に実装される送信権を得るためのバックオフ制御部であり、ランダム期間無線空間がアイドルであれば、VoIPパケットは、パケットを送信する送信部(不図示)に送られる。乱数算出部202は図2の無線通信部105に実装され、パラメータ管理部203より得られたCWに基づき、0からCWの範囲でランダム値を算出する機能を有する。
パラメータ管理部203は図2のCPU101、ROM102及びRAM103に実装される。このパラメータ管理部203は、所定の周期内において、同じ無線LANエリア内に位置する無線通信装置間で異なる分布をもって変化するパケット送信権獲得優先度に関するパラメータ(IFSやCW等)を、時刻に対応づけて保持するパラメータ保持部203Aと、時刻管理部204により出力された現在時刻情報に対応したパラメータをパラメータ保持部203Aより読み出し、読み出されたパラメータをもって現状のパラメータを動的に変更するパラメータ変更部203Bとを含んで構成されている。このうちパラメータ保持部203Aは図2のROM(例えば記憶内容の追加・変更・削除が可能なEEPROM)102に実装され、パラメータ変更部203BはCPU101及びRAM103に実装される。
時刻管理部204は図2の無線通信部105に実装されるタイマである。IFS期間アイドル検出部205は図2の無線通信部105に実装され、キャリアセンスを行い、パラメータ管理部203により得られたIFS期間連続で無線空間がアイドルであるかどうかを判別する機能を有する。失敗管理部206は図2のROM102、RAM103及び無線通信部105に実装され、無線通信装置100がパケット送信をパケット衝突により失敗したり、バックオフによる送信権獲得に失敗したりした失敗履歴を管理する機能を有する。さらに、失敗管理部206は失敗履歴に基づいて送信失敗確率を算出し、パラメータ管理部203に送信失敗確率情報を送る機能を有する。
チャネル占有時間算出部207は図2の無線通信部105に実装され、パケットを送受信するのに必要な時間(即ち、チャネル占有時間)をパケット長と伝送レート制御部208により得られる伝送レートとを用いて算出する機能、及び、その算出されたチャネル占有時間をパラメータ管理部203へ送る機能を有する。伝送レート制御部208は図2の無線通信部105に実装され、無線通信装置100が現在用いている伝送レートの値を管理する。送信成功失敗検出部209は送信が成功したか失敗したかを判断し、失敗した場合は送信失敗情報をパラメータ管理部203に送る機能を有する。
図4は、本発明が適用された無線通信装置100にて実行されるパケット送信処理のフローチャートを示す。以下、図4を用いて、ある無線通信装置100(例えばVoIP端末A)にて実行されるパケット送信処理を説明する。まず、ステップ301にて、送信すべき周期性を持つパケットが存在するか否かが判断される。ここで、送信すべきパケットが存在する場合は、ステップ302にて時刻管理部204が現在の時刻情報を参照し、パラメータ管理部203に現在の時刻情報を送る。
次に、ステップ303にてパラメータ管理部203が現在の時刻に対応したIFSもしくはCW等のパラメータを決定する。例えば、VoIP端末Aについては、図12(a)の表が参照されるため、ある周期でパケットを送信しようとした時刻が0msから2.5msである場合は、IFS=10μs、CWmin=3となり、2.5msから40msである場合はIFS=40μs、CWmin=15となる。次のステップ304では乱数算出部202が、CWminを用いてバックオフのための乱数値を算出する。
そして、ステップ305ではIFS期間アイドル検出部205がIFS期間連続で無線空間がアイドルであるか否かを判別する。IFS期間連続でアイドルになる前にキャリアセンスによりビジーとなった場合は、再びIFS期間アイドル検出部205がアイドルになるのを待ち、その後IFS期間連続でアイドルになる期間を検出する。一方、ステップ305にてIFS期間連続でアイドルが検出されるとバックオフ制御部201が、ステップ304で得られた乱数値をバックオフタイマの初期値としたバックオフを開始する。
その後、引き続き、バックオフ制御部201が、ステップ307においてアイドルであれば時刻経過と共にバックオフタイマを減算し(ステップ308)、バックオフタイマ値が0になったと判定されるまで(ステップ309で肯定判定されるまで)、ステップ307〜309を繰り返す。しかし、途中でビジーが検出されると(ステップ307)、その時刻におけるバックオフタイマ値を保持したまま、ステップ305に戻り、再度IFS期間アイドル検出部205がIFS期間連続でのアイドルを検出する。この場合、バックオフ制御部201はステップ306のバックオフにおいてビジー検出時のバックオフタイマ値からバックオフを再開する。
その後、バックオフタイマ値が0となると(ステップ309で肯定判定されると)、バックオフ制御部201は、ステップ310にて、実際に送信されるパケットをパケット送信部(不図示)に送り、パケット送信部によりパケット送信が行われる。
その後、ステップ311において送信成功失敗検出部209が、このパケット送信が成功したと判断した場合は一連の送信手順は終了する。しかし、ステップ311で送信失敗と判断された場合は、再送が行われるが、このとき送信成功失敗検出部209はパラメータ管理部203に送信失敗情報を通知する。そして、ステップ302に戻り、時刻管理部204が現在の時刻情報をパラメータ管理部203に送り、ステップ303にてパラメータ管理部203は、通知された現在時刻情報と送信成功失敗検出部209により通知された送信失敗情報とをもとに、再送に用いるIFS及びCWを再度決定し、上記と同様の手順でパケット送信を試みる。
本実施形態では、VoIPコーデック周期に従い、VoIP端末A〜Cの各々のパケット送信権優先獲得分布が設定される。この送信権獲得優先分布関数をf(t) (0≦t<40)とすると、f(t)は、送信待ち時間に関するパラメータであるIFSの逆数やCWの逆数でもよい。このとき、ある1周期の開始時刻0ms、1周期の終了時刻を40msとした場合、各VoIP端末のIFS及びCWは図12(a)〜(d)の各表に示される。この動的なパラメータ変更により、各VoIP端末に優先的にパケット送信権獲得期間が割り当てられ、他のVoIP端末とのパケット衝突を抑制可能となる。時刻5.1msから40msまでの期間は全てのVoIP端末A、B、Cのf(t)の値を小さくすることによりデータ端末Dも送信権が獲得可能となる。本実施形態における送信権獲得優先分布関数f(t)はVoIPコーデック周期である40ms周期で繰り返される。従って、f(t)は0≦t≦40において定義すれば十分である。なお、各表中の値は説明の一例であり、この値は適切な如何なる値でもよい。
このようにパケット発生周期、すなわちVoIPコーデック周期に従って、各VoIP端末ごとに異なる時刻に対し、送信権獲得優先時間を設定することによって、図5のようにパケット衝突を抑制した円滑な送受信が可能となる。
以下、上記の実施形態に関するさらなる改良点を順に説明する。
パラメータ管理部203は、各VoIP端末の送信権獲得優先時間として、最大伝送レートにより算出された送受信チャネル占有時間よりも大きな値を設定してもよい。例えばIEEE802.11b及び802.11eEDCAを実装した端末における伝送レート11Mbps、CWmin=7、サイズ396byteのVoIPパケットについては、上りと下りのAckも含めた送受信は平均1.22msかかる。しかし、送信権獲得優先時間を、最大の伝送レートにより算出された送受信チャネル占有時間(2.5ms)よりも大きく設定することにより、次に説明するような利点が得られる。仮に各VoIP端末の送信権獲得優先時間として、最大送信レートで送受信した場合の計算上のチャネル占有時間しか割り当てないとすると、図6に示すように、データ端末Dの送受信期間がVoIP端末Aの送信権獲得優先時間に割り込み、VoIP端末Aは送信権獲得優先時間において送信権獲得失敗となる可能性がある。また、図6に示すように、あるVoIP端末Aが伝送レートを下げた場合、これに続くVoIP端末Bが送信権獲得優先時間において送信権獲得失敗となる可能性がある。従って、各VoIP端末の送信権獲得優先時間を、最大の伝送レートにより算出された送受信チャネル占有時間よりも大きく設定することにより、図6に示すような問題が解決可能となる。なお、各VoIP端末の送信権獲得優先時間は、パケット発生周期以下に設定することは言うまでもない。
また、パラメータ管理部203は、自己の無線通信装置のパケット送信権獲得優先時間が、同じ無線LANエリア内の他の無線通信装置のパケット送信権獲得優先時間と一部重なるように、自己の無線通信装置のパケット送信権獲得優先時間を設定してもよい。仮に図7に示すように送信権獲得優先時間をどのVoIP端末とも重ならないように割り当てると、VoIP端末A、B、Cの送信権優先獲得期間において、どのVoIP端末も送受信しない時間帯が生じチャネル(帯域)を非効率的に利用することとなる。また、VoIP端末Aの送受信完了直後に、データ端末Dによる送信割り込みが発生し、VoIP端末Bが送信権獲得優先時間において送信権が獲得できないという事態が生じる。従って、図8のように各VoIP端末の送信権獲得優先時間を他のVoIP端末の送信権獲得優先時間と一部重なるように割り当てることにより、チャネル(帯域)の非効率的な利用を回避し、本発明に係る無線通信装置(VoIP端末B)に割り当てられた送信権獲得優先時間に対し、本発明に係る構成を実装していない無線装置(データ端末D)による送受信が割り込む事態を回避することができる。
また、所定の周期内において、送信権獲得優先時間の開始時刻において一度IFS、CW等のパラメータ値を小さく設定した後はその周期の終了時刻までその値を保持してもよい。例えば、VoIP端末A、B、Cのパラメータテーブルを、それぞれ図13(a)〜(c)の各表のように設定してもよい。これにより、実装が容易になり、また、送信権をVoIP端末A、B、Cの順に獲得することも可能である。
次に、パラメータ管理部203で管理される円滑な通信のために望ましい送信権獲得優先分布関数f(t)について記述する。各VoIP端末の本例では、説明の一例としてf(t)をステップ関数としたが、適切な如何なる分布でもよい。特にステップ関数では実装が容易であるという長所があるが、本例においては時刻1.3msから2.5msまでの期間においてVoIP端末AとVoIP端末Bのf(t)の値が等しくなるため、VoIP端末AとVoIP端末Bの送信パケット衝突の確率が高くなる。一方、ガウス関数分布やランプ関数分布などのように優先時間内のf(t)の値が常に一定ではない分布関数では1.3msから2.5msまでのVoIP端末A、Bのf(t)の値が等しくなるのはある瞬間に限られるためパケット衝突の抑制が可能となる。例としてランプ関数を用いた場合のVoIP端末Aの1周期におけるパラメータを図14に、すべてのVoIP端末がランプ関数を用いた場合のf(t)を図9にそれぞれ示す。ここでパラメータ管理部203は優先時間内のパラメータは図14のように予めランプ関数を模擬するように算出された値をパラメータテーブルとして保持していても良いし、ランプ関数の算出式のみを保持しておいて、送信要求があるたびに算出し、具体的な値を求めても良い。
また、f(t)の最大値が送信権獲得優先時間の中間時刻以降から送信権獲得優先時間の終了時刻以前に存在することにより次の利点が存在する。仮に図10のようにf(t)の最大値が送信権獲得優先時間の開始時刻から送信権獲得優先時間の中間時刻以前に存在する場合、データ端末Dの送受信期間がVoIP端末Aの送信権獲得優先時間に割り込む可能性があり、優先時間の開始時刻に大きな優先権を与えても効果が小さい。また、仮にVoIP端末Bにおいてf(t)の最大値が送信権獲得優先時間の開始時刻から送信権獲得優先時間の中間時刻以前に存在する場合、VoIP端末Aの送受信チャネル占有時間がVoIP端末Bの送信権獲得優先時間に割り込み、優先時間の開始時刻に大きな優先権を与えても効果が小さい。さらに図10に示すようにVoIP端末Bが送信する前にVoIP端末Cが送信権を獲得し、VoIP端末Bが自局の優先時間内に送信権を獲得できない可能性もある。これらに対し、図9のように他のVoIP端末の送受信占有時間の割り込む可能性が小さい送信権獲得優先時間の後半に大きな優先権を与えることにより、優先時間内で送信権を獲得できる可能性が高くなる。
また、送信権獲得優先分布関数f(t)の値、分散はVoIP端末毎に異なったり、動的に変更したりしてもよい。ここで、f(t)の値は本例におけるIFSやCWminパラメータ値の逆数に相当し、分散は優先時間の長さに相当する。パケット送信失敗が度重なって発生すると、送信失敗履歴を保持する失敗管理部206によって送信失敗確率がパラメータ管理部203に通知される。パラメータ管理部203は自局の送信権獲得優先時間内における送信の失敗確率がある閾値以上の場合は送信権獲得優先分布関数f(t)の値、もしくは分散を大きくすることにより送信権獲得確率を上昇させることが可能である。
また、伝送レートが低下し、他のVoIP端末が送信権獲得優先時間に送信権を得られない程に送受信占有期間が増大する場合の効果的な送信権獲得優先時間の設定方法について記述する。本実施形態においてVoIP端末Aの伝送レートが低く、VoIP端末Aの送受信完了予定時刻が3.8msより遅れる場合は、VoIP端末B、Cが各VoIP端末の送信権優先獲得期間における送信権獲得が失敗する可能性がある。従って、その場合はチャネル占有時間算出部207がパラメータ管理部203にチャネル占有時間算出結果を通知し、パラメータ管理部203が一連の優先時間の最後尾にVoIP端末Aの送信権獲得優先時間を設定する。例えば、VoIP端末Aのパラメータ管理部203に保持されるパラメータテーブルは図15のように変更される。この場合のf(t)とそれに伴う送受信シーケンスは図11のようになる。これにより、VoIP端末Aの送受信に伴うチャネル占有によりVoIP端末B、Cの送信権獲得が失敗する事態を回避することが可能となる。
次に、本発明に係る手法における再送手順を示す。再送は標準技術IEEE802.11では再送のたびにCWのサイズを2倍に大きくするが、本手法におけるVoIP端末A、B、Cは送信権獲得優先時間においては初回の送信もしくは再送にかかわらず、CWのサイズはそれぞれ図12(a)〜(c)の各表に示したCWminの値に従う。これは自局の送信権獲得優先時間において標準技術のようにCWのサイズを2倍に大きくすると送信権獲得優先度が小さくなってしまうためである。一方、本例における時刻5.1ms-40msにおいては、標準技術どおり、再送のたびにCWのサイズを2倍にしてもよい。
自局の送信権獲得優先時間において送信権を獲得できなかったVoIP端末、又は、送信権は獲得したがパケット衝突により送信が成功しなかったVoIP端末は、どのVoIP端末にも送信権獲得優先時間が与えられていない期間(例えば時刻5.1msから40msの期間)において再度送信を試みてもよい。この期間で送信が成功すればパケットの送受信の遅延は発生するものの、パケットロスは回避可能となる。
また、周期的にパケットが発生するアプリケーションにおいても、ある周期ではパケットが発生しない場合がある。例えば無音検出区間が実装されているVoIP端末においては、無音区間は送信すべきVoIPパケットが発生しない。本実施形態において、VoIP端末Bがある周期において自局の送信権優先獲得期間において送信すべきパケットがなく、パケットを送信しなかったとする。この場合は他のVoIP端末が送信可能となる。なぜなら本手法では、優先時間以外の時刻においても通常バックオフに従い、送信権の獲得が可能だからである。従って、たとえ、あるVoIP端末が自局の送信権優先獲得期間において送信しなかったとしても、該当優先時間がすべて無駄なアイドルスロットとなることはなく、有効な帯域利用が可能となる。
さらに、複数の基地局が設置されたマルチセル環境下の場合、同一、隣接周波数チャネルを用いている周辺セルとのセルオーバーラップ部においても送信タイミングはバックオフ制御方式に基づいてVoIP端末が自律的に決定するのでHCCAのような基地局によるポーリングの連続衝突に伴う重大な品質劣化は回避可能である。
最後に、本実施形態に関する効果を記述する。本実施形態によれば、仮想キャリアセンスにより無線帯域割り当てを行うパケット伝送方式において、パラメータ管理部203が、所定の周期内において無線通信装置間で異なる分布をもって変化するようなパラメータを保持するパラメータ保持部203Aを備え、さらにこのパラメータ保持部203Aに保持されたパラメータテーブルから、現在時刻に対応したパラメータを読み出し、該パラメータによってパケット送信権獲得優先度に関するパラメータを動的に変更する。これにより、複数のVoIP端末が送信すべきパケットを保持している場合に、各VoIP端末が他のVoIP端末と異なるタイミングでパケットを送信することとなり、パケット衝突の可能性を抑制した円滑な通信が可能となる。
また、パラメータ管理部203は失敗管理部206から通知された送信失敗確率が、ある閾値以上ならば、送信権獲得優先時間におけるIFS及びCW等のパラメータを小さくしたり、送信権獲得優先時間を大きくしたりすることによってパケット送信成功の可能性を増大し、円滑な通信が可能となる。
さらに、チャネル占有時間算出部207が伝送レート制御部208によって通知された伝送レートと送信パケットサイズを用いて、送信前にチャネル占有時間を算出してパラメータ管理部203に通知し、パラメータ管理部203は、他のVoIP端末が送信権獲得優先時間に送信権を得られない程に自局の送受信に伴うチャネル占有時間が大きい場合は自局の送信権獲得優先時間を一連の優先時間の最後尾に送信権獲得優先時間を設定するようにIFS及びCW等のパラメータテーブルを作成する。これにより、VoIP端末A、B、Cのいずれかのチャネル占有によって他のVoIP端末が送信権獲得優先時間内に送信権獲得に失敗する確率を低減することができ、円滑な通信が可能となる。
発明の実施形態における無線LANネットワークの構成図である。 無線通信装置のハードウェア構成図である。 無線通信装置の機能ブロック構成図である。 本発明が適用されたパケット送信処理を示すフローチャートである。 パケット発生周期に従って各VoIP端末に対し異なる時刻に送信権獲得優先時間を設定した場合の各VoIP端末の送信権獲得状況を示すタイムチャートである。 各VoIP端末の送信権獲得優先時間を最大送信レートで送受信した場合の計算上のチャネル占有時間しか割り当てない場合の各VoIP端末の送信権獲得状況を示すタイムチャートである。 送信権獲得優先時間を各VoIP端末同士で重ならないように割り当てた場合の各VoIP端末の送信権獲得状況を示すタイムチャートである。 各VoIP端末の送信権獲得優先時間を他のVoIP端末の送信権獲得優先時間と一部重なるように割り当てた場合の各VoIP端末の送信権獲得状況を示すタイムチャートである。 パケット送信権獲得優先時間の分布関数の最大値が中間時刻以後に存在する場合の各VoIP端末の送信権獲得状況を示すタイムチャートである。 パケット送信権獲得優先時間の分布関数の最大値が中間時刻以前に存在する場合の各VoIP端末の送信権獲得状況を示すタイムチャートである。 他のVoIP端末がパケット送信権獲得優先時間内に送信権が獲得不可能となる場合に自端末のパケット送信権獲得優先時間を最後尾に設定した場合の各VoIP端末の送信権獲得状況を示すタイムチャートである。 (a)はある周期のVoIP端末AのIFS及びCWminの値を示す表であり、(b)はある周期のVoIP端末BのIFS及びCWminの値を示す表であり、(c)はある周期のVoIP端末CのIFS及びCWminの値を示す表であり、(d)はある周期のデータ端末DのIFS及びCWminの値を示す表である。 (a)は一度小さな値に設定した送信待ち時間パラメータを所定周期内で保持する場合のある周期のVoIP端末AのIFS及びCWminの値を示す表であり、(b)は一度小さな値に設定した送信待ち時間パラメータを所定周期内で保持する場合のある周期のVoIP端末BのIFS及びCWminの値を示す表であり、(c)は一度小さな値に設定した送信待ち時間パラメータを所定周期内で保持する場合のある周期のVoIP端末CのIFS及びCWminの値を示す表である。 優先時間の分布にランプ関数を用いた場合のある周期のVoIP端末AのIFS及びCWminの値を示す表である。 VoIP端末Aの伝送レートが低下し他のVoIP端末が送信権獲得優先時間内に送信権が獲得不可能となる場合のVoIP端末AのIFS及びCWminの値を示す表である。
符号の説明
100…無線通信装置、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…操作部、105…無線通信部、106…ディスプレイ、201…バックオフ制御部、202…乱数算出部、203…パラメータ管理部、203A…パラメータ保持部、203B…パラメータ変更部、204…時刻管理部、205…IFS期間アイドル検出部、206…失敗管理部、207…チャネル占有時間算出部、208…伝送レート制御部、209…送信成功失敗検出部。

Claims (9)

  1. 仮想キャリアセンスにより無線帯域割り当てを行うパケット伝送方式に基づくパケット送信を行う無線通信装置であって、
    時刻を管理し現在時刻情報を出力する時刻管理手段と、
    パケット送信権獲得優先度に関するパラメータを管理するパラメータ管理手段と、
    を備え、
    前記パラメータ管理手段は、
    自己の所定の周期内において、同じ無線LANエリア内に位置する無線通信装置ごとに異なる分布をもって変化するパケット送信権獲得優先度に関するパラメータを、時刻に対応づけて保持するパラメータ保持手段と、
    前記時刻管理手段により出力された現在時刻情報に対応した前記パラメータを、前記パラメータ保持手段より読み出し、読み出されたパラメータをもって、パケット送信権獲得優先度に関する現状のパラメータを動的に変更するパラメータ変更手段と、
    を含んで構成された
    ことを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記無線通信装置は、
    自己の無線通信装置が用いている伝送レートを管理し最大伝送レート情報を出力する伝送レート制御手段と、
    前記伝送レート制御手段により出力された最大伝送レート情報、及び送信パケットサイズに基づいて、パケット送受信に要する時間に相当するチャネル占有時間を算出するチャネル占有時間算出手段と、
    をさらに備え、
    前記パラメータ管理手段は、
    自己の無線通信装置に関するパケット送信権獲得優先時間を、前記チャネル占有時間算出手段により算出されたチャネル占有時間より長く設定する、
    ことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記パラメータ管理手段は、
    自己の無線通信装置のパケット送信権獲得優先時間が、同じ無線LANエリア内の他の無線通信装置のパケット送信権獲得優先時間と一部重なるように、自己の無線通信装置のパケット送信権獲得優先時間を設定する
    ことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  4. 前記パラメータ管理手段は、
    パケット送信権獲得優先時間内におけるパケット送信権獲得優先度の分布関数として、パケット送信権獲得優先時間の中間時刻以降かつ終了時刻以前に、パケット送信権獲得優先度の最大値が存在する関数を用いることで、前記パラメータを管理する
    ことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  5. 前記パラメータ管理手段は、
    パケット送信権獲得優先時間内におけるパケット送信権獲得優先度の分布関数としてステップ関数を用いることで、前記パラメータを管理する
    ことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  6. 前記無線通信装置は、
    パケット送信権獲得優先時間における送信失敗履歴に基づく送信失敗確率、及び送信権獲得失敗履歴に基づく送信権獲得失敗確率のうち、少なくとも一方を管理し出力する失敗管理手段をさらに備え、
    前記パラメータ管理手段は、
    前記失敗管理手段により出力された送信失敗確率及び送信権獲得失敗確率の少なくとも一方が所定の閾値以上の場合、パケット送信権獲得優先時間内におけるパケット送信権獲得優先度の値、又は該値の分散値を増加させる
    ことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  7. 前記パラメータ管理手段は、
    初回の送信時のみならず、再送時においても、パケット送信権獲得優先時間内であれば、パケット送信権獲得優先時間における所定の分布関数に従ったコンテンション・ウィンドウ(Contention Window)を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  8. 前記パラメータ管理手段は、
    同じ無線LANエリア内に位置する複数の無線通信装置のうち他の無線通信装置による送信権獲得を阻害する程にチャネル占有時間が増大した無線通信装置についてのパケット送信権獲得優先時間が、前記複数の無線通信装置についてのパケット送信権獲得優先時間のうち、時間的に最後尾となるように、パケット送信権獲得優先時間を設定する
    ことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  9. 仮想キャリアセンスにより無線帯域割り当てを行うパケット伝送方式に基づくパケット送信を行うための無線通信方法であり、
    自己の所定の周期内において、同じ無線LANエリア内に位置する無線通信装置ごとに異なる分布をもって変化するパケット送信権獲得優先度に関するパラメータを、時刻に対応づけて保持したパラメータ保持手段を備えた無線通信装置、における無線通信方法であって、
    現在時刻を確認する時刻確認ステップと、
    現在時刻情報に対応したパケット送信権獲得優先度に関するパラメータを、前記パラメータ保持手段より読み出すパラメータ読出しステップと、
    読み出されたパラメータをもって、パケット送信権獲得優先度に関する現状のパラメータを動的に変更するパラメータ変更ステップと、
    を有する無線通信方法。
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