JP4173789B2 - ノード、これを用いた通信システムおよび通信方法 - Google Patents

ノード、これを用いた通信システムおよび通信方法 Download PDF

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Description

本発明は、ノード、これを用いた通信システムおよび通信方法に関するものである。
特に、この発明は、通信システムを構成する複数ノード間での通信における通信データの衝突回避技術に関するものである。通信システムとは、例えば、センサネットワーク、移動体通信網、あるいはLAN(Local Area Network)である。
空間に分散配置された複数のノードが、相互に無線でデータをやり取りするための通信方式として、例えば、下記非特許文献1に開示される以下の(a)、(b)の方式がある。ここでノードとは、計算および通信等の機能等を備えるデバイスであり、例えば移動通信端末、コンピュータ、PDA端末などの機器を含む。
(a)TDMA(Time Division Multiple Access)方式
これは、システムを集中管理するサーバ(以後「集中管理サーバ」という)が、各ノードに対して異なるタイムスロットを割り当て、時分割で発信を行わせる方式である。
(b)CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式
これは、集中管理サーバを用いない方式である。この方式では、各ノードが、それぞれ通信前に他のノードが発信していないことを確認して発信する。発信の際、衝突が発生したことを検知すると、ランダム時間後に再度発信を行う。
また、複数のノードが有線でデータ通信を行う方式としては、下記非特許文献1に開示される以下の(c)の方式が一般によく用いられる。この方式は、現在、広く普及しているLANシステムであるイーサネット(登録商標)に採用されている。
(c)CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)方式
この方式の原理は、上記(b)と同様である。上記(b)との違いは、有線ケーブルを用いた通信であるため、通信データの衝突をケーブル上の直流成分の増加によって容易に検出することができる点である。
ところで、上記の各方式には、以下のような問題点が存在する。
(a)TDMA(Time Division Multiple Access)方式
この方式においては、集中管理サーバが故障すると、その管理下にある全てのノードが通信不能になる。また、ノードの追加や削除、あるいは故障や移動等が発生した場合、集中管理サーバは状況変化を把握して、タイムスロットの再割り当てを行う必要がある。この処理は一般に複雑あるいは繁雑になる。特に、トラフィックを発生するノードが多い状況の下では、上記の状況変化に迅速に対応することが困難になる。
(b)CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式
この方式では、トラフィックを発生するノードが多くなるほど、通信データに含まれるオーバヘッドが大きくなる。このため、通信効率の低下が避けられない。
(c)CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)方式
この方式も、上記(b)と同様の問題点を有する。
「ワイヤレスLANアーキテクチャ」,松下温・中川正雄 編著,共立出版,1996年,p.47,p.53〜59およびp.69
本発明は、前記の問題点を解消しうるものである。本発明の目的は、集中管理サーバが不要となり、しかも、通信オーバヘッドを少なくしうるノード、通信システム、通信方法およびコンピュータプログラムを提供することである。
請求項1に記載した本発明のノードは、状態変数信号通信手段と、通信タイミング決定手段とを備える。前記状態変数信号通信手段は、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を前記他ノードから受け取る機能と、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードに周期的に発信する機能とを備える。前記通信タイミング決定手段は、前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成する機能と、前記自ノードにおける状態変数信号を前記状態変数信号通信手段に送る機能とを備える。
このノードでは、前記通信タイミング決定手段は、さらに次の機能を備えている:
(1)自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる基本速度を決定する機能;
(2)他ノードから受信した状態変数信号に応じて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、他ノードとは異なる位相関係とする機能;
(3)形成された前記位相関係に基づいて自ノードの状態変数信号を生成する機能。
請求項記載のノードは、状態変数信号通信手段と、通信タイミング決定手段とを備える。前記状態変数信号通信手段は、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を前記他ノードから受け取る機能と、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードに周期的に発信する機能とを備える。前記通信タイミング決定手段は、前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成する機能と、前記自ノードにおける状態変数信号を前記状態変数信号通信手段に送る機能とを備える。
このノードの前記通信タイミング決定手段は、状態変数信号生成手段を備えている。前記状態変数信号生成手段は、
前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる基本速度を定める機能と、
前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを異なる相にしようとする反発特性を有し、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる速度を、前記他ノードから受信した状態変数信号によって示される前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに応じて、前記基本速度に対して局所的に変化させる機能を有し、
前記基本速度に対する局所的な変化を反映させた前記動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を生成するものとなっている。
請求項記載のノードは、請求項1または2に記載のノードにおいて、さらに定常性判定手段を備えている。前記定常性判定手段は、自他のノードにおける状態変数信号間の関係が定常状態であるか過渡状態であるかを判定する機能を備えている。
請求項記載のノードは、請求項1〜のいずれか1項に記載のノードにおいて、さらにデータ通信手段を備えている。前記データ通信手段は、前記自ノードの状態変数信号に基づいて決定されたタイミングにおいて、前記自ノードから他ノードにデータ信号を発信するものとなっている。
請求項記載のノードは、請求項記載のノードにおいて、前記状態変数信号通信手段により発信される状態変数信号の到達範囲と、前記データ通信手段により発信されるデータ信号の到達範囲とが、それぞれ制御されている構成となっている。
請求項記載のノードは、請求項またはに記載のノードにおいて、自ノードの動作状態を、他ノードとは異なる位相関係とするに際して、自ノードにおける動作状態を、少なくとも一時的に、ランダムに変動させる構成となっている。
請求項記載のノードは、状態変数信号通信手段と、通信タイミング決定手段とを備えている。前記状態変数信号通信手段は、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を前記他ノードから受け取る機能と、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードに周期的に発信する機能とを備えている。前記通信タイミング決定手段は、前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成する機能と、前記自ノードにおける状態変数信号を前記状態変数信号通信手段に送る機能とを備えている。前記ノードは、さらにデータ通信手段を備えている。前記データ通信手段は、前記自ノードの状態変数信号に基づいて決定されたタイミングにおいて、前記自ノードから他ノードにデータ信号を発信するものである。
このノードにおける前記定常性判定手段、「自他の状態変数信号間における時間的な関係に関する安定性に基づいて、前記状態変数信号間の関係が定常状態であるか過渡状態であるかを判定する」構成となっている。
請求項記載のノードは、請求項1または2に記載のノードにおいて、さらに定常性判定手段とデータ通信手段とを備えている。前記定常性判定手段は、自他のノードにおける状態変数信号間の関係が定常状態であるか過渡状態であるかを判定する機能を備えている。前記データ通信手段は、前記自ノードの状態変数信号に基づいて決定されたタイミングにおいて、前記自ノードから他ノードにデータ信号を発信するものである。前記データ通信手段は、次の条件をいずれも満たす場合に、データ信号の発信を行う構成となっている:
(1)自他の状態変数信号間における関係が、前記定常性判定手段において定常状態と判定されたこと;
(2)前記状態変数信号により示される動作タイミングから算出されたタイムスロットの範囲内であること。
請求項記載のノードは、請求項またはに記載のノードにおいて、前記データ通信手段が、データを発信する優先度を計量化する機能を備えたものとなっている。
請求項10記載のノードは、請求項またはに記載のノードにおいて、前記通信タイミング決定手段が、「他ノードから受信した状態変数信号に基づいて、自ノードにおける前記基本速度を制御する機能をさらに備えた」ものとなっている。
請求項11記載のノードは、請求項またはに記載のノードにおいて、前記データ通信手段が、データを発信する優先度を計量化する機能を備えており、前記通信タイミング決定手段が、前記優先度に基づいて自ノードにおける基本速度を制御するものである構成となっている。
請求項12記載のノードは、請求項10または11に記載の基本速度の制御において、前記基本速度を、基準値の整数倍、あるいは整数倍の近傍の値とするものである。
請求項13記載のノードは、請求項11記載のノードにおいて、前記制御を、前記優先度が高いほど、自ノードにおける前記基本速度を高めるように行うものである。
請求項14記載のノードは、通信システムにおけるものであって、状態変数信号通信手段と、通信タイミング決定手段とを備える。前記状態変数信号通信手段は、他ノードの通信タイミングを示す状態変数信号を前記他ノードから受け取る機能と、自ノードの通信タイミングを示す状態変数信号を他ノードに発信する機能とを備える。前記通信タイミング決定手段は、複数の状態変数信号生成手段を備える。前記状態変数信号生成手段は、前記他ノードまたは他の状態変数信号生成手段からの前記状態変数信号に基づいて、自らの状態変数信号生成手段における前記状態変数信号を生成する機能と、自らの状態変数信号生成手段における前記状態変数信号を前記状態変数信号通信手段に送る機能とを備えている。さらに、前記通信タイミング決定手段は、「前記複数の状態変数信号生成手段のうち、動作させる状態変数信号生成手段の個数を制御する」ものとなっている。
請求項15記載のノードは、請求項14記載のノードにおいて、前記制御を、データを発信する優先度に基づいて行うものとしている。
請求項16記載のノードは、請求項15記載のノードにおいて、前記制御を、「前記優先度が高いほど、動作させる前記状態変数信号生成手段の個数を多くする」ものとしている。
請求項17記載のノードは、請求項14記載のノードにおいて、前記制御を、自ノードまたは他ノードの処理能力に基づいて行うものとしている。
請求項18記載のノードは、請求項または10に記載のノードにおいて、前記通信タイミング決定手段が、「自ノードまたは他ノードの処理能力に基づいて、自ノードにおける前記基本速度を制御する機能」をさらに備えたものとなっている。
請求項19記載のノードは、請求項14〜17のいずれか1項に記載のノードにおいて、前記複数の状態変数信号生成手段からの状態変数信号を、互いに分別可能な周波数帯域を用いて他ノードに発信する構成となっている。
請求項20記載のノードは、請求項14〜17のいずれか1項に記載のノードにおいて、さらにデータ通信手段を備えている。このデータ通信手段は、いずれかの前記状態変数信号生成手段からの状態変数信号に基づいて決定されたタイミングにおいて、自ノードから他ノードにデータ信号を発信するものである。かつ、前記データ通信手段は、前記複数の状態変数信号生成手段のうち、一部の状態変数信号生成手段からの状態変数信号に基づいて発せられるデータ信号を、他の状態変数信号生成手段からの状態変数信号に基づいて発せられるデータ信号とは分別可能な周波数帯域を用いて、他ノードに発信するものである。
請求項21記載の通信システムにおけるノードは、状態変数信号通信手段と、通信タイミング決定手段とを備えている。前記状態変数信号通信手段は、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を前記他ノードから受け取る機能と、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードに周期的に発信する機能とを備えている。前記他ノードに発信される前記状態変数信号は、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記自ノードに対して相互に反発するように遷移させるためのものである。前記通信タイミング決定手段は、前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする相互の反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成する機能と、前記自ノードにおける状態変数信号を前記状態変数信号通信手段に送る機能とを備えている。
請求項22に記載した本発明の通信システムは、前記した請求項1〜21のいずれか1項に記載のノードを複数備えている。
請求項23に記載の通信システムは、複数のノードを備えている。前記ノードは、状態変数信号通信手段と、通信タイミング決定手段とを備えている。前記状態変数信号通信手段は、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を前記他ノードから受け取る機能と、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードに周期的に発信する機能とを備えている。前記通信タイミング決定手段は、前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成する機能と、前記自ノードにおける状態変数信号を前記状態変数信号通信手段に送る機能とを備えている。さらに、前記複数のノードのそれぞれにおける前記通信タイミング決定手段は、他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする相互の反発特性に基づいて遷移させる構成となっている。これにより、この発明では、前記自ノードだけでなく、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングも、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする反発特性に基づいて遷移させられる構成となっている。
請求項24に記載した、本発明に係る、複数ノード間での通信方法は、以下のステップを周期的に行うものである:
(1)他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードから受け取るステップ;
(2)前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする相互の反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成するステップ;
(3)前記自ノードにおける前記状態変数信号を前記他ノードに発信するステップ
(4)前記他ノードに発信された前記状態変数信号に基づいて、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングも、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする相互の反発特性に基づいて遷移させられるステップ
請求項25記載の通信方法は、以下のステップを周期的に行う、複数ノード間での通信方法である:
(1)他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードから受け取るステップ;
(2)前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする相互の反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成するステップ;
(3)前記自ノードにおける前記状態変数信号を前記他ノードに発信するステップ。
ここで、前記ステップ(2)、以下のステップを備えたものとなっている:
2−1)自ノードにおける動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる基本速度を決定するステップ;
2−2)他ノードから受信した状態変数信号に応じて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、他ノードとは異なる位相関係とするステップ;
2−3)形成された前記位相関係に基づいて自ノードの状態変数信号を生成するステップ。
請求項26記載の通信方法は、以下のステップを周期的に行う、複数ノード間での通信方法である:
(1)他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードから受け取るステップ;
(2)前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする相互の反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成するステップ;
(3)前記自ノードにおける前記状態変数信号を前記他ノードに発信するステップ。
ここで、前記ステップ(2)、以下のステップを備えたものとなっている:
2−1)自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる基本速度を決定するステップ;
2−2)他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを異なる相にしようとする反発特性を有し、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる速度を、前記他ノードから受信した状態変数信号によって示される前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに応じて、前記基本速度に対して局所的に変化させるステップ;
2−3)前記基本速度に対する局所的な変化を反映させた前記動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を生成するステップ。
請求項27記載の通信方法は、請求項25または26に記載の方法においてさらに以下のステップを備えている:
(1)自他のノードにおける状態変数信号間の関係が定常状態であるか過渡状態であるかを判定するステップ。
請求項28記載の通信方法は、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法において、さらに以下のステップを備えている:
(1)前記自ノードの状態変数信号に基づいて決定されたタイミングにおいて、自ノードから他ノードにデータ信号を発信するステップ。
請求項29に記載した、本発明に係るコンピュータプログラムは、請求項24〜28のいずれか1項に記載のステップをコンピュータに実行させるものである。
本発明によれば、集中管理サーバが不要となり、しかも、通信オーバヘッドを少なくしうるノード、通信システム、通信方法およびコンピュータプログラムを提供することができる。
(第1実施形態の構成)
以下、本発明の第1実施形態に係るノードおよびこれを用いた通信システムについて、図1〜図5に基づいて説明する。
本発明の通信システムは、複数のノードA(図1参照)を備えている。この実施形態では、空間中に分散された多数のノードAが、相互に無線でデータをやり取りするシステムを想定して説明する。
各ノードAは、図2に示されるように、インパルス信号受信手段11と、通信タイミング計算手段12と、インパルス信号送信手段13と、同調判定手段14と、データ通信手段15と、センサ16とを主な要素として備えている。もちろん、各ノードAは、これらの手段を動作させるための電源(図示せず)を備えている。
インパルス信号受信手段11は、入力インパルス信号Sin11を入力として、受信インパルス信号Spr11を通信タイミング計算手段12および同調判定手段14に出力するものである。
通信タイミング計算手段12は、生成した位相信号Spr12をインパルス信号送信手段13,同調判定手段114およびデータ通信手段15にそれぞれ出力するものである。
インパルス信号送信手段13は、出力インパルス信号Sout11を外部(すなわち他ノード)に出力するものである。
同調判定手段14は、生成した同調判定信号Spr13およびスロット信号Spr14をデータ通信手段15に出力するものである。
センサ16は、その外部からの環境情報Sin13を入力として、観測データSpr15をデータ通信手段15に入力するものである。
データ通信手段15は、外部(すなわち他ノード)からの入力データ信号Sin12を入力として、出力データ信号Sout12を外部に出力するものである。
第1の実施形態は、本発明における各手段と以下のように対応している。
本発明における「状態変数信号通信手段」:インパルス信号受信手段11、インパルス信号送信手段13、
本発明における「通信タイミング決定手段」:通信タイミング計算手段12、インパルス信号送信手段13、
本発明における「定常性判定手段」:同調判定手段14、
本発明における「データ通信手段」:データ通信手段15、
本発明における「状態変数信号」:入力インパルス信号Sin11および出力インパルス信号Sout11、
本発明における「動作状態」:位相。
各手段の詳しい機能は、後述の動作の説明において説明する。
(第1実施形態の動作)
図3を参照しながら、本発明の第1実施形態の動作を詳細に説明する。
(ステップ3−1)
インパルス信号受信手段11は、近傍ノード(例えば、ノードの発信電波が届く範囲に存在する他のノード、または、通信可能状態にある他のノード)が発信した出力インパルス信号Sout11を入力インパルス信号Sin11として受信する。入力インパルス信号Sin11は、例えば、ガウス分布等のインパルス形状を有するタイミング信号(データをもたず、単にタイミングを伝達する信号)である。
(ステップ3−2)
インパルス信号受信手段11は、受信した信号を波形整形して受信インパルス信号Spr11を生成する。前記波形整形は、一般的なローパスフィルタを用いて雑音成分を除去することによって行うことができる。また、波形整形をするのではなく、入力インパルス信号Sin11を受信したタイミングに同期して、同一のインパルス形状を有するタイミング信号を再生成し、これを受信インパルス信号Spr11としてもよい。各ノード間でやり取りするインパルス信号の波形形状は、あらかじめ特定の関数に統一しておく。
(ステップ3−3)
通信タイミング計算手段12は、出力インパルス信号Sout11を発信するタイミングを決定するための計算を行う。この計算は、自ノードにおける状態変数信号の生成に対応する。
この発信タイミングを決定するための計算は、例えば、下記式(1)のような非線形振動をモデル化した式を用いて行うことができる。式(1)は、受信インパルス信号Spr11の入力に応じて、自己(例えばノードiとする)の非線形振動のリズムを変化させる規則を表している。ここで、受信インパルス信号Spr11は、近傍ノードが発信した出力インパルス信号Sout11に対応する。
式(1)において、関数θ(t)は、自己の非線形振動に対する位相を表す。また、ωは、固有角振動数パラメータであり、各ノードが備える基本的なリズム(「自己の動作状態を遷移させる基本速度」に対応する)を表す。ここでは、一例として、ωの値をあらかじめシステム全体で同一の値に統一しておくものと仮定する。また、関数P(t)は、近傍ノードk(ただしkは1〜Nまでとする)から受信した受信インパルス信号Spr11を表す。ここでNは、自己が受信インパルス信号Spr11を受信可能な空間的距離範囲に存在する近傍ノードの総数を表している。関数R(θ(t),σ(t))は、受信インパルス信号Spr11の入力に応じて自己の基本的なリズムを変化させる応答特性を表現する位相応答関数である。
Figure 0004173789
従来、上記のような非線形振動の計算を行う複数のノードが相互作用する系(結合振動子系)を扱う技術では、例えば、特開2002-359551号公報に開示されるように、近傍のノード同士が同相(振動の位相が一致する)になろうとする非線形特性を実現することによって所定の効果を達成する発明が多くなされてきた。
それに対して、本実施形態は、近傍のノード同士が逆相(振動の位相が反転位相の関係)になろうとする非線形特性を実現し、その特性を用いて衝突回避を行うものである。すなわち、本実施形態によれば、近傍のノード間における出力インパルス信号Sout11の発信タイミングが衝突しないような、適当な時間関係(時間差)が形成される。
そのため、本実施形態では、位相応答関数R(θ(t),σ(t))として、式(1)に示す関数を用いている。式(1)において、関数σ(t)を表現する定数項π[rad]は、近傍のノード同士が逆相になろうとする非線形特性の働きをし、関数φ(t)は、その非線形特性にランダムな変動性を与える働きをする。関数φ(t)は、例えば、平均値が0のガウス分布等の確率分布に従ってノイズ(乱数値)を発生する関数である。ノイズの取り得る値の範囲は実験的に決定する。
ここで、上記非線形特性にランダムな変動性を与えているのは、システムが目的とする安定状態、すなわち、近傍ノード間において、それぞれの出力インパルス信号Sout11の発信タイミングが適当な時間関係を形成する状態(最適解)に到達せず、別の安定状態(局所解)に陥ってしまう現象に対処するためである。一般に、上記のようなシステムでは、最適解以外にも複数の安定状態(局所解)が存在する。システムが局所解に陥るのを防ぎ、最適解に到達させる手段として、ここではランダムな変動性を導入している。
上記の式(1)では、位相応答関数R(θ(t),σ(t))の最も簡単な例としてsin関数を用いる形態を示したが、位相応答関数は他の種々の関数を用いて構成可能であることに注意されたい。また、関数σ(t)を表現する定数項π[rad]は、π以外の定数λ[rad](0<λ<2π)を用いても動作させることが可能である。ここで、λ≠0(0はπの偶数倍である場合を含む)であることに注意されたい。π[rad]以外の定数を用いた場合、近傍のノード同士が逆相ではなく、異なる位相になろうとする非線形特性の働きが得られる。
さらに、式(1)では、複数の近傍ノードkから受信した受信インパルス信号Spr11、すなわちP(t)に対する総和を取っているが、総和を取らない形態(すなわち、式(1)のΣを除いた式)でも動作させることができる。
式(1)で示した計算を行う手段は、例えば、「UNIXワークステーションによる科学技術計算ハンドブック―基礎篇C言語版」(戸川隼人著,サイエンス社)に開示されるルンゲクッタ法等の一般的な数値計算法を用いて、コンピュータソフトウエアによりノード上で実装可能である。また、式(1)と同様の動作をする電子回路を構成すれば、ハードウエアとしてノード上に実装することも可能である。
通信タイミング計算手段12は、上記の方法で計算される非線形振動の位相θ(t)(つまり動作状態)を位相信号Spr12として、インパルス信号送信手段13、同調判定手段14およびデータ通信手段15にそれぞれ出力する。なお、本発明において状態変数信号とは、ノードの動作状態あるいは動作タイミングを直接または間接に示す信号を指す。状態変数信号は、位相信号やそれに基づく出力インパルス信号,あるいは入力インパルス信号に限らず、ノードの動作状態の遷移を表現する変数の振る舞いを示す信号一般を意味することに注意されたい。例えば、位相信号ではなく非線形振動の変位を表す変数を状態変数信号とすることも可能である。また、前記変位の特定の状態を表現するインパルス信号を状態変数信号とすることも可能である。さらに、一見無秩序な振動に見えるカオス振動を表現する状態変数(例えば、変位や変量など)を状態変数信号とすることも可能である。状態変数信号は、ノードの動作状態あるいは動作タイミングを表す変数の振る舞いを示す信号という以外は特に制約はなく、種々の状態変数を適用することが可能である。
以上の計算動作を、図4および図5によりさらに詳しく説明する。図4および図5は、ある1つのノードAに着目したときに、着目ノード(自ノード)と近傍ノード(他ノード)との間に形成される関係(すなわち、それぞれの非線形振動リズム間の位相関係)が時間的に変化していく様子を示している。
図4は、着目ノードiに対して近傍ノードjが1個存在する場合である。図4において、左端の図(a)は、システムが動作を開始したときの初期状態の例を表す。ここで、円上を回転する2つの質点の運動は、着目ノードと近傍ノードに対応する非線形振動リズムを表している。質点の回転運動を縦軸あるいは横軸に射影した点の運動が非線形振動リズムに対応する。式(1)に基づく動作により、2つの質点には、相互に逆相になろうとする非線形特性が働き、時間経過とともに左端の図(a)の状態(初期状態)は、中央の図(b)の状態(過渡状態)を経て、右端の図(c)の状態(定常状態)に変化していく。
2つの質点は、それぞれ固有角振動数パラメータωを基本的な角速度(自己の動作状態を遷移させる基本速度に相当)とする回転をしている。ここに、出力インパルス信号Sout11の送受信に基づく相互作用が生じると、これらの質点は、それぞれ角速度を変化(緩急)させ、結果的に、適当な位相関係を維持する定常状態に到達する。この動作は、直観的には、2つの質点が回転しながら相互に反発しあうことによって、安定な位相関係を形成するものと理解することができる。こうした位相関係が形成されている状態では、後述するように、それぞれのノードが特定の位相状態(例えば、位相0の状態)のときに出力インパルス信号Sout11を発信すると仮定すると、お互いのノードにおける発信タイミングは、適当な時間関係を形成していることになる。
また、図5は、着目ノードiに対して2個の近傍ノードj1,j2が存在する場合を表している。近傍ノードが2個存在する場合においても、前記と同様に、それぞれの質点が回転しながら相互に反発しあうことによって、安定な位相関係(時間的な関係に関する安定性)を形成する。ただし、図4および図5で示した定常状態における位相関係は、あくまで一例であることに注意されたい。近傍ノード数が3個以上の場合についても同様の動作をする。
上述の安定な位相関係(定常状態)の形成は、近傍ノード数の変化に対して非常に適応的(柔軟)な性質を持つ。例えば、今、着目ノードに対して近傍ノードが1個存在し、安定な位相関係(定常状態)が形成されている場合を想定する。そこに新たに近傍ノードが1個付加されたとする。前記の定常状態は一旦崩壊し、過渡状態を経た後、近傍ノードが2個の場合における新たな定常状態を再形成する。これは、付加される近傍ノード数にかかわらず実現することができる。また、近傍ノードが削除された場合や、故障等により機能しなくなった場合においても、同様に適応的な動作をする。本実施形態では、システムを構成するすべてのノードが、それぞれ上述のように、近傍ノードとの間で安定な位相関係を自律的かつ適応的(柔軟)に形成することができる。
以上、説明した動作を一般化すると、次のように表現することができる。本発明の実施形態では位相信号Spr12が、ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号である。また、式(1)は、ある規則にしたがって動作状態が遷移する機構や現象をモデル化した状態変数信号生成規則を式として表したものである。
この状態変数信号生成規則は、次の二つの規則を備える。
一つ目の規則は、自己の動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる基本速度を決定する規則である。上記の説明では、基本速度は固有角振動数パラメータωに対応する。
二つ目の規則は、近傍ノードから受信した状態変数信号に応じて、自己の動作状態を遷移させる速度を、上述の基本速度に対して局所的に変化させる規則である。すなわち、近傍ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して自己の動作状態あるいは動作タイミングを異なる相、望ましくは逆相にしようとする反発特性を有し、自己のノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる速度を、近傍ノードから受信した状態変数信号によって示される近傍ノードの動作状態あるいは動作タイミングに応じて、基本速度に対して局所的に変化させる規則である。
上記の二つの規則に基づいて、状態変数信号生成手段は自己の動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる速度を、基本速度に対して局所的に変化させる。そして、この基本速度に対する局所的な変化を反映させた動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を生成し、生成された状態変数信号は他のノードに対して発信される。各ノードが上述の動作を相互に行うことにより、自他の状態変数信号間に動作状態の異なる定常的な関係を形成する。この様にして形成された関係に基づいて通信タイミングを決定する。
なお、状態変数信号生成規則は、上記機構や現象を厳密にモデル化したものである必要はなく、簡単化や抽象化あるいは擬似化を施したモデルを採用することも可能である。
また、上記の説明では、一例として、固有角振動数パラメータωは、システム全体で同一の値に統一すると仮定した。しかし、本実施形態では、各ノードがそれぞれ独立にωの値を決定しても構わない。例えば、各ノードが設置された空間的な位置によって異なる値を取るように決定することも可能である。また、ωの値が時間的に変化する形態、すなわち時間の関数となる形態であっても構わない。本実施形態においては、例えば、各ノードのωの値が、基準値を中心にその近傍でガウス分布等の確率分布に従って小さくばらついていても動作させることができる。また、各ノードのωの値が、相互に整数比の関係,あるいは整数比の近傍の値を取る関係であっても動作させることができる。
また、ステップ3−1が実行されていなくとも、ステップ3−3以降の手順は実行されることに注意されたい。出力インパルス信号Sout11が近傍ノードから発信されていないときは、入力インパルス信号Sin11も存在しない。このような場合においてもステップ3−3の動作は実行され、位相信号Spr12を生成する。ステップ3−3は、ステップ3−1の実行を待って動作するのではなく、ステップ3−3が動作している状態に対して、ステップ3−1の動作が入力として影響を与えるのである。仮に、入力インパルス信号Sin11が存在しない場合であってもステップ3−3の動作は実行され、以降のステップの動作も同様に実行される。
(ステップ3−4)
インパルス信号送信手段3は、位相信号Spr12に基づいて出力インパルス信号Sout11を発信する。すなわち、位相信号Spr12が特定の値
θ(t)=α (0≦α<2π)
になると、出力インパルス信号P(t)を発信する。ここで、出力インパルス信号P(t)は、前記入力インパルス信号Sin11と同様に、例えば、ガウス分布等のインパルス波形の形状を有するタイミング信号である。特定の値αは、あらかじめシステム全体で統一しておく。また、特定の値αは、α=0と仮定しても一般性を失わないため、以後の説明では、α=0にシステム全体で統一されていると仮定する。
(ステップ3−5)
同調判定手段14は、近傍ノード間で行われる出力インパルス信号Sout11の発信タイミングの相互調整が、「過渡状態」あるいは「定常状態」のいずれの状態にあるかを判定する。ここで、「定常状態」とは、自ノードと近傍ノード(他ノード)との間における出力インパルス信号Sout11の発信タイミングが衝突せず、適当な時間関係を形成して安定化している状態を指す。同調判定手段14は、受信インパルス信号Spr11および出力インパルス信号Sout11の発生タイミングを観測し、隣接する発生タイミング間の時間差が時間的に安定している場合に「定常状態」であると判定する。つまり、同調判定手段14は、自他の状態変数信号間における安定性に基づいて、状態変数信号間の関係が定常状態であるか過渡状態であるかを判定する。
例えば、以下のようにして同調判定を行うことができる。
(a)受信インパルス信号Spr11の発生タイミングにおける位相信号Spr12の値βを、位相信号Spr12の1周期にわたって観測する。上記の観測を行った結果得られる位相信号Spr12の値βをそれぞれ
β,β,・・・,βN (0<β<β<・・・<βN<2π)
とする。
(b)観測された位相信号Spr12の値βに基づいて、隣接値間の差(位相差)Δを算出する。
Δ=β,Δ=β―β,・・・,ΔN=βN―βN-1
(c)上記(a)および(b)の処理を位相信号Spr12の周期単位に行い、隣接周期間における位相差Δの変化率(差分)γを算出する。
γ=Δ(τ+1)−Δ(τ),γ=Δ(τ+1)−Δ(τ),・・・,
γN=ΔN(τ+1)−ΔN(τ)
ここで、τは、位相信号Spr12の1周期を単位とする離散時間を示す。
上記の変化率γがいずれも微小パラメータεよりも小さい場合に「定常状態」であると判定する。
γ<ε,γ<ε,・・・,γN<ε
上記の例では、2周期間における位相差Δの変化率γに基づいて「定常状態」の判定を行っている。しかし、判定条件
γ<ε,γ<ε,・・・,γN<ε
がM周期(M:自然数)にわたって満足されるか否かによって、定常状態の判定をすることも可能である。Mの値を大きくするほど、より安定性の高い状態で「定常状態」と判定されることになる。
また、上記の例では、位相信号Spr12の各周期に受信されるすべての受信インパルス信号Spr11に基づいて「定常状態」の判定を行っているが、一部の受信インパルス信号Spr11に基づいて判定を行っても構わない。
同調判定手段14は、判定結果を示す同調判定信号Spr13と、受信インパルス信号Spr11の発生タイミングにおける位相信号Spr12の値βの最小値β(βをスロット信号Spr14とする)とをデータ通信手段15に出力する。この同調判定信号Spr13およびスロット信号Spr14の出力は、位相信号Spr12の周期単位に行う。
(ステップ3−6)
センサ16は、例えば、音や振動の強度,あるいは化学物質の濃度や温度など、物理的な環境の情報である環境情報Sin13をセンシングして、観測されたデータを観測データSpr15としてデータ通信手段15に出力する。
また、データ通信手段15は、近傍ノードが発信した出力データ信号Sout12を入力データ信号Sin12として受信する。
(ステップ3−7)
データ通信手段15は、観測データSpr15または入力データ信号Sin12(両方の場合を含む)を出力データ信号Sout12として他ノードに発信する。出力データ信号Sout12の発信は、同調判定信号Spr13が示す判定結果が「定常状態」である場合に、以下に示すタイムスロット(時間区間)を用いて行う。ただし、前記判定結果が「過渡状態」である場合は、発信しない。また、出力データ信号Sout12の発信は、出力インパルス信号Sout11の発信と同一周波数帯域を使用すると仮定する。
タイムスロットの開始タイミングは、出力インパルス信号Sout11の発信に後続するタイミングとし、終了タイミングは、最近接の受信インパルス信号Spr11の発生に先行するタイミングとする。これは、例えば、位相信号Spr12で示される位相θ(t)が次の条件式を満足するタイムスロット内で発信を行うことにより実現できる。
δ<θ(t)<β―δ
ここで、δは、「出力インパルス信号Sout11の発信に要する時間幅に対応する位相信号Spr12の位相幅」を示すパラメータである。また、δは、「後続する最近接の受信インパルス信号Spr11が発生するタイミング(対応する位相信号Spr12の値β)に先行して、出力データ信号Sout12の発信を終了させる時間幅」に対応する位相幅を示すパラメータである。δおよびδは、いずれも実験的に決定されるパラメータである。上記のタイムスロットを用いて周期的に発信を行うことによって、一連のデータ通信が可能になる。
各ノードが上記のタイムスロットにしたがって発信を行うことにより、近傍のノード同士が時分割でデータ通信を行うことが可能になり、通信データの衝突を回避することができる。
以上説明した出力データ信号Sout12についての発信電波強度(信号到達範囲)D12は、出力インパルス信号Sout11の発信電波強度(信号到達範囲)D11と独立に制御する。例えば、前記強度D11を前記強度D12の2倍に設定する。両者の関係は、予め固定の値に設定しておいてもよいし、適応的に変動させても良い。このような制御を可能にすることにより、近傍ノード間において、出力インパルス信号Sout11の発信タイミングが適当な時間関係を形成する状態(最適解)に、安定に到達することができる。その結果、ノード間における時分割によるデータ通信を安定に実現することが可能になる。前記強度D11と前記強度D12との関係は、例えば、システムに応じて実験的に決定される。
(第1実施形態の利点)
従来のTDMA(Time Division Multiple Access)方式では、集中管理サーバが一元的にタイムスロットの割り当てを行っていた。それに対して本実施形態では、集中管理サーバは存在せず、各ノードが近傍ノードと相互作用することによって、自律分散的にタイムスロットの割り当てを決定する。すなわち、個々のノードがタイムスロットの割り当てを自律的に相互調整する。したがって、本実施形態では、集中管理サーバを用いる必要がないので、集中管理サーバの故障により、その管理下にある全てのノードが通信不能になるといった問題を防止することができる。
また、本実施形態では、システムの一部にノードの追加や削除,あるいは故障や移動等の変化が発生した場合においても、その変化に関連するノード群が自律的かつ適応的にタイムスロットの再割り当てを行うことが可能である。また、逆に、その変化に関連しないノード群は、タイムスロットを変更することなく、データ通信をそのまま継続して行うことができる。
さらに、上記のタイムスロットの自律的な相互調整は、近傍ノード間で行われるため、発信電波の到達距離を越えて相互に影響が生じないノード間においては、同時にデータを発信することが可能である。すなわち、本実施形態では、システムのいたるところで時間的に重複してデータの発信が行われるが、電波干渉の生じる可能性がある任意の近傍ノード間においては、タイムスロットの割り当てを自律的に相互調整することによって、発信データの衝突を回避する動作が実現される。これと同様の動作を、集中管理サーバの管理に基づく方式で実現しようとすると、集中管理サーバは、すべてのノードの空間的な位置関係や発信電波の到達距離を常に把握している必要がある。しかし、これは、ノードの追加や移動等の変化がしばしば生じる状況下では、一般にオーバヘッドが大きくなり、複雑あるいは繁雑な処理を行わなければならないという問題が発生する。
それに対して、本実施形態では、集中管理サーバによる複雑あるいは繁雑な処理を行う必要がなく、システムの構成や配置の変化に対して適応性のあるデータ通信を効率的に行うことが可能である。また、トラフィックを発生するノードが多くなっても、オーバヘッドが大きくなることはなく、通信効率は低下しない。したがって、従来のCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式に比較して、通信効率の安定性が高く、適応性と安定性を兼ね備えたデータ通信を実現することが可能になる。
さらに、本実施形態においては、例えば、トラフィックを発生するノードだけが出力インパルス信号Sout11の発信を行う(近傍ノードと相互作用する)動作形態を取ることも可能である。この場合、時間と共にトラフィックを発生するノードが変化しても、その都度、タイムスロットを有効に再割り当てすることでき、トラフィックを発生しているノード群による効率的なデータ通信を実現することが可能である。
なお、本実施形態では、センサ16は必須ではなく、各ノードが相互に通信するデータは、特にセンサによって観測されたデータである必要はない。通信データの種類や内容に特別な制約はない。
(第2実施形態の構成)
つぎに、本発明の第2実施形態に係るノードを図6に基づいて説明する。本実施形態の説明においては、第1実施形態と共通する要素については同一符号を付することにより説明を簡略化する。
第2実施形態のノードは、第1実施形態のノードに対して、休止制御手段10を付加した構成になっている。休止制御手段10は、休止信号Spr10を、他の全ての手段、すなわち、インパルス信号受信手段11,通信タイミング計算手段12,インパルス信号送信手段13,同調判定手段14,データ通信手段15,センサ16にそれぞれ出力するように構成されている。
(第2実施形態の動作)
以下、第2実施形態における動作を説明する。以下では、第1実施形態と異なる動作について説明する。
休止制御手段10は、ノードにおける各手段の動作を周期的にON/OFFする。このON/OFFの周期は、例えば、ON時間:OFF時間=a:b(a,bは自然数)のように固定比(一定)とする。各ノードにおける各手段は、各ノード間において非同期(ランダムなタイミング)で、動作のON/OFF周期を実行する。すなわち、休止制御手段10は、他の全ての手段(インパルス信号受信手段11,通信タイミング計算手段12,インパルス信号送信手段13,同調判定手段14,データ通信手段15,センサ16)に対して、ONあるいはOFFのいずれの状態であるかを示す休止信号Spr10を出力する。休止制御手段10以外の各手段は、休止信号Spr10がONの場合のみ、それぞれの動作を実行する。
休止制御手段10の導入により、各ノードは非同期で活動/休止(電源ON/OFF)の動作を繰り返すようになる。これにより、システムに活動/休止サイクルによるランダム性が導入される。第1実施形態では、システムが局所解に陥るのを防ぎ、最適解に到達させる手段として、ランダムな変動性を与える関数φ(t)を式(1)に導入した。第2実施形態では、活動/休止サイクルによるランダム性が存在するため、式(1)における関数φ(t)は必ずしも必要ない。したがって、式(1)を次のように簡略化することができる。
Figure 0004173789
(第2実施形態の利点)
第1実施形態は、システムを構成するすべてのノードが常に活動する動作形態であった。それに対して、第2実施形態では、各ノードが活動/休止(電源ON/OFF)サイクルに基づいて動作する。したがって、各ノードが電池で駆動される場合、システムの稼動時間に対する電池の電力消費量を低減することが可能になり、その結果、システムを長寿命化することが可能になる。さらに、第1実施形態で説明した利点と同様の利点も得ることができる。
(第3実施形態の構成)
つぎに、本発明の第3実施形態を図7および図8に基づいて説明する。第3実施形態のノードは、データパルス信号受信手段31と、通信タイミング計算手段32と、同調判定手段33と、データパルス信号送信手段34と、センサ35とを主な構成要素として備えている(図7参照)。
データパルス信号受信手段31は、入力データパルス信号Sin31を入力として、受信インパルス信号Spr31を通信タイミング計算手段32および同調判定手段33に出力し、さらに、受信データ信号Spr32をデータパルス信号送信手段34に出力するものである。通信タイミング計算手段32は、位相信号Spr33を、同調判定手段33およびデータパルス信号送信手段34に出力するものである。同調判定手段33は、同調判定信号Spr34をデータパルス信号送信手段34に出力するものである。センサ35は、環境情報Sin32を入力として、観測データSpr35をデータパルス信号送信手段34に出力するものである。データパルス信号送信手段34は、出力データパルス信号Sout31を外部に出力するものである。
本発明の手段と第3実施形態との対応は以下の通りである。
本発明の状態変数信号通信手段:インパルス信号受信手段31、
本発明の通信タイミング決定手段:通信タイミング計算手段32、
本発明の定常性判定手段:同調判定手段33、
本発明の状態変数信号通信手段・データ通信手段・通信タイミング決定手段:データパルス信号送信手段34。
(第3実施形態の動作)
図8を参照しながら、第3実施形態の動作を説明する。以下では、第1実施形態と異なる動作を主に説明し、同様の動作については、説明を省略する。
(ステップ8−1)
まず、データパルス信号受信手段31は、近傍ノード(例えば、ノードの発信電波が届く範囲に存在する他のノード)が発信した出力データパルス信号Sout31を入力データパルス信号Sin31として受信する。入力データパルス信号Sin11は、例えば、ガウス分布等のインパルス形状を有するインパルス信号を、送信データによって変調した信号である。
本明細書では、インパルス信号とは、デルタ関数状の信号のみならず、ある程度のパルス幅を有する信号を含む意味である。よって、インパルス信号として、パルス幅のあるものを用いれば、送信データによりインパルス信号を変調することができる。なお、インパルス信号の信号波形は任意であるが、例えばガウス分布状や方形波状や三角波状である。
(ステップ8−2)
データパルス信号受信手段31は、受信した入力データパルス信号Sin31を復調して、上記のインパルス信号と送信データとに分離する。分離されたインパルス信号は、受信インパルス信号Spr31として通信タイミング計算手段32および同調判定手段33に出力される。一方、送信データは、受信データ信号Spr32としてデータパルス信号送信手段34に出力される。
(ステップ8−3)
通信タイミング計算手段32は、第1実施形態の通信タイミング計算手段12と同一の動作により、通信タイミングを計算する。計算手法は、第1実施形態と同様なので、説明を省略する。
(ステップ8−4)
同調判定手段33は、第1実施形態の同調判定手段14と同一の動作により、同調判定を行う。ただし、第1実施形態で説明したスロット信号Spr14の出力は行わない。
また、センサ35は、第1実施形態で説明したセンサ16と同一の動作をする。
(ステップ8−5)
データパルス信号送信手段34は、位相信号Spr33に基づいて、出力データパルス信号Sout31を発信する。すなわち、位相信号Spr33が特定の値
θ(t)=α (0≦α<2π)
になると、出力データパルス信号Sout31を発信する。
ここで、出力データパルス信号Sout31は、観測データSpr36,あるいは受信データ信号Sin32(両方の場合を含む)によってインパルス信号を変調した信号である。このインパルス信号は、例えば、ガウス分布等のインパルス波形の形状を有する信号であり、その波形形状は、あらかじめシステム全体で統一しておく。
また、上記のインパルス信号の変調は、同調判定信号Spr34が示す判定結果が「定常状態」である場合のみ行う。したがって、同調判定信号Spr34が「過渡状態」を示す場合は、単にタイミングを伝達する信号としてインパルス信号が発信される。一方、「定常状態」になると、観測データSpr36あるいは受信データ信号Sin32を重畳したインパルス信号が発信される。
(第3実施形態の利点)
第1実施形態では、近傍ノードと相互作用するための出力インパルス信号Sout11の発信と、データ通信を行うため出力データ信号Sout12の発信とを、時間を分割して別々に行った。それに対して、第3実施形態では、インパルス信号にデータ信号を重畳させて通信を行う。したがって、相互作用する近傍ノードの個数が非常に多く、各ノードに割り当てられるタイムスロットの幅が極めて小さい場合においても、インパルス信号が衝突しない状態さえ形成されていればよいため、比較的安定にデータ通信を行うことが可能である。
また、第3実施形態では、第1実施形態と同様に、システムの一部にノードの追加や削除,あるいは故障や移動等の変化が発生した場合においても、柔軟性のあるデータ通信を効率的に実現することが可能である。
(第4実施形態の構成)
つぎに、本発明の第4実施形態を、第1実施形態についての図2を参照しながら説明する。第4実施形態では、第1実施形態とは異なり、インパルス信号送信手段13とデータ通信手段15とが、異なる周波数帯域を使用する。このため、各ノードは、それぞれの手段を実現するために用いる無線通信装置を別々に用意する必要がある。つまり、周波数帯域別に異なる無線通信手段が必要になる。第4実施形態におけるこれ以外の構成は、第1実施形態と同様である。
(第4実施形態の動作)
第4実施形態における動作を説明する。以下では、第1実施形態と異なる動作について説明する。
第1実施形態では、出力インパルス信号Sout11と出力データ信号Sout12は、同一周波数帯域を使用した。それに対して、第4実施形態では、これらの2つの信号を、異なる周波数帯域を使用して発信する。したがって、出力インパルス信号Sout11と出力データ信号Sout12とを時間的に分割して発信する必要がない。このため、データ通信手段15において出力データ信号Sout12の発信に用いるタイムスロットを、以下のように変更することができる。
タイムスロットの開始タイミングは、出力インパルス信号Sout11の発信タイミングと同時とし、終了タイミングは、最近接の受信インパルス信号Spr11の発生に先行するタイミングとする。これは、例えば、位相信号Spr12が次の条件式を満足するタイムスロット内で発信を行うことにより実現できる。
0<θ(t)<β―δ
ここで用いた記号の意味は、第1実施形態の説明で用いた意味とすべて同一である。また、第1実施形態と同様に、出力インパルス信号Sout11の発信タイミングは、位相信号Spr12がθ(t)=0のときであると仮定する。
(第4実施形態の利点)
第4実施形態では、出力インパルス信号Sout11と出力データ信号Sout12を時間的に重複して発信することができる。したがって、出力データ信号Sout12の発信にタイムスロットの幅を最大限に使用することが可能になる。これにより、相互作用する近傍ノードの個数が多く、各ノードに割り当てられるタイムスロットの幅が小さい場合においても、安定にデータ通信を行うことが可能になる。さらに、第1実施形態で説明した効果と同様の効果も得ることができる。
(第5の実施形態の構成)
つぎに、本発明の第5実施実施形態を、第1実施形態についての図2を参照しながら説明する。第5実施実施形態は、以下の2点において第1実施形態と構成上異なっており、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。
(a)データ通信手段15に、データを発信する優先度(必要度や活性度、あるいは緊急度等をいう)を計量化する機構(機能)を備えること。
(b)通信タイミング計算手段12に、上記計量結果に基づいて、自ノードにおける固有角振動数パラメータω(基本速度)の値を動的に制御する機構(機能)を備えること。
(第5実施形態の動作)
第5実施形態では、データ通信手段15および通信タイミング計算手段12での通信タイミング計算(図3のステップ3−3)に対して、第1実施形態で説明した動作の他に、次の動作が付加される。第5実施形態における他の各手段の動作は、第1実施形態と同様である。
データ通信手段15では、データを発信する優先度を計量化する。計量化された優先度は、通信タイミング計算手段12に送られる。優先度のうち、必要度や活性度等は、例えば、センサ16によって観測されたデータや人為的に外部入力されたデータ、あるいは近傍ノードから受信したデータなど、その都度、ノードが発信すべきデータ量に基づいて計量化することができる。
一方、発信すべきデータの種類や内容、あるいは属性等によって、発信の緊急度は一般に異なる。緊急度が高いデータは、最優先でデータ通信が行われることが望ましい。
したがって、データを発信する優先度は、緊急度を考慮した評価尺度にする必要がある。そこで、各データに対する発信の緊急度と発信すべきデータ量等とに基づく優先度の評価尺度を用途に応じて定義する。例えば、次のような定義を用いて計量化する。
今、種類が異なる複数のデータを発信すべき状態にある場合を想定する。各データに対する発信の緊急度は、データの種類によって規定されるように、あらかじめ規則を設定しておく。各データのデータ量に関して、発信の緊急度を重み係数とする加重和を取り、得られる値を発信の優先度とする。
通信タイミング計算手段12には、優先度に基づいて固有角振動数パラメータω(基本速度)の値を動的に制御する。以下にωの値を制御する規則の例を示す。
(a)ωの取り得る値は、基準値の整数倍、あるいはその近傍の値とする。ここで基準値とは、あらかじめ設計者あるいはユーザが決定するωの最小値である。基準値は用途等に応じて実験的に決定するパラメータである。
(b)優先度が大きくなるほど、ωの値が大きくなるように制御する。
したがって、例えば、優先度が連続量の場合は、優先度の増加に対して、ωの値が階段状に増大する規則になる。各ノードの優先度は時間的に変化し得るので、ωは時間の関数となる。また、ωの値を制御する規則は、システム全体であらかじめ統一しておく。
上記の制御規則を用いると、各ノードのωの値は、相互に整数比の関係,あるいは整数比の近傍の値を取る関係になる。この場合においても、第1実施形態における通信タイミング計算手段12と同様の動作により、近傍ノード間において、それぞれの出力インパルス信号Sout11の発信タイミングが適当な時間関係を形成する状態(定常状態)に到達させることができる。
ただし、第5実施形態によれば、第1実施形態と異なり、ωの値が大きいノードほど、データ通信に用いるタイムスロットを相対的に多い割合で獲得する形態が実現可能になる。すなわち、第5実施形態では、近傍ノード間において、優先度が大きいノードほど、タイムスロットを相対的に多い割合で獲得する形態が実現される。
第5実施形態では、優先度に基づいてωの値を制御する方法について説明したが、本実施形態においては、より一般に所定の情報に基づいて、ωの値(すなわち、自己の動作状態を遷移させる基本速度)を制御することが可能である。例えば、個々のノードが備える計算機能等の処理能力の違いに応じてωの値を決定することが可能である。この場合は、ωの値は固定的であるが、近傍ノード間において処理能力の高いノードほど、データ通信に用いるタイムスロットを相対的に多い割合で獲得する形態が実現可能である。さらに、優先度やノードの処理能力等の複数要因を考慮してωの値を動的に制御することも可能である。
(第5実施形態の利点)
第5の実施例によれば、所定の情報に基づいて、出力データ信号Sout12の発信に用いるタイムスロットを、近傍ノード間において相対的に不均一な割合で分割することが可能になる。つまり、ある時間間隔において、あるノードには多くのスロット、他のノードには少ないスロットを割り当てることができる。
したがって、この実施形態によれば、個々のノード特性やネットワークの状況情報など、種々の要因に基づいて、それぞれのノードがデータの発信を行う割合を、自律的に相互調整することが可能になる。
例えば、この実施形態では、上述したように、近傍ノード間における優先度の相互関係に応じて、不均一な割合で各ノードがタイムスロットを獲得する形態を実現することが可能になる。つまり、優先度が高いノードほど、相対的に多い割合で発信する機会を得る形態が実現される。
優先度は、データの種類や内容による発信の緊急度を反映した評価尺度であるため、ノード群によるデータ通信において、緊急度が高いデータを優先的かつ効率的に伝送することが可能になる。これは、ノード群によるネットワークにおいて、種類の異なるデータが複数存在し、多くのトラフィックを発生している場合、極めて重要な性質である。ネットワークが混雑している状況であっても、緊急度が高いデータを、優先的かつ効率的に伝送することによって、通信ネットワークとしての利用価値を高めることができる。
(第6実施形態の構成)
本発明の第6実施形態におけるノードを、第1実施形態についての図2を参照しながら説明する。第6実施形態は、以下の点において第1実施形態と構成上相違する。
すなわち、第1実施形態では、通信タイミング計算手段12において、式(1)のような非線形振動をモデル化した方程式を用いて、出力インパルス信号Sout11を発信するタイミングを決定するための計算を行う手段(以後「状態変数信号生成手段」という)を単数備えていた。それに対して、第6実施形態では、この状態変数信号生成手段を複数備える。図9には、一例として、4つの状態変数信号生成手段a1〜a4を模式的に示した。なお、この図においては、インパルス信号送信手段13および同調判定手段14およびデータ通信手段15を一つの機能ブロックで示している。後述する(変形例の説明)で示されるように、状態変数信号生成手段の実現形態は、第1実施形態に示した式(1)を用いる形態だけでなく、種々の変形形態が存在することに注意されたい。
通信タイミング計算手段12に入力される受信インパルス信号Spr11は、複数の状態変数信号生成手段a1〜a4に並列に入力される。また、各状態変数信号生成手段a1〜a4により出力される位相信号Spr12は、それぞれ独立にインパルス信号送信手段13および同調判定手段14およびデータ通信手段15に出力される。
(第6実施形態の動作)
つぎに、第6実施形態の動作を説明する。本実施形態の動作は、第1実施形態と基本的に同様であるが、第6実施形態では、通信タイミング計算手段12において状態変数信号生成手段を複数備え、それらが並列に動作する。
各状態変数信号生成手段は、それぞれ受信インパルス信号Spr11を入力として、例えば、第1実施形態で示した式(1)に基づいて位相θ(t)の計算を行う。その結果得られる複数の位相θ(t)は、位相信号Spr12として、それぞれ独立にインパルス信号送信手段13同調判定手段14およびデータ通信手段15に入力される。
ここでは、簡単のため、それぞれの状態変数信号生成手段における固有角振動数パラメータωの値は、すべて同一とし、あらかじめシステム全体で統一されていると仮定する。ただし、本発明では、ωの値が、それぞれの状態変数信号生成手段によって、あるいは個々のノードによって異なる値をとる形態であっても構わないことに注意されたい。
インパルス信号送信手段13では、位相信号Spr12が特定の値
θ(t)=α (0≦α<2π)
になると、出力インパルス信号Sout11を発信する。この動作は、複数の状態変数信号生成手段が出力する位相信号Spr12すべてに対して同様に行う。第1実施形態では、出力インパルス信号Sout11の発信は、ノード外部(つまり他ノード)に対してのみ行われた。しかし、第6実施形態では、インパルス信号Sout11をノード外部に発信するとともに、他の(誤)通信タイミング計算手段12に対してフィードバックする(図9参照)。
通信タイミング計算手段12では、複数の状態変数信号生成手段において位相θ(t)の計算を行う際に、上記のフィードバックされた出力インパルス信号Sout11を用いる。すなわち、それぞれの状態変数信号生成手段は、近傍ノードから受信した受信インパルス信号Spr11の他に、相互に他の状態変数信号生成手段が出力した位相信号Spr12に基づいて生成される出力インパルス信号Sout11を入力として位相θ(t)の計算を行う。ここで、入力とは、第1実施形態で示した式(1)においては、関数P(t)に対応する。
同調判定手段14では、第1実施形態と同様に、「定常状態」の判定を、例えば以下のようにして行う。第6実施形態では、位相信号Spr12が並列に複数入力されるが、その中のいずれか一つを選択すれば、第1実施形態で示した判定方法の例を用いて判定することができる。ただし、選択されなかった位相信号Spr12については、それぞれの位相が特定の値
θ(t)=α (0≦α<2π)
になったときに、仮想的に受信インパルス信号Spr11を受信したものとして上記の判定方法を実行する。
このようにすることによって、複数の状態変数信号生成手段が出力する位相信号Spr12に基づいて生成される出力インパルス信号Sout11と、外部から受信した受信インパルス信号Spr11とが適当な時間関係を形成して安定化している状態、すなわち「定常状態」を判定することができる。
状態変数信号生成手段が出力する位相信号Spr12のいずれか1つに着目すると、「定常状態」とは、位相信号Spr12の1周期内に複数の出力インパルス信号Sout11の発信タイミングが存在し、それらが受信インパルス信号Spr11の受信タイミングと衝突せずに、適当な時間関係を形成していることを意味する。
データ通信手段15では、第1実施形態と同様に、出力インパルス信号Sout11の発信に基づくタイミングで出力データ信号Sout12を発信する。したがって、位相信号Spr12のいずれか1つに着目すると、1周期内に出力データ信号Sout12を発信するタイムスロットを複数獲得することになる。獲得される1周期内のタイムスロットの個数は、状態変数信号生成手段の個数と一致する。
以上説明した動作は、個々のノード内部に、仮想的に複数のサブノードを備える形態と基本的に等価である。本実施形態は、サブノードどうしが出力インパルス信号Sout11を介して相互作用するとともに、外部に存在する近傍ノードとも相互作用する形態と見なすことができる。各サブノードがそれぞれタイムスロットを獲得することによって、結果的にノード本体は、位相信号Spr12の1周期内に複数のタイムスロットを獲得することになる。
ノード本体が動作させるサブノードの個数、すなわち状態変数信号生成手段の個数は、個々のノード本体によって異なる値にすることができる。例えば、個々のノード本体が備える計算機能等の処理能力の違いに応じて、異なる値に決定するなど、種々の情報に基づいて制御することが可能である。また、第5実施形態と同様に、優先度を計量化する機構を備えれば、優先度に基づいて動作させるサブノードの個数を動的に制御することも可能である。もちろん、様々な複数の要因に基づいてこの制御を行うことも可能である。いずれの場合においても、動作させるサブノードの個数が多いノード本体ほど、近傍ノード間において相対的に大きい割合でタイムスロットを獲得する形態が実現される。
(第6実施形態の利点)
第6実施形態によれば、所定の情報に基づいて、出力データ信号Sout12の発信に用いるタイムスロットを、近傍ノード間において相対的に不均一な割合で分割することが可能になる。したがって、個々のノード特性やネットワークの状況情報など、種々の要因に基づいて、それぞれのノードがデータの発信を行う割合を、自律的に相互調整することが可能になる。
例えば、本実施形態によれば、第5実施形態と同様に、近傍ノード間における優先度の相互関係に応じて、不均一な割合で各ノードがタイムスロットを獲得する形態を実現することが可能になる。つまり、優先度が高いノードほど、相対的に多い割合で発信する機会を得る形態が実現される。
また、個々のノードが備える計算機能等の処理能力の違いに応じて、動作させるサブノードの個数を決定すれば、近傍ノード間において処理能力が高いノードほど相対的に多い割合で発信する形態が実現される。このような形態は、機能や処理能力の異なるノードが混在する異種混合ネットワークにおいて、全体として生成される機能に対する性能を向上させる効果を有する。
なお、この第6実施形態では、出力インパルス信号Sout11を通信タイミング計算手段12にフィードバックしているが、これに限らず、例えば、状態変数信号生成手段a1〜a4からの位相信号Spr12を、他の状態変数信号生成手段a1〜a4にフィードバックして、前記と同様に、位相θ(t)を計算してもよい。
(第7実施形態の構成)
つぎに、本発明の第7実施形態を説明する。この第7実施形態においても、第6実施形態と同様に、通信タイミング計算手段12において、並列して動作する状態変数信号生成手段を複数備えている(図10参照)。図10は、一例として、4つの状態変数信号生成手段a1〜a4を備える場合の構成を示している。
ただし、第7実施形態においては、インパルス信号送信手段12は、各状態変数信号生成手段a1〜a4からの位相信号Spr12に基づく出力インパルス信号Sout11を、各計算手段a1〜a4に対応して、互いに分別可能な周波数帯域を用いて発信する。
同様に、第7実施形態においては、データ通信手段15は、各状態変数信号生成手段a1〜a4からの位相信号Spr12に基づく出力データ信号Sout12を、各計算手段a1〜a4に対応して、互いに分別可能な周波数帯域を用いて発信する。
各ノードのインパルス信号受信手段11と、データ信号通信手段15とは、適宜なバンドパスフィルタなどの手段を用いて、帯域毎の信号を分別して受信できるように構成されている。
本実施形態の構成は、各サブノードについて、異なる帯域での通信を行うものと把握することができる。
(第7実施形態の利点)
第7実施形態によれば、各サブノードは、互いに異なる帯域で通信を行うことができる。したがって、各サブノード間では同時に発信を行うことができ、通信容量を増大させることができる。他の利点は第6実施形態と基本的に同様なので詳細な説明は省略する。
(変形例の説明)
(第1変形例)
第1実施形態では、近傍ノード間において、出力インパルス信号Sout11を介した相互作用を行う形態について説明した。しかし、本発明の利用形態は前記形態に限定されない。システムを構成する任意のノードは、他のすべてのノードと相互作用する形態であっても構わない。つまり、システムを構成するノードどうしが、局所的な相互作用を行う形態だけでなく、大域的な相互作用を行う形態であっても動作させることが可能である。
(第2変形例)
第1の実施形態では、式(1)を用いて通信タイミング計算手段12における処理を説明した。その際、関数φ(t)を用いてランダムな変動性を導入したが、これは以下のような形で導入することも可能である。
Figure 0004173789
(第3変形例)
第1実施形態では、各ノードがセンサ16を備え、出力データ信号Sout12としてセンサ16によって観測された観測データSpr15を発信する形態を説明した。しかしながら、本発明では、センサ16は必須ではなく、出力データ信号Sout12としては、ノードの内部状態を示す変数値や、入力データ信号Sin12に演算処理を施した状態変数値、あるいは人為的な操作により入力されたデータなどであっても構わない。もちろん、センサ16で観測された観測データSpr15を用いて演算処理を行った結果であっても構わない。基本的に通信データの種類や内容に特別な制約はない。
(第4変形例)
第1実施形態では、システムを構成するすべてのノードが常に出力インパルス信号Sout11の発信を行う動作形態であった。しかし、本発明では、トラフィックを発生するノードだけが出力インパルス信号Sout11の発信を行う動作形態を取ることも可能である。この場合、時間と共にトラフィックを発生するノードが変化しても、その都度、タイムスロットを有効に再割り当てすることでき、トラフィックを発生しているノード群による効率的なデータ通信を実現することが可能である。
(第5変形例)
第1実施形態では、通信タイミング計算手段12における処理の説明に式(1)の微分方程式を用いた。しかし、微分方程式を用いた記述は、本発明を実現する手段の一例に過ぎない。その他の記述方法として、例えば、以下に示すような、式(1)の微分方程式を差分化(連続時間変数tを離散化)して得られる差分方程式(漸化式)を用いることも可能である。
次式において、変数nは、正の整数値をとる離散時間を表す変数である。その他の記号は、第1実施形態と同一の意味を表すが、すべて離散時間変数nの関数になる。また、変数Δtは時間の刻み幅を表し、連続時間変数tと離散時間変数nは、
t=n・Δt の関係にある。
Figure 0004173789
上述の記述方法は、位相信号θ(t)の時間発展を時間軸方向に離散化して扱う記述方法である。時間軸方向の離散化に加えて、さらに状態変数に対しても離散化、すなわち、位相信号θ(t)の値そのものを離散化(量子化)して扱う記述方法を用いることも可能である。この場合、位相信号θ(t)の取り得る値は、M個(M:自然数)の離散値になる。これは、例えば、次式を用いて実現することができる。次式において、関数quan(*)は、変数*を量子化幅wで割り、小数点以下の数値を無視した値を表す。ここで、量子化幅wは変数*のダイナミックレンジ(取り得る値の幅)をMで割った値である。次式において、位相信号θ(n)は、離散時間nにおける量子化された位相の値を表す。
Figure 0004173789
(第6変形例)
第1実施形態では、各ノードが、相互に出力インパルス信号Sout11を送受信する形態について説明した。その際、出力インパルス信号Sout11は、ノード間における相互作用(お互いの位相状態に影響を与える働き)を実現する手段として用いられた。しかし、本発明では、ノード間における相互作用を実現する手段は、前記形態に限定されない。例えば、時間に関して離散的な信号ではなく、連続的な信号を状態変数信号として用いることも可能である。つまり、各ノードにおける位相状態等の動作状態の変化を連続信号のまま、相互に送受信する形態であっても動作させることができる。この形態は、通信タイミング計算手段12における処理の説明に用いた式(1)を、例えば、次式のようにすることによって実現することが可能である。
次式を用いる場合、近傍ノードから連続的に位相信号θ(t)を受信し、これに基づいて生成した自己の位相信号θ(t)も、近傍ノードに対して連続的に発信する形態を取る。相互作用が、時間に関して離散的(パルス的)ではなく、連続的になっている点に注意されたい。次式において、変数Cは定数パラメータである。他の記号の意味は式(1)と同一である。
次式についても、上記第4変形例で示したような、位相信号θ(t)の時間発展を時間軸方向に離散化して扱う記述方法を用いることも可能である。また、同様に、時間軸方向の離散化に加えて、位相信号θ(t)に対しても離散化して扱う記述方法を用いることも可能である。定数項πや関数φ(t),関数R(*)の形態についても、既に説明した種々の形態を取り得る。
Figure 0004173789
また、第1実施形態では、非線形振動をモデル化した式として式(1)を示し、さらに、その他の記述方法として、種々の変形形態が可能であることを上述した。しかし、本発明を実現する記述方法は、上述の形態に限定されない。例えば、文献(「非線形力学」(戸田盛和,渡辺慎介著,共立出版))に開示されるファン・デル・ポール方程式等の一般的な非線形振動やカオス振動のモデルを用いることも可能である。もちろん、ノード間における相互作用が、時間に関して離散的(パルス的)な場合でも、連続的な場合でも、このようなモデルを用いることができる。
ファン・デル・ポール方程式は、電子回路上で発生する非線形振動現象をモデル化した式である。ファン・デル・ポール方程式による動作は、例えば、電子回路を用いてハードウエアとしてノード上に実装することが可能である。また、ルンゲクッタ法等の一般的な数値計算法を用いて、例えばコンピュータソフトウエアとしてノード上に実装することも可能である。
本発明は、時間や動作状態,あるいは相互作用等に関する離散モデル,及び連続モデル、その他、特定の振動現象を表現するモデルといった、個別的なモデルの記述方法の違いに依拠するものではなく、ある規則にしたがって動作状態が遷移する種々のモデルを用いて実現することが可能である。本発明では、動作状態が周期的、あるいはカオス的に変化する各種のモデルを用いて状態変数信号を生成することが可能である。
(第7変形例)
第1実施形態では、空間に分散配置された多数のノードが、相互に無線でデータをやり取りするシステムを想定して説明した。しかし、本発明の利用形態は、無線通信を行うシステムに限定されない。空間に分散配置された多数のノードが、相互に有線でデータをやり取りするシステムに本発明を適用することも可能である。
例えば、本発明は、イーサネット(登録商標)などのように有線接続されたLAN(Local Area Network)システムに適用することも可能である。同様に、本発明は、有線接続されたセンサやアクチュエータあるいはサーバなど、異なる種類のノードが混在するネットワークに適用することも可能である。無論、有線接続されたノードと、無線接続されたノードが混在するネットワークに適用することも可能である。
さらに、本発明は、インターネット上で、各ルータが相互に異なるタイミングでルーティングテーブルを交換するための通信プロトコルとして利用することができる。ここで、ルータとは、ネットワーク上を流れる情報の行き先を振り分ける(通信経路選択)機能を有する中継機器のことである。また、ルーティングテーブルとは、情報の行き先を振り分ける際に参照される通信経路選択規則である。
効率的な通信を実現するためには、ネットワーク上における変更や局所的なトラフィックの変化等に応じて、逐次、ルーティングテーブルを更新する必要がある。このため、ネットワーク上に存在する多数のルータは、相互に一定の時間間隔でルーティングテーブルの交換を行っている。
しかし、文献(Floyd,S.,and Jacobson,V.,"The Synchronization of Periodic Routing Messages", IEEE/ACM Transactions on Networking, Vol.2 No.2, pp.122-136, April 1994)に開示されるように、各ルータがそれぞれ独立にルーティングテーブルを発信しているにもかかわらず、ルータ相互の発信が次第に同期(衝突)する現象が発生することがわかっている。上記Floydらの文献では、ルーティングテーブルの交換に用いられる通信プロトコルに対して、各ノードの処理周期にランダムな変動性を与えることによって、この問題に対処する方法を提案し、一定の効果が得られることを示している。しかし、この文献に開示される方法は、基本的にランダム性のみに依存した方法であるため、その効果は十分ではない。
それに対して、本発明を上記の問題に適用すると、近傍のルータ間において、ルーティングテーブルを発信するタイムスロットを自律的に相互調整することが可能である。したがって、各ルータの発信は、相互に異なるタイミングとなり、上記Floydらの文献中における方法に比べて高い効果を得ることができる。
以上、説明したように、本発明は無線系,有線系を問わず、あらゆるネットワークに存在する発信データの衝突や同期の問題に適用可能であり、適応性と安定性を兼ね備えた効率的なデータ通信を実現する通信プロトコルとして利用することが可能である。
なお、本発明のノードは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、前記した各構成要素は、機能ブロックとして存在していればよく、独立したハードウエアとして存在しなくても良い。また、実装方法としては、ハードウエアを用いてもコンピュータソフトウエアを用いても良い。さらに、本発明における一つの機能要素が複数の機能要素の集合によって実現されても良く、本発明における複数の機能要素が一つの機能要素により実現されても良い。
また、機能要素は、物理的に離間した位置に配置されていてもよい。この場合、機能要素どうしがネットワークにより接続されていても良い。
(第8変形例)
第3実施形態では、ノード間においてデータパルス信号を送受信する形態について説明した。データパルス信号とは、インパルス信号を送信データによって変調した信号、つまり、インパルス信号にデータ信号を重畳させた信号であった。第1実施形態において別々に送受信を行ったインパルス信号とデータ信号とを、第3実施形態では一体化している点にその特徴がある。しかし、本発明においては、インパルス信号とデータ信号を一体化する方法は第3実施形態に示される形態に限定されない。例えば、インパルス信号の送受信を行わず、データ信号のみを送受信することによって、ノード間の相互作用,及びデータ通信を実現する形態を構成することも可能である。すなわち、第1実施形態におけるインパルス信号の発信タイミングにおいて、インパルス信号に換えてデータ信号を発信する形態を取る。他のノードから受信したデータ信号は、受信開始タイミングに同期して内部的にインパルス信号を生成することによって、式(1)を用いて第1実施形態と同様に通信タイミング計算手段12による処理を実行することが可能である。第1実施形態では、通信タイミング計算手段12による処理結果として得られる位相信号Spr12に基づいてインパルス信号を発信したが、本形態では、インパルス信号に換えてデータ信号を発信する。したがって、本形態では、データ信号の開始タイミングを用いてノード間における相互作用を実現することになる。ノード間における相互作用の結果、「定常状態」になった後、実効的に意味のあるデータをデータ信号として送信する構成とすれば、有意味な送信データの欠落を招くことなく通信を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る通信システムにおけるノードを概念的に示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係るノードの内部構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る通信方法を説明するためのフローチャートである。 ノード間の位相関係を説明するための説明図であって、図(a)は初期状態、図(b)は過渡状態、図(c)は定常状態を示す。 ノード間の位相関係を説明するための説明図であって、図(a)は初期状態、図(b)は過渡状態、図(c)は定常状態を示す。 本発明の第2実施形態に係るノードの内部構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係るノードの内部構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る通信方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の第6実施形態に係るノードの内部構成を概念的に示すブロック図である。 本発明の第7実施形態に係るノードの内部構成を概念的に示すブロック図である。
符号の説明
A ノード
a1〜a4 状態変数信号生成手段
10 休止制御手段
11 インパルス信号受信手段(状態変数通信手段)
12 通信タイミング計算手段(通信タイミング決定手段)
13 インパルス信号送信手段(状態変数通信手段、通信タイミング決定手段)
14 同調判定手段(定常性判定手段)
15 データ通信手段
16 センサ
31 インパルス信号受信手段(状態変数通信手段)
32 通信タイミング計算手段(通信タイミング決定手段)
33 同調判定手段(定常性判定手段)
34 データパルス信号送信手段(状態変数通信手段、データ通信手段、通信タイミング決定手段)
35 センサ

Claims (29)

  1. 通信システムにおけるノードであって、
    状態変数信号通信手段と、通信タイミング決定手段とを備え、
    前記状態変数信号通信手段は、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を前記他ノードから受け取る機能と、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードに周期的に発信する機能とを備え、
    前記通信タイミング決定手段は、前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成する機能と、前記自ノードにおける状態変数信号を前記状態変数信号通信手段に送る機能とを備えており、
    前記通信タイミング決定手段は、さらに次の機能を備えていることを特徴とするノード:
    (1)自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる基本速度を決定する機能;
    (2)他ノードから受信した状態変数信号に応じて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、他ノードとは異なる位相関係とする機能;
    (3)形成された前記位相関係に基づいて自ノードの状態変数信号を生成する機能。
  2. 通信システムにおけるノードであって、
    状態変数信号通信手段と、通信タイミング決定手段とを備え、
    前記状態変数信号通信手段は、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を前記他ノードから受け取る機能と、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードに周期的に発信する機能とを備え、
    前記通信タイミング決定手段は、前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成する機能と、前記自ノードにおける状態変数信号を前記状態変数信号通信手段に送る機能とを備えており、
    記通信タイミング決定手段は状態変数信号生成手段を備え、前記状態変数信号生成手段は、
    前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる基本速度を定める機能と、
    前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを異なる相にしようとする反発特性を有し、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる速度を、前記他ノードから受信した状態変数信号によって示される前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに応じて、前記基本速度に対して局所的に変化させる機能を有し、
    前記基本速度に対する局所的な変化を反映させた前記動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を生成することを特徴とするノード。
  3. さらに定常性判定手段を備え、
    前記定常性判定手段は、自他のノードにおける状態変数信号間の関係が定常状態であるか過渡状態であるかを判定する機能を備えている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のノード。
  4. さらにデータ通信手段を備え、
    前記データ通信手段は、前記自ノードの状態変数信号に基づいて決定されたタイミングにおいて、前記自ノードから他ノードにデータ信号を発信するものである
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のノード。
  5. 前記状態変数信号通信手段により発信される状態変数信号の到達範囲と、前記データ通信手段により発信されるデータ信号の到達範囲とが、それぞれ制御されている
    ことを特徴とする請求項記載のノード。
  6. 自ノードの動作状態を、他ノードとは異なる位相関係とするに際して、自ノードにおける動作状態を、少なくとも一時的に、ランダムに変動させることを特徴とする請求項またはに記載のノード。
  7. 通信システムにおけるノードであって、
    状態変数信号通信手段と、通信タイミング決定手段とを備え、
    前記状態変数信号通信手段は、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を前記他ノードから受け取る機能と、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードに周期的に発信する機能とを備え、
    前記通信タイミング決定手段は、前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成する機能と、前記自ノードにおける状態変数信号を前記状態変数信号通信手段に送る機能とを備えており、
    前記ノードは、さらにデータ通信手段を備えており、
    前記データ通信手段は、前記自ノードの状態変数信号に基づいて決定されたタイミングにおいて、前記自ノードから他ノードにデータ信号を発信するものであり
    前記定常性判定手段は、自他の状態変数信号間における時間的な関係に関する安定性に基づいて、前記状態変数信号間の関係が定常状態であるか過渡状態であるかを判定することを特徴とするノード。
  8. さらに定常性判定手段とデータ通信手段とを備え、
    前記定常性判定手段は、自他のノードにおける状態変数信号間の関係が定常状態であるか過渡状態であるかを判定する機能を備えており、
    前記データ通信手段は、前記自ノードの状態変数信号に基づいて決定されたタイミングにおいて、前記自ノードから他ノードにデータ信号を発信するものであり、
    前記データ通信手段は、次の条件をいずれも満たす場合に、データ信号の発信を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のノード:
    (1)自他の状態変数信号間における関係が、前記定常性判定手段において定常状態と判定されたこと;
    (2)前記状態変数信号により示される動作タイミングから算出されたタイムスロットの範囲内であること。
  9. 前記データ通信手段は、データを発信する優先度を計量化する機能を備えることを特徴とする請求項またはに記載のノード。
  10. 前記通信タイミング決定手段は、他ノードから受信した状態変数信号に基づいて、自ノードにおける前記基本速度を制御する機能をさらに備えることを特徴とする請求項またはに記載のノード。
  11. 前記データ通信手段は、データを発信する優先度を計量化する機能を備えており、前記通信タイミング決定手段は、前記優先度に基づいて自ノードにおける基本速度を制御するものであることを特徴とする請求項またはに記載のノード。
  12. 前記基本速度の制御において、前記基本速度を、基準値の整数倍、あるいは整数倍の近傍の値とすることを特徴とする請求項10または11に記載のノード。
  13. 前記制御は、前記優先度が高いほど、自ノードにおける前記基本速度を高めるように行われることを特徴とする請求項11記載のノード。
  14. 通信システムにおけるノードであって、状態変数信号通信手段と、通信タイミング決定手段とを備え、
    前記状態変数信号通信手段は、他ノードの通信タイミングを示す状態変数信号を前記他ノードから受け取る機能と、自ノードの通信タイミングを示す状態変数信号を他ノードに発信する機能とを備え、
    前記通信タイミング決定手段は、複数の状態変数信号生成手段を備え、前記状態変数信号生成手段は、前記他ノードまたは他の状態変数信号生成手段からの前記状態変数信号に基づいて、自らの状態変数信号生成手段における前記状態変数信号を生成する機能と、自らの状態変数信号生成手段における前記状態変数信号を前記状態変数信号通信手段に送る機能とを備えており、
    さらに、前記通信タイミング決定手段は、前記複数の状態変数信号生成手段のうち、動作させる状態変数信号生成手段の個数を制御する
    ことを特徴とするノード。
  15. 前記制御は、データを発信する優先度に基づいて行われることを特徴とする請求項14記載のノード。
  16. 前記制御は、前記優先度が高いほど、動作させる前記状態変数信号生成手段の個数を多くするものであることを特徴とする請求項15記載のノード。
  17. 前記制御は、自ノードまたは他ノードの処理能力に基づいて行われることを特徴とする請求項14記載のノード。
  18. 前記通信タイミング決定手段は、自ノードまたは他ノードの処理能力に基づいて、自ノードにおける前記基本速度を制御する機能をさらに備えることを特徴とする請求項1,2または10に記載のノード。
  19. 前記複数の状態変数信号生成手段からの状態変数信号を、互いに分別可能な周波数帯域を用いて他ノードに発信することを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載のノード。
  20. さらにデータ通信手段を備え、
    前記データ通信手段は、いずれかの前記状態変数信号生成手段からの状態変数信号に基づいて決定されたタイミングにおいて、自ノードから他ノードにデータ信号を発信するものであり、
    かつ、前記データ通信手段は、前記複数の状態変数信号生成手段のうち、一部の状態変数信号生成手段からの状態変数信号に基づいて発せられるデータ信号を、他の状態変数信号生成手段からの状態変数信号に基づいて発せられるデータ信号とは分別可能な周波数帯域を用いて、他ノードに発信する
    ことを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載のノード。
  21. 通信システムにおけるノードであって、
    状態変数信号通信手段と、通信タイミング決定手段とを備え、
    前記状態変数信号通信手段は、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を前記他ノードから受け取る機能と、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードに周期的に発信する機能とを備え、
    前記他ノードに発信される前記状態変数信号は、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記自ノードに対して相互に反発するように遷移させるためのものであり、
    前記通信タイミング決定手段は、前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする相互の反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成する機能と、前記自ノードにおける状態変数信号を前記状態変数信号通信手段に送る機能とを備えていることを特徴とするノード。
  22. 請求項1〜21のいずれか1項に記載のノードを複数備えた通信システム。
  23. 複数のノードを備えており、
    前記ノードは、状態変数信号通信手段と、通信タイミング決定手段とを備え、
    前記状態変数信号通信手段は、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を前記他ノードから受け取る機能と、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードに周期的に発信する機能とを備え、
    前記通信タイミング決定手段は、前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成する機能と、前記自ノードにおける状態変数信号を前記状態変数信号通信手段に送る機能とを備えており、
    前記複数のノードのそれぞれにおける前記通信タイミング決定手段は、他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする相互の反発特性に基づいて遷移させる構成となっており、
    これにより、前記自ノードだけでなく、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングも、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする反発特性に基づいて遷移させられる構成となっている通信システム。
  24. 以下のステップを周期的に行う、複数ノード間での通信方法:
    (1)他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードから受け取るステップ;
    (2)前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする相互の反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成するステップ;
    (3)前記自ノードにおける前記状態変数信号を前記他ノードに発信するステップ
    (4)前記他ノードに発信された前記状態変数信号に基づいて、前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングも、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする相互の反発特性に基づいて遷移させられるステップ
  25. 以下のステップを周期的に行う、複数ノード間での通信方法:
    (1)他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードから受け取るステップ;
    (2)前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする相互の反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成するステップ;
    (3)前記自ノードにおける前記状態変数信号を前記他ノードに発信するステップ;
    ここで、前記ステップ(2)は、以下のステップを備えている:
    2−1)自ノードにおける動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる基本速度を決定するステップ;
    2−2)他ノードから受信した状態変数信号に応じて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを、他ノードとは異なる位相関係とするステップ;
    2−3)形成された前記位相関係に基づいて自ノードの状態変数信号を生成するステップ。
  26. 以下のステップを周期的に行う、複数ノード間での通信方法:
    (1)他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を他ノードから受け取るステップ;
    (2)前記他ノードからの前記状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して異なる相にしようとする相互の反発特性に基づいて遷移させ、この遷移を反映させた自ノードにおける前記状態変数信号を生成するステップ;
    (3)前記自ノードにおける前記状態変数信号を前記他ノードに発信するステップ;
    ここで、前記ステップ(2)は、以下のステップを備えている:
    2−1)自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる基本速度を決定するステップ;
    2−2)他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに対して前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを異なる相にしようとする反発特性を有し、前記自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させる速度を、前記他ノードから受信した状態変数信号によって示される前記他ノードの動作状態あるいは動作タイミングに応じて、前記基本速度に対して局所的に変化させるステップ;
    2−3)前記基本速度に対する局所的な変化を反映させた前記動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を生成するステップ。
  27. さらに以下のステップを備える請求項25または26に記載の通信方法:
    (1)自他のノードにおける状態変数信号間の関係が定常状態であるか過渡状態であるかを判定するステップ。
  28. さらに以下のステップを備える請求項24〜27のいずれか1項に記載の通信方法:
    (1)前記自ノードの状態変数信号に基づいて決定されたタイミングにおいて、自ノードから他ノードにデータ信号を発信するステップ。
  29. 請求項24〜28のいずれか1項に記載のステップをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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