JP3968506B2 - 無線通信システム、ネットワーク形成装置、無線送信装置及び無線送信方法、並びに無線受信装置及び無線受信方法 - Google Patents

無線通信システム、ネットワーク形成装置、無線送信装置及び無線送信方法、並びに無線受信装置及び無線受信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の無線局間で相互に通信を行う無線通信システム及び無線通信方法、無線ネットワーク形成装置、無線送信装置及び無線送信方法、並びに無線受信装置及び無線受信方法に係り、特に、制御局となる装置を特に配置せずに非同期無線通信を行なう無線通信システム及び無線通信方法、無線ネットワーク形成装置、無線送信装置及び無線送信方法、並びに無線受信装置及び無線受信方法に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、伝送路の利用状態を把握するためのキャリア検出が困難な無線通信環境下で非同期通信を行なう無線通信システム及び無線通信方法、無線ネットワーク形成装置、無線送信装置及び無線送信方法、並びに無線受信装置及び無線受信方法に係り、特に、UWB(Ultra Wide Band)のようなキャリア検出が困難な無線通信方式を用いて、無線伝送路の利用効率の高い非同期通信を行なう無線通信システム及び無線通信方法、無線ネットワーク形成装置、無線送信装置及び無線送信方法、並びに無線受信装置及び無線受信方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
コンピュータの高機能化に伴い、複数のコンピュータを接続してLAN(Local Area Network)を構成し、ファイルやデータなどの情報の共有化や、あるいはプリンタなどの周辺機器の共有化を図ったり、電子メールやデータの転送などの情報の交換を行うことが盛んに行われている。
【0004】
従来のLANでは、光ファイバーや同軸ケーブル、あるいはツイストペア・ケーブルを用いて、有線で各コンピュータが接続されている。ところが、このような有線によるLANでは、接続のための工事が必要であり、手軽にLANを構築することが難しいとともに、ケーブルが煩雑になる。また、LAN構築後も、機器の移動範囲がケーブル長によって制限されるため、不便であった。
【0005】
そこで、従来の有線方式によるLANの配線からユーザを解放するシステムとして、無線LANが注目されている。この種の無線LANによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの通信端末を比較的容易に移動させることができる。
【0006】
近年では、無線LANシステムの高速化、低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。特に最近では、人の身の回りに存在する複数の電子機器間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)の導入の検討が行なわれている。
【0007】
近隣に位置する比較的少数のクライアントで構成される小規模無線ネットワークにおいては、特定のアクセス・ポイントを利用せずに、任意の端末同士が直接非同期の無線通信を行なうことができる「アドホック(Ad-hoc)通信」により構築することが適当であると思料される。
【0008】
また、これら小規模無線ネットワークにおいて非同期通信を行なう場合、そのアクセス制御には、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance:搬送波感知多重アクセス/衝突回避)方式を採用することが一般的である。
【0009】
CSMA/CD方式は、自ら情報送信した信号を受信することで他の通信装置の情報送信との衝突の有無を検出する方式であり(Collision Detection:衝突検出)、主に有線通信において採用されている。これに対し、無線通信では自ら情報送信した信号を受信することが困難であることから、CDMA/CA方式により、他の通信装置の情報送信がないことを確認してから、自らの情報送信を開始することによって、衝突を回避する。このようなアクセス制御方式によれば、同じ無線伝送路を複数の端末が共有して、互いに通信する(Multiple Access)ことができる。
【0010】
ここで、無線伝送路上でキャリアを検出する方法として、特定の周波数キャリアを用いる仕組みが一般に採用されている。
【0011】
また、無線ネットワークを構成する各端末が非同期で無線通信を行なう無線通信システムにおいては、送信側の端末から送信された無線信号を受信側の端末が成功裏に受信するために、プリアンブル信号を情報送信の前に付加して送信する方法が広く利用されている。すなわち、送信側の端末はプリアンブル信号を送信し、受信側の端末はプリアンブル信号を受信して、端末間で同期がとられる。
【0012】
ところで、最近では、高速な無線伝送技術の検討・開発が進められており、その1つの例がUWB(ウルトラ・ワイド・バンド)と呼ばれる方式である。これは、例えば2GHzから6GHzという超高帯域な周波数帯域を利用して、データを数GHz程度の極めて広い周波数帯に拡散して送受信を行うことにより高速データ伝送を実現する無線通信方式である。
【0013】
UWBでは、数100ピコ秒程度の非常に短い周期のインパルス信号列を用いて情報信号を構成して、この信号列の送受信を行なう。その占有帯域幅は、占有帯域幅をその中心周波数(例えば1GHz〜10GHz)で割った値がほぼ1になるようなGHzオーダの帯域であり、いわゆるW−CDMAやcdma2000方式、並びにSS(Spread Spectrum)やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を用いた無線LANにおいて通常使用される帯域幅と比較しても超広帯域なものとなっている。
【0014】
UWB無線通信方式で利用されるインパルス信号列は、特定の周波数キャリアを持たない。すなわち、特定の周波数キャリアに信号成分が存在しないために、キャリア・センスを行うのが難しい。
【0015】
このため、従来の無線通信システムに広く利用されているCSMA/CA方式をUWB無線通信にそのまま適用することができない、という問題がある。
【0016】
また、UWB無線通信技術を用いた無線通信において、非同期で送信した信号を受信するためには、非常に長い時間をかけて信号の有無を検出しなければならない。
【0017】
UWB無線通信技術を用いた無線通信では、従来の無線通信におけるようなキャリアは存在しない。このため、受信側の端末が信号の有無を検出することで情報信号の初期同期を獲得するには、従来よりも冗長性の高いプリアンブル信号を情報送信の前に付加しなければならない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、制御局となる装置を特に配置せずに非同期無線通信を行なうことができる、優れた無線通信システム及び無線通信方法、無線ネットワーク形成装置、無線送信装置及び無線送信方法、並びに無線受信装置及び無線受信方法を提供することにある。
【0019】
本発明のさらなる目的は、伝送路の利用状態を把握するためのキャリア検出が困難な無線通信環境下であっても非同期通信を行なうことができる、優れた無線通信システム及び無線通信方法、無線ネットワーク形成装置、無線送信装置及び無線送信方法、並びに無線受信装置及び無線受信方法を提供することにある。
【0020】
本発明のさらなる目的は、UWB(Ultra Wide Band)のようなキャリア検出が困難な無線通信方式を用いて、無線伝送路の利用効率の高い非同期通信を行なうことができる、優れた無線通信システム及び無線通信方法、無線ネットワーク形成装置、無線送信装置及び無線送信方法、並びに無線受信装置及び無線受信方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、制御局と被制御局の関係を有しない複数の無線通信装置からなる無線通信システムであって、
所定の時間間隔で基準パルス信号を送信するタイミング発生装置が配置されて、該基準パルス信号の到達範囲に存在する無線通信装置によって無線ネットワークが構築される、
ことを特徴とする無線通信システムである。
【0022】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【0023】
本発明の第1の側面によれば、基準パルス信号を供給するタイミング発生装置を配置するだけで、その基準パルス信号の到達範囲内では、各無線通信装置同士が直接通信するアドホック通信による無線ネットワークを簡単に構築することができる。また、基準パルス信号の到達範囲を無線ネットワークの範囲とすることで、無線ネットワークの範囲を容易に特定することができる。
【0024】
また、タイミング信号を受信した各無線通信装置は、該基準パルス信号に基づいて同期処理を行なったり、該基準パルス信号に基づいて送受信のタイミング制御を行なうことができる。したがって、無線ネットワーク内では、無線通信装置間の非同期通信の制御を容易に行なうことができる。
【0025】
また、タイミング発生装置は、ユーザ操作に応答して基準パルス信号の送信を開始及び/又は停止するようにしてもよい。このような場合、ユーザ操作に応じて基準パルス信号が送信される所望の期間においてのみ、該基準パルス信号の到達範囲において無線ネットワークを容易に構築することができる。
【0026】
また、タイミング発生装置は、固有のパターンからなる基準パルス信号を発生するようにしてもよい。このような場合、基準パルス信号を受信した各無線通信装置は、受信した基準パルス信号が持つパターンをデコードすることによって、自分が何処の無線ネットワークに参入しているのかを検知することができる。勿論、1つの無線通信装置が隣接する2以上の無線ネットワークに同時に参入してもよく、この場合、基準パルス信号の固有パターンを基に、各無線ネットワーク上の動作を検出することができる。
【0027】
また、タイミング発生装置からの基準パルス信号を受信して無線ネットワークに組み込まれた各無線通信装置間では、データを極めて広い周波数帯に拡散して送受信を行うUWB(Ultra Wide Band)無線通信を行なうようにしてもよい。
【0028】
UWB無線通信方式で利用されるインパルス信号列は、特定の周波数キャリアを持たないので、キャリア・センスを行うのが難しく、CSMA/CA方式をUWB無線通信にそのまま適用することができない。また、UWB無線通信において非同期信号を受信するためには、冗長性の高いプリアンブル信号を情報送信の前に付加しなければならない。
【0029】
これに対し本発明によれば、各無線通信装置はタイミング発生装置から受信した基準タイミング信号に基づいて同期を獲得することができるので、UWB無線通信においても、初期同期獲得のために、冗長性の高いプリアンブル信号を情報送信の前に付加する必要がない。したがって、本発明に係るアクセス制御方式をUWB無線通信に適用することにより、高速の非同期無線通信を実現することができる。
【0030】
また、本発明の第2の側面は、制御局と被制御局の関係を有しない複数の無線通信装置からなる無線ネットワークを構築するためのネットワーク形成装置であって、
前記無線ネットワーク内の各無線通信装置が同期処理又は送受信のタイミング制御に使用するための所定の時間間隔で基準パルス信号を発生する基準パルス信号を発生する信号発生手段と、
該発生された基準パルス信号を送信する信号送信手段と、
を具備することを特徴とするネットワーク形成装置である。
【0031】
本発明の第2の側面に係るネットワーク形成装置からの基準パルス信号を受信した各無線通信装置は、該基準パルス信号に基づいて同期処理を行なったり、該基準パルス信号に基づいて送受信のタイミング制御を行なうことにより、無線通信装置間の非同期通信を容易に実現することができる。
【0032】
したがって、本発明の第2の側面に係るネットワーク形成装置を配置することによって、各無線通信装置同士が直接通信するアドホック通信による無線ネットワークを簡単に構築することができる。また、基準パルス信号の到達範囲を無線ネットワークの範囲とすることで、無線ネットワークの範囲を容易に特定することができる。
【0033】
また、ネットワーク形成装置は、固有のパターンからなる基準パルス信号を発生するようにしてもよい。このような場合、基準パルス信号を受信した各無線通信装置は、受信した基準パルス信号が持つパターンをデコードすることによって、自分が何処の無線ネットワークに参入しているのかを検知することができる。勿論、1つの無線通信装置が隣接する2以上の無線ネットワークに同時に参入してもよく、この場合、基準パルス信号の固有パターンを基に、各無線ネットワーク上の動作を検出することができる。
【0034】
また、ネットワーク形成装置からの基準パルス信号を受信して無線ネットワークに組み込まれた各無線通信装置間では、データを極めて広い周波数帯に拡散して送受信を行うUWB(Ultra Wide Band)無線通信を行なうようにしてもよい。すなわち、各無線通信装置はネットワーク形成装置から受信した基準パルス信号に基づいてネットワーク内の同期を獲得することができるので、UWB無線通信においても、初期同期獲得のために、冗長性の高いプリアンブル信号を情報送信の前に付加する必要がない。したがって、本発明に係るネットワーク形成装置を配置するだけで、UWB無線通信による高速な非同期無線通信を実現することができる。
【0035】
また、本発明の第2の側面に係るネットワーク形成装置は、ユーザ操作を受容するユーザ入力手段をさらに備えていてもよい。また、前記信号送信手段は、前記ユーザ入力手段を介したユーザ操作に応答して基準パルス信号の送信を開始及び/又は停止するようにしてもよい。このような場合、ユーザ操作に応じて基準パルス信号が送信される所望の期間においてのみ、該基準パルス信号の到達範囲において無線ネットワークを容易に構築することができる。
【0036】
また、本発明の第3の側面は、特定の制御局を有しない無線ネットワークにおいて動作する無線送信装置又は無線送信方法であって、
所定のネットワーク形成装置から送信される基準パルス信号を受信する手段又はステップと、
該受信した基準パルス信号に基づいて情報の送信を開始する手段又はステップと、
を具備することを特徴とする無線送信装置又は無線送信方法である。
【0037】
本発明の第3の側面に係る無線送信装置又は無線送信方法は、該基準パルス信号に基づいて同期処理を行なったり、該基準パルス信号に基づいて送信のタイミング制御を行なうことにより、無線受信装置との非同期通信を容易に実現することができる。
【0038】
また、本発明の第3の側面に係る無線送信装置又は無線送信方法は、基準パルス信号を受信している期間のみネットワーク動作を行う。
【0039】
したがって、本発明の第3の側面に係る無線送信装置又は無線送信方法によれば、基準パルス信号の到達範囲に無線送信装置を配置することによって、無線ネットワークに参入して、アドホック通信による非同期無線伝送を容易に行なうことができる。
【0040】
また、基準パルス信号の到達範囲が無線ネットワークの範囲となるが、無線送信装置が基準パルス信号を受信したことに応答してネットワーク動作を表示するようにすることで、無線ネットワークの範囲を容易に特定することができる。
【0041】
また、ネットワーク形成装置は、固有のパターンからなる基準パルス信号を発生するようにしてもよい。このような場合、本発明に係る無線送信装置は、受信した基準パルス信号が持つパターンをデコードすることによって、自分が何処の無線ネットワークに参入しているのかを検知することができる。勿論、1つの無線通信装置が隣接する2以上の無線ネットワークに同時に参入してもよく、この場合、基準パルス信号の固有パターンを基に、各無線ネットワーク上の動作を検出することができる。また、参入した無線ネットワークに応じてネットワーク動作の表示を切り替えるようにしてもよい。
【0042】
また、本発明の第3の側面に係る無線送信装置又は無線送信方法は、ネットワーク形成装置から受信した基準タイミング信号に基づいて同期を獲得することができるので、UWB無線通信においても、初期同期獲得のために、冗長性の高いプリアンブル信号を情報送信の前に付加する必要がない。
【0043】
また、本発明の第4の側面は、特定の制御局を有しない無線ネットワークにおいて動作する無線受信装置又は無線受信方法であって、
所定のネットワーク形成装置から送信される基準パルス信号を受信する手段又はステップと、
該受信した基準パルス信号に基づいて情報の受信を開始する手段又はステップと、
を具備することを特徴とする無線受信装置又は無線受信方法である。
【0044】
本発明の第4の側面に係る無線受信装置又は無線受信方法は、該基準パルス信号に基づいて同期処理を行なったり、該基準パルス信号に基づいて受信のタイミング制御を行なうことにより、無線送信装置との非同期通信を容易に実現することができる。
【0045】
また、本発明の第4の側面に係る無線受信装置又は無線受信方法は、基準パルス信号を受信している期間のみネットワーク動作を行う。
【0046】
したがって、本発明の第4の側面に係る無線受信装置又は無線受信方法によれば、基準パルス信号の到達範囲に無線受信装置を配置することによって、無線ネットワークに参入して、アドホック通信による非同期無線伝送を容易に行なうことができる。
【0047】
また、基準パルス信号の到達範囲が無線ネットワークの範囲となるが、無線受信装置が基準パルス信号を受信したことに応答してネットワーク動作を表示するようにすることで、無線ネットワークの範囲を容易に特定することができる。
【0048】
また、ネットワーク形成装置は、固有のパターンからなる基準パルス信号を発生するようにしてもよい。このような場合、本発明に係る無線受信装置は、受信した基準パルス信号が持つパターンをデコードすることによって、自分が何処の無線ネットワークに参入しているのかを検知することができる。勿論、1つの無線通信装置が隣接する2以上の無線ネットワークに同時に参入してもよく、この場合、基準パルス信号の固有パターンを基に、各無線ネットワーク上の動作を検出することができる。また、参入した無線ネットワークに応じてネットワーク動作の表示を切り替えるようにしてもよい。
【0049】
また、無線受信装置はネットワーク形成装置から受信した基準タイミング信号に基づいて同期を獲得することができるので、UWB無線通信においても、初期同期獲得のために、冗長性の高いプリアンブル信号を情報送信の前に付加する必要がない。
【0050】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0052】
図1には、本発明の一実施形態に係る無線ネットワーク10の構成を模式的に示している。この無線ネットワーク10は、複数の無線通信装置101,102,…によって構築されている。
【0053】
各無線通信装置101,102,…は、例えば、パーソナル・コンピュータ(PC)のような一般的な計算機システムに対して、情報を非同期伝送するための無線送受信機能を備えた無線通信ユニット(図示しない)をローカル接続することによって構成される。
【0054】
無線通信ユニットは、例えば、アダプタ・カードやPCカードのような形態のネットワーク・インターフェース・カード(NIC)で計算機システム本体に装備される。そして、計算機システム上で起動する無線通信ユニット駆動用ソフトウェアと無線通信ユニットとの協働的な動作によって、無線通信を実現することができる。
【0055】
図1に示すように、本実施形態では、1つの無線ネットワーク10内には、1台のタイミング発生装置100が配置される。このタイミング発生装置100は当該無線ネットワーク10内で使用されるタイミング基準パルスを送信し、それ以外の各無線通信装置101,102…は、このタイミング発生装置100から送信されるタイミング基準パルス信号に基づいて無線伝送を行なうようになっている。
【0056】
ここで、タイミング発生装置100からのタイミング基準パルス信号が同図中破線で示された領域まで伝播することと仮定すると、ここに記載されているすべての無線通信装置101〜107は同じタイミングによって受信ができる状態にあることを表わしている。
【0057】
また、図2には、図1に示した無線ネットワーク10における、各無線通信装置101〜107間の接続関係を図解している。
【0058】
同図において、無線通信装置101は、無線通信装置102、103、107と相対的に近い位置に存在するため、これらとは容易に情報伝送が行なえることを示し、逆に、無線通信装置104、105、106とは相対的に遠い位置に存在するため、無線通信ができない状態を表わしている。
【0059】
また、無線通信装置102は、無線通信装置101、103、107と相対的に近い位置に存在するため、これらとは容易に情報伝送が行なえることを示し、逆に、無線通信装置104、105、106とは相対的に遠い位置に存在するため、無線通信ができない状態を表わしている。
【0060】
また、無線通信装置103は、無線通信装置101、102、104、105、107と相対的に近い位置に存在するため、これらとは容易に情報伝送が行なえることを示し、逆に、無線通信装置106とは相対的に遠い位置に存在するため、無線通信ができない状態を表わしている。
【0061】
また、無線通信装置104は、無線通信装置103、105と相対的に近い位置に存在するため、これらとは容易に情報伝送が行なえることを示し、逆に、無線通信装置101、102、106、107とは相対的に遠い位置に存在するため、無線通信ができない状態を表わしている。
【0062】
また、無線通信装置105は、無線通信装置103、104、106、107と相対的に近い位置に存在するため、これらとは容易に情報伝送が行なえることを示し、逆に、無線通信装置101、102とは相対的に遠い位置に存在するため、無線通信ができない状態を表わしている。
【0063】
また、無線通信装置106は、無線通信装置105、107と相対的に近い位置に存在するため、これらとは容易に情報伝送が行なえることを示し、逆に、無線通信装置101、102、103、104とは相対的に遠い位置に存在するため、無線通信ができない状態を表わしている。
【0064】
また、無線通信装置107は、無線通信装置101、102、103、105、106と相対的に近い位置に存在するため、これらとは容易に情報伝送が行なえることを示し、逆に、無線通信装置104とは相対的に遠い位置に存在するため、無線通信ができない状態を表わしている。
【0065】
図3には、無線ネットワーク10における非同期無線通信の動作制御の一例を示している。
【0066】
本実施形態では、タイミング発生装置100が発生するタイミング基準信号を基準として各無線通信装置101〜107はネットワークを形成して、周辺に存在する他の無線通信装置との非同期情報伝送を行なうことができる。
【0067】
同図に示す例では、最初のタイミング基準パルスによって、無線通信装置101から情報送信が行なわれ、次のタイミング基準パルスによって、無線伝送装置103が複数のタイミング周期に渡った情報送信を行ない、その次のタイミング基準パルスではどの無線伝送装置からも情報送信されず、さらにその次のタイミング基準パルスによって、無線伝送装置106から短い情報送信が行なわれている。
【0068】
また、タイミング発生装置100からのタイミング基準パルスに基づいて情報伝送が行なわれるので、無線ネットワーク10を構成している各無線通信装置100〜107は、タイミング基準パルスで規定されるタイミングを用いて情報受信処理を行なうことによって、非同期情報伝送の受信処理が容易となる。
【0069】
図4には、本実施形態に係る無線ネットワーク10に適用されるタイミング発生装置100の機能構成を模式的に示している。タイミング発生装置100は、動作スイッチ41と、基準パルス発生器42と、制御部43と、パルス送信部44と、アンテナ45とで構成される。
【0070】
動作スイッチ41を操作することにより、制御部43が起動する。そして、制御部43による制御下で、基準パルス発生器42から所定の時間間隔を置いて周期的に信号が生成され、パルス送信部44からアンテナ45を介して無線送信される。
【0071】
このタイミング発生装置100からの基準パルス信号を受信した各無線通信装置101,102,…は、基準パルス信号に基づいて同期処理を行なったり、該基準パルス信号に基づいて送受信のタイミング制御を行なうことにより、無線通信装置間の非同期通信を容易に実現することができる。
【0072】
したがって、タイミング装置100を配置することによって、各無線通信装置同士が直接通信するアドホック通信による無線ネットワーク10を簡単に構築することができる。また、基準パルス信号の到達範囲を無線ネットワーク10の範囲とすることで、無線ネットワーク10の範囲を容易に特定することができる。
【0073】
また、タイミング発生装置100は、固有のパターンからなる基準パルス信号を発生するようにしてもよい。このような場合、基準パルス信号を受信した各無線通信装置101,102,…は、受信した基準パルス信号が持つパターンをデコードすることによって、自分が何処の無線ネットワークに参入しているのかを検知することができる。勿論、1つの無線通信装置が隣接する2以上の無線ネットワークに同時に参入してもよく、この場合、基準パルス信号の固有パターンを基に、各無線ネットワーク上の動作を検出することができる。
【0074】
また、タイミング発生装置100からの基準パルス信号を受信して無線ネットワークに組み込まれた各無線通信装置間では、データを極めて広い周波数帯に拡散して送受信を行うUWB(Ultra Wide Band)無線通信を行なうようにしてもよい。すなわち、各無線通信装置はタイミング発生装置100から受信した基準パルス信号に基づいて同期を獲得することができるので、UWB無線通信においても、初期同期獲得のために、冗長性の高いプリアンブル信号を情報送信の前に付加する必要がない。したがって、タイミング発生装置100を配置するだけで、UWB無線通信による高速な非同期無線通信を実現することができる。
【0075】
また、タイミング発生装置100は、ユーザが動作スイッチ41を操作することに応答して、基準パルス信号の送信を開始及び/又は停止するが、基準パルス信号が送信される所望の期間においてのみ、該基準パルス信号の到達範囲において無線ネットワークを容易に構築することができる。
【0076】
図5には、本実施形態に係る無線ネットワーク10内で非同期無線通信を行なうことができる無線通信装置の無線送信部(以下では、単に「無線送信装置」とも言う)の機能構成を模式的に示している。
【0077】
同図に示すように、この無線送信装置は、インターフェース51と、インターフェース・バッファ52と、無線バッファ53と、無線送信部54と、アンテナ55と、パルス受信部56と、制御部57と、情報記憶部58とで構成される。
【0078】
インターフェース51は、計算機システム本体などの情報ソースに接続されて、所定の情報を受け取り、その情報をインターフェース・バッファ52に一時的に蓄積する。また、送信用の情報をインターフェース・バッファ52から読み出すと、さらに無線バッファ53に一時格納して、無線伝送用のプリアンブルやヘッダ情報を付加する。
【0079】
また、タイミング発生装置100から送出されるタイミング基準パルス信号をアンテナ55で受信すると、これをパルス受信部56で復号する。ここで、基準パルスを検出することができたならば、当該無線送信装置は、タイミング発生装置100が構築する無線ネットワーク10に含まれていることになる。この場合、無線バッファ53に格納されている情報を、タイミング基準パルスを受信した直後に、無線送信部54からアンテナ55を介して無線送信する。
【0080】
無線送信装置の動作は、制御部57によって統括的なコントロールされる。制御部57は、例えばマイクロコンピュータによって構成され、所定のプログラム・コードを実行することによって、タイミング基準パルスに従った無線送信動作を制御する。また、制御部57は、情報記憶部58をローカル接続しており、実行プログラムや処理データをここに格納することができる。
【0081】
この無線送信装置は、基準パルス信号に基づいて同期処理を行なったり、該基準パルス信号に基づいて送信のタイミング制御を行なうことにより、他の装置との非同期通信を容易に実現することができる。また、無線送信装置は、基準パルス信号を受信している期間のみネットワーク動作を行う。したがって、基準パルス信号の到達範囲に無線送信装置を配置することによって、無線ネットワークに参入して、アドホック通信による非同期無線伝送を容易に行なうことができる。
【0082】
また、無線送信装置は、基準パルス信号を受信したことに応答してネットワーク動作を表示するネットワーク動作表示部(図示しない)をさらに備えていてもよい。このような場合、ネットワーク動作の表示に基づいて、ユーザは無線ネットワークの範囲を容易に特定することができる。タイミング発生装置100が固有のパターンからなる基準パルス信号を発生する場合には、制御部57が基準パルス信号が持つパターンをデコードすることによって、自分が何処の無線ネットワークに参入しているのかを検知することができる。勿論、1つの無線送信装置が隣接する2以上の無線ネットワークに同時に参入してもよく、この場合、基準パルス信号の固有パターンを基に、各無線ネットワーク上の動作を検出することができる。また、参入した無線ネットワークに応じてネットワーク動作の表示を切り替えるようにしてもよい。
【0083】
また、無線送信装置はタイミング発生装置100から受信した基準タイミング信号に基づいて同期を獲得することができるので、UWB無線通信においても、初期同期獲得のために、冗長性の高いプリアンブル信号を情報送信の前に付加する必要がない。
【0084】
また、図6には、本実施形態に係る無線ネットワーク10内で非同期無線通信を行なうことができる無線通信装置の無線受信部(以下では、単に「無線受信装置」とも言う)の機能構成を模式的に示している。
【0085】
同図に示すように、この無線受信装置は、インターフェース61と、インターフェース・バッファ62と、無線バッファ63と、無線受信部64と、アンテナ65と、パルス受信部66と、制御部67と、情報記憶部68とで構成される。
【0086】
無線受信装置は、タイミング発生装置100から送出されるタイミング基準パルス信号をアンテナ65で受信すると、これをパルス受信部66で復号する。ここで、基準パルスを検出することができたならば、当該無線受信装置は、タイミング発生装置100が構築する無線ネットワーク10に含まれていると判断する。
【0087】
そして、タイミング基準パルスを受信した直後に情報が送られてくる可能性があるので、そのタイミングで受信ウィンドウ(後述)を設定して、受信を行なうために、無線受信部64を動作させる。
【0088】
さらに無線受信部64で受信できた信号は、自無線受信装置宛て情報であるか判断され、自無線受信装置宛ての情報であれば無線バッファ63に格納されて、必要な情報だけがインターフェース・バッファ62に供給される。
【0089】
そして、この無線受信装置に接続されている情報のディスティネーション(例えば計算機システム:図示せず)に対して、インターフェース61を介して、逐次情報が供給される。
【0090】
無線受信装置の動作は、制御部67によって統括的なコントロールされる。制御部67は、例えばマイクロコンピュータによって構成され、所定のプログラム・コードを実行することによって、タイミング基準パルスに従った無線受信動作を制御する。また、制御部67は、情報記憶部68をローカル接続しており、実行プログラムや処理データをここに格納することができる。
【0091】
この無線受信装置は、基準パルス信号に基づいて同期処理を行なったり、基準パルス信号に基づいて受信のタイミング制御を行なうことにより、他の装置との非同期通信を容易に実現することができる。また、無線受信装置は、基準パルス信号を受信している期間のみネットワーク動作を行う。したがって、基準パルス信号の到達範囲に無線受信装置を配置することによって、無線ネットワークに参入して、アドホック通信による非同期無線伝送を容易に行なうことができる。
【0092】
また、無線受信装置は、基準パルス信号を受信したことに応答してネットワーク動作を表示するネットワーク動作表示部(図示しない)をさらに備えていてもよい。このような場合、ネットワーク動作の表示に基づいて、ユーザは無線ネットワークの範囲を容易に特定することができる。タイミング発生装置100が固有のパターンからなる基準パルス信号を発生する場合には、制御部67が基準パルス信号が持つパターンをデコードすることによって、自分が何処の無線ネットワークに参入しているのかを検知することができる。勿論、1つの無線受信装置が隣接する2以上の無線ネットワークに同時に参入してもよく、この場合、基準パルス信号の固有パターンを基に、各無線ネットワーク上の動作を検出することができる。また、参入した無線ネットワークに応じてネットワーク動作の表示を切り替えるようにしてもよい。
【0093】
また、無線受信装置はタイミング発生装置100から受信した基準タイミング信号に基づいて同期を獲得することができるので、UWB無線通信においても、初期同期獲得のために、冗長性の高いプリアンブル信号を情報送信の前に付加する必要がない。
【0094】
なお、本明細書では、無線送信装置及び無線受信装置をそれぞれ図5及び図6に分けて記載したが、実際には、無線送信機能と無線受信機能の双方を備えた無線通信装置として構成することも可能である。
【0095】
図7には、本実施形態における無線ネットワーク10内での無線通信シーケンスを模式的に示している。
【0096】
同図に示すように、タイミング発生装置100は、所定の時間間隔で周期的に基準パルスを発生する。情報送信元となる通信装置は、その基準パルスに基づいて、情報受信側の通信装置への非同期伝送情報の送信を行なう。
【0097】
さらに、情報受信側の通信装置は、情報送信元の通信装置への非同期情報伝送の受領確認を示すACK情報の送信を、この基準パルスに基づいて行なう。
【0098】
図8には、本実施形態に係る無線ネットワーク10内で、無線通信に利用される情報(データ・フレーム)の構成例を示している。
【0099】
タイミング発生装置100から周期的に送信されるタイミング基準パルス(T)は、短いパルス形状の信号列で構成される。
【0100】
情報送信側の通信装置から送信される非同期伝送情報は、送信データ本体であるペイロード情報に対して、プリアンブル(P)と情報ヘッダ(H)が冗長部として付加されている。
【0101】
また、情報受信側の通信装置から送信されるACK情報は、プリアンブル(P)が冗長部として付加され、短いACK情報より構成される。
【0102】
また、無線送信側及び無線受信側の各通信装置において、それぞれに受信ウインドウが設定されている。
【0103】
UWB無線通信方式で利用されるインパルス信号列は、特定の周波数キャリアを持たないので、キャリア・センスを行うのが難しく、CSMA/CA方式をUWB無線通信にそのまま適用することができない。また、UWB無線通信において非同期信号を受信するためには、冗長性の高いプリアンブル信号を情報送信の前に付加しなければならない。
【0104】
これに対し本実施形態によれば、各無線通信装置はタイミング発生装置100から受信した基準タイミング信号に基づいてネットワーク内の同期を獲得することができるので、UWB無線通信においても、初期同期獲得のために、冗長性の高いプリアンブル信号を情報送信の前に付加する必要がない。したがって、本発明に係るアクセス制御方式をUWB無線通信に適用することにより、高速の非同期無線通信を実現することができる。
【0105】
また、図8との比較のため、タイミング発生装置100によるタイミング基準パルスを使用しないで非同期無線通信を行なう場合の情報(データ・フレーム)の構成例を図9に示しておく。
【0106】
非同期で無線伝送を行なう場合の情報には、冗長なプリアンブルと共に情報ヘッダ(H)が冗長部として付加したペイロード情報から構成される。一方、情報受信側の通信装置から送信されるACK情報についても、冗長なプリアンブルが付加された、短いACK情報から構成される。
【0107】
このように冗長なプリアンブルが付加されることが一般的であり、伝送路利用効率が低下する一因となる。
【0108】
また、情報受信側の通信装置は、事前に準備することなく非同期で情報が送られてくることがあるため、常に無線伝送路を監視しておき、受信処理を行なわなければならず、装置の消費電力を低減することが困難である。
【0109】
図10には、本実施形態に係る無線ネットワーク10内で動作するタイミング発生装置100が実行する動作手順をフローチャートの形式で示している。この動作手順は、実際には、制御部43が所定のプログラム・コードを実行するという形態で実現される。
【0110】
まず、タイミング発生装置100の動作スイッチ41がON状態であるか確認する(ステップS1)。
【0111】
動作スイッチ41がON状態であれば、判断ブロックS1のYESの分岐より、ステップS2に進み、所定のタイミングの経過をカウントする。そして、所定のタイミングが経過した後、基準パルス信号の送信を行なう(ステップS3)。
【0112】
また、タイミング発生装置100の動作スイッチ41がON状態でなければ、判断ブロックS1のNOの分岐より、一連のタイミング基準パルスの発生を停止して、本処理ルーチン全体を終了する。
【0113】
図11には、本実施形態に係る無線ネットワーク10内に含まれている無線通信装置のネットワーク動作をフローチャートの形式で示している。この動作手順は、実際には、制御部57/67が所定のプログラム・コードを実行するという形態で実現される。
【0114】
無線通信装置は、動作を開始するとまず、タイミング発生装置100からの基準パルスを受信するため、その受信機能を動作させる(ステップS11)。
【0115】
次いで、基準パルス信号を受信したか判断し(ステップS12)、受信した場合には、無線通信装置はタイミング発生装置100によって規定される無線ネットワークに参入する。この場合、YESの分岐よりステップS13にて無線ネットワーク10の通信装置としての動作をすることを表示する。
【0116】
他方、所定の時間に渡って基準パルス信号を受信できなかった場合には、タイミング発生装置100によって規定される無線ネットワーク10には参入せず、また、この無線ネットワーク10の通信装置としての動作表示を行なわない。
【0117】
図12には、本実施形態に係る無線ネットワーク10内に含まれている無線通信装置が情報送信を行うときの処理手順をフローチャートの形式で示している。この処理手順は、実際には、制御部57が所定のプログラム・コードを実行するという形態で実現される。
【0118】
まず、無線通信装置のインターフェース部が接続されるソースからの情報を受理したか判断する(ステップS21)。
【0119】
情報を受理した場合には、判断ブロックS21のYESの分岐から次ステップS22に進んで、さらに無線ネットワークが動作中であるか判断する。そして、動作中であれば、タイミング基準パルスに基づいて情報送信処理を行なう(ステップS23)。
【0120】
さらに、その情報送信のACKを受信したかを判断し(ステップS24)、受信した場合には、本処理ルーチン全体を終了する。
【0121】
また、ACKを受信しなければ、ステップS22に移行して、再度ネットワークの動作を確認して、情報送信処理を行なう。
【0122】
また、ステップS22において、無線ネットワークが動作中でないと判断された場合には、NOの分岐よりステップS25に進んで、送信が不可能であったことをインターフェースへ通知し、本処理ルーチン全体を終了する。
【0123】
また、図13には、本実施形態に係る無線ネットワーク10内に含まれている無線通信装置が情報受信を行うときの処理手順をフローチャートの形式で示している。この処理手順は、実際には、制御部67が所定のプログラム・コードを実行するという形態で実現される。
【0124】
まず、無線ネットワークが動作中であるか判断する(ステップS31)。そして、動作中であれば、YESの分岐より次ステップS32に進んで、タイミング基準パルスの後に所定の受信ウインドウを設けて、情報受信処理を行なう。
【0125】
情報受信後、自局宛ての情報を受信したかを判断する(ステップS33)。そして、自局宛て情報の受信があった場合には、当該判断ブロックのYESの分岐より次ステップS34に移行して、その情報のACKを返信する。
【0126】
さらに、受信した情報をインターフェースに供給して、無線通信装置のインターフェース部が接続されるディスティネーションとなる装置(図示せず)へ情報を出力して(ステップS35)、本処理ルーチン全体を終了する。
【0127】
他方、ステップS33において、自局あての情報受信がないと判断された場合、並びに、ステップS31において、無線ネットワークが動作中でないと判断された場合には、その都度、本処理を抜ける。
【0128】
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0129】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、制御局となる装置を特に配置せずに非同期無線通信を行なうことができる、優れた無線通信システム及び無線通信方法、無線ネットワーク形成装置、無線送信装置及び無線送信方法、並びに無線受信装置及び無線受信方法を提供することができる。
【0130】
また、本発明によれば、伝送路の利用状態を把握するためのキャリア検出が困難な無線通信環境下であっても非同期通信を行なうことができる、優れた無線通信システム及び無線通信方法、無線ネットワーク形成装置、無線送信装置及び無線送信方法、並びに無線受信装置及び無線受信方法を提供することができる。
【0131】
また、本発明によれば、UWB(Ultra Wide Band)のようなキャリア検出が困難な無線通信方式を用いて、無線伝送路の利用効率の高い非同期通信を行なうことができる、優れた無線通信システム及び無線通信方法、無線ネットワーク形成装置、無線送信装置及び無線送信方法、並びに無線受信装置及び無線受信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線ネットワーク10の構成を模式的に示した図である。
【図2】図1に示した無線ネットワーク10における、各無線通信装置101〜107間の接続関係を示した図である。
【図3】タイミング発生装置100が発生するタイミング基準信号によって無線ネットワーク10内の各無線通信装置100による通信動作を制御する様子を示したチャートである。
【図4】本実施形態に係る無線ネットワーク10に適用されるタイミング発生装置100の機能構成を模式的に示した図である。
【図5】本実施形態に係る無線ネットワーク10内で非同期無線通信を行なうことができる無線送信装置の機能構成を模式的に示した図である。
【図6】本実施形態に係る無線ネットワーク10内で非同期無線通信を行なうことができる無線受信装置の機能構成を模式的に示した図である。
【図7】本実施形態における無線ネットワーク10内での無線通信シーケンスを模式的に示した図である。
【図8】本実施形態に係る無線ネットワーク10内で、無線通信に利用される情報(データ・フレーム)の構成例を示した図である。
【図9】タイミング発生装置100によるタイミング基準パルスを使用しないで非同期無線通信を行なう場合の情報(データ・フレーム)の構成例を示した図である。
【図10】本実施形態に係る無線ネットワーク10内で動作するタイミング発生装置100が実行する動作手順を示したフローチャートである。
【図11】本実施形態に係る無線ネットワーク10内に含まれている無線通信装置のネットワーク動作をフローチャートである。
【図12】本実施形態に係る無線ネットワーク10内に含まれている無線通信装置が情報送信を行うときの処理手順を示したフローチャートである。
【図13】本実施形態に係る無線ネットワーク10内に含まれている無線通信装置が情報受信を行うときの処理手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10…無線ネットワーク
41…動作スイッチ,42…基準パルス発生器
43…制御部,44…パルス送信部
45…アンテナ
51…インターフェース
52…インターフェース・バッファ
53…無線バッファ,54…無線送信部
55…アンテナ,56…パルス受信部
57…制御部,58…情報記憶部
61…インターフェース
62…インターフェース・バッファ
63…無線バッファ,64…無線受信部
65…アンテナ,66…パルス受信部
67…制御部,68…情報記憶部
100…タイミング発生装置
101,102…無線通信装置

Claims (16)

  1. 直接通信を行なう複数の無線通信装置からなる無線通信システムであって、
    所定の時間間隔で基準パルス信号を送信するタイミング発生装置と、
    前記タイミング発生装置が送信する基準パルス信号の到達範囲に基づいて特定される無線ネットワークと、
    前記タイミング発生装置から送信される基準パルス信号を受信するパルス受信手段と、他の無線通信装置との間で無線データ信号を送受信する無線通信手段を備え、前記無線ネットワーク内で基準パルス信号を受信している期間のみネットワーク動作を行ない、前記パルス受信手段で受信した基準パルス信号に基づいて互いに送受信タイミングを制御しながら前記無線通信手段を用いて他の無線通信装置と無線通信を行なう複数の無線通信装置と、
    を具備することを特徴とする無線通信システム。
  2. 各無線通信装置の無線通信手段は、データを広い周波数帯に拡散したUWB(Ultra Wide Band)信号を送受信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記タイミング発生装置は、ユーザ操作に応答して基準パルス信号の送信を開始又は停止する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 記タイミング発生装置は、固有のパターンからなる基準パルス信号を発生し、
    基準パルス信号を受信した各無線通信装置は、受信した基準パルス信号が持つパターンをデコードすることによって、自分が何処の無線ネットワークに参入しているのかを検知する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  5. 直接通信を行なう複数の無線通信装置からなる無線ネットワークを構築するためのネットワーク形成装置であって、
    前記無線ネットワーク内の各無線通信装置が同期処理又は送受信のタイミング制御に使用するための所定の時間間隔で基準パルス信号を発生する基準パルス信号を発生する信号発生手段と、
    該発生された基準パルス信号を送信する信号送信手段を備え、
    前記信号送信手段が送信する基準パルス信号の到達範囲に基づいて無線ネットワークが特定され、
    前記の各無線通信装置は、基準パルス信号を受信するパルス受信手段と、他の無線通信装置との間で無線データ信号を送受信する無線通信手段を備え、前記無線ネットワーク内で基準パルス信号を受信している期間のみネットワーク動作を行ない、受信した基準パルス信号に基づいて互いに送受信タイミングを制御しながら前記無線通信手段を用いて他の無線通信手段と無線通信を行なう、
    ことを特徴とするネットワーク形成装置。
  6. 各無線通信装置の無線通信手段は、データを広い周波数帯に拡散したUWB(Ultra Wide Band)信号を送受信する、
    ことを特徴とする請求項5に記載のネットワーク形成装置。
  7. ユーザ操作を受容するユーザ入力手段をさらに備え、
    前記信号送信手段は、前記ユーザ入力手段を介したユーザ操作に応答して基準パルス信号の送信を開始又は停止する、
    ことを特徴とする請求項に記載のネットワーク形成装置。
  8. 前記信号発生手段は固有のパターンからなる基準パルス信号を発生する、
    ことを特徴とする請求項に記載のネットワーク形成装置。
  9. 無線通信装置同士が直接通信を行なう無線ネットワークにおいて動作する無線送信装置であって、前記無線ネットワークには所定の時間間隔で基準パルス信号を送信するタイミング発生装置が存在するとともに、前記タイミング発生装置が送信する基準パルス信号の到達範囲に基づいて無線ネットワークが特定され、
    前記タイミング発生装置から送信される基準パルス信号を受信するパルス受信手段と、
    他の無線通信装置へ無線データ信号を送信する無線送信手段を備え、
    前記無線ネットワーク内で基準パルス信号を受信している期間のみネットワーク動作を行ない、前記パルス受信手段で受信した基準パルス信号に基づいて送信タイミングを制御しながら前記無線送信手段を用いて他の無線通信装置への無線データ信号の送信を行なう、
    ことを特徴とする無線送信装置。
  10. 前記無線送信手段は、データを広い周波数帯に拡散したUWB(Ultra Wide Band)信号を送信する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の無線送信装置。
  11. 基準パルス信号を受信したことに応答してネットワーク動作を表示する手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項9に記載の無線送信装置。
  12. 無線通信装置同士が直接通信を行なう無線ネットワークにおいて動作する無線送信方法であって、前記無線ネットワークには所定の時間間隔で基準パルス信号を送信するタイミング発生装置が存在するとともに、前記タイミング発生装置が送信する基準パルス信号の到達範囲に基づいて無線ネットワークが特定され、
    前記タイミング発生装置から送信される基準パルス信号を受信するパルス受信ステップと、
    該受信した基準パルス信号に基づいて情報の送信を開始するステップと、
    を具備することを特徴とする無線送信方法。
  13. 無線通信装置同士が直接通信を行なう無線ネットワークにおいて動作する無線受信装置であって、前記無線ネットワークには所定の時間間隔で基準パルス信号を送信するタイミング発生装置が存在するとともに、前記タイミング発生装置が送信する基準パルス信号の到達範囲に基づいて無線ネットワークが特定され、
    前記タイミング発生装置から送信される基準パルス信号を受信するパルス受信手段と、
    他の無線通信装置からの無線データ信号を受信する無線受信手段を備え、
    前記無線ネットワーク内で基準パルス信号を受信している期間のみネットワーク動作を行ない、前記パルス受信手段で受信した基準パルス信号に基づいて受信タイミングを制御しながら前記無線受信手段を用いて他の無線通信装置からの無線データ信号の受信を行なう、
    ことを特徴とする無線受信装置。
  14. 前記無線受信手段は、データを広い周波数帯に拡散したUWB(Ultra Wide Band)信号を受信する、
    ことを特徴とする請求項13に記載の無線受信装置。
  15. 基準パルス信号を受信したことに応答してネットワーク動作を表示する手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項13に記載の無線受信装置。
  16. 無線通信装置同士が直接通信を行なう無線ネットワークにおいて動作する無線受信方法であって、前記無線ネットワークには所定の時間間隔で基準パルス信号を送信するタイミング発生装置が存在するとともに、前記タイミング発生装置が送信する基準パルス信号の到達範囲に基づいて無線ネットワークが特定され、
    前記タイミング発生装置から送信される基準パルス信号を受信するパルス受信ステップと、
    該受信した基準パルス信号に基づいて情報の受信を開始するステップと、
    を具備することを特徴とする無線受信方法。
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