JP4311234B2 - 通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システム - Google Patents

通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システム Download PDF

Info

Publication number
JP4311234B2
JP4311234B2 JP2004064627A JP2004064627A JP4311234B2 JP 4311234 B2 JP4311234 B2 JP 4311234B2 JP 2004064627 A JP2004064627 A JP 2004064627A JP 2004064627 A JP2004064627 A JP 2004064627A JP 4311234 B2 JP4311234 B2 JP 4311234B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
state variable
variable signal
node
information
communication
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004064627A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005253012A (ja
Inventor
健嗣 八百
正晃 伊達
幸伯 森田
茂 福永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP2004064627A priority Critical patent/JP4311234B2/ja
Priority to US11/072,409 priority patent/US7606271B2/en
Priority to CN2005100544849A priority patent/CN1667995B/zh
Publication of JP2005253012A publication Critical patent/JP2005253012A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4311234B2 publication Critical patent/JP4311234B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04JMULTIPLEX COMMUNICATION
    • H04J3/00Time-division multiplex systems
    • H04J3/02Details
    • H04J3/06Synchronising arrangements
    • H04J3/0635Clock or time synchronisation in a network
    • H04J3/0676Mutual
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W12/00Security arrangements; Authentication; Protecting privacy or anonymity
    • H04W12/06Authentication
    • H04W12/069Authentication using certificates or pre-shared keys
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W48/00Access restriction; Network selection; Access point selection
    • H04W48/08Access restriction or access information delivery, e.g. discovery data delivery
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W48/00Access restriction; Network selection; Access point selection
    • H04W48/16Discovering, processing access restriction or access information
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W56/00Synchronisation arrangements

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Computer Security & Cryptography (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Small-Scale Networks (AREA)
  • Time-Division Multiplex Systems (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Description

本発明は、通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システムに関し、特に、複数のノードでなる通信システムにおけるデータ通信の衝突回避に関するものである。
空間に分散配置された複数のノードが衝突することなくデータ通信し得るようにするための方式として、TDMA方式、CSMA(CSMA/CAやCSMA/CD)方式などがある(非特許文献1参照)。
CSMA方式は、発信しようとするノードは、他のノードが通信中か否かをキャリア(周波数)の存在に基づいて確認し、通信が実行されていないときに発信するものである。しかしながら、CSMA方式の場合、同時に通信可能なチャネル数は少なくなる。
TDMA方式は、各ノードに異なるタイムスロットを割当て、各ノードは自己に割り当てられているタイムスロットで送信を行うものであり、TDMA方式は、CSMA方式より同時に通信可能なチャネル数を多くし易い。TDMA方式では、通信に供するノードが動的に変化する場合、あるノード(管理ノード)が、各ノードへのタイムスロットを動的に割り当てたりする。
松下温、中川正雄編著、「ワイヤレスLANアーキテクチャ」、共立出版、1996年、p.47、53〜59、69
しかし、TDMA方式の場合、タイムスロットの割当てを行う管理ノードが故障すると、通信システム全体がダウンする。また、各ノードに動的にタイムスロットを再割当てする処理は煩雑であり、状況変化に迅速に対応できないことも生じる。
そのため、管理ノードが各ノードに通信タイミングを指示することなく、各ノードが有効な通信を実行できる通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システムが望まれている。
かかる課題を解決するため、第1の本発明は、通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに設けられている通信タイミング制御装置であって、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受け取ると共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する状態変数信号通信手段と、上記状態変数信号通信手段が受け取った他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して上記状態変数信号通信手段に与えるタイミング決定手段と、上記状態変数信号通信手段が受け取った状態変数信号が有効なものであるかを判定し、上記タイミング決定手段が、有効な状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させるようにさせる状態変数信号有効性判定手段とを有し、上記状態変数信号有効性判定手段は、自ノードからの状態変数信号及び他ノードから受け取った状態変数信号の中の任意の2つの状態変数信号の生起タイミング差を計測し、計測したデータを統計的に整理、保持し、その統計的データに基づいて、受け取った状態変数信号の有効性を判定することを特徴とする。また、第2の本発明は、通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに設けられている通信タイミング制御装置であって、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受け取ると共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する状態変数信号通信手段と、上記状態変数信号通信手段が受け取った他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して上記状態変数信号通信手段に与えるタイミング決定手段と、上記状態変数信号通信手段が受け取った状態変数信号が有効なものであるかを判定し、上記タイミング決定手段が、有効な状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させるようにさせる状態変数信号有効性判定手段とを有し、上記状態変数信号有効性判定手段は、受け取った状態変数信号から付加情報を抽出する付加情報抽出部と、自ノードからの状態変数信号に付加情報を付加する付加情報付加部と、受け取った状態変数信号から抽出された既に有効性が確認された付加情報及び又は自ノードからの状態変数信号に付加した付加情報そのもの、若しくは、それらに応じた情報を保持する情報保持部と、受け取った状態変数信号から抽出された付加情報と上記情報保持部に保持されている情報との関係を確認する付加情報確認部とを備え、その確認結果に応じて、受け取った状態変数信号の有効性を判定することを特徴とする。さらに、第3の本発明は、通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに設けられている通信タイミング制御装置であって、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受け取ると共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する状態変数信号通信手段と、上記状態変数信号通信手段が受け取った他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して上記状態変数信号通信手段に与えるタイミング決定手段と、上記状態変数信号通信手段が受け取った状態変数信号が有効なものであるかを判定し、上記タイミング決定手段が、有効な状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させるようにさせる状態変数信号有効性判定手段とを有し、上記状態変数信号有効性判定手段は、受け取った状態変数信号から付加情報を抽出する情報抽出部と、抽出された付加情報の全体又は一部に所定の演算を施す演算部と、抽出された付加情報の全体又は一部と演算結果とを比較する比較部と、乱数を利用して付加情報を生成する付加情報生成部と、自ノードからの状態変数信号に付加情報を付加する付加情報付加部とを備え、上記比較部の比較結果に応じて、受け取った状態変数信号の有効性を判定することを特徴とする。
第4の本発明のノードは、第1〜第3の本発明のいずれかの通信タイミング制御装置を有することを特徴とする。
の本発明の通信システムは、第の本発明のノードを複数分散配置して有することを特徴とする。
第6の本発明は、通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに適用されている通信タイミング制御方法であって、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受け取ると共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する状態変数信号通信工程と、上記状態変数信号通信工程が受け取った他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して上記状態変数信号通信工程に与えるタイミング決定工程と、上記状態変数信号通信工程が受け取った状態変数信号が有効なものであるかを判定し、上記タイミング決定工程が、有効な状態変数信号だけに基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させるようにさせる状態変数信号有効性判定工程とを含み、上記状態変数信号有効性判定工程は、自ノードからの状態変数信号及び他ノードから受け取った状態変数信号の中の任意の2つの状態変数信号の生起タイミング差を計測し、計測したデータを統計的に整理、保持し、その統計的データに基づいて、受け取った状態変数信号の有効性を判定することを特徴とする。第7の本発明は、通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに適用されている通信タイミング制御方法であって、他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受け取ると共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する、状態変数信号通信手段が実行する状態変数信号通信工程と、上記状態変数信号通信工程が受け取った他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して上記状態変数信号通信工程に与える、タイミング決定手段が実行するタイミング決定工程と、上記状態変数信号通信工程が受け取った状態変数信号が有効なものであるかを判定し、上記タイミング決定工程が、有効な状態変数信号だけに基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させるようにさせる、状態変数信号有効性判定手段が実行する状態変数信号有効性判定工程とを含み、上記状態変数信号有効性判定工程は、受け取った状態変数信号から付加情報を抽出する付加情報抽出処理と、自ノードからの状態変数信号に付加情報を付加する付加情報付加処理と、受け取った状態変数信号から抽出された既に有効性が確認された付加情報及び又は自ノードからの状態変数信号に付加した付加情報そのもの、若しくは、それらに応じた情報を保持する情報保持処理と、受け取った状態変数信号から抽出された付加情報と上記情報保持処理により保持されている情報との関係を確認する付加情報確認処理とを備え、その確認結果に応じて、受け取った状態変数信号の有効性を判定することを特徴とする。第8の本発明は、通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに適用されている通信タイミング制御方法であって、
他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受け取ると共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する、状態変数信号通信手段が実行する状態変数信号通信工程と、上記状態変数信号通信工程が受け取った他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して上記状態変数信号通信工程に与える、タイミング決定手段が実行するタイミング決定工程と、上記状態変数信号通信工程が受け取った状態変数信号が有効なものであるかを判定し、上記タイミング決定工程が、有効な状態変数信号だけに基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させるようにさせる、状態変数信号有効性判定手段が実行する状態変数信号有効性判定工程とを含み、上記状態変数信号有効性判定工程は、受け取った状態変数信号から付加情報を抽出する情報抽出処理と、抽出された付加情報の全体又は一部に所定の演算を施す演算処理と、抽出された付加情報の全体又は一部と演算結果とを比較する比較処理と、乱数を利用して付加情報を生成する付加情報生成処理と、自ノードからの状態変数信号に付加情報を付加する付加情報付加処理とを備え、上記比較部の比較結果に応じて、受け取った状態変数信号の有効性を判定することを特徴とする。
本発明によれば、ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号をノード間で授受し合って、各ノードが自律的に通信タイミングを取得するので、管理ノードが各ノードに通信タイミングを指示することなく、各ノードが有効な通信を実行できる。
ここで、状態変数信号が与えられた側のノードが、状態変数信号が有効なものであるかを判定し、自ノードの状態変数信号を繊維させるようにしているので、各ノードが自律的に取得した通信タイミングを高精度のものとすることができる。
(A)第1実施形態
以下、本発明による通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システムの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
第1の実施形態は、各ノードがインパルス信号を発生し、また、自分以外のノードが発生するインパルス信号を有効に検出することによって、近傍のノードと相互に作用し合い、自律分散的にタイムスロットの割り当てを決定するものである。
第1実施形態の通信システムは、無線回線を介してデータを授受する、空間中に分散配置された複数のノードを備えている。ここで、第1の実施形態は、各ノードの位置が通信中はほとんど変化しないものを想定している。
各ノードは、図1の機能ブロック図に示す詳細構成を有している。図1において、ノード10は、インパルス信号受信判定手段11、通信タイミング計算手段12、インパルス信号送信手段13、同調判定手段14、データ通信手段15、センサ16及び無効信号判定手段17を有する。なお、通信タイミング制御装置としては、インパルス信号受信判定手段11、通信タイミング計算手段12、インパルス信号送信手段13、同調判定手段14及び無効信号判定手段17が構成要素となっている。
インパルス信号受信判定手段11は、近傍ノード(例えば、そのノードの発信電波が届く範囲に存在する他のノード)が発信した出力インパルス信号(宛先情報は含まれていない)を入力インパルス信号Sin11として受信するものである。ここで、インパルス信号はタイミング信号として授受されるものであり、例えば、ガウス分布形状等のインパルス形状を有するものである(なお、インパルス信号がなんらかのデータ情報を保持するものであっても良い)。インパルス信号受信判定手段11は、入力インパルス信号Sin11を無効信号判定手段17に与え、無効信号判定手段17から入力インパルス信号Sin11の有効/無効判定結果を取り込むものである。インパルス信号受信判定手段11は、入力インパルス信号Sin11が有効な場合には、受信インパルス信号Spr11を出力し、入力インパルス信号Sin11が無効な場合には、そのインパルス信号Sin11を破棄する。受信インパルス信号Spr11は、入力インパルス信号Sin11を波形整形したものでも良く、信号を再生成したものであっても良い。
通信タイミング計算手段12は、受信インパルス信号Spr11に基づいたりし、当該ノードでの通信タイミングを規定する位相信号Spr12を形成して出力するものである(なお、受信インパルス信号Spr11がない場合であっても位相信号Spr12を形成して出力する;後述する(1)式の第2項が0)。ここで、当該ノードiの位相信号Spr12の時刻tでの位相値をθi(t)とすると、通信タイミング計算手段12は、受信インパルス信号Spr11に基づいて、(1)式に示すような変化分ずつ位相信号Spr12(=θi(t))を変化させる。なお、(1)式は、非線形振動をモデル化した式であるが、他の非線形振動をモデル化した式を適用することも可能である。また、位相信号Spr12(=θi(t))は、当該ノードの状態変数信号と見ることができる。
Figure 0004311234
(1)式は、受信インパルス信号Spr11の入力に応じて、自ノードiの位相信号θi(t)の非線形振動のリズムを変化させる規則を表している。(1)式において、右辺第1項ω(固有角振動数パラメータ)は、各ノードが備える基本的な変化リズム(「自己の動作状態を遷移させる基本速度」に対応する)を表しており、右辺第2項が非線形変化分を表している。第1の実施形態では、ωの値はシステム全体で同一の値に統一しているとしている。関数Pk(t)は、近傍ノードk(kは1〜Nまでとする)から受信した受信インパルス信号Spr11を表しており、関数R(θi(t),σ(t))は、受信インパルス信号Spr11の入力に応じて自己の基本的なリズムを変化させる応答特性を表現する位相応答関数であり、例えば、(2)式に従っている。(2)式は、時刻tにおける位相信号θi(t)の逆相にランダムノイズを重畳させた位相値の正弦波で位相応答関数を定めていることを表している。
近傍のノード同士が逆相(振動の位相が反転位相)になろうとする非線形特性を実現し、その特性を用いて衝突回避を実行させようとしたものである。すなわち、傍のノード間における出力インパルス信号Sout11の発信タイミングなどが衝突しないように、各ノードの位相信号の値が同じ値になるタイミングに、適当な時間関係(時間差)が形成させようとしている。
(2)式において関数σ(t)を表現する定数項π[rad]は、近傍のノード同士が逆相になろうとする非線形特性の働きをし、ランダムノイズ関数φ(t)は、その非線形特性にランダムな変動性を与える働きをする(関数φ(t)は、例えば、平均値が0のガウス分布に従う)。ここで、上記非線形特性にランダムな変動性を与えているのは、システムが目的とする安定状態(最適解)に到達せず、別の安定状態(局所解)に陥ってしまう現象に対処するためである。
なお、(2)式では、位相応答関数R(θi(t),σ(t))の最も簡単な例としてsin関数を用いる形態を示したが、位相応答関数として他の関数を用いても良い。また、関数σ(t)の定数項πに代え、π以外の定数λ(0<λ<2π)を用いても良く、この場合、近傍のノード同士が逆相ではなく、異なる位相になろうと機能する。
通信タイミング計算手段12の上述した機能の意味合いを、図2及び図3を用いて詳述する。なお、図2及び図3に示す状態変化は、インパルス信号送信手段13の機能も関係している。
図2及び図3は、ある1つのノードに着目したときに、着目ノード(自ノード)と近傍ノード(他ノード)との間に形成される関係、すなわち、それぞれの非線形振動リズム間の位相関係が時間的に変化していく様子を示している。
図2は、着目ノードiに対して近傍ノードjが1個存在する場合である。図2において、円上を回転する2つの質点の運動は、着目ノードと近傍ノードに対応する非線形振動リズムを表しており、質点の円上の角度がその時刻での位相信号の値を表している。質点の回転運動を縦軸あるいは横軸に射影した点の運動が非線形振動リズムに対応する。(1)式及び(2)式に基づく動作により、2つの質点には相互に逆相になろうとし、仮に、図2(a)に示すように初期状態で2つの質点の位相が近くても、時間経過と共に、図2(b)に示す状態(過渡状態)を経て、図2(c)に示すような2つの質点の位相差がほぼπである定常状態に変化していく。
2つの質点は、それぞれ固有角振動数パラメータωを基本的な角速度(自己の動作状態を遷移させる基本速度に相当)とする回転をしている。ここで、ノード間でインパルス信号の送受信に基づく相互作用が生じると、これらの質点は、それぞれ角速度を変化(緩急)させ、結果的に、適当な位相関係を維持する定常状態に到達する。この動作は、2つの質点が回転しながら相互に反発しあうことによって、安定な位相関係を形成するものと見ることができる。定常状態では、後述するように、それぞれのノードが所定の位相(例えば0)のときに出力インパルス信号Sout11を発信するとした場合、互いのノードにおける発信タイミングは、適当な時間関係を形成していることになる。
また、図3は、着目ノードiに対して2個の近傍ノードj1、j2が存在する場合を表している。近傍ノードが2個存在する場合においても、上述と同様に、それぞれの質点が回転しながら相互に反発しあうことによって、安定な位相関係(時間的な関係に関する安定性)を形成する。近傍ノード数が3個以上の場合についても同様である。
上述の安定な位相関係(定常状態)の形成は、近傍ノード数の変化に対して非常に適応的(柔軟)な性質を持つ。例えば、今、着目ノードに対して近傍ノードが1個存在し、安定な位相関係(定常状態)が形成されているときに、近傍ノードが1個追加されたとする。定常状態は一旦崩壊するが、過渡状態を経た後、近傍ノードが2個の場合における新たな定常状態を再形成する。また、近傍ノードが削除された場合や故障等により機能しなくなった場合においても、同様に適応的な動作をする。
通信タイミング計算手段12は、得られた位相信号Spr12(=θi(t))を、インパルス信号送信手段13、同調判定手段14及びデータ通信手段15に出力する。
インパルス信号送信手段13は、位相信号Spr12に基づいて、出力インパルス信号Sout11を送信する。すなわち、位相信号Spr12が所定の位相α(0≦α<2π)になると、出力インパルス信号Sout11を送信する。ここで、所定の位相αは、予めシステム全体で統一しておくことが好ましい。以下では、α=0にシステム全体で統一されているとして説明する。なお、図2の例で言えば、ノードiとノードjとでは、定常状態で相互の位相信号Spr12がπだけずれているので、α=0にシステム全体で統一しても、ノードiからの出力インパルス信号Sout11の送信タイミングと、ノードjからの出力インパルス信号Sout11の送信タイミングとはπだけずれている。
同調判定手段14は、自ノードや1又は複数の近傍ノードの間で行われる出力インパルス信号Sout11の送信タイミングの相互調整が、「過渡状態」(図2(b)、図3(b)参照)あるいは「定常状態」(図2(c)、図3(c)参照)のいずれの状態にあるかを判定するものである。同調判定手段14は、受信インパルス信号Spr11(他ノードの出力インパルス信号Sout11に対応する)及び出力インパルス信号Sout11の発生タイミングを観測し、インパルス信号を授受し合う複数のノードの発生タイミング間の時間差が時間的に安定している場合に「定常状態」であると判定する。なお、この実施形態の場合には、同調判定手段14には、自ノードからの出力インパルス信号Sout11の発生タイミングを捉えるための信号として、出力インパルス信号Sout11に代えて、位相信号Spr12が入力されている。
同調判定手段14は、例えば、以下の(a)〜(d)のような処理を実行して同調判定を行う。
(a)受信インパルス信号Spr11の発生タイミングにおける位相信号Spr12の値βを、位相信号Spr12の1周期に亘って観測する。ここでは、上記の観測を行った結果、得られる位相信号Spr12の値βをそれぞれ、β1,β2,…,βN (0<β1<β2<…<βN<2π)とする。
(b)観測された位相信号Spr12の値βに基づいて、隣接値間の差(位相差)△1=β1,△2=β2−β1,…,△N=βN−β(N−1)を算出する。
(c)上記(a)及び(b)の処理を位相信号Spr12の周期単位に行い、相前後する周期における位相差△の変化量(差分)γ1=△1(τ+1)−△1(τ),γ2=△2(τ+1)−△2(τ),…,γN=△N(τ+1)−△N(τ)を算出する。ここで、τは、位相信号Spr12のある周期を示しており、τ+1は、位相信号Spr12のその次の周期を示している。
(d)上述の変化量γが、いずれも微小パラメータ(閾値)εよりも小さい場合、すなわち、γ1<ε,γ2<ε,…,γN<εの場合に、「定常状態」であると判定する。
なお、γ1<ε,γ2<ε,…,γN<εという条件がM周期にわたって満足される場合を定常状態と判定するようにしても良い。Mの値を大きくするほど、より安定性の高い状態で「定常状態」と判定できる。また、一部の受信インパルス信号Spr11に基づいて、「定常状態」の判定を行っても構わない。
同調判定手段14は、位相信号Spr12の周期毎に、判定結果を示す同調判定信号Spr13と、受信インパルス信号Spr11の発生タイミングにおける位相信号Spr12の値βの最小値β1をスロット信号Spr14としてデータ通信手段15に出力する。なお、最小値β1をスロット信号Spr14として出力するようにしたのは、上述したように、α=0としていることと関係しており、αの値の選定によっては、スロット信号Spr14に適用するβの値は変化する。
当該ノード10は、他のノードから受信したデータを中継して送信する機能と、自己を送信元とするデータ送信機能とを有している。
センサ16は、後者の場合の一例として書き出したものであり、例えば、音や振動の強度、化学物質の濃度、温度など、物理的又は化学的な環境情報Sin13を検知して観測データSpr15をデータ通信手段15に出力するものである。
また、前者の場合には、データ通信手段15に、近傍ノードが送信したデータ信号(出力データ信号Sout12)が入力データ信号Sin12として受信される。
データ通信手段15は、観測データSpr15及び又は入力データ信号Sin12(両方の場合を含む)を出力データ信号Sout12として他ノードに送信する。データ通信手段15は、この送信を、同調判定信号Spr13が「定常状態」を示す場合に、後述するタイムスロット(システムなどが割り当てた固定的な時間区間ではないが、「タイムスロット」という用語を用いる)で行ない、同調判定信号Spr13が「過渡状態」を示す場合には送信動作を停止している。なお、出力データ信号Sout12は、出力インパルス信号Sout11と同一周波数帯で送信周波数とするものであっても良い。
タイムスロットは、位相信号Spr12の位相θi(t)がδ1≦θi(t)≦β1−δ2である期間である。タイムスロットの開始点(そのときの位相信号の値をδ1とする)は、出力インパルス信号Sout11の送信が終了したタイミングであり、タイムスロットの終了点(そのときの位相信号の値をβ1−δ2とする)は、位相信号Spr12の周期毎の最初の受信インパルス信号Spr11のタイミングより多少のオフセット分δ2だけ前のタイミングとしている。δ1やδ2は、当該ノード10の近傍の無線空間で、インパルス信号(送信元は自ノードの場合、他ノードの場合の双方を含む)と、データ信号(送信元は自ノードの場合、他ノードの場合の双方を含む)とが同時に存在しないことを補償するためのごく短い時間に対応する位相幅である。δ1及びδ2は、例えば、ノード10の設置状況下で実験的に決定する。
例えば、図2(c)に示すような「定常状態」の場合、ノードiは、位相θiが0から出力インパルス信号Sout11を送信し始め、位相θiがδ1になる前に、出力インパルス信号Sout11の送信を終了させておき、位相θiがδ1から出力データ信号Sout12を送信し始め、位相θiがβ1−δ2になると(但しβ1≒π)、出力データ信号Sout12の送信が終了させ、それ以降、位相θiが再び0になるまで、出力インパルス信号Sout11の送信も出力データ信号Sout12の送信も停止させる。他方のノードjも、位相θjに基づいて同様な動作を実行するが、位相θiと位相θjとがほぼπだけずれているので、送信動作が競合することはない。ノード数が3以上の場合も同様に動作し、送信動作が競合することはない。
以上のような動作は、インパルス信号受信判定手段11への入力インパルス信号Sin11が有効な信号であることを前提としている。
しかしながら、各ノードに対し、無効なインパルス信号が入力されることもあり得、そのため、この第1の実施形態では、無効信号判定手段17を設けている。無効なインパルス信号がノードに入力される場合としては、例えば、図4に示すような場合がある。図4(a)は、あるノードからのインパルス信号が、直進経路Aを介して他のノードに有効に入力される他、壁等で反射される経路Bを介して他のノードに無効に入力される場合を示している。図4(b)は、あるノードからのインパルス信号が、壁等で反射されて自ノードに無効に入力される場合を示している。
無効信号判定手段17は、入力インパルス信号間の位相差や、自己からの出力インパルス信号及び入力インパルス信号間の位相差などに基づいて、反射による無効なインパルス信号(反射インパルス信号)を検出するものである。
図2及び図3を用いて説明したように、各ノードは、自己からの出力インパルス信号の送信位相を、他ノードの送信位相との位相差が所定の関係を有する定常状態になるように自律的にしかも協働しながら徐々に変化させており、過渡状態では、ノード間の出力インパルス信号の送信位相間の位相差が一定値で固定されることはない。
一方、各ノードが静止している場合には、壁等による反射インパルス信号は、各ノードが送信するインパルス信号のタイミングが変化しても、その送信インパルス信号と反射インパルス信号との間には常に一定の位相関係を持つ。すなわち、図4(a)に示すように、あるノードからあるノードへ直接伝わるインパルス信号と、壁等による反射を介して伝わるインパルス信号とは経路の距離差B−Aが一定のため、常に一定の位相差を持つと想定でき、この特性を利用すると、反射インパルス信号を特定できる。
また、図4(b)に示すように、自ノードが発信したインパルス信号と、それが壁等により反射し戻ってきたインパルス信号との間にも、常に一定の位相差が存在すると想定でき、この特性を利用すると、自ノードが発信したインパルス信号の反射インパルス信号を特定できる。
無効信号判定手段17には、入力インパルス信号Sin11に加え、インパルス信号送信手段13から、自ノードが出力インパルス信号Sout11を送信するタイミングに係るタイミング信号が入力される。なお、このタイミング信号は、出力インパルス信号の複製でも良く、新たに生成したものでも良い。
無効信号判定手段17は、任意のタイミング信号(入力インパルス信号Sin11、出力インパルス信号Sout11)に常に一定の間隔(位相差)で付随するタイミング信号を検出する。例えば、任意のタイミング信号とその次に与えられるタイミング信号との間隔差に関して統計的なデータをとり、出現確率の高い間隔差か否かを判断し、出現確率の高い間隔差を検出する。このとき、インパルス信号受信判定手段11は、上述したように、無効と判断された入力インパルス信号Sin11を破棄する。
無効信号判定手段17は、例えば、具体的には、図5に示すように動作する。なお、既に、インパルス信号送信手段13、及び又は、インパルス信号受信判定手段11から比較対象のタイミング信号が与えられているとして説明する。
新たなタイミング信号がインパルス信号受信判定手段11から無効信号判定手段17へ与えられると(S1)、無効信号判定手段17は、1つ前に与えられたタイミング信号との間隔差を計測する(S2;なお、新たに与えられたタイミング信号が、インパルス信号送信手段から与えられるタイミング信号の場合には、保持動作のみを行う)。
今までの統計データを参照し、その間隔差が出現確率の高い間隔差がどうかを調べる。また、新たに計測して得たデータを統計データに反映させて、統計データを更新させる(S3)。
出現確率が高い間隔差である場合には、新たに与えられたタイミング信号は、壁による反射等によって、任意の信号に付随する信号であると判断し、インパルス信号受信判定手段11に無効の結果を与え、そうでない場合は、有効の結果を与える(S4)。
上記第1の実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
従来のTDMA方式では、集中管理ノードが一元的にタイムスロットの割り当てを行っていたが、第1の実施形態では、集中管理ノードは存在せず、各ノードが近傍ノードと相互作用することによって、自律分散的にタイムスロットの割り当てを決定することができる。すなわち、個々のノードがタイムスロットの割り当てを自律的に相互調整する。従って、第1の実施形態では、集中管理ノードの故障により、その管理下にある全てのノードが通信不能になるといった問題を防止することができる。
また、第1の実施形態では、システムの一部にノードの追加や削除,あるいは故障や移動等の変化が発生した場合においても、その変化に関連するノード群が自律的かつ適応的にタイムスロットの再割り当てを行うことが可能であり、また、その変化に関連しないノード群は、タイムスロットを変更することなく、データ通信をそのまま継続して行うことができる。
さらに、上記のタイムスロットの自律的な相互調整は、近傍ノード間で行われるため、発信電波の到達距離を越えて相互に影響が生じないノード間においては、同時にデータを発信することが可能である。すなわち、第1の実施形態では、システムのいたるところで時間的に重複してデータの発信が行われるが、電波干渉の生じる可能性がある任意の近傍ノード間においては、タイムスロットの割り当てを自律的に相互調整することによって、発信データの衝突を回避する動作が実現される。
これと同様の動作を、集中管理ノードの管理に基づく方式で実現しようとすると、集中管理ノードは、すべてのノードの空間的な位置関係や発信電波の到達距離を常に把握している必要があるが、これは、ノードの追加や移動等の変化がしばしば生じる状況下では、一般にオーバヘッドが大きくなり、複雑あるいは繁雑な処理を行わなければならないという問題が発生する。第1の実施形態では、システムの構成や配置の変化に対して適応性のあるデータ通信を効率的に行うことが可能であり、トラフィックを発生するノードが多くなっても、オーバヘッドが大きくなることはなく、通信効率は低下しない。
さらに、第1の実施形態においては、例えば、トラフィックを発生するノードだけが出力インパルス信号Sout11の送信を行う動作形態を取ることも可能であり、この場合、時間と共にトラフィックを発生するノードが変化しても、その都度、タイムスロットを有効に再割り当てすることでき、トラフィックを発生しているノード群による効率的なデータ通信を実現することが可能である。
さらにまた、第1の実施形態によれば、壁等によって反射された無効なインパルス信号を検出することができ、通信タイミングの制御が無効なインパルス信号の入力によって妨害されることを未然に防止することができる
(B)第2の実施形態
次に、本発明による通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システムの第2の実施形態を、図面を参照しながら、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
上述した第1の実施形態は、各ノードが静止配置されていることを前提としているものであったが、第2の実施形態は、全て又は一部のノードが移動していても、反射インパルス信号などの無効なインパルス信号を特定することができるようにしたものである。第2の実施形態では、各ノードは、現在までに自己を含めた近傍の全てのノードが送信したインパルス信号の個数をカウントしたカウント値(以下、カウント情報と呼ぶ)を、これから送信するインパルス信号に付加して送信することを特徴としている。
図6は、第2の実施形態のノード10Aの機能的な詳細構成を示すブロック図であり、第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
第2の実施形態の場合、第1の実施形態での無効信号判定手段17に代え、カウント情報判定手段18が設けられていると共に、インパルス信号受信判定手段11やインパルス信号送信手段13の機能も第1の実施形態と多少異なっている。その他の構成要素は、第1の実施形態と同様であり、その説明は省略する。
第2の実施形態においても、インパルス信号受信判定手段11は、近傍ノードが発信した出力インパルス信号を入力インパルス信号Sin11として受信するが、第2の実施形態の場合、入力インパルス信号Sin11にはカウント情報が付加されており、付加されているカウント情報を抽出する。
インパルス信号へのカウント情報の付加は、後述するように、インパルス信号生成手段13が実行するが、カウント情報の付加、抽出方法を数例挙げれば、以下の通りである。
第1例は、ガウス分布形状等のインパルス形状を有するインパルス信号本体に、カウント情報を表す波形信号を重畳させる付加方法であり、カウント情報を表す波形信号が有する周波数成分を通過させるフィルタを通すことによってカウント情報を抽出する。
第2の例は、インパルス信号は有限長の矩形波の形状をしており、そのパルス幅をカウント情報に応じたものとしてカウント情報を付加し、受信側でインパルス信号の矩形波でのパルス幅を、内部発生のクロック等に基づいて検出することでカウント情報を抽出する。
第3の例は、インパルス信号であると識別されるヘッダ情報の後にカウント情報を表す波形信号を付加し、受信側では、ヘッダ情報を検出すると、それに時系列に連なっているカウント情報を抽出する。
インパルス信号受信判定手段11は、入力インパルス信号Sin11より抽出したカウント情報をカウント情報判定手段18に与え、カウント情報判定手段18に、今回の入力インパルス信号Sin11が有効なものか否かの判定結果を要求する。判定結果を受けた後での処理は、第1の実施形態と同様である。
なお、インパルス信号受信判定手段11は、入力インパルス信号Sin11からカウント情報が抽出できない場合には、カウント情報判定手段18に判定をあおぐことなく、その入力インパルス信号Sin11を無効として処理する。例えば、たまたまノイズがインパルス信号と同様な形状をとった場合に、このようなことが生じる。
カウント情報判定手段18は、上述したように、インパルス信号受信判定手段11からカウント情報が与えられると、内部保持するカウント情報との比較により、そのカウント情報を持つインパルス信号が有効なものか無効なものかを判定し、その判定結果をインパルス信号受信判定手段11へ返信するものである。カウント情報判定手段18による判定方法は後述するが、判定結果が有効な場合には、内部保持するカウント情報の1インクリメント処理をも実行する。
また、カウント情報判定手段18は、上述のように、内部にインパルス信号のカウント情報を保持しており、インパルス信号生成手段13からカウント情報の要求メッセージを受けると、現在保持しているカウント情報を1インクリメントしたものに更新し、更新後のカウント情報をインパルス信号生成手段13へ返信するものである。
なお、カウント情報判定手段18が、内部保持するカウント値の最大値が定まっており、その最大値からの1インクリメント処理では最小値に戻るようになされている。このような値の前後での比較では、カウント値の巡回がなかったものとして行う。例えば、差分が余りに大きい場合には、小さい方の値に最大値の値を加算し、再度、比較処理を行う。
第2の実施形態のインパルス信号生成手段13は、インパルス信号生成手段13は、通信タイミング計算手段12から与えられる位相信号が特定の値α(例えばα=0)になると、カウント情報判定手段18へカウント情報の要求メッセージを送信し、返信されたカウント情報を付加している出力インパルス信号Sout11を生成して送信する。
次に、カウント情報判定手段18の判定動作等、カウント情報に関係する動作の一例を、図7をも参照しながら説明する。
反射インパルス信号が当該ノードに入力された場合には、その反射インパルス信号に付加されているカウント情報を有するインパルス信号が、その入力前に既に入力されており(図4(a)の場合)、又は、反射インパルス信号に付加されているカウント情報を有するインパルス信号が当該ノードが送信したものであり、内部保持のカウント情報は既にその値をとっていたりする(図4(b)の場合)。すなわち、カウント情報判定手段18は、入力インパルス信号が反射インパルス信号か否かを、自己が保持しているカウント情報を利用して判断する。
カウント情報判定手段18は、インパルス信号受信判定手段11から抽出されたカウント情報を受けると(S11、S14)、そのカウント情報が保持しているカウント値以下か否かを判定する(S12、S15)。
カウント情報判定手段18は、抽出されたカウント情報が保持カウント値以下の値ならば(例えば、カウント情報判定手段18が保持しているカウント値が「3」のときに、抽出されたカウント情報も「3」であれば)、今回の入力インパルス信号Sin11は、既に検出済みのインパルス信号と同一のものであるので(言い換えると、反射インパルス信号であるので)、無効を示す判定結果をインパルス信号受信判定手段11に返信する(S13)。
一方、カウント情報判定手段18は、抽出されたカウント情報が保持カウント値より大きい値ならば(例えば、カウント情報判定手段18が保持しているカウント値が「3」のときに、抽出されたカウント情報が「4」であれば)、今回の入力インパルス信号Sin11は、新規のインパルス信号であると判断し、保持カウント値を抽出されたカウント情報に更新した後(S16;保持しているカウント値が「3」のときには「4」に更新する)、有効を示す判定結果をインパルス信号受信判定手段11に返信する(S17)。
なお、上記では、抽出されたカウント情報が保持カウント値より大きい値ならば、その差を問題とすることなく、入力インパルス信号を有効と扱う場合を示したが、抽出されたカウント情報が保持カウント値より1だけ大きい場合だけを有効と扱うようにしても良い。但し、当該ノードと複数の他のノードとの配置関係や、過渡状態の段階等によっては、有効なインパルス信号の受信が連続しても、付加されているカウント情報の値が逆転されていることもあり得る。このような場合、抽出されたカウント情報が保持カウント値より1だけ大きい場合だけを有効と扱うようにすると、逆転関係にある全ての有効な入力インパルス信号が無効と見なされるが、抽出されたカウント情報が保持カウント値より大きい場合を有効と扱うようにすると、一部の有効な入力インパルス信号がそのまま有効と扱うようにされる。
これにより、インパルス信号受信判定手段11から受信インパルス信号が出力され、通信タイミング計算手段12からの位相信号も見直される。有効な入力インパルス信号が、定常状態で定まる1又は数個到来した後は、当該ノードから出力インパルス信号を送信するタイミングになる。
位相信号がこのようなタイミングを示す値になると、インパルス信号生成手段13からカウント情報の要求メッセージがカウント情報判定手段18に与えられ(S18)、このとき、カウント情報判定手段18は、現在の保持カウント情報を1インクリメントし(S19;保持しているカウント値が「4」のときには「5」にインクリメントする)、そのインクリメント後のカウント情報をインパルス信号生成手段13に返信する(S20)。これにより、インパルス信号生成手段13は、そのカウント情報を付加した出力インパルス信号を送信する(S21)。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果に加え、以下の効果を奏することができる。
すなわち、各ノードがインパルス信号に付加されるカウント情報を保持しておくことにより(言い換えると、少ない情報保持量により)、受信したインパルス信号が既に検出済みかどうかを判断することができ、任意のノードから発生した同一のインパルス信号を重複して検出することを防ぐことができ、通信タイミング制御を適切に実行させることができる。ここで、各ノードが静止していても動いていても検出可能である。なお、第2の実施形態は、全てのノードが固定配置の場合にも適用可能なものである。
(C)第3の実施形態
次に、本発明による通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システムの第3の実施形態を、図面を参照しながら、第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
第2の実施形態は、各インパルス信号を区別するためにインパルス信号にカウント情報を付加するものであったが、この第3の実施形態は、カウント情報に代え、後述するような規則性がないID情報を適用したものである。上述したカウント情報も、インパルス信号の一種のID信号になっているが変化に一定の規則性があり、この第3の実施形態が意図している規則性がないID情報の概念には含まれない。
第3の実施形態では、各ノードがランダムにID情報を生成し、そのID情報をインパルス信号に付加して送信し、インパルス信号を受信したノードは、ID情報を抽出し、内部保持しているID情報との照合により、入力インパルス信号が有効か否かを判定し、有効な場合には、所定時間だけ、そのID情報を保持する。また、第3の実施形態では、自ノードからのインパルス信号の送信タイミングでは、ID情報を生成してインパルス信号に付加して送信させると共に、生成されたID情報を所定時間だけ保持する。
図8は、第3の実施形態のノード10Bの機能的な詳細構成を示すブロック図であり、第2の実施形態に係る図6との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
第3の実施形態のノード10Bは、第2の実施形態のカウント情報判定手段18に代え、ID情報判定手段19及びID情報生成手段20を有すると共に、インパルス信号受信判定手段11やインパルス信号送信手段13の機能も第2の実施形態と多少異なっている。その他の構成要素は、第2の実施形態と同様であり、その説明は省略する。
第3の実施形態のインパルス信号受信判定手段11は、第2の実施形態のものに比較すると、入力インパルス信号Sin11から抽出するものがID情報に変化しているが、その点を除けば、第2の実施形態のものと同様である。
また、第3の実施形態のインパルス信号生成手段13は、第2の実施形態のものに比較すると、出力インパルス信号Sout11に付加するものがID情報に変化しているが、その点を除けば、第2の実施形態のものと同様である。
ID情報判定手段19は、インパルス信号受信判定手段11から与えられたID情報より、そのID情報を持つインパルス信号が有効なものか無効なものかを後述するようにして判定し、その結果をインパルス信号受信判定手段11へ返信するものである。また、ID情報判定手段19は、有効と判定したインパルス信号から抽出したID情報や、ID情報生成手段20から与えられた、自ノードが送信したインパルス信号に付加したID情報を、所定時間だけ保持するものである。この保持時間は、予めシステムで決められた時間でも良く、また、通信タイミング計算手段12からの位相信号の角速度や位相の値に依存していても良く、さらに、当該ノードにおけるID情報等の情報を記憶するメモリの容量やその時点での残容量などに依存していても良い。例えば、ID情報の記憶エリアとしてX個のエリアを巡回的に用いることにより、古いID情報の消去と新たなID情報の設定とを同時に行う。
ID情報判定手段19は、ID情報生成手段20から与えられたID情報が保持しているID情報に含まれている場合には、ID情報生成手段20に、ID情報の更新要求メッセージを与え、ID情報を生成し直すようにさせる。なお、ID情報生成手段20が1回の通信で使用する複数のID情報をまとめて生成し、ID情報判定手段19が生成された複数のID情報をまとめて保持しておくような場合において、入力インパルス信号から抽出したID情報が、送信に供していない内部保持のID情報と同一の場合には、ID情報生成手段20に、ID情報の更新要求メッセージを与えて、新しいID情報を生成、保持し直すようにさせても良い。
ID情報生成手段20は、自ノードから送信する出力インパルス信号Sout11に付加するID情報を生成、保持するものである。ID情報生成手段20は、例えば、乱数生成器を内蔵し、生成した乱数情報をID情報とする。ID情報生成手段20は、例えば、インパルス信号生成手段13からID情報要求メッセージを受けたときには、保持しているID情報をID情報判定手段19とインパルス信号生成手段13に与える。ID情報生成手段20は、ID情報判定手段19にID情報を与えた際などに、ID情報の更新要求メッセージが直ちに返信されたときには、新しいID情報を生成し、生成したID情報をインパルス信号生成手段13及びID情報判定手段19へ与え直す。
なお、ID情報生成手段20は、通信起動時等に複数のID情報をまとめて生成しておき、ID情報の更新要求メッセージを受ける毎に、その中の1個ずつを出力するものであっても良い。
次に、ID情報判定手段19やID情報生成手段20の動作の一例を、図9をも参照しながら説明する。
ID情報判定手段19は、インパルス信号受信判定手段11から、入力インパルス信号から抽出されたID情報が与えられると(S31、S34)、その抽出されたID情報が内部保持しているID情報と一致しているか否かを判定する(S32、S35)。
ID情報判定手段19は、抽出されたID情報が保持しているID情報と一致したならば(ID情報として「xxx」を保持しているときに、抽出ID情報として「xxx」が与えられた場合)、今回のインパルス信号は既に入力済みのものであるので、無効を表す判定結果をインパルス信号受信判定手段11に返信する(S33)。
一方、ID情報判定手段19は、抽出されたID情報が保持しているID情報と一致しない場合(ID情報として「xxx」だけを保持しているときに、抽出ID情報として「yyy」が与えられた場合)には、入力が新規なインパルス信号であるので、そのID情報を内部に追加保持し(S36)、かつ、有効を表す判定結果をインパルス信号受信判定手段11に返信する(S37)。
これにより、インパルス信号受信判定手段11から受信インパルス信号が出力され、通信タイミング計算手段12からの位相信号も見直される。位相信号が、当該ノードから出力インパルス信号を送信するタイミングになると、インパルス信号生成手段13からID情報の要求メッセージがID情報生成手段20に与えられ(S38)、ID情報生成手段20は、過去に生成して保持しているID情報をID情報判定手段19とインパルス信号生成手段13へ与える(S39)。ID情報判定手段19は、与えられた生成ID情報(「zzz」)が既保持のID情報(「xxx」や「yyy」)と異なることを確認した上で追加保持する(S40)。図9では省略しているが、生成ID情報が既保持のID情報と同じ場合には、ID情報生成手段20に再生成させる。また、図9では省略しているが、インパルス信号生成手段13は、ID情報が与えられると、出力インパルス信号Sout11にそのID情報を付加して送信する。
ID情報判定手段19は、保持している各ID情報について、保持時間が終了した場合には、そのID情報を消滅させる(S41)。
カウント情報に代えてID情報を適用しているとは言え、第3の実施形態によっても、第2の実施形態と同様な効果を奏することができる。なお、ID情報を保持する時間を制限しているので、あるノードから発信されるインパルス信号のID情報は、近辺のノードと同一にならない限り変更する必要がない。
(D)第4の実施形態
次に、本発明による通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システムの第4の実施形態を、図面を参照しながら、第3の実施形態との相違点を中心に説明する。
第4の実施形態は、上述した第3の実施形態では、以下のような場合には適切な動作を補償し得ないことに鑑みてなされたものである。例えば、図10に示すように、ノードAとノードBとは互いにインパルス信号の届かない距離関係にあるが、ノードAともノードBともインパルス信号が届く距離関係にあるノードCが存在する場合において、ノードAとノードBとが同じID情報を持つインパルス信号を送信すると、ノードCは、後から到達した方のインパルス信号を無効にしてしまう可能性がある。
第4の実施形態は、例えば、図10に示すような状況下で、ノードCがメッセージを送信して、ノードAとノードBとがそれぞれ、インパルス信号を授受し合う関係にない遠くのノードと同じID情報のインパルス信号を生成していることに気付くようにさせることを特徴とする。このようにした場合、一方又は双方のノードA、Bが付加するID情報を変更し、同じID情報を有するインパルス信号が複数のノードで生成されることが長期に渡ることを防止し得る。
図11は、第4の実施形態のノード10Cの機能的な詳細構成を示すブロック図であり、第3の実施形態に係る図8との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
第4の実施形態のノード10Cも、構成要素は第3の実施形態と同様であるが、ID情報判定手段19の機能が、第3の実施形態のものと異なっており、他の構成要素の機能は、第3の実施形態のものと同様である。以下では、ID情報判定手段19が第3の実施形態のものと異なる点を説明する。
第4の実施形態のID情報判定手段19は、近辺のノードに対して、所定の条件下で同一ID情報受信信号を与え(例えば、宛先情報は含まれていない)、逆に、近辺のノードより同一ID情報受信信号が与えられるものである。同一ID情報受信信号の他のノードとの通信は、出力インパルス信号や出力データ信号とは別個の周波数や通信方式等を利用して行う。ここで、同一ID情報受信信号は、複数の近辺のノードが同じID情報を生成していると想定される場合に出力される信号であり、その同一のID情報が付加されている。なお、同一ID情報受信信号を出力するに当たり、それと同じ同一ID情報受信信号を保持しているか否かを確認し、それと同じ同一ID情報受信信号を保持している場合には、同一ID情報受信信号を出力しない。
ID情報判定手段19は、同一ID情報受信信号を出力した後、その信号を所定時間だけ保持する。この保持時間は、予めシステムで統一的に決められた時間でも良く、通信タイミング計算手段12からの位相信号の角速度や位相値に依存して定められたものでも良く、また、各ノードが保持するメモリの容量などに依存して定められたものでも良い。
ID情報判定手段19は、第3の実施形態の場合と同様に、入力インパルス信号Sin11から抽出された有効なID情報や、ID情報生成手段20が生成し、当該ノードが送信する出力インパルス信号に付加されたID情報を所定時間だけ保持するが、この所定時間が前半側の有効な時間と後半側の無効な時間に分けられている点は、第3の実施形態と異なっている。「有効な時間」とは、その保持しているID情報と同一のID情報がインパルス信号受信判定手段11から与えられたことに対して「無効」の結果をインパルス信号受信判定手段11に返す期間であり、「無効な時間」とは、その保持しているID情報と同一のID情報がインパルス信号受信判定手段11から与えられたことに対して、「有効」の結果をインパルス信号受信判定手段11に返し、かつ、「同一ID情報受信信号」を出力する期間である。
ID情報判定手段19は、近辺のノードから同一ID情報受信信号が与えられたときで、しかも、その信号に付加されているID情報と自ノードが送信しようとする出力インパルス信号のID情報が等しいときには、ID情報生成手段20にID情報の更新要求メッセージを与えて、ID情報生成手段20から新しいID情報を受けると共に、インパルス信号生成手段13にもその新しいID情報を与えさせる。また、ID情報判定手段19は、近辺のノードから同一ID情報受信信号が与えられたときで、その信号に付加されているID情報が自ノードが発信しようとするインパルス信号のID情報と異なるときには、受信した同一ID情報受信信号を所定時間だけ保持する。
以下、ID情報判定手段19の第4の実施形態での特徴的な動作を図12をも参照しながら説明する。なお、入力インパルス信号Sin11から抽出したID情報が、ID情報判定手段19に保持されている場合であっても、その保持時間が「有効な時間」の場合には、上述した第3の実施形態と同様であるので、以下では、入力インパルス信号Sin11から抽出したID情報が、ID情報判定手段19に保持されており、しかも、その保持時間が「無効な時間」の場合の動作を説明する。
ID情報判定手段19は、入力インパルス信号からの抽出ID情報(「xxx」)が与えられた場合において(S51)、そのID情報が、無効な時間の保持しているID情報と一致しているならば(S52)、近辺のノードが同一のID情報を生成していると想定して、有効を示す判定結果をインパルス信号受信判定手段11に返信する(S53)。その後、保持している同一ID情報受信信号にそのID情報が付加されているものがあるかを判別する(S54)。
そのID情報が付加されている同一ID情報受信信号を保持していない場合には、ID情報判定手段19は、同一ID情報受信信号を出力すると共に(S55)、その同一ID情報受信信号を保持する(S56)。一方、そのID情報が付加されている同一ID情報受信信号を保持している場合には、同一ID情報受信信号の出力も、新たな保持も実行しない。
近辺のノードが出力した同一ID情報受信信号が入力されると(S57)、ID情報判定手段19は、その信号に付加されているID情報と自ノードが送信した又は送信直前のインパルス信号のID情報とを比較する(S58)。一致しているならば、ID情報更新メッセージをID情報生成手段20へ与えて生成し直すようにさせる(S59)。これに対して、異なっていれば、保持している同一ID情報受信信号と一致しているかを確認し(S60)、保持していなければ、与えられた同一ID情報受信信号を保持する(S61)。
なお、ID情報判定手段19は、保持したID情報や同一ID情報受信信号を保持時間が所定時間を超えると消滅させる(S62)。
第4の実施形態によれば、第3の実施形態の効果に加え、別個のノードが生成した同じID情報を受信したノードが各ノードに同じID情報をもつインパルス信号を生成していることを気付かせるので、それ以降、各ノードが発生するインパルス信号のID情報が重複してしまうのを防ぐことができ、無効なインパルス信号の検出をより高精度に実行し得るようになる。
(E)第5の実施形態
次に、本発明による通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システムの第5の実施形態を、図面を参照しながら、第3の実施形態との相違点を中心に説明する。
第3の実施形態は、出力するインパルス信号毎に、ID情報が対応するものであった。この第5の実施形態は、各ノードがそれぞれ固有に保持するノードID情報をインパルス信号に付加することを特徴とする。なお、ノードID情報をインパルス信号に付加するようにしたので、上述した第4の実施形態が解決を意図したような課題は生じない。
図13は、第5の実施形態のノード10Dの機能的な詳細構成を示すブロック図であり、第3の実施形態に係る図8との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
第5の実施形態のノード10Dは、第3の実施形態と比較すると、ID情報生成手段20に代え、ID情報管理手段21が設けられている点が異なる。
ID情報管理手段21は、自ノードに固有のID情報を保持するものである。ノード固有のID情報は、そのノードのネットワークアドレスのようなものでも良く、製造番号のようなものでも良い。
ID情報管理手段21は、インパルス信号生成手段13から、ID情報要求メッセージを受けたときに、保持しているID情報をインパルス信号生成手段13に返信すると共に、保持しているID情報をID情報判定手段19へ与える。
ID情報管理手段21以外の構成要素の機能は、ID情報として、ノード固有のものを適用している点を除けば、第3の実施形態と同様であり、その説明は省略する。
第5の実施形態によれば、第3の実施形態と同様な効果を奏すると共に、さらに、インパルス信号に付加するID情報として各ノード固有のID情報を用いているので、通信タイミング制御に参加するノードが生成するインパルス信号のID情報が重複することがあり得ないという効果(第4の実施形態とほぼ同様な効果)をも奏する。
(F)第6の実施形態
次に、本発明による通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システムの第6の実施形態を、図面を参照しながら、第3の実施形態との相違点を中心に簡単に説明する。
第6の実施形態のノードも、内部構成は、第3の実施形態に係る図8で表すことができる。但し、ID情報判定手段19及びID情報生成手段20の機能が、第3の実施形態とは異なっている。
第3の実施形態では、各ノードが自己の送信するインパルス信号に付加するID情報は、一旦生成したものをID情報生成手段20で保持しておいて要求メッセージ毎に保持してそれを出力することにより、基本的には変更しないものであった。
第6の実施形態は、各ノードが送信するインパルス信号のID情報は、送信する毎に変更しようとしたものである。以下では、出力インパルス信号のID情報を送信する毎に変更させるようにするための、ID情報判定手段19及びID情報生成手段20の動作を、図14を参照しながら説明する。
ID情報生成手段20は、インパルス信号生成手段13からID情報要求メッセージが与えられると(S71)、このタイミングにおいても、ID情報(「abcde」)を生成して保持すると共に(S72)、ID情報判定手段19に与える(S73)。ID情報判定手段19は、与えられたID情報を既に保持しているか否かを確認する(S74)。与えられたID情報を既に保持していると、ID情報判定手段19は、ID情報生成手段20へID情報更新メッセージを与える(S75)。これにより、ID情報生成手段20は、再度、ID情報(「lmnop」)を生成して保持すると共に(S76)、ID情報判定手段19に与える(S77)。このときにも、ID情報判定手段19は、与えられたID情報を既に保持しているか否かを確認する(S78)。
ID情報判定手段19は、ID情報生成手段20から与えられたID情報を保持していない場合には、そのID情報を保持すると共に(S79)、ID情報生成手段20へID情報確定メッセージを与える(S80)。ID情報生成手段20は、ID情報確定メッセージを受けることにより、保持するID情報をインパルス信号生成手段13へ与え(S81)、インパルス信号生成手段13は出力インパルス信号に付加する。
なお、ID情報判定手段19に保持されたID情報は、保持時間が所定時間を超えると、消滅される。
第6の実施形態によれば、第3の実施形態と同様な効果に加え、各ノードはインパルス信号を送信する毎にその信号に付加するID情報を変更するので、複数のノードからのインパルス信号に付加されているID情報が同一になることを極力抑えられると共に、同一になったとしても、一時的なものにでき、特別な処置を取る必要はない。
(G)第7の実施形態
次に、本発明による通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システムの第7の実施形態を、図面を参照しながら、第3の実施形態との相違点を中心に簡単に説明する。
通信タイミング制御の妨害となるインパルス信号には、壁等による反射インパルス信号のほかに、攻撃者による偽のインパルス信号も考えられる。第7の実施形態は、インパルス信号に認証情報を付加し、インパルス信号の有効性を確かめることを特徴とする。
図15は、第7の実施形態のノード10Eの機能的な詳細構成を示すブロック図であり、第3の実施形態に係る図8との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
第7の実施形態のノード10Eにおいては、通信タイミング制御の妨害となるインパルス信号を検出するための構成部分が、第3の実施形態のID情報判定手段19及びID情報生成手段20から、認証情報検証手段22、認証情報生成手段23及び鍵情報管理手段24に置き換わっており、この置換により、インパルス信号受信判定手段11やインパルス信号生成手段13の機能も、第3の実施形態のものから多少異なっている。他の構成要素は、第3の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
インパルス信号受信判定手段11への入力インパルス信号には認証情報等が付加されている。例えば、インパルス信号は、インパルス信号であると識別されるヘッダ情報と、乱数情報と、それらに対する認証情報とを表す波形信号が時系列に連なった形状をしている。なお、その他、インパルス信号に、認証情報を生成するのに用いた鍵を指定する情報が付加されていることもある。
インパルス信号受信判定手段11は、認証情報を除いたインパルス信号を認証情報生成手段23へ与え、認証情報を認証情報検証手段22に与え、認証情報検証手段22から、そのインパルス信号が有効なものか否かの検証結果が回答されるものである。インパルス信号受信判定手段11は、インパルス信号に認証情報を生成する鍵を指定する情報が付加されている場合には、その情報を認証情報生成手段23へ与える。その他の点は、第3の実施形態のものと同様である。
認証情報検証手段22は、インパルス信号受信判定手段11から与えられたインパルス信号に付加されている認証情報と、認証情報生成手段23から与えられたインパルス信号の認証情報とが同一かを検証し、その結果をインパルス信号受信判定手段11へ与えるものである。認証情報検証手段22は、インパルス信号受信判定手段11に対し、2つの認証情報が同一であった場合には「有効」の結果を与え、同一でなかった場合には「無効」の結果を与える。また、認証情報検証手段22は、認証情報生成手段23から与えられる「有効」、「無効」のメッセージにより、インパルス信号受信判定手段11に「有効」、「無効」の結果を与えることもある。
認証情報生成手段23は、インパルス信号受信判定手段11から与えられるインパルス信号と、鍵情報管理手段24から与えられる鍵情報より、インパルス信号の認証情報を計算し、その結果を認証情報検証手段22へ与えるものである。また、認証情報生成手段23は、インパルス信号生成手段13から与えられるインパルス信号と、鍵情報管理手段24より与えられる鍵情報より、インパルス信号の認証情報を計算し、その結果をインパルス信号生成手段13へ与えるものである。なお、認証情報生成手段23は、インパルス信号から生成する情報と、認証情報から生成する情報が同一か否かによって、「有効」、「無効」のメッセージを認証情報検証手段22へ与えることもある。
認証情報生成手段23は、インパルス信号受信判定手段11若しくはインパルス信号生成手段13から認証情報を作成するのに用いる鍵を指定する情報を受けて、その情報を鍵情報管理手段24へ与え、鍵情報管理手段24より指定した鍵情報を受ける場合もある。認証情報生成手段23は、鍵を指定する情報に基づいて、「無効」のメッセージを認証情報検証手段22へ与えても良い。例えば、指定された鍵情報を持っていないときや、外部的、もしくは内部からのメッセージにより、その鍵情報を指定するインパルス信号が無効であると判断したときには、「無効」のメッセージを認証情報検証手段22へ与える。
ここで、認証情報とその計算に用いるアルゴリズムは、限定されない。但し、インパルス信号を生成するノードと、インパルス信号を認証するノードとで、同じ認証情報、アルゴリズムを用いる必要がある。認証情報は、例えば、セキュアハッシュ関数を用いたものでも良く、共通鍵暗号とセキュアハッシュ関数を組み合わせたメッセージ認証子でも良く、公開鍵暗号とセキュアハッシュ関数を組み合わせたデジタル署名であっても良い。
鍵情報管理手段24は、認証情報を生成するための鍵情報を管理しておくものであり、認証情報生成手段23に鍵情報を与える。なお、鍵情報管理手段24において管理する鍵情報の数は1つとは限らない。鍵情報管理手段24は、認証情報生成手段23から鍵を指定する情報を与えられると、その情報に従って鍵情報を与える場合もある。鍵情報管理手段24で管理する鍵情報は、タイムスロットを割り当てるに値するノードが共通に保持する1つ以上の共通鍵でも良く、自ノードと他の1ノードのみの間にだけ保持する共通鍵でも良く、自ノードの公開鍵及び秘密鍵と、他のノードの公開鍵でも良い。鍵を指定する情報は、インパルス信号を生成したノードを特定できるような情報でも良い。
インパルス信号生成手段13は、通信タイミング計算手段12によって与えられる位相信号が特定の値になると、インパルス信号を生成し、生成したインパルス信号を認証情報生成手段23へ与える。ここで、インパルス信号生成手段13は乱数生成器を内蔵し、生成するインパルス信号に乱数情報を含める。なお、インパルス信号生成手段13は、認証情報を生成するのに用いる鍵を指定する情報を認証情報生成手段23へ与えることもある。
インパルス信号生成手段13は、生成されたインパルス信号の認証情報を認証情報生成手段23から受け、インパルス信号に認証情報を付加したものを出力インパルス信号として送信する。出力インパルス信号には認証情報を生成するのに用いた鍵を指定する情報が付加されることもある。
以下、認証情報に係る第7の実施形態の動作を、図16を参照しながら説明する。なお、図16は、インパルス信号は、インパルス信号であるというヘッダ情報と乱数情報と認証情報を生成した鍵を指定する情報と認証情報とを含み、認証情報が、指定された鍵情報による共通鍵暗号方式とセキュアハッシュ関数から生成される場合の例を示している。
インパルス信号受信判定手段11は、入力インパルス信号Sin11が到来すると、入力インパルス信号から認証情報Aを除外したインパルス信号部分Rを認証情報生成手段23へ与えると共に(S91)、入力インパルス信号の認証情報Aを認証情報検証手段22へ与える(S92)。
このとき、認証情報生成手段23は、上述のインパルス信号部分Rのうち鍵指定情報を鍵情報管理手段24へ与えて(S93)、鍵情報管理手段24から鍵情報KEYを受け取る(S94)。認証情報生成手段23は、受け取った鍵情報KEYと関数Fを用いて認証情報A’を計算する(S95)。図16の例では、関数Fは、共通鍵暗号方式とセキュアハッシュ関数とを組み合わせたものとなっており、メッセージの完全性を保証するHMAC(Keyed−Hashing for Message Authentication)(参考文献:RFC2104)のような関数である。
認証情報生成手段23は、計算で得られた認証情報A’を認証情報検証手段22へ与え(S96)、認証情報検証手段22は、入力インパルス信号に含まれていた認証情報Aと認証情報生成手段23が生成した認証情報A’とが等しいかを検証する(S97)。そして、認証情報検証手段22は、両認証情報A及びA’が等しければ有効、等しくなければ無効を示すメッセージをインパルス信号受信判定手段11へ与える(S98)。
インパルス信号生成手段13は、出力インパルス信号の送信タイミングになると、乱数と鍵指定情報とを生成した後(S99)、それら情報にインパルス信号であるというヘッダ情報を付け加えた情報R’を認証情報生成手段23へ与える(S100)。
認証情報生成手段23は、与えられた情報R’のうちの鍵指定情報を鍵情報管理手段24へ与えて(S101)、鍵情報管理手段24から鍵情報KEY’を受け取る(S102)。認証情報生成手段23は、受け取った鍵情報KEY’と関数Fを用いて認証情報A”を計算し(S103)、得られた認証情報A”をインパルス信号生成手段13へ返信する(S104)。
インパルス信号生成手段13は、返信された認証情報A”を情報R’に付加したものを出力インパルス信号Sout11として送信する。
第7の実施形態によっても、各ノードが近傍ノードと相互作用することによって、自律分散的にタイムスロットの割り当てを決定することに伴う効果を奏することができる。
また、第7の実施形態によれば、インパルス信号に認証情報を付加してノード間で授受することにより、任意のノードより発生されたインパルス信号が、タイムスロットを割り当てるのに有効なノードから発生されたものかどうかを確かめることができる。従って、攻撃者が妨害のために発生するような偽のインパルス信号を排除することができ、無効なインパルス信号によって通信タイミング制御が妨害されることを防ぐことができる。
(H)他の実施形態
上記第1〜第6の実施形態では、反射インパルス信号に基づく通信タイミング制御の乱れを排除する方法を説明し、第7の実施形態では、偽のインパルス信号に基づく通信タイミング制御の妨害を排除する方法を説明したが、これらを組み合わせるようにしても良いことは勿論である。
また、上記第1〜第6の実施形態では、自ノードが送信元のインパルス信号の反射インパルス信号、及び、他ノードが送信元のインパルス信号の反射インパルス信号の双方を検出するものを示したが、いずれか一方だけを検出するように、ノードを構成するようにしても良い。
本発明は、各ノードが近傍ノードとインパルス信号を授受し合いながら相互作用して自律分散的に通信タイミングを決定するに対し、無効なインパルス信号が存在すると、通信タイミングの決定が乱れるので、無効なインパルス信号を排除する点に特徴を有し、有効なインパルス信号に基づいて、自律分散的に通信タイミングを決定する方法は、上記実施形態のものに限定されず、種々の変形例が可能である。例えば、特願2003−328530号明細書及び図面に、種々の変形例が記載されている。
本発明は、通信タイミング情報(実施形態での位相信号)の取得制御に特徴を有し、そのタイミング情報を通信にどのような利用するかは問われない。例えば、各ノードからのデータ信号の送信周波数が異なる場合であれば、タイムスロットを設定することなく通信を行うようにしても良く、この場合であっても、データ通信の始期を通信タイミング情報から定めるようにすれば良い。
本発明は、無線通信路を適用した際の課題を考慮してなされたものであるが、通信路が有線通信路であっても、本発明を適用することができる。
第1の実施形態のノードの機能的な内部構成を示すブロック図である。 第1の実施形態の通信システムでのノード間の同調の説明図(1)である。 第1の実施形態の通信システムでのノード間の同調の説明図(2)である。 第1の実施形態での無効なインパルス信号の説明図である。 第1の実施形態の無効信号判定手段の判定動作などの説明図である。 第2の実施形態のノードの機能的な内部構成を示すブロック図である。 第2の実施形態のカウント情報判定手段の判定動作などの説明図である。 第3及び第6の実施形態のノードの機能的な内部構成を示すブロック図である。 第3の実施形態のID情報判定手段の判定動作などの説明図である。 第4の実施形態の必要性の説明図である。 第4の実施形態のノードの機能的な内部構成を示すブロック図である。 第4の実施形態のID情報判定手段等の動作の説明図である。 第5の実施形態のノードの機能的な内部構成を示すブロック図である。 第6の実施形態のID情報判定手段等の動作の説明図である。 第7の実施形態のノードの機能的な内部構成を示すブロック図である。 第7の実施形態の認証情報検証手段、認証情報生成手段及び鍵情報管理手段等の動作の説明図である。
符号の説明
10、10A、10B、10C、10D、10E…ノード、11…インパルス信号受信判定手段、12…通信タイミング計算手段、13…インパルス信号送信手段、14…同調判定手段、15…データ通信手段、16…センサ、17…無効信号判定手段、18…カウント情報判定手段、19…ID情報判定手段、20…ID情報生成手段、21…ID情報管理手段、22…認証情報検証手段、23…認証情報生成手段、24…鍵情報管理手段。

Claims (14)

  1. 通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに設けられている通信タイミング制御装置であって、
    他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受け取ると共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する状態変数信号通信手段と、
    上記状態変数信号通信手段が受け取った他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して上記状態変数信号通信手段に与えるタイミング決定手段と、
    上記状態変数信号通信手段が受け取った状態変数信号が有効なものであるかを判定し、上記タイミング決定手段が、有効な状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させるようにさせる状態変数信号有効性判定手段とを有し、
    上記状態変数信号有効性判定手段は、自ノードからの状態変数信号及び他ノードから受け取った状態変数信号の中の任意の2つの状態変数信号の生起タイミング差を計測し、計測したデータを統計的に整理、保持し、その統計的データに基づいて、受け取った状態変数信号の有効性を判定する
    ことを特徴とする通信タイミング制御装置。
  2. 通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに設けられている通信タイミング制御装置であって、
    他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受け取ると共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する状態変数信号通信手段と、
    上記状態変数信号通信手段が受け取った他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して上記状態変数信号通信手段に与えるタイミング決定手段と、
    上記状態変数信号通信手段が受け取った状態変数信号が有効なものであるかを判定し、上記タイミング決定手段が、有効な状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させるようにさせる状態変数信号有効性判定手段とを有し、
    上記状態変数信号有効性判定手段は、受け取った状態変数信号から付加情報を抽出する付加情報抽出部と、自ノードからの状態変数信号に付加情報を付加する付加情報付加部と、受け取った状態変数信号から抽出された既に有効性が確認された付加情報及び又は自ノードからの状態変数信号に付加した付加情報そのもの、若しくは、それらに応じた情報を保持する情報保持部と、受け取った状態変数信号から抽出された付加情報と上記情報保持部に保持されている情報との関係を確認する付加情報確認部とを備え、その確認結果に応じて、受け取った状態変数信号の有効性を判定する
    ことを特徴とする通信タイミング制御装置。
  3. 上記状態変数信号有効性判定手段は、上記情報保持部に保持されている情報を所定ルールに従い破棄する情報破棄部を備えることを特徴とする請求項に記載の通信タイミング制御装置。
  4. 上記状態変数信号有効性判定手段は、同一の付加情報を持つ状態変数信号を有効に受信したこと示す信号を他ノードとの間で授受する通知信号授受部を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の通信タイミング制御装置。
  5. 上記付加情報付加部は、上記付加情報として乱数を生成して自ノードからの状態変数信号に付加することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の通信タイミング制御装置。
  6. 上記付加情報付加部は、自ノードに固有の識別情報を、上記付加情報として自ノードからの状態変数信号に付加することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の通信タイミング制御装置。
  7. 上記付加情報付加部は、上記情報保持部に保持されている情報に対して所定の演算を施して得た情報を、上記付加情報として自ノードからの状態変数信号に付加することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の通信タイミング制御装置。
  8. 通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに設けられている通信タイミング制御装置であって、
    他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受け取ると共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する状態変数信号通信手段と、
    上記状態変数信号通信手段が受け取った他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して上記状態変数信号通信手段に与えるタイミング決定手段と、
    上記状態変数信号通信手段が受け取った状態変数信号が有効なものであるかを判定し、上記タイミング決定手段が、有効な状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させるようにさせる状態変数信号有効性判定手段とを有し、
    上記状態変数信号有効性判定手段は、受け取った状態変数信号から付加情報を抽出する情報抽出部と、抽出された付加情報の全体又は一部に所定の演算を施す演算部と、抽出された付加情報の全体又は一部と演算結果とを比較する比較部と、乱数を利用して付加情報を生成する付加情報生成部と、自ノードからの状態変数信号に付加情報を付加する付加情報付加部とを備え、上記比較部の比較結果に応じて、受け取った状態変数信号の有効性を判定する
    ことを特徴とする通信タイミング制御装置。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の通信タイミング制御装置を有することを特徴とするノード。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の通信タイミング制御装置と、請求項に記載の通信タイミング制御装置とを併用していることを特徴とするノード。
  11. 請求項9又は10に記載のノードを複数分散配置して有することを特徴とする通信システム。
  12. 通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに適用されている通信タイミング制御方法であって、
    他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受け取ると共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する、状態変数信号通信手段が実行する状態変数信号通信工程と、
    上記状態変数信号通信工程が受け取った他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して上記状態変数信号通信工程に与える、タイミング決定手段が実行するタイミング決定工程と、
    上記状態変数信号通信工程が受け取った状態変数信号が有効なものであるかを判定し、上記タイミング決定工程が、有効な状態変数信号だけに基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させるようにさせる、状態変数信号有効性判定手段が実行する状態変数信号有効性判定工程とを含み、
    上記状態変数信号有効性判定工程は、自ノードからの状態変数信号及び他ノードから受け取った状態変数信号の中の任意の2つの状態変数信号の生起タイミング差を計測し、計測したデータを統計的に整理、保持し、その統計的データに基づいて、受け取った状態変数信号の有効性を判定する
    ことを特徴とする通信タイミング制御方法。
  13. 通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに適用されている通信タイミング制御方法であって、
    他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受け取ると共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する、状態変数信号通信手段が実行する状態変数信号通信工程と、
    上記状態変数信号通信工程が受け取った他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して上記状態変数信号通信工程に与える、タイミング決定手段が実行するタイミング決定工程と、
    上記状態変数信号通信工程が受け取った状態変数信号が有効なものであるかを判定し、上記タイミング決定工程が、有効な状態変数信号だけに基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させるようにさせる、状態変数信号有効性判定手段が実行する状態変数信号有効性判定工程とを含み、
    上記状態変数信号有効性判定工程は、受け取った状態変数信号から付加情報を抽出する付加情報抽出処理と、自ノードからの状態変数信号に付加情報を付加する付加情報付加処理と、受け取った状態変数信号から抽出された既に有効性が確認された付加情報及び又は自ノードからの状態変数信号に付加した付加情報そのもの、若しくは、それらに応じた情報を保持する情報保持処理と、受け取った状態変数信号から抽出された付加情報と上記情報保持処理により保持されている情報との関係を確認する付加情報確認処理とを備え、その確認結果に応じて、受け取った状態変数信号の有効性を判定する
    ことを特徴とする通信タイミング制御方法。
  14. 通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに適用されている通信タイミング制御方法であって、
    他ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を受け取ると共に、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを示す状態変数信号を間欠的に送信する、状態変数信号通信手段が実行する状態変数信号通信工程と、
    上記状態変数信号通信工程が受け取った他ノードからの状態変数信号に基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させ、この遷移を反映させた自ノードからの状態変数信号を生成して上記状態変数信号通信工程に与える、タイミング決定手段が実行するタイミング決定工程と、
    上記状態変数信号通信工程が受け取った状態変数信号が有効なものであるかを判定し、上記タイミング決定工程が、有効な状態変数信号だけに基づいて、自ノードの動作状態あるいは動作タイミングを遷移させるようにさせる、状態変数信号有効性判定手段が実行する状態変数信号有効性判定工程とを含み、
    上記状態変数信号有効性判定工程は、受け取った状態変数信号から付加情報を抽出する情報抽出処理と、抽出された付加情報の全体又は一部に所定の演算を施す演算処理と、抽出された付加情報の全体又は一部と演算結果とを比較する比較処理と、乱数を利用して付加情報を生成する付加情報生成処理と、自ノードからの状態変数信号に付加情報を付加する付加情報付加処理とを備え、上記比較部の比較結果に応じて、受け取った状態変数信号の有効性を判定する
    ことを特徴とする通信タイミング制御方法。
JP2004064627A 2004-03-08 2004-03-08 通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システム Expired - Fee Related JP4311234B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004064627A JP4311234B2 (ja) 2004-03-08 2004-03-08 通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システム
US11/072,409 US7606271B2 (en) 2004-03-08 2005-03-07 Communication timing control apparatus, communication timing control method, node, and communication system
CN2005100544849A CN1667995B (zh) 2004-03-08 2005-03-08 通信定时控制装置、通信定时控制方法、节点及通信系统

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004064627A JP4311234B2 (ja) 2004-03-08 2004-03-08 通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005253012A JP2005253012A (ja) 2005-09-15
JP4311234B2 true JP4311234B2 (ja) 2009-08-12

Family

ID=34909364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004064627A Expired - Fee Related JP4311234B2 (ja) 2004-03-08 2004-03-08 通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7606271B2 (ja)
JP (1) JP4311234B2 (ja)
CN (1) CN1667995B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4173789B2 (ja) * 2003-09-19 2008-10-29 株式会社キャンパスクリエイト ノード、これを用いた通信システムおよび通信方法
US9723538B2 (en) * 2011-06-20 2017-08-01 Cisco Technology, Inc. Systematic neighbor detection in shared media computer networks
US8572231B2 (en) 2011-07-14 2013-10-29 Google Inc. Variable-length nonce generation
CN105472633B (zh) * 2014-05-29 2020-12-29 索尼公司 用于时分双工无线通信小区间同步检测的电子设备和方法
US10172148B2 (en) 2014-07-01 2019-01-01 Nec Corporation Communication terminal, communication method, storage medium on which communication program is stored, and communication system
JP6816554B2 (ja) * 2017-02-22 2021-01-20 オムロン株式会社 制御システム、制御装置および制御プログラム

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3148911B2 (ja) 1993-11-16 2001-03-26 松下電器産業株式会社 ディジタル無線電話装置
US5946631A (en) * 1996-10-17 1999-08-31 Philips Electronics North America Corporation Real-time CSMA method having the capability to adaptively vary cell sizes and a wireless network for implementing the same
US6208627B1 (en) * 1997-12-10 2001-03-27 Xircom, Inc. Signaling and protocol for communication system with wireless trunk
US6483847B1 (en) * 1998-12-01 2002-11-19 Koninklijke Philips Electronics N.V. Arbitration scheme for a serial interface
JP2000252951A (ja) * 1999-03-01 2000-09-14 Sony Corp 同期信号検出方法及び無線通信装置
US6748040B1 (en) * 2000-11-09 2004-06-08 Time Domain Corporation Apparatus and method for effecting synchrony in a wireless communication system
JP2003167043A (ja) 2001-11-29 2003-06-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd 衛星信号受信機
US7180915B2 (en) * 2001-12-21 2007-02-20 Nokia Corporation Apparatus, and an associated method, for facilitating synchronization in a wireless mesh network
JP4173789B2 (ja) * 2003-09-19 2008-10-29 株式会社キャンパスクリエイト ノード、これを用いた通信システムおよび通信方法
US7047009B2 (en) * 2003-12-05 2006-05-16 Flarion Technologies, Inc. Base station based methods and apparatus for supporting break before make handoffs in a multi-carrier system

Also Published As

Publication number Publication date
CN1667995B (zh) 2011-02-09
US7606271B2 (en) 2009-10-20
US20050195827A1 (en) 2005-09-08
CN1667995A (zh) 2005-09-14
JP2005253012A (ja) 2005-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ganeriwal et al. Secure time synchronization service for sensor networks
US7082117B2 (en) Mobile ad-hoc network with intrusion detection features and related methods
US6986161B2 (en) Mobile ad-hoc network with intrusion detection features and related methods
Liu et al. Security for wireless sensor networks
Lo Re et al. Secure random number generation in wireless sensor networks
JP4311234B2 (ja) 通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システム
Wang et al. Efficient hybrid detection of node replication attacks in mobile sensor networks
Saghar et al. Raeed: A solution for hello flood attack
Aldaej et al. AAODV (aggrandized ad hoc on demand vector): a detection and prevention technique for manets
Jari et al. A novel indirect trust mechanism for addressing black hole attacks in MANET
JP4277852B2 (ja) 通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システム
Afzal et al. Rsrp: a robust secure routing protocol for mobile ad hoc networks
CN110401646A (zh) IPv6安全邻居发现过渡环境中CGA参数探测方法及装置
Sharma et al. A trust based scheme for spotting malicious node of wormhole in dynamic source routing protocol
Gu et al. Phantom walkabouts in wireless sensor networks
JP4370944B2 (ja) 通信システム
JP4004517B2 (ja) 通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システム
JP4196882B2 (ja) 通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システム
Ošťádal et al. On secrecy amplification protocols
JP4196886B2 (ja) 通信タイミング制御装置、通信タイミング制御方法、ノード及び通信システム
Orset et al. A security model for olsr manet protocol
König et al. GeoSec: quarantine zones for mobile ad hoc networks
Caballero-Gil et al. Self-organized authentication in mobile ad-hoc networks
Taheri et al. High secure routing protocol with authentication and confidentiality increased in wireless ad hoc networks
Dimitriou Efficient mechanisms for secure inter-node and aggregation processing in sensor networks

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090310

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090421

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090504

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130522

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140522

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees