以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図2及び図4に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン60が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図1及び図4に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について] 図1、図3、図4、及び図5に基づき説明する。
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図10参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(図示しない)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車90が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、役物91が配設されており、この役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
役物91は全体として額縁状の装飾体から構成されており、その上縁部または左右側縁部には、ワープ入口とともにワープ通路が形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊技球がワープ入口に入り込むと、後述のワープ通路を通じて役物91の裏側に取り込まれた後に、役物91の途中または下縁部から再び遊技盤面に放出されるようになっている。
この役物91は、その上縁部近傍に、役物用入賞口901を有する開閉入賞装置900が備えられている。そして、この役物91の内部には、役物用入賞口901から取り込まれた遊技球が入賞可能な大当り受入口93と、ハズレ受入口94(図20参照)とが備えられており、これら大当り受入口93およびハズレ受入口94と、役物用入賞口901との間には、役物用入賞口901から取り込まれた遊技球を、所定の通路上で転動させながらその動きを様々に変化させた後に、大当り受入口93またはハズレ受入口94の何れかに放出する第一転動演出装置95が更に備えられている。
この役物91は、第一転動演出装置95の一方の放出側(図3中左側)には遊技球を押打可能な第二転動演出装置100が、また、第一転動演出装置95の他方の放出側(図3中右側)には回転することで遊技球を大当り受入口93又はハズレ受入口94の何れかに導く第三転動演出装置101が更に備えられている。また、第一転動演出装置95の下側に配置され第二転動演出装置100により押打された遊技球を第三転動演出装置101に案内する第四転動演出装置102が更に備えられている。
また、遊技領域37には、役物91の下方位置に、左右に夫々配置された一対の始動入賞口96が設けられており、これら始動入賞口96に遊技球が入球すると、所定の抽選が行われその抽選結果に応じて役物91の開閉入賞装置900が開閉するようになっている。ここで始動入賞口96が本発明の始動口に相当する。
その他、遊技領域37には一般入賞口98が配設されている。また、役物91の内側には演出表示装置115が配設されており、この演出表示装置115では、例えば動画や映像等の画像、或いは可動部材の動作等による演出表示が行われる。なお、演出表示装置115としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、及びCRT等の表示装置を例示することができる。演出表示装置115の表示面は役物91の後側においてその開口窓に臨んで装着されており、役物91は、遊技盤5の中央部に貫設された組付孔に嵌込まれ、役物91の後部及び演出表示装置115の表示装置制御基板116を有する表示装置制御基板ボックス117は遊技盤5の後側に突出して配設されている。
また、図3に示すように、役物91内において、演出表示装置115の上側には、特別図柄によって抽選結果を表示するための特別図柄表示器121が備えられている。また、遊技領域37の図中右上で外周に沿った位置には、抽選結果の留保を表示する留保表示器122が備えられている。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間に役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図4及び図5に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図5及び図6に基づき説明する。
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図10参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図10参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬、保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図2及び図7に基づき説明する。
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
本実施形態のパチンコ機1では、遊技者に利益が付与される態様として複数種類の態様の「大当り遊技」が用意されている。ここで、「大当り遊技」は、例えば開閉入賞装置900を一定パターンで開閉させるラウンド動作を最大で16回、繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当り遊技」と称されている。遊技者は、大当り遊技の間に遊技球を役物用入賞口901に入球させることで、多くの賞球を獲得することができる。なお、ラウンド動作ついては、始動入賞口96への遊技球の入球に応じて行われる開閉入賞装置900の開閉動作を初回の1ランウド目のラウンド動作とし、2ラウンド目以降のラウンド動作では、開閉入賞装置900を所定間隔で18回開閉させるか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。
また、大当り遊技にて繰り返し行われるラウンド動作の回数については、始動入賞口96への遊技球の入球タイミング(より具体的には、始動口センサ318による遊技球の検出タイミング)、役物用入賞口901への遊技球の入球タイミング(より具体的には、カウントセンサ319による遊技球の検出タイミング)、大当り受入口93への入球タイミング(より具体的には、大当り受入センサ330による遊技球の検出タイミング)等の適宜タイミングや、役物91内での遊技球の振り分け先等によって行われた抽選の結果に応じて決定される。ここで、上記抽選は、大当りの態様を決定するための抽選であり、この抽選を行う手段を、「大当り態様抽選手段」として捉えることができる。
なお、以上の具体的な数値は、本発明の実施において最良のものである。その上で、これら数値については各種の変更が可能であり、最良の数値によって限定されることはない。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図11に基づき説明する。
図11は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131には、ゲートセンサ317、始動口センサ318、カウントセンサ319、大当り受入センサ330、ハズレ受入センサ329、回動検出センサ494、回転位置検出センサ321等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板131は、特別図柄表示器121、留保表示器122、ソレノイド331、モータ332、押打用ソレノイド325、回転体用モータ326等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。ここで、始動口センサ318が本発明の進入状態検出手段及び遊技状態検出手段に相当し、カウントセンサ319が本発明の入賞状態検出手段に相当する。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1つ目の電飾制御基板337には主にサイド装飾装置52等を含む装飾ランプ353とが接続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して装飾ランプ353の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が装飾ランプ353を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置115とともに演出ランプ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。また、サブ統合基板336には、遊技球センサ361からの検出信号が入力される一方、役物用ソレノイド362へ駆動信号を出力する。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成、送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を備えている。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について説明する。
[遊技処理について] 図12〜図19に基づき説明する。
図12は遊技処理のルーチンを示すフローチャートである。図13は変動開始処理のルーチンを示すフローチャートである。図14は大当り判定処理のルーチンを示すフローチャートである。図15は変動表示パターン設定処理のルーチンを示すフローチャートである。図16は変動中処理のルーチンを示すフローチャートである。図17は役物用入賞口開閉処理のルーチンを示すフローチャートである。図18は大当り遊技開始処理のルーチンを示すフローチャートである。図19大当り遊技中処理のルーチンを示すフローチャートである。
図12は、遊技処理の一例を示すフローチャートであり、主基板310のCPU314は、まず、ステップS1601において始動入賞口96に遊技球が入賞したか否かを判別する。具体的には、始動口センサ318がONとなって検出信号が出力されたか否かを判別し、始動口センサ318から検出信号が出力された場合には始動入賞口96に遊技球が入賞したと判別しステップS1602へと進む。なお、ステップS1601において始動口センサ318がONとなったと判断されると、各種乱数(大当り判定乱数、継続回数判定乱数、変動表示パターン乱数、等)を取得する。
そして、ステップS1601において、始動入賞口96に遊技球が入球して所定の乱数を取得すると、続くステップS1602では、RAM316に設けられている留保球数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判断する。そして、留保球数カウンタの値が4未満であれば、ステップS1603へと進み、ステップS1601で取得した所定の乱数を記憶手段としてのRAM316に記憶格納させるための始動記憶格納処理が行われる。なお、ステップS1601において始動口センサ318がONでない場合、及びステップS1602において留保球数カウンタの値が4以上である場合、には始動記憶格納処理を実行しないようになっている。
ステップS1603における始動記憶格納処理では、留保球数カウンタに「1」を加算する処理と、留保球数カウンタの加算に伴って留保数表示制御手段による留保表示器122に表示される留保球数の数を変更する処理(例えば、4つのランプからなる留保表示器122とした場合は、留保球数をランプの点灯数で示す処理)と、取得した乱数値(例えば、大当り判定乱数、継続回数判定乱数、等)をRAM316に設けられた始動記憶の保存領域に留保球数カウンタのカウント値に対応させて記憶する処理と、を行う。このように、留保球数カウンタは、始動記憶の保存領域に記憶される乱数値の数を示すカウンタである。また、ステップS1602において留保球数カウンタの値が上限値である場合にはステップS1601で取得した乱数値を破棄する。なお、ステップS1601で始動入賞口96に遊技球が入球したと判断したときには、ステップS1601〜ステップS1603の間で各種乱数を取得すればよく、例えば、ステップS1601で各種乱数を取得せずに、ステップS1602で留保球数カウンタが上限値未満であることを判別した後に、各種乱数を取得してもよいし、始動記憶格納処理(ステップS1603)で取得するようにしてもよい。
その後、遊技処理では、CPU314が遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照し、処理選択フラグが[0]であればステップS1604の変動開始処理を、処理選択フラグが[1]であればステップS1605の変動表示パターン設定処理を、処理選択フラグが[2]であればステップS1606の変動中処理を、処理選択フラグが[3]であれば役物用入賞口開閉処理を、処理選択フラグが[4]であれば大当り遊技開始処理を、処理選択フラグが[5]であれば大当り遊技中処理を、行うようになっている。
なお、本例では、大当り判定乱数による抽選結果として、「ハズレ」、「第一普通当り」、「第二普通当り」、及び「特別当り」、の四種類が用意されている。具体的には、抽選結果の「ハズレ」は開閉入賞装置900を開閉しないものである。また、「第一普通当り」は開閉入賞装置900を第一開放時間(0.3sec〜0.6secの間、望ましくは約0.4秒)開閉させるものであり、「第二普通当り」は開閉入賞装置900を第二開放時間(1.5秒〜2.0secの間、望ましくは約1.8秒)開閉させるものであり、これら「第一普通当り」または「第二普通当り」が抽選されることで開閉入賞装置900が開き、そのタイミングで役物用入賞口901から役物91内へ遊技球を進入させ、役物91内の大当り受入口93に遊技球が受入れられると有利遊技状態として「大当り遊技」を発生させることができるものである。更に、「特別当り」は開閉入賞装置900を開かせて役物91内に遊技球を進入させ、その内部の大当り受入口93に遊技球を受入れさせなくても、「大当り遊技」発生させる、つまり、始動入賞口96への遊技球の入賞だけで直接「大当り遊技」を発生させるものであり、これが抽選されることで、遊技者の興趣を大きく高めることができるものである。
処理選択フラグが[0]のときに実行される変動開始処理(ステップS1604)では、始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、ステップS1601において取得した大当り判定乱数に応じた抽選結果としての「特別当り」、「第一普通当り」、「第二普通当り」、及び「ハズレ」の何れであるかの判定を行い、処理選択フラグを[1]に更新する。処理選択フラグが[1]のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS1605)では、特別図柄および図柄の変動表示に関わる設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器121にて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットし、処理選択フラグを[2]に更新する。処理選択フラグが[2]のときに実行される変動中処理(ステップS1606)では、変動表示パターン設定処理(ステップS1605)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて特別図柄表示器121における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。このとき、変動開始処理(ステップS1604)にて抽選結果が「特別当り」であれば処理選択フラグを[4]に更新し、「第一普通当り」又は「第二普通当り」であれば処理選択フラグを[3]に更新し、それ以外、つまり「ハズレ」であれば処理選択フラグを[0]に更新する。
また、処理選択フラグが[3]のときに実行される役物用入賞口開閉処理(ステップS1607)では、抽選結果が「第一普通当り」又は「第二普通当り」の場合に、その抽選結果に応じた開閉入賞装置900の開閉を実行させる。詳しくは後述するが具体的には、開閉入賞装置900を開閉させ、役物91内へ進入した遊技球が大当り受入口に入球すれば処理選択フラグを[4]に更新し、大当り受入口に入球しなければ処理選択フラグを[0]に更新する。
更に、処理選択フラグが[4]のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS1608)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、開閉入賞装置900の開放回数等の設定を行う。処理選択フラグが[5]のときに実行される大当り遊技中処理(ステップS1609)では、カウントセンサ319によって検出された遊技球の個数を判別し、所定個数の遊技球が役物用入賞口901に入賞したとき、または、所定期間が経過したとき開閉入賞装置900を閉塞状態にするための処理を行う。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達していなければ、再び、開閉入賞装置900を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達したときには、処理選択フラグを[0]に更新する。
図13は、上述の変動開始処理(ステップS1604)の一例を示すフローチャートである。この変動開始処理では、まず、ステップS1621において、主基板310のCPU314では、留保球数カウンタの値が0であるか否か判断する。上述したように、留保球数カウンタの値は、始動記憶の保存領域に格納される乱数値の数を示すものであるため、ステップS1621で留保球数カウンタの値が0であれば、始動記憶がないと判別されて処理を終了する。
一方、ステップS1621で留保球数カウンタの値が0でなければ、ステップS1622に進み、始動記憶移行処理を実行する。ステップS1622の始動記憶移行処理では、留保球数カウンタを1減算する処理と、RAM316に設けられた始動記憶の保存領域に記憶される各種乱数をシフトした後、始動記憶の保存領域のうち留保球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される各種乱数(大当り判定乱数等)を読み出す処理と、を行う。具体的には、始動記憶の保存領域にて留保球数カウンタのn(n=1、2、3、4)に対応する保存領域に記憶されている各種乱数を始動記憶の保存領域における留保球数カウンタのn−1(n=0、1、2、3)に対応する保存領域に記憶させる。
次いで、ステップS1623では、留保記憶の保存領域のうち留保球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した大当り判定乱数を用いて大当り判定処理を行い、大当り判定乱数による抽選結果が、「特別当り」、「第一普通当り」、及び「第二普通当り」の何れであるかの判定を行い、続くステップS1624において、処理選択フラグを[1]に更新する。処理選択フラグを[1]に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(図12参照)が実行されたときに変動表示パターン設定処理(ステップS1605)が実行可能となる。
図14は、大当り判定処理(ステップS1623)の一例を示すフローチャートである。大当り判定処理が開始されると、まず、ステップS1641において、ROM315に記憶された大当り判定テーブルが選択され、続くステップS1642では、大当り判定テーブルを用いて大当り判定乱数が「特別当り」であるか否かが判定され、「特別当り」であればステップS1643へと進み、特別当りフラグをON状態として、大当り判定処理を終了する。一方ステップS1642において、大当り判定乱数が「特別当り」でない場合は、ステップS1644へと進む。
このステップS1644では、大当り判定テーブルを用いて大当り判定乱数が「第一普通当り」であるか否かが判定され、「第一普通当り」であれば、ステップS1645へと進み、第一普通当りフラグをON状態として、大当り判定処理を終了する。一方、ステップS1644において、大当り判定乱数が「第一普通当り」でない場合は、ステップS1646へと進む。このステップS1646では、大当り判定テーブルを用いて大当り判定乱数が「第二普通当り」であるか否かが判定され、「第二普通当り」であれば、ステップS1647へと進み、第二普通当りフラグをON状態として、大当り判定処理を終了する。一方、ステップS1646において、大当り判定乱数が「第二普通当り」でない場合は、何れの当りフラグをON状態とすることなく、大当り判定処理を終了する。
ところで、大当り判定乱数により、各抽選結果が抽選される確率を、例えば、「ハズレ」を1/200、「第一普通当り」を188/200、「第二普通当り」を10/200、「特別当り」を1/200、となるように設定することができる。しかしながら、上記の確率に限定するものではなく、適宜それらの確率を変更して設定することができるが、何れの設定においても、「特別当り」の確率が最も低くなるようにする必要がある。また、「ハズレ」は無くても良い。
図15は、上述の変動表示パターン設定処理(ステップS1605)の一例を示すフローチャートである。この変動表示パターン設定処理では、ステップS1661において、大当り判定乱数が「特別当り」であるか否かが判断される。具体的には、特別当りフラッグがON状態であるか否かが判断され、特別当りフラッグがON状態、つまり「特別当り」であれば、ステップS1662へと進み、ROM315に記憶されている特別当り時変動表示パターンテーブルを選択する。一方、ステップS1661において、「特別当り」でないと判断されると、ステップS1663へと進み、大当り判定乱数が「第一普通当り」又は「第二普通当り」の何れかであるか否かが判断される。つまり、第一普通当りフラグ又は第二普通当りフラグの何れかがON状態であると、「第一普通当り」又は「第二普通当り」であると判定し、ステップS1664へと進み、ROM315から普通当り時変動表示パターンテーブルを選択する。
一方、ステップS1663において、「第一普通当り」又は「第二普通当り」でないと判定される、つまり、何れの当りフラグがON状態でない場合、ステップS1665へと進み、ROM315に記憶されているハズレ時変動表示パターンテーブルが選択される。なお、ROM315に「第一普通当り」及び「第二普通当り」に対応した第一普通当り時変動表示パターンテーブル及び第二普通当り時変動表示パターンテーブルを記憶させておき、「第一普通当り」又は「第二普通当り」に応じて、第一普通当り時変動表示パターンテーブル又は第二普通当り時変動表示パターンテーブルを選択するようにしても良い。
そして、変動表示パターンテーブルが選択されると、ステップS1666において、変動表示パターン乱数を用いて先に選択された変動表示パターンテーブルから対応する変動表示パターンを決定し、続くステップS1667において、決定した変動表示パターンの変動表示パターンコマンドをセットしてステップS1668へと進む。
ステップS1668では、ステップS1668において決定された変動表示パターンに応じた変動時間をタイマにセットする。具体的には、本例では、例えば、普通当り時変動表示パターンテーブルから決定された変動表示パターンの場合、つまり、「第一普通当り」又は「第二普通当り」の場合、変動時間として、例えば1sec〜2secの間の第一実行時間がセットされる。一方、特別当り時変動表示パターンテーブル又は外れ時変動表示パターンテーブルの何れかから決定された変動表示パターンの場合、つまり、「特別当り」又は「ハズレ」の場合、変動時間として、第一実行時間よりも長い第二実行時間がセットされる。これにより、「特別当り」又は「ハズレ」の時は、特別図柄の変動時間が長く設定されており、変動時間が普通当りよりも長いと、「特別当り」又は「ハズレ」の何れかであることを認識させることができ、遊技者をワクワク、ドキドキさせて興趣を高められるようになっている。
ステップS1668において、変動時間がセットされると、続くステップS1669において、処理選択フラグを[2]に更新してステップS1670へと進み、これまでに決定、或いはセットされた、大当り判定乱数、変動表示パターン乱数、変動表示パターンコマンド、変動時間、等を周辺基板311へ送信するためのコマンドとしてセットして、本ルーチンがリターンされ、決定された変動表示パターンに基づいて、特別図柄表示器121の特別図柄の変動表示が開始される。
図16は、上述の変動中処理(ステップS1606)の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1681では、特別図柄表示器121において変動表示されている特別図柄の変動時間がタイムアップしたか否かが判断され、タイムアップしていなければ本ルーチンをリターンする。一方、タイムアップしたと判断されるとステップS1682へと進み、実行中の抽選結果が「特別当り」であるか否かが判断され、「特別当り」であると判断されると、ステップS1683へと進み、処理選択フラグを[4]に更新して本ルーチンをリターンする。その際に、特別図柄表示器121では、「特別当り」を示唆する特別図柄が停止表示される。
一方、ステップS1682において、「特別当り」でないと判断されると、ステップS1684へと進み、抽選結果が「第一普通当り」又は「第二普通当り」であるか否かが判断され、「第一普通当り」又は「第二普通当り」であると判断されると、ステップS1685に進み、処理選択フラグを[3]に更新し、本ルーチンをリターンする。その際に、特別図柄表示器121では、抽選結果に応じた「第一普通当り」又は「第二普通当り」を示唆する特別図柄が停止表示される。
なお、ステップS1684において、抽選結果が「第一普通当り」又は「第二普通当り」でないと判断される、つまり、「ハズレ」であると判断されると、ステップS1686へと進み、処理選択フラグを[0]に更新し、本ルーチンをリターンする。その際に、特別図柄表示器121では、「ハズレ」を示唆する特別図柄が停止表示される。
図17は、上述の役物用入賞口開閉処理(ステップS1607)の一例を示すフローチャートである。ここでは、まず、ステップS1701において、抽選結果が「第一普通当り」であるか否かが判断され、「第一普通当り」であればステップS1702へと進み、第一開放時間がセットされる。一方、ステップS1701において、「第一普通当り」でないと判断されると、換言すると、「第二普通当り」であると判断されると、ステップS1703へと進み、第二開放時間がセットされる。
そして、ステップS1702又はステップS1703において、開放時間がセットされると、ステップS1704へと進み、セットされた開放時間に応じて開閉入賞装置900の開閉動作が行われる。具体的には、開放時間が第一開放時間の場合は、例えば、0.3sec〜0.6secの間、開閉入賞装置900を開放又は開閉させるもので、更には、約0.4秒の間、開放させることが望ましい。また、開放時間が第二開放時間の場合は、第一開放時間よりも長い時間で、例えば、1.5秒〜2.0secの間、開閉入賞装置900を開放又は開閉させるもので、更には、約1.8秒の間、開放させることが望ましい。
ステップS1704において、開閉入賞装置900の開閉が終了すると、ステップS1705へと進み、大当り受入センサ330がONとなったか否かを判断する。つまり、ステップS1704において、役物用入賞口901が開放されて役物91内に遊技球が進入し、役物91内の大当り受入口93に遊技球が受入れられたか否かを判断する。そして、大当り受入口93に遊技球が受入れられると大当り受入センサ330がONとなりステップS1706へと進み、処理選択フラグを[4]に更新し、続くステップS1707において、例えば、大当り遊技中に、演出表示装置115に表示し周辺基板311により制御される演出表示パターンを含む所定のコマンドをセットして、本ルーチンをリターンする。
一方、ステップS1705において、大当り受入センサ330がONとならなかった場合、つまり、遊技球が役物用入賞口901から役物91内に進入しなかった場合、或いは、役物用入賞口901から役物91内に遊技球が進入したものの大当り受入口93に受入れられなかった場合、ステップS1708へと進み、処理選択フラグを[0]に更新して、本ルーチンをリターンする。
図18は、上述の大当り遊技開始処理(ステップS1608)の一例を示すフローチャートである。この大当り遊技開始処理は、始動入賞口96への遊技球の入賞により発生する大当り判定乱数に基づく抽選結果が「特別当り」の場合、又は、開閉入賞装置900の開閉により役物91内に進入した遊技球が大当り受入口93に受入れられた場合、に開始される処理である。まず、ステップS1721では、継続回数判定乱数により、大当り遊技のラウンド数である設定最大継続回数が設定される。本実施形態では、ラウンド数が、2回、8回、16回の何れかから継続回数判定乱数によって設定される。具体的には、2回、8回、16回の夫々のラウンド数が選択される割合が、例えば、2回が「1/4」、8回が「1/4」、16回が「1/2」となるように割り振られた適宜の選択テーブルを用いて、継続回数判定乱数に応じたラウンド数が設定される。この継続回数判定乱数は、始動入賞口96への入賞時に、大当り判定乱数等と共に発生させるようにしても良いし、大当り処理を開始する際に発生させるようにしても良い。
ステップS1721において設定最大継続回数が設定されると、続くステップS1722では、継続回数判定表示処理が行われる。具体的には、継続回数判定乱数に基づいて、ROM315に記憶された継続回数判定表示パターンテーブルから、対応する継続回数判定表示パターンを決定し、決定した継続回数判定表示パターンの表示パターンコマンドをセットする。そして、セットされた表示パターンコマンドを周辺基板311に送信するようにセットする。
この継続回数判定表示パターンとしては、種々の表示パターンが用意されており、継続回数判定乱数により設定される設定最大継続回数、つまり、最大ラウンド数を示唆する表示パターンや、最大ラウンド数よりも少ないラウンド数を示唆する表示パターン、等がある。具体的には、例えば、実際のラウンド数が16であった場合、表示パターンにより表示されるラウンド数を8として表示させ、初めは遊技者にラウンド数が8であると認識させておき、大当り遊技中にラウンド数が変更されるような演出表示(例えば、再抽選表示)を行ってあたかもラウンド数が16に増えたかのような表示としても良い。これにより、遊技者に当所表示されたラウンド数よりも更に有利なラウンド数が表示されることで、幸運を得たような感覚にさせることが可能となり、興趣を高めることができるようにすることができるものである。
そして、ステップS1722において、継続回数判定表示処理が終了すると、ステップS1723へと進み、処理選択フラグを[5]に更新して、本ルーチンをリターンする。
図19は、上述の大当り遊技中処理(ステップS1609)の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1741において、所定のラウンドカウンタが初期化(例えばラウンドカウンタの数値=2)される。このラウンドカウンタは例えばRAM316内に確保されており、この初期化に伴ってラウンドカウンタの値はリセットされる。なお、ラウンドカウンタは大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのものであり、その値が設定最大回数に達すると大当り処理が終了となる。
ステップS1741においてラウンドカウンタが初期化された後、続くステップS1742では、所定の入賞球数カウンタに「0」がセットされ、続いて開閉入賞装置900の開閉動作が所定時間間隔で行われる(ステップS1743)。そして、次のステップS1744では開閉入賞装置900の開閉回数が設定最大回数(例えば18回)以内であるか否かが判断される。開閉回数が設定最大回数内であれば(YES)、次に入賞球カウンタの値が10未満であるか否かが判断される(ステップS1745)。このとき入賞球カウンタの値が10に満たなければ(YES)、大入賞口に対応するカウントセンサ319の検出信号がONになったか否かが判断される(ステップS1746)。役物用入賞口901への入賞によりカウントセンサ319がONになると(YES)、次のステップS1747で入賞球数カウンタに「1」が加算され、再度ステップS1644の判断が行われる。あるいは、ステップS1746で大入賞口への入賞がなく、カウントセンサ319がONになっていなければ(NO)、入賞球数カウンタが加算されることなくステップS1744の判断が行われる。
1回のラウンド動作中において、開閉入賞装置900の開閉が設定最大回数である18回に達するか、あるいは入賞球が10カウントに達するかのいずれかの条件が満たされると1ラウンドが終了となる。これら2つの条件のいずれかが満たされると、ステップS1744またはステップS1745の判断が否定(NO)されるので、ラウンド終了のために開閉入賞装置900の開閉動作が停止(ステップS1748)される。そして、次のステップS1749でラウンドカウンタの値が、2ラウンド、8ラウンドまたは16ラウンドの中から選択されて設定された設定最大継続回数に達したか否かが判断される。
ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数に達していなければ(ステップS1749においてNO)、次にラウンドカウンタの値に「1」が加算(ステップS1750)されて入賞球数カウンタが「0」にリセットされる(ステップS1742)。
なお、本例では、始動入賞口96への遊技球の入球に応じて行われる開閉入賞装置900の開閉動作を第1ラウンドとしてラウンド回数を算定しているため、上記の処理は、第2ラウンド以降の1回のラウンド動作の処理に相当する内容である。そして、第2ラウンド以降においては、ラウンド動作が繰り返されてラウンドカウンタの値が設定最大継続回数に達したと判断されると(ステップS1749においてYES)、ステップS1751に進み、処理選択フラグを[0]に更新して、大当り処理を終了する。
このように、本例の遊技処理によると、特別図柄の変動表示中や、大当り処理中等の状況以外では、始動入賞口96に入賞すると比較的短時間で開閉入賞装置900が開閉動作するので、従来の第二種のパチンコ機と類似した遊技となり、従来の第二種のパチンコ機に慣れた遊技者にも違和感無く遊技させることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。また、開閉入賞装置900が開閉動作する前に、変動した特別図柄が停止表示されて開閉動作のパターン(抽選結果)を認識することができ、停止表示した特別図柄の示唆が、「第一普通当り」よりも「第二普通当り」であれば、より有利となるので、特別図柄の停止表示により遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
また、特別図柄の変動時間が長いと、抽選結果が「ハズレ」又は「特別当り」の何れかであることを認識させることができ、特別図柄が停止表示されて抽選結果が認識可能となるまでの間、遊技者をハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、抑揚に富んだものとすることができるようになっている。また、始動入賞口96への入賞により、大当りとなる「特別当り」を備えているので、従来の第一種の遊技と更に類似した遊技となり、遊技者の違和感を更に抑制することができ、興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
[役物の構成について]
次に本実施形態における役物91の具体的な構成について図20乃至図26を基に詳細に説明する。図20は本実施形態における役物の一例を示す正面図であり、図21は役物における開閉入賞装置の構成を示す斜視図であり、図22は開閉入賞装置を中央で切断した状態を示す切断斜視図であり、図23は開閉入賞装置の構成を示す平面図であり、図24は開閉入賞装置の構成を示す縦断面図である。また、図25は開閉入賞装置における機構部の構成を示す斜視図及び正面図であり、図26は開閉入賞装置における可動片の動きを説明するための説明図である。
本実施形態の役物91は、図20に示すように、その内部に遊技球が入賞可能な役物用入賞口901を有する開閉入賞装置900と、役物用入賞口901に入球した遊技球を、所定の通路上を転動演出させた後に二方のうちの何れか一方に放出することの可能な第一転動演出装置95と、第一転動演出装置95の一方の放出側(図中左側)に配置され遊技球を押打可能な第二転動演出装置100と、第一転動演出装置95の他方の放出側(図中右側)に配置され回転することで遊技球を大当り受入口93又はハズレ受入口94の何れかに導く第三転動演出装置101と、第一転動演出装置95の下側に配置され第二転動演出装置100により押打された遊技球を第三転動演出装置101に案内する第四転動演出装置102と、第一転動演出装置95の左右に配置され放出された遊技球の流れを夫々整流する第一整流手段500a及び第二整流手段500bと、役物91の上方から流下する遊技球を第一転動演出装置95及び第四転動演出装置102と当接しないように役物91の下流に導くワープ通路510とを備えている。
この役物91は、図3にも示すように、遊技領域の比較的広い範囲内を占めるような大きさとされており、一目で認識できるものとなっている。これにより、本例のパチンコ機1を容易に識別することができると共に、遊技者の関心を引き付け易いようになっている。
(開閉入賞装置900について)
開閉入賞装置900は、役物91の中央かつ上縁部近傍に配置されており、図21及び図22に示すように、その中央には遊技球Bを入賞可能とする役物用入賞口901が形成されている。開閉入賞装置900は、各構成部品を取付けるための基部材902と、基部材902の背面に固定された取付枠903とを備えるとともに、所定の開閉動作が行われる一対の第一可動片904及び一対の第二可動片905と、これらの第一可動片904及び第二可動片905を夫々別々に動作させる第一駆動手段906及び第二駆動手段907(図23参照)と、一対の第一可動片904の間に配設され役物用入賞口901へ遊技球を導入する球導入部908と、全体的に所定の装飾形状を呈する装飾ユニット909と、を具備して構成されている。
さらに詳しく説明すると、基部材902は、中央に役物用入賞口901が穿設され、第一可動片904、第二可動片905、球導入部908、及び装飾ユニット909を前面側で支持する略長方形状の支持部912と、役物用入賞口901を挟むように支持部912の背面から後方に突出した一対の突出壁913とを備えている。なお、基部材902は、遊技盤5に形成された開口部(図示しない)に嵌めこまれ、支持部912の前面が遊技盤5の盤面に対して連続する平面となるように組付けられている。つまり、開閉入賞装置900のうち、第一可動片904、第二可動片905、球導入部908、及び装飾ユニット909が、遊技盤5の遊技領域37から突出した状態で組付けられている。
取付枠903は、図23に示すように、基部材902の突出壁913の後面に取付けられており、第一可動片904及び第二可動片905の後方に、夫々第一駆動手段906及び第二駆動手段907を収容するための空間を形成している。なお、取付枠903は金属板を折り曲げて形成したものであり、第一駆動手段906及び第二駆動手段907に対向する部位には、取付用の孔(図示しない)が形成されている。
第一可動片904は、図21及び図25に示すように、略扇状の形状を呈し、第一軸心917周りに回動可能に支持されている。また、開状態の際に上面となる側には、遊技球Bを役物用入賞口901に向かって誘導する誘導面918が形成されている。そして、図26(a)に示すように、一対の第一可動片904が閉状態になると、誘導面918同士が対向し、役物用入賞口901の左右側方を塞ぐ状態となることから、役物用入賞口901に対して遊技球を入賞させることができなくなる。一方、図26(b)に示すように、一対の第一可動片904が開状態に変位する際には、誘導面918同士が離間するように回動し(すなわち左右に拡開し)、夫々の誘導面918は、球導入部908に向かって下り勾配となる(すなわち傾斜した状態となる)。この状態では、誘導面918に到達した遊技球Bを球導入部908側、すなわち役物用入賞口901側に向かって転動させることが可能になる。
第二可動片905は、図25(b)に示すように、上面に傾斜面921を有するブロック状の球受部905aと、一端側に第二軸心920を有し他端側が球受部905aに接続されたアーム部905bとから構成され、第二軸心920周りに回動可能に支持されている。そして、図26(a)に示すように、一対の第一可動片904が閉状態になると、それに合わせて第二可動片905は退避状態となり、開状態である第一可動片904よりも下方に位置する。特に、本例では、第二可動片905が退避状態になると、装飾ユニット909の内部に没入され、傾斜面921のみが露出された状態となる。一方、図26(b)に示すように、一対の第一可動片904が閉状態から開状態に変位する際には、第二可動片905は退避状態から突出状態に変位し、開状態である第一可動片904の径方向延長上に位置する。この際、第二可動片905の傾斜面921は、第一可動片904における誘導面918から延出された状態となり、連続した斜面が形成される。これにより、第一可動片904と第二可動片905との一体感が高められ、傾斜面921から誘導面918に遊技球Bが転動する印象を与えることが可能になる。
なお、一対の第一可動片904には、夫々第一駆動手段906が接続されており、第一駆動手段906によって動力が付与されることにより、開状態と閉状態との間で往復回動運動するようになっている。夫々の第一駆動手段906は、ソレノイド924を有しており、ソレノイド924が駆動されることで、そのプランジャ923が直線運動し、その直線運動がリンク機構等の第一伝達機構925を介して回転軸926を回動運動させることで第一可動片904が回動するようになっている。
また、同様に、一対の第二可動片905には、夫々第二駆動手段907が接続されており、第二駆動手段907によって動力が付与されることにより、退避状態と突出状態との間で往復回動運動するようになっている。夫々の第一駆動手段906は、ソレノイド930を有しており、ソレノイド930が駆動されることで、そのプランジャ(図示しない)が直線運動し、その直線運動がリンク機構等の第二伝達機構931を介して回転軸(図示しない)を回動運動させることで第二可動片905が回動するようになっている。なお、第一駆動手段906及び第二駆動手段907は、第一可動片904及び第二可動片905に対し夫々別々に動力を付与することが可能である。つまり、第一可動片904の閉状態及び開状態と、第二可動片905の退避状態及び突出状態と、を任意のパターンで組合せることが可能になっている。
ところで、開閉入賞装置900における装飾ユニット909は、図21に示すように、全体として「UFO(未確認飛行物体)」の形状を呈しており、第一可動片904の第一軸心917部分及び退避状態である第二可動片905を前方から覆う前面装飾部材935と、第一可動片904及び第二可動片905の後方に配設された背面装飾部材938とを有して構成されている。つまり、退避状態である第二可動片905が、前面装飾部材935と背面装飾部材938との間に没入されるように構成されている。特に、前面装飾部材935の端部には、退避状態である第二可動片905よりも長手方向に延出された前面延出部936が形成され、左右方向に細長い形状となっている。また、この前面延出部936の上端から後方に向かって上面延出部937が形成されており、前面延出部936と背面装飾部材938との隙間を塞いでいる。特に、上面延出部937は、退避状態である第二可動片905の傾斜面921に連なる湾曲形状を呈しており、退避状態である第二可動片905をすっぽりと没入させるとともに、第二可動片905の傾斜面921を装飾ユニット909の一部として視認させている。なお、前面装飾部材935の中央部分には、特別図柄表示器121が設けられている。
また、図21に示すように、背面装飾部材938には、中央に役物用入賞口901が穿設されるとともに、役物用入賞口901の上縁から前方に突出する障害蓋部939が設けられている。この障害蓋部939は、一対の第一可動片904が閉状態の際、これらの第一可動片904との協働で役物用入賞口901に遊技球Bが入賞することを防止するものである。なお、障害蓋部939は、屋根の形状を呈しており、「UFO」の形状である装飾ユニット909の一部として機能し、役物用入賞口901を「UFO」の入口として視認させている。つまり、遊技球Bが「UFO」内に吸い込まれるような雰囲気を醸し出しており、演出効果を一層高めている。
また、図22及び図24に示すように、役物用入賞口901の後方には、役物用入賞口901に入賞した遊技球Bを誘導し、受渡口458(図20参照)から放出させる誘導室形成部945が設けられている。誘導室形成部945の底面には、遊技球Bが通過する挿通孔944が穿設されており、役物用入賞口901を通って誘導室形成部945内に入賞した遊技球Bを挿通孔944を通して受渡口458に受け渡すようにしている。また、球導入部908と誘導室形成部945との間には、保持部912を貫通する受入導入斜面943が形成されており、球導入部908に入球した遊技球Bを後方への下り傾斜に沿って滑らかに転動させるように構成されている。また、挿通孔944の下方には、通過する遊技球Bを検出するカウントセンサ319(図20参照)が設けられている。ここで、カウントセンサ319が本発明の入賞状態検出手段に相当する。
続いて、第一可動片904及び第二可動片905の動作について詳細に説明する。第一可動片904及び第二可動片905は、可動片駆動制御手段941(図27参照)によって、互いに対応付けて可動されるようになっている。具体的には、第一可動片904が閉状態から開状態に変位(図26(a)の状態から(b)の状態に変位)する際には、第二可動片905は、第一可動片904の変位に従って退避状態から突出状態に変位する。つまり、離れた位置に配置された第一可動片904と第二可動片905とが互いに接近するように変位し、第一可動片904が開状態になると、その径方向延長上に第二可動片905が位置する。このため、第一可動片904の可動に着目していた遊技者は、第一可動片904が開状態に接近した際に初めて第二可動片905の存在に気づくようになる。換言すれば、第一可動片904が開状態に変位するまでは第一可動片904の長さを一定の長さ(第一可動片904のみの長さ)に見せ、第一可動片904が開状態に変位すると、第二可動片905が加わり第一可動片904の長さが突然長くなったように見せることが可能になる。したがって、その変化によって遊技者に驚きを与え、興趣を高めることが可能になる。特に、第一可動片904が開動作した時に、第一可動片904が長くなったように錯覚させることができるので、遊技球Bが役物用入賞口901に入賞し易いものと思わせることが可能となり、数ある遊技機の中から取り分け本実施形態のパチンコ機1で遊技したいと思わせることができる。
一方、第一可動片904が開状態から閉状態に変位(図26(b)の状態から(a)の状態に変位)する際には、第二可動片905は突出状態から退避状態に変位する。つまり、開状態において一体的に配置されていた第一可動片904と第二可動片905とが互いに離反するように相対方向に変位する。この際、第一可動片904の誘導面918上に位置していた遊技球Bは、第一可動片904によって内方へ持ち上げられることにより役物用入賞口901に誘導されることとなるが、第二可動片905の傾斜面921上に位置していた遊技球Bは、第二可動片905とともに下降し、役物用入賞口901に誘導されない状態となる。すなわち、開状態では、第一可動片904と第二可動片905とが一体的に形成されているものの、遊技球Bが到達する位置が第一可動片904となるか、それとも第二可動片905となるかによって、その後の遊技球Bの行方が大きく異なることとなる。したがって、遊技の面白さを高めるとともに、役物用入賞口901に対する遊技球Bの入賞率が極端に大きくなることを防止できる。換言すれば、第二可動片905に到達した遊技球Bを開閉入賞装置900の外部へ転動させることにより、「もう少しで入賞させることができたのに入賞させることができず残念だ」という惜しい気持ちを喚起させることができ、次回の開閉動作に対する意欲を高めることが可能になる。
特に、可動片駆動制御手段941は、第一可動片904を開状態に保持し且つ第二可動片905を突出状態に保持する保持時間を、第二可動片905の傾斜面921上に到達した遊技球Bが傾斜面921に沿って誘導面918まで転動するのに要する時間よりも短い時間(例えば0.3秒)としている。このため、第一可動片904及び第二可動片905が開状態及び突出状態で停止した際に、第二可動片905の傾斜面921上に遊技球Bが到達しても、その遊技球Bが第一可動片904の誘導面918に移る前に第二可動片905が降下し、傾斜面921と誘導面918との間に段差が生じることから、その遊技球Bを誘導面918に移動させることができなくなる。つまり、第二可動片905を設けても、役物用入賞口901に実際に入賞する遊技球Bの数は殆ど変化しない。換言すれば、見た目よりは入賞する割合が増加せず、ホール側の負担を軽減することができる。
(第一転動演出装置について)
第一転動演出装置95は、図20に示すように、左右方向に延び上面に遊技球が転動可能な転動面490を有した長尺状のガイド部材491と、ガイド部材491を回動可能に支持する回動支持軸(図示しない)と、ガイド部材491を回動駆動させる回動駆動手段(図示しない)と、ガイド部材491の回動状況を検出する回動検出センサ494(図27参照)とを備えている。
ガイド部材491は、転動面490から遊技球が前側(遊技機に対して遊技者側)に落下するのを防止する堰部(図示しない)が転動面490の略全長に亘って設けられている。また、転動面490はその前側が低くなるように前後方向において傾斜しており、これにより、転動面490上に投入された遊技球が堰部に沿って転動すると共に、ガイド部材491の後側に配置された受渡口458などに遊技球が当接するのを防止するようになっている。
回動駆動手段は、モータ(図示しない)と、モータの回転駆動を往復駆動に変換してガイド部材491に伝達する伝達機構(図示しない)とから構成されている。
本例では、モータを所定方向に回転させることで、ガイド部材491は、伝達機構を介して、回動支持軸周りをシーソーのように回動して往復動作するようになっている。なお、本例では、モータを一回転させると、ガイド部材491が、二往復シーソーのように回動するようになっている。
ガイド部材491がシーソーのように回動することで、ガイド部材491上の遊技球が揺動すると共に、徐々にガイド部材491の端部へと移動し、やがてガイド部材491の端部から放出される。なお、遊技球が放出される過程において、ガイド部材491の右側端部の近傍まで転動した遊技球が、回動支持軸の方向へ折り返すような場合もあり、この遊技球が放出されそうでされないような動きにより、遊技者に、ハラハラ、ドキドキさせて抑揚に富んだ演出が可能となっている。
(第二転動演出装置について)
第二転動演出装置100は、役物91において、ガイド部材491の左側に配置されている。つまり、遊技球が打ち込まれる遊技領域において、その左右方向の中心に対して左側に配置されている。この第二転動演出装置100は、遊技球と当接することで遊技球を左右方向へ押打可能な押打部531と、押打部531が遊技球を押打するように押打部531を移動させる押打部駆動手段(図示しない)とを備えている。また、第二転動演出装置100には、キャラクタ体533を更に備えており、このキャラクタ体533の足534が押打部531とされている。また、第二転動演出装置100には、キャラクタ体533の腕541と顔542とを可動させて所定の演出動作を行わせる可動演出手段543を更に備えている。
可動演出手段543は、キャラクタ体533の腕(右腕)541がその肩を中心に回動可能とされていると共に、顔(上顎から上の部分)542が上下方向にスライド可能とされている。
続いて、第二転動演出装置100の動作について説明する。この第二転動演出装置100は、役物用入賞口901のカウントセンサ319により遊技球が検出されると、押打用ソレノイドにより、押打部531を、図20中二点鎖線で示す位置まで回動させて、遊技球を押打することが可能となる。具体的には、カウントセンサ319により遊技球が検出されてから所定時間後(例えば、0.5〜2.5秒後)に押打部531を回動させる。これにより、役物用入賞口901に進入した遊技球が、ガイド部材491上を揺動した上で第二転動演出手段100により押打可能な押打領域に到達する頃に、押打部531が回動するので、押打部531により遊技球を押打することができる。なお、実際には、遊技球が第二転動演出装置100に到達する到達時間が区々となるので、押打部531が作動するタイミングと、遊技球が到達するタイミングとが一致し難く、ガイド部材491上を揺動する遊技球の動きに、一層、ハラハラ、ドキドキさせて興趣を高めることができる。
(第三転動演出装置について)
第三転動演出装置101は、遊技球を収容可能な複数の収容部550と、それら収容部550を周方向に複数配置した回転体552と、回転体552を回転させることで収容部550を移動させる移動手段(図示しない)とを備えている。この移動手段は、回転体552を回転駆動させるための回転軸と、回転軸に固定され回転体552の回転位置を検出するための回転検出部と、回転軸を回転駆動する回転体用モータ326(図11参照)とを備えている。なお、本例では、回転体用モータ326から回転軸への回転伝達は、一組のギア(図示しない)を介して伝達されるようになっている。また、本例では、収容部550が基本的に、その前方側と、回転体552の半径方向外側が開放された形態とされている。
この第三転動演出装置101には、回転体552の後方側(遊技者が位置する側とは反対側)に配置され、大当り受入口93を有し、大当り受入口93に入球した遊技球を大当り受入センサ330(図11参照)へ導く大当り誘導部(図示しない)と、回転体552の外周を覆うと共にその周方向の所定位置にハズレ受入口94を有し、ハズレ受入口94に入球した遊技球をハズレ受入センサ329へ導くハズレ誘導部(図示しない)とを更に備えている。なお、本例では、ハズレ誘導部は、ハズレ受入口94を有し回転体552の外周を覆ってその半径方向外側が開放された収容部550から遊技球がその半径方向外側へ移動するのを阻止する筒状部と、ハズレ受入センサ329へ遊技球を導く誘導部とが、夫々別部材により構成されている。
収容部550は、回転体552の外周からその中心部に向かって延びる、長さの短い第一収容部550aと、第一収容部550aよりも、少なくとも遊技球の長さ分、回転体552の外周からその中心部に向かって延びる、長さの長い第二収容部550bとからなっており、本例では、第一収容部550aと第二収容部550bとが、夫々四つずつ回転体552の周方向に交互に配置されている。
ところで、収容部550は、第二収容部550bの一つが、遊技球を大当り受入口93へと導く特定収容部550cとされており、この特定収容部550cは、回転体552の前後方向に開放されると共に、半径方向には開放されていない形態とされている。換言すれば、特定収容部550cは、回転体552の回転軸553の軸方向に遊技球を通過可能な開口が形成されている。
なお、特定収容部550c以外の収容部550は、全て遊技球をハズレ受入口94へと導くものとされており、回転体552の回転軸の半径方向に遊技球を通過可能な開口が形成されている。
回転体552は、第一収容部550aよりも中心側の位置において、前方側に所定量突出した突出部560が形成されており、この突出部560には、その半径方向の外側から、回転体552の第二収容部550bと連続するような凹部が設けられている。つまり、回転体552の突出部560には、第二収容部550bが備えられている。
この第三転動演出装置101には、全ての収容部550、つまり、第一収容部550a及び特定収容部550cを含む第二収容部550bで遊技球の収容が許容される第一収容領域と、特定収容部550cを含む第二収容部550bのみが遊技球の収容を許容される第二収容領域とを仕切る仕切り部(図示しない)を更に備えている。
続いて、第三転動演出装置101の動作について説明する。この第三転動演出装置101は、遊技球の収容部550を有した回転体552が、回転体用モータ326により、時計回りに所定速度で回転させられている。そして、回転体552を回転させた状態で、遊技球が供給されると、何れかの収容部550に収容される。例えば、ガイド部材491の右側端部から流出した遊技球の場合は、仕切り部により回転体552の突出部560に配置された四つの第二収容部550bの何れかに収容された後に、回転体552の回転に伴って遊技球が移動し、その第二収容部550bが回転体552の中心よりも下側に位置すると、遊技球は、第二収容部550bにおいて回転体552の半径方向外側の位置に移動する。一方、押打部531により押打された遊技球の場合は、第四転動演出装置102及び仕切り部の開口部を介して、回転体552における全ての収容部550の何れかに収容された後に、回転体552の回転と共に、回転体552の半径方向外側の位置に保ったまま移動する。
そして、遊技球が特定収容部550cに収容された場合は、回転体552の回転に伴って時計回りに移動し、大当り受入口93が開口する位置に達すると、特定収容部550cはその後方側が開放されているので、そこから遊技球が大当り受入口93に入球し、大当り誘導部の転動通路を通って大当り受入センサ330に検出された後に遊技領域外へ排出される。なお、特定収容部550cは、半径方向外側には開放されていないので、ハズレ受入口94に到達しても入球することはない。
一方、遊技球が特定収容部550c以外の収容部550に収容された場合は、回転体552の回転に伴って時計回りに移動し、ハズレ誘導部(図示しない)の筒状部に開口するハズレ受入口94に達すると、これらの収容部550は、半径方向に開放されているので、そこから遊技球がハズレ受入口94へと入球し、ハズレ誘導部を通ってハズレ受入センサ329に検出された後に遊技領域外へと排出される。なお、特定収容部550c以外の収容部550は、その後方側が開放されていないので、その収容部550が大当り受入口93に到達しても入球することはない。
このように、第三転動演出装置101は、回転体552に複数の収容部550を備えており、供給された遊技球を特定収容部550c又はそれ以外の収容部550の何れかに収容させることで、遊技球を大当り受入口93又はハズレ受入口94に誘導して振り分けることができる。これにより、特定収容部550cに収容されることで大当りが得られるので、供給された遊技球が、特定収容部550cに収容される否かに重大な関心を寄せ、遊技球の動きと回転体552の回転により遊技球が収容されるまでの間、ハラハラ、ドキドキさせて、興趣を高められるものとなっている。
(第四転動演出装置について)
第四転動演出装置102は、ガイド部材491の下方に配置され、第二転動演出装置100側から第三転動演出装置101側へ緩く傾斜するように延びる案内面571を有している。この案内面571は、ガイド部材491と略同じ長さとされていると共に、その下流側先端には、第三転動演出装置101の開口部の下縁形状と一部が略一致するような円弧状の揺動面が設けられている。
この第四転動演出装置102では、第二転動演出装置100からの遊技球を、所定長さの案内面571上を転動させることで、遊技球の動きを認識できるようにしており、これにより、遊技球が第三転動演出装置101に到達するタイミングが、第三転動演出装置101における回転体552の回転による特定収容部550cに収容されるタイミングとなるか否かを楽しませるようになっている。また、案内面571の先端に揺動面が設けられているので、遊技球はその揺動面を揺動した後に回転体552に備えられた収容部550に収容される。そして、その遊技球の揺動具合によって、収容部550に収容されるタイミングが区々となるので、遊技者をハラハラ、ドキドキさせて楽しませることができるようになっている。
[演出表示装置における演出表示について]
次に本実施形態における演出表示装置115に表示される演出表示の制御処理について、図27及び図28に基づき説明する。図27は演出表示制御における主基板の機能的な構成を示すブロック図である。図28は演出表示制御における周辺基板の機能的な構成を示すブロック図である。
本例のパチンコ機1では、役物91の略中央に演出表示装置115が配置されており、この演出表示装置115に、キャラクタや背景等を表示させると共に、遊技状態に応じて、それらキャラクタ等の表示態様を変化させることで、遊技者に所定の演出表示を楽しめるようにしたり、遊技状態を認識できるようにしたりするものである。
(演出表示制御における機能的構成について)
キャラクタや背景等の演出表示制御における機能的な構成、すなわち、演出プログラムとして実現される機能的な構成と、それらの構成を用いた具体的な演出表示の例を説明する。図27に示すように、主基板310には、遊技球が始動入賞口96に入賞して始動口センサ318により検出されると乱数発生手段611により所定の大当り判定乱数を発生させ、その乱数に基づいて主制御基板131のROM315に記憶された大当り判定テーブルから対応する抽選結果を抽出することで所定の抽選結果を抽選する抽選手段620と、抽選手段620により抽選された抽選結果の表示を遊技状態に応じて実行又は留保する実行留保手段621と、実行留保手段621による抽選結果の表示の実行開始から特別図柄による抽選結果の表示までの時間を、実行される抽選結果が「第一普通当り」又は「第二普通当り」の時は第一実行時間に、実行される抽選結果が「ハズレ」又は「特別当り」の時は第二実行時間を選択する実行時間選択手段622と、留保手段621によって抽選結果の表示の実行が開始されると、特別図柄表示器121に複数の特別図柄を変動表示させると共に、実行する抽選結果に応じて実行時間選択手段622により選択された実行時間が経過すると抽選結果を示唆する特別図柄で停止表示させる特別図柄表示制御手段623と、実行留保手段621によって実行される抽選結果が「特別当り」又は第三転動演出装置101の大当り受入口93に遊技球が入球して大当り受入センサ330に検出されると、大当りとして遊技者に有利な有利遊技状態(図19に示す大当り遊技中処理)を発生させる有利遊技状態発生手段612と、有利遊技状態発生手段612又は実行留保手段621によって実行される抽選結果が「第一普通当り」、「第二普通当り」の何れかであるとソレノイド924,930により第一可動片904及び第二可動片905を駆動することで開閉入賞装置900の開閉を制御する可動片駆動制御手段941と、実行留保手段621により実行を留保される抽選結果としての大当り判定乱数等を主基板310のRAM316に記憶する記憶手段624と、記憶手段624に記憶された抽選結果の数(留保球数)を留保数として留保表示器122に表示させる留保数表示制御手段625と、乱数発生手段611によって発生した乱数、すなわち抽選結果を制御コマンドとして周辺基板311(具体的にはサブ統合基板336)へ送信するコマンド送信手段613とが備えられている。なお、有利遊技状態発生手段612は、役物用入賞口901に入賞した遊技球をカウントするためのカウントセンサ319からの検出信号に応じて、有利遊技状態の発生を制御している。
この主基板310における実行留保手段621は、遊技状態として、可動片駆動制御手段941による第一可動片904及び第二可動片905の開閉制御状態、特別図柄表示制御手段623による特別図柄の表示状態、等に応じて、抽選結果を留保したり、抽選された直後の抽選結果或いは記憶手段624に記憶(留保)された抽選結果を抽出して実行したりするものである。なお、詳細な処理内容については、上述の遊技処理に示した通りである(図12〜図19参照)。
また、主基板310には、第一転動演出手段95におけるガイド部材491の回動状況を検出する回動検出センサ494からの検出結果により、ガイド部材491を回動駆動させるモータ332を制御してガイド部材491上で遊技球が揺動するように制御する転動演出制御手段615とを更に備えている。なお、始動口センサ318、回動検出センサ494、カウントセンサ319、及び回転位置検出センサ321からの検出信号は、コマンド送信手段613を介して周辺基板311へ送信されるようになっている。
一方、周辺基板311には、図28に示すように、主基板310から送信される制御コマンドを受信するコマンド受信手段631と、コマンド受信手段631によって受信された制御コマンドに基づいて、演出表示装置115に所定の演出表示を表示させる演出表示制御手段632と、コマンド受信手段631により受信された制御コマンドのうち始動口センサ318、カウントセンサ319、回動検出センサ494、及び回転位置検出センサ321に関する制御コマンドによってガイド部材491の第三転動演出装置101の方向に放出される遊技球の放出度合を判定して演出表示制御手段632に判定された放出度合を出力する放出度合判定手段633とを備えている。なお、演出表示制御手段632には、遊技球センサ361からの検出信号が送られるようになっている。
演出表示制御手段632は、キャラクタを動的に表示させるキャラクタ制御手段634と、背景を動的に表示させる背景制御手段635と、図柄を動的に表示させる図柄制御手段636とを備え、主基板310からの制御コマンドに応じて、キャラクタ制御手段634、背景制御手段635、及び図柄制御手段636によって、記憶手段(例えば、サブ統合基板336や電飾制御基板338のROM351やROM371)に予め記憶されているキャラクタや背景等の静止画や動画等の画像から所定の画像を呼出して、所定の演出態様を演出表示装置115に表示させるものである。つまり、遊技状態に応じた所定の演出態様を表示するようになっている。
演出表示制御手段632は、遊技状態に応じて演出表示装置115に表示させる演出表示の演出態様を変更する演出態様変更手段637を更に備えている。この演出態様変更手段637には、演出態様を変更させるものとして、キャラクタや背景等の移動速度を変更させる速度変更手段638、放出度合判定手段633により判定された放出度合に基づいてキャラクタや背景等を所定の演出表示する放出度合表示制御手段639とを有している。この放出度合表示制御手段639は、例えば、放出度合に応じて、キャラクタの色、表情、ポーズ等を変更することで遊技者に放出度合が認識できるようにするものである。
また、演出表示制御手段632は、大当り処理を実行する前に、主基板310からの制御コマンドのうち抽選結果となる乱数を基に演出表示装置115に大当りのラウンド数を有利度合いの度合示唆図柄として変動表示させた上で抽選結果のラウンド数を示唆する度合示唆図柄で停止表示させる度合示唆図柄制御手段640を備えている。この度合示唆図柄制御手段640により表示されるラウンド数を示唆する演出表示は、図示は省略するが周辺基板311のROM351又はROM371に予め記憶されたラウンド抽選テーブルから抽出されるラウンド抽選演出態様を表示するもので、その演出態様には、予め確定されているラウンド数を初めから表示させる演出態様や、例えば、予め確定されているラウンド数が16ラウンドであった場合、当初はラウンド数を8ラウンドとして表示させ、初めは遊技者にラウンド数が8であると認識させておき、ラウンドの進行に伴って途中でラウンド数が変更されるような演出態様(例えば、再抽選演出態様)を行ってあたかもラウンド数が途中で増えたかのような演出態様を表示することもできる。これにより、遊技者に当所表示された有利度合よりも更に有利な有利度合が表示されることで、幸運を得たような感覚にさせることが可能となり、興趣を高めることができるようになっている。
なお、本例のカウントセンサ319が本発明の進入検出手段に相当している。
[役物と遊技領域との関係について]
次に、本実施形態における役物と遊技領域との関係について説明する。役物91は、遊技領域37の略中央に配置され、その左右方向の幅が、遊技領域37の幅に対して、80%〜95%の大きさとされており、役物91が遊技領域37に占める割合が、従来のパチンコ機と比較して、大きいものとなっている。これにより、遊技者の視線に大きく役物91が入り、インパクトのあるパチンコ機1となっていると共に、他のパチンコ機との識別性を高めることができ、遊技者に注目させて遊技させ易くすることのできるものとなっている。
なお、役物91の左右両端と、遊技領域37の外周縁との間の隙間の大きさは、夫々遊技球の直径に対して1.5〜6倍の大きさとされており、さらには、1.5〜4倍の大きさとすることが望ましい。また、隙間は、必ずしも左右が同じ大きさである必要は無く、異なっていても良い。
また、遊技領域37における役物91の下方には、始動入賞口96、及び一般入賞口98が配置されている。そして、始動入賞口96は、ワープ通路510の流出口513の直下に配置されている。換言すると、ワープ通路510の流出口513が、始動入賞口96を通る垂直線上に配置されている。これにより、ワープ通路510の流出口513から流出した遊技球が、始動入賞口96に入る可能性が高くなるようになっている。また、吐出口513の直下に始動入賞口96が配置されているので、吐出口513から流下する遊技球が始動入賞口96に進入する可能性が極めて高いことを遊技者に一見して認識させることが可能となり、遊技球を吐出口513から流下するような遊技、つまり、ワープ通路510によって遊技球が誘導されるように遊技させることができる。
また、始動入賞口96の左右には一般入賞口98が夫々配置されている。これにより、ワープ通路510の吐出口513から流出した遊技球が、始動入賞口96、及び一般入賞口98の何れかに入賞する可能性を高くすることができ、何れの入賞口に入賞するかで、遊技者の興趣を高められることが期待できるようになっている。
なお、図示は省略するが、遊技領域37には、障害釘や風車90等の役物を適宜配置しても良く、例えば、ワープ通路510の吐出口513と始動入賞口96との間に、それらを適宜配置することで、吐出口513から流出した遊技球が始動入賞口96等に入賞する確率を適宜変更することが可能となり、遊技に難易度を持たせることで、遊技者の興趣を高められる効果が期待できると共に、パチンコ機1を設置するホール側の負担を軽減させることができるようになっている。
また、役物91では、ワープ通路510の受取口511の左右外側に夫々誘導部515が配置され、第一可動片904が閉状態の時に、誘導部515の左右外側端部を結ぶ範囲内に、遊技球が流下すると、ワープ通路510に遊技球が導かれるようになっており、その範囲は、遊技領域37の幅の50%〜70%とされ、役物91の上方に打ち込まれた遊技球が、ワープ通路510を介して役物91の下方へ流出し易いようになっている。
このように、本例のパチンコ機1によれば、開閉入賞装置900に、第二可動片905が設けられており、退避状態では、開状態である第一可動片904よりも下方に位置し、第一可動片904の開閉動作に対して影響を及ぼさない状態となる。一方、突出状態では、開状態である第一可動片904の径方向延長上に位置することとなり、開状態である第一可動片904が大きくなった印象を与えることができる。つまり、第一可動片904を開状態にする際に、第二可動片905を突出状態とすることにより、開状態である第一可動片904が径方向に延出されたように見せることができる。すなわち、第一可動片904の長さが比較的短い場合であっても、第二可動片905の長さが加わることから、多量の遊技球Bを容易に入賞させ得るように認識させ、ひいては遊技意欲を高めることが可能になる。特に、誘導面918と傾斜面921とが連続した面として形成され、開状態における第一可動片904と突出状態における第二可動片905との一体感が増し、「傾斜面921によって第二可動片905から第一可動片904に遊技球Bを転動させることができる」という認識を遊技者に与え、遊技意欲を一層高めることが可能となる。
また、本例のパチンコ機1によれば、第一可動片904及び第二可動片905は、いずれも回動させることにより変位するため、互いに対応して可動していることを容易に認識させるとともに、第一可動片904の端面が円弧状に形成されているにも拘わらず、開状態における第一可動片904と突出状態における第二可動片905との隙間を最小限に抑えることができる。つまり、第一可動片904の形状にかかる設計の自由度が増し、装飾性の高い第一可動片904を形成することができる。また、隙間を最小限に抑えることにより、その隙間に遊技球Bが入り込んで第一可動片904または第二可動片905が動かなくなる事態を回避することができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、第一可動片904の第一軸心917部分が前面装飾部材935によって覆われるため、第一可動片904を可動させるための第一駆動手段906等を遮蔽することが可能になる。また、第二可動片905は、退避状態の際に、前面装飾部材935の後側に没入され、視認されなくなるため、第二可動片905を退避状態から突出状態に変位させると、視認不能な状態から突然出現することとなり、ひいては遊技者に驚きを与え、遊技に対する気分を高揚させることができる。また、前面装飾部材935には、長手方向に延出された前面延出部936が形成され、さらに、前面延出部936の上端から後方に向かって上面延出部937が形成されているため、退避状態における第二可動片905をすっぽりと没入させることができる。特に、上面延出部936は、退避状態における第二可動片905の傾斜面に連なることから、第二可動片905の傾斜面が装飾部材の一部として視認されるようになり、退避状態における第二可動片905の存在が一層目立たなくなる。さらに、第一可動片904の後方に背面装飾部材938が備えられているため、第一可動片904の後方の見栄えを高めるとともに、前面装飾部材938との協働によって立体的で大型の装飾体を構築することが可能になる。なお、背面装飾部材938の略中央には役物用入賞口901が設けられているため、装飾体の内部に遊技球が吸い込まれる感覚を遊技者に与え、演出効果をさらに高めることが可能である。また、役物用入賞口901の上方に障害蓋部939が設けられており、一対の第一可動片904が閉状態になると、一対の第一可動片904と障害蓋部939とによって役物用入賞口901が囲まれるため、閉状態である役物用入賞口901への入賞を確実に防止することができる。また、障害蓋部939は、第一可動片904の動作にかかわらず、常に固定状態で形成されているため、第一可動片904が開状態となっても、多量の遊技球Bが入賞しすぎることを抑制できる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、第一可動片904及び第二可動片905を、互いに独立して駆動させ得る構成を示したが、機械的に連結し連動させるように構成してもよい。ただし、上記実施形態のように夫々別々の駆動手段によって個別に可動させるように構成すれば、複数のパターンで第一可動片904の状態と第二可動片905の状態とを組み合わせることが可能になり、開閉入賞装置900における趣向性を大幅に高めることができる。
また、上記実施形態では、開閉入賞装置900を役物91の一部として組込むものを示したが、所謂第一種の遊技機において、抽選の契機となる始動口への入賞確率を遊技状態に基づいて変化させるために備えるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、突出状態における第二可動片905の傾斜面921と、開状態における第一可動片904の誘導面918とが、互いに連続する面となるように、第一可動片904及び第二可動片905の位置を設定したものを示したが、突出状態である第二可動片905の傾斜面921を、開状態である第一可動片904の誘導面918よりも上方(上段)に位置させるようにしてもよい。つまり、第二可動片905の傾斜面921に到達した遊技球Bが、第一可動片904の誘導面918側に誘導されるように見せることが可能な相対位置関係であれば、階段状に配置されていてもよい。
さらに、上記実施形態では、第一可動片904及び第二可動片905の動作を互いに同期させるように制御するものを示したが、いずれか一方の可動片を他方の可動片よりも遅らせて可動させるようにしてもよい。例えば、第一可動片904が閉状態から開状態に変位した後に、第二可動片905を退避状態から突出状態に変位させるようにしてもよく、あるいは第二可動片905が退避状態から突出状態に変位した後に、第一可動片904を閉状態から開状態に変位させるようにしてもよい。さらに、これらの遅延時間を遊技状態や抽選結果等に基づいて適宜変更させるようにしてもよい。これによれば、第一可動片904及び第二可動片905の動作が一層複雑になり、開閉入賞装置900の動作における興趣を一層高めることが可能になる。