以下、本発明の一実施形態である遊技機(以下、単に「パチンコ機」と称する。)を、各図を参照しつつ説明する。
[パチンコ機の全体構成]
図1を参照しつつ説明する。図1は、パチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1では、遊技領域37における装飾部材が省略されている。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4および遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の全面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉自在に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成]
図2および図4を参照しつつ説明する。図2は、パチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4は、パチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12および機構装着体13を合成樹脂等によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピンおよびヒンジ孔によって開閉回動自在に装着されている。即ち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピンおよびヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着版17が装着されている。そして、スピーカ装着盤にはスピーカ18が装着されている。
前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成]
図1および図2を参照しつつ説明する。前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。
前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が、それぞれ装着されている。
サイド装飾装置52は、ランプ駆動基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、この開口孔には、ランプ駆動基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている、音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58およびリフレクタ体(図示せず)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
また、上皿51の前面左側には、押しボタン35が設けられている。この押しボタン35は、遊技者自身が押下可能に構成されている。遊技者がこの押しボタン35を押下すると、後述する演出表示装置115における演出表示に、遊技者の意思を反映することができる。なお、この押しボタン35に代えて、レバーまたはスイッチであってもよい。また、遊技者の音声を受け付ける音声入力手段であってもよい。即ち、遊技者の意思を反映できるものであれば、遊技者が操作できる手段に限られない。
[施錠装置の構成]
図1および図4を参照しつつ説明する。前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。
即ち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱自在に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱自在に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11および下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠および遊技盤の構成]
図1、図3、図4および図5を参照しつつ説明する。図3は、遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5は、パチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1および図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。
遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図11参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。
なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され、下皿31に案内されるように構成されている。
また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(参照符号なし)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車90が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
センター役物91は全体として額縁状の装飾体から構成されており、その上縁部にはキャラクタの頭部をデザインした、キャラクタ体92が一体的に取り付けられている。なお、このキャラクタ体92は、旋回可能な可動役物として機能している。
また、センター役物91の上縁部または左右側縁部には、図示しないワープ入口とともにワープ通路が形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊技球がワープ入口に入り込むと、ワープ通路を通じてセンター役物91の内側に取り込まれるようになっている。
センター役物91の内側には、その下縁部に球受け棚94(ステージとも称する)が形成されており、この球受け棚94は前後方向に一定の奥行きを有している。ワープ通路を通って取り込まれた遊技球はセンター役物91の内側へ放出され、球受け棚94に誘導される。球受け棚94はその上面にて遊技球を転動させ、その動きにいろいろな変化を与えて遊技に面白みを付加する。
また、球受け棚94の後方側には上始動口82が配置されており、センター役物91の下縁部には、その中央位置に球誘導路95が形成されている。この球誘導路95への入口(図示せず)は球受け棚94の上面に形成されている。球受け棚94の上面にて転動した遊技球は、上始動口82および球誘導路95のうちいずれかに振り分けられる。球誘導路95の入口に落下した遊技球は、そのまま球誘導路95を通って下方に案内される。
一方、球誘導路95の出口は正面に向けて開口しており、この出口から放出された遊技球は、ほぼ真下に向かって落下する。遊技領域37には、球誘導路95の直ぐ下方位置に中始動口81が配置されており、さらにその下方位置には下始動口83が配置されている。
遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が、上始動口82、中始動口81および下始動口83のうちいずれかにに遊技球が入球すると始動入賞となる。具体的には、中始動口81に遊技球が入球すると後述する第1特別図柄抽選手段400による特別図柄抽選が行われ、上始動口82および下始動口83のうちいずれかに遊技球が入球すると後述する第2特別図柄抽選手段402による特別図柄抽選が行われる。なお、球誘導路95から放出された遊技球は、上始動口82または下始動口83に遊技球が始動入賞することよりも相当高い確率で中始動口81に始動入賞することができるものとなっている。
なお、下始動口83は左右一対の可動片84を有しており、これら可動片84を左右に拡開させて入球確率を高くすることが可能となっている。
また、遊技領域37には、上記の下始動口83のさらに下方位置にアタッカ装置98が配設されており、このアタッカ装置(特別電動役物)98は開閉部材99を前後方向に開閉動作させることにより大入賞口を開閉させる。
また、センター役物91の下縁部の左側には、第1特別図柄表示器100(詳細は後述する)として機能する二つのLEDと、第1特別図柄抽選手段400による抽選の留保状態を示す第1特別図柄留保表示器(第1留保球ランプ)104として機能する二つのLEDとが設けられている。
さらに、センター役物91の下縁部の右側には、第2特別図柄表示器102(詳細は後述する)として機能する二つのLEDと、第2特別図柄抽選手段402による抽選の留保状態を示す第2特別図柄留保表示器(第2留保球ランプ)106として機能する二つのLEDとが設けられている。
第1特別図柄表示器100および第2特別図柄留保表示器102は、大当たり抽選結果(即ち特別図柄抽選における抽選結果)を、各LEDの点灯等の態様によって表示可能に構成されている。
第1特別図柄留保表示器104および第2特別図柄留保表示器106は、それぞれ、留保回数分(最大4回分)に相当する回数を、各LEDの点灯等の態様によって表示可能に構成されている。
なお、この実施形態における「第1特別図柄表示器100」および「第2特別図柄表示器102」は、それぞれ、本発明の「第1の遊技態様表示手段」および「第2の遊技態様表示手段」に相当する。また、この実施形態における「第1特別図柄留保表示器104」および「第2特別図柄留保表示器106」は、それぞれ、本発明の「第1の遊技情報表示手段」および「第2の遊技情報表示手段」に相当する。
また、センター役物91の左右両側には、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が通過可能な通過口113が、一つずつ配置されている。この通過口113を遊技球が通過したとき、普通図柄抽選手段404によって普通図柄の抽選が行われる。
さらに、センター役物91の下方には、通過口113への遊技球の通過による抽選結果(普通図柄抽選手段410による抽選結果)を表示する普通図柄表示器112aおよび普通図柄抽選手段410による抽選の留保状態を示す普通図柄留保表示器112bが設けられている。
その他、遊技領域37には一般入賞口114等が配設されている。また、センター役物91の内側には演出表示装置115が配設されており、この演出表示装置115では、遊技の進行に応じて、例えば動画や映像等の画像或いは可動部材の動作等の所定の演出表示が行われる。また、複数の図柄列から構成される一つの図柄群が表示されており、これらの図柄列に示された図柄の組み合わせによって、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果および第2特別図柄抽選手段402による抽選結果が表示される。
なお、一つ図柄群に代えて、例えば一つの図柄列から構成される一つの図柄によって、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果および第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を表示するようにしても良い。
演出表示装置115の表示面はセンター役物91(図3参照)の後側においてその開口窓38(図2参照)に臨んで装着されており、センター役物91(図3参照)の後部および演出表示装置115の表示装置制御基板116(図10参照)を有する表示装置制御基板ボックス117は遊技盤5の後側に突出して配設されている。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。
ボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。
さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンクおよびタンクレールの構成]
図8および図9を参照しつつ説明する。図8は、パチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は、本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134および払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。
球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。
また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。即ち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左側)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に伸びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示せず)とを一体に備えて形成されている。
レール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。
また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。
また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。換言すれば、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部および球払出装置の構成]
図8および図9を参照しつつ説明する。本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。
また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。
また、本体枠3の後端、即ち、払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150および球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関す各種部品が装着されることでユニット化されている。
なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌め込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について]
図4および図5を参照しつつ説明する。本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを差動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。
前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。
払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成]
図5および図6を参照しつつ説明する。図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図11参照)および主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。
機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他端壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の後壁部の上下および中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌め込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。
また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
即ち、後カバー体210は、その上下および中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌め込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図11参照)全体および主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230,231,232,233が貫設されており、これら多数の放熱孔230,231,232,233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさおよび配設位置に対応する大きさおよび位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成]
図2および図7を参照しつつ説明する。図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後カバー体210および各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球および貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インターフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インターフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される貸球機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[特別図柄表示器および特別図柄留保表示器の構成]
図3を参照しつつ説明する。本実施形態では、センター役物91の下縁部のうち、左側に六つのLEDが配列されており、このうち二つのLEDが第1特別図柄表示器100として機能し、残りの四つのうち二つのLEDが第1特別図柄留保表示器104として機能している。また、その右側にある六つのLEDは、このうち二つのLEDが第2特別図柄表示器102として機能し、残りの四つのうち二つのLEDが第2特別図柄留保表示器106として機能している。
本実施形態において、第1特別図柄表示器100および第2特別図柄表示器102の機能は各LEDの点灯・消灯・点滅によって実現することができる。例えば、始動入賞を契機として第1特別図柄表示器100および第2特別図柄表示器102を構成する各々二つのLEDをいろいろなパターンで点滅させることにより、第1特別図柄および第2特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、各々二つのLEDの点灯・消灯表示パターンによって特別図柄の確定した停止図柄を表示する。これにより、抽選が行われると、その結果情報が、各LEDの点灯・消灯によって報知される。なお、第1特別図柄表示器100および第2特別図柄表示器102を構成する各LEDの点灯・消灯による特別図柄の変動表示および停止表示の制御は、主制御基板131により行われる。
具体的には、個々のLEDは2色(例えば赤色および緑色)の発光タイプであり、各LEDは「消灯」、「赤色点灯」および「緑色点灯」の3通りに表示パターンを切り替えることができる。従って、二つのLEDを配列した場合の点灯・消灯表示パターンは、全部で9通りのものを用意することができる。
なお、ここでは説明の便宜のために各LEDの点灯色を2色としているが、1以上であってもよく、3色以上であっても良い。また、各特別図柄表示器100,102と各特別図柄留保表示器104,106とは1箇所にまとまって配置されている必要はなく、ばらばらに配置されていても良いし、特に盤面上に配置されている必要もない。あるいは特別図柄を三つ以上のLEDによって表示してもよいし、7セグメントLEDを用いて表示してもよい。
一方で、本実施形態のパチンコ機1では、遊技者に利益が付与される態様として2つの大当たり態様が用意されており、これらは「通常(非確変)大当たり」および「確変大当たり」に区別される。
「通常(非確変)大当たり」は、例えば最大30秒間にわたってアタッカ装置98を一定パターンで開閉させるラウンド動作を15ラウンドまで繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当たり遊技」と称されている。
遊技者は、大当たり遊技の間に遊技球を大入賞口に入賞させることで、多くの賞球を獲得することができる。なお、各ラウンド動作は30秒間が経過するか、9個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。また大当たり遊技は、ラウンド動作が15回終わると終了となる。
「確変大当たり」は、「通常(非確変)大当たり」と同様の大当たり遊技を可能とするものであるが、大当たり遊技の終了後、次回大当たりの抽選確率を通常時よりも高く設定(例えば、通常の大当たり確率が320分の1のところ、5倍の64分の1に変更)する特典が付加される。このため遊技者が確変大当たりを引き当てると、次の大当たり確率が高くなって大当たりを連続的に引き当てる(いわゆる連荘)ことが可能となる。
なお、上記「通常(非確変)大当たり」および「確変大当たり」でいう具体的な数値は、本発明の実施において最良のものである。その上で、これら数値については各種の変更が可能であり、最良の数値によって限定されることはない。
上記の「確変大当たり」によって確率変動状態(高確率状態)になると、毎回の始動入賞を契機として確率変動状態の維持抽選(転落抽選)が行われるものとしてもよい。維持抽選は一定確率で行われ、この維持抽選で落選すると、内部的に高確率状態から低確率状態(通常確率)へ引き戻される処理が行われる。
また、本実施形態のパチンコ機1では、大当たり遊技終了後、所謂「時短遊技状態」が発生する。「時短遊技状態」とは、普通図柄抽選手段410による抽選が遊技者に有利な抽選が行われ、その結果、可動片84が頻繁に開閉動作される遊技状態である。可動片84が開閉動作すると、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が下始動口83に入賞し易くなり、第2特別図柄抽選手段402による抽選が頻繁に行われる。また、遊技球が下始動口83に入賞しやすくなるので、所定数の遊技球が球払出装置170によって遊技者に払い出されやすくなる。
なお、「遊技者に有利な抽選」とは、当選確率は同じであるが抽選時間が短くなる態様、抽選時間は同じであるが当選確率が高くなる態様および当選確率が高くなり且つ抽選時間が短くなる態様のうちいずれの態様であっても良い。
[主基板の機能的構成]
図12および図13を参照しつつ説明する。図12は制御構成を概略的に示すブロック図である。パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当たり判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示装置等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315および読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。
CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。
RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
主制御基板131には、パネル中継端子板120を介して、通過センサ317、中始動口センサ320、上始動口センサ322、下始動口センサ324からの検出信号等が入力される。また、パネル中継端子板120および大入賞口中継端子板124を介して、大入賞口カウントセンサ319からの検出信号等が入力される。
一方、主制御基板131は、パネル中継端子板120および大入賞口中継端子板124または始動口中継端子板126を介して、大入賞口ソレノイド331および下始動口ソレノイド85への駆動信号等を出力する。さらに、パネル中継端子板120および図柄制限抵抗基板122を介して、第1特別図柄表示器100、第2特別図柄表示器102、第1特別図柄留保表示器104、第2特別図柄留保表示器106、普通図柄表示器112aおよび普通図柄留保表示器112bへの駆動信号等を出力する。
また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。
そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インターフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、周辺制御基板336と波形制御基板339とが含まれている。主制御基板131と周辺制御基板336との間では、それぞれの入出力インターフェースと入力インターフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131から周辺制御基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
周辺制御基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。
周辺制御基板336には、主として演出表示装置115およびランプ駆動基板338が接続されている。周辺制御基板336からランプ駆動基板338に対してランプ等の点灯信号が送信されると、これを受けてランプ駆動基板338が各ランプを点灯させる処理を行なう。また、周辺制御基板336は、演出表示装置115における演出処理を行なう。
また、図示していないが、これ以外にも、例えばキャラクタ体等の可動体を駆動させるためのモータまたはソレノイド等の駆動部材が周辺制御基板336に接続されている。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成・送受信する処理を実行している。例えば、周辺制御基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行なう。
この他にも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、波形制御基板339にも、中央演算装置としてのCPU359、読み出し専用メモリとしてのROM372および読み書き可能メモリとしてのRAM375を備えている。
図13は、主基板310における主制御基板131の機能的な構成を示すブロック図である。図13に示すように、主制御基板131は、中始動検出手段401と、第1特別図柄抽選手段400と、第1特別図柄表示制御手段424と、第1留保手段428と、第1特別図柄留保数表示制御手段434と、上下始動検出手段403と、第2特別図柄抽選手段402と、第2特別図柄表示制御手段426と、第2留保手段430と、第2特別図柄留保数表示制御手段436と、特別遊技状態発生手段433と、大入賞口開閉実行手段434と、通過検出手段411と、普通図柄抽選手段410と、下始動口開閉実行手段422と、普通図柄留保手段414と、普通図柄表示制御手段420と、普通図柄留保数表示制御手段418と、普通図柄留保数記憶手段416と、コマンド送信手段440とを有している。
中始動検出手段401は、中始動口センサ320によって遊技球が検出されたか否かを判断している。第1特別図柄抽選手段400は、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が中始動口81に受け入れられて中始動口センサ320に検出されたと中始動検出手段401によって判断されたことに応じて大当たり抽選を行なう。
具体的には、中始動検出手段401によって遊技球が中始動口81に入賞したことを検出すると、第1特別図柄抽選手段400は、乱数発生手段404から乱数を取得する。この取得した乱数値は、第1留保手段428に留保されている留保数が、留保可能な第1所定数(例えば4個)未満であれば第1留保手段428に留保され、第1所定数に達していれば破棄される。なお、第1留保手段428による留保数が第1所定数未満である限り、中始動検出手段401によって遊技球が中始動口81に入賞したことを検出する毎に、留保数が加算される。ここで、第1留保手段428によって乱数値が留保されるとは、即ち、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果を第1特別図柄表示制御手段424によって第1特別図柄表示器100に導出することが第1留保手段428によって留保されることと同意である。そして、第1留保手段428に留保されていることによって第1特別図柄表示器100において特別図柄の変動が開始されるとき、ROM315に記憶された大当たり判定テーブルを参照して大当たり判定を行なう。なお、これにより、留保数が減算される。この判定結果が、抽選結果として第1特別図柄表示制御手段424によって第1特別図柄表示器100に導出される。
第1特別図柄表示制御手段424は、第1特別図柄表示器100において所定の態様で表示を行い(この演出を変動とも称する)、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果を導出する。ここで、「所定の態様」とは、二つのLEDを交互に点滅させたりするような態様であり、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果が導出されていないことが明らかに把握できる態様である。
第1留保手段428は、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果を第1特別図柄表示制御手段406によって第1特別図柄表示器100に導出することを第1所定数(例えば4個)の範囲内で留保する。
第1特別図柄留保数表示制御手段434は、第1留保手段428によって留保された留保数情報を第1特別図柄留保表示器104に表示する。この実施形態では、留保数がゼロであれば二つのLEDをいずれも消灯し、留保数が1であれば一つのLEDを赤色点灯且つ他のLEDを消灯し、留保数が2であれば二つのLEDをいずれも赤色点灯する。さらに、留保数が3であれば一つのLEDを緑色点灯且つ他のLEDを赤色点灯し、留保数が4であれば二つのLED全てを緑色点灯する。ここで「留保数情報」とは、第1特別図柄留保表示器104によって留保数を把握できる情報であれば良い。
上下始動検出手段403は、上始動口センサ322または下始動口センサ324によって遊技球が検出されたか否かを判断している。第2特別図柄抽選手段402は、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が上始動口82または下始動口83に受け入れられて上始動口センサ322または下始動口センサ324に検出されたと上下始動検出手段403によって判断されたことに応じて大当たり抽選を行なう。
具体的には、上下始動検出手段403によって遊技球が上始動口82または下始動口83に入賞したことを検出すると、第2特別図柄抽選手段402は、乱数発生手段404から乱数を取得する。この取得した乱数値は、第2留保手段430に留保されている留保数が、留保可能な第2所定数(例えば4個)未満であれば第2留保手段430に留保され、第2所定数に達していれば破棄される。なお、第2留保手段430による留保数が第2所定数未満である限り、上下始動検出手段403によって遊技球が上始動口82または下始動口83に入賞したことを検出する毎に、留保数が加算される。ここで、第2留保手段430によって乱数値が留保されるとは、即ち、第2の特別図柄抽選手段402による抽選結果を第2特別図柄表示制御手段426によって第2特別図柄表示器102に導出することが第2留保手段430によって留保されることと同意である。そして、第2留保手段430に留保されていることによって第2特別図柄表示器102において特別図柄の変動が開始されるとき、ROM315に記憶された大当たり判定テーブルを参照して大当たり判定を行なう。なお、これにより、留保数が減算される。この判定結果が、抽選結果として第2特別図柄表示制御手段426によって第2特別図柄表示器102に導出される。
第2特別図柄留保数表示制御手段436は、第2特別図柄表示器102において所定の態様で表示を行い、第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を導出する。ここで、「所定の態様」とは、第1特別図柄留保表示器104における所定の態様と同様に、第2特別図柄抽選手段402による抽選結果が導出されていないことが明らかに把握できる態様であれば良い。
第2留保手段430は、第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を第2特別図柄表示制御手段426によって第2特別図柄表示器102に導出することを第2所定数(例えば4個)の範囲内で留保する。
第2特別図柄留保数表示制御手段436は第2留保手段430によって留保された留保数情報を第2特別図柄留保表示器106に表示する。この実施形態では、第1特別図柄留保数表示制御手段434と同様に、二つのLEDの赤色点灯、緑色点灯および消灯によって第2留保手段430における留保数情報を表示する。
なお、中始動口81、上始動口82および下始動口83に遊技球が入賞した順序、即ち、第1留保手段428および第2留保手段430によって留保された順序は、保留履歴記憶手段432によって記憶される。
第1特別図柄表示器100および第2特別図柄表示器102は、中始動口81、上始動口82および下始動口83に遊技球が入賞した順序、即ち、保留履歴記憶手段432に記憶されている順序に基づいて、順番に第1の特別図柄抽選手段400または第2の特別図柄抽選手段402による抽選結果を導出する(第1特別図柄表示器100と第2特別図柄表示器102とが同時に抽選結果を導出することはない)。
なお、第1特別図柄留保表示器104および第2特別図柄留保表示器106に表示される留保数情報は、赤色や緑色に点灯したり消灯したりする態様のみでなく、第1特別図柄留保表示器104によって表示された留保数および第2特別図柄留保表示器106によって表示された留保数を把握可能であれば、その態様は限定されるものではない。
特別遊技状態発生手段433は、第1特別図柄抽選手段400による抽選または第2特別図柄抽選手段402による抽選に当選したことに応じて遊技者に所定の利益が付与可能となる特別遊技状態を発生させる。ここで、「所定の利益」とは、遊技に供することができる遊技球等のような遊技価値が相当する。
この実施形態において、特別遊技状態が発生すると、大入賞口開閉実行手段434によって大入賞口ソレノイド331が作動する。これにより、開閉部材99が開閉動作する。開閉部材99の開閉動作は、所定時間(例えば30秒)経過したことおよび所定数(例えば9個)の遊技球が大入賞口カウントセンサ319によって検出されたことのいずれかの条件を満たしたときに開状態から閉状態となる動作を、例えば15ラウンドに亘って行なわれる。この開閉部材99が開放したタイミングで遊技球が大入賞口に受け入れられると(入賞すると)、払出制御基板197から球払出装置170に向けて遊技球の払出指令が出力され、所定個数の遊技球が払い出される。このようにして、遊技者に所定の利益が付与される。
なお、第1特別図柄抽選手段400および第2特別図柄抽選手段402による抽選は、中始動検出手段401または上下始動検出手段403によって始動検出されたとき、先ず、乱数発生手段404から乱数を取得する。そして、第1留保手段428または第2留保手段430によって留保されたときは、第1特別図柄表示制御手段424または第2特別図柄表示制御手段426によって第1特別図柄表示器100または第2特別図柄表示器102に抽選結果の導出を行なうための演出を開始する際に、取得した乱数値の大当たり判定(抽選)を行なう。即ち、中始動口81、上始動口82または下始動口83に遊技球が入賞したときに乱数を取得し、特別図柄の変動を開始するときに大当たり判定を行なう。ただし、中始動口81、上始動口82または下始動口83に遊技球が入賞したときに乱数を取得すると同時に大当たり判定を行っても良い。
通過検出手段411は、通過センサ317によって遊技球が検出されたか否かを判断している。普通図柄抽選手段410は、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が通過口113を通過して通過センサ317に検出されたと通過検出手段411によって判断されたことに応じて普通図柄抽選を行なう。かかる抽選は、乱数発生手段412から乱数を取得し、取得した乱数値が当たりか否かによって行われる。
普通図柄抽選手段410による抽選結果は、普通図柄表示制御手段420によって所定の演出を行ったのち、普通図柄表示器112aに導出される。なお、普通図柄表示制御手段420による抽選結果は、普通図柄表示器112aにおいて所定の変動が行なわれているときに遊技球が通過センサ317を通過したとき、普通図柄抽選手段410による抽選結果が普通図柄表示器112aに導出されることが、所定数の範囲(例えば4個)内で留保される。そして、この留保数は普通図柄留保数記憶手段416によって記憶され、普通図柄留保数表示制御手段418によって普通図柄留保表示器112bに表示される。
下始動口開閉実行手段422は、普通図柄抽選手段410による抽選結果が当たりであるとき、下始動口ソレノイド85を作動させて、所定時間に亘って可動片84を開放する。これにより、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が、下始動口83に入賞し易くなる。
なお、本実施形態において、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は、可動片84が閉鎖しているときは入賞することがほぼ不可能に構成されている。また、上始動口82への入賞は中始動口81への入賞よりも困難である。従って、可動片84が閉鎖しているとき、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は、中始動口81、上始動口82および下始動口83のうち、中始動口81への入賞可能性が最も高くなる。一方、可動片84が開放しているときは、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が下始動口83に入賞する可能性は、中始動口81に入賞する可能性よりも高くなる。
コマンド送信手段440は、中始動口81、上始動口82および下始動口83のいずれかに入賞したタイミングで「中始動口81に入賞したこと」または「上下始動口82,83に入賞したこと」を特定するためのコマンドが設定され、周辺制御基板336に送信される。このとき、「中始動口81に入賞したこと」を特定するためのコマンド送信に伴って、第1留保手段428における留保数を特定するためのコマンド送信も行なう。これと同様に、「上下始動口82,83に入賞したこと」を特定するためのコマンド送信に伴って、第2留保手段430における留保数を特定するためのコマンド送信も行なう。
さらに、コマンド送信手段440は、第1特別図柄抽選手段400または第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を導出するための変動を開始するとき、第1の特別図柄抽選手段400および第2の特別図柄抽選手段402のうちいずれの変動であるかを特定する変動開始のコマンドを周辺制御基板336に送信する。このとき、周辺制御基板336に送信されるコマンド(即ち、変動後に導出される抽選結果)が第1特別図柄抽選手段400による抽選結果(即ち、第1留保手段428によって留保されていた抽選結果)であれば、変動開始のコマンド送信に伴って第1留保手段428における留保数を特定するためのコマンド送信も併せて行なう。これと同様に、周辺制御基板336に送信されるコマンドが第2特別図柄抽選手段402による抽選結果(即ち、第2留保手段430によって留保されていた抽選結果)であれば、変動開始のコマンド送信に伴って第2留保手段430における留保数を特定するためのコマンド送信も併せて行なう。このようにして周辺制御基板336に変動開始のコマンドを送信したのち、変動を停止させて抽選結果を導出するための確定コマンドを周辺制御基板336に送信する。
[演出表示装置の表示領域]
図14および図15を参照しつつ説明する。図14および図15は、いずれも、演出表示装置115を正面から見た図である。図14に示されるように、演出表示装置115には、第1の抽選結果表示領域115aと、第2の抽選結果表示領域115bと、図柄表示領域115cと、留保表示領域1150とを有している。
第1の抽選結果表示領域115aは、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果、より具体的には、第1特別図柄表示器100に表示される第1特別図柄抽選手段400による抽選結果に対応する結果が表示される領域である。
第2の抽選結果表示領域115bは、第2特別図柄抽選手段402による抽選結果、より具体的には、第2特別図柄表示器102に表示される第2特別図柄抽選手段402による抽選結果に対応する結果が表示される領域である。
なお、第1の抽選結果表示領域115aおよび第2の抽選結果表示領域115bは、演出表示装置115の左下領域に配置されている。また、それぞれ、複数色を表示可能な表示部を有しており、所定の演出を行なったのちに表示された表示パターンによって、第1特別図柄抽選手段400および第2特別図柄抽選手段402による抽選結果が導出される。ただし、第1の抽選結果表示領域115aおよび第2の抽選結果表示領域115bにおいて同時に抽選結果が導出されることはなく、各始動口81,82,83に遊技球が入賞した順序に基づいて導出される。
図柄表示領域115cは、第1特別図柄抽選手段400および第2特別図柄抽選手段402のうちいずれかの抽選結果を導出する領域である。図柄表示領域115cには複数(例えば三つ)の図柄列から構成された一つの図柄群が表示されており、この一つの図柄群の変動演出が行なわれたのち、停止した図柄の組み合わせによって抽選結果が導出される。この図柄表示領域115cは、演出表示装置115における全表示領域のうち少なくとも3分の2以上の領域を占めている。また、第1の抽選結果表示領域115a、第2の抽選結果表示領域115bおよび留保表示領域1150と明確に区画されている。これにより、遊技者は、第1特別図柄抽選手段400または第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を、この図柄表示領域115cにおいて表示される一つの図柄群の組み合わせによって把握する。
この図柄表示領域115cに導出される抽選結果は、各始動口81,82,83に遊技球が入賞した順序で導出される。即ち、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果と第2特別図柄抽選手段402による抽選結果とを同時に導出することはないため、一つの図柄群は、第1特別図柄抽選手段400および第2特別図柄抽選手段402における抽選結果を導出する共通図柄として機能する。これにより、第1特別図柄抽選手段400および第2特別図柄抽選手段402の両方によって抽選が行われていながらも、遊技者から見れば非常に明瞭な構成となり、興趣の低下を抑制することができる。
なお、図柄表示領域115cに表示される一つの図柄群は、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果を導出する演出と、第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を導出演出とを、異なる態様で演出を実行している。
具体的には、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果を図柄表示領域115cに導出する場合には、複数の変動演出パターンの中からいずれか一つの変動演出パターンが選択されて実行される。この選択された変動演出パターンに基づいて変動演出が行なわれる。
なお、選択された変動演出パターンが所謂「リーチ」とならない外れ変動である場合には、第1留保手段428における留保数に応じて変動演出パターンが設定される。例えば、第1留保手段428における留保数が3以上の場合であれば比較的変動時間が長い外れ変動演出が行なわれ、第1留保手段428における留保数が2以下であれば、第1留保手段428における留保数が3以上の場合よりも変動時間が短い外れ変動演出が行なわれる。ここで「外れ変動」とは、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果が外れであって且つリーチ演出も行なわれない変動である。
一方、第2の特別図柄抽選手段402による抽選結果を図柄表示領域115cに導出する場合には、予め定められた特定の変動演出パターンに基づいて変動演出が行なわれる。本実施形態では、この特定の変動演出パターンは所謂「リーチ変動」である。ただし、普通図柄抽選手段410による抽選が遊技者に有利な抽選が行なわれる所謂「時短遊技状態」が発生している場合には、「リーチ変動」とは異なる他の変動演出が行なわれる。
このように、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果を図柄表示領域115cに導出する場合と、第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を図柄表示領域115cに導出する場合とでは、遊技者が図柄表示領域115cに惹かれる興味の度合いが異なることとなる。即ち、第2特別図柄抽選手段402による抽選結果が図柄表示領域115cに導出される場合には所謂「リーチ演出」が行なわれる。従って、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果を図柄表示領域115cに導出する場合と第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を図柄表示領域115cに導出する場合とで一つの図柄群の変動態様が異なるので、単調な遊技を回避でき、興趣の低下を抑制できる。
留保表示領域1150は、演出表示装置115の右下領域に配置されており、第1の留保表示領域1151と第2の留保表示領域1152とを有している。また、第1の留保表示領域1151および第2の留保表示領域1152は互いに隣接している。
第1の留保表示領域1151は、左右方向に一列に配列された第1の留保記憶表示部1151a〜第4の留保記憶表示部1151dの4つの留保記憶表示部を有している。第2の留保表示領域1152は、左右方向に一列に配列された第5の留保記憶表示部1152a〜第8の留保記憶表示部1152dの4つの留保記憶表示部を有している。即ち、第1の留保表示領域1151の留保記憶表示部および第2の留保表示領域1152の留保記憶表示部の和と第1留保手段428による留保の上限値(第1所定数)および第2留保手段430による留保の上限値(第2所定数)の和とが同数である。さらに具体的に言えば、第1の留保表示領域1151の留保記憶表示部の数と第1所定数とが同じであり、且つ第2の留保表示領域1152の留保表示部の数と第2所定数とが同じである。
また、第1の留保記憶表示部1151a、第2の留保記憶表示部1151b、第3の留保記憶表示部1151c、第4の留保記憶表示部1151d、第5の留保記憶表示部1152a、第6の留保記憶表示部1152b、第7の留保記憶表示部1152cおよび第8の留保記憶表示部1152dは、この順で左右方向に規則的に並んでおり、図柄表示領域115cへの導出は、このように並んだ順序で導出される。これにより、図柄表示領域115cに導出される順序を明確に把握することができる。
第1の留保表示領域1151の各留保記憶表示部1151a〜1151dは、第1留保手段428によって留保されていることを示す第1の表示態様、第2留保手段430によって留保されていることを示す第2の表示態様、第1留保手段428によって留保可能であることを示す第3の表示態様のうちいずれかの表示態様で表示される。
第2の留保表示領域1152の各留保記憶表示部1152a〜1152dは、第1の表示態様、第2の表示態様および第3の表示態様のいずれかの表示態様で表示可能であると共に、第1留保手段428および第2留保手段430にかかる留保関連情報が非表示とされる場合もある。
各表示態様について説明すると、図14において、第2の留保記憶表示部1151bおよび第4の留保記憶表示部1151dの表示態様が第1の表示態様である。第1の留保記憶表示部1151a、第3の留保記憶表示部1151c、第5の留保記憶表示部1152aおよび第6の留保記憶表示部1152bの表示態様が第2の表示態様である。第7の留保記憶表示部1152cおよび第8の留保記憶表示部1152dの表示態様が第3の表示態様である。
本実施形態では、第1の表示態様は赤色が表示され、第1留保手段428によって留保されていることを意味している。第2の表示態様はキャラクタが表示され、第2留保手段430によって留保されていることを意味している。第1の表示態様は枠(枠内は青色)が表示され、第1留保手段428によって留保可能であることを意味している。このように、第1留保手段428による留保と第2留保手段430による留保とで、表示態様が異なっている。
図15は、第1の留保記憶表示部1151a〜第4の留保記憶表示部1151dの全てが第3の表示態様で表示されている。また、第5の留保記憶表示部1152a〜第8の留保記憶表示部1152dは、全て非表示とされている。
なお、非表示とは、第1の表示態様、第2の表示態様および第3の表示態様のいずれも表示されないことを意味する。即ち、第1留保手段428および第2留保手段430の留保関連情報が表示されない。
[周辺基板の機能的構成]
図16は、周辺基板311における周辺制御基板336の機能的な構成を示すブロック図である。図14に示すように、周辺制御基板336は、主制御基板131から送信されたコマンドを受信するコマンド受信手段500と、第1特別図柄抽選結果表示制御手段502と、第2特別図柄抽選結果表示制御手段504と、図柄表示制御手段506と、併合留保表示制御手段510と、併合留保順記憶手段516と、第1留保数記憶手段518と、第2留保数記憶手段520とを有している。
併合留保表示制御手段510は、さらに、留保可能情報表示制御手段5101、第1留保情報表示制御手段5102、第2留保情報表示制御手段5103、識別符号表示制御手段5104および併合留保順表示制御手段5105を含んでいる。
第1特別図柄抽選結果表示制御手段502は、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果を第1の抽選結果表示領域115aにおいて所定の演出を行なったのちに導出表示する。
第2特別図柄抽選結果表示制御手段504は、第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を第2の抽選結果表示領域115bにおいて所定の演出を行なったのちに導出表示する。
図柄表示制御手段506は、コマンド受信手段500が主制御基板131から「中始動口81に入賞したこと」および「上下始動口82,83に入賞したこと」を特定するためのコマンドを受信した順番に基づいて、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果および第2特別図柄抽選手段402による抽選結果のうちいずれかの抽選結果を導出表示する。
併合留保順表示制御手段508は、図柄表示領域115cにおいて導出される第1特別図柄抽選手段400または第2特別図柄抽選手段402による抽選結果の導出順序、第1留保手段428によって留保されている留保数情報および第2留保手段430によって留保されている留保数情報を、留保表示領域1150において認識可能に表示制御する。
併合留保表示制御手段510は、第1留保手段428および第2留保手段430にかかる留保関連情報を、留保表示領域1150において認識可能に表示制御する。
ここで、「留保関連情報」とは、例えば、第1留保手段428または第2留保手段430によって留保されている数を示す留保数情報、第1留保手段428または第2留保手段430によって留保可能であることを示す留保可能情報並びに第1留保手段428による留保に基づく抽選結果(即ち、第1の特別図柄抽選手段400による抽選結果)および第2留保手段による留保に基づく抽選結果(即ち、第2の特別図柄抽選手段402による抽選結果)が図柄表示領域115cに導出される順序を示す留保導出順序等が相当する。
また、留保可能情報表示制御手段5101は、留保関連情報の一つである留保可能情報について、第1留保手段428および第2留保手段430のそれぞれが、予め定められた第1所定数(例えば4個)および第2所定数(例えば4個)の上限まで留保可能であるにも拘わらず、第1留保手段428による留保が第1所定数まで留保可能であることのみを、留保表示領域1150に表示する。
第1留保情報表示制御手段5102および第2留保情報表示制御手段5103は、それぞれ、いずれも留保関連情報の一つである第1留保手段428にかかる留保数情報および第2留保手段430にかかる留保数情報を、留保表示領域1150に表示する。
識別符号表示制御手段5104は、第1留保情報表示制御手段5102および第2留保情報表示制御手段5103によって表示される第1留保手段428にかかる留保数情報および第2留保手段430にかかる留保数情報に、所定の識別符号を付して表示する。
併合留保順表示制御手段5105は、第1留保手段428による留保数および第2留保手段430による留保数のいずれもが1以上であるときに、図柄表示領域115cに導出される導出順序を認識可能に表示する。
併合留保順記憶手段516は、図柄表示領域115cに導出される第1特別図柄抽選手段400または第2特別図柄抽選手段402による抽選結果の導出順序を記憶する。具体的には、コマンド受信手段500が各始動口81,82,83に入賞したことを特定するための情報を主制御基板131から受信した順番に基づいて記憶する。
第1留保数記憶手段518は、コマンド受信手段500が「中始動口81に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板131から受信し且つ未だ図柄表示領域115cに抽選結果の導出表示が行われていない個数を記憶する。なお、この個数は、第1留保手段428における留保数に対応する。
第2留保数記憶手段520は、コマンド受信手段500が「上下始動口82,83に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板131から受信し且つ未だ図柄表示領域115cに抽選結果の導出表示が行われていない個数を記憶する。なお、この個数は、第2留保手段430おける留保数に対応する。
[留保表示領域における演出]
次に、本実施形態における演出表示装置115の留保表示領域1150において行なわれる具体的な演出について、図17〜図22を参照しつつ説明する。図17〜図22は、いずれも、留保表示領域1150における演出を示す図である。
図17(a)は、第1留保手段428によって留保されている留保数および第2留保手段430によって留保されている留保数のいずれもがゼロのときの留保表示領域1150の表示態様を示す図である。このとき、留保可能情報表示制御手段5101によって第1留保手段428により留保可能な上限値が認識可能に表示される。具体的には、第1の留保表示領域1151の第1の留保記憶表示部1151a〜第4の留保記憶表示部1151dの全てが第3の表示態様で表示される。本実施形態においては、第3の表示態様で表示されている留保記憶表示部の数が、第1留保手段428によって留保可能な留保数に相当する。一方、第2の留保表示領域1152の第5の留保記憶表示部1152a〜第8の留保記憶表示部1152dは、全て非表示となっている(図中の二点鎖線は非表示であることを意味する。以下、同じ)。
なお、第1の留保記憶表示部1151a〜第8の留保記憶表示部1152dには、それぞれ、識別符号表示制御手段5104によって、例えば「1」〜「8」の数字による識別符号が付されており、第1の表示態様、第2の表示態様および第3の表示態様のうちいずれかの表示態様で表示されていれば、この識別符号を認識できる(図中の第3の表示態様の場合に識別符号が認識できていないが、キャラクタ表示と識別符号とを交互に表示しているため認識可能となっている)。非表示である場合には、この識別符号も認識できない。
図17(b)において、中始動口81に遊技球が入賞して第1留保手段428によって留保されると(具体的には、コマンド受信手段500が「中始動口81に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板131から受信すると)、第1の表示態様の最も端の位置である第1の留保記憶表示部1151aが、第1留保情報表示制御手段5102によって、第3の表示態様から第1の表示態様に表示制御される。これにより、第1留保手段428における留保数が「1」であることが認識できる。なお、第1留保手段428による留保数がN(Nは1以上且つ第1所定数以下の自然数)になったときは、一列に配列される第1の表示態様の最も端の位置から、第3の表示態様をN個隣接して表示する。
図17(c)において、さらに、上始動口82または下始動口83に遊技球が入賞すると(具体的には、コマンド受信手段500が「上下始動口82,83に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板131から受信すると)、第2の留保記憶表示部1151bが、併合留保順表示制御手段5105によって第3の表示態様から第2の表示態様に表示制御される。これにより、第1留保手段428による留保数が1個であることおよび第2留保手段430による留保数が1個であることを把握することができる。
また、上始動口82または下始動口83に遊技球が入賞すると、第5の留保記憶表示部1152aが、留保可能情報表示制御手段5101によって非表示から第3の表示態様に表示制御される。このとき、遊技者から見れば留保上限が増えたように感じることができ、興趣が高められる。
なお、図柄表示領域115cに導出される導出順序は、第1の留保記憶表示部1151a〜第8の留保記憶表示部1152dの順序で導出される。即ち、コマンド受信手段500が主制御基板131から受信した各始動口81,82,83への入賞順序に基づいて図柄表示領域115cに導出される。従って、図17(c)で言えば、第1の留保記憶表示部1151aに表示される第1特別図柄抽選手段400による抽選結果、第2の留保記憶表示部1151bに表示される第2特別図柄抽選手段402による抽選結果の順で導出される。このようにして、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果および第2特別図柄抽選手段402による抽選結果について、図柄表示領域115cに導出される導出順序を把握することができる。
図17(d)において、第1の留保記憶表示部1151aに表示されている第1特別図柄抽選手段400による抽選結果を導出するための変動が開始されると、第1の留保記憶表示部1151aが、第2留保情報表示制御手段5103によって第3の表示態様から第2の表示態様に表示制御される。また、第2の留保記憶表示部1151bが、留保可能情報表示制御手段5101によって第2の表示態様から第3の表示態様に表示制御される。なお、第5の留保記憶表示部1152aは、留保可能情報表示制御手段5101によって第3の表示態様に表示される(維持される)。なお、このように、第1留保手段428による留保数がゼロであって且つ第2留保手段430による留保数がN(Nは1以上且つ第1所定数以下の自然数)になったとき、第2の表示態様が、図17(a)に示すように一列に配列される第3の表示態様の最も端の位置である第1の留保記憶表示部1151aから隣接してN個表示される。また、第3の表示態様が、第1所定数に対応する数(例えば4個)であって且つ最も端の位置である第1の留保記憶表示部1151aからN個目の第2の表示態様に隣接する位置である第2の留保記憶表示部1151bから、第1の留保記憶表示部1151aに表示された第2の表示態様と併せて一列に配列して表示される。
図17(e)において、第1の留保記憶表示部1151aに表示されている第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を導出するための変動が開始されると、第1の留保記憶表示部1151aが、留保可能情報表示制御手段5101によって第2の表示態様から第3の表示態様に表示制御される。また、第5の留保記憶表示部1152aが、第3の表示態様から非表示に非表示制御される。これにより、遊技者から見れば留保上限が可変するように感じる。従って、どのような場合に留保上限が増えるのかといったことに興味を抱くようになり、興趣が高められる。
図18(a)は、第1留保手段428における留保数および第2留保手段430における留保数との和と第1の留保表示領域1151の留保記憶表示部の数(4個)とが同じ場合における各留保記憶表示部1151a〜1152dの表示態様を示す図である。ただし、第1留保手段428における留保数および第2留保手段430における留保数のいずれもゼロではない。
図18(a)は、第1の留保記憶表示部1151a、第2の留保記憶表示部1151bおよび第4の留保記憶表示部1151dが、併合留保順表示制御手段5105によって第1の表示態様で表示されている。また、第3の留保記憶表示部1151cは、併合留保順表示制御手段5105によって第2の表示態様で表示されている。さらに、第5の留保記憶表示部1152aは、留保可能情報表示制御手段5101によって第3の表示態様で表示されている。これにより、第1留保手段428によって留保されている留保数および第2留保手段430によって留保されている留保数を認識することができる。また、図柄表示領域115cへの導出は、第1の留保表示領域1151a,第2の留保記憶表示部1151b,第3の留保記憶表示部1151c,第4の留保記憶表示部1151dの順序で行なわれるので、遊技者が図柄表示領域115cへの導出順序も把握することができる。
また、第5の留保記憶表示部1152aが第3の表示態様で表示されているので、第1留保手段428によって留保可能な留保数が残り1個であることが把握できる。
図18(b)において、上始動口82または下始動口83に遊技球が入賞すると、併合留保順表示制御手段5105によって第5の留保記憶表示部1152aが第3の表示態様から第2の表示態様に表示制御される。また、第6の留保記憶表示部1152bが、留保可能情報表示制御手段5101によって非表示から第3の表示態様に表示制御される。
図18(c)において、第1の留保記憶表示部1151aに表示されている第1特別図柄抽選手段400による抽選結果を導出するための変動が開始されると、各留保記憶表示部に表示される第1の表示態様および第2の表示態様が、一つずつ紙面前方からみた左方向にシフトされる。具体的には、第2の留保記憶表示部1151bの表示が第1の留保記憶表示部1151aの表示に、第3の留保記憶表示部1151cの表示が第2の留保記憶表示部1151bの表示に、第4の留保記憶表示部1151dの表示が第3の留保記憶表示部1151cの表示に、第5の留保記憶表示部1152aの表示が第4の留保記憶表示部1151dの表示に、それぞれシフトされる。そして、第5の留保記憶表示部1152aは、留保可能情報表示制御手段5101によって第2の表示態様から第3の表示態様に表示制御される。また、第6の留保記憶表示部1152bは、留保可能情報表示制御手段5101によって第3の表示態様が維持される。このとき、遊技者から見て、留保の上限が変化したと感じることはない。
図18(d)において、第1の留保記憶表示部1151aに表示されている第1特別図柄抽選手段400による抽選結果を導出するための変動が開始されると、図18(c)と同様に、各留保記憶表示部に表示される第1の表示態様および第2の表示態様が、一つずつ紙面前方からみた左方向にシフトされる。
図18(e)において、第1の留保記憶表示部1151aに表示されている第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を導出するための変動が開始されると、各留保記憶表示部に表示される第1の表示態様および第2の表示態様が、一つずつ紙面前方からみた左方向にシフトされる。具体的には、第2の留保記憶表示部1151bの表示が第1の留保記憶表示部1151aの表示に、第3の留保記憶表示部1151cの表示が第2の留保記憶表示部1151bの表示に、それぞれシフトされる。そして、第6の留保記憶表示部1152bは、第3の表示態様から非表示にされる。また、第5の留保記憶表示部1152aは、留保表示領域1150によって第3の表示態様に表示される(維持される)。これにより、遊技者は、留保の上限値が可変するように感じる。
図19(a)は、第1留保手段428による留保数が第1所定数と同じ4個であって且つ第2留保手段430による留保数がゼロである場合の留保表示領域1150の表示態様を示している。このとき、第1の留保表示領域1151の各留保記憶表示部1151a〜1151dは、第1留保情報表示制御手段5102によって第1の表示態様で表示制御されている。また、第2の留保表示領域1152の各留保記憶表示部1152a〜1152dは、非表示となっている。
図19(b)において、上始動口82または下始動口83に遊技球が入賞すると、第5の留保記憶表示部1152aが、併合留保順表示制御手段5105によって非表示から第2の表示態様に表示制御される。これにより、遊技者から見れば、留保上限を超えて留保されたように感じ、興趣が高められる。
図20(a)は、第2留保手段430による留保数が第2所定数に達していることを示しており、第1の留保表示領域1151の各留保表示領域1151a〜1151dの全てが、第2留保情報表示制御手段5103によって第2の表示態様で表示制御されている。また、第2の留保表示領域1152の各留保表示領域1152a〜1152dの全てが、留保可能情報表示制御手段5101によって第3の表示態様で表示制御されている。このとき、遊技者から見れば、留保上限が第1所定数および第2所定数の和である8個まで増えたように感じ、興趣が高められる。なお、このように、第1留保手段428による留保数がゼロであって且つ第2留保手段430による留保数がNになったとき(Nは1以上且つ第1所定数以下の自然数)、N個の第2の表示態様と第1所定数に相当する個数の第3の表示態様が表示される。このとき、N個の第2の表示態様が、一列に配列される第3の表示態様の最も端の位置である第1の留保記憶表示部1151aから隣接してN個表示されると共に、第1所定数に相当する個数の第3の表示態様が、最も端の位置である第1の留保記憶表示部1151aからN個目の第2の表示態様に隣接する位置(例えばN=4であれば第5の留保記憶表示部1152aの位置)から、第2の表示態様と併せて一列に配列表示される。なお、識別符号は、1に対応する識別符号から第1所定数とNとの和(図20(a)では8)に対応する識別符号までが、最も端の位置である第1の留保記憶表示部1151aから順に表示される。
図20(a)のような状態は、例えば普通図柄抽選手段410が遊技者に有利な抽選を行う所謂「時短遊技状態」である場合に発生しやすい。「時短遊技状態」であれば可動片84が頻繁に開閉動作することから、下始動口83に遊技球が入賞し易くなるからである。
なお、このとき、中始動口81に遊技球が入賞すると、コマンド受信手段500は、「上始動口82または下始動口83に入賞したこと」を特定するコマンドを周辺基板311から受信するものの、第2留保手段430における留保数を特定するためのコマンドも受信する。即ち、第2留保手段430における留保数が第2所定数(上限)であるとき、第2留保手段430における留保数を特定するためのコマンドを受信しても、第2所定数を超えて留保することができないため、第1の留保表示領域1151および第2の留保表示領域1152の各留保記憶表示部1151a〜1152dの全ての表示が、留保可能情報表示制御手段5101によって維持される(図20(b)参照)。
図20(c)において、第1の留保記憶表示部1151aに表示されている第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を導出するための変動が開始されると、各留保記憶表示部に表示される第2の表示態様が、一つずつ紙面前方からみた左方向にシフトされる。具体的には、第2の留保記憶表示部1151bの表示が第1の留保記憶表示部1151aの表示に、第3の留保記憶表示部1151cの表示が第2の留保記憶表示部1151bの表示に、第4の留保記憶表示部1151dの表示が第3の留保記憶表示部1151cの表示に、それぞれシフトされる。そして、第4の留保記憶表示部1151dの表示が、留保可能情報表示制御手段5101によって第2の表示態様から第3の表示態様に表示制御される。また、第8の留保記憶表示部1152dが非表示となる。また、第6の留保記憶表示部1152bおよび第7の留保記憶表示部1152cは、留保可能情報表示制御手段5101によって第3の表示態様が維持される。
図21(a)は、第1留保手段428による留保数が2個、第2留保手段430による留保数が3個の場合における留保表示領域1150の表示態様を示している。第1の留保記憶表示部1151aおよび第4の留保記憶表示部1151dは、併合留保順表示制御手段5105によって第1の表示態様に表示制御されている。第2の留保記憶表示部1151b、第3の留保記憶表示部1151cおよび第5の留保記憶表示部1152aは、併合留保順表示制御手段5105によって第2の表示態様に表示制御されている。第6の留保記憶表示部1152bおよび第7の留保記憶表示部1152cは、留保可能情報表示制御手段5101によって第3の表示態様に表示制御されている。
図21(b)において、中始動口81に遊技球が入賞すると、第6の留保記憶表示部1152bが、併合留保順表示制御手段5105によって第3の表示態様から第1の表示態様に表示制御される。これにより、遊技者が先だって留保上限が増えたと感じたことは、実際に留保上限が増えていないけれども増えたように見せかけるような単なる演出ではなかったことを確認でき、興趣の低下を抑制できる。即ち、実際に留保上限が増加したという感情を実感できる。
図21(c)において、第1の留保記憶表示部1151aに表示されている第1特別図柄抽選手段400による抽選結果を導出するための変動が開始されると、各留保記憶表示部に表示される第1の表示態様および第2の表示態様が、一つずつ紙面前方からみた左方向にシフトされる。具体的には、第2の留保記憶表示部1151bの表示が第1の留保記憶表示部1151aの表示に、第3の留保記憶表示部1151cの表示が第2の留保記憶表示部1151bの表示に、第4の留保記憶表示部1151dの表示が第3の留保記憶表示部1151cの表示に、第5の留保記憶表示部1152aの表示が第4の留保記憶表示部1151dの表示に、第6の留保記憶表示部1152bの表示が第5の留保記憶表示部1152aの表示に、それぞれシフトされる。そして、第6の留保記憶表示部1152bの表示が、留保可能情報表示制御手段5101によって第1の表示態様から第3の表示態様に表示制御される。また、第7の留保記憶表示部1152cは、留保可能情報表示制御手段5101によって第3の表示態様が維持される。
図21(d)において、上始動口82または下始動口83に遊技球が入賞すると、第6の留保記憶表示部1152bが、併合留保順表示制御手段5105によって第3の表示態様から第2の表示態様に表示制御される。また、第8の留保記憶表示部1152dが、留保可能情報表示制御手段5101によって非表示から第3の表示態様に表示制御される。なお、第1の留保記憶表示部1151a、第2の留保記憶表示部1151b、第3の留保記憶表示部1151c、第4の留保記憶表示部1151dおよび第5の留保記憶表示部1152aの表示態様は維持される。これにより、遊技者から見れば、留保上限が増加したように感じ、興趣を高めることができる。
しかも、上始動口82または下始動口83に遊技球が入賞することに伴って、第2の留保表示領域1152の各留保記憶表示部1152a〜1152dが、非表示から第2の表示態様または第3の表示態様に表示制御される。このように、留保上限が増加するように遊技者が感じることによって興趣が高められる。
図21(e)において、第1の留保記憶表示部1151aに表示されている第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を導出するための変動が開始されると、各留保記憶表示部に表示される第1の表示態様および第2の表示態様が、一つずつ紙面前方からみた左方向にシフトされる。具体的には、第2の留保記憶表示部1151bの表示が第1の留保記憶表示部1151aの表示に、第3の留保記憶表示部1151cの表示が第2の留保記憶表示部1151bの表示に、第4の留保記憶表示部1151dの表示が第3の留保記憶表示部1151cの表示に、第5の留保記憶表示部1152aの表示が第4の留保記憶表示部1151dの表示に、第6の留保記憶表示部1152bの表示が第5の留保記憶表示部1152aの表示に、それぞれシフトされる。そして、第6の留保記憶表示部1152bの表示が、留保可能情報表示制御手段5101によって第2の表示態様から第3の表示態様に表示制御される。第7の留保記憶表示部1152cは、留保可能情報表示制御手段5101によって第3の表示態様が維持される。第8の留保記憶表示部1152dは非表示となる。
図22(a)は、第1留保手段428による留保数が1個、第2留保手段430による留保数が4個の場合における留保表示領域1150の表示態様を示している。第1の留保記憶表示部1151a、第2の留保記憶表示部1151b、第3の留保記憶表示部1151cおよび第4の留保記憶表示部1151dは、併合留保順表示制御手段5105によって第2の表示態様に表示制御されている。第5の留保記憶表示部1152aは、留保可能情報表示制御手段5101によって第1の表示態様に表示制御されている。また、第6の留保記憶表示部1152b、第7の留保記憶表示部1152cおよび第8の留保記憶表示部1152dは、留保可能情報表示制御手段5101によって第3の表示態様に表示されている。
なお、このとき、上始動口82または下始動口83に遊技球が入賞すると、コマンド受信手段500は、「上下始動口82,83に入賞したこと」を特定するコマンドを周辺基板311から受信するものの、第2留保手段430における留保数を特定するためのコマンドも受信する。即ち、第2留保手段430における留保数が第2所定数(上限)であるとき、第2留保手段430における留保数を特定するためのコマンドを受信しても、第2所定数を超えて留保することができないため、第1の留保表示領域1151および第2の留保表示領域1152の各留保記憶表示部1151a〜1152dの全ての表示が、併合留保順表示制御手段5105によって維持される(図22(b)参照)。
図22(c)において、中始動口81に遊技球が入賞すると、コマンド受信手段500は、「中始動口81に入賞したこと」を特定するコマンドを周辺基板311から受信する。これに伴って、第1留保手段428における留保数を特定するためのコマンドも受信する。ここで、第1留保手段428による留保数が1個であるため、第6の留保記憶表示部1152bが、併合留保順表示制御手段5105によって第3の表示態様から第1の表示態様に表示制御される。
これまでの説明をまとめると、本実施形態の遊技機は、以下の構成を備える。なお、以下の構成1〜7は単独で、若しくは、適宜組み合わされて備えられている。
[構成1]
遊技領域が形成され、当該遊技領域に向けて遊技媒体が打ち込まれる遊技盤と、
前記遊技盤の遊技領域に配置され、遊技領域に向けて打ち込まれた遊技媒体を受け入れ可能な第1始動口と、
前記遊技盤の遊技領域に配置され、遊技領域に向けて打ち込まれた遊技媒体を受け入れ可能な第2始動口と、
前記遊技盤の遊技領域に配置され、所定の遊技態様を表示する第1の遊技態様表示手段と、
前記遊技盤の遊技領域に配置され、所定の遊技態様を表示する第2の遊技態様表示手段と、
前記遊技盤の遊技領域に配置され、所定の遊技情報を表示する第1の遊技情報表示手段と、
前記遊技盤の遊技領域に配置され、所定の遊技情報を表示する第2の遊技情報表示手段と、
遊技領域に向けて打ち込まれた遊技媒体が前記第1始動口に受け入れられたことを検出する第1始動検出手段、前記第1始動検出手段による遊技媒体の検出に応じて抽選を行う第1の抽選手段、前記第1の遊技態様表示手段において所定の態様で表示を行うと共に前記第1の抽選手段による抽選結果を導出する第1の遊技態様表示制御手段、前記第1の抽選手段による抽選結果を前記第1の遊技態様表示制御手段によって前記第1の遊技態様表示手段に導出することを第1所定数の範囲内で留保する第1留保手段、前記第1留保手段によって留保された留保数情報を前記第1の遊技情報表示手段において表示する第1の遊技情報表示制御手段、遊技領域に向けて打ち込まれた遊技媒体が前記第2始動口に受け入れられたことを検出する第2始動検出手段、前記第2始動検出手段による遊技媒体の検出に応じて抽選を行う第2の抽選手段、前記第2の遊技態様表示手段において所定の態様で表示を行うと共に前記第2の抽選手段による抽選結果を導出する第2の遊技態様表示制御手段、前記第2の抽選手段による抽選結果を前記第2の遊技態様表示制御手段によって前記第2の遊技態様表示手段に導出することを第2所定数の範囲内で留保する第2留保手段、前記第2留保手段によって留保された留保数情報を前記第2の遊技情報表示手段において表示する第2の遊技情報表示制御手段および前記第1の抽選手段による抽選または前記第2の抽選手段による抽選に当選したことに応じて遊技者に所定の遊技価値が付与可能となる特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段、を少なくとも有する遊技制御手段と、
前記第1の抽選手段による抽選結果を表示可能な第1の抽選結果表示領域、前記第2の抽選手段による抽選結果を表示可能な第2の抽選結果表示領域、前記第1の抽選結果および前記第2の抽選結果のうちいずれか一つの抽選結果を、一つの図柄または一つの図柄群によって導出可能な図柄表示領域並びに前記第1留保手段および前記第2留保手段にかかる留保関連情報を表示可能な留保表示領域を少なくとも有すると共に、遊技の進行に応じて所定の演出を行う演出表示手段と、
前記第1の抽選手段による抽選結果を前記第1の抽選結果表示領域において表示する第1の抽選結果表示制御手段、前記第2の抽選手段による抽選結果を前記第2の抽選結果表示領域において表示する第2の抽選結果表示制御手段、前記第1の抽選手段による抽選結果および前記第2の抽選手段による抽選結果のうちいずれか一方の抽選結果を前記図柄表示領域において導出する図柄表示制御手段並びに前記第1留保手段および前記第2留保手段にかかる留保関連情報を前記留保表示領域において認識可能に表示する併合留保表示制御手段を少なくとも有する演出表示制御手段と、を含み、
前記併合留保表示制御手段が、
前記第1留保手段による留保数および前記第2留保手段による留保数のいずれもが1以上であるときに、前記第1留保手段により留保されていることを示す第1の表示態様および前記第2留保手段により留保されていることを示す第2の表示態様を、前記第1留保手段および前記第2留保手段によって留保された順に、前記留保表示領域において一列に配列表示することによって、前記図柄表示領域に導出される導出順序を認識可能に表示する併合留保順表示制御手段と、
前記留保関連情報の一つである留保可能情報について、前記第1留保手段および前記第2留保手段のそれぞれが、予め定められた第1所定数および第2所定数の上限まで留保可能であるにも拘わらず、前記第1留保手段によって留保可能であることを示す第3の表示態様のみを、前記一列に配列表示された第1の表示態様および第2の表示態様のうち最後に前記図柄表示領域に導出される位置から、前記第1の表示態様および前記第2の表示態様と併せて一列に配列表示留保可能情報表示制御手段と、を含み、
前記第1留保手段による留保数が1個増加したときは、前記併合留保順表示制御手段のみが、前記一列に配列表示された第1の表示態様および第2の表示態様のうち最後に前記図柄表示領域に導出される位置に隣接する位置に第1の表示態様を表示し、
前記第2留保手段による留保数が1個増加したときは、
前記併合留保順表示制御手段が、前記一列に配列表示された第1の表示態様および第2の表示態様のうち最後に前記図柄表示領域に導出される位置に隣接する位置に第2の表示態様を表示すると共に、
前記留保可能情報表示制御手段が、前記第1の表示態様および前記第2の表示態様と併せて一列に配列表示された第3の表示態様のうち、前記第1の表示態様または前記第2の表示態様に隣接する位置とは異なる側の最も端の位置に第3の表示態様を表示することを特徴とする。
これによれば、第1始動口(中始動口81)に遊技媒体(遊技球)が受け入れられて(入賞して)中始動検出手段401により検出されると第1の抽選手段(第1特別図柄抽選手段400)により抽選が行われる。その抽選結果は、第1の遊技態様表示制御手段(第1特別図柄表示制御手段424)によって第1の遊技態様表示制御手段(第1特別図柄表示器100)に導出される。第1留保手段428は、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果を第1特別図柄表示制御手段424によって第1特別図柄表示器100に導出することを所定数の範囲内で留保する。第1留保手段428によって留保された留保数情報は、第1特別図柄留保数表示制御手段434によって第1特別図柄留保表示器104において表示される。第2始動口(上始動口82または下始動口83)に遊技球が入賞して上下始動検出手段403により検出されると第2の抽選手段(第2特別図柄抽選手段402)により抽選が行われる。その抽選結果は、第2の遊技態様表示制御手段(第2特別図柄表示制御手段426)によって第2の遊技態様表示制御手段(第2特別図柄表示器102)に導出される。第2留保手段430は、第2特別図柄抽選手段402による抽選結果を第2特別図柄表示制御手段426によって第2特別図柄表示器102に導出することを所定数の範囲内で留保する。第2留保手段430によって留保された留保数情報は、第2特別図柄表示制御手段426によって第2特別図柄留保表示器106において表示される。第1特別図柄抽選手段400または第2特別図柄抽選手段402による抽選に当選したとき、特別遊技状態発生手段433によって特別遊技状態が発生する。第1特別図柄抽選手段400による抽選結果は、第1特別図柄抽選結果表示制御手段502によって第1の抽選結果表示領域115aに表示される。第2特別図柄抽選手段402による抽選結果は、第2特別図柄抽選結果表示制御手段504によって第2の抽選結果表示領域115bに表示される。図柄表示制御手段506は、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果および第2特別図柄抽選手段402による抽選結果のうちいずれか一方の抽選結果を図柄表示領域115cに導出する。第1留保手段428および第2留保手段430にかかる留保関連情報は、併合留保表示制御手段510によって留保表示領域1150において認識可能に表示される。第1留保手段428による留保数および第2留保手段430による留保数のいずれもが1以上であるとき、第1留保手段428により留保されていることを示す第1の表示態様および第2留保手段430により留保されていることを示す第2の表示態様が、第1留保手段428および第2留保手段430によって留保された順に(即ち、第1始動検出手段(中始動検出手段401)または第2始動検出手段(上下始動検出手段403)によって遊技球が第1始動口(中始動口81)または第2始動口(上下始動口82,83)に受け入れられたことが検出された順に)、併合留保順表示制御手段5105によって留保表示領域1150において一列に配列表示される。これにより、図柄表示領域115cに導出される導出順序が認識できる(即ち、第1留保手段および第2留保手段によって留保された順に、図柄表示領域に導出される)。また、留保関連情報の一つである留保可能情報について、第1留保手段428および第2留保手段430のそれぞれが、予め定められた第1所定数(例えば4個)および第2所定数(例えば4個)の上限まで留保可能であるにも拘わらず、第1留保手段428による留保が第1所定数まで留保可能であることを示す第3の表示態様のみが、一列に配列表示された第1の表示態様および第2の表示態様のうち最後に前記図柄表示領域に導出される位置に隣接する位置に、留保可能情報表示制御手段によって表示される。第1留保手段428による留保数が1個増加したとき、一列に配列表示された第1の表示態様および第2の表示態様のうち最後に図柄表示領域に導出される位置に隣接する位置のみに第1の表示態様が表示される。第2留保手段430による留保数が1個増加したときは、一列に配列表示された第1の表示態様および第2の表示態様のうち最後に図柄表示領域に導出される位置に隣接する位置に第2の表示態様が表示されると共に、第1の表示態様および第2の表示態様と併せて一列に配列表示された第3の表示態様のうち、第1の表示態様または第2の表示態様に隣接する位置とは異なる側の最も端の位置に第3の表示態様が表示される。
ここで、「第1留保手段428および第2留保手段430によって留保された順」とは、第1留保手段428および第2留保手段430によってそれぞれ留保された順ではなく、第1留保手段428と第2留保手段430とによって留保された総合的な順を意味する。
従って、第1特別図柄抽選手段400による抽選および第2特別図柄抽選手段402による抽選を行ないながらも、遊技内容を明確に把握できるので、遊技内容の複雑化に伴う興趣の低下を抑制できる。
即ち、特別遊技状態は、第1特別図柄抽選手段400による抽選に当選したときおよび第2特別図柄抽選手段402による抽選に当選したときのうちいずれかによって発生する。これにより、特別遊技状態が発生するまでの過程が単調であることに起因する興趣の低下を抑制できる。このように、特別図柄抽選手段を二つ備えていながらも、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果および第2特別図柄抽選手段402による抽選結果は、いずれか一方ずつ導出されるので、遊技者から見た場合に明瞭な遊技内容とる。
しかも、図柄表示領域115cに表示される一つの図柄群は、第1の特別図柄抽選手段400による抽選結果および第2の特別図柄抽選手段402による抽選結果に対応する結果が共通図柄として導出表示される。従って、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果および第2特別図柄抽選手段402による抽選結果がいずれか一方ずつ導出されつつも、他の一方の変動が停止しているといった不快感を遊技者に与えることがない。これにより、興趣の低下を抑制できる。
なお、「留保関連情報」とは、例えば、第1留保手段または第2留保手段によって留保されている数を示す留保数情報、第1留保手段または第2留保手段によって留保可能であることを示す留保可能情報並びに第1留保手段による留保に基づく抽選結果および第2留保手段による留保に基づく抽選結果が図柄表示領域に導出される順序を示す留保導出順序等が相当する。
また、図柄表示領域115cには、一列に配列された表示態様の順番通りに第1の特別図柄抽選手段400または第2の特別図柄抽選手段402による抽選結果が導出されるので、どのような順番で図柄表示領域115cに導出されるのかを一目で把握できる。これにより、遊技者は、遊技に集中することができ(例えば、各始動口81,82,83の遊技球を入賞させたりまたは図柄表示領域115cに抽選結果が導出される過程に集中することができ)、興趣の低下を抑制できる。
また、周知のとおり、留保手段を備える遊技機では平均留保数が所定数となるように設計されており、この平均留保数は、2個程度となるように設計されるのが一般的である。「平均留保数」とは、遊技中に留保手段によって留保される留保数の平均である。即ち、平均留保数が例えば2個であれば、遊技中、留保手段によって留保されている留保数の平均が2個であることを意味する。
ところが、第1留保手段428および第2留保手段430を有することによってこれら428,430による留保可能数の上限を増加させたとしても、第1留保手段428および第2留保手段430による留保数が、これら428,430によって留保可能な上限まで留保されることは稀である。即ち、留保可能数の上限が増加したとしても、平均留保数が従来と同様であれば、第1留保手段428および第2留保手段430によって留保可能な上限まで留保されることが殆どないため(即ち、第1留保手段428または第2留保手段430によって留保可能な所謂「空き領域」が多くなるため)、第1留保手段428および第2留保手段430の両方によって留保可能であることを表示すると、興趣を低下させてしまう。なお、平均留保数が大きくなるように設計すると第1の特別図柄抽選手段400および第2の特別図柄抽選手段402による抽選における当選確率を低くせざるを得ないことは周知なので、平均留保数が大きくなるような設計は通常行なわれない。第1の特別図柄抽選手段400および第2の特別図柄抽選手段402による抽選における当選確率を低くすると、特別遊技状態の発生確率低下によって興趣が低下してしまうからである。
このように、第1留保手段428および第2留保手段430による留保可能数が第1所定数と第2所定数との和であったとしても、第1留保手段428および第2留保手段430による留保が、第1所定数と第2所定数との和の上限まで留保されることは稀であるため、第1留保手段428および第2留保手段430によって留保され難いという印象を遊技者に与えてしまい、興趣が低下してしまう。
従って、留保関連情報の一つである留保可能情報について、第1留保手段428および第2留保手段430のそれぞれが、予め定められた第1所定数および第2所定数の上限まで留保可能であるにも拘わらず、第1留保手段428による留保が第1所定数まで留保可能であることを示す第3の表示態様のみを、一列に配列表示された第1の表示態様および第2の表示態様のうち最後に図柄表示領域115cに導出される位置に隣接する位置に留保表示領域1150に表示することによって、留保手段428,430によって留保され難いという印象を軽減でき、興趣の低下を抑制できる。
とくに、第1始動口に遊技球が受け入れられることよりも第2始動口に受け入れられることが困難な構成であれば、第2留保手段430によって留保され難いことが顕著になり、興趣が低下する。そこで、留保関連情報の一つである留保可能情報について、第1留保手段428および第2留保手段430のそれぞれが,予め定められた第1所定数および第2所定数の上限まで留保可能であるにも拘わらず、第1留保手段428による留保が第1所定数まで留保可能であることのみを、留保表示領域1150に表示することによって、第2留保手段430によって留保され難いという印象を軽減でき、興趣の低下を抑制できる。
また、第1留保手段428による留保が第1所定数まで留保可能であることおよび第2留保手段430による留保が第2所定数まで留保可能であることの両方を、留保表示領域1150に表示した場合、例えば第1留保手段428による留保数が第1所定数の上限であって且つ第2留保手段430による留保数が第2所定数の上限未満であるとき、留保表示領域1150には、第2留保手段430によって留保可能であることが表示される。この場合、遊技領域37に打ち込まれた遊技球が中始動口81に入賞したとしても、第1留保手段428による留保数が第1所定数の上限であるため、留保表示領域1150の表示は何ら変わらない。即ち、第1留保手段428および第2留保手段430の両方が留保表示領域1150に表示されていれば、第1留保手段428による留保と第2留保手段430による留保との区別が遊技者にとって困難となるので、遊技者は、第2留保手段430によって留保可能であることが留保表示領域1150に表示されているにも拘わらず、中始動口81に入賞しても留保数が増えないといった印象を受けてしまい、興趣が低下してしまうという課題がある。そこで、留保関連情報の一つである留保可能情報について、第1留保手段428および第2留保手段430のそれぞれが,予め定められた第1所定数および第2所定数の上限まで留保可能であるにも拘わらず、第1留保手段428による留保が第1所定数まで留保可能であることのみを、留保表示領域1150に表示することによって、かかる課題を解決できる。なお、第2留保手段430による留保数が第2所定数の上限であって且つ第1留保手段428による留保数が第1所定数の上限未満であるときも、同様の課題が生じることはいうまでもない。
また、第1留保手段428による留保数が1個増加したときは、一列に配列表示された第1の表示態様および第2の表示態様のうち最後に図柄表示領域に導出される位置に隣接する位置のみに第1の表示態様が表示されるので、少なくとも第1留保手段428によって留保されたことを把握できると同時に、第1留保手段428によって留保可能な数も減ったこと(即ち、第1所定数の上限に近づいたこと)も把握できる。一方、第2留保手段430による留保数が1個増加したときは、一列に配列表示された第1の表示態様および第2の表示態様のうち最後に図柄表示領域に導出される位置に隣接する位置に第2の表示態様が表示されると共に、第1の表示態様および第2の表示態様と併せて一列に配列表示された第3の表示態様のうち、第1の表示態様または第2の表示態様に隣接する位置とは異なる側の最も端の位置に第3の表示態様が表示される。これにより、第2留保手段430によって留保されたことを把握できると同時に、第1留保手段428によって留保可能な数をも把握できる。
従って、留保表示領域1150に、興趣低下の原因となる所謂「空き領域」を徒に表示することなく、図柄表示領域115cに導出される導出順序を把握できると共に、第1留保手段428による留保可能情報をも把握することができ、興趣の低下を抑制できる。
なお、構成1に記載の遊技機において、
前記留保表示領域が、前記第1の所定数と前記第2の所定数との和に相当する数の留保記憶表示部を有しており、
前記併合留保順表示制御手段が、前記第1の表示態様および前記第2の表示態様を、前記複数の留保記憶表示部のうちいずれかに隣接して表示することが好ましい。
即ち、前記第1の所定数と前記第2の所定数との和に相当する数の留保記憶表示部(第1の留保記憶表示部1151a〜第4の留保記憶表示部1151dおよび第5の留保記憶表示部1152a〜第8の留保記憶表示部1152d)が一列に配列されており、この複数の留保記憶表示部のうちいずれかの留保記憶表示部に、第1の表示態様または第2の表示態様が隣接して表示されることとなる。
[構成2]
構成1に記載の遊技機において、
前記第1留保手段による留保数が1個減少したときは、前記留保可能情報表示制御手段が、前記第1の表示態様および前記第2の表示態様と併せて一列に配列表示されていた第3の表示態様をそのまま表示すると共に、前記第1の表示態様および前記第2の表示態様が一列に配列表示されていた位置のうち前記図柄表示領域に最後に導出される第1の表示態様または第2の表示態様が表示されていた位置に第3の表示態様を表示し、
前記第2留保手段による留保数が1個減少したときは、前記留保可能情報表示制御手段が、前記第1の表示態様および前記第2の表示態様と併せて第3の表示態様が一列に配列表示された位置のうち、前記第1の表示態様または前記第2の表示態様に隣接する位置とは異なる側の最も端の位置に表示されていた第3の表示態様を非表示にすると共に、前記第1の表示態様および前記第2の表示態様が一列に配列表示されていた位置のうち前記図柄表示領域に最後に導出される第1の表示態様または第2の表示態様が表示されていた位置に第3の表示態様を表示することを特徴とする。
これによれば、第1留保手段428による留保数が1個減少したときは、第1の表示態様および第2の表示態様と併せて一列に配列表示されていた第3の表示態様がそのまま表示されると共に、第1の表示態様および第2の表示態様が一列に配列表示されていた位置のうち図柄表示領域115cに最後に導出される第1の表示態様または第2の表示態様が表示されていた位置に第3の表示態様が表示される。一方、第2留保手段430による留保数が1個減少したときは、第1の表示態様および第2の表示態様と併せて第3の表示態様が一列に配列表示された位置のうち、第1の表示態様または第2の表示態様に隣接する位置とは異なる側の最も端の位置に表示されていた第3の表示態様が非表示にされると共に、第1の表示態様および第2の表示態様が一列に配列表示されていた位置のうち図柄表示領域115cに最後に導出される第1の表示態様または第2の表示態様が表示されていた位置に第3の表示態様が表示される。
即ち、第1留保手段428による留保数が1個減少したときと第2留保手段430による留保数が1個減少したときとでは、第1の表示態様および第2の表示態様が一列に配列表示されていた位置のうち図柄表示領域115cに最後に導出される第1の表示態様または第2の表示態様が表示されていた位置に第3の表示態様が表示される点において共通するが、第1の表示態様および第2の表示態様と併せて一列に配列表示されていた第3の表示態様がそのまま表示されるかどうかという点において異なる。
従って、第1留保手段428による留保数が1個減少したときは、第1留保手段428および第2留保手段430によって留保可能な上限が減ったという印象を遊技者に与えることはないが、第2留保手段430による留保数が1個減少したときは、第1留保手段428および第2留保手段430によって留保可能な上限が減ったという印象を与える。これにより、第1留保手段428および第2留保手段430によって留保可能な上限が一定に見える場合と可変するように見える場合とがあり、興趣を高めることができる。
[構成3]
構成1または構成2に記載の遊技機において、
前記図柄表示領域が、前記第1の抽選結果表示領域、前記第2の抽選結果表示領域および前記留保表示領域を含む前記演出表示手段における表示領域の全領域のうち、3分の2以上の面積を占有していることを特徴とする。
これによれば、図柄表示領域115cが、第1の抽選結果表示領域115a、第2の抽選結果表示領域115bおよび図柄表示領域115cを含む演出表示装置115における表示領域の全領域のうち、3分の2以上の面積を占有しているので、遊技者は、図柄表示領域115cに表示される一つの図柄群の変動演出に注意が惹かれる。
従って、第1特別図柄抽選手段400による抽選および第2特別図柄抽選手段402による抽選を行ないながらも、遊技者が図柄表示領域115cに表示される一つの図柄群(即ち、共通図柄)の変動演出に注意が惹かれるので、遊技内容をより一層明確に把握でき、遊技内容の複雑化に伴う興趣の低下をより確実に抑制できる。また、第1特別図柄抽選手段400による抽選結果および第2特別図柄抽選手段402による抽選結果がいずれか一方ずつ導出されつつも、他の一方の変動が停止しているといった不快感に起因する興趣の低下を、より確実に抑制できる。
[構成4]
構成1〜構成3のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記併合留保表示制御手段が、所定の識別符号を、前記第1の表示態様、前記第2の表示態様および第3の表示態様に付して表示する識別符号表示制御手段をさらに含み、
前記識別符号表示制御手段が、1に対応する識別符号から前記第1所定数と前記第2留保手段による留保数との和に対応する識別符号までを、前記一列に配列表示された第1の表示態様、第2の表示態様および第3の表示態様のうち、第1の表示態様または第2の表示態様が表示された側の最も端の位置に表示された表示態様から順に表示することを特徴とする。
これによれば、1に対応する識別符号から第1所定数と第2留保手段による留保数との和に対応する識別符号が、前記一列に配列表示された第1の表示態様、第2の表示態様および第3の表示態様のうち、第1の表示態様または第2の表示態様が表示された側の最も端の位置に表示された表示態様から順に、第1の表示態様、第2の表示態様および第3の表示態様に付して表示される。
従って、第1の表示態様、第2の表示態様および第3の表示態様の表示数が多くなった場合であっても、各表示態様に付された識別表示によって、図柄表示領域115cに導出される順序および第1留保手段428による留保可能情報を容易に把握することが可能となり、このような場合であっても、遊技者は遊技に集中することができ、興趣の低下を抑制できる。
なお、「識別符号」とは、第1留保手段428にのみ留保されている場合には第1留保手段428による留保数、第2留保手段430にのみ留保されている場合には第2留保手段430による留保数、第1留保手段428および第2留保手段430の両方に留保されている場合には図柄表示領域115cに導出される導出順序、を把握するための符号を意味する。
また、「1に対応する識別符号から第1所定数に対応する識別符号」とは、例えば「1、2・・・4(第1所定数に対応)」、「A、B・・・D(第1所定数に対応)」または「イ、ロ・・・ニ(第1所定数に対応)」のように、1個または1番目であることを示す識別符号から第1所定数または第1所定数番目であることを示す識別符号であることを意味する。
[構成5]
構成1〜構成4のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技盤の遊技領域に配置され、遊技領域に向けて打ち込まれた遊技媒体を受け入れ可能であると共に、前記第1始動口よりも遊技媒体の受け入れが困難な閉状態と前記第1始動口よりも遊技媒体の受け入れが容易な開状態との間で開閉動作可能な可動片を有する第3始動口と、
前記遊技盤の遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な通過口と、をさらに含むと共に、
前記遊技制御手段が、前記通過口を遊技媒体が通過したことを検出する通過検出手段、前記通過検出手段による遊技媒体の検出に応じて前記第1の抽選手段および前記第2の抽選手段による抽選とは異なる抽選を行う第3の抽選手段、遊技領域に向けて打ち込まれた遊技媒体が前記第3始動口に受け入れられたことを検出する第3始動検出手段並びに前記可動片の開閉動作を実行可能な第3始動口開閉実行手段をさらに含み、
前記第2の抽選手段が、前記第3始動検出手段による遊技媒体の検出に応じてさらに抽選を行うものであって、
前記第3始動口開閉実行手段が、前記第3の抽選手段による抽選に当選した場合にのみ、前記可動片の開閉動作を実行すると共に、
前記第3の抽選手段が、所定条件成立時に、遊技者に有利な抽選を行うことを特徴とする。
これによれば、前記第1始動口(中始動口81)よりも遊技媒体の受け入れが困難な閉状態と中始動口81よりも遊技媒体の受け入れが容易な開状態との間で開閉動作可能な可動片84を有する第3始動口(下始動口83)と、通過口113とが含まれている。通過口113を遊技球が通過すると、通過検出手段411によって検出される。通過検出手段411によって遊技球が検出されると、第3の抽選手段(普通図柄抽選手段410)による抽選が行われる。普通図柄抽選手段410による抽選に当選したときにのみ、可動片84の開閉動作が第3始動口開閉実行手段(下始動口開閉実行手段422)によって実行される。可動片84が開放動作したタイミングで遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が下始動口83に入賞すると、第2の抽選手段(第2の特別図柄抽選手段402)によって抽選が行われる。普通図柄抽選手段410は、所定条件成立時に、遊技者に有利な抽選が行われる。
従って、普通図柄抽選手段410による抽選に当選しない限り、可動片84の開閉動作が実行されないため、遊技球が下始動口83に入賞することは、遊技球が中始動口81に入賞することよりも困難である。一方、所定条件が成立すると、普通図柄抽選手段410によって遊技者に有利な抽選が行われるので、可動片84の開閉動作が頻繁に実行され、遊技球は、中始動口81に入賞するよりも下始動口83に入賞する方が容易となる。これにより、留保表示領域1150には第2の表示態様が表示されやすくなるので、留保表示領域1150に表示される第2の表示態様の数と第1の表示態様の数との和が多くなり、より興趣が高められる。
とくに、所定条件が成立することによって、第1留保手段428による留保数が1であって且つ第2留保手段430による留保数が第2所定数の上限になり易い。従って、構成4に記載の遊技機と構成5に記載の遊技機とを組み合わせた場合には、1に対応する識別符号から第1所定数と第2所定数との和に対応する識別符号までが、前記一方の最も端の位置から順に表示され易い。識別符号が例えば数字で表示される場合には、「1、2、3・・・8(第1所定数と第2所定数との和)」と表示される。これにより、第1留保手段428および第2留保手段430による留保可能な上限の全てが表示されるので、興趣が高められる。
しかも、第1留保手段428および第2留保手段430による留保可能な上限の全てが表示されながらも、第2留保手段430による留保数が第2所定数の上限になり易いので、第1留保手段428または第2留保手段430によって留保可能な所謂「空き領域」が多くなることが回避でき、興趣の低下を抑制できる。
なお、「所定条件成立時」とは、所謂「時短遊技状態」が発生した場合が相当する。この「時短遊技状態」は、例えば、第1の特別図柄抽選手段400または第2の特別図柄抽選手段402による抽選による抽選に当選したとき、特別遊技状態終了後に「時短遊技状態」を発生させるか否かが決定される。
また。「遊技者に有利な抽選」とは、所謂「時短遊技状態」が発生していない遊技状態時における抽選と比較して、当選確率のみを高確率とした抽選、抽選時間のみを短くした
抽選、当選確率を高確率とし且つ抽選時間を短くした抽選等が相当する。
また、本実施形態では、上下始動検出手段403が、第2始動検出手段と第3始動検出手段とを兼用しているが、第2始動検出手段および第3始動検出手段は、それぞれ、別構成であっても良い。このとき、第2始動検出手段および第3始動検出手段のうちいずれが入賞(上始動口82への入賞または下始動口83への入賞)を検出した場合であっても、第2の特別図柄抽選手段402による抽選が行われる。
なお、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。
例えば、上述の実施形態における演出表示装置は、液晶表示装置であることが好ましいが、必ずしも液晶表示装置に限られない。EL表示装置、プラズマ表示装置およびCRT等の表示装置等であってもよい。即ち、第1の表示態様、第2の表示態様および第3の表示態様を表示可能であると共に、これらのいずれの態様も非表示可能であれば、その態様は限られない。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等であっても、留保の概念があれば、本発明を適用することができる。
即ち、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である遊技球等の投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、センター役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを備えるもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(即ち、遊技状態検出手段)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出表示手段をさらに備えるもの」、一般に「複合機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段と始動口に入賞することによって抽選を行う抽選手段とを備えたもの」、一般に「アレパチ」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
一方、パチスロ機とは、遊技媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させると共に、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させる、といった実質的な遊技を行うものであり、停止操作機能付きのスロットマシンである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別遊離状態を発生させたりするものである。
また、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合せが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別遊離状態を発生させたりするものである。
また、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等のように、投入する媒体によっては実質的な遊技が行われない遊技機では、一見、遊技媒体が存在しないかのように思われるが、このような遊技機であっても、遊技内容の全体において、遊技球やその他の適宜の物品を用いて行われる遊技を含ませることが想定できる。よって、このような遊技機であっても、遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機の対象とすることができる。
なお、本実施形態における「中始動口81」および「上下始動口82,83」は、それぞれ、上記構成の「第1始動口」および「第2始動口」に相当する。
また、本実施形態における「CPU314」、「演出表示装置115」および「CPU350」は、それぞれ、上記構成の「遊技制御手段」、「演出表示手段」および「演出表示制御手段」に相当する。
また、本実施形態における「第1特別図柄抽選手段400」、「第1特別図柄表示制御手段424」、「第1特別図柄留保数表示制御手段434」、「第2特別図柄抽選手段402」、「第2特別図柄表示制御手段426」、「第2特別図柄留保数表示制御手段436」、「第1特別図柄抽選結果表示制御手段502」、「第2特別図柄抽選結果表示制御手段504」および「下始動口開閉実行手段422」は、それぞれ、上記構成の「第1の抽選手段」、「第1の遊技態様表示制御手段」、「第1の遊技情報表示制御手段」、「第2の抽選手段」、「第2の遊技態様表示制御手段」、「第2の遊技情報表示制御手段」、「第1の抽選結果表示制御手段」、「第2の抽選結果表示制御手段」および「始動口開閉実行手段」に相当する。