JP4878106B2 - 有機発光デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置に用いられる有機発光デバイスの製造方法及びその製造方法により得られる有機発光デバイスに関する。
有機発光デバイスより具体的には有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の製造方法として特許文献1及び2を挙げる。
特許文献1では版胴にインキ(発光層形成用塗工液)を塗布し、転写体にそのインキを転写して、圧胴を用いて転写体のインキを基材に転写するものである。そして版胴にインキを塗布する際に余分なインキを除くためにドクターブレードを用いている。また、特許文献2ではドクターブレードを用い、版胴にインキを塗布する際にインキを引き伸ばし薄化するためにドクターブレードを用いている。
また、上記印刷法以外にも、従来から広く行われている真空蒸着法による有機EL素子の製造方法がある。
特開2003−59656号公報 特開2001−155858号公報
上記したドクターブレードを用いた技術では、不要なインキを版胴から除く際にドクターブレードがインキに直接触れるためにドクターブレードに付着している余分な物質がインキに含まれてしまう。また、ドクターブレードを用いて、インキを引き伸ばし薄化する際、インキを十分に薄くすることが難しく、そのインキを乾燥させて有機薄膜を形成すると、有機EL素子に適した高効率発光が得られる有機薄膜の膜厚(5〜200nm)にすることが難しい。また、大面積で有機EL素子を作製する時、素子内での有機膜の膜厚のばらつきが大きく生産安定性に問題がある。
真空蒸着法においては蒸着源から有機物が昇華する際に指向性があり、大面積で均一な膜厚にするのは難しく、生産性に問題があった。
本発明はこのような課題に注目し、有機発光デバイスを構成する有機膜に不要な物質が加わることなく、また、高効率で生産性良く有機発光デバイスを提供することにある。
本発明は、基板上に設けられた複数の下部電極上に所定パターンの有機膜を形成する有機膜の形成工程と、前記有機膜上に上部電極を設ける工程とを有する有機発光デバイスの製造方法において、
前記複数の下部電極の離間領域と、前記離間領域の両隣の下部電極のそれぞれの上面端部と、を覆う連続膜である電極分離層が配置されており、
前記有機膜の所定パターンが、複数の前記電極分離層の離間領域と、前記離間領域の両隣の電極分離層のそれぞれの上面端部と、を覆う連続膜のパターンであり、
前記有機膜の形成工程は、前記有機膜を構成する化合物を含む溶液を回転ステージ上に付与して遠心力を利用して薄膜化し、該溶液の薄膜を、前記所定パターンに対応するパターンで版胴に付着させ、更に該版胴に付着した前記溶液の薄膜を前記下部電極上に転写する工程と、
転写された前記溶液の薄膜を乾燥することで前記下部電極上の中心部における前記有機膜の上端が前記電極分離層の上端よりも低くなる乾燥工程とを有することを特徴とする有機発光デバイスの製造方法を提供する。
また本発明は、上記本発明の有機発光デバイスの製造方法により製造されたことを特徴とする有機発光デバイスである。
本発明の効果の第一は、ドクターブレードを使用しないため、有機膜に不要な物質を混入することなく有機発光デバイスを製造することができることにある。
また本発明の効果の第二は、回転ステージにより大面積に均一な有機膜を形成することができ、且つ、高効率な有機発光デバイスに適した有機膜の膜厚(5〜500nm)の有機膜を形成することができることにある。本発明によれば発光色の異なる有機発光デバイスアレイを高品質に製造することができる。
本発明は、有機膜を構成する化合物を含む溶液(以下、「化合物溶液」と記す)を回転ステージ上に付与することにより、遠心力を利用して該溶液を薄膜化させ、版胴によりこの溶液の膜(以下、「溶液膜」と記す)を下部電極上に転写することを特徴とする。即ち、回転ステージを用いることで、ブレードに触れることなく極薄い溶液膜を形成することができる。当該方法によれば、1μm〜500μmの膜厚範囲の溶液膜を得ることができ、最終的に膜厚が5nm〜500nm、より好ましくは5nm〜200nmの有機膜を形成することができる。
版胴に付着した溶液膜は所定のパターンを有した状態で下部電極上に転写されるが、回転ステージ上で一様に薄膜化した溶液膜を上記パターンに形成する手段としては、予め版胴に当該パターンの凸版パターンを形成しておき、該パターン上にステージから溶液膜を付着させる方法と、一旦版胴に一様な溶液膜を付着させた後、該パターンを凹版パターンとして有するパターン基板に、版胴に付着させた溶液膜を当接させて、該パターン以外の部分を該パターン基板に付着させて除去する方法とが挙げられる。以下に具体的に説明する。
(第1の実施の形態)
本実施形態に係る有機発光デバイスの製造方法は、版胴が表面に凸版パターンを有しており、該パターン上に溶液膜を付着させ、下部電極上に転写することを特徴とする。
図1は本実施形態の製造方法の工程を模式的に示す図である。図中、1は回転ステージ、2は溶液膜、3は版胴、4は凸版パターン、5は下部電極、6は基板を示す。
回転する回転ステージ1上に化合物溶液を付与することにより、回転ステージ1上に所望の膜厚の溶液膜2を形成する〔図1(a)〕。回転ステージ1の回転数は500〜5000回転/分程度であり、回転ステージ1の回転速度、化合物溶液の粘度等を調整することにより、溶液膜2の膜厚を制御することができる。
次に、表面に凸版パターン4を有する版胴3の該凸版パターン4が溶液膜2に接触するように版胴3を回転させて回転ステージ1上を通過させ〔図1(b)〕、凸版パターン4に溶液膜2を付着させる〔図1(c)〕。
溶液膜2を付着させた版胴3を回転させて、基板6上を通過させ、該基板6上に形成した下部電極5に、版胴3上の凸版パターン4に付着させた溶液膜2を転写する〔図1(d)〕。溶液膜2には溶媒が含まれるため、適宜乾燥工程を施して乾燥させ、所望のパターン形状の有機膜7を得る。
上記工程を繰り返すことにより、複数種の有機膜を下部電極5上に設け、その後上部電極(不図示)を形成して有機発光デバイスを得る。
本発明において用いられる化合物溶液は、有機膜を構成する化合物を有機溶媒に溶解させた溶液であり、該有機溶媒は、下部電極5に溶液膜2を転写する前に凸版パターン4上で蒸発してしまうことを防ぐため、100℃以上の沸点を有する溶媒を少なくとも一種含む溶媒を用いることが好ましい。
具体的には、例えば、トルエン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、エチレングリコール、プロピレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフィド、N−メチル−2−ピロリドン、エチルアセテート、β−ブチロラクトン、2−ピロリドン、ブチルセルソルブ、シクロヘキサノン、1−プロパノール、トリメチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどである。
この中で特に150℃以上の沸点を有する溶媒がさらに好ましく、例えば、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、エチレングリコール、プロピレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフィド、N−メチル−2−ピロリドン、エチルアセテート、2−ピロリドン、ブチルセルソルブ、シクロヘキサノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが挙げられる。
版胴3の表面の凸版パターン4は、溶液膜2が付き易く離れやすいことが好ましく、また圧接する場合に変形しにくいことが好ましい。具体的にはデュポン社製のサイレルや旭化成社製のAPRを用いて構成することができる。
本発明において適用される有機膜を構成する化合物の一例を下記に挙げる。
Figure 0004878106
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上記化合物11〜16は、代表的な高分子有機LED材料であり、11〜15のような共役系高分子やペンダント型の非共役系高分子16が含まれる。これらの高分子は発光性を有し、単独で発光層に用いることができる。また、21〜28のような発光ドーパントを一定量混入させて、発光ドーパントを発光させる発光層のホスト材料にも用いることができる。
化合物21〜28は、代表的な発光ドーパントであり、21〜25がイリジウムを中心金属にもつ燐光材料であり、26〜28が蛍光発光材料である。化合物11〜16や化合物31〜34のホストとなる材料に0.1〜30質量%程度の濃度で混入し、発光ドーパントとして用いる。
化合物31〜34は低分子有機LED材料であり、これらの材料は昇華温度が低く、蒸着することも可能であるが、スピンコートや印刷などで基板に塗布して有機LED素子を作製することも可能である。化合物31〜34に化合物21〜28の発光ドーパント材料を混入することで、発光層を形成することが可能である。
本発明の製造方法で製造される、本発明の有機発光デバイスとして、有機LED素子の構成例の断面模式図を図10に示した。図10(a)は、ガラス基板116上に形成された陽極115(下部電極)と陰極111に挟まれた3層の有機層(112:電子輸送層、113:発光層、114:ホール輸送層)からなる素子である。この陰極111と陽極115に直流電圧を印加することで発光層113内に励起子を形成し、その励起エネルギーが失活する際に発光する。図10(b)と図10(c)は、さらに素子構成を単純化し、有機層が2層と単層に対応したものである。この図中の113の発光層の構成材料として、先に挙げた化合物11〜16,21〜28,31〜34を用い、図1の工程で発光層113を形成することができる。
本実施形態に係る有機発光デバイスの製造方法では、回転ステージを用いることでブレードを用いることなく、薄膜化した溶液膜を形成することができるため、有機発光デバイスの性能を悪化させる不純物などの混入のない有機発光デバイスを作製できる。また、高効率発光が可能な有機EL素子の有機膜の厚さに適切な5〜500nmの膜厚の有機膜を安定に形成することができるので、生産性の高い高性能有機発光デバイスを提供することができる。また、本発明の製造方法では、スピン薄化工程で、溶液の膜厚を均一にするため、大面積で有機膜の膜厚を均一にすることが可能であり、所望の膜厚の設定値に対して、面内の膜厚ばらつきを±20%以下、最適には±10%以下に抑えることができる。
尚、本実施形態では1つの下部電極5上にパターン化された複数の溶液膜2が配置される工程を説明したが、本発明は、下部電極5は1つである必要は無い。例えば後述するように1つの下部電極5に1つの溶液膜2が配置される工程を有していても良い。
また、本実施形態では溶液膜2は下部電極5に直接設けられたが、本発明は下部電極5上に別の層を予め設け、その別の層の上に溶液膜2を設ける工程であっても良い。その場合、別の層を構成する材料は溶液膜2に含まれる溶媒に対して溶解或いは膨潤しない材料が好ましい。より具体的にはPEDOT/PSS[poly(ethylenedioxythiophene)/poly(styrenesulfonic acid)]を挙げることができる。
本実施形態では小さな面積を有する溶液膜2を以って膜がパターン化されているとして説明したが、本発明は、下部電極5を実質全面覆ってしまうような大きな溶液膜2を下部電極5上に設ける工程も含める。そのような大きな形状をパターンとして理解することができるからである。
さらに、本実施形態では下部電極5上に配置された各有機膜7による発光色については述べていないが、本発明は異なる発光色で発光する有機膜7をそれぞれ所定位置に転写することでフルカラーのディスプレイパネルを提供することもできる。もちろん単色発光する有機発光デバイスも提供できる。尚そのような場合でも、各有機発光デバイスにカラーフィルターを設ければフルカラーディスプレイパネルを提供することができる。
本実施形態において上部電極(不図示)は各有機膜7ごとに個別に設けても良いし、各有機膜7共通に設けられるものでもよい。いずれにしてもそれぞれの有機膜7が離間して配置されている構成である場合、本実施形態の有機発光デバイスの製造方法は有機発光デバイスアレイの製造方法として適用できると言うことができる。
本実施形態では基板6は特に限定しないが撓まないものでも撓むものでも良い。或いは光透過性のものでも光不透過性のものでも良い。例えば電極群が形成されたフレキシブルなプラスチック基板を基板6として用いることもできる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態に係る有機発光デバイスの製造方法は、版胴とは別に、反転パターン(凸部)が設けられているパターン基板を用意し、版胴に付着させた溶液膜から、該反転パターンに対応した溶液膜を除去した後、版胴に残された所望のパターンの溶液膜を下部電極に転写することを特徴とする。それ以外は第1の実施の形態と同じである。
本実施の形態による有機発光デバイスの製造方法は、平面基板に反転パターンを形成して用いることができるため、版胴表面に凸版パターンを形成する第1の実施の形態よりも、パターンの形成が容易である。また微細な凸部を転写時に押しつけることが無いので凸部の変形による転写ずれを防ぐことができるのでより好ましい形態である。
図2は、本実施形態の製造方法の工程を模式的に示す図である。図中、11はパターン用基板、12は反転パターンであり、図1と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。
先ず、図1の工程と同様にして、回転する回転ステージ1上に化合物溶液を付与して所望の膜厚の溶液膜2を形成する〔図2(a)〕。
次に、版胴3を回転させながら回転ステージ1上を通過させ〔図2(b)〕、版胴3の表面に一様な溶液膜2を付着させる。
最終的な有機膜7のパターンの反転パターン12を有するパターン用基板11上を、溶液膜2を付着させた版胴3を回転させながら通過させ〔図2(c)〕、反転パターン12に溶液膜2を付着させる。その結果、版胴3表面には、所望のパターンの溶液膜2が残される〔図2(d)〕。
版胴3に残された溶液膜2を基板6上に形成された下部電極5に転写する〔図2(e)〕。
適宜乾燥工程を施して、有機膜7を形成する〔図2(f)〕。
(第3の実施の形態)
本実施の形態に係る有機発光デバイスの製造方法は、発光色毎の有機膜を下部電極上に配置することを特徴とする。それ以外は第2の実施の形態と同じである。
図3は本実施の形態の製造方法の工程を模式的に示す図である。図中、2a〜2cは発光色毎の溶液膜、7a〜7cは発光色毎の有機膜であり、図1と同じ部材には同じ符号を付した。
先ずはじめに、第1の発光色を発光する有機膜7aを構成する化合物を含む溶液膜2aを版胴3〔図3(a)〕により下部電極5上に転写する。
次いで、第2の発光色を発光する有機膜7bを構成する化合物を含む溶液膜2bを版胴3〔図3(b)〕により、下部電極5上の溶液膜2aの隣に間隙をおいて転写する。
さらに、第3の発光色を発光する有機膜7cを構成する化合物を含む溶液膜2cを版胴3〔図3(c)〕により下部電極5上の溶液膜2aと2bの間に間隙をおいて転写する。その結果それぞれの発光色に係る溶液膜2a〜2cが互いに重ならずに配置される。
適宜乾燥工程を施して、発光色毎の有機膜7a〜7cを形成する。具体的には、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の有機膜を形成することにより、フルカラーディスプレイを製造することができる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態に係る有機発光デバイスの製造方法は、単純マトリクス駆動の有機発光デバイスの製造方法であることを特徴とする。それ以外は第1〜第3の実施の形態と同じである。
図4〜図6は本実施の形態の製造方法を説明するための模式図である。図中、41は基板、42は下部電極、43は電極分離層、44a〜44cは有機膜、45は上部電極、46は電子輸送層である。
先ず、基板41上にストライプ状の下部電極42を互いに離間して配置し〔図4(a)〕、隣接する下部電極42間に電極分離層43を形成する〔図4(b)〕。
電極分離層43は下部電極42の離間領域と両隣の下部電極42のそれぞれの一部上面に配置されているが、この構成にすることで、有機膜44a〜44cを下部電極42上に印刷する時、下部電極42との位置合わせずれが生じた時でも上部電極45と下部電極42間でのショートの発生を防止する効果がある。
電極分離層43が配置された状態で、次に、各ストライプ状の下部電極42毎に異なる発光色を発光する有機膜44a〜44cを配置する〔図5(c)〕。有機膜44a〜44cの配置は第1〜第3の実施の形態で説明した方法で行う。本実施形態では44aが赤,44bが緑,44cが青を発光する有機膜とした。図中のA−A’断面図を図6(a)に示す。
次いで、電子輸送層46を全面に設け〔図5(d)〕、最後にストライプ状の上部電極45を電子輸送層46上において下部電極42と交差するように配置する〔図5(d)〕。図5中のB−B’断面図を図6(b)に示す。
尚、不図示であるが、上部電極45と下部電極42とが交差した部分が発光するように電圧印加手段を実装する。
電極分離層43の厚みは下部電極42よりも厚い(より具体的には2倍以上)ことが好ましく、そのような構成にすることで上部電極45と下部電極42とが短絡することを防ぐことができる。
また本実施形態では電極分離層43の上端が下部電極42中心に配置されている有機膜44a〜44cの上端よりも高い構成でも良い。その構成を図7に示す。図7では有機膜44a〜44cの面内方向における端部が電極分離層43の上端を一部覆っているが、下部電極42上の面内方向における中心部における有機膜44a〜44cの上端は電極分離層43の上端よりも低い。
本実施形態では電子輸送層46を設けた構成を示したが、該電子輸送層46は必要に応じて設ければ良く、必要性がなければ特に設けなくても良い。また、図4〜図6に示した以外の層を設けても良い。
(第5の実施の形態)
本実施の形態に係る有機発光デバイスの製造方法は、薄膜トランジスタ(TFT)を配置した基板上に有機発光デバイスを製造することを特徴とする。それ以外は第1〜第4の実施の形態と同じである。TFTは各発光点の発光・非発光を制御するスイッチング素子として用いるものである。
図8(a)は本実施形態の製造方法により作製される有機発光デバイスを模式的に説明するための図であり、1画素(単位デバイス)分を示す断面模式図である。図8(b)に当該有機発光デバイスの平面模式図を、図9に1画素あたりの等価回路を示す。図8,図9中、81はガラス基板、82はソース領域、83はドレイン領域、84はゲート電極、85はドレイン電極、86は有機膜である発光層、87は電子輸送層、88は上部電極である陰極、89は電極分離層、90は下部電極である陽極、91は走査信号ドライバ、92は情報信号ドライバ、93は電圧供給源、101,102はTFT、103は容量、104はEL素子、105はカソード、106は情報信号線、107はゲート選択線、108は電流供給線である。
本発明の有機発光デバイスの製造方法は、図8(a)の発光層86の作製に用いられる。尚、電子輸送層87は必要に応じて設ければよい。電子輸送層87は、例えば、フッ化カリウムや酸化リチウム、カルシウムなどをITO電極の下に薄層で形成したり、先に示した化合物35のBphenにCs2CO3を一定量混入して用いることができる。電極分離層89は、陽極90のエッジを覆うように隣接する陽極90間に設置してある。
電極分離層89の厚みは陽極90よりも厚い(より具体的には2倍以上)ことが好ましく、そのような構成にすることで陰極88と陽極90とが短絡することを防ぐことができる。尚、陰極88が光取り出し側の電極であり、即ち透明電極である。より具体的にはITO電極が用いられる。
(実施例1)
本実施例ではパッシブマトリクス型有機発光デバイスを作製した。
最初にRGBに対応する発光層を形成するために、有機LED材料を含む溶液を調整した。溶液の溶媒には、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いた。RGBに対応する発光層に先に例示した化合物16に示したPVKと発光色を決める発光ドーパントを混入した。RGBに対応するそれぞれの溶媒は、以下の質量比で混合した。PVKは青発光材料なので、青発光層には、発光ドーパントなしでそのまま用いた。
R用発光層溶液
NMP:PVK(化合物16):DCM1(化合物27)=100:4:0.1
G用発光層溶液
NMP:PVK:Ir(4mppy)3(化合物21)=100:4:0.4
B用発光層溶液
NMP:PVK=100:5
別に、図4(b)に示すような、100ラインのストライプ状のITO電極が設けられたガラス基板を用意した。各電極間のピッチは200mm、電極間隙は20mm、電極の膜厚は100nmである。電極分離層はポリイミドで作製し、図4(b)のように配置した。電極分離層の膜厚は200nmであり、図6(a)に示すようにITO電極のエッジを覆うように配置した。電極分離層の線幅は30mmである。
次に凸版パターンを有する版胴を準備し、図1に示した工程を繰り返して、RGB発光層を塗り分けた。具体的には、ガラス製の回転ステージ上に、R用発光層溶液を滴下し、1000回転/分で回転させてR用発光層溶液膜を形成した。別に前記ITO電極のパターンと同じパターン(200mmピッチで間隔20mm)を凸版として持つ版胴を用意した。この版胴上の凸版パターンはデュポン社製サイレルを用いて作製した。上記回転ステージ上のR用発光層溶液膜にこの版胴を回転させながら当接し、この溶液膜を版胴に付着させた。次に、前記のストライプ状のITO電極を有する基板に、入念に位置合わせをした後、先の版胴を当接し、該基板上に前記R用発光層溶液膜を転写した。
これと同じ操作を上記、G用発光層溶液とB用発光層溶液についても繰り返し、図6(a)に示すような下部電極に対応して有機LED層を塗り分けた。この発光層の塗り分け操作終了後、NMPの溶媒を蒸発させるために、210℃、10-2Paで1時間放置した。乾燥後の発光層の膜厚は、70nmであった。
乾燥後の基板を真空蒸着機にセットし、10-4Paの真空チャンバー内で化合物35のBPhenを50nmの厚さで各膜を跨いで全面に蒸着し、その上に、電子注入材料としてフッ化カリウム(KF)を1nmの厚さで蒸着し、その後、アルミニウム電極を120nmの厚さで蒸着した。これで、有機層が2層積層した有機LED素子が基板上に作製された。
各電極に独立に電圧を印加できるように、電極毎に配線し、陰極(アルミ電極)に対して陽極であるITO電極にプラス電圧を印加することで、RGBを任意に発光させることができ、所望のカラー画像を得ることができた。
(実施例2)
図8に示したTFT駆動回路が設置されたTFT基板を用いた以外は、実施例1と同様にして有機発光デバイスを作製した。画素に対応する電極は、実施例1と同様、200mmピッチで、電極間は20mmである。実施例1と同様に、発光層塗り分け工程から電子輸送層Bphenを真空蒸着で50nm積層するところまで行い、さらに、該電子輸送層Bphenの上に、電子注入層として、Bphenと炭酸セシウム(Cs2CO3)を10対1の質量比で共蒸着した。その電子注入層の上に、ITO電極を100nmの厚さでスパッタ法によって製膜してITO電極を陰極として全面に共通電極として用いた。
図8(b)に示すように、走査線・情報線ドライバ91,92と電圧供給源93を実装し、走査線ドライバ91からゲート電圧を印加し、それに同期して所望のソース電圧を印加することにより、各色の有機LED素子に所望の電圧を印加し、カラー画像を形成することができた。
(実施例3)
図2、図4に示す工程によりR,G,B発光層を塗り分けた以外は、実施例1と同様にして有機発光デバイスを作製した。尚、パターン用基板11上の反転パターン12は、デュポン社製サイレルによって形成した。
各電極に独立に電圧を印加できるように、電極毎に配線し、陰極(アルミ電極)に対して陽極であるITO電極にプラス電圧を印加し、所望の電圧を発光層に印加することで、RGBを任意に発光させることができ、所望のカラー画像を得ることができた。
(実施例4)
本実施例では発光層形成前に、ITO基板のITO電極上に下記に示す化合物41のPEDOT/PSSを20nmの厚さで配置する以外は、実施例1と同様にして有機発光デバイスを作製した。上記PEDOT/PSSは水溶液とし販売されているバイエル社製のものを用いることができ、本発明の製造方法によって下部電極上全面に溶液膜を形成することができる。本例では、溶液膜形成後、120℃の真空チャンバー内で乾燥した。その後実施例1と同様にして、発光層を配置した。
Figure 0004878106
実施例1と同様、各電極に独立に電圧を印加できるように、電極毎に配線し、陰極(アルミ電極)に対して陽極であるITO電極にプラス電圧を印加し、発光層に所望の電圧を印加することで、RGBを任意に発光させることができ、所望のカラー画像を得ることができた。
(実施例5)
実施例1のガラス基板をポリエチレンサルファイド基板に変更する以外は実施例1と同様にして有機発光デバイスを作製したところ、RGBを任意に発光させることができ、所望のカラー画像を得ることができた。また本例のデバイスは、基板を多少折り曲げても良好な発光を示した。
本発明の第1の実施形態の工程図である。 本発明の第2の実施形態の工程図である。 本発明の第3の実施形態の工程図である。 本発明の第4の実施形態の工程図である。 本発明の第4の実施形態の工程図である。 本発明の第4の実施形態の工程図である。 図6の部分断面図である。 本発明の第5の実施形態の有機発光デバイスを示す模式図である。 本発明の第5の実施形態の有機発光デバイスの1画素の等価回路である。 本発明の有機発光デバイスの構成例の断面模式図である。
符号の説明
1 回転ステージ
2,2a〜2c 溶液膜
3 版胴
4 凸版パターン
5,42 下部電極
6,41,81 基板
7,7a〜7c,44a〜44c 有機膜
11 パターン用基板
12 反転パターン
43 電極分離層
45 上部電極
46 電子輸送層
81 ガラス基板
82 ソース領域
83 ドレイン領域
84 ゲート電極
85 ドレイン電極
86 発光層
87 電子輸送層
88 陰極
89 電極分離層
90 陽極
91 走査信号ドライバ
92 情報信号ドライバ
93 電圧供給源
101,102 TFT
103 容量
104 EL素子
105 カソード
106 情報信号線
107 ゲート選択線
108 電流供給線
111 陰極
112 電子輸送層
113 発光層
114 ホール輸送層
115 陽極
116 ガラス基板

Claims (9)

  1. 基板上に設けられた複数の下部電極上に所定パターンの有機膜を形成する有機膜の形成工程と、前記有機膜上に上部電極を設ける工程とを有する有機発光デバイスの製造方法において、
    前記複数の下部電極の離間領域と、前記離間領域の両隣の下部電極のそれぞれの上面端部と、を覆う連続膜である電極分離層が配置されており、
    前記有機膜の所定パターンが、複数の前記電極分離層の離間領域と、前記離間領域の両隣の電極分離層のそれぞれの上面端部と、を覆う連続膜のパターンであり、
    前記有機膜の形成工程は、前記有機膜を構成する化合物を含む溶液を回転ステージ上に付与して遠心力を利用して薄膜化し、該溶液の薄膜を、前記所定パターンに対応するパターンで版胴に付着させ、更に該版胴に付着した前記溶液の薄膜を前記下部電極上に転写する工程と、
    転写された前記溶液の薄膜を乾燥することで前記下部電極上の中心部における前記有機膜の上端が前記電極分離層の上端よりも低くなる乾燥工程とを有することを特徴とする有機発光デバイスの製造方法。
  2. 前記所定パターンに対応するパターンでの前記溶液の薄膜の版胴への付着を、前記版胴に前記所定のパターンに対応して形成した凸版パターンを前記溶液の薄膜と接触させることで行うことを特徴とする請求項1に記載の有機発光デバイスの製造方法。
  3. 前記所定パターンに対応するパターンでの前記溶液の薄膜の版胴への付着を、前記溶液の薄膜を版胴に一様に付着させ、該版胴に付着した前記溶液の薄膜を前記所定パターンの反転パターンと接触させて、前記所定のパターンに対応する部分以外の部分を前記反転パターンに付着させて除去することで行うことを特徴とする請求項1に記載の有機発光デバイスの製造方法。
  4. 前記有機膜の形成工程を繰り返すことにより、発光色の異なる有機膜を同一基板上に形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機発光デバイスの製造方法。
  5. 前記発光色の異なる有機膜は、いずれもN−メチル−2−ピロリドンを溶媒として有する前記溶液の薄膜から得られることを特徴とする請求項4に記載の有機発光デバイスの製造方法。
  6. 前記有機膜の膜厚が5〜500nmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の有機発光デバイスの製造方法。
  7. 前記ステージ上に形成された前記溶液の薄膜の膜厚が、1〜500μmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の有機発光デバイスの製造方法。
  8. 前記有機膜を構成する化合物を含む溶液が、100℃以上の沸点を持つ溶媒を少なくとも一種含んでいることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の有機発光デバイスの製造方法。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の有機発光デバイスの製造方法により製造されたことを特徴とする有機発光デバイス。
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