JP4877916B2 - 表示装置用素子基板とその製造方法及び液晶表示装置 - Google Patents

表示装置用素子基板とその製造方法及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は表示装置用素子基板とその製造方法及び液晶表示装置に係り、更に詳しくは、液晶表示装置や有機ELディスプレイに適用できる表示装置用素子基板とその製造方法及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置や有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置は情報機器などへ急速にその用途を拡大している。近年では、プラスチックフィルムを基板として使用するフレキシブルディスプレイが注目されている。そのようなフレキシブルディスプレイは、丸めて収納できて持ち運びに便利な超薄型・軽量のモバイル用ばかりではなく、大型ディスプレイ用としても利用できる。
フレキシブルディスプレイの素子基板の製造方法の一例としては、製造工程におけるプラスチックフィルムの反りや膨張収縮を回避するために、耐熱性で剛性のガラス基板の上に製造条件が制限されることなく透明電極やカラーフィルタ層などを高精度で位置合わせして形成して転写層とした後、この転写層をプラスチックフィルム上に転写・形成する方法がある(特許文献1)。
特開2003−131199号公報 特許第2690404号 特許第2664809号
ところで、表示装置用素子基板の電極などに使用される透明導電層(ITO)は、特にフレキシブルディスプレイでは、曲げ応力がかかった際にクラックが発生して断線するおそれがあり、その対策が必要になる。これに関連する技術としては、特許文献2及び3には、ガラス基板を用いたアクティブマトリクス基板において、ソースバスラインを、画素電極を形成するための透明導電層の上に金属層(Mo)を積層した2層構造とすることにより、ソースバスラインの断線を防止することが記載されている。
しかしながら、フレキシブルディスプレイにおいて、透明導電層からなる電極(配線)の断線を防止する技術は確立しているとはいえず、その技術が切望されている。
本発明は上記した問題点を鑑みて創作されたものであり、プラスチックフィルムを基板に使用する表示装置用素子基板において、透明導電層からなる電極(配線)の断線を防止できる表示装置用素子基板とその製造方法及びそれを使用した液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は液晶表示装置用電極基板に係り、プラスチックフィルムと、前記プラスチックフィルムの上に形成された接着層と、前記接着層の上に形成された保護層と、前記保護層に埋設された電極と、前記保護層に埋設された状態で前記電極の下面側の一端部に選択的に形成された非晶質の無電解金属めっき層よりなる補助配線部とを有し、前記接着層と前記補助配線部との間に前記保護層が介在していることを特徴とする。
本発明の表示装置用素子基板は転写技術によって製造されるものであり、まず、仮基板(ガラスなど)の上に、剥離できる状態で、電極、補助配線部及び保護層を含む転写層が形成される。補助配線部は、無電解めっきを利用して電極の上面の一端部に選択的に形成される。無電解めっきを利用することにより、補助配線部は耐クラック性の高い非晶質の金属めっき層から形成される。
次いで、その転写層が上下反転した状態でプラスチックフィルム上に接着層を介して転写・形成される。これにより、プラスチックフィルム上に接着層、保護層、及び保護層の中に埋設された補助配線部と電極が形成され、補助配線部は電極の下面側の一端部に配置される。
本発明では電極の下面側の一端部に耐クラック性の高い無電解金属めっき層からなる補助配線部を設けたので、電極に応力がかかる際に電極にクラックが発生することが防止され、しかも電極にクラックが発生することがあっても、補助配線部が導通経路となるので電極の断線を回避できる。
本発明の表示装置用素子基板を有機ELディスプレイに適用する場合、電極が陽極として機能し、陽極の上に有機EL層が形成され、その上に陰極が形成される。本発明では、陽極の下面の一端部に補助配線部が設けられるので、陽極の上に補助配線部が形成される場合と違って陽極と有機EL層との電気的な接続に悪影響を及ぼすおそれがなくなり、十分な表示品質を確保することができる。
また、上記課題を解決するため、本発明は表示装置用素子基板の製造方法に係り、仮基板の上に剥離層を形成する工程と、前記剥離層の上に無機絶縁層を形成する工程と、前記無機絶縁層の上に電極を形成する工程と、無電解めっきを利用して、前記電極の上面の一端部に金属めっき層よりなる補助配線部を選択的に形成する工程と、前記電極及び前記補助配線部の上に保護層を形成する工程と、前記保護層の上に接着層によってプラスチックフィルムを接着する工程と、前記仮基板を前記剥離層との界面から剥離することにより、前記プラスチックフィルムの上に、前記接着層を介して、前記保護層、前記補助配線部と前記電極、前記無機絶縁層、及び前記剥離層を転写・形成する工程と、前記剥離層を除去する工程とを有することを特徴とする。
本発明の製造方法を使用することにより、上記した構成の表示装置用素子基板を容易に製造することができる。
電極の上面の一端部に補助配線部を選択的に形成する工程では、電極の上面の一端部に開口部が設けられたレジスト膜を形成し、無電解めっきにより、レジスト膜の開口部内の電極上に金属めっき層を選択的に形成した後に、レジスト膜を除去する。あるいは、無電解めっきにより、電極の上面に金属めっき層を選択的に形成した後に、電極の上面の一端部に補助配線部が残るように、金属めっき層をパターニングしてもよい。
以上説明したように、本発明では、プラスチックフィルムを基板に使用する表示装置用素子基板において、曲げ応力がかかるとしても電極にクラックが発生して断線することが防止され、信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図4は本発明の第1実施形態の表示装置用素子基板の製造方法を示す断面図、図5は同じく表示装置用素子基板を示す断面図である。
第1実施形態の表示装置用素子基板の製造方法は、図1(a)に示すように、まず、仮基板として、表面にシリカコートされた青色のガラス基板20を用意し、その上に剥離層22を形成する。剥離層22の形成方法としては、まず、ピロメリット酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを反応させて生成したポリイミド前駆体ワニス(ジメチルアセトアミド溶液(固形分比10%))にシランカップリング剤KBM−573(0.05wt%(固形分比):信越シリコーン社製)を添加した塗布液を用意する。そして、ガラス基板20の上にその塗布液を塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を乾燥させた後に、ホットプレートを用いて260℃の温度で10分間加熱して脱水閉環することにより、膜厚が4μmのポリイミドよりなる剥離層22を形成する。
次いで、図1(b)に示すように、剥離層22上に無機絶縁層24を形成する。無機絶縁層24としては、ガスの侵入をブロックできるシリコン窒化層(SiNX層)、シリコン酸化層(SiOX層)、又はシリコン酸化窒化層(SiON層)などのバリア層が使用され、CVD法やスパッタ法によって形成される。本実施形態の最適な例としては、無機絶縁層24として膜厚が15nmのSiNX層が使用され、基板温度が180℃のスパッタ法によって形成される。
続いて、図1(c)に示すように、無機絶縁層24上に膜厚が150nmのITO(Indium Tin Oxide)層を成膜した後に、ITO層をフォトリソグラフィ及びエッチングでパターニングすることにより、透明導電層からなる電極26を形成する。電極26は表示信号が供給されるものであり、図1(c)には、液晶表示装置の単純マトリクス駆動用のストライプ状の電極26が例示されている。
電極26を構成するITO層は、耐熱性のガラス基板20上に形成されることから、成膜温度が180℃程度のスパッタ法などを採用することができる。このため、結晶性でかつ低抵抗(シート抵抗値:15Ω/口)のITO層が得られる。
続いて、図2(a)に示すように、電極26及び無機絶縁層24の上にポジ型のレジスト膜25を塗布し、乾燥した後、所要のパターンを有するフォトマスクを介してレジスト膜25を露光した後に現像する。これにより、各電極26上の一端部に開口部25xがそれぞれ設けられたレジスト膜25がパターニングされて形成される。
次いで、図2(b)に示すように、レジスト膜25の開口部25xに露出する電極26上に無電解めっきによって補助配線部として機能するニッケル(Ni)めっき層27a(無電解金属めっき層)を形成する。無電解めっきのプロセスとしては、まず、メルクリーナーITO−170(15g/l:メルテックス社製)を用いて、処理温度:45〜75℃、処理時間:5〜10分の条件で、図2(a)の構造体から露出する電極26の表面を脱脂する。
次いで、コンディショナーとして、メルプレートITOコンディショナー480A(20g/l:メルテックス社製)とメルプレートITOコンディショナー480B(200ml/l:メルテックス社製)との混合液を用意し、処理温度:20〜30℃、処理時間:3〜10分の条件で、その混合液に図2(a)の構造体を浸漬させる。コンディショナー処理を行うことにより、電極26の表面が粗化されてその上に形成される無電解めっき層の密着性を向上させることができる。
続いて、メルプレートアクチベーター7331(30ml/l:メルテックス社製)と水酸化カリウム(1.5ml(0.1mol/l))との混合液(常温)で、図2(a)の構造体を5分間浸漬させた後に水洗する。このアクチベーティング処理により、電極26上にめっき触媒が付与され、無電解めっきの前処理が完了する。
その後に、メルプレートNI−867M1(60ml/l:メルテックス社製)と、メルプレートNI−876M2(120ml/l:メルテックス社製)との混合液からなるめっき液を用意する。そして、めっき液の温度を60〜70℃に保った状態で、前処理が施された図2(b)の構造体をそのめっき液に3〜5分間浸漬する。このとき、レジスト膜25の上にはめっきが施されず、レジスト膜25の開口部25x内の電極26(ITO)上に膜厚が0.16〜0.3μmの非晶質のNiめっき層27aが選択的に形成される。
その後に、図2(c)に示すように、レジスト膜25が除去される。これにより、ストライプ状の各電極26上の一端部に補助配線部27が形成される。図2(c)の平面図に示すように、補助配線部27は電極26と平行なストライプ状となって各電極26の一端部に配置され、例えば電極26の幅W1が260μmの場合は、補助配線部27の幅W2は30μmに設定される。なお、補助配線部27は透明ではないので、その幅W2は液晶表示装置の開口率に悪影響を及ぼさないように適宜調整される。
図3(a)〜(c)には、補助配線部27の他の形成方法が示されている。まず、図3(a)に示すように、図1(c)と同一の構造体を作成した後に、レジスト膜を形成せずに、上記した無電解めっきと同様な方法により、各電極26上の全体にNiめっき層27aを形成する。このとき、無機絶縁層24(SiNX層など)の上にはめっきが施されず、電極26(ITO)上に選択的にNiめっき層27aが形成される。
その後に、図3(b)に示すように、各電極26の一端部にNiめっき層27aがそれぞれ残されるように、各電極26の一端部を除く中央部から他端側にかけて開口部25yが設けられたレジスト膜25aを電極26及び無機絶縁層24の上に形成する。さらに、レジスト膜25aをマスクにして、硝酸を用いるウェットエッチングによりレジスト膜25aの開口部25yのNiめっき層27aを除去する。その後に、レジスト膜25aが除去される。これにより、図3(c)に示すように、図2(c)と同様に、各電極26上の一端部に補助配線部27が形成される。
本実施形態では、無電解めっきを利用して電極26上の一端部に補助配線部27を選択的に形成するようにしたので、スパッタ法などによって全面にNi層を成膜した後にそれをパターニングする方法に比べてパターン同士の電気的なショートの発生を格段に減少させることができ、製造歩留りの向上を図ることができる。
しかも、補助配線部27は、無電解めっきによって得られる耐クラック性の高い非晶質金属から形成されるので、電極26を応力から保護したり、電極26にクラックが生じた場合でも断線を回避できる膜特性を有する。
なお、Niめっき層27aの他に、無電解めっき(銀鏡反応)によって非晶質の銀(Ag)層を形成するなど、各種の金属を無電解めっきによって電極26上に選択的に形成して補助配線部27としてもよい。
続いて、図4(a)に示すように、無機絶縁層24、電極26及び補助配線部27の上に、アクリル樹脂などよりなる膜厚が2〜5μm程度の保護層28を形成する。このとき、電極26及び補助配線部27の段差は保護層28によって平坦化される。さらに、同じく図4(a)に示すように、保護層28上の各電極26のパターン間上に遮光層30BMをパターニングする。続いて、赤色画素部を構成する部分に赤色カラーフィルタ層30Rをパターニングする。次いで、緑色画素部を構成する部分に緑色カラーフィルタ層30Gをパターニングする。その後に、青色画素部を構成する部分に青色カラーフィルタ層30Bをパターニングする。
このようにして、赤色カラーフィルタ層30R、緑色カラーフィルタ層30G、青色カラーフィルタ層30B及び遮光層30BMにより構成されるカラーフィルタ層30が形成される。各色のカラーフィルタ層30R〜30BMは、例えば顔料分散タイプの感光性塗布膜がフォトリソグラフィによりパターニングされて形成される。なお、カラーフィルタ層30を省略した形態としてもよい。
次いで、図4(b)に示すように、図4(a)の構造体の上面に接着層32を介してプラスチックフィルム10を対向させて配置する。プラスチックフィルム10としては、膜厚が100〜200μmのポリエーテルスルホンフィルムやポリカーボネートフィルムなどが好適に使用される。
さらに、熱処理することにより接着層32を硬化させて、図4(a)の構造体上にプラスチックフィルム10を接着する。このとき、カラーフィルタ層30の段差は接着層30により埋め込まれて平坦化される。続いて、同じく図4(b)に示すように、プラスチックフィルム10の一端にロール40を固定し、このロール40を回転させながらガラス基板20を剥離する。このとき、ガラス基板20と剥離層22との界面(図4(b)のA部)に沿って剥離され、ガラス基板20が廃棄される。
これにより、図4(c)に示すように、プラスチックフィルム10上に、下から順に、接着層32、カラーフィルタ層30、保護層28、補助配線部27と電極26、無機絶縁層24、及び剥離層22により構成される転写層Tが転写・形成される。
このように、本実施形態では、耐熱性で剛性のガラス基板20上に所望の各種素子を含む転写層Tを精度よく形成した後に、その転写層Tをプラスチックフィルム10上に転写・形成する手法を採用している。このため、プラスチックフィルム10上に所望の各種素子を高い位置合わせ精度で形成することができる。
次いで、図5に示すように、プラスチックフィルム10上の剥離層22を酸素プラズマやコリン系などのアルカリ溶液を用いてエッチングすることにより除去して無機絶縁層24を露出させる。
以上により、本実施形態の表示装置用素子基板1が製造される。
本実施形態の表示装置用素子基板1では、図5に示すように、プラスチックフィルム10上に接着層32が形成され、その接着層32の中にカラーフィルタ層30が埋設されて形成されている。カラーフィルタ層30の上には保護層28が形成され、保護層28の中に電極26が埋設されて形成されている。さらに、電極26の下面側の一端部には補助配線部27が保護層28に埋設された状態で形成されている。さらに、電極26の上に無機絶縁層24が形成されている。
プラスチックフィルムを基板としたフレキシブルタイプの素子基板では、ITOからなる電極(配線)は結晶質で比較的硬度が高いことから、外部からの機械的な力によって電極に応力がかかる際に電極にクラックが発生して断線するおそれがある。しかしながら、本実施形態の表示装置用素子基板1では、電極26(ITO)の下面の一端部に無電解めっきによって形成された補助配線部27が設けられている。そのような補助配線部27は、非晶質で比較的硬度が低い(柔らかい)膜質で成膜されるため、電極26を応力から保護できると共に、曲げ応力などに追随することができ、それ自身にクラックが発生しにくい。
従って、電極26に応力がかかる際に電極26にクラックが発生することが防止される。しかも、たとえ電極26にクラックが発生することがあっても、補助配線部27が導通経路となるので電極26の断線を回避できる。
さらには、電極26を含む転写体Tをガラス基板20から剥離してプラスチックフィルム10に転写する際に曲げ応力がかかるが、その際にも電極26の断線を防止することができるので、転写技術によって表示装置用素子基板1を歩留りよく製造することができる。
次に、本実施形態の表示装置用素子基板1を用いた液晶表示装置について説明する。図6は本発明の第1実施形態の液晶表示装置を示す断面図である。図6に示すように、図5の表示装置用基板1の無機絶縁層24の上に膜厚が100nm程度の液晶材料を配向させる配向膜34を形成され、この配向膜34の表面がラビング処理される。これにより、液晶表示装置用の第1の表示装置用素子基板1aが構成される。
さらに、同じく図6に示すように、第1の表示装置用素子基板1aの対向基板となる第2の表示装置用素子基板1bが用意される。第2の表示装置用素子基板1bでは、プラスチックフィルム10a上に、接着層32a、保護層28a、補助配線部27x、ストライプ状の電極26a、無機絶縁層24aが形成されている。第2の表示装置用素子基板1bにおいても、電極26aの下面側(プラスチックフィルム10a側)の一端部に補助配線部27xが設けられて、電極26aが補強されている。さらに、無機絶縁層24aの上に液晶材料を配向させるための配向膜34aが形成され、その表面がラビング処理される。
そして、第1の表示装置用素子基板1aと第2の表示装置用素子基板1bとが、それぞれの電極26,26aが直交するように対向して配置され、周縁部に設けられたシール材36によって接着される。2つの表示装置用素子基板1a,1b間には接着性スペーサ(不図示)が配置されており、これによって一定の間隔が保たれる。さらに、第1の表示装置用素子基板1aと第2の表示装置用素子基板1bとの間に液晶層38が封入される。
本実施形態の液晶表示装置2はプラスチックフィルム10,10aを基板として使用するフレキシブルディスプレイであるので、外部からの機械的な力によって液晶表示装置2に曲げ応力がかかる場合がある。前述したしたように、第1、第2の表示装置用素子基板1a,1bの各電極26,26aにはその下面側(プラスチックフィルム10,10a側)の一端部に補助配線部27,27xが設けられている。このため、液晶表示装置2に曲げ応力がかかる際に、電極26にクラックが発生しにくくなり、またクラックが発生するとしても断線を回避することができる。これによって、フレキシブルタイプの液晶表示装置2の信頼性を向上させることができる。
なお、第1の表示装置用素子基板1aにカラーフィルタ層30を設ける代わりに、第2の表示装置用素子基板1bの例えば電極26aと接着層32aとの間にカラーフィルタ層30を設けた形態としてもよい。
(第2の実施の形態)
図7及び図8は本発明の第2実施形態の表示装置用素子基板の製造方法を示す断面図である。第2実施形態では、本発明の表示装置用素子基板を有機ELディスプレイに適用する形態を説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同一工程の説明は省略すると共に、同一要素には同一符号を付してその説明を省略する。
まず、図7(a)に示すように、第1実施形態と同様な方法により、図5と同様の構造体を作成する。第2実施形態では有機ELディスプレイを製造するので、第1実施形態の電極26が陽極26xとなっている。その後に、図7(b)に示すように、最上の無機絶縁層24を除去することにより、陽極26xの上面を露出させる。
次いで、図7(c)に示すように、各陽極26x上に正孔輸送層、白色発光層及び電子輸送層をインクジェット法や印刷などにより順次形成して有機EL層44を得る。次いで、図7(d)に示すように、有機EL層44及び保護層28の上に各陽極26xと直交するようにストライプ状の陰極46形成する。このようにして、有機EL層44が陽極26xと陰極46とによって挟まれた構造を有する有機EL素子50が形成される。
なお、好ましくは、有機EL層44を形成する際に、陽極26x上に開口部が設けられた絶縁層(不図示)が保護層28上に形成されるようにし、その開口部に有機EL層44がインクジェット法などによって自己整合的に形成されるようにする。
また、有機EL層44の発光層として、赤色、緑色及び青色の3色の発光層を使用する場合は、カラーフィルタ層30を形成する必要はない。
その後に、図8に示すように、陰極46上に保護フィルム48を接着する。この保護フィルム48によって外部からの酸化雰囲気や水蒸気による有機EL素子50の劣化が防止される。
以上により、第2実施形態の表示装置用素子基板3(有機ELディスプレイ)が得られる。
本実施形態の表示装置用素子基板3では、有機EL素子50の陽極26xに正の電圧、陰極46に負の電圧を印加することにより、陽極26xから正孔輸送層を介して注入される正孔と、陰極46から電子輸送層を介して注入される電子とが有機EL層44の内部で再結合することにより白色光が放出される。そして、この白色光がカラーフィルタ層30などを透過して外部に放出されてカラー画像が得られる(図8の矢印の方向)。
本実施形態の表示装置用素子基板3では、第1実施形態と同様に、陽極26xの下面の一端部に補助配線部27が設けられているので、陽極26xにクラックが発生することが防止され、また陽極26xにクラックが発生するとしても補助配線部27が導通経路となって断線が回避される。
また、本実施形態では、ガラス基板上の陽極26xの上に形成された補助配線部27が転写技術によって上下反転してプラスチックフィルム10上に形成されるので、最終的には陽極26xの下面に補助配線部27が配置される。
本実施形態と違って、陽極26xの上面の一端部に補助配線部27が配置され、それらの上に有機EL層44が形成される場合、有機EL層44は導電特性が異なる陽極26x(ITO)と補助配線部27(Ni)から正孔が注入されるので、有機EL層44の発光特性に悪影響を及ぼすおそれがある。しかしながら、本実施形態では、補助配線部27は陽極26xの下面側に配置され、有機EL層44は陽極26xの上面全体に接触して配置されるので、有機EL層44の発光特性に悪影響を及ぼすことがなく、表示性能の優れた有機ELディスプレイとすることができる。
図1(a)〜(c)は本発明の第1実施形態の表示装置用素子基板の製造方法を示す断面図(その1)である。 図2(a)〜(c)は本発明の第1実施形態の表示装置用素子基板の製造方法を示す断面図(一部平面図)(その2)である。 図3(a)〜(c)は本発明の第1実施形態の表示装置用素子基板の製造方法を示す断面図(その3)である。 図4(a)〜(c)は本発明の第1実施形態の表示装置用素子基板の製造方法を示す断面図(その4)である。 図5は本発明の第1実施形態の表示装置用素子基板を示す断面図である。 図6は本発明の第1実施形態の液晶表示装置を示す断面図である。 図7(a)〜(d)は本発明の第2実施形態の表示装置用素子基板の製造方法を示す断面図である。 図8は本発明の第2実施形態の表示装置用素子基板(有機ELディスプレイ)を示す断面図である。
符号の説明
1,1a、1b…表示装置用素子基板、2…液晶表示装置、3…表示装置用素子基板(有機ELディスプレイ)、10,10a…プラスチックフィルム、20…ガラス基板、22…剥離層、24…無機絶縁層、25,25a…レジスト膜、25x、25y…開口部、26,26a…電極、26x…陽極、27a…Niめっき層、27…補助配線部、28,28a…保護層、30…カラーフィルタ層、32,32a…接着層、34,34a…配向膜、36…シール材、38…液晶層、40…ロール、44…有機EL層、46…陰極、48…保護フィルム、50…有機EL素子。

Claims (14)

  1. プラスチックフィルムと、
    前記プラスチックフィルムの上に形成された接着層と、
    前記接着層の上に形成された保護層と、
    前記保護層に埋設された電極と、
    前記保護層に埋設された状態で前記電極の下面側の一端部に選択的に形成された非晶質の無電解金属めっき層よりなる補助配線部とを有し、
    前記接着層と前記補助配線部との間に前記保護層が介在していることを特徴とする表示装置用素子基板。
  2. 前記電極の上に形成された無機絶縁層をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置用素子基板。
  3. 前記接着層と前記保護層の間に形成されたカラーフィルタ層をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置用素子基板。
  4. 前記電極は、単純マトリクス駆動用のストライプ状の配線であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置用素子基板。
  5. 前記電極はITOからなり、前記補助配線部はニッケル又は銀からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示装置用素子基板。
  6. 前記電極は陽極であって、
    前記陽極の上に形成された有機EL層と、
    前記有機EL層の上に形成された陰極とをさらに有し、
    前記表示装置用素子基板は有機ELディスプレイに適用されることを特徴とする請求項1、3乃至5のいずれか一項に記載の表示装置用素子基板。
  7. 第1の表示装置用素子基板と、第2の表示装置用素子基板と、それらの間に封入された液晶層とを備えた液晶表示装置であって、
    前記第1の表示装置用素子基板と前記第2の表示装置用素子基板のうち、少なくとも一方が請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示装置用素子基板から構成されていることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 仮基板の上に剥離層を形成する工程と、
    前記剥離層の上に無機絶縁層を形成する工程と、
    前記無機絶縁層の上に電極を形成する工程と、
    無電解めっきを利用して、前記電極の上面の一端部に非晶質の金属めっき層からなる補助配線部を選択的に形成する工程と、
    前記電極及び前記補助配線部の上に保護層を形成する工程と、
    前記保護層の上に接着層によってプラスチックフィルムを接着する工程と、
    前記仮基板を前記剥離層との界面から剥離することにより、前記プラスチックフィルムの上に、前記接着層を介して、前記保護層、前記補助配線部と前記電極、前記無機絶縁層、及び前記剥離層を転写・形成する工程と、
    前記剥離層を除去する工程とを有することを特徴とする表示装置用素子基板の製造方法。
  9. 前記補助配線部を形成する工程は、
    前記電極及び前記無機絶縁層の上に、前記電極の上面の一端部に開口部が設けられたレジスト膜を形成する工程と、
    前記無電解めっきにより、前記レジスト膜の開口部内の前記電極上に前記金属めっき層を選択的に形成する工程と、
    前記レジスト膜を除去する工程とを含むことを特徴とする請求項8に記載の表示装置用素子基板の製造方法。
  10. 前記補助配線部を形成する工程は、
    前記無電解めっきにより、前記電極の上面に前記金属めっき層を選択的に形成する工程と、
    前記電極の上面の一端部に前記補助配線部が残るように、前記金属めっき層をパターニングする工程とを有することを特徴とする請求項8に記載の表示装置用素子基板の製造方法。
  11. 前記保護層を形成する工程の後であって、前記プラスチックフィルムを接着する工程の前に、前記保護層の上にカラーフィルタ層を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に表示装置用素子基板の製造方法。
  12. 前記剥離層を除去した後に、
    前記無機絶縁層を除去することにより、前記電極を露出させて陽極とする工程と、
    前記陽極の上に有機EL層を形成する工程と、
    前記有機EL層の上に陰極を形成する工程とをさらに有することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の表示装置用素子基板の製造方法。
  13. 前記電極は、単純マトリクス駆動用のストライプ状の配線であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一項に記載の表示装置用素子基板の製造方法。
  14. 前記電極はITOからなり、前記金属めっき層はニッケル又は銀からなることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか一項に記載の表示装置用素子基板の製造方法。
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