JP4877012B2 - 工作機械、熱膨張補正用制御プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

工作機械、熱膨張補正用制御プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、工作機械、熱膨張補正用制御プログラム及び記憶媒体に関し、特に主軸ヘッドの熱膨張とY軸駆動系の駆動軸の熱膨張との差を加味してY軸駆動系を補正するように構成したものに関する。
従来、工作機械は、基台と、基台に立設されX軸方向へ移動可能なコラムと、コラムの上部からY軸方向へ延びる主軸ヘッドと、主軸ヘッドの右端部に装備された鉛直姿勢の主軸と、ワークを載置固定しY軸方向へ移動可能なテーブルと、主軸とX,Y,Z軸駆動系の各モータを制御する制御装置などを有し、加工プログラムに設定された位置情報に基づいて、X,Y,Z軸駆動系の駆動軸を介してワークを送り駆動しながらワークに加工を施している。
工作機械を使用する場合、最初にテーブルにおける所定のテーブル基準位置を主軸の軸心に位置合わせしてからワークに機械加工を施す。通常、主軸の軸心とテーブル基準位置との位置合わせは、最初に1度行われるとその後行われることはなく、そのため、ワークに対する所定の加工精度を維持する為に、工作機械周辺の温度が変化しても、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸の軸心までの水平距離と、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端からテーブル基準位置までの水平距離とが常に等しいことが要求される。
ところで、主軸ヘッドとY軸駆動系の駆動軸は同じ鋼材料より構成されているが、主軸ヘッドを構成する鋼材料の線膨張係数と、Y軸駆動系の駆動軸を構成する鋼材料の線膨張係数とが若干異なり、且つY軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸の軸心までの水平距離と、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端からテーブル基準位置までの水平距離が長いため、工作機械周辺の温度の変化により、主軸ヘッドとY軸駆動系の駆動軸において熱膨張量の差が生じる。
例えば、冬にテーブル基準位置を主軸の軸心に位置合わせした場合、冬と夏とでは温度差が大きいため、夏になると主軸ヘッドとY軸駆動系の駆動軸において熱膨張量の差が生じ、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸の軸心までの水平距離と、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端からテーブル基準位置までの水平距離とが異なってしまう。
また、1日においても朝と昼とでは温度差が大きいため、これらの水平距離が異なってしまう。それ故、主軸の軸心がテーブル基準位置からズレてしまうため、この状態でワークに加工を施すとワークの加工精度が低下するという問題がある。
特許文献1には、工場の床部に設置されるベースと、ベース上の前側に設けてワークを支持するテーブルと、ベース上の後側に立設されX軸方向とY軸方向に移動可能なコラムと、コラムの前面側に設けた主軸ヘッドなどを有する工作機械において、主軸ヘッドとテーブルの熱膨張によるY軸方向の変位量を演算し、Y軸方向の変位量を打ち消すようにコラムの移動量を補正している。
特開2006−272538号公報
しかし、特許文献1には、X軸方向へ移動可能なコラムとY軸方向へ移動可能なテーブルとを備えた工作機械において、工作機械の周辺の温度変化が大きい場合に、主軸ヘッドとY軸駆動系の駆動軸における熱膨張量の差を補正することについては、開示されていない。
本発明の目的は、工作機械、熱膨張補正用制御プログラム及び記憶媒体において、主軸ヘッドの熱膨張とY軸駆動系の駆動軸の熱膨張との差を加味してY軸駆動系を補正可能にし、工作機械周辺の温度変化が大きい場合にも、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸の軸心までの水平距離と、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端からテーブル基準位置までの水平距離とを常に等しくしておくことである。
請求項1の工作機械は、コラムに昇降可能に設けられ且つ長さ方向を水平方向へ向けた主軸ヘッドと、この主軸ヘッドに装備された鉛直姿勢の主軸とを有し、加工プログラムに含まれる位置情報に基づいてX,Y,Z軸駆動系を制御しながらワークに加工を施す工作機械において、工作機械の周辺の雰囲気温度を検出する温度検出手段と、入力設定された、主軸ヘッドの線膨張係数αと、主軸ヘッドの長さ方向と平行な駆動方向を有するY軸駆動系の線膨張係数βと、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸までの水平距離Lとを記憶する定数記憶手段と、前記温度検出手段で検出された検出温度と予め設定された標準温度との温度差ΔTと、前記線膨張係数α,βと前記水平距離Lとを用いてY軸補正量ΔyをΔy=L×[(α−β)×ΔT]の演算式で演算する補正量演算手段と、前記補正量演算手段で演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする。
この工作機械では、補正量演算手段により、温度検出手段で検出された検出温度と予め設定された標準温度との温度差ΔTと、入力設定された線膨張係数α,βと、定数記憶手段に記憶した水平距離Lとを用いてY軸補正量ΔyがΔy=L×[(α−β)×ΔT]の演算式で演算される。次に、補正手段により、補正量演算手段で演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系が補正される。
このように、Y軸補正量Δyが演算され、演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系が補正されるので、主軸ヘッドの熱膨張とY軸駆動系の駆動軸の熱膨張との差を加味してY軸駆動系を補正することができる。それ故、工作機械周辺の温度変化が大きい場合にも、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸の軸心までの水平距離と、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端からテーブル基準位置までの水平距離が等しくなる。
請求項2の工作機械は、請求項1の発明において、前記補正量演算手段は、前記温度検出手段で検出された異なる複数の検出温度と予め設定された標準温度との複数の温度差ΔTと、前記線膨張係数α,βと前記水平距離Lとを用いてY軸補正量Δyを前記演算式で演算する為のマップを予め作成するマップ作成手段を有することを特徴とする。
請求項3の工作機械は、請求項1又は2の発明において、前記補正手段は、予め設定された時刻にY軸駆動系の補正を行うことを特徴とする。
請求項4の熱膨張補正用制御プログラムは、複数の加工プログラムを記憶したプログラム記憶手段と、コラムに昇降可能に設けられ且つ長さ方向を水平方向へ向けた主軸ヘッドと、この主軸ヘッドに装備された鉛直姿勢の主軸と、工作機械の周辺の雰囲気温度を検出する温度検出手段とを有し、加工プログラムに含まれる位置情報に基づいてX,Y,Z軸駆動系を制御しながらワークに加工を施す工作機械のコンピュータを、前記温度検出手段で検出された検出温度と予め設定された標準温度との温度差ΔTと、入力設定された主軸ヘッドの線膨張係数αと主軸ヘッドの長さ方向と平行な駆動方向を有するY軸駆動系の線膨張係数βとY軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸までの水平距離Lとを用いてY軸補正量ΔyをΔy=L×[(α−β)×ΔT]の演算式で演算する補正量演算手段と、前記補正量演算手段で演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系を補正する補正手段として機能させることを特徴とする。
この熱膨張補正用制御プログラムにおいては、補正量演算手段により、温度検出手段で検出された検出温度と予め設定された標準温度との温度差ΔTと、入力設定された主軸ヘッドの線膨張係数αと主軸ヘッドの長さ方向と平行な駆動方向を有するY軸駆動系の線膨張係数βとY軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸までの水平距離Lとを用いてY軸補正量ΔyがΔy=L×[(α−β)×ΔT]の演算式で演算され、補正手段により、補正量演算手段で演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系が補正されるように機能する。これにより、請求項1とほぼ同様の作用を奏する。
請求項5の記憶媒体は、請求項4に記載の熱膨張補正用制御プログラムを記憶したことを特徴とする。
記憶媒体として、ROM、CD−ROM、フレキシブルディスクなどが適用可能である。記憶媒体に記憶した熱膨張補正用制御プログラムをコンピュータに実行させることにより、補正量演算手段により、温度検出手段で検出された検出温度と予め設定された標準温度との温度差ΔTと、入力設定された主軸ヘッドの線膨張係数αと主軸ヘッドの長さ方向と平行な駆動方向を有するY軸駆動系の線膨張係数βとY軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸までの水平距離Lとを用いてY軸補正量Δyが前記演算式で演算され、補正手段により、補正量演算手段で演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系が補正されるように機能する。これにより、請求項1又は4とほぼ同様の作用を奏する。
請求項1の発明によれば、温度検出手段と、主軸ヘッドの線膨張係数αとY軸駆動系の線膨張係数βとY軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸までの水平距離Lとを記憶する定数記憶手段と、Y軸補正量ΔyをΔy=L×[(α−β)×ΔT]の演算式で演算する補正量演算手段と、補正量演算手段で演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系を補正する補正手段とを設けたので、温度変化によって生じる主軸ヘッドの熱膨張とY軸駆動系の駆動軸の熱膨張との差を加味してY軸駆動系を補正することができる。
それ故、工作機械周辺の温度変化が大きい場合にも、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸の軸心までの水平距離と、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端からテーブル基準位置までの水平距離が等しくなるので、主軸の軸心がテーブル基準位置からズレることはない。これにより、ワークに対する所定の加工精度を確保することができる。
請求項2の発明によれば、補正量演算手段は、温度検出手段で検出された異なる複数の検出温度と予め設定された標準温度との複数の温度差ΔTと、線膨張係数α,βと前記水平距離Lとを用いてY軸補正量ΔyをΔy=L×[(α−β)×ΔT]の演算式で演算する為のマップを予め作成するマップ作成手段を有するので、検出データに基づいて精密なY軸駆動系の補正を行うことができる。
請求項3の発明によれば、補正手段は、予め設定された時刻にY軸駆動系の補正を行うので、例えば、気温の低い朝にY軸駆動系の補正を行った後、気温の高くなる昼に追加的にY軸駆動系の補正を行うことができ、一層精密なY軸駆動系の補正を行うことができる。
請求項4の発明によれば、Y軸補正量ΔyをΔy=L×[(α−β)×ΔT]の演算式で演算する補正量演算手段と、補正量演算手段で演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系を補正する補正手段として機能させるので、請求項1とほぼ同様の効果を奏する。
請求項5の発明によれば、請求項4に記載の熱膨張補正用制御プログラムを記憶したので、記憶媒体に記憶した熱膨張補正用制御プログラムをコンピュータに実行させることにより、請求項1又は4とほぼ同様の効果を奏する。
本発明の工作機械は、工作機械の周辺の雰囲気温度を検出する温度検出手段と、入力設定された、主軸ヘッドの線膨張係数αと、主軸ヘッドの長さ方向と平行な駆動方向を有するY軸駆動系の線膨張係数βと、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸までの水平距離Lとを記憶する定数記憶手段と、温度検出手段で検出された検出温度と予め設定された標準温度との温度差ΔTと、線膨張係数α,βと水平距離Lとを用いてY軸補正量Δyを演算する補正量演算手段と、補正量演算手段で演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系を補正する補正手段とを設けたものである。
本発明の熱膨張補正用制御プログラムは、工作機械のコンピュータを、温度検出手段で検出された検出温度と予め設定された標準温度との温度差ΔTと、入力設定された主軸ヘッドの線膨張係数αと主軸ヘッドの長さ方向と平行な駆動方向を有するY軸駆動系の線膨張係数βとY軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸までの水平距離Lとを用いてY軸補正量Δyを演算する補正量演算手段と、補正量演算手段で演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系を補正する補正手段として機能させるものである。
また、本発明の記憶媒体は、熱膨張補正用制御プログラムを記憶したものである。
図1、図2に示すように、工作機械1は、基台2と、基台2に立設され紙面と直交方向(X軸方向)へ移動可能なコラム3と、コラム3の上部からY軸方向(右方)へ延びる鋼製の主軸ヘッド4と、主軸ヘッド4の右端部に装備された鉛直姿勢の主軸5と、ワーク10を載置固定する為のテーブル7と、主軸5とX,Y,Z軸駆動系の各モータ30〜33を制御する制御装置23と、工作機械1の周辺の雰囲気温度を検出する温度センサ21(温度検出手段)とを有する。
基台2の内部には、コラム3を紙面と直交方向(X軸方向)へ移動駆動するX軸駆動系と、テーブル7をY軸方向(左右方向)へ移動駆動するY軸駆動系とが設けられている。X軸駆動系はX軸モータ31で駆動され、Y軸駆動系はY軸モータ32で駆動される。
コラム3の内部には、主軸ヘッド4をZ軸方向(上下方向)へ移動駆動するZ軸駆動系が設けられ、このZ軸駆動系はZ軸モータ33で駆動される。コラム3の側部には、工作機械1の周辺の雰囲気温度を検出する温度センサ21が設けられている。主軸5の外周部材には、主軸5と共にその下端に取付けられた工具6を回転駆動させる為の主軸モータ30が設けられている。
次に、Y軸駆動系について説明する。
基台2の内部には、Y軸方向に延びる鋼製のボールネジ軸9(これが駆動軸に相当する)が配設され、ボールネジ軸9の右端にはY軸モータ32が連結されている。テーブル7の下面に固定されたボールネジナット8は、ボールネジ軸9に螺合されており、Y軸モータ32の駆動によりボールネジ軸9が回転し、テーブル7がボールネジナット8と共に図1の左右方向に移動するようになっている。尚、X,Z軸駆動系は、Y軸駆動系とほぼ同様の構成であるので説明を省略する。
テーブル7の上面の図1における左右方向の中央部分には、X軸方向に延びる突き当て冶具11が固定され、この突き当て冶具11の右側面に、ワーク10の左端を突き当てた状態で、ワーク10がテーブル7の上面に固定される。工作機械1を使用する場合、最初にテーブル7上面における中心部であるテーブル基準位置7aを主軸5の軸心に位置合わせしてから、ワーク10に機械加工が開始される。
次に、工作機械1の制御系について説明する。
図2に示すように、制御装置23は、CPU25と、ROM26と、RAM27(これが定数記憶手段に相当する)と、プログラムメモリ28(プログラム記憶手段)と、入力インターフェース24と、出力インターフェース29とを有する。制御装置23の入力インターフェース24には、キーボード20と、温度センサ21と、少なくともテーブル7のY軸方向の実際の移動量等を測定可能なタッチプローブ22が電気的に接続され、制御装置23の出力インターフェース29には、主軸モータ30と、X軸モータ31と、Y軸モータ32と、Z軸モータ33と、液晶ディスプレイ34が電気的に接続されている。尚、出力インターフェース29には、複数の駆動回路も設けられている。
ROM26には、加工プログラムに基づいて工作機械を駆動制御する各種の制御プログラム、液晶ディスプレイ34に各種の表示情報を表示させる表示制御プログラム、図3のフローチャートに示すY軸駆動系補正制御の制御プログラム、図4のフローチャートに示すインクリメンタル補正制御の制御プログラム等が記憶されている。
Y軸駆動系補正制御においては、温度センサ21で検出された検出温度Tと予め設定された標準温度T0との温度差ΔTと、主軸ヘッド4の線膨張係数αとボールネジ軸9の線膨張係数βと水平距離Lとを用いてY軸補正量Δyを演算し、演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系を補正する。インクリメンタル補正制御においては、予め設定された時刻に追加的にY軸駆動系を補正する。
RAM27には、キーボード20から予め入力設定される、主軸ヘッド4の線膨張係数αと、主軸ヘッド4の長さ方向と平行な駆動方向を有するボールネジ軸9の線膨張係数βと、標準温度T0(例えば20℃)と、標準温度T0時におけるボールネジ軸9のコラム3側基端から主軸5の軸心までの水平距離Lとを記憶する。但し、このRAM27は常に2次電池等でバックアップされている。プログラムメモリ28には、各モータ31〜33を駆動制御する為の位置情報や工具情報を含んだ複数の加工プログラムが記憶されている。
キーボード20は種々の指令やデータを制御装置23に入力設定する為のものである。温度センサ21は、工作機械1の周辺の雰囲気温度を検出し、その検出温度Tが制御装置23に入力される。タッチプローブ22は、工作機械に付随的に装備されているものであり、例えば、テーブル7をY軸駆動系を介して所定距離移動させてから、実際の移動量を測定可能なものであり、タッチプローブ22を介して測定された座標データが、移動量測定データとして制御装置23に入力される。
次に、制御装置23により実行されるY軸駆動系補正制御について、図3のフローチャートに基づいて説明する。尚、図中Si(i=1,2・・・)は各ステップを示す。
ワーク10に機械加工を施す前に、Y軸駆動系補正開始の指令の入力によりこの補正制御が開始されると、先ず初期設定が行われる(S1)。次に、RAM27に記憶されている、主軸ヘッド4の線膨張係数αと、Y軸駆動系のボールネジ軸9の線膨張係数βと、ボールネジ軸9のコラム3側基端から主軸5の軸心までの水平距離Lと、温度センサ21より検出温度Tなどの各種情報が読込まれ(S2)、その線膨張係数α,βと、検出温度Tと標準温度T0との温度差ΔTに基づいてY軸補正量Δyがy=[L×(α−β)×ΔT]の演算式により演算され、Y軸補正量ΔyがRAM27に記憶される(S3)。但し、ΔT=(T−T0)である。次に、演算されたY軸補正量ΔyだけY軸モータ32が駆動されて(S4)、この処理を終了する。
次に、制御装置23により実行されるインクリメンタル補正制御について、図4のフローチャートに基づいて説明する。尚、図中Si(i=10,11・・・)は各ステップを示す。
予め設定された時刻になったときインクリメンタル補正制御が開始され、RAM27に記憶されているY軸補正量Δyと、線膨張係数α,βと、水平距離Lと、前回の検出温度Tと、温度センサ21より検出温度T’などの各種情報が読込まれ(S10)、Y軸補正量Δy’がΔy’=[L×(α−β)×ΔT’]の演算式により演算され、Y軸補正量Δy’がRAM27に記憶される(S11)。但し、ΔT’=(T’−T)である。
次に、Y軸補正量Δy''がΔy''=(Δy−Δy’)の演算式により演算され(S12)、演算されたY軸補正量Δy''だけY軸モータ32が駆動されて(S13)、この処理を終了する。尚、補正量演算手段は、図3に示すフローチャートのS3と図4に示すフローチャートのS11,S12と制御装置23により構成され、補正手段は、図3に示すフローチャートのS4と図4に示すフローチャートのS13と制御装置23により構成される。
次に、工作機械1の作用、効果について説明する。
このように、温度センサ21と、主軸ヘッド4の線膨張係数αとY軸駆動系のボールネジ軸9の線膨張係数βとY軸駆動系のボールネジ軸9のコラム3側基端から主軸5の軸心までの水平距離Lとを記憶するRAM27とを設け、Y軸補正量ΔyをΔy=L×[(α−β)×ΔT]の演算式で演算し、演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系を補正するので、温度変化によって生じる主軸ヘッド4の熱膨張とY軸駆動系のボールネジ軸9の熱膨張との差を加味してY軸駆動系を補正することができる。
それ故、工作機械1周辺の温度変化が大きい場合にも、Y軸駆動系のボールネジ軸9のコラム3側基端から主軸5の軸心までの水平距離と、Y軸駆動系のボールネジ軸9のコラム3側基端からテーブル基準位置7aまでの水平距離が等しくなるので、主軸5がテーブル基準位置7aからズレることはない。これにより、ワーク10に対する所定の加工精度を確保することができる。
さらに、予め設定された時刻にY軸駆動系の補正を行うので、例えば、気温の低い朝にY軸駆動系の補正を行った後、気温の高くなる昼に追加的にY軸駆動系の補正を行うことで、一層精密なY軸駆動系の補正を行うことができる。
次に、本発明の実施例2について、図5〜図7に基づいて説明する。但し、前記実施例と同一の構成には同一の符号を付し、異なる構成についてのみ説明する。
この実施例2においては、標準温度T0との複数の温度差ΔTと、線膨張係数α,βと水平距離Lとを用いてY軸補正量ΔyをΔy=L×[(α−β)×ΔT]の演算式で演算する為のマップを作成しておき、このマップを参照してY軸駆動系の補正量を求めるものである。
ROM26には、図5のフローチャートに示すマップ作成制御の制御プログラム、図7のフローチャートに示すY軸駆動系補正制御の制御プログラム等が記憶されている。タッチプローブ22は、テーブル7の移動量を測定する機能に加えて、主軸5の軸心の座標を測定することで、ボールネジ軸9のコラム3側基端から主軸5の軸心までの水平距離を測定可能に構成されている。
次に、制御装置23により実行されるマップ作成制御について、図5のフローチャートに基づいて説明する。尚、図中Si(i=20,21・・・)は各ステップを示す。
マップ作成開始の指令の入力により、このマップ作成制御が開始されると、先ず初期設定が行われ(S20)、加工プログラムに設定されているテーブル基準位置7aへの移動指令に基づいて、テーブル7がY軸モータ32を介してテーブル基準位置7aまで移動駆動される(S21)。温度センサ21から検出温度T1が読込まれ(S22)、このときのボールネジ軸9のコラム3側基端から主軸5の軸心までの水平距離h1と、ボールネジ軸9のコラム3側基端からテーブル基準位置7aまでの水平距離s1がタッチプローブ22により測定され(S23)、この測定データ(h1、s1)がRAM27に記憶される(S24)。
次に、温度センサ21から検出温度T2が読込まれ(S25)、RAM27から読込まれた検出温度T1と検出温度T2との差が演算され、検出温度T1と検出温度T2との差が5℃よりも大きい場合(S26;Yes)、ボールネジ軸9のコラム3側基端から主軸5の軸心までの水平距離h2と、ボールネジ軸9のコラム3側基端からテーブル基準位置7aまでの水平距離s2がタッチプローブ22により測定され(S27)、この測定データ(h2、s2)がRAM27に記憶される(S28)。
これらの測定データよりボールネジ軸9のコラム3側基端から主軸5の軸心までの水平距離と、ボールネジ軸9のコラム3側基端からテーブル基準位置7aまでの水平距離との差が夫々演算され、図6に示すように、検出温度Tと標準温度T0の温度差ΔTと、主軸5の軸心までの水平距離とテーブル基準位置7aまでの水平距離の相関を示すマップが作成されて(S29)、この処理を終了する。但し、検出温度T1と検出温度T2との差が5℃よりも小さい場合は(S26;No)、S25に移行する。
次に、制御装置23により実行されるY軸駆動系補正制御について、図7のフローチャートに基づいて説明する。尚、図中Si(i=30,31・・・)は各ステップを示す。
Y軸駆動系補正開始の指令の入力によりこのY軸駆動系補正制御が開始されると、先ず初期設定が行われる(S30)。次に、RAM27に記憶されているマップと、温度センサ21より検出された気温Tなどの各種情報が読込まれ(S31)、図6に示すマップを参照してΔTにおけるY軸補正量Δyが求められ、Y軸補正量ΔyがRAM27に記憶される(S32)、但し、ΔT=(T−T0)である。次に、求めたY軸補正量ΔyだけY軸モータ32が駆動されて(S33)、この処理を終了する。
尚、マップ作成手段は図5に示すフローチャートのS21〜S29と制御装置23により構成される。このように、検出データに基づいてマップを予め作成し、作成されたマップを参照してY軸駆動系の補正量を求めるので、検出データに基づいて精密なY軸駆動系の補正を行うことができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1]温度センサ21を設ける代わりに、キーボード20から温度を入力しY軸補正量ΔYを演算してもよいし、日ごとの平均温度をRAM27に記憶しておき、Y軸駆動系補正制御を行う当日の日付を入力して、RAM27よりその日の平均温度を読出してY軸補正量ΔYを演算してもよい。この場合、工作機械1のコストを低減しつつワーク10の加工精度を向上させることが可能である。
2]実施例2において、マップを作成する代わりに演算式を求めて、この演算式によりY軸駆動系の補正量を演算してもよい。
3]Y軸駆動系補正制御の制御プログラムとインクリメンタル補正制御の制御プログラムとマップ作成制御の制御プログラムを、ROM26に記憶する代わりに、CD−ROMやフレキシブルディスクなどの外部記憶媒体に記憶してもよい。
本発明の実施例に係る工作機械の概略構成図である。 工作機械の制御系のブロック図である。 Y軸駆動系補正制御のフローチャートである。 インクリメンタル補正制御のフローチャートである。 マップ作成制御のフローチャートである。 検出温度と標準温度の温度差における主軸の軸心までの水平距離とテーブル基準位置までの水平距離の相関を示すマップである。 実施例2におけるY軸駆動系補正制御のフローチャートである。
1工作機械
4主軸ヘッド
5主軸
9ボールネジ軸
10ワーク
21温度センサ
23制御装置
27RAM

Claims (5)

  1. コラムに昇降可能に設けられ且つ長さ方向を水平方向へ向けた主軸ヘッドと、この主軸ヘッドに装備された鉛直姿勢の主軸とを有し、加工プログラムに含まれる位置情報に基づいてX,Y,Z軸駆動系を制御しながらワークに加工を施す工作機械において、
    工作機械の周辺の雰囲気温度を検出する温度検出手段と、
    入力設定された、主軸ヘッドの線膨張係数αと、主軸ヘッドの長さ方向と平行な駆動方向を有するY軸駆動系の線膨張係数βと、Y軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸までの水平距離Lとを記憶する定数記憶手段と、
    前記温度検出手段で検出された検出温度と予め設定された標準温度との温度差ΔTと、前記線膨張係数α,βと前記水平距離Lとを用いてY軸補正量ΔyをΔy=L×[(α−β)×ΔT]の演算式で演算する補正量演算手段と、
    前記補正量演算手段で演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系を補正する補正手段と、
    を備えたことを特徴とする工作機械。
  2. 前記補正量演算手段は、前記温度検出手段で検出された異なる複数の検出温度と予め設定された標準温度との複数の温度差ΔTと、前記線膨張係数α,βと前記水平距離Lとを用いてY軸補正量Δyを前記演算式で演算する為のマップを予め作成するマップ作成手段を有することを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記補正手段は、予め設定された時刻にY軸駆動系の補正を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械。
  4. 複数の加工プログラムを記憶したプログラム記憶手段と、コラムに昇降可能に設けられ且つ長さ方向を水平方向へ向けた主軸ヘッドと、この主軸ヘッドに装備された鉛直姿勢の主軸と、工作機械の周辺の雰囲気温度を検出する温度検出手段とを有し、加工プログラムに含まれる位置情報に基づいてX,Y,Z軸駆動系を制御しながらワークに加工を施す工作機械のコンピュータを、
    前記温度検出手段で検出された検出温度と予め設定された標準温度との温度差ΔTと、入力設定された主軸ヘッドの線膨張係数αと主軸ヘッドの長さ方向と平行な駆動方向を有するY軸駆動系の線膨張係数βとY軸駆動系の駆動軸のコラム側基端から主軸までの水平距離Lとを用いてY軸補正量ΔyをΔy=L×[(α−β)×ΔT]の演算式で演算する補正量演算手段と、
    前記補正量演算手段で演算されたY軸補正量Δyを用いてY軸駆動系を補正する補正手段として機能させることを特徴とする熱膨張補正用制御プログラム。
  5. 請求項4に記載の熱膨張補正用制御プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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