JP2007260871A - 加工装置および加工方法 - Google Patents

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敬広 北村
Koichi Sugiura
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Abstract

【課題】環境温度の変化に関わらず簡便かつ高精度な加工を可能とする加工装置および加工方法を提供する。
【解決手段】加工装置1に、ワーク2を所定姿勢で固定するワーク固定部4と、加工工具10を回転可能に担持する加工工具担持部5と、ワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置を検出するターゲット孔7および光センサ8と、ワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置に基づいてワーク固定部4および加工工具担持部5を移動して相対位置を補正する相対位置補正部14bと、ワーク2の温度を検出するワーク温度センサ9と、ワーク2の温度および予め設定されたワーク2の熱膨張係数に基づいて予め設定されたワーク2の加工条件を補正するワーク加工条件補正部14cと、ワーク2の加工条件に基づいて、加工工具10の回転および、ワーク固定部4および加工工具担持部5の移動を制御する加工動作制御部14dと、を具備した。
【選択図】図1

Description

本発明は、加工装置および加工方法に関する。より詳細には、環境温度の変化に関わらず高い加工精度を達成するための技術に関する。
従来、ワークを所定の姿勢で固定する固定治具と、加工工具を動作(主として回転)可能に担持するとともに固定治具に対して相対移動可能なコラムと、所定のプログラムに従って加工工具の動作およびコラムの移動を行うことによりワークに所定の加工(切削等)を施す加工装置の技術は公知となっている。
このような加工装置を構成する種々の部材および加工の対象物たるワークを構成する材料が異なる場合、それぞれの熱膨張係数も異なるため、加工装置の周囲の温度(環境温度)が変化すると加工精度の低下の要因となる。
よって、従来は加工装置の周囲の環境温度を一定に保持することにより、加工装置の加工精度を確保していた。
しかし、加工装置の周囲の環境温度を一定に保持するためには加工装置が設置される建物等の設備コストが増大し、ひいては加工コストが増大するという問題がある。
そこで、加工装置を構成する部材やワークの温度を検出し、当該温度および加工装置を構成する種々の部材やワークを構成する材料の熱膨張係数に基づいて加工装置を構成する種々の部材やワークの寸法を補正し、当該補正された寸法に基づいてワークに加工を施すことにより加工精度を確保する加工装置も知られている。
例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3に記載の如くである。
特開平4−343642号公報 実開昭57−68735号公報 特開2001−269841号公報
しかし、特許文献1、特許文献2および特許文献3に記載の従来の加工装置の場合、加工装置を構成する部材やワークの温度を検出する位置の数は限られており、加工装置を構成する部材やワークの温度分布を完全に把握し、ひいては加工装置を構成する部材およびワークの正確な寸法を把握することは困難である。
そのため、加工精度を確保するためには結局は作業者が経験に基づいて加工に係るプログラム等を適宜修正する必要があり、作業が煩雑なものとなる。
また、同一の加工装置を複数台設置した場合、加工に係るプログラムの修正は各加工装置に固有のクセも考慮して行う必要があり、作業がさらに煩雑なものとなる。
本発明は以上の如き状況に鑑み、周囲の温度(環境温度)の変化に関わらず簡便かつ高精度な加工を可能とする加工装置および加工方法を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、
ワークを所定姿勢で固定するワーク固定手段と、
加工工具を所定動作可能に担持する加工工具担持手段と、
前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段の相対位置を検出する相対位置検出手段と、
前記相対位置検出手段により検出された前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段の相対位置に基づいて前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段のいずれか一方または両方を移動して相対位置を補正する相対位置補正手段と、
前記ワークの温度を検出するワーク温度検出手段と、
前記ワーク温度検出手段により検出されたワークの温度および予め設定された前記ワークの熱膨張係数に基づいて、予め設定された前記ワークの加工条件を補正するワーク加工条件補正手段と、
前記ワーク加工条件補正手段により補正されたワークの加工条件に基づいて、前記加工工具の動作、および、前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段のいずれか一方または両方の移動を制御し、前記ワークに所定の加工を施す加工動作制御手段と、
を具備するものである。
請求項2においては、
前記ワーク固定手段は、
前記ワークの所定位置に設けられたワーク側係合部と係合する固定側係合部を具備するものである。
請求項3においては、
前記ワーク加工条件補正手段は、
前記ワーク側係合部を基準として前記ワークの加工条件を補正するものである。
請求項4においては、
前記相対位置検出手段は、
前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段のいずれか一方に設けられたターゲットと、
前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段の他方に設けられ、前記ターゲットとの相対位置を検出するターゲット検出センサと、
を具備するものである。
請求項5においては、
前記ワーク固定手段の温度を検出するワーク固定側温度検出手段と、
前記加工工具担持手段の温度を検出する加工工具側温度検出手段と、
を具備し、
前記相対位置補正手段は、
前記ワーク固定側温度検出手段により検出されたワーク固定手段の温度、前記加工工具側温度検出手段により検出された加工工具担持手段の温度、予め設定された前記ワーク固定手段の熱膨張係数および予め設定された前記加工工具担持手段の熱膨張係数に基づいて、前記ターゲットおよび前記ターゲット検出センサの相対位置を補正するものである。
請求項6においては、
ワークを所定姿勢で固定するワーク固定手段と、
加工工具を所定動作可能に担持する加工工具担持手段と、
を具備し、
前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段のいずれか一方または両方が相対移動可能な加工装置を用いた加工方法であって、
前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段の相対位置を検出する相対位置検出工程と、
前記相対位置検出工程において検出された前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段の相対位置に基づいて前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段のいずれか一方または両方を移動して前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段の相対位置を補正する相対位置補正工程と、
前記ワークの温度を検出するワーク温度検出工程と、
前記ワーク温度検出工程において検出されたワークの温度および予め設定された前記ワークの熱膨張係数に基づいて、予め設定された前記ワークの加工条件を補正するワーク加工条件補正工程と、
前記ワーク加工条件補正工程において補正されたワークの加工条件に基づいて、前記加工工具の動作、および、前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段のいずれか一方または両方の移動を行い、前記ワークに所定の加工を施す加工動作制御工程と、
を具備するものである。
請求項7においては、
前記ワーク固定手段は、
前記ワークの所定位置に設けられたワーク側係合部に係合する固定側係合部を具備するものである。
請求項8においては、
前記ワーク加工条件補正工程において、
前記ワーク側係合部を基準として前記ワークの加工条件を補正するものである。
請求項9においては、
前記相対位置検出工程において、
前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段のいずれか一方に設けられたターゲットとの相対位置を、前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段の他方に設けられたターゲット検出センサにより検出するものである。
請求項10においては、
前記相対位置補正工程において、
前記ワーク固定手段の温度、前記加工工具担持手段の温度、前記ワーク固定手段の熱膨張係数および前記加工工具担持手段の熱膨張係数に基づいて、前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段にそれぞれ設けられた前記ターゲットおよび前記ターゲット検出センサの位置を補正するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、環境温度が変化しても高精度な加工を簡便にワークに施すことが可能である。
請求項2においては、ワークの加工精度が向上する。
請求項3においては、ワークの加工精度が向上する。
請求項4においては、ワークの加工精度が向上する。
請求項5においては、ワークの加工精度が向上する。
請求項6においては、環境温度が変化しても高精度な加工を簡便にワークに施すことが可能である。
請求項7においては、ワークの加工精度が向上する。
請求項8においては、ワークの加工精度が向上する。
請求項9においては、ワークの加工精度が向上する。
請求項10においては、ワークの加工精度が向上する。
以下では、図1および図2を用いて本発明に係る加工装置の実施の一形態である加工装置1について説明する。
図1に示す如く、加工装置1はワーク2に所定の加工を施すものであり、主としてベッド3、ワーク固定部4、加工工具担持部5、ターゲット孔7、光センサ8、ワーク温度センサ9、加工工具10、ワーク固定部温度センサ11、加工工具担持部温度センサ12、制御装置13等を具備する。
なお、加工装置1は主として切削、研削、孔開け等の加工を施すものであるが、本発明に係る加工装置はこれに限定されず、研磨、切断、溶接等の種々の加工を施すものに広く適用可能である。
なお、本実施例の加工装置1は加工部分、すなわちワーク2と加工工具10との接触部分に冷却および潤滑のための液体であるクーラントを供給する、いわゆる湿式の加工装置であるが、クーラントを加工部分に供給する機構等については説明を省略する。
図2に示す如く、ワーク2は本発明に係るワークの実施の一形態であり、ハイブリッド車(Hybrid Vehicle)のモータ等を収容するケースを成す部材の一つである。
ワーク2はアルミニウム合金からなり、加工装置1により加工が施されてモータの回転軸等を外部に突出させるための孔や締結用のボルト孔等が形成される。
図1に示す如く、ベッド3は加工装置1の下部構造体を成す部材であり、これにワーク固定部4、加工工具担持部5、制御装置13等が設けられる。
図1に示す如く、ワーク固定部4は本発明に係るワーク固定手段の実施の一形態であり、ワーク2を所定姿勢で固定するものである。
ここで「所定姿勢」とは、ワークの所定の位置がワーク固定手段の所定の位置に当接し、かつワーク固定手段に対するワークの向きが予め定められたものとなった状態を指す。
ワーク固定部4は主としてX軸方向リニアガイド41・41、テーブル42、X軸方向ボールネジ43、X軸モータ44、ワーク固定板45等を具備する。
X軸方向リニアガイド41・41はワーク固定部4の最下部を成す部材であり、ベッド3の上面に設けられる。X軸方向リニアガイド41・41は相互に所定の間隔を空けて配置され、その長手方向は加工装置1のX軸方向に略一致している。
テーブル42はワーク固定部4の主たる構造体を成す部材の一つであり、その下面においてX軸方向リニアガイド41・41に係合する。テーブル42はX軸方向リニアガイド41・41に係合した状態でこれに沿ってX軸方向に摺動可能である。
X軸方向ボールネジ43はその長手方向がX軸方向に略一致し、かつ、X軸方向リニアガイド41・41に挟まれる位置に配置される。X軸方向ボールネジ43の両端はベッド3に回転可能に軸支される。X軸方向ボールネジ43はテーブル42の下面にてテーブル42と螺合している。
X軸モータ44は電動式のモータである。X軸モータ44の本体はベッド3に固定され、X軸モータ44の回転軸はX軸方向ボールネジ43の一端に連結される。
ワーク固定板45はテーブル42の上面に設けられた板状の部材である。ワーク固定板45にはボルト46・46で締結することよりワーク2が固定される。ワーク固定板45におけるワーク2と対向する面の所定の位置には凸部45aが形成されており、ワーク2におけるワーク固定板45に対向する面の所定の位置に形成された凹部2aと係合する。
凹部2aは本発明に係るワーク側係合部の実施の一形態であり、凸部45aは本発明に係る固定側係合部の実施の一形態である。
凸部45aと凹部2aとが係合することにより、ワーク2はワーク固定板45の所定の位置に所定の姿勢で固定される。
X軸モータ44を回転駆動するとX軸方向ボールネジ43が回転し、X軸方向ボールネジ43に螺合しているテーブル42、テーブル42の上面に設けられたワーク固定板45、およびワーク固定板45の所定の位置に所定の姿勢で固定されたワーク2はX軸方向リニアガイド41・41に沿って一体的にX軸方向に摺動(移動)する。
なお、本実施例ではワーク固定板45に形成された凸部45aおよびワーク2に形成された凹部2aを係合し、ボルト46・46で締結することによりワーク2をワーク固定板45の所定の位置に所定の姿勢で固定する構成としたが、本発明に係る加工装置はこれに限定されず、ワークを他の方法でワーク固定手段の所定の位置に所定の姿勢で固定しても良い。
ただし、ワークの温度による熱膨張が加工精度に及ぼす影響に鑑みて、(1)ワーク固定手段とワークとの姿勢を決定する基準部分(本実施例の場合、凸部45aと凹部2aとの係合部分)を一箇所とし、(2)当該基準部分を極力「ワークの略中央部」に配置することが望ましい。しかし、現実には当該基準部分を互いに直交する三つの軸であるX軸、Y軸、Z軸のいずれの方向においてもワークの略中央となる位置に配置することは困難であるため、少なくとも二軸方向において略中央となる位置に配置することが望ましい。
本実施例の場合、凸部45aと凹部2aとの係合部分は、X軸方向およびZ軸方向(図1の紙面に垂直な方向)において略中央となる位置に配置される。
図1に示す如く、加工工具担持部5は本発明に係る加工工具担持手段の実施の一形態であり、加工工具10を回転可能に担持するものである。
ここで、「加工工具を動作可能に担持する」とは加工工具を動作可能かつ着脱可能に保持することを指し、加工装置が複数の異なる加工工具を順次着脱してワークに種々の加工を施すことを想定している。なお、加工装置が一つの加工工具のみを用いて加工する場合には、加工工具を動作可能かつ着脱不能に保持しても良い。
加工工具10は本発明に係る加工工具の実施の一形態であり、回転しつつワーク2に接触することによりワーク2を切削するためのバイトである。
なお、本発明に係る加工工具は本実施例の加工工具10に限定されず、他の加工(研削、孔空け等)を施すための加工工具でも良い。また、本実施例の加工装置は加工工具を回転させる構成としたが、本発明に係る加工装置はこれに限定されず、加工工具に回転以外の他の動作を付与する構成であっても良い。
加工工具担持部5は、主としてY軸方向リニアガイド51・51、コラム52、Y軸方向ボールネジ53、Y軸モータ54、Z軸方向リニアガイド55・55、スピンドルヘッド56、Z軸方向ボールネジ57、Z軸モータ58、スピンドルモータ59、スピンドル60等を具備する。
Y軸方向リニアガイド51・51は加工工具担持部5の最下部を成す部材であり、ベッド3の上面に設けられる。Y軸方向リニアガイド51・51は相互に所定の間隔を空けて配置され、その長手方向は加工装置1のY軸方向に略一致している。
コラム52は加工工具担持部5の主たる構造体を成す部材の一つであり、その下面においてY軸方向リニアガイド51・51に係合する。コラム52はY軸方向リニアガイド51・51に係合した状態でこれに沿ってY軸方向に摺動可能である。
Y軸方向ボールネジ53はその長手方向がY軸方向に略一致し、かつ、Y軸方向リニアガイド51・51に挟まれる位置に配置される。Y軸方向ボールネジ53の両端はベッド3に回転可能に軸支される。Y軸方向ボールネジ53はコラム52の下面にてコラム52と螺合している。
Y軸モータ54は電動式のモータである。Y軸モータ54の本体はベッド3に固定され、Y軸モータ54の回転軸はY軸方向ボールネジ53の一端に連結される。
Z軸方向リニアガイド55・55はコラム52のワーク固定部4に対向する側面に設けられる。Z軸方向リニアガイド55・55は相互に所定の間隔を空けて配置され、その長手方向は加工装置1のZ軸方向に略一致している。
スピンドルヘッド56は加工工具担持部5の構造体を成す部材の一つであり、その一側面においてZ軸方向リニアガイド55・55に係合する。スピンドルヘッド56はZ軸方向リニアガイド55・55に係合した状態でこれに沿ってZ軸方向に摺動可能である。
Z軸方向ボールネジ57はその長手方向がZ軸方向に略一致し、かつ、Z軸方向リニアガイド55・55に挟まれる位置に配置される。Z軸方向ボールネジ57の両端はコラム52のワーク固定部4に対向する側面に回転可能に軸支される。Z軸方向ボールネジ57はスピンドルヘッド56と螺合している。
Z軸モータ58は電動式のモータである。Z軸モータ58の本体はコラム52に固定され、Z軸モータ58の回転軸はZ軸方向ボールネジ57の一端に連結される。
スピンドルモータ59は電動式のモータである。スピンドルモータ59の本体はスピンドルヘッド56に固定され、スピンドルモータ59の回転軸はスピンドル60に連結される。
スピンドル60はスピンドルヘッド56に回転可能に軸支された略円柱形状の部材である。スピンドル60の一端にはスピンドルモータ59の回転軸が連結され、スピンドル60の他端には加工工具10が着脱可能に担持される。
Y軸モータ54を回転駆動するとY軸方向ボールネジ53が回転し、Y軸方向ボールネジ53に螺合しているコラム52はY軸方向リニアガイド51・51に沿ってY軸方向に摺動(移動)する。
Z軸モータ58を回転駆動するとZ軸方向ボールネジ57が回転し、Z軸方向ボールネジ57に螺合しているスピンドルヘッド56はZ軸方向リニアガイド55・55に沿ってZ軸方向に摺動(移動)する。
スピンドルモータ59を回転駆動するとスピンドル60および加工工具10が一体的に回転する。
図1に示す如く、ターゲット孔7および光センサ8は本発明に係る相対位置検出手段の実施の一形態であり、ワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置を検出するものである。
ターゲット孔7は本発明に係るターゲットの実施の一形態であり、ワーク固定板45に形成された断面が円形の孔である。ターゲット孔7はワーク固定板45の一方の面(加工工具担持部5に対向する面)から他方の面に貫通している。
光センサ8は本発明に係るターゲット検出手段の実施の一形態であり、加工工具担持部5のスピンドルヘッド56に設けられ、ターゲット孔7との相対位置を検出するものである。光センサ8は反射式の光学センサであり、一定方向(本実施例の場合、Y軸方向)に向かって赤外光(レーザ)を照射する投光部と、反射光を検出する受光部を具備する。
光センサ8の投光部が照射した赤外光がターゲット孔7を通過する場合には光センサ8の受光部により反射光が検出されず、光センサ8の投光部が照射した赤外光がターゲット孔7を通過せずワーク固定板45の板面に照射される場合にはワーク固定板45の板面にて反射された赤外光が受光部により検出される。
従って、光センサ8は、反射光の検出強度により、光センサ8から見てY軸方向の所定の位置にターゲット孔7が配置されているか否かを検出することが可能であり、ひいてはワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置(X座標およびZ座標)を検出することが可能である。
なお、本発明に係る相対位置検出手段は本実施例の如き孔と光センサの組み合わせに限定されず、他の構成でも良い。例えば、相対位置検出手段を、ワーク固定手段に貼り付けられて周囲と区別可能な模様または色彩が施されたシールと、加工工具担持手段に設けられて当該シールを撮像するカメラと、当該カメラによる撮像画像を解析することによりワーク固定手段および加工工具担持手段の相対位置を算出する算出部と、を具備する構成とすることができる。
また、本発明に係る相対位置検出手段は本実施例の如き非接触式のセンサに限らず、接触式のセンサでも良いが、この場合はセンサに接触する部材等の熱膨張等を考慮して別途ワーク固定手段および加工工具担持手段の相対位置を補正する必要がある。
従って、加工精度の向上の観点からは、相対位置検出手段として光学式のセンサ(光センサ)等の非接触式のセンサを用いることが望ましい。
さらに、本実施例のターゲット孔7および光センサ8によるワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置の検出は、X軸方向およびZ軸方向についてのものであり、Y軸方向(ワーク固定部4および加工工具担持部5の距離)については行っていないが、これは加工装置1による加工が主としてY軸方向の孔開けであるため、Y軸方向の相対位置についてはワーク2の加工精度に重大な影響を与えるものでないことによる。
従って、本発明に係る加工装置の加工内容によっては、相対位置検出手段がワーク固定部手段および加工工具担持手段の相対位置の検出を三軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の全てについて行う必要がある。
さらにまた、本実施例ではワーク固定部4にターゲット孔7、加工工具担持部5に光センサ8をそれぞれ設ける構成としたが、本発明に係る加工装置はこれに限定されず、ワーク固定手段にターゲット検出センサ、加工工具担持手段にターゲットを設ける構成としても良い。
図1に示す如く、ワーク温度センサ9は本発明に係るワーク温度検出手段の実施の一形態であり、ワーク2の温度を検出するものである。ワーク温度センサ9はワーク固定板45においてワーク2と対向する面に形成された凹みに設けられ、ワーク固定板45に所定の姿勢で固定された状態のワーク2に接触することによりワーク2の温度を検出する。ワーク温度センサ9は、例えば熱電対やサーミスタ等の接触式の温度センサにより達成することができる。
なお、本発明に係るワーク温度検出手段はワークに接触するものに限らず、例えば放射温度計等、非接触でワークの温度を検出するものでも良い。
また、ワーク温度検出手段を設ける位置については本実施例に限定されず、ワークの温度を検出可能な位置であれば他の位置でも良い。
さらに、ワーク温度検出手段は一個に限定されず、複数個設けても良い。
図1に示す如く、ワーク固定部温度センサ11は本発明に係るワーク固定側温度検出手段の実施の一形態であり、ワーク固定部4の温度を検出するものである。ワーク固定部温度センサ11はワーク固定板45に設けられ、ワーク固定板45に接触することによりワーク固定部4の温度を検出する。ワーク固定部温度センサ11は、例えば熱電対やサーミスタ等の接触式の温度センサにより達成することができる。
なお、本発明に係るワーク固定側温度検出手段はワーク固定手段に接触するものに限らず、例えば放射温度計等、非接触でワーク固定手段の温度を検出するものでも良い。
また、ワーク固定側温度検出手段を設ける位置については本実施例に限定されず、ワーク固定手段の温度を検出可能な位置であれば他の位置でも良い。
さらに、ワーク固定側温度検出手段は一個に限定されず、複数個設けても良い。
図1に示す如く、加工工具担持部温度センサ12は本発明に係る加工工具側温度検出手段の実施の一形態であり、加工工具担持部5の温度を検出するものである。加工工具担持部温度センサ12はスピンドルヘッド56に設けられ、スピンドルヘッド56に接触することにより加工工具担持部5の温度を検出する。加工工具担持部温度センサ12は、例えば熱電対やサーミスタ等の接触式の温度センサにより達成することができる。
なお、本発明に係る加工工具側温度検出手段は加工工具担持手段に接触するものに限らず、例えば放射温度計等、非接触で加工工具担持手段の温度を検出するものでも良い。
また、加工工具側温度検出手段を設ける位置については本実施例に限定されず、加工工具担持手段の温度を検出可能な位置であれば他の位置でも良い。
さらに、加工工具側温度検出手段は一個に限定されず、複数個設けても良い。
制御装置13は主として制御部14、入力部15、表示部16等を具備する。
制御部14は加工装置1の一連の動作を制御するものである。
制御部14は、後述する相対位置補正プログラム、ワーク加工条件補正プログラム、加工動作制御プログラム等を格納する格納手段、これらのプログラム等を展開する展開手段、これらのプログラム等に従って所定の演算を行う演算手段、演算結果やワーク2の加工条件に係るデータ等を記憶するする記憶手段等を具備する。
制御部14は、CPU、ROM、RAM、HDD等をバスで接続することにより上記格納手段、展開手段、演算手段、記憶手段等を達成するものであっても良く、あるいはワンチップのLSI等により上記格納手段、展開手段、演算手段、記憶手段等を達成するものであっても良い。
本実施例の制御部14は専用品であるが、市販のパーソナルコンピュータやワークステーション等に上記プログラム群を格納したもので達成することも可能である。
制御部14はX軸モータ44、Y軸モータ54、Z軸モータ58、スピンドルモータ59等に接続され、これらを動作させるための信号を送信することが可能である。
また、制御部14は光センサ8、ワーク温度センサ9、ワーク固定部温度センサ11、加工工具担持部温度センサ12等に接続され、ワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置、ワーク2の温度、ワーク固定部4の温度、加工工具担持部5の温度に係る情報等を受信(取得)することが可能である。
入力部15は制御部14に接続され、制御部14に加工装置1の動作に係る種々の情報・指示等を入力するものである。
本実施例の入力部15は専用品であるが、市販のキーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、スイッチ等を用いても同様の効果を達成することが可能である。
表示部16は加工装置1の動作状況、入力部15から制御部14への入力内容、加工装置1による加工の結果等を表示するものである。
本実施例の表示部16は専用品であるが、市販のモニターや液晶ディスプレイ等を用いても同様の効果を達成することが可能である。
また、市販のタッチパネル等を用いて入力部15としての機能と表示部16としての機能を一体化したものを達成することが可能である。
以下では、制御部14の詳細構成について説明する。
制御部14は主として記憶部14a、相対位置補正部14b、ワーク加工条件補正部14c、加工動作制御部14d等を具備する。
記憶部14aは予め設定されたワーク2の加工条件に係るデータを記憶するものである。
実体的には、制御部14が記憶手段に当該データを記憶することにより、記憶部14aとしての機能を果たす。ワーク2の加工条件に係るデータの詳細については後述する。
また、記憶部14aには、予め設定されたワーク2を構成する材料(本実施例の場合、アルミニウム合金)の熱膨張係数、ワーク固定部4を構成する材料(通常は機械構造用鋼)の熱膨張係数、加工工具担持部5を構成する材料(通常は機械構造用鋼)の熱膨張係数に係るデータが記憶される。
相対位置補正部14bは本発明に係る相対位置補正手段の実施の一形態であり、ターゲット孔7および光センサ8により検出されたワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置に基づいて、ワーク固定部4および加工工具担持部5を移動してこれらの相対位置の関係を「初期相対位置」とするものである。「初期相対位置」については後述する。
実体的には、制御部14が格納手段に格納された相対位置補正プログラムに従って所定の演算を行うことにより、相対位置補正部14bとしての機能を果たす。相対位置補正プログラムの詳細については後述する。
ワーク加工条件補正部14cは本発明に係るワーク加工条件補正手段の実施の一形態であり、ワーク温度センサ9により検出されたワーク2の温度および記憶部14aに記憶されたワーク2の熱膨張係数に基づいて、記憶部14aに記憶されたワーク2の加工条件を補正するものである。
実体的には、制御部14が格納手段に格納されたワーク加工条件補正プログラムに従って所定の演算を行うことにより、ワーク加工条件補正部14cとしての機能を果たす。ワーク加工条件補正プログラムの詳細については後述する。
加工動作制御部14dは本発明に係る加工動作制御手段の実施の一形態であり、ワーク加工条件補正部14cにより補正されたワーク2の加工条件に基づいて、加工工具10の動作(回転)、ワーク固定部4および加工工具担持部5の移動を制御し、ワーク2に所定の加工を施すものである。
実体的には、制御部14が格納手段に格納された加工動作制御プログラムに従って所定の演算を行うことにより、加工動作制御部14dとしての機能を果たす。加工動作制御プログラムの詳細については後述する。
以下では、図3、図4および図5を用いて本発明に係る加工方法の実施の一形態について説明する。
図3に示す本発明に係る加工方法の実施の一形態は加工装置1を用いてワーク2に所定の加工を施す方法であり、主としてワーク固定工程S1000、相対位置検出工程S2000、相対位置補正工程S3000、ワーク温度検出工程S4000、ワーク加工条件補正工程S5000、加工動作制御工程S6000等を具備する。
ワーク固定工程S1000はワーク2をワーク固定部4に固定する工程である。
ワーク固定工程S1000において、ボルト46・46で締結することよりワーク2はワーク固定板45に固定される。このとき、ワーク固定板45に形成された凸部45aがワーク2に形成された凹部2aに係合し、ワーク2はワーク固定板45の所定位置に所定姿勢で固定される。
ワーク固定工程S1000が終了したら、相対位置検出工程S2000に移行する。
相対位置検出工程S2000はワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置を検出する工程である。
相対位置検出工程S2000において、光センサ8は赤外光を照射し、ターゲット孔7との相対位置に係る情報(本実施例の場合、光センサ8に対するターゲット孔7のX軸方向およびZ軸方向のずれ)を検出する。
相対位置補正工程S3000は光センサ8により検出されたワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置に係る情報に基づいて、ワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置を補正し、ワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置の関係を「初期相対位置」とする工程である。
本実施例の場合、相対位置検出工程S2000におけるワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置の検出と、相対位置補正工程S3000におけるワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置の補正とは相互に連動して行われる。
相対位置補正部14bは、相対位置補正プログラムに従って、以下の作業を行う。
まず、相対位置補正部14bは、光センサ8により赤外光を照射しつつX軸モータ44を駆動してワーク固定板45をX軸方向に移動させ、光センサ8により受光される反射光の強度を検出する。図4に示す如く、ワーク固定板45の面上のターゲット孔7をX軸方向に横切る走査線21に沿って光センサ8により赤外光(赤外レーザ)が照射された場合、光センサ8により受光される反射光の強度が低下した位置21aのX座標と、反射光の強度が再び上昇した位置21bのX座標との平均値は、ターゲット孔7の中心23のX座標と一致する。
同様にして、相対位置補正部14bは、光センサ8により赤外光を照射しつつZ軸モータ58を駆動してスピンドルヘッド56をZ軸方向に移動させ、光センサ8により受光される反射光の強度を検出する。図4に示す如く、ワーク固定板45の面上のターゲット孔7をZ軸方向に横切る走査線22に沿って光センサ8により赤外光(赤外レーザ)が照射された場合、光センサ8により受光される反射光の強度が低下した位置22aのZ座標と、反射光の強度が再び上昇した位置22bのZ座標との平均値は、ターゲット孔7の中心23のZ座標と一致する。
このようにして、相対位置補正部14bは光センサ8により受光される反射光の強度に基づいてターゲット孔7の中心23のX座標およびZ座標を算出し、ターゲット孔7の中心23のX座標およびZ座標に基づいてX軸モータ44およびZ軸モータ58を駆動し、光センサ8がターゲット孔7に正対する位置(より厳密には、光センサ8の光軸がターゲット孔7の中心23を通過する位置)にワーク固定板45およびスピンドルヘッド56を相対移動する。
次に、相対位置補正部14bは、ワーク固定部温度センサ11により検出されたワーク固定部4(より厳密には、ワーク固定板45)の温度、加工工具担持部温度センサ12により検出された加工工具担持部5(より厳密には、スピンドルヘッド56)の温度、記憶部14aに記憶されたワーク固定部4を構成する材料の熱膨張係数、および記憶部14aに記憶された加工工具担持部5を構成する材料の熱膨張係数に基づいて、ターゲット孔7および光センサ8の相対位置を補正し、加工工具担持部5に担持された加工工具10をワーク固定板45に形成された凸部45aに正対させる。
以下、ターゲット孔7および光センサ8の相対位置を補正し、加工工具担持部5に担持された加工工具10をワーク固定板45に形成された凸部45aに正対させる方法を説明する。
図5に示す如く、加工工具10の回転軸(スピンドル60の中心軸)上の点を加工工具担持部側基準位置24、光センサ8の位置を光センサ位置25、ターゲット孔7の位置をターゲット孔位置26、ワーク固定板45に形成された凸部45aの位置をワーク固定側基準位置27として、加工工具担持部側基準位置24を原点とする加工装置1のX軸、Y軸およびZ軸に並行な三次元座標系を用いて説明する。
なお、以下の説明の便宜上、加工工具担持部側基準位置24と光センサ位置25のZ座標が同じであるとし、ターゲット孔位置26とワーク固定側基準位置27のZ座標が同じであるとする。
加工装置1は、加工装置1を構成する各部の温度が全て室温(20℃)である場合に、光センサ8がターゲット孔7に正対する(光センサ8の光軸がターゲット孔7の中心23を通過する)と、加工工具10がワーク固定板45に形成された凸部45aに正対する(加工工具10の回転軸と凸部45aとが一直線上に配置される)ように各部の寸法が定められている。
すなわち、加工工具担持部5(スピンドルヘッド56)の温度が20℃のときの加工工具担持部側基準位置24から光センサ位置25までの距離と、ワーク固定部4(ワーク固定板45)の温度が20℃のときのワーク固定側基準位置27からターゲット孔位置26までの距離とは等しく(=R0)、かつ、Z軸方向からみた加工工具担持部側基準位置24に対する光センサ位置25の位相と、ワーク固定側基準位置27に対するターゲット孔位置26の位相が等しい(=θ)。
従って、加工工具担持部5(スピンドルヘッド56)を構成する材料の熱膨張係数をε1、加工工具担持部5(スピンドルヘッド56)の温度をT1とすると、加工工具担持部5(スピンドルヘッド56)の温度がT1のときの加工工具担持部側基準位置24から光センサ位置25までの距離R1は、R1=R0×(1+ε1×ΔT1)で表される。
ここで、T0は室温、ΔT1はT1とT0の差(=T1−T0)である。
また、ワーク固定部4(ワーク固定板45)の熱膨張係数をε3、ワーク固定部4(ワーク固定板45)の温度をT3とすると、ワーク固定部4(ワーク固定板45)の温度がT3のときのワーク固定側基準位置27からターゲット孔位置26までの距離R3は、R3=R0×(1+ε3×ΔT3)で表される。
ここで、T0は室温、ΔT3はT3とT0の差(=T3−T0)である。
光センサ位置25からターゲット孔位置26までの距離をR2、加工工具担持部側基準位置24の座標を(0,0,0)とし、光センサ8がターゲット孔7に正対するとき、光センサ位置25の座標は(R1×cosθ,0,R1×sinθ)で表され、ターゲット孔位置26の座標は(R1×cosθ,R2,R1×sinθ)で表され、ワーク固定側基準位置27の座標は((R1−R3)×cosθ,R2,(R1−R3)×sinθ)で表される。
なお、加工工具担持部5(スピンドルヘッド56)およびワーク固定部4(ワーク固定板45)の温度が変化したとき、これらはいずれも等方的に熱膨張および熱収縮する(相似形を保持しつつ熱膨張および熱収縮し、θが変化しない)ことが予め実験により確認されている。
相対位置補正部14bは、加工工具担持部温度センサ12により検出された加工工具担持部5(スピンドルヘッド56)の温度T1、ワーク固定部温度センサ11により検出されたワーク固定部4(ワーク固定板45)の温度T3、記憶部14aに記憶されている加工工具担持部5(スピンドルヘッド56)を構成する材料の熱膨張係数ε1、記憶部14aに記憶されているワーク固定部4(ワーク固定板45)を構成する材料の熱膨張係数ε3、に基づいて、ワーク固定側基準位置27のX座標(=(R1−R3)×cosθ)およびZ座標(=(R1−R3)×sinθ)を算出する。
そして、相対位置補正部14bは、X軸モータ44を駆動してワーク固定板45(テーブル42)をX軸方向に−{(R1−R3)×cosθ}だけ移動させ、Z軸モータ58を駆動してスピンドルヘッド56をZ軸方向に−{(R1−R3)×sinθ}だけ移動させることにより、加工工具担持部5に担持された加工工具10をワーク固定板45に形成された凸部45a、ひいてはワーク2の凹部2aに正対させる。
このようにして、相対位置補正部14bは、加工工具担持部5(スピンドルヘッド56)およびワーク固定部4(ワーク固定板45)の温度に関わらず、加工工具担持部5に担持された加工工具10がワーク固定板45に形成された凸部45a、ひいてはワーク2の凹部2aに正対する位置関係を「初期相対位置」とする。
なお、本実施例では光センサ8およびターゲット孔7がそれぞれ加工工具10の回転軸および凸部45aからX軸方向およびZ軸方向にオフセットした位置に配置されている。
そのため、相対位置補正工程S3000において、光センサ8とターゲット孔7とを正対させる補正である「第一の補正」を行った後、さらに、光センサ8およびターゲット孔7がオフセットした位置に配置されることにより発生する相対位置のずれを熱膨張係数(ε1、ε3)および加工工具担持部5およびワーク固定部4の温度(T1、T3)に基づいて補正する「第二の補正」を行い、「初期相対位置」の補正を行っている。
これは、ワーク2の形状および加工工具10の動作(回転)の関係上、光センサ8を加工工具10の回転軸に対してY軸方向に一直線となる位置に配置し、ターゲット孔7を凸部45aに対してY軸方向に一直線となる位置に配置することができないことによる。
従って、加工装置にて加工が施されるワークの形状および加工工具の動作内容によってはターゲットおよびターゲット検出センサをそれぞれ加工工具およびワーク固定部の固定側係合部(ひいてはワークのワーク側係合部)に一直線となる位置に配置することが可能であり、「第一の補正」を省略して初期相対位置の補正の精度をさらに向上することが可能である。
また、本実施例では光センサ8をターゲット孔7に正対させる「第一の補正」をする過程でワーク固定部4と加工工具担持部5の補正前の相対位置が明らかとなるため、実質的には相対位置検出工程S2000と相対位置補正工程S3000とが一部オーバーラップする形となるが、本発明に係る加工方法はこれに限定されず、例えば相対位置検出手段が、シールや孔等のターゲットと、当該ターゲットを撮像するカメラ等の撮像手段と、を具備する構成である場合には、相対位置検出工程が終了した後、相対位置補正手段に移行することが可能である。
相対位置補正工程S3000が終了したら、ワーク温度検出工程S4000に移行する。
ワーク温度検出工程S4000はワーク2の温度を検出する工程である。
ワーク温度検出工程S4000において、ワーク温度センサ9はワーク2の温度を検出する。
ワーク温度検出工程S4000が終了したら、ワーク加工条件補正工程S5000に移行する。
ワーク加工条件補正工程S5000はワーク温度検出工程S4000において検出されたワーク2の温度Tw、および、予め設定されて記憶部14aに記憶されたワーク2の熱膨張係数εwに基づいて、予め設定されて記憶部14aに記憶されたワーク2の加工条件を補正する工程である。
ワーク加工条件補正工程S5000において、ワーク加工条件補正部14cは、ワーク加工条件補正プログラムに従って、記憶部14aに記憶されたワーク2の加工条件に係るデータにワーク温度検出工程S4000において検出されたワーク2の温度Twと室温T0(=20℃)との差ΔTw、および記憶部14aに記憶されたワーク2の熱膨張係数εwを代入することにより、ワーク2の加工条件を補正する。
ワーク2の加工条件に係るデータは、ワーク2の凹部2aを基準とする。すなわち、ワーク2の加工条件に係るデータはワーク2の凹部2aの位置を原点とし、加工装置1のX軸、Y軸、Z軸に一致する三次元座標系でワーク2に施す加工内容(例えば、ワーク2に開ける孔の位置、大きさ、深さ、ワーク2に施す複数の加工の順序等)を表す。ワーク2の加工条件に係るデータはΔTwおよびεwの関数で表される。
例えば、図2に示すワーク2に設けられる孔2bの中心28のX座標は、Tw=T0=20℃のときの凹部2aから中心28までのY軸方向から見た距離Rwを用いてRw×(1+εw×ΔTw)×cosφと表され、中心28のZ座標はRw×(1+εw×ΔTw)×sinφと表される。
なお、ワーク2の温度Twが変化したとき、ワーク2は等方的に熱膨張および熱収縮する(相似形を保持しつつ熱膨張および熱収縮する)ことが予め実験により確認されている。
このようにして、ワーク2の加工条件に係るデータは、ワーク2の熱膨張に起因する寸法変化の影響について、ワーク2の凹部2aを基準として補正されることとなる。
ワーク加工条件補正工程S5000が終了したら、加工動作制御工程S6000に移行する。
加工動作制御工程S6000はワーク加工条件補正工程S5000において補正されたワーク2の加工条件に基づいて、加工工具10の回転動作、および、ワーク固定部4および加工工具担持部5の移動を行い、ワーク2に所定の加工(孔開け等)を施す工程である。
加工動作制御工程S6000において、加工動作制御部14dは、加工動作制御プログラムに従って、ワーク加工条件補正工程S5000において補正されたワーク2の加工条件に基づき、加工工具10の動作(回転)、ワーク固定部4および加工工具担持部5の移動を制御し、ワーク2に所定の加工を施す。
このようにして、ワーク2に所定の加工が施され、加工装置1によるワーク2の加工方法の実施の一形態が終了する。
なお、本実施例では相対位置補正工程S3000が終了した後でワーク温度検出工程S4000に移行する構成としたが、本発明に係る加工方法はこれに限定されず、ワーク温度検出工程S4000はワーク加工条件補正工程S5000の前であればどの時点で行っても良い(他の工程と同時並行で行うことを含む)。
ただし、ワーク温度検出工程S4000から加工動作制御工程S6000までの経過時間が長い場合、加工動作制御工程S6000におけるワーク2の温度がワーク温度検出工程S4000において検出した温度から変化する場合があり、加工精度を確保する観点からはワーク温度検出工程S4000から加工動作制御工程S6000までの経過時間を極力短くする構成とすることが望ましい。
また、本実施例では、加工装置1の各部の基準となる温度を室温(20℃)としたが、本発明に係る加工装置における基準となる温度は室温に限定されず、他の温度に設定することも可能である。ただし、加工精度を向上するという観点からは、加工装置の使用環境温度の範囲内の温度に設定することが望ましい。
さらに、本実施例ではワーク固定部4が加工装置1のX軸方向に移動し、かつ加工工具担持部5が加工装置1のY軸方向およびZ軸方向に移動する構成としたが、本発明に係る加工装置はこれに限定されず、ワーク固定手段または加工工具担持部のいずれか一方が加工装置に完全に固定され、他方がX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に相対移動する構成としても良い。
以上の如く、本発明に係る加工装置の実施の一形態である加工装置1は、
ワーク2を所定姿勢で固定するワーク固定部4と、
加工工具10を回転可能に担持する加工工具担持部5と、
ワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置を検出するターゲット孔7および光センサ8と、
ターゲット孔7および光センサ8により検出されたワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置に基づいてワーク固定部4および加工工具担持部5を移動して相対位置を補正する相対位置補正部14bと、
ワーク2の温度を検出するワーク温度センサ9と、
ワーク温度センサ9により検出されたワーク2の温度および予め設定されたワーク2の熱膨張係数に基づいて、予め設定されたワーク2の加工条件を補正するワーク加工条件補正部14cと、
ワーク加工条件補正部14cにより補正されたワーク2の加工条件に基づいて、加工工具10の回転、および、ワーク固定部4および加工工具担持部5の移動を制御し、ワーク2に所定の加工を施す加工動作制御部14dと、
を具備するものである。
このように構成することにより、加工装置1の周囲の温度(環境温度)の変化により加工装置1の各部およびワーク2の温度が変化し、当該各部およびワーク2の寸法が熱膨張に起因して変化した場合でも、相対移動するワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置およびワーク2の熱膨張に起因する寸法変化の二つのみを補正するだけで高精度な加工を簡便にワーク2に施すことが可能である。
また、加工装置1の環境温度を一定に保持するための設備コストを削減することが可能であり、ワーク2の加工コストを削減することが可能である。
また、加工装置1のワーク固定部4のワーク固定板45は、
ワーク2の所定位置に設けられた凹部2aと係合する凸部45aを具備するものである。
このように構成することにより、ワーク2の温度に関わらず、容易にワーク2を所定姿勢でワーク固定部4のワーク固定板45に固定することが可能であり、加工装置1によるワーク2の加工精度が向上する。
また、加工装置1のワーク加工条件補正部14cは、
ワーク2の所定位置に設けられた凹部2aを基準としてワーク2の加工条件を補正するものである。
このように構成することにより、ワーク2の温度に関わらずワーク2の加工条件を精度良く補正することが可能であり、ひいては加工装置1によるワーク2の加工精度が向上する。
また、加工装置1の相対位置検出手段は、
ワーク固定部4に設けられたターゲット孔7と、
加工工具担持部5に設けられ、ターゲット孔7との相対位置を検出する光センサ8と、
を具備するものである。
このように構成することにより、ワーク固定部4と加工工具担持部5の間に配置される種々の部材等(例えばベッド3)、あるいはワーク固定部4および加工工具担持部5自身を構成する種々の部材について、それぞれ固有のクセ等に基づいて熱膨張に起因して寸法が変化することに起因する加工精度の低下を容易に防止することが可能であり、ひいては加工装置1によるワーク2の加工精度が向上する。
特に、加工装置1の相対位置検出手段として、光学式のセンサ等の非接触式のセンサを用いた場合、その効果が顕著である。
また、加工装置1は、
ワーク固定部4(より厳密には、ワーク固定板45)の温度を検出するワーク固定部温度センサ11と、
加工工具担持部5(より厳密には、スピンドルヘッド56)の温度を検出する加工工具担持部温度センサ12と、
を具備し、
相対位置補正部14bは、
ワーク固定部温度センサ11により検出されたワーク固定部4の温度、加工工具担持部温度センサ12により検出された加工工具担持部5の温度、予め設定されて記憶部14aに記憶されたワーク固定部4の熱膨張係数および予め設定されて記憶部14aに記憶された加工工具担持部5の熱膨張係数に基づいて、ターゲット孔7および光センサ8の相対位置を補正する(「第一の補正」を行う)ものである。
このように構成することにより、ワーク固定部4の基準位置(本実施例の場合、凸部45a)および加工工具担持部5の基準位置(本実施例の場合、加工工具10の回転軸上の点)からオフセットした位置にターゲット孔7および光センサ8を設ける場合でも、ワーク固定部4の基準位置と加工工具担持部5の基準位置とが正対する(両者がY軸方向に平行な直線上に配置される)位置に精度良くワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置を補正することが可能であり、ひいては加工装置1によるワーク2の加工精度が向上する。
また、本発明に係る加工方法の実施の一形態は、
ワーク2を所定姿勢で固定するワーク固定部4と、
加工工具10を回転可能に担持する加工工具担持部5と、
を具備し、ワーク固定部4および加工工具担持部5が相対移動可能な加工装置1を用いた加工方法であって、
ワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置を検出する相対位置検出工程S2000と、
相対位置検出工程S2000において検出されたワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置に基づいてワーク固定部4および加工工具担持部5を移動してワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置を補正する相対位置補正工程S3000と、
ワーク2の温度を検出するワーク温度検出工程S4000と、
ワーク温度検出工程S4000において検出されたワーク2の温度および予め設定されたワーク2の熱膨張係数に基づいて、予め設定されたワーク2の加工条件を補正するワーク加工条件補正工程S5000と、
ワーク加工条件補正工程S5000において補正されたワーク2の加工条件に基づいて、加工工具10の回転、および、ワーク固定部4および加工工具担持部5の移動を行い、ワーク2に所定の加工を施す加工動作制御工程S6000と、
を具備するものである。
このように構成することにより、加工装置1の周囲の温度(環境温度)の変化により加工装置1の各部およびワーク2の温度が変化し、当該各部およびワーク2の寸法が熱膨張に起因して変化した場合でも、相対移動するワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置およびワーク2の熱膨張に起因する寸法変化の二つのみを補正するだけで高精度な加工を簡便にワーク2に施すことが可能である。
また、加工装置1の環境温度を一定に保持するための設備コストを削減することが可能であり、ワーク2の加工コストを削減することが可能である。
また、本発明に係る加工方法の実施の一形態におけるワーク固定部4は、
ワーク2の所定位置に設けられた凹部2aと係合する凸部45aを具備するものである。
このように構成することにより、ワーク2の温度に関わらず、容易にワーク2を所定姿勢でワーク固定部4のワーク固定板45に固定することが可能であり、加工装置1によるワーク2の加工精度が向上する。
また、本発明に係る加工方法の実施の一形態は、
ワーク加工条件補正工程S5000において、ワーク2の所定位置に設けられた凹部2aを基準としてワーク2の加工条件を補正するものである。
このように構成することにより、ワーク2の温度に関わらずワーク2の加工条件を精度良く補正することが可能であり、ひいては加工装置1によるワーク2の加工精度が向上する。
また、本発明に係る加工方法の実施の一形態は、
相対位置検出工程S2000において、
ワーク固定部4に設けられたターゲット孔7との相対位置を、加工工具担持部5に設けられた光センサ8により検出するものである。
このように構成することにより、ワーク固定部4と加工工具担持部5の間に配置される種々の部材等(例えばベッド3)、あるいはワーク固定部4および加工工具担持部5自身を構成する種々の部材について、それぞれ固有のクセ等に基づいて熱膨張に起因して寸法が変化することに起因する加工精度の低下を容易に防止することが可能であり、ひいては加工装置1によるワーク2の加工精度が向上する。
また、本発明に係る加工方法の実施の一形態は、
相対位置補正工程S3000において、
ワーク固定部温度センサ11により検出されたワーク固定部4の温度、加工工具担持部温度センサ12により検出された加工工具担持部5の温度、予め設定されて記憶部14aに記憶されたワーク固定部4の熱膨張係数および予め設定されて記憶部14aに記憶された加工工具担持部5の熱膨張係数に基づいて、ターゲット孔7および光センサ8の相対位置を補正する(「第一の補正」を行う)ものである。
このように構成することにより、ワーク固定部4の基準位置(本実施例の場合、凸部45a)および加工工具担持部5の基準位置(本実施例の場合、加工工具10の回転軸上の点)からオフセットした位置にターゲット孔7および光センサ8を設ける場合でも、ワーク固定部4の基準位置と加工工具担持部5の基準位置とが正対する(両者がY軸方向に平行な直線上に配置される)位置に精度良くワーク固定部4および加工工具担持部5の相対位置を補正することが可能であり、ひいては加工装置1によるワーク2の加工精度が向上する。
本発明に係る加工装置の実施の一形態を示す平面模式図。 本発明に係るワークの実施の一形態を示す図。 本発明に係る加工方法の実施の一形態を示すフロー図。 本発明に係る加工方法の実施の一形態における相対位置検出方法を示す図。 本発明に係る加工方法の実施の一形態における加工工具担持手段、相対位置検出手段およびワーク固定手段の位置関係を示す図。
符号の説明
1 加工装置
2 ワーク
4 ワーク固定部(ワーク固定手段)
5 加工工具担持部(加工工具担持手段)
7 ターゲット孔(相対位置検出手段)
8 光センサ(相対位置検出手段)
9 ワーク温度センサ(ワーク温度検出手段)
10 加工工具
14b 相対位置補正部(相対位置補正手段)
14c ワーク加工条件補正部(ワーク加工条件補正手段)
14d 加工動作制御部(加工動作制御手段)

Claims (10)

  1. ワークを所定姿勢で固定するワーク固定手段と、
    加工工具を所定動作可能に担持する加工工具担持手段と、
    前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段の相対位置を検出する相対位置検出手段と、
    前記相対位置検出手段により検出された前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段の相対位置に基づいて前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段のいずれか一方または両方を移動して相対位置を補正する相対位置補正手段と、
    前記ワークの温度を検出するワーク温度検出手段と、
    前記ワーク温度検出手段により検出されたワークの温度および予め設定された前記ワークの熱膨張係数に基づいて、予め設定された前記ワークの加工条件を補正するワーク加工条件補正手段と、
    前記ワーク加工条件補正手段により補正されたワークの加工条件に基づいて、前記加工工具の動作、および、前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段のいずれか一方または両方の移動を制御し、前記ワークに所定の加工を施す加工動作制御手段と、
    を具備することを特徴とする加工装置。
  2. 前記ワーク固定手段は、
    前記ワークの所定位置に設けられたワーク側係合部と係合する固定側係合部を具備することを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
  3. 前記ワーク加工条件補正手段は、前記ワーク側係合部を基準として前記ワークの加工条件を補正することを特徴とする請求項2に記載の加工装置。
  4. 前記相対位置検出手段は、
    前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段のいずれか一方に設けられたターゲットと、
    前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段の他方に設けられ、前記ターゲットとの相対位置を検出するターゲット検出センサと、
    を具備することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の加工装置。
  5. 前記ワーク固定手段の温度を検出するワーク固定側温度検出手段と、
    前記加工工具担持手段の温度を検出する加工工具側温度検出手段と、
    を具備し、
    前記相対位置補正手段は、
    前記ワーク固定側温度検出手段により検出されたワーク固定手段の温度、前記加工工具側温度検出手段により検出された加工工具担持手段の温度、予め設定された前記ワーク固定手段の熱膨張係数および予め設定された前記加工工具担持手段の熱膨張係数に基づいて、前記ターゲットおよび前記ターゲット検出センサの相対位置を補正することを特徴とする請求項4に記載の加工装置。
  6. ワークを所定姿勢で固定するワーク固定手段と、
    加工工具を所定動作可能に担持する加工工具担持手段と、
    を具備し、前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段のいずれか一方または両方が相対移動可能な加工装置を用いた加工方法であって、
    前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段の相対位置を検出する相対位置検出工程と、
    前記相対位置検出工程において検出された前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段の相対位置に基づいて前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段のいずれか一方または両方を移動して前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段の相対位置を補正する相対位置補正工程と、
    前記ワークの温度を検出するワーク温度検出工程と、
    前記ワーク温度検出工程において検出されたワークの温度および予め設定された前記ワークの熱膨張係数に基づいて、予め設定された前記ワークの加工条件を補正するワーク加工条件補正工程と、
    前記ワーク加工条件補正工程において補正されたワークの加工条件に基づいて、前記加工工具の動作、および、前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段のいずれか一方または両方の移動を行い、前記ワークに所定の加工を施す加工動作制御工程と、
    を具備することを特徴とする加工方法。
  7. 前記ワーク固定手段は、
    前記ワークの所定位置に設けられたワーク側係合部に係合する固定側係合部を具備することを特徴とする請求項6に記載の加工方法。
  8. 前記ワーク加工条件補正工程において、
    前記ワーク側係合部を基準として前記ワークの加工条件を補正することを特徴とする請求項7に記載の加工方法。
  9. 前記相対位置検出工程において、
    前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段のいずれか一方に設けられたターゲットとの相対位置を、前記ワーク固定手段または前記加工工具担持手段の他方に設けられたターゲット検出センサにより検出することを特徴とする請求項6から請求項8までのいずれか一項に記載の加工方法。
  10. 前記相対位置補正工程において、
    前記ワーク固定手段の温度、前記加工工具担持手段の温度、前記ワーク固定手段の熱膨張係数および前記加工工具担持手段の熱膨張係数に基づいて、前記ワーク固定手段および前記加工工具担持手段にそれぞれ設けられた前記ターゲットおよび前記ターゲット検出センサの位置を補正することを特徴とする請求項9に記載の加工方法。
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